JP2000141386A - 製膜方法 - Google Patents

製膜方法

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JP2000141386A JP32557598A JP32557598A JP2000141386A JP 2000141386 A JP2000141386 A JP 2000141386A JP 32557598 A JP32557598 A JP 32557598A JP 32557598 A JP32557598 A JP 32557598A JP 2000141386 A JP2000141386 A JP 2000141386A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液製膜における製膜速度の高速化をはか
り、かつ表面性や平面性に優れたフィルムあるいはシー
ト状成形体を得る製膜方法を提供する。 【解決手段】 有機高分子体溶液を支持体上にキャスト
し、溶媒を除去してフィルムあるいはシート状成形体を
得るにあたり、該支持体とキャストされる有機高分子体
溶液膜との間に該有機高分子体及び該溶液に主に用いら
れた溶媒に対して相溶性を有する溶媒をキャスト時にお
いて液膜厚みt(μm)とキャストされるポリマー厚み
T(μm)が下式の関係を満たすよう介在させてキャス
トすることを特徴とする製膜方法。 0.001≦t/T≦0.1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
や芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドなどの有機高分
子体の溶液製膜に用いられる製膜方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばTダイから押し出された溶融ある
いは溶液膜を支持体に密着させる手段として、エアーナ
イフを用いる方法が、特開昭61−121923号公
報、特開昭59−68681号公報で、また、静電場を
利用する方法が、特公昭50−8743号公報、特開昭
59−138416号公報等で知られている。
【0003】また、スリット状の吸引ノズルを溶融膜あ
るいは溶液膜と支持体との間に配する方法が特開平2−
52721号公報等で知られている。
【0004】しかしながら、エアーナイフを用いる方法
は厚ものあるいは極めて粘度の高いものを製膜するのに
は適しているが、密着をあげるためには高い動圧が必要
で、この時風圧の乱れにより製膜が安定しない。かかる
傾向は、低粘度である溶液膜ほど、また膜の厚みが減少
するほどその影響を大きく受ける。また、静電場を利用
する方法は溶液製膜においては有機溶媒が用いられるこ
とが多いため、引火の危険から好ましくなく、また、被
キャスト体が帯電性でなければ原理的に適用が困難であ
る。
【0005】スリット状の吸引ノズルを用いる方法にし
ても上記エアーナイフ法と同様高い動圧あるいは静圧を
得るためには大きな空気の流れを必要とし、吸引を強く
すればする程圧力の変動の影響を受けて製膜が安定しな
い。
【0006】これらの手段における上記問題は特に外力
の影響を受けやすい薄ものの製膜において顕著であり、
高速化すると溶融膜あるいは溶液膜とキャスト支持体と
の間に空気が噛み込まれ、製膜できなくなると言う問題
を有していた。
【0007】一方、溶融膜の製膜方法としてドラム上に
液膜を形成し、キャストする方法が、特開昭64−53
820号公報、特開平1−320130号公報、特開平
2−219610号公報などで知られている。しかしな
がら、液膜は溶融したポリエステルやポリアミドに対し
て本来異物であって、また、高温の溶融膜が不均一に急
速に冷却されたり、液膜形成物質が気化したりしてフィ
ルムの表面に液膜に起因する変形や荒れが生じるため、
後述するような特に薄膜化が望まれており、かつ精密に
制御された表面を必要とする用途には適用できない。
【0008】エアナイフや吸引ノズルや静電場などを利
用する方法は、押し出された溶融あるいは溶液膜を支持
体に密着せしめてキャストの安定化を図るものであるが
限界があり、一方で更に生産性の向上を目指してキャス
トを高速化するニーズがある。また、一方で磁気テープ
のような記録メディアは小型化が進み、記録時間の長時
間化の要請により、薄膜化が要望されてきていると共に
電磁変換特性を高めるため基材には高度に制御された表
面性あるいは平面性が求められている。かかる用途には
従来ポリエチレンテレフタレートが用いられてきたが、
より高い剛性を有する芳香族ポリアミドあるいは芳香族
ポリイミドなどの素材が検討されている。しかしなが
ら、高い剛性を有する芳香族ポリアミドや芳香族ポリイ
ミドは溶液製膜でしか得られず、上述した手段では薄膜
でかつ高速度で製膜することは困難であった。また、光
学部材用途でニーズが高いポリカーボネートやポリメタ
クリル酸樹脂においても同様な問題を抱えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決して、有機高分子体溶液からのフィルムあるいは
シート状成形体の製造において、従来のキャスト安定化
手段では達し得なかったより高速な製膜が可能であり、
また、薄ものであっても安定した製膜が可能であって、
かつ、得られるフィルムあるいはシート状成形体の表面
性や平面性も良好である製膜方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は有機高
分子体溶液を支持体上にキャストし、該溶液中の溶媒を
除去してフィルムあるいはシート状成形体を得る方法に
おいて、該支持体とキャストされる有機高分子体溶液膜
との間に該有機高分子体及び該溶液に主に用いられた溶
媒に対して相溶性を有する溶媒をキャスト時において液
膜厚みt(μm)とキャストされるポリマー厚みT(μ
m)が0.001≦t/T≦0.1を満たすように介在
させてキャストすることを特徴とする製膜方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる有機高分子体
には1種以上の適当な有機あるいは無機の溶媒に溶解
し、その溶液を製膜に供することができるものであれば
特に制限はない。このような有機高分子体の例として
は、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリビニルアル
コール系樹脂、ポリアクリロニトリル、芳香族ポリアミ
ドなどのポリアミド樹脂、芳香族ポリイミド、ポリエス
テルアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸樹脂、
ポリメタクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース
系高分子、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ
る。
【0012】本発明は実質的に溶液製膜しか取り得な
い、融点がおおよそ300℃以上または分解点が融点よ
りも低い有機高分子体において好ましく採用される。こ
こで言う分解点とは空気流中の熱重量分析において5%
減量となる温度を言う。特に本発明は薄膜化が可能であ
り、また、表面性などについても悪影響を与えないた
め、かかる要求が強い樹脂の製膜に適し、薄膜化にあた
り適度な柔軟性があり、かつヤング率などの機械特性が
必要とされる芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミ
ドの製膜において特に好ましく採用される。
【0013】本発明で言う芳香族ポリアミドとは、次の
一般式(I)及び/または一般式(II)で表される繰り
返し単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上
から構成される。
【0014】一般式(I)
【化1】
【0015】一般式(II)
【化2】
【0016】ここで、Ar1 、Ar2 、Ar3 にはそれ
ぞれ例えば、
【化3】 等が挙げられ、X、Yは、−O−,−CH2 −,−CO
−,−SO2 −,−S−,−C(CH32 −,−C
(CF32 −等から選択されるが、これらに限定され
るわけではない。
【0017】更にこれらの芳香環上の水素原子がR、
R’あるいはR”としてハロゲン基、ニトロ基、C1〜
C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、トリア
ルキルシリル基、アリール基、オキシアリール基、チオ
アリール基等の置換基で置換された芳香環が全体の30
%以上、好ましくは50%以上、更に好ましくは70%
以上であると耐湿性が向上し、吸湿による寸法変化、剛
性低下などの特性が改善されるために好ましく、また、
アミド基上の水素が他の置換基で置換されていても構わ
ない。
【0018】特性面からは上記の芳香環がパラ配向性を
もって結合されたものが、全芳香環の50%以上、好ま
しくは70%以上、更に好ましくは75%以上を占める
ことが好ましい。ここで言うパラ配向性とは主鎖を構成
するアミド結合に結合した芳香核上の二価の結合鎖が互
いに平行あるいは同軸である状態を言う。かかる芳香族
ポリアミドはフィルムあるいはシート状成形体としたと
きに薄膜化に好ましい強度、伸度、剛性、耐熱性等の機
能を具備する。このようなパラ配向性芳香核の例として
は次のようなものがある。
【0019】
【化4】
【0020】かかる芳香族ポリアミドを得る方法には例
えば低温溶液重合法、界面重合法、イソシアネートとカ
ルボン酸を反応させる方法、脱水触媒を用い直接縮重合
させる方法などがあるが、低温溶液重合法が高重合度の
ポリマーが得やすいため適している。すなわち、酸クロ
リドとジアミンから、N−メチルピロリドン(以下、N
MPという)、ジメチルアセトアミド(以下、DMAc
という)、ジメチルホルムアミド(以下、DMFとい
う)などの非プロトン性有機極性溶媒中で重合する。ポ
リマ溶液は、単量体として酸クロリドとジアミンを使用
すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には
水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなど
の無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタ
ノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤
が使用される。
【0021】これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液と
して使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してか
ら上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。
【0022】また、ポリマーの固有粘度(ポリマ0.5
gを硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した
値)は、0.5以上であることが好ましい。
【0023】ポリマー溶液には溶解助剤として無機塩例
えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウ
ム、硝酸リチウムなどを添加する場合もある。ポリマー
溶液中のポリマー濃度は2〜40wt%程度が好ましい。
【0024】また、本発明で言う芳香族ポリイミドと
は、重合体の繰り返し単位の中に芳香環とイミド環を1
つ以上含むものであり、一般式(III)および/また
は一般式(IV)で示される構造単位で表される。
【0025】一般式(III)
【化5】
【0026】一般式(IV)
【化6】
【0027】ここでAr4 、Ar6 は少なくとも1個の
芳香環を含み、イミド環を形成する2つのカルボニル基
は芳香環上の隣接する炭素原子に結合している。このA
4は、芳香族テトラカルボン酸あるいはこの無水物に
由来する。代表例としては次の様なものが挙げられる。
【0028】
【化7】
【0029】ここでZは −O−,−CH2 −,−CO−,−SO2 −、−S−,
−C(CH3 2 − 等から選ばれるが、これに限定されるものではない。
【0030】また、Ar6 は無水カルボン酸あるいはこ
のハライドに由来する。
【0031】Ar5 、Ar7 としては例えば
【化8】 などが挙げられ、X’、Y’は −O−,−CH2 −,−CO−,−SO2 −、−S−,
−C(CH3 2 − 等から選ばれるが、これに限定されるものではない。更
にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲン基
(特に塩素)、ニトロ基、C1 〜C3 のアルキル基(特
にメチル基)、C1 〜C3 のアルコキシ基などの置換基
で置換されているものも含み、また、重合体を構成する
アミド結合中の水素が他の置換基によって置換されてい
るものも含む。
【0032】かかる芳香族ポリイミドの溶液は次のよう
にして得られる。即ち、原料となるポリアミド酸は、N
MP、DMAc、DMFなどの非プロトン性有機極性溶
媒中で、テトラカルボン酸二水物と芳香族ジアミンを反
応させて調製することができる。それから芳香族ポリイ
ミドは、前記のポリアミド酸を含有する溶液を加熱した
り、ピリジンなどのイミド化剤を添加してポリイミドの
粉末を得、これを再度溶媒に溶解して調製できる。製膜
原液中のポリマ濃度は5〜40wt%程度が好ましい。
【0033】次に有機高分子体溶液のもう一つの成分で
ある溶媒としては、上記の有機高分子体が溶解するもの
であれば特に制限はなく、また、混合溶媒であっても溶
解助剤などの無機塩が含有されていても構わないが、製
膜溶液として調製後に常温下に密閉しておいた時、1週
間以上外観上の濁りなどの変化あるいは有機高分子体の
析出のみられないものが好ましい。
【0034】また、溶液とする手段には特に制限はな
く、公知の溶解手段の他上述のように該溶媒中で重合を
実施して直接に有機高分子体溶液を得る方法も含まれ
る。
【0035】また、安定に溶液状態を維持できるのであ
れば該有機高分子体溶液には可溶性の有機物あるいは無
機塩が溶解されていても良く、また、溶液溶媒には可溶
であるが有機高分子体は単独では溶解しない溶媒が少量
混合されていても構わない。また、必要であれば物性を
損なわない程度に滑剤、酸化防止剤その他の添加剤等が
ブレンドされていてもよく、また、有機あるいは無機の
粒子などの不溶性成分が分散されていても良い。
【0036】次にこれら有機高分子体溶液はエンドレス
ベルトやドラムなどのキャスト支持体にキャストされ
る。フィルムあるいはシート状にキャストする手段につ
いては従来公知の手段を採用することができ、T−ダ
イ、L−ダイなどを用いる方法が実用的である。
【0037】本発明は有機高分子体溶液を支持体上にキ
ャストするにあたり、該支持体とキャストされる有機高
分子体溶液膜との間に該有機高分子体及び該溶液に主に
用いられた溶媒(この溶媒を以下、溶液溶媒と称する)
に対して相溶性を有する溶媒(以下、介在溶媒と称す
る)を介在溶媒の厚みt(μm)とキャストされる有機
高分子体溶液膜の厚みT(μm)が0.001≦t/T
≦0.1、好ましくは0.001≦t/T≦0.01を
満たすように介在させることを特徴とする。t/Tの関
係が0.001を下回る場合、空気の噛み込みを抑制す
る効果が小さくキャスト速度が上がらず、0.1を上回
る場合、キャストされた有機高分子体溶液が支持体上で
滑り、平面性や表面性が悪化する場合がある。ここで言
う主に用いられたとは、専ら有機高分子体を溶解させる
目的に使用されることを言い、一種以上の混合溶媒であ
っても良く、各構成成分は単独成分として有機高分子体
に対し相溶性を有している。ここで言う相溶性とは該有
機高分子体に対して常温において1重量%以上、好まし
くは10重量%以上の溶液を形成しうる溶媒として定義
される。
【0038】介在溶媒は該有機高分子体に対し相溶性を
有している。ここで言う相溶性は該有機高分子体に対し
て常温において1重量%以上、好ましくは10重量%以
上の溶液を形成しうる溶媒として定義される。
【0039】また、介在溶媒は溶液溶媒に対しても相溶
性を有している。ここで言う相溶性とは溶液溶媒に対
し、10重量%混合しても完全に混じり合う、つまり混
合液とした時液−液界面を形成しない状態で安定化する
溶媒として定義する。
【0040】また、キャストされた有機高分子体溶液は
溶媒の除去により成形体となるため、後処理等を考慮す
ると介在溶媒は溶液溶媒に主に用いられた溶媒と同一種
からなることが好ましく、介在溶媒と溶液溶媒とが実質
的に同一であることがさらに好ましい。この時、エント
ロピー変化を最小にできるので、混合時の発熱などで生
じる変質や溶媒の蒸発などの不具合を解消できるという
点でも好ましく採用される。 本発明はかかる介在溶媒
を採用し、有機高分子体溶液のキャスト時に支持体との
間に0.001≦t/T≦0.1、好ましくは0.00
1≦t/T≦0.01を満たすように介在させることに
特徴がある。これにより従来の溶液製膜法では得られな
かったキャスト速度の高速化がはかられ、また、得られ
たフィルムの品位例えば表面性や平面性が極めて良好な
ものとなる。この本発明の優れた効果は、有機高分子体
ならびに溶液溶媒との親和性が良好であるために有効か
つ強力に介在溶媒の膜が支持体とキャストされた有機高
分子体溶液膜との間に形成され、該介在溶媒の膜によっ
て空気がかみこまれるのを防止し、キャスト速度の劇的
な向上が図れたものと考えられる。また、介在溶媒は有
機高分子体及び溶液溶媒と相溶性を有しているので、支
持体界面でのポリマー析出やゲル化も防止されると共に
介在溶媒はその後有機高分子体溶液膜に吸収されるため
に最終製品の表面性や平面性なども良好になるものと考
えられる。
【0041】次に、本発明に用いた製膜装置をより詳し
く説明するために図を用いて説明する。もちろんこれに
本発明が制限されるものではない。
【0042】本発明に用いた製膜装置は、有機高分子体
溶液をダイなどを通じて押し出す押し出し手段と、押し
出された有機高分子体溶液を支持するエンドレスベルト
あるいはロール状の支持体と、該溶液中の溶媒を除去し
て成形する手段と、必要に応じて成形体を把持・展長す
る手段とを具したフィルムあるいはシート状成形体を得
る製膜装置において、押し出された有機高分子体溶液と
支持体間に該有機高分子体及び該有機高分子体溶液に主
に用いられる溶媒に対して相溶性を有する溶媒を介在せ
しめる手段を有することを要旨とする。
【0043】すなわち、図1に示す製膜装置は、有機高
分子体溶液を押し出す押し出し手段としてTダイ1が、
押し出された有機高分子体溶液を支持する支持体とし
て、Tダイ1に近接してキャストドラム7が設けられて
いる。そして、Tダイ1から押し出された有機高分子体
溶液膜5とキャストドラム7間に該有機高分子体及び該
有機高分子体溶液に主に用いられる溶媒に対して相溶性
を有する溶媒を介在せしめる手段、すなわち溶媒付与装
置Bが、Tダイ1の上流側に設けられている。溶媒付与
装置Bは、その位置調節が可能となるように圧接機構3
により可動化されている。
【0044】この例においては、更に有機高分子体溶液
膜5を支持体7に密着させる手段として密着装置Aを有
する。密着装置Aは、Tダイ1の下流側に設けられたエ
アナイフノズル6を有し、エアナイフノズル6には公知
の手段により空気が送り込まれている。吹き出し圧力は
圧力計2及びエアナイフノズル6のスリット幅等で制御
される。
【0045】溶媒付与装置Bは図1に示すようにキャス
ト支持体に接触して該支持体上に介在溶媒を付与せしめ
るものでも、図3、4に示すように非接触で付与せしめ
るものであっても良いが、該支持体との摩擦がなく、キ
ズをつける懸念が少ないことから、非接触で付与せしめ
る方式を採用することが好ましい。
【0046】接触式溶媒付与装置は、図1に示すよう
に、例えば送液ポンプ9や、タンクに空気を送り込んで
介在溶媒を押し出す等の介在溶媒の供給手段と、該介在
溶媒を供給する介在溶媒供給管4と、該介在溶媒供給管
4を通じて供給された介在溶媒を保持し、支持体に介在
溶媒を付与する機能を有するスポンジや布、吸収材など
の材料からなるロール状、板状あるいは棒状の介在溶媒
塗布体8と、必要に応じ上記介在溶媒塗布体8をキャス
ト支持体に圧接する介在溶媒塗布体支持圧接機構3とか
ら構成される。
【0047】これを、図2を例に更に詳しく説明する。
ロール状の介在溶媒塗布体8中には介在溶媒供給管4に
連結して、介在溶媒を供給する介在溶媒放出管10が貫
通されている。介在溶媒放出管10の外周には多数の細
孔を有しており、介在溶媒塗布体8の介在溶液の保持量
が常に一定量となるように送液ポンプ9(図示せず)側
で調整されている。また、必要に応じ介在溶媒放出管1
0等を支持する形でキャストドラム7への圧力を一定に
維持しながら圧接させる介在溶媒塗布体支持圧接機構3
が連結されている。
【0048】図3は、有機高分子溶液膜5を支持する支
持体としてキャストベルト12を、介在溶媒付与装置B
として非接触式介在溶媒付与装置を用いた例を示す。
【0049】すなわち、Tダイ1から押し出された有機
高分子体溶液5はキャストベルト駆動用ドラム7’にて
駆動されるキャストベルト12上に押し出される。
【0050】非接触式溶媒付与装置は、図3のBで示さ
れ、介在溶媒を直接介在溶媒供給管4を通じて、噴霧ノ
ズルや加熱装置、振動膜などからなる気化器または霧化
器13に供給し、気化あるいは霧化を実施し、キャスト
ベルト12上に介在溶媒を塗布する。介在溶媒を気化せ
しめたときにはキャストベルト12の温度を小さくし
て、該ベルト上に凝結させることもできる。
【0051】全体的な付与量あるいは長手方向の付与量
の均一性の調整は介在溶媒の供給手段、すなわち送液ポ
ンプ9(図示せず)側で調整され、また、幅方向の付与
量の調整は気化器あるいは霧化器13において幅方向に
対する配設間隔や各器毎の介在溶媒の背圧や供給量を制
御すること等で達成することができる。また、該非接触
式溶媒付与装置には、図中にしめすように支持体に付着
しなかった過剰な気化あるいは霧化された介在溶媒が系
外に漏れ出ないように気化器あるいは霧化器13を覆う
ようにチャンバー14を設け、吸気ブロワーなどの吸引
手段に接続された排気管15を配設して排気する手段を
設けることができる。また、凝結あるいは付着した介在
溶媒がキャスト支持体上に滴下しないようチャンバー1
4、導入管4、排気管15などを加熱したり、チャンバ
ー14の辺縁部などに樋などの回収機構を設けることが
できる。
【0052】また、この例においては、更に有機高分子
体溶液膜5をキャストベルト12に密着させる手段とし
て密着装置Aを有している。密着装置Aは、Tダイ1の
上流側に設けられた吸引ノズル11を有し、該吸引ノズ
ル11は吸引ブロワーなど公知の手段により空気の吸引
が行われる。幅方向の分布含め、吸引圧力は圧力計2及
び吸引ノズル11の開口部の構成等で制御される。
【0053】図4は、有機高分子溶液膜5を支持する支
持体としてキャストドラム7を、介在溶媒付与装置Bと
して図3とは別の態様の非接触式介在溶媒付与装置を用
いた例である。
【0054】この例では、直接に気化あるいは霧化して
介在溶媒を付与するのではなく、別に設けられた気化室
あるいは霧化室18中に噴霧ノズルや加熱装置あるいは
振動膜などを利用した気化器あるいは霧化器13を設け
て該室内にて介在溶媒の気化あるいは霧化を行う。そし
て、必要に応じ送気管16から気化室あるいは霧化室内
に搬送気体を送り込み、導入管17からチャンバー14
内に設けられた放出器19に導入し、キャストドラム7
上へ導いて付着させている。
【0055】この例においても、気化した介在溶媒を用
いるときにはキャスト支持体温度を小さくし、キャスト
支持体上で凝結させることは行われて良い。また、支持
体に付着しなかった過剰な気化あるいは霧化された介在
溶媒が系外に漏れ出ないように放出器19を覆うように
チャンバー14を設け、吸気ブロワーなどの吸引手段に
接続された排気管15を配設して排気する手段を設ける
ことができる。また、凝結あるいは付着した介在溶媒が
キャスト支持体上に滴下しないよう気化あるいは霧化室
18、チャンバー14、導入管17、排気管15などを
加熱したり、チャンバー14の辺縁部などに樋などの回
収機構を設けることができる。
【0056】また図5、6は本発明の別の態様を示して
いる。すなわち、図5、6に示す製膜装置は、有機高分
子体溶液を押し出す押し出し手段としてTダイ1が、押
し出された有機高分子体溶液を支持する支持体として、
Tダイ1に近接してキャストドラム7が設けられてい
る。そして、これらの例においては押し出された有機高
分子体薄膜側に介在溶媒膜が形成された後、キャストド
ラム7上に流延されるものである。
【0057】図5はTダイ1の断面を示しているが、該
TダイにはTダイ1から押し出された有機高分子体溶液
膜5とキャストドラム7間に該有機高分子体及び該有機
高分子体溶液に主に用いられる溶媒に対して相溶性を有
する溶媒を介在せしめる手段として、Tダイ下部に介在
溶媒供給管4に接続した毛細管や多孔質体などを利用し
た介在溶媒供給細管20が設けられており、有機高分子
体溶液膜5を押し出した直後に介在溶媒が該溶液に付与
される。介在溶媒の付与量は溶媒供給管4のもう一端に
接続された送液ポンプ9(図示せず)側で調整され、ま
た、幅方向の付与量の調整は介在溶媒供給細管20の構
成を適宜調整すること等で達成することができる。
【0058】図6もTダイ1の断面を示しているが、こ
の場合は有機高分子体及び該有機高分子体溶液に主に用
いられる溶媒に対して相溶性を有する溶媒を介在せしめ
る手段として、Tダイ中に介在溶媒供給管4、介在溶媒
供給細管20’を導入し、介在溶媒を有機高分子体溶液
に積層してTダイから共に吐出を行う。介在溶媒の付与
量は溶媒供給管4のもう一端に接続された送液ポンプ9
(図示せず)側で調整され、また、幅方向の付与量の調
整はTダイ中における供給管の幅や構成を適宜調整する
こと等で達成することができる。
【0059】もちろん高分子溶液の密着性を上げるため
に図5や図6に示した系においても図1や図2で説明し
た密着装置が併用できる。
【0060】図1〜4に示すように本発明においては、
高分子体溶液膜に力を及ぼして支持体に密着させる手段
を併用することは極めて好ましい。かかる手段としては
先述した吸引ノズルやエアナイフ等のキャストされた有
機高分子体溶液膜に対して上流側に空気を吸引する手段
や下流側に空気等の作動流体を吹き当てる手段、静電気
力や磁力などの間接力を及ぼす手段などの公知の手段が
採用し得、取り付け位置の微調整機構を有していること
が好ましい。もちろん前記溶媒付与装置とは任意に組み
合わせて良い。驚くべきことに本発明と組み合わせて用
いることによって、これら手段が従来安定化に必要とし
ていた吹き出し圧力や吸引圧力などは激減する。その結
果、従来これらの安定化手法が達し得なかった速度にお
いても低負荷での運転が可能となり、本発明はこの作用
と相まって好ましく更に一段の高速化がはかられる。ま
た、空気流れを利用した密着手段の場合、必要圧力の低
下で圧力変動も抑制され、薄ものの製膜においても有利
に作用する。
【0061】なお、図5や図6で示した態様はキャスト
支持体を予め加温する必要やその他処理を行う時などに
好ましく採用される。
【0062】また、介在溶媒はその付与される有効面に
おける付与量のバラツキを30%以下、好ましくは20
%以下、更に好ましくは10%以下とすることが好まし
い。30%を越えると特に溶媒の除去に加熱蒸発を採用
する製膜手段においては乾燥斑を発生して、得られたフ
ィルムあるいはシート状成形体の物性が不均一なものと
なる懸念や平面性が悪化する懸念がある。ここで言う有
効面とは実際にキャストされる面として定義され、付与
量のバラツキは長手方向あるいは幅方向に単位面積当た
りの付与量を10点測定し、その平均値に対する最大の
乖離割合として定義する。付与するに当たっては図1の
介在溶媒塗布体支持圧接装置3において幅方向に接圧を
調整できる機構を用いたり、図3の供給管やの気化器あ
るいは霧化器13や図4の放出器19において適切に分
配器を用いたり、供給孔や発生器などの供給要素の配置
を適正化したり、チャンバー14内に仕切り板を設ける
ことなどで達成することができる。
【0063】また、T−ダイなどを用いて有機高分子体
溶液をスリットから押し出す場合、押し出し口とキャス
ト支持体間との距離は10mm以下、好ましくは5mm
以下、更に好ましくは3mm以下とすることが好まし
い。10mmを越えるときはたとえ介在溶媒を用いたと
しても高速化のメリットは少なく、また、押し出された
有機高分子体溶液膜の着地線が振れやすく、厚み斑の原
因となる恐れがある。また、ネックインの発生で両端の
厚みが増え、単位面積当たり溶媒除去量が大きくなっ
て、支持体からの剥離がうまくいかなかったり、得られ
たフィルムあるいはシート状成形体の物性が不均一なも
のとなって好ましくない。
【0064】本発明で得られるフィルムあるいはシート
状成形体の厚みに特に制限はないが、先述のように従来
の技術は特に薄ものの成形において技術的に制限が大き
かったので、本発明はフィルムあるいはシート状成形体
の最終厚みとして、10μm以下、好ましくは7μm以
下、更に好ましくは5μm以下、特に好ましくは4μm
以下のものを得るに当たって極めて好ましく採用され
る。
【0065】特に本発明は更に、フィルムあるいはシー
ト状成形体の表面性や平面性にも優れるため、ますます
高容量化が要求され、またかかる要求にも厳しい磁気記
録媒体用ベース材や小型軽量化の進むフレキシブルプリ
ント基板やTABキャリアテープ、太陽電池基板などの
電気機器用絶縁性配線部材、コンデンサーあるいは感熱
記録用転写材のベース材などに好ましく採用される。
【0066】特に本発明から得られるフィルムあるいは
シート状成形体は表面性に優れるので、光触針式3次元
表面粗さ計で測定されるカットオフ値0.08mmにお
ける測定面積0.002mm2での3次元表面粗さSR
a1と測定面積1.0mm2での3次元表面粗さSRa
2が好ましく下式のような関係を充たす。
【0067】
【数1】
【0068】SRa2/SRa1は好ましくは3.5以
下、更に好ましくは3.0以下である。SRa2/SR
a1が4.5を越えると基材表面には凹凸上のうねりが
著しく、製品としての使用に制限が多い。
【0069】また、SRa2/SRa1は好ましくは
0.9以上、更に1.2以上であることがより好まし
い。SRa2/SRa1が0.8未満であると加工上の
問題を発生する懸念があり、最終製品の摩擦耐久性に悪
影響が出る可能性がある。
【0070】更に本発明により得られるフィルムあるい
はシート状成形体は、20℃、相対湿度60%における
少なくとも一方向の引張りヤング率が、7.84GPa
であることが好ましい。より好ましくは8.82GPa
以上、更に好ましくは9.8GPa以上である。一般に
ヤング率は分子構造と製膜時の延伸性により支配され、
先述のパラ配向性芳香族ポリアミドは高ヤング率の材料
として好ましく採用される。通常上限は35GPa程度
であり、これ以上の値のフィルムはもろかったりあるい
は裂けやすいものとなって、工業的価値は低い。使用あ
るいは加工時のテンションに耐えることができるので特
に薄膜の成形体に有利である。
【0071】また、本発明はもちろん単層のフィルムあ
るいはシート状成形体の成形でも用いられるが、積層成
形体の成形にも好ましく用いられる。積層時の各層を構
成する成分は同じ種類であっても異なるものであっても
良い。また、各層を構成する少なくとも一層に本発明の
目的を損なわない粒子などの副資材を含有していてもよ
く、これら副資材の種類、含有量、粒径などは同じであ
っても異なるものであっても良い。
【0072】上記手段を経てキャストされた有機高分子
体溶液膜はいわゆる溶液製膜法によりフィルムあるいは
シート状成形体に加工される。溶液製膜法には乾湿式
法、乾式法、湿式法などがありいづれの方法で製膜され
ても差し支えないが、ここでは乾湿式法を例にとって説
明する。
【0073】乾湿式法で製膜する場合は、例えば特開昭
54−105197号公報などに開示される従来公知の
方法が用いられる。すなわち、キャスト支持体上にキャ
ストした有機高分子体溶液の薄膜層から溶媒を蒸発させ
該薄膜が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室
温〜220℃、60分以内の範囲であり、好ましくは室
温〜200℃の範囲である。乾式工程を終えたフィルム
は支持体から剥離されて湿式法と同様の浴中で抽出媒に
よって脱塩、脱溶媒などが行なわれる湿式工程に導入さ
れ、加えて延伸、乾燥、熱処理が行なわれる。
【0074】以上のように形成されるフィルムあるいは
シート状成形体はその製膜工程中で、テンター中クリッ
プで把持しながら展長したりあるいはロールの周速差を
利用するなど従来公知の方法で延伸が行なわれることが
好ましいが、延伸倍率は面倍率で0.8〜8.0(面倍
率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積
で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味す
る。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは
1.1〜5.0である。また延伸あるいは熱処理後のフ
ィルムを徐冷する事が有効であり、50℃/秒以下の速
度で冷却する事が有効である。
【0075】なお本発明で得られるフィルムあるいはシ
ート状成形体は、積層されていてもよいが、例えば2層
の場合には、有機高分子体溶液を二分し、各々に必要な
副資材を添加した後積層する等の方法が用いられる。さ
らに3層以上の場合も同様である。これら積層の方法と
しては、周知の方法たとえば、口金内での積層、複合管
での積層や、一旦1層を形成しておいてその上に他の層
を形成する方法などが採用できる。
【0076】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法ならびに効果の評価方法
は次の通りである。
【0077】A.ヤング率、伸度 オリエンテック社製テンシロンを用い、試幅10mm、
試長50mm、引張速度300mm/分で実施した。な
お、測定に当たり試料は20℃、相対湿度60%雰囲気
下に24時間以上置き、また該条件において測定を行っ
た。
【0078】B.表面性 真空蒸着機にてフィルム表面をアルミ蒸着し、蒸着面を
微分干渉顕微鏡を用いて観察し、実用上の問題となる欠
点の有無を調べた。欠点があれば×印、無ければ○印と
して示した。
【0079】C.厚み斑 電子線マイクロ厚み計を使用し、フィルムの長手方向に
連続的に10mの長さを測定し、その最大値と最小値の
差を平均厚みで除した値に100を乗じて求めた(単
位:%)。なお、厚み斑は10%未満を良好として○印
で示し、5%以下を最良として◎印で示し、10%以上
を不良として×印で示した。
【0080】D.平面性評価指標 25℃、相対湿度60%の環境下で50cm×50cm
のフィルムを厚手のフェルト地あるいは不織布(本実施
例では東レ(株)社製”エクセーヌ”を用いた。)を貼
着した平板上にのせ、ブラシにて広げていく。15分間
静置後、該エクセーヌ上に接触せずに膨らんでいる部分
をマーキングし、その面積を求める。そして、該非接触
部分の面積をフィルムの総面積で除した値に100を乗
じて求め(単位:%)、10%未満を良好として○印で
示し、5%以下を最良として◎印で示し、10%以上を
不良として×印で示した。
【0081】E.キャスト安定性 有機高分子体をステンレスベルト上に流延したとき、問
題がない場合を○印で示し、周期的もしくは断続的に有
機高分子体膜に破れが発生した場合を×印で示した。
【0082】F.SRa2/SRa1 先に示した方法で測定を行い、0.8≦SRa2/SR
a1≦4.5を満たすものを良好とし○印で示し、それ
以外のものを不良として×印で示した。
【0083】
【実施例】以下具体的に実施例に基づき本発明を説明す
るが、本発明はかかる記載に限定されるものではない。
【0084】有機高分子体溶液として、次のものを用い
た。平均一次粒径16nmのシリカ粒子をポリマーあた
り0.3wt%分散したNMPに芳香族ジアミン成分と
して80モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジ
アミンと、20モル%に相当する4、4’−ジアミノジ
フェニルエ−テルとを溶解させ、これに酸クロリド成分
として100モル%に相当する2−クロルテレフタル酸
クロリドを添加し、2時間撹拌して重合を完了した。次
いで発生した塩化水素を水酸化リチウムを用い4分の1
ずつ添加して中和を行い、ポリマ濃度10重量%の芳香
族ポリアミド溶液を得た。
【0085】実施例1 有機高分子体溶液の押し出し手段としてキャスト支持体
から2mm上方に配されてギヤポンプにつながった幅4
00mmのTダイ、キャスト支持体として鏡面状に磨か
れたステンレスベルトとベルト駆動のためのキャストロ
ールとからなる支持体、密着手段としてTダイ上流側に
スリットクリアランス1.5mmの吸引ノズルを配し、
ついで介在溶媒を付与する手段として吸引ノズル上流側
に、溶媒(NMP)供給タンク、供給ポンプに連結した
ノズル式噴霧器とブロワー及びフィルターを経た搬送用
空気導入口と霧化体の排出口を装備する霧化室を経て吸
引ノズル上流側に設けられたチャンバー内に接続された
(凝結体のキャストベルト上への落下防止のため辺縁部
に樋の設けられた霧化体の排出口はキャストベルトから
2mm上に設けられている。)間接式供給手段を用い、
上記調製した芳香族ポリアミド溶液をホッパーからギヤ
ポンプ、2μmカットのフィルタ−を通じて、Tダイか
ら65℃のステンレスベルト上に膜厚60μmで流延し
た。この時、キャストベルト上へのNMPの付与量は
0.5μm±0.05μm(本実施例に示す誤差範囲は
先述の有効面における単位面積あたりの付与量測定法に
基づく。)であった。また、吸引ノズル内の圧力は−5
0mmAqであった。
【0086】次いでNMPの付与量を0.5μm±0.
05μmに保ちながら最終フィルム厚みが一定となるよ
う吐出量とキャストベルトの速度を調整しつつ徐々に速
度を上げていったところ、45m/分のキャスト速度で
も有機高分子体溶液膜と支持体間に空気を噛み込むこと
もなくキャストは極めて安定して実施することができ
た。
【0087】次にキャストベルトに保持したまま乾燥機
中で190℃の熱風で1.5分間加熱して溶媒を蒸発さ
せ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥
離した。次に加温した水槽内へフィルムを導入して残存
溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出を行ない、テンタ−
で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ3.7μmの芳香
族ポリアミドフィルムを得た。水槽内でロール周速度を
変えてフィルム長手方向に1.25倍、280℃、1.
5分間のテンター内でクリップで把持しつつ乾燥と延伸
を行ない幅方向に1.3倍延伸した。ついで、定長下に
290℃、30秒間熱処理を行なった後、20℃/秒の
速度で徐冷した。
【0088】この基材フィルムのSRa2/SRa1は
1.35、ヤング率は長手方向、幅方向それぞれ13G
Pa、13GPa、伸度40%であった。また、表面性
においては全く問題が無く、厚み斑は4%、平面性評価
指標は4%であり、実用上極めて優れたものであった。
【0089】実施例2〜4 ステンレスベルト上にキャストしたポリマー膜厚を1
0,30,120μm、NMPの付与量を0.08μm
±0.008μm,0.25μm±0.025μm,
1.0μm±0.1μmとした以外実施例1と同様の方
法でキャストベルト上にキャストを行った。フィルムの
評価結果は表1に示す。
【0090】実施例5 吸引ノズル内圧力を0mmAqとした他は実施例1と同
様の方法でキャストベルト上にキャストを行った。NM
Pの付与量を0.5μm±0.05μmに保ちながら最
終フィルム厚みが一定となるよう吐出量とキャストベル
トの速度を調整しつつ徐々に速度を上げていったとこ
ろ、15m/分のキャスト速度でも有機高分子体溶液膜
と支持体間に空気を噛み込むこともなくキャストは極め
て安定して実施することができた。次に、実施例1と同
様の条件となるよう条件調整して厚さ3.7μmの芳香
族ポリアミドフィルムを得た。この基材フィルムのSR
a2/SRa1は1.30、ヤング率は長手方向、幅方
向それぞれ13GPa、13GPa、伸度40%であっ
た。また、このフィルムの表面性においては全く問題が
無く、厚み斑は7%、平面性評価指標は6%であった。
【0091】実施例6 介在溶媒の供給手段として、介在溶媒の供給機構とキャ
ストベルトへの押圧機構を具備したスポンジ製ロールを
配した以外は実施例1と同様の方法と条件で調製した芳
香族ポリアミド溶液をホッパーからギヤポンプ、2μm
カットのフィルタ−を通じて、Tダイから65℃のステ
ンレスベルト上に流延した。この時、スポンジロールか
らキャストベルト上にNMPを4μm±0.3μm(本
実施例に示す誤差範囲は先述の有効面における単位面積
あたりの付与量測定法に基づく。)となるよう付与し
た。
【0092】次いでNMPの付与量を4μm±0.3μ
mに保ちながら最終フィルム厚みが一定となるよう吐出
量とキャストベルトの速度を調整しつつ徐々に速度を上
げていったところ、45m/分のキャスト速度でも有機
高分子体溶液膜と支持体間に空気を噛み込むこともなく
キャストは極めて安定して実施することができた。以下
実施例1と同様の条件となるよう条件調整して厚さ3.
6μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。
【0093】この基材フィルムのSRa2/SRa1は
1.5、ヤング率は長手方向、幅方向それぞれ13GP
a、13GPa、伸度40%であった。また、このフィ
ルムの表面性、平面性共に実施例1のフィルムに遜色の
ないものであった。
【0094】比較例1 介在溶媒の供給機構を撤去し、キャストベルト上への介
在溶媒の付与を行わなかった他は実施例1と全く同じ装
置系を用いた。最終フィルム厚みが一定となるよう吐出
量とキャストベルトの速度を調整しつつ徐々に速度を上
げていったところ、吸引ノズル内圧力が−50mmAq
の時においては、13m/分で空気の噛み込みを生じ製
膜できなくなった。次に吸引ノズル内の圧力を高めなが
ら最終フィルム厚みが一定となるよう吐出量とキャスト
ベルトの速度を調整して速度を上げていったが、−12
0mmAqにおいても空気の噛み込みは20m/分から
生じ、これ以上吸引ノズル内圧力を下げると吐出される
有機高分子体溶液膜の振れが大きくなり、無視できない
厚み斑の発生が認められるようになった。上記の13m
/分でキャストしたものについて、以下実施例1と同様
の条件となるよう条件調整して厚さ3.6μmの芳香族
ポリアミドフィルムを得た。
【0095】この基材フィルムのSRa2/SRa1は
1.8、ヤング率は長手方向、幅方向それぞれ13GP
a、13GPa、伸度41%であった。また、フィルム
表面性は実用上問題がないものの厚み斑は13%、平面
性評価指標は12%であり実用上満足のゆくものではな
かった。
【0096】比較例2 比較例1において、更に吸引ノズル内圧力を0にしてキ
ャストを実施したが、7m/分で空気の噛み込みを生じ
た。
【0097】比較例3〜6 ステンレスベルト上にキャストしたポリマー膜厚を1
0,30,60,120μmNMPの付与量を3.3μ
m±0.33μm,10μm±1μm,20μm±2μ
m,40μm±6μmとした以外実施例1と同様の方法
でキャストベルト上にキャストを行った。製膜が可能だ
ったフィルムの評価結果は表1に示す。
【0098】比較例3〜6についてキャスト開始直後か
らネックインが発生しフィルムエッジ部に厚み斑の発生
が認められる。
【0099】次に吸引ノズル内の圧力を高めつつ、NM
Pの付与量を一定に保ち、最終フィルム厚みが一定とな
るよう吐出量とキャストベルトの速度を調整して速度を
上げていったが、比較例3では吸引開始当初から、比較
例4では吸引ノズル内圧力が−10mmAqを下回る辺
りから、比較例5では吸引ノズル内圧力が−30mmA
qを下回る辺りから有機高分子体溶液膜の振れが大きく
なり、ともに−15,−40,−100mmAqより吸
引ノズル内圧力を下げると吐出される有機高分子体溶液
膜の振れの影響により無視できない厚み斑の発生が認め
られるようになった。比較例6のフィルムの評価結果は
表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
【発明の効果】本発明は上記の構成とすることにより、
これまで困難であった溶液製膜における高速製膜と言う
課題において、特に薄膜であっても高速度での製膜が可
能となり、また、特に本発明は更に、得られるフィルム
あるいはシート状成形体の表面性や平面性にも優れるも
のとできる。
【0102】このようにして得られたフィルムあるいは
シート状成形体は光学部材、光記録媒体、磁気記録媒
体、電気機器用絶縁性配線部材、コンデンサー、被覆
材、製版材料などの印刷部材、写真フィルムなど各種用
途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の一態様を示す説明図である。
【図2】第2図は第1図における接触式溶媒付与装置の
キャスト支持体接触部分の拡大説明図である。
【図3】第3図は本発明の一態様を示す説明図である。
【図4】第4図は本発明の一態様を示す説明図である。
【図5】第5図はTダイ部分の断面を表す説明図であ
る。
【図6】第6図はTダイ部分の断面を表す説明図であ
る。
【符号の説明】 A:密着装置 B:溶媒付与装置 1:Tダイ 2:圧力計 3:介在溶媒塗布体支持圧接機構 4:介在溶媒供給管 5:有機高分子体溶液膜 6:エアナイフノズル 7:キャストドラム 7’:キャストベルト駆動用ドラム 8:介在溶媒塗布体 9:送液ポンプ 10:介在溶媒放出管 11:吸引ノズル 12:キャストベルト 13:気化器または霧化器 14:チャンバー 15:排気管 16:送気管 17:導入管 18:気化室または霧化室 19:放出器 20,20':介在溶媒供給細管
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77:10 79:08 Fターム(参考) 4F071 AA56 AA60 BA02 BB02 BC01 4F205 AA29 AA40 AC05 AG01 AR12 GA07 GB02 GC02 GE02 GE22 GF01 GF06 GF23 GF24 GF30 GF47 GN24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機高分子体溶液を支持体上にキャスト
    し、該溶液中の溶媒を除去してフィルムあるいはシート
    状成形体を得る方法において、該支持体とキャストされ
    る有機高分子体溶液膜との間に該有機高分子体及び該溶
    液に主に用いられた溶媒に対して相溶性を有する溶媒を
    キャスト時において液膜厚みt(μm)とキャストされ
    るポリマー厚みT(μm)が下式の関係を満たすよう介
    在させてキャストすることを特徴とする製膜方法。 0.001≦t/T≦0.1
  2. 【請求項2】該支持体とキャストされた有機高分子体溶
    液膜との間に介在させる溶媒が該有機高分子体溶液に主
    に用いられた溶媒と同一種である請求項1に記載の製膜
    方法。
  3. 【請求項3】有機高分子体溶液を支持体に密着させる手
    段を用いてキャストする請求項1または2に記載の製膜
    方法。
  4. 【請求項4】介在させる溶媒の有効面に対する付与量の
    ばらつきが平均値の30%以下である請求項1〜3のい
    ずれかに記載の製膜方法。
  5. 【請求項5】有機高分子体溶液の押し出し口と支持体間
    距離を10mm以下とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の製膜方法。
  6. 【請求項6】有機高分子体が芳香族ポリアミド及び/ま
    たは芳香族ポリイミドである請求項1〜5のいずれかに
    記載の製膜方法。
  7. 【請求項7】フィルムあるいはシート状成形体の最終厚
    みが10μm以下となるように有機高分子体溶液をキャ
    ストする請求項1〜6のいずれかに記載の製膜方法。
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