JP2015515514A5 - - Google Patents

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親水性マクロマーおよびそれを含むヒドロゲル
関連する出願への相互参照
本願は、参照により本明細書にそのすべての内容を組み入れる、2012年3月22日に出願された、「親水性マクロマーおよびそれを含むヒドロゲル」と題する米国仮特許出願番号61/614,240号の権益を主張する。
発明の技術分野
本発明は、親水性有機修飾シリコーン含有マクロマーを含む組成物に関する。一態様において、本発明は、フリーラジカル重合をなし得る、シリコーン含有ペンダント基を有するポリエーテルマクロマーを提供する。本発明はまた、コンタクトレンズを含む生物医学用品を製造するのに好適なヒドロゲル組成物およびフィルムに関する。
シリコーンヒドロゲルフィルムは、比較的高い酸素透過性、柔軟性、快適さ、および減少した角膜合併症などのために、長時間装用ソフトコンタクトレンズの作製に使用される。従来のヒドロゲル材料(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、HEMA)は、それ自体、貧弱な酸素透過性を持ち、そして、それらは、吸収された水分子を通じて、酸素を眼に送る。水は低い酸素透過係数を持ち、ここで酸素透過係数はBarrerで表されるDk値とも言われ、ここで1 Barrer=10−11(cm)cm cm−2−1 mmHg−1であり、ここで、「cm」は標準温度および標準圧での水の量であり、「cm」は物質の厚さを表し、「cm−2」は物質の表面面積の逆数である。水のDkは80Barrerである。長時間大気へと曝されると、それらのレンズはゆっくりと脱水し、角膜へと運ばれる酸素の量が減少する。眼への刺激、眼の充血およびその他の角膜合併症が生じ得、それゆえに、レンズの使用が限られた装着期間に制限される。
ソフトコンタクトレンズの快適さと、高い酸素透過性を備えるシリコーンヒドロゲルは、従来のヒドロゲルを超える装着期間に対する障害を乗り越えるものであり、眼鏡等の処方の分野において革命的である。以下の特許文献は、コンタクトレンズに使用されるシリコーンヒドロゲルを記載する。
Bausch & Lomb Inc.への米国特許第4,260,725号は、吸水性で、ソフトで、親水性で、柔軟性で、加水分解安定性で、生物学的に不活性であり、そして、ヒトの角膜の要求が要求するのに十分な酸素を運ぶことの出来るコンタクトレンズであって、重合可能に活性化した不飽和基へと二価の炭化水素基を通じてα,ω末端結合し、親水性側鎖を持つポリシロキサンを含むコンタクトレンズを開示する。
Bausch & Lomb Inc.への米国特許第5,352,714号は、シリコーン含有モノマー、親水性モノマー、および水和して高極性アミノ酸に転換され得る比較的非極性の環を含有するモノマーを含む、改善された湿潤性を備えるシリコーン含有ヒドロゲルを開示する。
Johnson & Johnson Vision Productsへの米国特許第5,998,498号は、以下の構造:

〔式中、R51は、HもしくはCH、qは1もしくは2、各qに対して52、R53およびR54は独立して、エチル、メチル、ベンジル、フェニルもしくは1から100の繰り返しSi−O単位を含む一価のシロキサンであり、pは1〜10であり、rは(3−q)であり、Xは0もしくはNR55であり、R55は水素もしくは1〜4の炭素の一価のアルキル基であり、aは0もしくは1であり、Lは好ましくは2〜5の炭素を含む二価の架橋基であり、任意選択でエーテルもしくはヒドロキシ基、例えばポリエチレングリコールを含んでいても良い〕を持つシリコーン含有モノマーを含む反応混合物を硬化して調製されるシリコーンヒドロゲルを開示する。
Asahikasei Aime Co.への米国特許第6,867,245号は、ソフトコンタクトレンズを開示し、そして水中の表面および空気中における水に対する小さくて安定な接触角、少ないレンズの固着、高い酸素透過性、角膜へのレンズの無接着、および優れた長時間装着の性能を示す、コンタクトレンズを提供する。当該文献は、レンズ表面における接触角が水中気泡法で10〜50°の範囲にあり、空気中における液滴法で3°および90°であり、酸素透過係数が30Dk以上で含水率が5%以上であるヒドロゲルソフトコンタクトレンズ、ならびに特定の一般式で示される親水性シロキサニルモノマーを含むポリマーからなるヒドロゲルソフトコンタクトレンズを開示する。この特許文献は、コンタクトレンズのための有用な材料であると述べられる、アミド基含有モノマーと親水性シロキサンのコポリマーを開示する。ポリマーは、親水性アミド基含有シロキサニルメタクリラートを含み、シロキサニルメタクリラート(3−トリス[トリメチルシロキシ]シリルプロピルメタクリラート、TRISと略される)は親水性ポリエーテル修飾シロキサニルアルキルメタクリラートと架橋可能なモノマーとを含む。
CK Witco Corporationへの米国特許第6,013,711号は、貯蔵安定性の損失もしくは加硫温度での硬化遅延なしに、または恒久的な親水性もしくは他の硬化したポリシロキサンの所望の特性を失うことなしに、低分子量不飽和シロキサンポリエーテルコポリマーのα,ω−ジビニルポリシロキサンとの混和性を向上する方法が開示される。組成物は、一つもしくはそれ以上のα,ωジビニルポリシロキサン、好ましくはトリシロキサンである、1分子当たり2〜5個のケイ素原子を持つ不飽和ポリシロキサンポリエーテルコポリマー、ならびに相溶化添加剤を含む。恒久的に親水性な、急速に湿潤性であるポリシロキサン組成物は、50°未満の静的水接触角と、約100未満の動的前進接触角を達成する。
Crompton Corporationへの米国特許第6,207,782号は、アクリル化親水性ポリシロキサンモノマーとポリマー、ならびにそれらのアクリラート/メタクリラートコモノマーとのコポリマー、ならびに、パーソナルケア、布地およびコーティング用途のためのそれらのエマルションを開示する。アクリル化シロキサンは式(a):
[RSiO1/2[O1/2SiR1/2[SiO3/2R][SiO4/2 (a)
によって表され、
式中、RはRおよびPより選択され、それぞれのは同一であっても異なっていてもよく、それぞれが一価の炭化水素基であり、それぞれのPがR[O(C2bO)COCR=CHであり、Rが多価の有機部分であり、ヒドロキシ置換アルキレンであってよく、gがRの価数より1を減じた値であり、Rは水素もしくはメチルであり、bが2〜4であり、好ましくは2〜3であり、zは1〜1000であり、好ましくは3〜30であり、そしてm+n+p+oは1〜100であり、好ましくは2〜20であり、少なくとも一つのRはPであり、nは1〜100であり、oがゼロでないとき、n/oは10:1未満であり、pがゼロでないとき、n/pは10:1未満であり、そしてmは0〜10である。’782特許文献の好ましいアクリル化シロキサンは、式(b):
QR Si[OSiR [O−SiRP]OSiR Q (b)
のものであり、
式中、xおよびyは0もしくは整数であってよく、好ましくはxおよびyは0〜100であり、もっとも好ましくは0〜25であり、QはRもしくはPであってよく、平均的なアクリラート官能性は1分子当たり1不飽和基より大きく、好ましい態様はy=0かつQ=Pである。
従来、シリコーンヒドロゲルは、アクリラートもしくはメタクリラート官能化のシリコンモノマーと、2−ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メチルメタクリル酸(NMA)およびN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)などのような有機(親水性)モノマーとを架橋剤およびフリーラジカル開始剤(化学線)の存在下で重合化することによって調製された。架橋剤は一般的に、二つもしくはそれ以上の反応性官能基を分子上の異なる位置に持つ。典型的には、それらの位置は重合可能なエチレン性不飽和基を持つ。硬化中、それらは二つの異なるポリマー鎖と共有結合を形成し、安定な三次元ネットワークを形成し、ポリマーの強度を向上する。コンタクトレンズにおいて従来使用される架橋剤は、エチレングリコールジメタクリラートおよびトリメチロイルプロパントリメタクリラート(約0.1〜2重量%)を含む。他の有用な架橋剤は、ジエチレングリコールジメタクリラート、ビスフェノールAジメタクリラート、ジグリシジルビスフェノールAジメタクリラート、ジメタクリラート末端化ポリエチレングリコールおよび反応性線状ポリエーテル修飾シリコーンを含む。
一般的にシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの材料は、(TRISのような)疎水性単官能性シリコーンモノマーもしくは多官能性親水性シリコーンモノマーのいずれかを用いて作製され、二次的な表面処理が後に続く。単官能性シリコーンモノマーは多官能性シリコーンモノマーよりもコンタクトレンズ産業によって好まれ、それは後者がそれらより作製されるレンズの剛性を高めるためである。
上述の特許文献中に開示される、シリコーン系材料を含むソフトコンタクトレンズに対する、本技術分野における状況は、最適ではない表面湿潤性や脂質沈着といった重大な欠点を未だ持っている。これらの欠点を克服するための試みにおいて、本技術分野の状況は、「プラズマ酸化」と呼ばれる高価な二次的な表面処理、または酸素透過性のための内部湿潤化剤の使用のいずれかを実施している。このように、欠点がなく、従来技術のシリコーン含有材料に必要な高価な表面処理も使用しないような、本質的に有利な湿潤性と酸素透過性とを持つ、コンタクトレンズの作製に使用できる親水性シリコーンモノマーに対する必要性がまだ存在している。
本発明は、シリコーン含有ペンダント基を持つポリエーテル部分を含む新規の官能化シリコーンマクロマーを含む組成物、高純度でかつ、製造容易であるそのようなマクロマーの製造プロセス、ならびに、それらのモノマーより製造されるより優れた親水性機能を持つホモポリマーおよびコポリマーを開示する。本発明の官能化シリコーンマクロマーを含む組成物は、長時間装着のソフトコンタクトレンズに使用される吸水性であり、酸素透過性であるシリコーンヒドロゲルフィルムの作製に有用である。
一態様において、本発明は、式1:

の一般構造によって記載される親水性シリコーンマクロマーを含む組成物を提供し、
式中、RはM によって定義される基であり、ここでM=RSiZ1/2、D=R1011SiZ2/2、T=R12SiZ3/2、Q=SiZ4/2、R=−(CH1/2(R13(CH1/2 であり、Rは独立して、−OH、−OC(O)R15、Yもしくは−OR15より選択され、Rは独立して、水素、−C(O)R15基、Y、または1から約40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカルから選択され、RおよびR の少なくとも一つはYであり、Yはフリーラジカル重合可能な基であり、ZはOもしくはCH基であり、分子が偶数のO1/2基と、偶数の(CH1/2基を持ち、かつその両者がすべて分子中で対になっているという限定に従い、Rは1から約40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ三価の炭化水素ラジカルであり、R、R、R、R10、R11、R12、およびR15はそれぞれ独立してOR14、1から約20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカルから選択され、Rは、少なくとも1個から約30個までの炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、二価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の、炭化水素ラジカルであり、R13は、酸素、または少なくとも1個から約30個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、二価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の、炭化水素ラジカルであり、R14は、1から約20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、一価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の炭化水素ラジカルであり、a+e>2であり、b、cおよびdはゼロもしくは正であり、3<a+b+c+d+e<約1000という限定に従い、d+e>1であり、f、g、h、iおよびjは0もしくは正であり、f+g+h+i+j<約300という限定に従い、そしてkは0もしくは1のいずれかである。
他の態様において、本発明は、例えば親水性シリコーンマクロマーを含む、ホモポリマーもしくはコポリマーのようなポリマーを提供する。
さらに他の態様において、本発明は、例えば、式(1)の親水性シリコーンマクロマーのような親水性シリコーンマクロマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。一実施態様において、ヒドロゲル組成物は(a)本発明の態様による親水性シリコンマクロマー、(b)フリーラジカル重合可能な有機モノマー、(c)開始剤、ならびに(d)任意選択で架橋剤を含む。
これらのモノマーによって製造されるシリコーンヒドロゲルフィルムは、コンタクトレンズ用途のために、従来技術において既に開示されているような、直鎖アルキル架橋基を持つモノマーより調製されるシリコーンヒドロゲルフィルムと比較して、向上した硬化動態、表面湿潤性、酸素透過性、機械的特性、および硬化後抽出を提供する。
本発明の態様によると、分岐のシリコーン含有基を持ち、コンタクトレンズ用途において使用できる吸水性のシリコーンヒドロゲルフィルムの調製に有用な新規の親水性シリコーンモノマーが記載される。これらのモノマーを用いて得られるシリコーンヒドロゲルフィルムは、公知のフィルムと比較して優れた湿潤性、酸素透過性、および望ましいモジュラスを示す。
添付の請求項を含む本明細書で使用されるとき、単数形である「a」、「an」および「the」は、複数形をも含み、特定の数値範囲への言及は、文脈が明確に他を示さない限り、少なくともその特定の値を含む。
本明細書において範囲は、「約」もしくは「おおよそ」のある特定の値から、ならびに/または「約」もしくは「おおよそ」の特定の他の値までと表現される。そのような範囲で表現されるとき、他の実施態様は、ある特定のから、ならびに/または他の特定のまでを含む。同様に、値が先行詞「約」の使用によって近似で表されるとき、その特定の値は他の実施態様となし得ると理解するべきである。
ここに使用されるすべての方法は、ここにおいて明確に指示されるか、または文脈から明らかに否定されない限り、任意の好適な順番で実施できる。任意の例およびすべての例、または例示的な言葉(たとえば「〜のような」)によってここに与えられるものの使用は、単純に発明をよりよく例示することのみを意図しており、他に請求されない限り、本発明の範囲に限定を与えることはない。明細書中のどの言語も、本発明の実施のために重要であると考えられる、請求されない要素のいずれかを指していると解釈されるべきではない。
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、「特徴付けられる(characterized by)」および、それらの文法的に等価なものは包括的もしくはオープンエンドであり、追加的な、言及されていない要素、もしくは方法のステップを排除するものではない。しかしながら、より限定的な用語「〜からなる(consisting of)」および「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」をもまた含み得る。
「マクロマー」は、重合化、架橋、もしくはそのいずれも可能であるような一つもしくはそれ以上の官能基を含み得る、中程度の分子量の、および高分子量の化合物を指す。
「モノマー」は、重合可能な比較的低分子量の化合物を指す。
「親水性の」物質(例えば親水性モノマー、親水性マクロマー、親水性ポリマーなど)は、水を好み、水に対する親和性を持ち、吸水可能である。親水性の物質は、水に可溶性でも不溶性(例えば実質的に不溶性)でもよい。親水性の物質は一実施態様において、親水性部分と疎水性部分の両方を持っていてもよいが、疎水性部分は、物質もしくは成分が親水性であるような相対量で存在する。一実施態様において、親水性の物質は、少なくとも10重量パーセントの水を吸収できる。
「ホモポリマー」は、同一の繰り返しマクロマーもしくはモノマーより作製されるポリマーである。「コポリマー」は、少なくとも二つの構造的に異なるマクロマー、少なくとも二つの構造のモノマー、または少なくとも一つのマクロマーと少なくとも一つのモノマーとを含むポリマーである。(メタ)アクリラートのような表記は、アクリラートもしくはメタクリラートのいずれかの官能性を持つモノマーを示す。
親水性シリコーンモノマー
一態様において、本発明は、ポリエーテル鎖、ならびに鎖に対するシリコーン含有ペンダント基を含む少なくとも一つの親水性シリコーン分子を含む組成物を提供する。親水性シリコーン分子は、式1:

の一般構造によって示されるモノマーもしくはマクロマーであってよく、式中、RはM によって定義される基であり、ここでM=RSiZ1/2、D=R1011SiZ2/2、T=R12SiZ3/2、Q=SiZ4/2、R=−(CH1/2(R13(CH1/2 であり、Rは独立して、−OH、−OC(O)R15、Yもしくは−OR15より選択され、Rは独立して、水素、−C(O)R15基、Y、または1から約40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカルから選択され、RおよびR の少なくとも一つはYであり、Yはフリーラジカル重合可能な基であり、ZはOもしくはCH基であり、分子が偶数のO1/2基と、偶数の(CH1/2基を持ち、かつその両者がすべて分子中で対になっているという限定に従い、Rは1から約40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ三価の炭化水素ラジカルであり、R、R、R、R10、R11、R12、およびR15はそれぞれ独立してOR14、1から約20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカルから選択され、Rは、少なくとも1個から約30個までの炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、二価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の、炭化水素ラジカルであり、R13は、酸素、または少なくとも1個から約30個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、二価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の、炭化水素ラジカルであり、R14は、1から約20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、一価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の炭化水素ラジカルであり、a+e>2であり、b、cおよびdはゼロもしくは正であり、3<a+b+c+d+e<約1000という限定に従い、d+e>1であり、f、g、h、iおよびjは0もしくは正であり、f+g+h+i+j<約300という限定に従い、そしてkは0もしくは1のいずれかである。
フリーラジカル重合可能な基Yは、任意の好適な重合可能な基を含み得る。好適な分子の例は、アクリラートメタクリラート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、アリル、メタリル、ならびにブテンジオン酸、ブテンジオン酸エステルもしくはブテンジオン酸アミド、イタコン酸、イタコン酸エステル、イタコン酸アミドなどのようであるが、それらに限定されない内部オレフィン結合含有分子である。本発明の一態様において、有機分子は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、NVP、NIPAMなどのような、一つのフリーラジカル重合化実効基を持つ実質的に親水性の分子を含む。本発明のさらに他の態様において、有機分子は、全体の配合として親水性であるという制限に従うような、より親水性でない分子から選択し得る。一実施態様において、重合可能な基Yは、式2:

の一般構造を持つ基を含み、
式中、R16、R17および 18は、独立して、水素、1から10個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子、−COOHを持つ、置換のもしくは不置換の一価のアルキル基、ならびに−CHCOOHから選択でき、Bは、独立して1から20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子を含む二価のラジカルから、または以下の官能性部分:






から選択できる。
一実施態様において、Bは、−C(O)基、−NR19C(O)−から選択でき、ここでR19は、H、または1から50個の炭素原子を含み、任意選択でヘテロ原子を含む一価のアルキルもしくはアラルキルラジカルである。さらに他の実施態様において、Bは−(CR2021OC(O)(CR2223NR19C(O)−もしくは−C(O)(CR2223NR19C(O)−から選択でき、式中R20、R21、R22およびR23は、独立してH、OH、1から20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子を含む一価の炭化水素から選択でき、下付文字pおよびqは、1〜10個の値をとり得る。
一実施態様において、一般的に式1によって示される重合可能な親水性有機修飾シリコーン分子は、式3:
(CHCHO)(CH(CH)CHO)(CH[(CH1/2]CHO) (3)
による構造を持つ化合物であってよく、式中、
はM によって定義される基であり、M=RSi(O)1/2、D=R10Si(O)2/2(CH1/2、f=2、g=1、h=0、i=0、j=1であり、R=−(CH1/213(CH1/2 であり、RおよびRは上に定義されるとおりであり、そしてa、bおよびdは正の整数である。
他の実施態様において、式1によって一般的に表されるフリーラジカル重合可能な親水性有機修飾シリコーン分子は、式4:
(CHCHO)(CH(CH)CHO)(CH[(CH1/2]CHO) (4)
による構造を持つ分子を提供するよう選択でき、式中、RはM によって定義され、M=RSi(O)1/2、T=Si(O)3/2(CH1/2、f=3、g=0、h=1、i=0、j=1およびR=−(CH1/213(CH1/2−である。
他の実施態様において、親水性有機修飾シリコーン分子は、式5:
(CHCHO)(CH(CH)CHO)(CH[(CH1/2]CHO) (5)
による構造を持ち得、式中、Rは、RSiO(Si(R10)(R11)O)Si(R)(R)(CH1/2で定義される基であり、ここで0≦l≦50である。
他の実施態様において、親水性シリコーン分子は、以下の式6:

を持つ化合物を含み、式中、Rは、RSiO(Si(R10)(R11)O)Si(R)(R)(CH1/2で定義される基であり、ここで0≦l≦200である。
例示的な実施態様において、フリーラジカル重合可能な親水性シリコーン分子は、式7:

の構造を持つランダムコポリマーもしくはブロックコポリマーを含み、式中、Rは独立して、−OH、−OC(O)R15、−OR15もしくはYより選択され、Rは独立して、水素、−C(O)R15基、1から約40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子およびヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカル、またはYから選択され、Yはフリーラジカル重合可能な基でありかつRおよびRの少なくとも一つはYであるという条件であり、R19は、1から100個の炭素原子を持ち、ハロゲン、酸素、窒素のようなヘテロ原子を含み得る直鎖、分岐もしくは環状の一価のラジカル、または、1から50個のSi−Oの直鎖もしくは環状の架橋を持つシロキサンラジカルから独立して選択され、aおよびdはゼロではない整数であり、2≦a+d1000であり、一実施態様において2≦a+d100であり、他の実施態様において5≦a+d50である。
さらに他の例示的な実施態様において、フリーラジカル重合可能な親水性シリコーンマクロマーは、式8:

の構造を持つランダムコポリマーもしくはブロックコポリマーを含み、式中、Rは独立して、−OH、−OC(O)R15、−OR15もしくはYより選択され、Rは独立して、水素、−C(O)R15基、1から約40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子およびヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカル、またはYから選択され、Yはフリーラジカル重合可能な基でありかつRおよびRの少なくとも一つはYであるという条件であり、R19は、1から100個の炭素原子を持ち、ハロゲン、酸素、窒素のようなヘテロ原子を任意選択で含む直鎖、分岐もしくは環状の一価のラジカル、または、1から50個のSi−Oの直鎖もしくは環状の架橋を持つシロキサンラジカルから独立して選択され、aおよびはゼロではない整数であり、2≦a+e1000であり、より好ましくは2≦a+e100であり、さらにより好ましくは5≦a+e50である。
ポリマーおよびヒドロゲル
親水性シリコーンマクロマーはポリマー組成物を作製するのに使用できる。ポリマーは、ホモポリマーもしくはコポリマーであってよい。一実施態様において、親水性シリコーンマクロマーは、本発明のモノマーの一つを含むホモポリマーを作製するのに使用できる。他の実施態様において、親水性シリコーンモノマーは、(1)二つもしくはそれ以上の構造的に異なる親水性シリコーンマクロマー、ならびに/または(2)一つもしくはそれ以上の親水性シリコーンマクロマーと、例えばシリコーンヒドロゲルの作製における使用に好適なモノマーのような他のモノマー、を含むコポリマーを作製するのに使用できる。
一実施態様において、コポリマーは、本発明の親水性シリコーンマクロマーとシリコーンヒドロゲルにおける使用に好適な親水性不飽和有機モノマーとを含む。シリコーンヒドロゲルを作製するための一実施態様において、有機モノマーは、ビニルモノマー、アクリリドモノマー、アクリルモノマーまたはそれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせから選択される。好適なビニルモノマーの非限定的な例は、N−ビニル−ピロリドン、N−ビニル−カプロラクタム、N−ビニル−アセトアミド、N−ビニル−ホルムアミド、N−ビニル−イソプロピルアミド、ビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、ビニルアルコール、ビニル含有シリコーン、またはそれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせを含む。好適なアクリルの非限定的な例は、2−ヒドロキシ−エチル−メタクリラート(HEMA)、2−ヒドロキシ−エチル−アクリラート(HEA)、ヒドロキシルプロピルメタクリラート、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリラートヒドロクロリド、ジメチルアミノエチルメタクリラート、グリセロールメタクリラート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル化親水性オルガノシリコーンもしくはアクリル化疎水性オルガノシリコーン、またはそれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせを含む。例示的な実施態様において、有機モノマーは、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシ−エチル−メタクリラート(HEMA)、N−ビニルピロリドン、メタクリル酸、またはそれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせより選択される。
本発明のシリコーンモノマー対他の親水性不飽和有機モノマーの比は1:100から約100:1である。直鎖アルキル結合(メタ)アクリル化シリコーンポリエーテル鎖を持つモノマーおよびポリマーは、そのような化合物において、側鎖のポリアルキレンオキシド部分へとシロキサンを結合する架橋基中に分岐をいっさいもたないそのような化合物を意味する。(メタ)アクリラートのような表記は、アクリラートもしくはメタクリラートのいずれかの官能性を持つモノマーを示す。本発明のマクロマーは、所望の物理的強度と、吸水後の引き裂きに対する抵抗を持つ硬化したエラストマーを得るのに使用できる。本発明のモノ−(メタ)アクリラート官能化シリコーンモノマー/ポリマーならびにその調製と、コンタクトレンズにおける使用は、以下のセクションにおいてさらに説明される。
一実施態様において、本発明は、(a)本発明の態様による親水性シリコーンマクロマー、(b)フリーラジカル重合可能な有機モノマー、(c)開始剤、ならびに(d)任意選択で架橋剤を含むヒドロゲル組成物を提供する。親水性シリコーンマクロマーとフリーラジカル重合可能な有機モノマーは上述されるようなものであってよい。架橋剤は一般的に、分子の異なる位置に二つもしくはそれ以上の反応性官能基を持つ。典型的にこれらの位置は、重合可能なエチレン性不飽和基を持つ。硬化中に、これらは、二つの異なるポリマー鎖と共有結合し、安定な三次元ネットワークを形成し、ポリマーの強度を向上させる。コンタクトレンにおいて従来使用される架橋剤は、エチレングリコールジメタクリラートおよびトリメチロイルプロパントリメタクリラート(約0.1〜2重量%)を含む。他の有用な架橋剤は、ジエチレングリコールジメタクリラート、ビスフェノールAジメタクリラート、ジグリシジルビスフェノールAジメタクリラート、ジメタクリラート末端化ポリエチレングリコールおよび、反応性直鎖ポリエーテル修飾シリコーンを含むがそれらに限定されない。
開始剤は、例えば重合化の技術分野において使用されるような周知の物質から選択でき、そして重合化反応を促進するため、および/または速度を向上するために、レンズ形成材料に含まれ得る。開始剤は、重合化反応を開始することができる化学薬品である。開始剤は、光開始剤もしくは熱開始剤であってよい。
光開始剤は、フリーラジカル重合化および/もしくは架橋を、光の使用によって開始できる。好適な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(HMPP)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンならびにDarocurおよびIrgacure型、好ましくは、Darocur(登録商標)1173および2959である。ベンゾイルホスフィン開始剤の例は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシド、およびビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−ブチルフェニルホスフィンオキシドを含む。例えばマクロマーへと組み込まれ得るか、または特定のモノマーとして使用できるような反応性光開始剤もまた好適である。反応性光開始剤の例は、参照によりそのすべての内容を本明細書に組み入れる欧州特許第632329号に開示されるようなものである。重合化は、例えば、光、詳細には好適な波長のUV光のような化学線照射によって開始され得る。スペクトル要件は、もし適切であるなら、好適な光増感剤の添加によって制御し得る。
好適な熱開始剤の例は、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、ベンゾイルペルオキシドのようなペルオキシドなどを含むがそれらに限定されない。好ましくは熱開始剤は2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)である。
本発明のポリマーは、添加剤もしくはコモノマーの形態で紫外線吸収剤、顔料、および着色剤をもまた含み得る。本発明はまた、(メタ)アクリラート官能性親水性シリコーンモノマーおよびHEMAのような従来のモノマーもしくは他のソフトで、柔軟性の、吸水性フィルムを製造するためのコンタクトレンズモノマーを含むシリコーンヒドロゲル組成物を提供する。本発明のホモポリマーおよびコポリマーは、透明(貧弱な混和性による濁りがない)なポリマーであり、約10重量%から約60重量%の水を吸収し、優れた表面湿潤性と効果的な酸素透過性を示し、これらの全ては、レンズを装着したときのよりよい快適さのために必要であり、かつヒトの角膜の良好な健康のために必要である。本発明はまた、請求される発明のシリコーンヒドロゲルフィルムより作製されるコンタクトレンズをも提供する。これらの実施態様は以下にさらに説明される。
本発明のモノマーを用いてポリマーを作製するために、所望のモノマーが混合され、生じる混合物は、架橋剤の存在下においてペルオキシドもしくは光開始剤を用いる公知の熱硬化もしくはUV硬化の技術によって重合化され、硬化され透明な薄いフィルムが形成される。ポリマーを形成する重合化の前に混合物を作製するためにモノマーの混合物へと添加されるモノマーは、モノマーでもプレポリマーでもよい。「プレポリマー」は、重合可能な基を持つ中程度の分子量の反応中間体ポリマーである。このように、用語「シリコーン含有モノマー」および「親水性モノマー」はプレポリマーを含むことが理解できる。本発明はまた、上述のホモポリマーもしくはコポリマーを含むシリコーンヒドロゲルフィルムを対象とする。
本発明において製造される高分子量ポリエーテル鎖のマクロマーによって、ポリエーテル鎖中に直鎖アルキル架橋基を持つモノマーと比較して、よりよい酸素透過性と十分に向上した表面湿潤性を持つシリコーンヒドロゲルフィルムを製造する、親水性シリコーンホモポリマー/コポリマーを作製できる。本発明のシリコーンヒドロゲルフィルムから製造されるコンタクトレンズは、湿潤性を向上させるための、プラズマ酸化もしくはプラズマコーティングのような高価な二次処理や、内部湿潤化剤を必要としない。すなわち、本発明のシリコーンヒドロゲルフィルムより製造されるコンタクトレンズは二次処理なしで、ソフトであり、柔軟性であり、かつ本質的に湿潤であり、そして高い酸素透過性を示す。
本発明のポリマーは、透明で透過性で均一で単相の溶液を形成し、親水性ヒドロゲルモノマーと混和性である本発明のシロキサンモノマーの分子量によって追加の均質化溶剤を用いることなく直接的に硬化できる。Fedors法(Robert F. Fedors、Polymer Engineering and Science、1974年2月、14巻2号)によって計算された本発明のモノマーの溶解度パラメータ値は、おおよそ16.5〜おおよそ19(J/mol)1/2の範囲であり、TRISのようなシリコーンモノマーと比べて、(HEMA、NVPおよびDMAのような)従来のヒドロゲルモノマーの溶解度パラメータ値により近い。本発明のモノマーと親水性コモノマーの間の溶解度パラメータが約7.7(J/mol)1/2未満であるとき、混和性が実現される。
本発明の他の実施態様において、当技術分野に公知の方法によってポリマーをシリコーンヒドロゲルフィルムに作製できる。本発明のシリコーンヒドロゲルフィルムは、ソフトで、柔軟性でかつ高透過性である。本発明のモノマーより作製されるシリコーンヒドロゲルフィルムは、直鎖アルキルが結合したメタクリル化シリコーンポリマー鎖を持つモノマーを用いて作製されたものと比べて、よりよい表面湿潤性と酸素透過性を示す。本発明のシリコーンヒドロゲルフィルムは、100°〜20°の範囲の水と動的前進接触角を持ち、約10〜70重量%の水を吸収し、これらはポリエーテルの分子量によって変化し得る。接触角は、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)およびヒドロキシアルキルセルロースのような湿潤剤の添加によって特定の範囲に変化できる。作製されるシリコーンヒドロゲルは、コンタクトレンズ用途に必要とされる優れた機械的特性(低いモジュラスや高い引裂強度のような)を持つことが見出された。
従来のシリコーンヒドロゲルフィルムは一般的に、疎水性シリコーンモノマーと親水性ヒドロゲルモノマーとの混合物を、それらがお互いに相溶性でないために約10〜40重量%の溶媒の存在下で硬化することによって製造される。しかしながら、本発明においては、本発明の親水性シリコーンマクロマーは、(HEMA、NVPおよびDMAのような)従来の親水性ヒドロゲルモノマー、ならびに従来の親水性および疎水性シロキサンモノマーもしくはマクロマーと混和性であり、溶媒を用いることなくシリコーンヒドロゲルフィルムを製造するのに好適な均一な溶液を作製することができる。
本発明のマクロマーの密度は、25℃において、一般的に0.89〜1.1g/cmの範囲であり、ナトリウムのD線について1.4〜1.46の範囲の屈折率である。1.431より大きい屈折率と0.96g/cm より大きい密度を有するマクロマーが、相溶化剤の非存在下で、HEMAのような親水性モノマーと共に、完全な混和性の組成物、または均一で、濁りなく、かつ透明であるように見える擬似混和性の組成物を製造できることを本発明者は見出した。上述のように、(例えば、TRISもしくは3−[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリラートのような)従来のシリコーンモノマーは、シリコーンヒドロゲルを製造するための混和性組成物を得るために、HEMAのような親水性モノマーと、溶媒の存在下で混合しなければならない。本発明のシリコーンヒドロゲルコポリマーを作製するのに使用されるヒドロゲルコモノマーは、HEMA、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸(MAA)などの親水性アクリルモノマーであってよい。
生じた親水性シリコーンマクロマーを含むポリマーは、当技術分野に公知の方法によってシリコーンヒドロゲルフィルムとされる。従って、本発明は、本発明のホモポリマーもしくはコポリマーから作製されるコンタクトレンズをも対象とする。本発明のモノマー/ポリマーは、米国特許第3,408,429号および米国特許第3,496,254号に開示されるようなスピンキャスティング法によって、米国特許第4,084,459号および米国特許第4,197,266号に開示されるようなキャスト成形によって、またはそれらの方法に組み合わせによって、あるいは、コンタクトレンズ作製のための他の任意の公知の方法によって、または後から発見されたコンタクトレンズ作製のための他の方法によってコンタクトレンズに成形できる。重合化は、所望のコンタクトレンズの形に対応して、スピンモールドや固定モールドのいずれかによって実行され得る。必要に応じて、レンズはさらに機械的表面処理へと供され得る。所望の形のコンタクトレンズをもたらすために、ボタン、プレート、ロッドを作製するために適切なモールドもしくは容器において重合化が実行され、そして(例えば旋盤もしくはレーザーによる切断もしくは研磨によって)加工され得る。
本発明において生じるポリマーから作り上げられるコンタクトレンズの相対的な柔らかさや硬さは、(メタクリロキシのような)活性化不飽和基によって末端キャップ化されたポリシロキサンプレポリマーの分子量を減少したり増加したりすることによって、またはコポリマーの割合を変化させることによって変化させ得る。一般的にポリシロキサン単位対エンドキャップ単位の比を増加させると、材料の柔らかさは増大する。
本発明のポリマーは、UV吸収剤、顔料および着色剤を、添加剤もしくはコモノマーの形態で含み得る。
上述のように、本発明のシリコーンヒドロゲルは、直鎖アルキル架橋基を持つシリコーンポリエーテルコポリマーと比較してより高い酸素透過性と改善された表面湿潤性能とを示す。さらに、ヒドロゲルフィルムもしくはレンズの酸素透過性は、本発明のシリコーンモノマーを独立してもしくは組み合わせて選択することによって、40Dk〜400Dkの単位で調節できる。本発明によって使用されるモノマーおよびプレポリマーは容易に重合して、酸素を透過させ、よりよい機械的性能と光学的透明度を持ち、改善された湿潤性を持つ三次元ネットワークを形成する。
例えば、50重量%の本発明(実施例1)のモノマー、25重量%のDMA、20重量%のHEMAおよび5重量%のNVPコポリマーによって作製されるシリコーンヒドロゲルフィルムは、対応する直鎖アルキル架橋基を持つシリコーンポリエーテルによって作製され、HEMAとによる組成物において58°の気泡法による接触角と2MPaより大きいモジュラスを持つシリコーンヒドロゲルフィルムと比べ、より低い気泡法による接触角(40°以下)と、2MPa未満の低いモジュラスを示す。同様の傾向は、有機コモノマーと本発明のモノマーとを含むことなる組成物によって作製されるシリコーンヒドロゲルにおいても観察される。
フィルムの具体的な使用は、眼内コンタクトレンズ、人工角膜、使い捨て長期装用ソフトコンタクトレンズ、生物医学的デバイスのコーティングを含む。
一態様において、バルクもしくはラテックスの形態で材料を作製するために、親水性シリコーンモノマーを他のフリーラジカル重合に有効なモノマーとのホモポリマーもしくはコポリマーの調製に使用できる。本発明のマクロマーを含む、これらのホモポリマー、コポリマー、エマルジョンおよびラテックス粒子は、口紅、マスカラ、ファンデーション、ローション、クリーム、シャンプー、コンディショナー、マニキュアなどのスキンケア、ヘアケア、およびネイルケアを含むパーソナルケア配合物中における成分として、それらの性能、触感的性質、および使いやすさなどを向上するために使用できる。それらはまた、布地および繊維の処理の用途において、天然繊維および合成繊維の両方に対し滑らかさ、ソフトな感触および湿潤性を与えるために使用できる。最後に、ホモポリマー、コポリマー、エマルジョンおよびラテックス粒子は、ワニス、ラテックス塗装およびルーフィング組成物のような、金属、プラスチック、木および紙のためのコーティング配合物に混合することができる。
本発明の態様は、以下の非限定的な実施例を参照することによってさらに理解され得るであろう。
親水性シリコーンモノマー
実施例1
1.4meq/gのヒドロキシル含量と1.49meq/gのアリル含量を持つポリアリルグリシジルエーテル−コ−エチレンオキシドコポリマーの25グラムが、コンデンサ、滴下漏斗およびサーモメータを備える反応器へと入れられた。材料は75℃に加熱され、15ppmのクロロ白金酸と50ppmのジブチルエタノールアミンの存在下で6.22グラムのヘプタメチルトリシロキサン(MD’M)と反応させられた。反応は少し発熱し、すべてのヒドリドが消費されるまで85℃で4時間続けられた。ヒドロシリル化の完了後、上述のように作製された16.4グラムのシリコーンポリエーテルが20グラムのトルエンおよび2.8グラムのトリエチルアミンと他の反応器中で混合された。混合物はアイスバス中で5℃に冷却され、2.64グラムのメタクリロイルクロリドが混合物にゆっくりと添加された。添加の際、反応混合物は不透明になり、6〜7時間攪拌が続けられ、その後に塩を除去するためにろ過された。生じる溶液が低温下で蒸発され、室温において粘性で透明な外観を持つメタクリラートキャップ化シリコーンポリエーテルが作製された。
実施例2
1.4meq/gのヒドロキシル含量と1.49meq/gのアリル含量を持つポリアリルグリシジルエーテル−コ−エチレンオキシドコポリマーの20グラムが、コンデンサ、滴下漏斗およびサーモメータを備える反応器へと入れられた。材料は75℃に加熱され、15ppmのクロロ白金酸と50ppmのジブチルエタノールアミンの存在下で0.93meq/gのシラン水素含量を持つ線状単官能性ヒドリド末端化ポリジメチルシロキサン(Gelest Inc.により製造)の23.54グラムと反応させられた。反応は少し発熱し、すべてのヒドリドが消費されるまで85℃で4時間続けられた。ヒドロシリル化の完了後、上述のように作製された25グラムのシリコーンポリエーテルが20グラムのトルエンおよび2.5グラムのトリエチルアミンと他の反応器中で混合された。混合物はアイスバス中で5℃に冷却され、2.3グラムのメタクリロイルクロリドが混合物にゆっくりと添加された。メタクリロイルクロリドの添加の際、反応混合物は不透明になり、6〜7時間攪拌が続けられ、その後に塩を除去するためにろ過された。生じる溶液が低温下で蒸発され、室温において粘性で透明な外観を持つメタクリラートキャップ化シリコーンポリエーテルが作製された。
実施例3
ポリアリルグリシジルエーテル−コ−ポリエチレンオキシド−コ−ポリアリルグリシジルエーテルトリブロックコポリマーが、30グラムのPEG600と17.2グラムのアリルグリシジルエーテル(AGE)とを触媒としてのNaOCHの存在下で反応させて合成された。Nブランケット中において80℃でAGEが触媒とPEG600の混合物に添加され、遊離したAGEが存在しなくなるまで5時間混合され、そして、pHが6.7〜7になるまで酢酸で中和された。このブロックコポリマーの10グラムが、4.5グラムのMD’Mと10ppmの白金触媒および50ppmのプロピオン酸ナトリウム緩衝剤と共に、H−NMRによって全てのヒドリドが消費されたことが確認できるまで80℃において反応された。上述のシリコーンポリエーテルの10グラムが、20グラムのトルエンおよび3.5グラムのトリエチルアミンと他の反応器中で混合された。混合物はアイスバス中で5℃に冷却され、2.4グラムのメタクリロイルクロリドが混合物にゆっくりと添加された。メタクリロイルクロリドの添加の際、反応混合物は不透明になり、6〜7時間攪拌が続けられ、その後に塩を除去するためにろ過された。生じる溶液が低温下で蒸発され、室温において粘性で透明な外観を持つメタクリラートキャップ化シリコーンポリエーテルが作製された。
実施例4
0.89meq/gのヒドロキシル含量と2.1meq/gのアリル含量とを持つポリ−アリルグリシジルエーテル−コ−エチレンオキシドコポリマーの75グラムが、コンデンサ、滴下漏斗およびサーモメータを備える反応器へと入れられた。材料は75℃に加熱され、15ppmのクロロ白金酸と50ppmのジブチルエタノールアミンの存在下で34.4グラムのMD’Mと反応させられた。反応は少し発熱し、すべてのヒドリドが消費されるまで85℃で4時間続けられた。ヒドロシリル化の完了後、上述の75グラムのシリコーンポリエーテルが200mlのトルエンおよび7.5グラムのトリエチルアミンと他の反応器中で混合された。混合物はアイスバス中で5℃に冷却され、5.1グラムのメタクリロイルクロリドが混合物にゆっくりと添加された。メタクリロイルクロリドの添加の際、反応混合物は不透明になり、6〜7時間攪拌が続けられ、その後に塩を除去するためにろ過された。生じる溶液が低温下で蒸発され、室温において粘性で透明な外観を持つメタクリラートキャップ化シリコーンポリエーテルが作製された。
実施例5
0.64meq/gのヒドロキシル含量と2.68meq/gのアリル含量とを持つポリ−アリルグリシジルエーテル−コ−エチレンオキシドコポリマーの50グラムが、コンデンサおよびサーモメータを備える反応器へと入れられた。材料は75℃に加熱され、30ppmのKarstedtの触媒と70ppmのプロピオン酸ナトリウムの存在下で12.4グラムのヘプタメチルトリシロキサン(MD’M)と反応させられた。反応は少し発熱し、すべてのヒドリドが消費されるまで105℃で続けられた。ヒドロシリル化の完了後、上述の55グラムのシリコーンポリエーテルが126グラムのトルエンおよび4.47グラムのトリエチルアミンと他の反応器中で混合された。混合物はアイスバス中で5℃に冷却され、3.89グラムのメタクリロイルクロリドが混合物にゆっくりと添加された。添加の際、反応混合物は不透明になり、6〜7時間攪拌が続けられ、その後に塩を除去するためにろ過された。生じる溶液が低温下で蒸発され、室温において粘性で透明な外観を持つメタクリラートキャップ化シリコーンポリエーテルが作製された。
実施例6
0.644meq/gのヒドロキシル含量と3.41meq/gのビニル含量とを持つポリ−ビニル−シクロヘキシルエポキシド−コ−エチレンオキシドコポリマーの50グラムが、コンデンサおよびサーモメータを備える反応器へと入れられた。材料は75℃に加熱され、30ppmのKarstedtの触媒と70ppmのプロピオン酸ナトリウムの存在下で38グラムのヘプタメチルトリシロキサン(MD’M)と反応させられた。反応は少し発熱し、すべてのヒドリドが消費されるまで105℃で続けられた。ヒドロシリル化の完了後、上述の55グラムのシリコーンポリエーテルが127グラムのトルエンおよび4.51グラムのトリエチルアミンと他の反応器中で混合された。混合物はアイスバス中で5℃に冷却され、3.92グラムのメタクリロイルクロリドが混合物にゆっくりと添加された。添加の際、反応混合物は不透明になり、6〜7時間攪拌が続けられ、その後に塩を除去するためにろ過された。生じる溶液が低温下で蒸発され、室温において粘性で透明な外観を持つメタクリラートキャップ化シリコーンポリエーテルが作製された。
実施例7
0.75meq/gのヒドロキシル含量と2.6meq/gのビニル含量とを持つポリ−ビニル−シクロヘキシルエポキシド−コ−エチレンオキシドコポリマーの50グラムが、コンデンサおよびサーモメータを備える反応器へと入れられた。材料は75℃に加熱され、30ppmのKarstedtの触媒と70ppmのプロピオン酸ナトリウムの存在下で38グラムのヘプタメチルトリシロキサン(MD’M)と反応させられた。反応は少し発熱し、すべてのヒドリドが消費されるまで105℃で続けられた。ヒドロシリル化の完了後、上述の70グラムのシリコーンポリエーテルが164グラムのトルエンおよび6.51グラムのトリエチルアミンと他の反応器中で混合された。混合物はアイスバス中で5℃に冷却され、5.66グラムのメタクリロイルクロリドが混合物にゆっくりと添加された。添加の際、反応混合物は不透明になり、6〜7時間攪拌が続けられ、その後に塩を除去するためにろ過された。生じる溶液が低温下で蒸発され、室温において粘性で透明な外観を持つメタクリラートキャップ化シリコーンポリエーテルが作製された。
実施例8
合成は4つのステップを含む。
ステップ1:0.64meq/gのヒドロキシル含量と2.68meq/gのアリル含量とを持つポリ−アリルグリシジル−エーテル−コ−エチレンオキシドコポリマーの50グラムが、コンデンサおよびサーモメータを備える反応器へと入れられた。材料は75℃に加熱され、30ppmのKarstedtの触媒と70ppmのプロピオン酸ナトリウムの存在下で12.4グラムのヘプタメチルトリシロキサン(MD’M)と反応させられた。反応は少し発熱し、すべてのヒドリドが消費されるまで105℃で続けられた。
ステップ2:ステップ1で作製された50グラムのシリコーンポリエーテル(50グラム、0.023モル)とトリエチルアミン(9.4ml、0.068モル)が還流冷却器および滴下漏斗を備える500mlの3口丸底フラスコ中に入れられた。反応中、1秒当たり約20〜30の気泡の速度で窒素ガスが、アダプタとゴムのチューブを用いてフラスコの第三の口に接続された注入器にて連続的に投入された。攪拌中の反応物に対して無水テトラヒドロフラン(60ml)が添加され攪拌が継続された。反応温度は35℃に上昇し、反応中維持された。無水テトラヒドロフラン(25ml)中のp−トルエンスルホニルクロリド(5.6グラム、0.029モル)溶液が40〜45分間滴下された。トリエチルアンモニウム塩酸塩の白い沈殿物が45分間の反応中に沈殿した。反応時間は4〜5時間であった。反応の後、有機塩がろ過され、ろ過物はロータリーエバポレータ中で減圧下において濃縮された。溶媒の除去の後、27℃での12時間の貯蔵の後、さらなる有機塩が産物から析出した。ろ過により、定量的収量で、トシラート末端化シリコーンポリエーテルを生じた。産物はNMR法により確認された。
ステップ3:25グラム(0.33モル)のグリシンが、100ml脱イオン水中の水性NaOH溶液(34グラム、0.83モル)を含む250mlの丸底フラスコへと一つまみずつ添加された。フラスコはアイス塩バスを用いて0〜5℃へと冷却された。バスの温度を5℃未満に保ちつつ、メタクリロイルクロリド(39ml、0.39モル)が30〜45分間滴下された。反応混合物が室温へと温められた。反応混合物がpH3へと酸性化され、酢酸エチルによって4回抽出された(40ml×4)。酢酸エチル相が分離漏斗によって分離され、無水硫酸ナトリウム(50グラム)を含む三角フラスコへと移された。酢酸エチルは丸底フラスコへとデカントされ、溶媒が減圧下で除去され、白い固形粒としてグリシンメタクリルアミド(70%を超える収量)が得られた。産物はNMR法によって確認された。
ステップ4:最後のステップはSN(求核置換2)反応ステップであり、トシラート末端化シリコーンポリエーテル(25グラム、0.011モル)が、還流コンデンサ、ヒートバスおよび窒素注入器を備える250mlの2口丸底フラスコ中の溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)を用いて1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(1.73グラム、0.013モル)およびグリシンメタクリルアミド(1.65グラム、0.012モル)と反応させられた。期待していない重合化を避けるために、100〜200ppmのヒドロキノンが反応中に使用された。反応中、ヒートバスの温度は55℃に保たれた。12時間後、N,N−ジメチルホルムアミドがロータリーエバポレータ(60℃、20mbar)を用いて減圧下で除去された。粗生成物が25mlのクロロホルムに溶解され、ブライン溶液で洗浄された(15ml×3)。クロロホルム相が分離し、無水NaSO上で乾燥され、活性炭で脱色され、溶媒がロータリーエバポレータ中で減圧下で除去された。最終産物は定量的な収量で得られた。
最終産物は赤外分光法、多核NMR(H、13C、29Si)分光法によってよく分析された。
シリコーンヒドロゲル配合物(H1〜H10)
シリコーンヒドロゲル配合物は、本発明によるマクロマーと、HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリラート)、DMA(N,N−ジメチルアクリルアミド)およびNVP(N−ビニルピロリドン)ならびに、さまざまな量のEGDMA(エチルグリコールジメタクリラート)架橋剤を混合して熱硬化およびUV硬化によって調製された。使用された開始剤は、0.5重量%のBPO(ベンゾイルペルオキシド)(4時間85℃の温度)と、0.5重量%の2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(HMPP)もしくはIrgacure819(UV硬化はDynaxフラッドシステムで約90秒で実施された)とであった。表1はH1〜H10のヒドロゲル配合物と、列挙されたそれらのポリマーの性質とが示される。
発明はさまざまな実施態様を参照して記載されるが、当業者なら本発明の範囲を離れることなく、多くの変更がなされ、その要素が均等物と置換され得るこは理解できるであろう。本発明は本発明を実施するためのベストモードとして開示される特定の実施態様に限定されることが意図されるのではなく、本発明は添付される請求の範囲に包含されるすべての実施態様を含むことが意図される。ここに引用される全ての引用物は参照によりそのすべての内容を明示的に本明細書に組み入れられる。

Claims (13)

  1. 式1:

    親水性シリコーンマクロマーを少なくとも一つ含む組成物であって、
    式中、RがM によって定義される基であり、ここでM=RSiZ1/2、D=R1011SiZ2/2、T=R12SiZ3/2、Q=SiZ4/2、R=−(CH1/2(R13(CH1/2 であり、Rが独立して、−OH、−OC(O)R15、Yもしくは−OR15より選択され、Rが独立して、水素、−C(O)R15基、Y、または1から40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカルから選択され、RおよびR の少なくとも一つがYであり、Yがフリーラジカル重合可能な基であり、ZがOもしくはCH基であり、マクロマーが偶数のO1/2基と、偶数の(CH1/2基を持ち、かつその両者がすべて分子中で対になっているという限定に従い、Rが1から40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ炭化水素ラジカルであり、R、R、R、R10、R11、R12、およびR15がそれぞれ独立してOR14、1から20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカルから選択され、Rが、少なくとも1個から30個までの炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、二価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の、炭化水素ラジカルであり、R13が、酸素、または少なくとも1個から30個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、二価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の、炭化水素ラジカルであり、R14が、1から20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、一価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の炭化水素ラジカルであり、a+e>2であり、b、cおよびdがゼロもしくは正であり、3<a+b+c+d+e<1000という限定に従い、d+e>1であり、f、g、h、iおよびjが0もしくは正であり、f+g+h+i+j<300という限定に従い、そしてkが0もしくは1のいずれかである、組成物。
  2. 親水性シリコーンマクロマーが、式:
    (CHCHO)(CH(CH)CHO)(CH[(CH1/2]CHO)
    による構造を持つ、請求項1に記載の組成物。
  3. がM によって定義され、M=RSi(O)1/2、D=R10Si(O)2/2(CH1/2、f=2、g=1、h=0、i=0、j=1であり、R=−(CH1/213(CH1/2 である、またはRがM によって定義され、M=RSi(O)1/2、T=Si(O)3/2(CH1/2、f=3、g=0、h=1、i=0、j=1およびR=−(CH1/213(CH1/2−である、またはRが、RSiO(Si(R10)(R11)O)Si(R)(R)(CH1/2で定義される基であり、ここで0≦l≦200である、請求項2に記載の組成物。
  4. 親水性シリコーンマクロマーが式:

    を持ち、式中、Rが、RSiO(Si(R10)(R11)O)Si(R)(R)(CH1/2で定義される基であり、ここで0≦l≦200である、請求項1に記載の組成物。
  5. 親水性シリコーンマクロマーが、式:

    であり、式中、Rが独立して、−OH、−OC(O)R15、−OR15もしくはYより選択され、Rが独立して、水素、−C(O)R15基、1から40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子およびヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカル、またはYから選択され、Yがフリーラジカル重合可能な基でありかつRおよびRの少なくとも一つはYであるという条件であり、 15 が、OR 14 、1から約20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカルから選択され、R 14 が、1から20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、一価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の炭化水素ラジカルであり、19は、1から100個の炭素原子を持ち、ハロゲン、酸素、窒素から選択されるヘテロ原子を含み得る直鎖、分岐もしくは環状の一価のラジカル、または、1から50個のSi−Oの直鎖もしくは環状の架橋を持つシロキサンラジカルから独立して選択され、aおよびdがゼロではない整数であり、2≦a+d1000であり、一実施態様において2≦a+d100であり、他の実施態様において5≦a+d50である、親水性シリコーンマクロマーを少なくとも一つ含む組成物。
  6. 親水性親シリコーンマクロマーが、式:

    であり、式中、Rが独立して、−OH、−OC(O)R15、−OR15もしくはYより選択され、Rが独立して、水素、−C(O)R15基、1から40個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子およびヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカル、またはYから選択され、Yがフリーラジカル重合可能な基でありかつRおよびRの少なくとも一つはYであるという条件であり、 15 が、OR 14 、1から約20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ一価の炭化水素ラジカルから選択され、R 14 が、1から20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子および/もしくはヒドロキシル基を持つ、一価の、直鎖もしくは分岐の、不飽和もしくは飽和の炭化水素ラジカルであり、19が、1から100個の炭素原子を持ち、ハロゲン、酸素、窒素から選択されるヘテロ原子を任意選択で含む直鎖、分岐もしくは環状の一価のラジカル、または、1から50個のSi−Oの直鎖もしくは環状の架橋を持つシロキサンラジカルから独立して選択され、aおよびはゼロではない整数であり、2≦a+e1000であり、より好ましくは2≦a+e100であり、さらにより好ましくは5≦a+e50である、親水性シリコーンマクロマーを少なくとも一つ含む組成物。
  7. Yが一般構造:

    を持つ重合可能な基より選択され、
    式中、R16、R17および 18は、独立して、水素、1から10個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子、−COOHおよび−CHCOOHを持つ、置換のもしくは不置換の一価のアルキル基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. Bが1から20個の炭素原子を持ち、任意選択でヘテロ原子を含む二価のラジカルから、または以下の官能性部分:






    から選択される、請求項7に記載の組成物。
  9. 組成物がヒドロゲルである請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. ヒドロゲルが、ビニルモノマー、アクリリドモノマー、アクリルモノマー、もしくはそれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせから選択されるモノマー、フリーラジカル開始剤、および任意にて架橋剤をさらに含み、ここでビニルモノマーが、N−ビニル−ピロリドン(NVP)、N−ビニル−カプロラクタム、N−ビニル−アセトアミド、N−ビニル−ホルムアミド、N−ビニル−イソプロピルアミド、ビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、ビニルアルコール、ビニル含有シリコーン、またはそれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせから選択され、ここでアクリルモノマーが、2−ヒドロキシ−エチル−メタクリラート(HEMA)、2−ヒドロキシ−エチル−アクリラート(HEA)、ヒドロキシルプロピルメタクリラート、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリラートヒドロクロリド、ジメチルアミノエチルメタクリラート、グリセロールメタクリラート、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせから選択され、ここで開始剤が、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、ベンゾイルペルオキシドのようなペルオキシド、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(HMPP)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシケトンタイプ、フェニルグリオキシレートタイプ、ベンジルジメチル−ケタールタイプ、α−アミノケトンタイプ、モノーアシルフォスフィンタイプ、ビス−アシルフォスフィンタイプ、フォスフィンオキシド、メタロセンタイプ、およびヨードニウム塩またはそれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせから選択される熱開始剤もしくは光開始剤であってよく、ここで架橋剤が、エチレングリコールジメタクリラートおよびトリメチロイルプロパントリメタクリラート、ジエチレングリコールジメタクリラート、ビスフェノールAジメタクリラート、ジグリシジルビスフェノールAジメタクリラート、ジメタクリラート末端化ポリエチレングリコールおよび反応性直鎖ポリエーテル修飾シリコーンまたはそれらの二つもしくはそれ以上の組み合わせから選択できる、請求項9に記載の組成物。
  11. 請求項9から10のいずれか一項に記載の組成物を含むコンタクトレンズ。
  12. 水性シリコーンマクロマーを含むポリマーを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 組成物が、布地処理配合物、紙処理配合物、皮革処理配合物、パーソナルケア配合物、ヘルスケア配合物、ホームケア配合物、コーティング配合物、塗料配合物、種子処理配合物におけるフィルム形成添加剤である、請求項12に記載の組成物。
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