JP2000143747A - 光学的に透明なヒドロゲル及びその製造方法 - Google Patents
光学的に透明なヒドロゲル及びその製造方法Info
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Abstract
まれていないシロキサンプレポリマーと親水性モノマー
とを重合するヒドロゲルの製造方法を提供する。 【解決手段】 生物医療器具の製造に使用するヒドロゲ
ルを提供する。特に、シロキサンプレポリマーと親水性
モノマーから製造する光学的に透明なヒドロゲルを提供
する。
Description
製造に使用するヒドロゲルに関する。特に、本発明はシ
ロキサンプレポリマーと親水性モノマーから製造する光
学的に透明なヒドロゲルを提供する。
医療器具の製造にヒドロゲルを使用することが知られて
いる。シロキサンプレポリマーと親水性モノマーのコポ
リマーであるヒドロゲルは、従来のヒドロゲルに比べる
と、幾つかの利点を有する。しかし、これらのプレポリ
マーとモノマーから光学的に透明な均質なヒドロゲルを
製造するのは困難であり、ヒドロゲルの使用は限られて
いた。
ゲルを製造する既知の方法では、シロキサンを親水性モ
ノマーと相溶させる希釈剤と、親水性基が取り込まれて
いるシロキサンを使用する。しかし、希釈剤の使用はそ
の揮発性のため不都合であり、希釈剤を使用すると、得
られるポリマーが劣悪な品質になる恐れがある。親水性
基が取り込まれていると、合成が複雑になり、得られる
ポリマーが光学的に透明でない恐れがある。従って、こ
れらの欠点のない、シロキサンプレポリマーと親水性モ
ノマーの重合方法が必要とされている。
本発明は、均質で光学的に透明なヒドロゲルが、シロキ
サンプレポリマー及び/又はモノマーを親水性モノマー
と共に重合させて製造でき、このとき親水性基はシロキ
サンに取り込まれておらず、必要な希釈剤の量は減り、
又は場合によっては希釈剤を使用しないという発見に基
づいている。本発明のヒドロゲルは、生物医療器具の製
造に有用である。生物医療器具とは、ヒトの組織又は流
体の一方又は両方の内外で使用することが意図されてい
る器具である。このような器具の例には、限定はしない
が、ステント、インプラント、カテーテル及び眼レンズ
がある。好ましい実施形態では、生物医療器具は眼レン
ズであり、眼レンズの例には、限定はしないが、コンタ
クトレンズ又は眼内レンズがある。より好ましくは、生
物医療器具はコンタクトレンズである。
ロキサンプレポリマー、シリル化(silylated)親水性モ
ノマー及び任意に疎水性シロキサンモノマーを重合させ
てポリマーを製造する工程と、b)そのポリマーを加水
分解する工程とを含む、本質的にこれらの工程からな
る、及びこれらの工程のみからなるヒドロゲルの製造方
法を提供する。他の実施形態では、本発明は、疎水性シ
ロキサンプレポリマー、シリル化親水性モノマー及び任
意に疎水性シロキサンモノマーを含む、本質的にこれら
からなる、及びこれらのみからなるヒドロゲルを提供す
る。
「疎水性シロキサンモノマー」は、それぞれ水酸基等の
親水性基を、高レベルの希釈剤を使用しなくても親水性
モノマーと共に混合物を製造できる量ほど主鎖又は側鎖
に取り込んでいないシロキサンプレポリマー又はシロキ
サンモノマーを意味する。好適な疎水性シロキサンプレ
ポリマーは以下の式で表される;
ルであり、R2 は炭素数1乃至炭素数5のアルキルであ
り、nは1乃至12であり、zは1乃至500である。
好ましくは、プレポリマーは以下に示すようなマクロマ
ーであり、
+mは10乃至500であり、R4 ,R6 ,R7 ,R8
及びR9 は各々独立して、アルコール、エステル、アミ
ン、ケトン、カルボン酸又はエーテル基で置換されてい
てもよい炭素数1乃至炭素数5の一価アルキル又はアリ
ール基であり、R3 ,R5 及びR10は各々独立して、ア
ルコール、エステル、アミン、ケトン、カルボン酸又は
エーテル基で置換されていてもよい炭素数1乃至炭素数
5の一価アルキル又はアリール基であり、又は、R3 ,
R5 及びR10の少なくとも1つが以下の構造であること
を条件として、以下の構造を有し、
あり、R12及びR13は、各々独立して、水素、又はアル
コール、エステル、アミン、ケトン、カルボン酸又はエ
ーテル基で置換されていてもよい炭素数1乃至炭素数5
の一価アルキル又はアリール基である、又は、以下の構
造を有し、
イル、スチリル、ビニル、アリル又はN−ビニルラクタ
ムを含む一価重合可能基であり、R18は、水素、又はア
ルコール、エステル、アミン、ケトン、カルボン酸又は
エーテル基で置換されていてもよい炭素数1乃至炭素数
5の一価アルキル又はアリール基、又は、アクリレー
ト、メタクリレート、スチリル、ビニル、アリル又はN
−ビニルラクタムを含む重合可能基であり、R14,R15
及びR16は各々独立して、水素、又はアルコール、エス
テル、アミン、ケトン、カルボン酸又はエーテル基で置
換されていてもよい、炭素数1乃至炭素数5の一価アル
キル又はアリール基であり、又は、モノマーの構造Bを
有する基の少なくとも1つが重合可能基を含むことを条
件として、R14とR17又はR17とR15は結合して環構造
を形成することができる。このようなマクロマーの製造
方法はこの技術分野では知られている。
ビスメタクリルオキシプロピルマクロマーである。より
好ましくは、α,ω−ビスメタクリルオキシプロピルポ
リジメチルシロキサンである。使用可能な他の疎水性プ
レポリマーの例には、3−メタクリルオキシプロピルビ
ス(トリメチルシロキシ)シラン等の疎水性モノマーか
ら製造する、線状又は分枝ポリマー又はコポリマーがあ
り、これらのプレポリマーはメタクリレート又はスチリ
ル等の重合可能官能基を有する。このようなプレポリマ
ーの製造方法は、米国特許第5,010,141号、同
第5,057,578号、同第5,314,960号、
同第5,371,147号及び同第5,336,797
号に記載されており、これらの特許は参考としてここに
援用する。
独又は疎水性シロキサンモノマーと組み合わせて使用で
きる。本発明に有用な疎水性シロキサンモノマーは以下
の式で表される:
り、R21,R22及びR23は各々独立して炭素数1乃至炭
素数5の一価アルキル又はアリールであり、jは1乃至
10であり、kは0乃至3である。有用なシロキサンモ
ノマーの例は、限定はしないが、ポリシロキシアニルア
ルキルメタクリレートであり、好ましくは、3−メタク
リルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)シラン
又は3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシ
ロキシ)メチルシランである。本発明に有用な疎水性シ
ロキサンモノマーは市販されており、又は既知の方法で
も合成できる。
ンモノマーと組み合わせたシロキサンプレポリマーを、
シリル化親水性モノマーと共に重合させる。既知のシリ
ル化可能な親水性モノマーは全て使用できる。好ましく
は、使用するシリル化モノマーは以下の式で表される:
メチルであり、R26はモノアルキルであり、好ましくは
メチルである。より好ましくは、シリル化モノマーは、
ヒドロキシアルキルメタクリルアミドのポリアルキルシ
リルエーテル又は、ヒドロキシスチレン又はヒドロキシ
アルキルスチレンのポリアルキルシリルエーテルであ
る。最も好ましくは、シリル化モノマーは2−ヒドロキ
シメタクリルアミドトリメチルシリルエーテルである。
酸基を既知の方法でシリル化して製造できる。例えば、
水酸基をトリアルキルシリルハロゲナイド、ヘキサメチ
ルジシリザン、トリメチルシリルジエチルアミン等のシ
リル化剤で反応させてよい。シリル化に使用できる溶媒
と触媒は反応条件と共にこの技術分野で良く知られてい
る。
合化又はこれらの組み合わせ等の従来の方法により、単
独又はシロキサンモノマーと組み合わせたシロキサンプ
レポリマーを、シリル化親水性モノマーと共に重合す
る。好ましくは、反応物の重量に基づき約0.01重量
%乃至約2.0重量%の好適な開始剤の存在下で、重合
を実施する。より好ましくは、UV重合開始剤を用いた
UV光で重合する。好ましいUV重合開始剤は2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オ
ンである。
重合可能成分の重量に基づき約0重量%乃至約90重量
%であり、好ましくは、約5重量%乃至約70重量%で
ある。使用するシロキサンモノマーの量は約0重量%乃
至約70重量%であり、好ましくは、約0重量%乃至約
40重量%である。使用するシリル化モノマーの量は約
2重量%乃至約60重量%であり、好ましくは、約15
重量%乃至約50重量%である。
たポリマーを有機溶媒で洗い、未反応物を除く。好適な
溶媒の例には、限定はしないが、ヘキサン、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−及びt−ブチルアル
コール、n−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコー
ル、さらに、クロル化溶媒等、及びこれらの混合物があ
る。
ル化してシリル基を除いて水酸基を再生する。加水分解
は、適当な加水分解剤の中で実施できる。好ましくは、
レンズをホウ酸塩緩衝塩水に入れて加水分解する。任意
に、加水分解剤に酸又は塩基を用いて加水分解の速度を
高めてもよい。
な追加の成分を添加できることを理解するであろう。
が、紫外線吸収剤、抗酸化剤、着色剤等がある。
ルからレンズを製造できる。例えば、シロキサンプレポ
リマー、シリル化親水性モノマー及び任意に疎水性モノ
マーを重合開始剤と共に混合して、その混合物をレンズ
の型に入れることができる。重合が終了した後、レンズ
を脱シリル化する。本発明は、以下の非限定的実施例に
より、さらに明らかになるであろう。
入っている、128gのメタノール、249gの炭酸カ
リウム及び122.2gのエタノールアミンの溶液に、
214.2gのメタクリロイルクロライドを滴下して添
加した。約3時間かけて添加し、その後、アイスバスを
除いて反応混合物を約2日間攪拌した。この反応混合物
をCH2 Cl2 に注ぎ、真空濾過して全ての固体を取り
出し、この固体をCH2 Cl2 ですすいだ。液体は10
0ppmのヒドロキノンモノメチルエーテルを用いて反
応を停止させ、溶媒を回転エバポレーターで除去した。
残ったオイルは、150ppmのCuClを加えた後、
減圧下、エアエブレーター(ebulator)付蒸留フラスコで
蒸留した。0.5mmHg、125℃乃至135℃で、
56.62gのヒドロキシエチルメタクリルアミドを淡
黄色の液体として回収した。蒸留した生成物に空気を泡
立てた。
備えた三首フラスコに、25.3gの上記の生成物、3
0.6gのトリエチルアミン及び75mlのCH2 Cl
2 の溶液を入れ、この溶液に、23gのトリメチルシリ
ルクロライドを約2時間かけて滴下して加えた。混合物
は室温に維持した。添加後、反応混合物を40℃に加熱
し、約5時間攪拌した。その後、混合物を濾過して塩を
取り出し、残った液体は重量が減らなくなるまでロート
バップ(rotovapped)した。生成物は、500ppmのH
QMMEを加えた後、減圧下で蒸留した。0.25mm
Hg、95℃乃至105℃で、2−ヒドロキシエチルメ
タクリルアミドトリメチルシリルエーテル(TMS−H
MA)を、透明な液体として収集し、収率は42%であ
った。
メチルシロキサン(平均分子量5,000)、45部の
実施例1のTMS−HMA及び34部のメタクリルオキ
シプロピルトリ(トリメチルシロキシ)シラン(TRI
S)、1部のDAROCUR(商標)1173(光開始
剤である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン)及び11部のt−ブタノールから、
混合物を作製した。この混合物をポリプロピレンのレン
ズ型に入れ、UV光で30分間照射し、その後エタノー
ル中で解放し、ホウ酸塩緩衝塩水に移して、光学的に透
明な酸素透過性ソフトコンタクトレンズを製造した。
化親水性モノマーを疎水性シロキサンモノマーと共に重
合する請求項1に記載の方法。 (2)前記疎水性シロキサンモノマーが以下の式で表さ
れ、
り、R21,R22及びR23は各々独立して炭素数1乃至炭
素数5の一価アルキル又はアリールであり、jは1乃至
10であり、kは0乃至3である、実施態様(1)に記
載の方法。 (3)前記疎水性シロキサンモノマーが、3−メタクリ
ルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)シラン又
は3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロ
キシ)メチルシランである実施態様(2)に記載の方
法。 (4)前記疎水性シロキサンプレポリマーが以下の式で
表され、
ルであり、R2 は炭素数1乃至炭素数5のアルキルであ
り、nは1乃至12であり、zは1乃至500であり、
前記シリル化親水性モノマーは以下の式で表され、
メチルであり、R26はモノアルキルである請求項1に記
載の方法。 (5)前記疎水性シロキサンモノマーがα,ω−ビスメ
タクリルオキシプロピルマクロマーであり、前記シリル
化親水性モノマーが、ヒドロキシアルキルメタクリルア
ミドのポリアルキルシリルエーテル、ヒドロキシスチレ
ンのポリアルキルシリルエーテル及びヒドロキシアルキ
ルスチレンからなる群から選択される実施態様(4)に
記載の方法。
α,ω−ビスメタクリルオキシプロピルポリジメチルシ
ロキサンであり、前記シリル化親水性モノマーが2−ヒ
ドロキシメタクリルアミドトリメチルシリルエーテルで
ある実施態様(5)に記載の方法。 (7)前記疎水性シロキサンプレポリマーが約0重量%
乃至約90重量%の量で存在し、前記シリル化親水性モ
ノマーが約2重量%乃至約60重量%の量で存在する請
求項1に記載の方法。 (8)使用する前記シロキサンプレポリマーの量が約0
重量%乃至約90重量%であり、使用する前記シロキサ
ンモノマーの量が約0重量%乃至約70重量%であり、
使用する前記シリル化モノマーの量が約2重量%乃至約
60重量%である実施態様(1)に記載の方法。 (9)さらに、疎水性シロキサンモノマーを含む請求項
2に記載のヒドロゲル。 (10)前記疎水性シロキサンモノマーが以下の式で表
され、
り、R21,R22及びR23は各々独立して炭素数1乃至炭
素数5の一価アルキル又はアリールであり、jは1乃至
10であり、kは0乃至3である、実施態様(9)に記
載のヒドロゲル。
が、3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシ
ロキシ)シラン又は3−メタクリルオキシプロピルビス
(トリメチルシロキシ)メチルシランである実施態様
(10)に記載のヒドロゲル。 (12)前記疎水性シロキサンプレポリマーが以下の式
で表され、
ルであり、R2 は炭素数1乃至炭素数5のアルキルであ
り、nは1乃至12であり、zは1乃至500であり、
前記シリル化親水性モノマーは以下の式で表され、
メチルであり、R26はモノアルキルである、請求項2
に記載のヒドロゲル。 (13)前記疎水性シロキサンモノマーがα,ω−ビス
メタクリルオキシプロピルマクロマーであり、前記シリ
ル化親水性モノマーが、ヒドロキシアルキルメタクリル
アミドのポリアルキルシリルエーテル、ヒドロキシスチ
レンのポリアルキルシリルエーテル及びヒドロキシアル
キルスチレンからなる群から選択される実施態様(1
2)に記載のヒドロゲル。 (14)前記疎水性シロキサンモノマーがα,ω−ビス
メタクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサンであ
り、前記シリル化親水性モノマーが2−ヒドロキシメタ
クリルアミドトリメチルシリルエーテルである実施態様
(13)に記載のヒドロゲル。 (15)前記疎水性シロキサンプレポリマーが約0重量
%乃至約90重量%の量で存在し、前記シリル化親水性
モノマーが約2重量%乃至約60重量%の量で存在する
請求項2に記載のヒドロゲル。 (16)使用する前記シロキサンプレポリマーの量が約
0重量%乃至約90重量%であり、使用する前記シロキ
サンモノマーの量が約0重量%乃至約70重量%であ
り、使用する前記シリル化モノマーの量が約2重量%乃
至約60重量%である実施態様(9)に記載のヒドロゲ
ル。
要な希釈剤の量が少なく親水性基が取り込まれていない
シロキサンプレポリマーと親水性モノマーとを重合する
ヒドロゲルの製造方法を提供できる効果がある。
Claims (2)
- 【請求項1】 a)疎水性シロキサンプレポリマーとシ
リル化親水性モノマーとを重合し、 b)得られたポリマーを加水分解することを含むヒドロ
ゲルの製造方法。 - 【請求項2】 疎水性シロキサンプレポリマーとシリル
化親水性モノマーとを含むヒドロゲル。
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