JP2981195B2 - 含フッ素共重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含フッ素共重合体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シーリング材やコーティング材の
分野においては、伸縮性に優れ、かつ耐候性にも優れさ
らに常温での硬化が可能な樹脂の開発が必要とされてき
た。近年ではこれに加えて、例えばシリコーン樹脂のよ
うに、上述の条件は満足しても、その中に含まれる低分
子量のシリコーンオイルや可塑剤等のマイグレーション
による汚染発生の問題や、塗り重ね性の要求も生じてき
ている。
【0003】シーリング材を例にとると、伸縮性のない
油性コーキング材から、弾性系であるウレタン系、ポリ
スルフィド系へと発展し、さらに耐候性の良いシリコー
ン系が開発されたが、低分子量シリコーンオイルによる
汚染性が著しいという欠点があった。そこで骨格は、ポ
リアルキレンオキシドで架橋部位にのみシロキサン結合
を有する変成シリコーン等も開発されているが、耐候性
等が不充分なケースも生じ充分な解決とはいい難い。
【0004】一方、耐候性が高く、常温硬化性を有する
樹脂としては、フルオロオレフィン−ビニルエーテル系
共重合体が知られており、塗料用組成物等として利用さ
れている。当該樹脂による被覆組成物は耐候性に優れ、
建築物の耐久性を高める等産業上の有益性が認められつ
つある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、耐候性ととも
により高い伸縮性を要求されるシーリング材、エラスト
マー、防水材、接着剤、PCM用塗料、弾性塗料等の用
途にはより一層高い柔軟性を有する樹脂が望まれる。ま
た、施工性などの点から、一液硬化性のものが望まれて
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、フルオロオレフィン、
及びフルオロオレフィンと共重合可能でありエーテル結
合を2個以上有し末端が水分の作用により硬化しうる官
能基である単量体を、前者20〜70モル%、及び後者
1〜80モル%の割合で共重合する含フッ素共重合体の
製造方法であって、含フッ素共重合体の全重合単位に対
してフルオロオレフィン、及びフルオロオレフィンと共
重合可能でありエーテル結合を2個以上有し末端が水分
の作用により硬化しうる官能基である単量体の合計が3
0モル%以上の割合で共重合されることを特徴とする含
フッ素共重合体の製造方法(以下、A方法という)を提
供する。
【0007】また、本発明は、フルオロオレフィンに基
づく重合単位を20〜70モル%、フルオロオレフィン
と共重合可能でありエーテル結合を2個以上有し末端に
反応性基を有する重合単位を1〜80モル%の割合で含
有し、全重合単位に対し前者の重合単位及び後者の重合
単位の合計が30モル%以上の割合で含まれるフッ素含
有重合体と、水分の作用により硬化しうる官能基を有し
フッ素含有重合体の反応性基と反応しうる化合物とを反
応せしめることを特徴とする含フッ素共重合体の製造方
法(以下、B方法という)を提供する。
【0008】A方法において、フルオロオレフィンと共
重合可能でありエーテル結合を2個以上有し末端が水分
の作用により硬化しうる官能基である単量体としては、
ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタアクリロイ
ル基などのエチレン性不飽和基からなる重合可能な部位
を有する単量体が採用される。
【0009】かかる単量体は、エーテル結合を2個以上
有し末端が水分の作用により硬化しうる官能基であるも
のが採用される。かかる単量体は、ヒドロキシアルキル
ビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、
アクリル酸と多価アルコールとの反応物、グリシジルア
リルエーテルとアルカノールアミン又はフェノール性化
合物との反応物、アリルアルコールなどの水酸基含有単
量体にアルキレンオキシドを付加反応せしめる方法、水
酸基、アルコキシシリル基、エポキシ基、アミノ基など
の反応性基を有する単量体に、イソシアナート基、アル
コキシシリル基、カルボン酸基などの上記反応性基と反
応しうる基を有するポリエーテル化合物を反応せしめる
方法などにより得られるエーテル結合を有する単量体に
ジイソシアナート化合物、イソシアナートアルキルシラ
ン化合物、シリルイソシアナート化合物、メルカプトア
ルカン酸などの水分の作用により硬化しうる官能基を有
する化合物を反応せしめる方法などが例示できる。
【0010】また、A方法において、フルオロオレフィ
ンとエーテル結合を2個以上有し末端が水分の作用によ
り硬化しうる官能基である単量体を各々1種ずつ重合せ
しめた場合、交互共重合をする可能性が高く、特に、エ
ーテル結合を2個以上有し末端が水分の作用により硬化
しうる官能基である単量体がビニル系又はアリル系化合
物の場合にこの可能性がきわめて高くなる。交互共重合
した場合は、エーテル結合を2個以上有し末端が水分の
作用により硬化しうる官能基である重合単位間に存在す
る他の重合単位が1個程度となり、重合体は、良好な可
撓性ないし弾性を発揮することが難しくなる。
【0011】好ましくは、フルオロオレフィン、エーテ
ル結合を2個以上有し末端が水分の作用により硬化しう
る官能基である単量体のいずれか又は両方に、種類の異
なる2つ以上の化合物を採用する。又は、フルオロオレ
フィン、エーテル結合を2個以上有し末端が水分の作用
により硬化しうる官能基である単量体の他にこれらと共
重合可能な共単量体を共重合せしめるなどの方法を採用
して、重合体中、2個以上のエーテル結合を有し末端が
水分の作用により硬化しうる官能基である重合単位間に
他の重合単位が多数存在するよう操作される。通常は、
後者の共単量体を共重合せしめる方法が採用される。
【0012】ここで、共単量体としては、ビニル基、ア
リル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合
性部位を有する化合物が採用される。具体的には、オレ
フィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリ
ルエーテル類、アリルエステル類、アクリル酸エステル
類、メタアクリル酸エステル類などが例示される。特に
炭素数1〜15程度の直鎖状、分岐状又は脂環状のアル
キル基を有する化合物が好ましい。かかる共単量体とし
ては、炭素に結合した水素の一部ないし全部がフッ素に
置換されたものを採用してもよい。
【0013】また、A方法において、各重合性単量体の
重合割合は、フルオロオレフィンが20〜70モル%、
エーテル結合を2個以上有し末端が水分の作用により硬
化しうる官能基である単量体が1〜80モル%であり、
全重合単位に対して、フルオロオレフィン及びエーテル
結合を2個以上有する単量体が30モル%以上の割合で
共重合されるよう制御する。
【0014】かかる重合は、溶液重合、乳化重合、懸濁
重合、バルク重合のいずれの方法によってもよく、所定
量の単量体に重合開始剤や電離性放射線などの重合開始
源を作用せしめることにより重合が行われる。またその
他の諸条件は、通常、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、
バルク重合などを行う際と同様の条件で行いうる。
【0015】B方法において、フルオロオレフィンに基
づく重合単位(1)を20〜70モル%、フルオロオレ
フィンと共重合可能でありエーテル結合を2個以上有し
末端に反応性基を有する重合単位(2)を1〜80モル
%の割合で含有し、全重合単位に対し重合単位(1)及
び重合単位(2)の合計が30モル%以上の割合で含ま
れるフッ素含有重合体は、次に例示する方法などにより
製造できる。
【0016】C方法:フルロオレフィン、及びフルオロ
オレフィンと共重合可能でありエーテル結合を2個以上
有する単量体を共重合する方法。
【0017】D方法:フルオロオレフィンに基づく重合
単位(1)を20〜70モル%、反応性基を有する重合
単位(3)を1〜80モル%の割合で含有し、全重合単
位に対し重合単位(1)及び重合単位(3)の合計が3
0モル%以上の割合で含まれるフッ素含有共重合体と、
1個以上のエーテル結合を有し、フッ素含有共重合体の
反応性基と反応しうる化合物とを反応せしめる方法。
【0018】E方法:フルオロオレフィンに基づく重合
単位(1)を20〜70モル%、水酸基を有する重合単
位(4)を1〜80モル%の割合で含有し、全重合単位
に対し重合単位(1)及び重合単位(4)の合計が30
モル%以上の割合で含まれるフッ素系共重合体に、アル
キレンオキシドを付加反応せしめる方法。
【0019】C方法において、フルオロオレフィンと共
重合可能でありエーテル結合を2個以上有する単量体と
しては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタア
クリロイル基などのエチレン性不飽和基からなる重合可
能な部位を有する単量体が採用される。かかる単量体
は、エーテル結合を2個以上有するものが採用される。
かかるエーテル結合を有する単量体は、次に例示する方
法などで合成されうる。
【0020】ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒド
ロキシアルキルアリルエーテル、アクリル酸と多価アル
コールとの反応物、グリシジルアリルエーテルとアルカ
ノールアミン又はフェノール性化合物との反応物、アリ
ルアルコールなどの水酸基含有単量体にアルキレンオキ
シドを付加反応せしめる方法。
【0021】水酸基、アルコキシシリル基、エポキシ
基、アミノ基などの反応性基を有する単量体に、イソシ
アナート基、アルコキシシリル基、カルボン酸基などの
上記反応性基と反応しうる基を有するポリエーテル化合
物を反応せしめる方法。
【0022】また、C方法において、フルオロオレフィ
ンとエーテル結合を2個以上有する単量体を各々1種ず
つ重合せしめた場合、交互共重合をする可能性が高く、
特に、エーテル結合を2個以上有する単量体がビニル系
又はアリル系化合物の場合にこの可能性がきわめて高く
なる。交互共重合した場合は、エーテル結合を2個以上
有する重合単位間に存在する他の重合単位が1個程度と
なり、重合体は、良好な可撓性ないし弾性を発揮するこ
とが難しくなる。
【0023】好ましくは、フルオロオレフィン、エーテ
ル結合を2個以上有する単量体のいずれか又は両方に、
種類の異なる2つ以上の化合物を採用する。又は、フル
オロオレフィン、エーテル結合を2個以上有する単量体
の他にこれらと共重合可能な共単量体を共重合せしめる
などの方法を採用して、重合体中、2個以上のエーテル
結合を有する重合単位間に他の重合単位が多数存在する
よう操作される。通常は、後者の共単量体を共重合せし
める方法が採用される。
【0024】ここで、共単量体としては、ビニル基、ア
リル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合
性部位を有する化合物が採用される。具体的には、オレ
フィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリ
ルエーテル類、アリルエステル類、アクリル酸エステル
類、メタアクリル酸エステル類などが例示される。特に
炭素数1〜15程度の直鎖状、分岐状又は脂環状のアル
キル基を有する化合物が好ましい。かかる共単量体とし
ては、炭素に結合した水素の一部ないし全部がフッ素に
置換されたものを採用してもよい。
【0025】また、C方法において、各重合性単量体の
重合割合は、フルオロオレフィンが20〜70モル%、
エーテル結合を2個以上有する単量体が1〜80モル%
であり、全重合単位に対して、フルオロオレフィン及び
エーテル結合を2個以上有する単量体が30モル%以上
の割合で共重合されるよう制御することが好ましい。
【0026】かかる重合は、溶液重合、乳化重合、懸濁
重合、バルク重合のいずれの方法によってもよく、所定
量の単量体に重合開始剤や電離性放射線などの重合開始
源を作用せしめることにより重合が行われる。またその
他の諸条件は、通常、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、
バルク重合などを行う際と同様の条件で行いうる。
【0027】D方法において、フッ素含有共重合体は、
フルオロオレフィン、反応性基含有又は反応性基に転換
しうる基含有単量体及び必要に応じて他の共単量体を共
重合せしめることにより合成できる。反応性基として
は、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、メルカプト基、
酸アミド基などの活性水素含有基、エポキシ基、不飽和
基、加水分解性シリル基、活性ハロゲン含有基などが例
示される。
【0028】ここで、反応性基含有単量体としては、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル
アリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、グリシジ
ルアリルエーテル、アミノアルキルビニルエーテル、ア
ミノアルキルアリルエーテル、アクリル酸、メタアクリ
酸などが例示される。
【0029】また、反応性基に転換しうる基としては、
重合後加水分解可能なエステル基などが例示される。ま
た、反応性基は、必要に応じて重合後他の反応性基に転
換されてもよい。例えば、水酸基に多価カルボン酸又は
その無水物を反応せしめて、カルボン酸基に転換する、
水酸基にシリルイソシアナートを反応せしめて、加水分
解性シリル基に転換する、エポキシ基にアルカノールア
ミン又はフェノール性化合物を反応せしめて水酸基に転
換する、水酸基にイソシアナートアルキルメタアクリレ
ートを反応せしめて不飽和基に転換する方法などが例示
される。
【0030】また、フッ素含有共重合体の合成にあたっ
て、前述のC方法で説明した共単量体と同様の単量体を
共重合してもよい。また、フッ素含有共重合体は、フル
オロオレフィンに基づく重合単位(1)を20〜70モ
ル%、反応性基を有する重合単位(3)を1〜80モル
%の割合で含有し、全重合単位に対して、重合単位
(1)及び重合単位(3)の合計が30モル%以上の割
合で含まれている。フッ素含有共重合体において、各重
合単位が上記割合で含まれていないと、目的の含フッ素
共重合体の製造が困難になる。
【0031】また、D方法は1個以上のエーテル結合を
有しフッ素含有共重合体の反応性基と反応しうる基を有
する化合物と、上記フッ素含有共重合体とを反応せしめ
る。D方法によれば、側鎖にエーテル結合を有する含フ
ッ素共重合体が製造できる。特に、フッ素含有共重合体
の反応性基を有する重合単位が、ビニルエーテルやアリ
ルエーテルのようなエーテル結合を含むものである場
合、又は、フッ素含有共重合体とエーテル結合を有する
化合物との反応によりエーテル結合が形成される場合に
は、反応せしめる化合物がエーテル結合を1個有する化
合物であっても、エーテル結合を2個有する側鎖を含む
重合単位を有する含フッ素共重合体(すなわち、前記本
発明における含フッ素共重合体)が得られる。
【0032】反応性基を有する重合単位がエーテル結合
を有しないものである場合又は反応によりエーテル結合
が生成しない場合には、反応せしめる化合物を2個以上
のエーテル結合を有する化合物とすることにより前記本
発明におけるエーテル結合を2個以上有する側鎖を含む
重合単位を有する含フッ素共重合体を製造できる。
【0033】反応せしめる化合物としては、エーテル結
合を5個以上、特に10個以上、有する化合物を反応さ
せることが好ましい。またフッ素含有共重合体の反応性
基と反応しうる基としては、フッ素含有共重合体の反応
性基の種類により適宜選定されうる。
【0034】具体的には、イソシアナート基、水酸基、
カルボン酸基、エポキシ基、アミノ基、加水分解性シリ
ル基などが例示される。このような化合物は、通常、常
法に従ってアルキレンオキシドを付加重合せしめた後、
必要に応じて末端の水酸基にシリルイソシアナート、多
価カルボン酸又はその無水物などを反応せしめるといっ
た方法により合成されうる。
【0035】フッ素含有共重合体と、エーテル結合を1
個以上有し、フッ素含有共重合体の反応性基と反応しう
る基を有する化合物との反応は、フッ素含有共重合体の
反応性基1個あたり、反応させる化合物が1個よりも多
い条件下に反応せしめることが望ましい。反応せしめる
化合物の量が少ない場合には、フッ素含有重合体間に架
橋構造が形成せしめられることがあり、以後のハンドリ
ングが煩雑になることがあるため好ましくない。
【0036】1個以上のエーテル結合を有しフツ素含有
共重合体の反応性基と反応しうる基を有する化合物とし
ては、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、アルキレ
ンオキシド付加重合物、アルキレンオキシド付加重合物
と、アルカノールアミン、多価イソシアナート化合物、
イソシアナートアルキルアクリレート、シリルイソシア
ナート、多価カルボン酸無水物などの化合物との反応物
などが例示される。
【0037】E方法は、フルオロオレフィンに基づく重
合単位(1)を20〜70モル%、水酸基を有する重合
単位(4)1〜80モル%の割合で含有し、全重合単位
に対して重合単位(1)及び重合単位(4)の合計が3
0モル%以上の割合で含まれるフッ素系共重合体にアル
キレンオキシドを付加反応せしめる方法である。
【0038】ここで、フッ素系共重合体は、前述のD方
法で説明した方法と同様の方法で製造できる。ただし、
フッ素系共重合体は、水酸基を有することが重要であ
る。ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシア
ルキルアリルエーテル、アリルアルコールなど、水酸基
含有単量体を共重合した場合は、フッ素系共重合体中に
水酸基が簡単に導入できる。
【0039】一方、グリシジルアリルエーテル、アクリ
ル酸など、水酸基以外の反応性を有する単量体を共重合
した場合には、反応性基を水酸基に変換せしめる必要が
ある。反応性基の水酸基への変換は、アルカノールアミ
ン、多価アルコールなど、の化合物を反応せしめること
により容易に達成されうる。このフッ素系共重合体へア
ルキレンオキシドの付加反応は、通常のポリエーテル化
合物の製造の際と同様の方法で行いうる。
【0040】また、水分の作用により硬化しうる官能基
の導入方法は、水分の作用により硬化しうる官能基及び
フッ素含有重合体の反応性基と反応しうる基を有する化
合物を反応せしめることにより達成される。
【0041】ここで、水分の作用により硬化しうる官能
基及びフッ素含有重合体の反応性基と反応しうる基を有
する化合物としては、次のような化合物が例示される。
【0042】ヘキサメチレンジイソシアナート、トルエ
ンジイソシアナートなどの多価イソシアナート化合物、
γイソシアナートプロピルメチルジメトキシシランなど
のイソシアナートアルキルシラン化合物、トリメトキシ
シリルイソシアナートなどのシリルイソシアナート化合
物、4−トリメトキシシリルテトラヒドロ無水フタル酸
などの加水分解性シリル基含有化合物、メルカプトアル
カン酸、チオジアルカン酸などのチオール基含有化合物
など。
【0043】また、フッ素含有重合体と上記化合物との
反応は、フッ素含有重合体の反応基に対し、過剰当量の
上記化合物を反応せしめることが好ましい。反応させる
上記化合物の量が少ないと、ゲル化してしまうことがあ
り好ましくない。特に、フッ素含有重合体の反応基1モ
ルあたり、上記化合物1モル以上を反応させることが好
ましい。
【0044】本発明における含フッ素共重合体は、フル
オロオレフィンに基づく重合単位を20〜70モル%含
有する。フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロ
エチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロ
エチレン、フツ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフ
ルオロプロピレン、ペンタフルオロエチレンなどの炭素
数2〜6、特に炭素数2〜4程度のフルオロオレフィン
が好ましい。なかでも、水素が完全にハロゲンに置換さ
れているパーハロオレフィンが最も好ましい。
【0045】フルオロオレフィンに基づく重合単位が2
0モル%未満では、充分な耐候性が発揮されず、長期使
用において汚れなどが著しくなることがある。フルオロ
オレフィンに基づく重合単位が70モル%超では、良好
な弾性が得られなくなったり、他の材料との密着性が得
られなくなる。フルオロオレフィンに基づく重合単位を
30〜60モル%含有するものが特に好ましい。
【0046】本発明における含フッ素共重合体は、2個
以上のエーテル結合を有し末端が水分の作用により硬化
しうる官能基である側鎖を含む重合単位を1〜80モル
%の割合で含有する。この特定の側鎖が含まれているた
め、良好な弾性を有する弾性体となり、かつ、一液硬化
性となりうる。
【0047】本発明における含フッ素共重合体の2個以
上のエーテル結合を有する側鎖としては、ポリプロピレ
ングリコール鎖、ポリエチレングリコール鎖などのよう
な、エーテル結合及び炭素−炭素結合だけからなる側鎖
でもよく、ウレタン結合、エステル結合、アミノ結合な
ど他の結合を含むものでもよい。
【0048】側鎖中のエーテル結合の数が2未満のもの
は、好ましい弾性を有する弾性体が得られなくなるため
採用されない。側鎖中のエーテル結合の数が多いほど、
良好な弾性を有する弾性体が得られるが、あまり長くな
ると耐候性、耐汚染性が低下するため好ましくない。通
常は、エーテル結合の数で、40以下、さらに好ましく
は30以下が採用される。
【0049】また、エーテル結合間は、通常、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアル
キレン基で構成されるが、エーテル結合間の炭素数の小
さいものは親水性が高いため、含フッ素共重合体又はそ
の架橋物の耐水性が低下することがあり好ましくない。
また、エーテル結合間の炭素数の大きいものは、合成が
難しいなどの問題があり、通常は好ましく採用されな
い。好ましくは、エチレン基、プロピレン基などの炭素
数2〜6程度のアルキレン基が採用される。
【0050】このアルキレン基は、炭素に結合した水素
の一部ないし全部がフツ素、塩素等のハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基などの置換基で置換されたもので
あってもよい。特に、良好な弾性体を得るためには、側
鎖のエーテル結合の数が5個以上、また、シーラントな
どの用途に適するものを得るためには、エーテル結合の
数が10以上のものが好ましく採用される。
【0051】また、前述の通りこの特定の側鎖は末端が
水分の作用により硬化しうる官能基である。かかる官能
基としては、イソシアナート基、加水分解性シリル基、
チオール基などが例示される。
【0052】また、この特定の側鎖を含む重合単位は、
1〜80モル%の割合で含まれている。この特定の側鎖
を含む重合単位の含有割合があまりに少ないと、良好な
弾性体とならない又は弾性体が得られないため好ましく
ない。またあまりに多いと耐候性が悪くなったり、弾性
体が得にくくなることがあるため好ましくない。特定の
側鎖を含む重合単位が5〜30モル%の割合で含まれる
含フッ素共重合体が特に好ましい。
【0053】本発明における含フッ素共重合体は、上記
フルオロオレフィンに基づく重合単位及び特定の側鎖を
含む重合単位の他に別の重合単位が含まれていてもよ
い。この場合、フルオロオレフィンに基づく重合単位及
び特定の側鎖を含む重合単位の合計が、全重合単位に対
して30モル%以上の割合で含まれている。この2種の
重合単位の含まれる割合があまりに少ない場合には、充
分な耐候性、耐汚染性及び弾性が発揮されない。
【0054】別の重合単位としては、フルオロオレフィ
ンと共重合しうる単量体に基づく重合単位であり、ビニ
ル系、アリル系、アクリロイル系、メタクリロイル系な
どのエチレン性不飽和化合物に基づく重合単位が挙げら
れる。これらの単量体が適宜共重合されていることによ
り、特定の側鎖を含む重合単位間に多くの重合単位が含
まれるようになり、より効果的に弾性が発揮されるため
好ましい。
【0055】かかる含フッ素共重合体は、数平均分子量
(以下、単に分子量ということがある)が50,000
程度以下のものであることが好ましい。あまりに分子量
の大きなものは弾性塗料として使用した場合に塗装作業
性が優れず、好ましくない。特にシーラント用など、無
溶剤で用いる場合には、分子量の大きなものは作業性が
きわめて悪い。無溶剤で用いる場合には分子量15,0
00以下、特に10,000以下のものを採用すること
が好ましい。分子量の下限は特に限定されないが、通常
は1,000以上、好ましくは2,000以上が採用さ
れる。
【0056】本発明における含フッ素共重合体は、良好
な弾性を有する硬化物を与えるため、シーラント、弾性
塗料などのベースとして好ましく採用できる。
【0057】また、本発明における含フッ素共重合体は
単独でもシーラントなどとして使用できるが、充填剤、
溶剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、レベリング
剤、硬化触媒などが添加配合されていてもよい。
【0058】充填材としては、フュームシリカ、沈降性
シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸及びカーボンブラック
のような補強性充填材、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化
チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二
鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、水添ヒマシ油及びシラスバ
ルーン、などのような充填材、石綿、ガラス繊維及びフ
ィラメントのような繊維状充填材が使用できる。
【0059】これら充填材で強度の高い硬化組成物を得
たい場合には、主にフュームシリカ、沈降性シリカ、無
水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、表面処理微
細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、及び活性亜鉛
華などから選ばれる充填材を含フッ素共重合体100重
量部に対し、1〜100重量部の範囲で使用すれば、好
ましい結果が得られる。
【0060】また、低強度で伸びが大である硬化組成物
を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛、及
びシラスバルーンなどから選ばれる充填材を含フッ素共
重合体100重量部に対し、5〜200重量部の範囲で
使用すれば、好ましい結果が得られる。これら充填材
は、1種のみで使用してもよく2種類以上混合使用して
もよい。
【0061】
【実施例】以下の例において例1〜5は合成例、例6〜
7、例9〜10、例12〜13、例15及び例17〜1
8は実施例、例8、例11、例14及び例16は比較
例、例19〜27は参考例、例28〜31は比較参考例
である。
【0062】「例1〜2」表1に示す量のヒドロキシブ
チルビニルエーテル(HBVE)、水酸化カリウム(濃
度95%)を内容量5Lのステンレス製撹拌機付耐圧反
応器に仕込み、プロピレンオキシド(PO)を徐々に添
加し、3kg/cm2 、110℃で所定時間、反応を行
った。得られた液体を合成マグネシアで精製して、ポリ
オキシプロピレン鎖を有するビニルエーテルを得た。各
ビニルエーテルのPO付加モル数を表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】「例3〜4」 内容積550mLのステンレス製撹拌機付耐圧反応器
に、キシレン112g、エタノール112g、炭酸カリ
ウム1.6g及びアゾビスイソブチロニトリル0.5g
を仕込み、表2に示す組成の単量体を重合せしめた。重
合は、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)を除く
単量体を仕込んだ後、液体窒素により溶存空気を除去
し、次いで、CTFEを導入し、徐々に昇温し温度を6
5℃に維持し、撹拌下で10時間重合反応を続けた後、
反応器を水冷して重合を停止することにより行った。
【0065】反応器を室温まで冷却した後、未反応単量
体を抜き出し、反応器を開放した。重合体溶液を濾過し
た後、エバポレータで溶剤を除去し、含フッ素共重合体
を得た。得られた含フッ素共重合体の水酸基価(KOH
mg/g)、数平均分子量、ガラス転移温度を表2に示
した。
【0066】また、例3〜4における含フッ素共重合体
の分子量測定(G.P.C.使用)において、例1〜2
で得られたビニルエーテルに相当する部分にピークがほ
とんどみられなかったことから、ポリオキシプロピレン
鎖を有するビニルエーテルは共重合していることが推定
される。
【0067】
【表2】
【0068】「例5」例1で得られたポリオキシプロピ
レン鎖を有するビニルエーテル100gに、γ−イソシ
アナートプロピルメチルジメトキシシラン16gをジブ
チル錫ジラウレート0.01gの存在下に室温、窒素雰
囲気下で4時間撹拌して反応せしめて、メトキシシリル
基末端のポリオキシプロピレン鎖を有するビニルエーテ
ルを得た。
【0069】「例6」内容量300mLのガラス容器に
ヘキサメチレンジイソシアナート(以下、HDIと略記
する)を16.8g取り、乾燥窒素ガス気流中撹拌しな
がら例3の含フッ素共重合体を200g徐々に滴下後、
24時間反応を続け、赤外線吸収スペクトルを測定した
ところ、HDIのイソシアナート基の示すピークの半量
がウレタン結合に変化したことを確認し、冷却により反
応を停止し216.8gのイソシアナート基を有する含
フッ素共重合体を得た。
【0070】次いでこの含フッ素共重合体にジブチル錫
ジラウレートを0.01g添加し、窒素パージした容器
に50℃にて20日間保存した後、流動性を調べたとこ
ろゲル化は認られず良好な流動性を示していた。またこ
の含フッ素共重合体を厚さ1mmで塗布し、20℃、6
5%RHの標準状態の室内に静置したところ、24時間
で硬化した。このことからこの含フッ素共重合体は一液
型室温硬化性を有するものであることが認められた。
【0071】「例7」内容量300mLのガラス容器に
HDIを11.5g取り、乾燥窒素ガス気流中撹拌しな
がら例4の含フッ素共重合体を200g徐々に滴下後、
24時間反応を続け、赤外線吸収スペクトルを測定した
ところ、HDIのイソシアナート基の示すピークの半量
がウレタン結合に変化したことを確認し、冷却により反
応を停止し211.5gのイソシアナート基を有する含
フッ素共重合体を得た。
【0072】次いでこの含フッ素共重合体にジブチル錫
ジラウレートを0.01g添加し、窒素パージした容器
に50℃にて20日間保存した後、流動性を調べたとこ
ろゲル化は認られず良好な流動性を示していた。またこ
の含フッ素共重合体を厚さ1mmで塗布し、20℃、6
5%RHの標準状態の室内に静置したところ、24時間
で硬化した。このことからこの含フッ素共重合体は一液
型室温硬化性を有するものであることが認められた。
【0073】「例8」例6において、含フッ素共重合体
に代えて、分子量5000で3官能のポリプロピレング
リコール200g、HDI 20.2gとする他は同様
にして、イソシアナート基を有する重合体を得た。この
重合体も一液型室温硬化性を有するものであることが認
められた。
【0074】「例9」内容量300mLのガラス容器に
例3の含フッ素共重合体を200g、γ−イソシアナー
トプロピルメチルジメトキシシラン20.4gと硬化触
媒としてジブチル錫ジラウレート0.02gとを加え、
室温、窒素雰囲気下で4時間撹拌した。得られた含フッ
素共重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、
イソシアナート基の吸収ピークが消え、ウレタン結合の
吸収ピークが生じていることを確認し、アルコキシシリ
ル基を有することが確認された。
【0075】次いでこの含フッ素共重合体にジブチル錫
ジラウレートを1g添加し、 窒素ガスパージした容器に
50℃にて20日間保存し、流動性を調べたところゲル
化は認められず良好な流動性を示していた。またこの含
フッ素共重合体を厚さ1mmで塗布し、20℃、65%
RHの標準状態の室内に静置したところ、24時間で硬
化した。このことからこの含フッ素共重合体は一液型室
温硬化性を有するものであることが認められた。
【0076】「例10」内容量300mLのガラス容器
に例4の含フッ素共重合体を200g、γ−イソシアナ
ートプロピルメチルジメトキシシラン14gと硬化触媒
としてジブチル錫ジラウレート0.02gとを加え、室
温、窒素雰囲気下で4時間撹拌した。得られた含フッ素
共重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、イ
ソシアナート基の吸収ピークが消え、ウレタン結合の吸
収ピークが生じていることを確認し、アルコキシシリル
基を有することが確認された。
【0077】次いでこの含フッ素共重合体にジブチル錫
ジラウレートを1g添加し、 窒素ガスパージした容器に
50℃にて20日間保存し、流動性を調べたところゲル
化は認められず良好な流動性を示していた。またこの含
フッ素共重合体を厚さ1mmで塗布し、20℃、65%
RHの標準状態の室内に静置したところ、24時間で硬
化した。このことからこの含フッ素共重合体は一液型室
温硬化性を有するものであることが認められた。
【0078】「例11」例9において、含フッ素共重合
体に代えて、分子量5000で3官能のポリプロピレン
グリコール200g、γ−イソシアナートプロピルメチ
ルジメトキシシラン23gとする他は同様にして、メト
キシシリル基を有する重合体を得た。この重合体も一液
型室温硬化性を有するものであることが認められた。
【0079】「例12」内容量300mLのガラス容器
に例6のイソシアナート基を有する含フッ素共重合体を
200g取り、乾燥窒素ガス気流中撹拌しながらγ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン18gを徐々に滴下し
た後、8時間反応を続け、赤外線吸収スペクトルを測定
したところ、イソシアナート基の示すピークが消失し尿
素結合に変化したことを確認し、アルコキシシリル基を
有する含フッ素共重合体を得た。
【0080】次いでこの含フッ素共重合体にジブチル錫
ジラウレートを1g添加し、 窒素ガスパージした容器に
50℃にて20日間保存した後、流動性を調べてみたと
ころゲル化は認められず良好な流動性を示していた。ま
たこの含フッ素共重合体を厚さ1mmで塗布し、20
℃、65%RHの標準状態の室内に静置したところ、2
4時間で硬化した。このことからこの含フッ素共重合体
一液型室温硬化性を有するものであることが認められ
た。
【0081】「例13」内容量300mLのガラス容器
に例7のイソシアナート基を有する含フッ素共重合体を
200g取り、乾燥窒素ガス気流中撹拌しながらγ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン12gを徐々に滴下し
た後、8時間反応を続け、赤外線吸収スペクトルを測定
したところ、イソシアナート基の示すピークが消失し尿
素結合に変化したことを確認し、アルコキシシリル基を
有する含フッ素共重合体を得た。
【0082】次いでこの含フッ素共重合体にジブチル錫
ジラウレートを1g添加し、 窒素ガスパージした容器に
50℃にて20日間保存した後、流動性を調べてみたと
ころゲル化は認められず良好な流動性を示していた。ま
たこの含フッ素共重合体を厚さ1mmで塗布し、20
℃、65%RHの標準状態の室内に静置したところ、2
4時間で硬化した。このことからこの含フッ素共重合体
は一液型室温硬化性を有するものであることが認められ
た。
【0083】「例14」例12において、含フッ素共重
合体に代えて、例8で得た重合体200g、γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン21gとする他は同様
にして、メトキシシリル基を有する重合体を得た。この
重合体も一液型室温硬化性を有するものであることが認
められた。
【0084】「例15」内容量300mLのガラス容器
に例3の含フッ素共重合体を200g取り、トリエチル
アミン0.06gを加え、乾燥窒素ガス気流中50℃で
4−トリメトキシシリルテトラヒドロ無水フタル酸2
7.2gを徐々に滴下した後、5時間反応を続け、赤外
線吸収スペクトルを測定したところ、ヒドロキシル基に
基づく吸収ピークが消失し、カルボン酸に基づくピーク
が生じたことを確認し、冷却により反応を停止し、23
6.8gのアルコキシシリル基を有する含フッ素共重合
体を得た。
【0085】次いでこの含フッ素共重合体にジブチル錫
ジラウレートを1g添加し、 窒素ガスパージした容器に
50℃にて20日間保存した後、流動性を調べてみたと
ころゲル化は認められず良好な流動性を示していた。ま
たこの含フッ素共重合体を厚さ1mmで塗布し、20
℃、65%RHの標準状態の室内に静置したところ、2
4時間で硬化した。このことからこの含フッ素共重合体
一液型室温硬化性を有するものであることが認められ
た。
【0086】「例16」例13において、含フッ素共重
合体に代えて、分子量5000で3官能のポリプロピレ
ングリコール200g、4−トリメトキシシリルテトラ
ヒドロ無水フタル酸32.6gとする他は同様にして、
イソシアナート基を有する重合体を得た。この重合体も
一液型室温硬化性を有するものであることが認められ
た。
【0087】「例17」内容量300mLのガラス容器
に例6のイソシアナート基を有する含フッ素共重合体を
200g取り、乾燥窒素ガス気流中80℃で撹拌しなが
ら、アリルアルコール5.8gを徐々に滴下した後、2
4時間反応を続けた。反応物の赤外線吸収スペクトルを
測定したところ、イソシアナート基の示すピークは確認
されず、ウレタン結合を示すピークが確認された。
【0088】得られた含フッ素共重合体100gに対
し、β,β’−ジメチルカプトジエチルエーテル8g、
t−ブチルパーベンゾエート0.5g、テトラメチルグ
アニジン0.05gを加え、ゆっくり撹拌した後、60
℃で16時間静置した。生成物は、二重結合を有しない
ものであることが赤外分光装置により確認された。
【0089】また、この含フッ素共重合体に二酸化鉛
0.5gを加え流動性を調べてみたところ、ゲル化は認
められず良好な流動性を示していた。またこの含フッ素
共重合体を厚さ1mmで塗布し、20℃、65%RHの
標準状態の室内に静置したところ、24時間で硬化し
た。このことからこの含フッ素共重合体は一液型室温硬
化性を有するものであることが認められた。
【0090】「例18」 内容積550mLのステンレス製撹拌機付耐圧反応器
に、キシレン112g、エタノール112g、炭酸カリ
ウム1.6g及びアゾビスイソブチロニトリル0.5g
を仕込み、例5で得られたビニルエーテル194g、シ
クロヘキシルビニルエーテル19g、エチルビニルエー
テル11gを仕込んだ後、液体窒素により溶存空気を除
去し、次いで、CTFE51gを導入し、徐々に昇温し
温度を65℃に維持し、撹拌下で10時間重合反応を続
けた後、反応器を水冷して重合を停止した。反応器を室
温まで冷却した後、未反応単量体を抜き出し、反応器を
開放した。重合体溶液を濾過した後、エバポレータで溶
剤を除去し、含フッ素共重合体を得た。
【0091】得られた含フッ素共重合体の数平均分子量
は6,500、ガラス転移温度は−68℃であった。ま
た、この含フッ素共重合体の分子量測定(G.P.C.
使用)において、例5で得られたビニルエーテルに相当
する部分にピークがほとんどみられなかったことから、
ポリオキシプロピレン鎖を有するビニルエーテルは共重
合していることが推定される。
【0092】「例19〜31」例6〜18で得られた含
フッ素共重合体100gに対し、表3に示す硬化触媒
(ジブチル錫ジラウレート又は二酸化鉛)、酸化チタ
ン、炭酸カルシウムを加えステンレス板に厚さ2mmに
塗り広げ、20℃、65%RHにて14日間放置して得
られたフィルムについて、破断伸度(%)、破断強度
(kg/cm2 )、50%モジュラス、表面粘着性、耐
候性を評価した結果を表3及び表4に示した。両表にお
いて、例6の含フッ素共重合体を「6」と略記し、他も
同様である。
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】例19〜31において、破断伸度、破断強
度、50%モジュラスはJIS−K6301に準拠して
行い、表面粘着性は、ピクタマック(東洋精機製)を用
い荷重100gにて測定した。また耐候性はサンシャイ
ンウェザーオーメータ1000時間後の表面状態(◎は
変化なし、○は若干のグロス低下は見られるが他は問題
なし、×は表面劣化が著しいことを示す)、伸度保持率
(耐候試験後の破断伸度/初期破断伸度×100
(%))を評価した。
【0096】
【発明の効果】本発明により得られる含フッ素共重合体
は耐候性に優れ、かつ、優れた伸度を有する硬化物を与
えるため、シーラント、弾性塗料ベースとしてきわめて
有用である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィン、及びフルオロオレフ
    ィンと共重合可能でありエーテル結合を2個以上有し末
    端が水分の作用により硬化しうる官能基である単量体
    を、前者20〜70モル%、及び後者1〜80モル%の
    割合で共重合する含フッ素共重合体の製造方法であっ
    て、含フッ素共重合体の全重合単位に対してフルオロオ
    レフィン、及びフルオロオレフィンと共重合可能であり
    エーテル結合を2個以上有し末端が水分の作用により硬
    化しうる官能基である単量体の合計が30モル%以上の
    割合で共重合されることを特徴とする含フッ素共重合体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】フルオロオレフィンに基づく重合単位を2
    0〜70モル%、フルオロオレフィンと共重合可能であ
    りエーテル結合を2個以上有し末端に反応性基を有する
    重合単位を1〜80モル%の割合で含有し、全重合単位
    に対し前者の重合単位及び後者の重合単位の合計が30
    モル%以上の割合で含まれるフッ素含有重合体と、水分
    の作用により硬化しうる官能基を有しフッ素含有重合体
    の反応性基と反応しうる化合物とを反応せしめることを
    特徴とする含フッ素共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】水分の作用により硬化しうる官能基が、イ
    ソシアナート基、加水分解性シリル基又はチオール基で
    ある請求項1又は2記載の製造方法。
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