JP2007090866A - フイルムの製造装置及びその製造方法 - Google Patents

フイルムの製造装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚みムラの無いTACフイルムを得る。
【解決手段】TAC及びジクロロメタンを主溶媒とする混合溶媒を含むドープを調製する。ドープを流延ダイ31の吐出口から流延ドラム32上に流延する。流延ダイ31の上流側に設置した減圧チャンバ68により、流延ビード69aの流延ドラム32側の幅方向にわたる領域の圧力を、流延ドラム32と反対の流延ビード69aの幅方向にわたる領域の圧力よりも低くする。また、エア供給部110〜112から減圧チャンバ68内にエアを供給する。これにより、減圧チャンバ68内の気流が制御され、気流ムラの発生を防止することができるので、流延ビード69aの形状が安定する。平面性に優れる流延膜69が得られるので、結果として、厚みムラの無いTACフイルムを得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、フイルムの製造装置及びその製造方法に関するものである。
セルロースエステル、特に、58.0%〜62.5%の平均酢化度を有するセルローストリアセテート(以下、TACと称する)から形成されるTACフイルムは、その強靭性と難燃性とから、写真感光材料のフイルム用支持体として利用されている。また、TACフイルムは光学等方性に優れていることから、近年市場の拡大している液晶表示装置の偏光板の保護フイルムなどに用いられている。
TACフイルムは、通常溶液製膜方法により製造されている。溶液製膜方法は、ポリマーをジクロロメタンや酢酸メチルを主溶媒とする混合溶媒に溶解した高分子溶液であるドープを調製してから、このドープを流延ダイより流延ビードを形成させて支持体上に流延することにより流延膜を形成する。そして、この流延膜が支持体上で自己支持性を有するものとなった後に、支持体から溶媒を多量に含んだ膜である湿潤フイルムとして剥ぎ取り、さらに、乾燥させてフイルムとする方法である(例えば、非特許文献1参照)。
この溶液製膜方法においては、ドープを流延ダイから流延する際に、流延ビードの形成を安定化させる目的で、流延ビードの背面側を減圧させる方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
発明協会公開技報公技番号2001−1745号 特開2000−210961号公報 特開2000−210959号公報 特開2002−160241号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法では、流延する面(キャスト面)に対するノズルや流延ダイ(口金)のスリット間隙部の機械的精度を向上させているため、コスト高の原因となっている。特許文献2記載の方法では、吸引ノズルの上流側にチャンバ(バッファ)を設けることで、流延ビード背面の圧力を所定の範囲に制御している。しかし、この方法でも製膜速度を高速にすると減圧度を大きくする必要があり、流延ビード横からの流入風ないし支持体同伴風による流延幅方向における気流のムラや流延ビード端部が不安定になるという問題が生じている。さらに、特許文献3記載の方法では、キャスト面と減圧装置(吸引装置)との空隙を極力狭くしている。この方法でも、吸引装置の機械的精度を向上させる必要がありコスト高の原因となる。また、支持体のキャスト面が略同一位置を移動させるため支持体の駆動装置に、より精密な駆動を行うものを用いる必要が生じ、やはりコスト高の原因となる。
本発明の目的は、特別な設備を用いることなく流延幅方向における厚みムラの発生が抑制されたフイルムを得ることができるフイルムの製造装置及び製造方法を提供することにある。
本発明者が鋭意検討した結果、流延ダイから流延ビードを支持体上に流延させるに際し、流延ビードの支持体面側に減圧チャンバを設け、この減圧チャンバの内部にエアを供給することで、減圧チャンバ側からの大気の流入や支持体の動きに伴う同伴風により減圧チャンバの内部に気流ムラが発生するのを防止することができることを見出した。
本発明のフイルムの製造装置は、ポリマーと溶媒とを含むドープを支持体上に吐出させ膜を形成するダイと、吐出されたドープの流れであるビードの支持体側の幅方向にわたる領域の圧力を、支持体側と反対のビードの幅方向にわたる領域の圧力よりも低くする減圧チャンバとを備えるフイルムの製造装置において、減圧チャンバの内部にエアを供給して、その内部の気流を制御するエア供給部を備えることを特徴とする。また、エア供給部が、減圧チャンバの幅方向の略中央に設けられていることが好ましい。なお、エア供給部が、減圧チャンバの両縁側に設けられていることが好ましい。
本発明のフイルムの製造方法は、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延ダイから支持体上に流延して流延膜を形成し、且つ減圧チャンバにより流延時のドープの流れであるビードの支持体面側の幅方向にわたる領域の圧力を、支持体側とは反対のビードの幅方向にわたる領域の圧力よりも低くし、流延膜を支持体から剥ぎ取りフイルムとするフイルムの製造方法において、減圧チャンバの内部にエアを供給して内部の気流を制御することを特徴とする。
エアの風速を0.1m/s以上20m/s以下とすることが好ましい。そして、エアを減圧チャンバの両縁側に供給することが好ましい。さらに、エアを減圧チャンバの幅方向の略中央に供給することが好ましい。また、減圧チャンバの圧力を、−2000Pa以上−10Pa以下とすることが好ましい。なお、ポリマーが、セルロースアシレートであることが好ましい。
本発明によれば、ポリマーと溶媒とを含むドープを、ダイから支持体上にビードを形成しながら流延して流延膜を形成し、且つ減圧チャンバを用いてビードの支持体面側の幅方向にわたる領域の圧力を、支持体側とは反対のビードの幅方向にわたる領域の圧力よりも低くし、更に、この流延膜を支持体から剥ぎ取りフイルムとするとき、エア供給部を設けて減圧チャンバの内部にエアを供給することにより減圧チャンバ内の気流を制御することができるので、厚みムラが低減されたフイルムを得ることが可能となる。
特に、減圧チャンバの幅方向の略中央部にエア供給部を設けて減圧チャンバの内部にエアを供給すると、支持体の走行により発生する同伴風を受けて気流ムラが生じるのを防止することができる。また、減圧チャンバの両縁側にエア供給部を設けてエアを供給することで、減圧チャンバの側面からその内部にエアが流入して気流ムラが発生するのを防止することができる。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施態様に限定されるものではない。
[原料]
本実施形態においては、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。ただし、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。また、TACの90質量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
なお、本発明に用いられるポリマーはセルロースアシレートに限定されるものではない。
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1である)を意味する。
全アシル化置換度、即ち、DS2+DS3+DS6は2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ましくは
0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていても良い。2種類以上のアシル基を用いるときは、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位及び6位の水酸基による置換度の総和をDSAとし、2位,3位及び6位の水酸基のアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DSBは0.30以上であり、特に好ましくは0.7以上である。そして、DSBはその20%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは25%以上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。さらに、セルロースアシレートの6位の置換度が0.75以上であることが好ましく、より好ましくは0.80以上であり、特に好ましくは、0.85以上であるセルロースアシレートも挙げることができる。これらのセルロースアシレートを用いることで、より溶解性に優れる溶液(ドープ)を作製することができる。特に、非塩素系有機溶媒において、粘度が低く、濾過性の良い溶液の作製が可能となる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター綿、パルプ綿のどちらから得られたものでも良いが、リンター綿から得られたものが好ましい。
本発明のセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く特に限定されない。例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどが挙げられ、さらには、それぞれが置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などが挙げられる。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどがより好ましく、特に好ましくは、プロピオニル、ブタノイルである。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明において、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散して得られるポリマー溶液、分散液を意味している。
これらの中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フイルムの機械的強度、及びフイルムの光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール、エタノール、n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない場合の溶媒組成についての検討が進んでいる。この目的を実現させるためには、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく用いられる。ただし、これらを適宜混合して用いることもある。具体的には、例えば、酢酸メチル、アセトン、エタノール、n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。なお、これらのエーテル、ケトン、エステル及びアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン、エステル及びアルコールの官能基(すなわち、−O−、−CO−、−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。
なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載は本発明にも適用することができる。また、溶媒及び可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤(UV剤)、光学異方性コントロール剤、レターデーション制御剤、染料、マット剤、剥離剤、剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号公報の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、同様に、本発明に適用することができる。
[ドープ製造方法]
上記原料を用いて、ドープを製造する。始めに、溶媒が溶媒タンクから溶解タンクに送られる。次に、ホッパに入れられているTACが、計量されながら溶解タンクに送り込まれる。さらに、添加剤溶液が、添加剤タンクから適宜適量溶解タンクに送り込まれる。なお、添加剤を送り込む方法は本形態に限定されるものではない。例えば、添加剤が常温で液体の場合には、その液体の状態で溶解タンクに送り込めばよい。また、添加剤が固体の場合には、ホッパなどを用いて溶解タンクに送り込むこともできるし、添加剤を複数種類添加する場合には、添加剤タンクの中に複数種類の添加剤を溶解させた溶液を入れておくこともできる。さらには、多数の添加剤タンクを用いてそれぞれに添加剤が溶解している溶液を入れて、それぞれ独立した配管により溶解タンクに送り込むこともでき、使用する添加剤に応じて適宜選択すればよい。
本実施形態では、溶解タンクに入れる順番が、溶媒(混合溶媒も含む)、TAC、添加剤であったが、この順番に限定されるものではない。例えば、TACを計量しながら溶解タンクに送り込んだ後に、適量の溶媒を送液することもできる。また、添加剤は必ずしも溶解タンクに予め入れる必要はなく、後の工程でTACと溶媒との混合物(以下、これらの混合物もドープと称する場合がある)に混合させることもできる。
溶解タンクには、その外面を包み込むジャケットと、モータにより回転する第1攪拌機とが備えられているが、その他にも、モータにより回転する第2攪拌機が取り付けられていることが好ましい。なお、第1攪拌機は、アンカー翼が備えられたものであることが好ましく、第2攪拌機は、ディゾルバータイプの偏芯型撹拌機であることが好ましい。また、溶解タンクは、溶解タンクとジャケットとの間に伝熱媒体を流すことによりその内部温度が調整されている。その温度範囲は−10〜55℃の範囲であることが好ましい。第1攪拌機および第2攪拌機のタイプを適宜選択して使用することにより、TACが溶媒中で膨潤した膨潤液を得ることができる。
膨潤液は、ポンプにより加熱装置に送られる。加熱装置は、ジャケット付き配管であることが好ましく、さらに、膨潤液を加圧することができる構成のものが好ましい。このような加熱装置を用いることにより、加熱条件下または加圧加熱条件下で膨潤液中の固形分を溶解させてドープを得る。以下、この方法を加熱溶解法と称する。なお、この場合に膨潤液の温度は、50〜120℃であることが好ましい。ただし、膨潤液を−100〜−30℃の温度に冷却する冷却溶解法を行うこともできる。加熱溶解法及び冷却溶解法を適宜選択して行うことでTACを溶媒に充分溶解させることが可能となる。ドープを温調機により略室温とした後に、濾過装置により濾過してドープ中に含まれる不純物を取り除く。濾過装置に使用される濾過フィルタは、その平均孔径が100μm以下であることが好ましい。また、濾過流量は、50L/時以上であることが好ましい。濾過後のドープ22は、図1に示すフイルム製造設備20の内部に配されるストックタンク21に送られ、貯留される。
ところで、上記のように、一旦膨潤液を調製した後、この膨潤液をドープとする方法は、TACの濃度を上昇させるほど要する時間が長くなり、製造コストの点で問題となる場合がある。したがって、目的とする濃度よりも低濃度のドープを調製し、その後に濃縮工程を行って、目的の濃度とすることが好ましい。このような方法を用いる際には、濾過装置で濾過されたドープをフラッシュ装置に送り、フラッシュ装置内でドープ中の溶媒の一部を蒸発させる。蒸発により発生した溶媒ガスは、凝縮器(図示しない)により凝縮されて液体となり回収装置により回収された後、再生装置によりドープ調製用の溶媒として再生されてから、再利用される。この再利用は製造コストの低減を実現することができる。
濃縮されたドープは、ポンプによりフラッシュ装置から抜き出される。このとき、ドープに発生した気泡を抜くために、泡抜き処理を行うことが好ましい。この泡抜き処理の方法としては、公知である種々の方法を適用することができ、例えば、超音波照射法が挙げられる。続いて、ドープは濾過装置に送られて、異物が除去される。なお、濾過する際のドープの温度は、0〜200℃であることが好ましい。そして、ドープ22はストックタンク21に送られ、貯留される。
以上の方法により、TAC濃度が5〜40質量%であるドープを製造することができる。より好ましくはTAC濃度が15〜30質量%であり、特に好ましくは、17〜25質量%の範囲とすることである。また、可塑剤を主とする添加剤の濃度は、ドープ中の固形分全体を100質量%とした場合に、1〜20質量%の範囲とすることが好ましい。なお、TACフイルムを得る溶液製膜法における素材、原料、添加剤の溶解方法及び添加方法、濾過方法、脱泡などのドープの製造方法については、特開2005−104148号公報の[0517]段落から[0616]段落が詳しい。これらの記載も本発明に適用できる。
[溶液製膜方法]
次に、上記で得られたドープ22を用いてフイルムを製造する方法を説明する。図1はフイルム製造設備20を示す概略図である。ただし、本発明は、図1に示す形態に限定されるものではない。フイルム製造設備20には、ストックタンク21、濾過装置30、流延ダイ31、流延ドラム32及びテンタ式乾燥機35などが備えられている。さらに耳切装置40、乾燥室41、冷却室42及び巻取室43などが配されている。
ストックタンク21には、モータ60で回転する攪拌機61が取り付けられている。そして、ストックタンク21は、ポンプ62及び濾過装置30を介して流延ダイ31と接続している。
流延ダイ31の材質としては、析出硬化型のステンレス鋼が好ましく、その熱膨張率が2×10−5(℃−1)以下であることが好ましい。なお、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316と略同等の耐腐食性を有するものや、ジクロロメタン、メタノール、水の混合液に3ヵ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有するものも流延ダイ31として用いることができる。その他にも、鋳造後1ヶ月以上経過したものを研削加工して流延ダイ31を作製することが好ましい。これにより、ドープ22を一様に流延ダイ31内に流すことができるので、流延膜にスジなどが生じるのを防止することができる。流延ダイ31の接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であることが好ましい。流延ダイ31のドープ吐出口となるスリットのクリアランスは、自動調整により0.5〜3.5mmの範囲で調整可能とされている。流延ダイ31のリップ先端の接液部の角部分について、そのRは全巾にわたり50μm以下とされている。また、流延ダイ31内部における剪断速度が1〜5000(1/秒)となるように調整されていることが好ましい。
流延ダイ31の幅は、特に限定されるものではないが、最終製品となるフイルムの幅の1.1〜2.0倍であることが好ましい。また、製膜中の温度が所定温度に保持されるように、この流延ダイ31に温調機(図示しない)を取り付けることが好ましい。そして、流延ダイ31にはコートハンガー型のものを用いることが好ましい。さらに、厚み調整ボルト(ヒートボルト)を流延ダイ31の幅方向において所定の間隔で設け、ヒートボルトによる自動厚み調整機構が流延ダイ31に備えられていることがより好ましい。ヒートボルトは予め設定されるプログラムによりポンプ(高精度ギアポンプが好ましい)62の送液量に応じてプロファイルを設定し製膜を行うことが好ましい。その他にも、フイルム製造設備20の中に、例えば、赤外線厚み計などの厚み計(図示しない)を設けて、このプロファイルに基づく調整プログラムによってフィードバック制御を行っても良い。ただし、流延エッジ部を除く製品フイルムの幅方向の任意の2点の厚み差を1μm以内に調整し、幅方向厚みの最小値と最大値との差が3μm以下となるように調整することが好ましく、2μm以下に調整することがより好ましい。このとき、厚み精度は±1.5μm以下に調整されているものを用いることが好ましい。
流延ダイ31のリップ先端には、硬化膜が形成されていることがより好ましい。硬化膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、セラミックスコーティング、ハードクロムめっき、窒化処理方法などが挙げられる。硬化膜としてセラミックスを用いる場合には、研削でき気孔率が低く脆くなく耐腐食性が良く、且つ流延ダイ31と密着性が良く、ドープ22との密着性がないものが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC)、Al、TiN、Crなどが挙げられるが、特に好ましくはWCである。なお、WCコーティングは溶射法により行うことができる。
流延ダイ31のスリット端に流出するドープが、局所的に乾燥固化することを防止するために、スリット端に溶媒供給装置(図示しない)を取り付けることが好ましい。この場合、ドープを可溶化する溶媒を流延ビードの両端部やダイスリット端部及び外気が形成する三相接触線の周辺部付近に供給することが好ましい。上記の溶媒としては、例えば、ジクロロメタンを86.5質量部、アセトンを13質量部、n−ブタノールを0.5質量部の混合溶媒が挙げられる。このとき、端部の片側それぞれに対して、0.1〜1.0ml/分で供給すると、流延膜中への異物混合を防止することができるので好ましい。なお、この液を供給するポンプは、脈動率が5%以下のものを用いることが好ましい。
流延ダイ31の下方には、流延ドラム32が設けられている。流延ドラム32は、駆動装置(図示しない)により無端で回転する。流延ドラム32に伝熱媒体循環装置63を取り付けて、その表面温度を所定の値にすることが好ましい。その表面温度は、−40〜40℃であることが好ましい。本実施形態では、内部に伝熱媒体流路(図示しない)が形成されている流延ドラム32を使用し、その流路の中に所定の温度に保持される伝熱媒体を流し込み、伝熱媒体循環装置63で循環させることにより、流延ドラム32の表面温度を所定の値に保持する。
本発明に用いられる流延ドラム32の回転ムラは、0.2mm以下となるように高精度で回転することができるものであることが好ましい。また、流延ドラム32の表面の平均粗さは、0.01μm以下であることが好ましい。そこで、流延ドラム32の表面にクロムめっき処理などを行い、十分な硬度と耐久性を持たせる。このとき、流延ドラム32の表面欠陥は、最小限に抑制する必要がある。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m以下であることが好ましい。
本実施形態では支持体として流延ドラム32を使用する形態を示したが、本発明では、支持体として、2台の回転ローラに掛け渡された流延バンドを用いることもできる。この場合、使用する回転ローラは、回転ムラが0.2mm以下となるように高精度で回転できるものであることが好ましい。また、流延ドラム32と同様に、支持体となる流延バンドの表面欠陥を最小限に抑制する必要がある。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m以下であることが好ましい。
流延ダイ31や流延ドラム32などは流延室64に収められている。流延室64には、その内部温度を所定の値に保つための温調設備65と、揮発している有機溶媒を凝縮回収するための凝縮器(コンデンサ)66とが設けられている。凝縮液化した有機溶媒を回収するための回収装置67が流延室64の外部に設けられている。また、流延ダイ31から流延ドラム32にかけて形成される流延ビードの背面部を圧力制御するための減圧チャンバ68が配されていることが好ましく、本実施形態においてもこれを使用している。なお、減圧チャンバ68は後に詳細に説明する。
渡り部80には、送風機81が備えられ、テンタ式乾燥機35の下流の耳切装置40には、切り取られたフイルム82の側端部(耳と称される)の屑を細かく切断処理するためのクラッシャ90が接続されている。
乾燥室41には、多数のローラ91が備えられており、フイルム82から蒸発して発生した溶媒ガスを吸着回収するための吸着回収装置92が取り付けられている。図1においては、乾燥室41の下流に冷却室42が設けられているが、乾燥室41と冷却室42との間に調湿室(図示しない)を設けても良い。冷却室42の下流には、フイルム82の帯電圧を所定の範囲(例えば、−3〜+3kV)となるように調整するための強制除電装置(除電バー)93が設けられている。なお、図1では、強制除電装置93を冷却室42の下流側とする例を示しているが、この設置位置に限定されるものではない。さらに、本実施形態では、フイルム82の両縁にエンボス加工でナーリングを付与するためのナーリング付与ローラ94が強制除電装置93の下流に設けられている。また、巻取室43の内部には、フイルム82を巻き取るための巻取ローラ95と、その巻き取り時のテンションを制御するためのプレスローラ96とが備えられている。
図2に示すように、流延ダイ31には、流延ビードの後方となる側面に減圧チャンバ68が取り付けられている。減圧チャンバ68の両側には吸引装置(図示しない)に接続される吸引配管が取り付けられている。この吸引配管で吸引されることで、減圧チャンバ68の内部は減圧状態とされる(図3参照)。減圧チャンバ68は、流延ダイ31の吐出口から流延ドラム32に到達するまでの間、リボン状のドープ22の流れである流延ビード69aの幅方向に対して平行に外幅シール102が設けられている。外幅シール102から少し間隔を持った内側には、外幅シール102と平行に内幅シール103が設けられている。内幅シール103の両端部には、端部内幅シール104が設けられている。外幅シール102及び内幅シール103の両側には、外サイドシール105が設けられている。外サイドシール105の内側には、耳サイドシール106、及び複数の内サイドシール107が、ブラケット及びネジにより端部内幅シール104及び内幅シール103に押し付けられた状態でそれぞれ取り付けられている。内サイドシール107は、内幅シール103に対して垂直となるように設けられている。これにより減圧チャンバ68の内部を区画化し、流延ビードの幅方向での気流ムラを低減することができる。また、減圧チャンバ68には、エア供給部110、111、112が取り付けられている。
図3は、図2のIII−III線における断面図である。減圧チャンバ68と吸引配管101とで減圧装置100が構成される。サイドシール106及び内サイドシール107は略台形状に形成されており、その前端部は流延ダイ68と略平行になっている。そして、耳サイドシール106及び内サイドシール107の上端部には、シール板108がブラケット及びネジにより密着して固定されている。耳サイドシール106の前端部にはパッキン109が設けられ、減圧ゾーンの隙間を無くす構成となっている。また、減圧チャンバ68には、その内部の圧力を測定するための圧力測定機115が接続されている。なお、図3では、図の煩雑さをなくすため、内サイドシール107の図示を省略する。
図4に示すように、減圧チャンバ68には、耳サイドシール106と内サイドシール107との間であり、減圧チャンバ68の両端側の各位置に、それぞれエア供給部110、111が取り付けられている。減圧チャンバ68の略中央である内サイドシール107同士の間にはエア供給部112が取り付けられている。各エア供給部110〜112から、減圧チャンバ68の内部の所望の位置にエアが供給される。このように、減圧チャンバには1箇所又は複数箇所のエア供給部を設けることが好ましい。本発明において、エア供給部の数や取り付け位置などは図示したものに限定されるものではない。
エアを供給するエア供給口の形状も特に限定されるものではなく、本実施形態のように円状のエア供給口を有するもの以外に、図5に示すようにスリット状のエア供給口120を有するエア供給部121も好適に用いることができる。このようなエア供給部121は、少なくとも1箇所設けることが好ましく、特に、中央部のエア供給部112として使用することが好ましい。中央部には、その幅方向に複数箇所のエア供給部を配置しても良い。形状に係らずエア供給口の向きは特に限定されるものではなく、本実施形態のように支持体の走行方向と略平行とする他、下方、上方、或いは支持体の走行方向と逆向きにしても良い。特に、エア供給口を下方、上方、或いは、支持体の走行方向と逆向きの場合には、流延ビードに対する直接的なエアの影響を低減することができるので、平面性を低下させずにドープを流延することができる。
エア供給部110〜112の先端部の位置も特に限定されるものではないが、図3に示すように、各エア供給部110〜112の先端部から流延ダイ31のリップ先端部までの距離L1(mm)が、1mm以上200mm以下とすることが好ましい。距離L1(mm)が1mm未満であると、供給されるエアが直接流延ビード69aにあたり、流延ビード69aの形状が乱れたり、直接流延ビード69aがエア供給部110〜112にあたるために製膜不良を引き起こすおそれがある。一方で、距離L1(mm)が200mmを超えると、流延ビード69a近傍の気流ムラを減ずるという本発明の効果が発現しないおそれがあるため好ましくない。複数のエア供給部を使用する場合、全てのエア供給部のL1を同じにする必要はなく、上記範囲内で適宜決定すれば良い。なお、本発明の効果は後で詳細に説明する。
次に、上記のようなフイルム製造設備20を使用してフイルム82を製造する方法の一例を説明する。
ドープ22は、攪拌機61の回転により常に均一化されている。ドープ22には、この攪拌の際にも可塑剤、紫外線吸収剤などの添加剤を混合させることもできる。ドープ22は、ポンプ62により濾過装置30に送られて濾過された後に、流延ダイ31から流延ドラム32上に流延される。このとき、流延ドラム32の速度変動を0.5%以下とし、流延ドラム32が一回転する際に生じる幅方向の蛇行は、1.5mm以下とすることが好ましい。さらに、流延ダイ31直下における流延ドラム32の回転に伴う上下方向の位置変動が200μm以下となるように調整することが好ましい。また、流延室64の温度は、温調設備65により−10〜57℃とされていることが好ましい。流延室64の内部で蒸発した溶媒は回収装置67により回収された後に、再生させてドープ調製用溶媒として再利用される。
流延ダイ31の吐出口からドープ22を流延ダイ32の上に吐出させて流延ビード69aを形成させる。流延時のドープ22の温度は、−10〜57℃であることが好ましい。また、流延ビード69aを安定させるために、この流延ビードの背面が減圧チャンバ68により所望の圧力値に制御されることが好ましい。ビード背面は、減圧チャンバ68の圧力を調整することにより、ビードの前面の圧力よりも−2000Pa以上−10Pa以下の範囲内で低くすることが好ましい。さらに、減圧チャンバ68にはジャケット(図示しない)を取り付けて、内部温度が所定の温度を保つように温度制御されることが好ましい。減圧チャンバ68の温度は特に限定されるものではないが、用いられている有機溶媒の凝縮点以上にすることが好ましい。
エア供給部110、111から減圧チャンバ68の両縁側にエアを供給し、かつエア供給部112から減圧チャンバ68の略中央にエアを供給する。これにより、減圧チャンバ68の内部の幅方向にわたる気流を制御することができるので気流ムラが低減される。そのため、流延ビード69aの形状が乱れることが無くなり、膜面が良好な流延膜69を得ることができる。また、エア供給部110、111からエアを供給することで、外サイドシールの底部からのエアの流入によるムラを防止する。エア供給部112からエアを供給することで、支持体である流延ドラム32の同伴風による気流ムラの発生を防止する。エアの供給量は特に限定されるものではないが、常温常圧(25℃、1気圧)下で、0.01m/分以上3m/分以下の範囲であることが好ましい。エアの供給量の調整は、絞り弁(図示しない)などを用いて行う。ただし、供給量が0.01m/分未満であると、大気や同伴風の流入を防止することができないおそれが生じる。一方で、3m/分を超えると、減圧チャンバ68内の減圧度を所望の範囲に調整できないおそれが生じる。
エアの風速は0.1m/s以上20m/s以下であることが好ましい。これにより、減圧チャンバ68内で生じている気流ムラを効率良く均一にする効果が得られる。ただし、0.1m/s未満であると、気流ムラを均一化することが困難であり、また、大気や同伴風の流入を防止することができないおそれが生じる。一方で、20m/sを超えると、流延ビード69aにエアがあたり、その形状を変化させてしまうおそれがある。
減圧チャンバ68の内部の圧力は、−2000Pa以上−10Pa以下とすることが好ましい。吸引配管101を使用して減圧チャンバ68の内部を大気圧よりも低くする。本発明のように減圧チャンバ68内にエアを供給することで、圧力を制御しながら気流ムラの発生を容易に防止することができる。圧力が−2000Pa未満であると、流延ビード69aの背面の圧力が低すぎるために、流延ビード69aの形状変化や流延ビード69aからの溶媒の急激な揮発などが生じるおそれがある。一方で、圧力が−10Paを超えると、流延ビード69aの形状を均一とする効果が発現し難いおそれがある。減圧チャンバ68の内部圧力は、圧力測定機115により常時測定し、その値を基に減圧チャンバ68の圧力を調整する。なお、上記の圧力は、大気圧(1気圧=1.013×10Pa)を基準とするものである。
流延膜69は、自己支持性を有するものとなった後に、湿潤フイルム74として剥取ローラ75で支持されながら流延ドラム32から剥ぎ取られる。剥ぎ取り時の残留溶媒量は、固形分基準で20〜350質量%であることが好ましい。その後に多数のローラが設けられている渡り部80を搬送させて、テンタ式乾燥機35に湿潤フイルム74を送り込む。渡り部80では、送風機81から所望の温度の乾燥風を送風することで湿潤フイルム74の乾燥を進行させる。このとき乾燥風の温度が、20〜250℃であることが好ましい。なお、渡り部80では下流側のローラの回転速度を上流側のローラの回転速度より速くすることにより湿潤フイルム74にドローテンションを付与させることも可能である。
湿潤フイルム74はテンタ式乾燥機35に送られ、その両端部がクリップで把持された後、搬送される間に乾燥が促進される。テンタ式乾燥機35の内部は区画化して、その区画毎に乾燥条件を適宜調整し、異なる乾燥温度で湿潤フイルム74を乾燥することが好ましい。テンタ式乾燥機35を用いて湿潤フイルム74を幅方向に延伸させることも可能である。このように、渡り部80及び/またはテンタ式乾燥機35で湿潤フイルム74の流延方向と幅方向との少なくとも1方向を0.5〜300%延伸することが好ましい。
湿潤フイルム74は、テンタ式乾燥機35で所定の残留溶媒量まで乾燥された後、フイルム82として下流側に送り出される。フイルム82の両側端部は、耳切装置40により切断される。切断された側端部は、カッターブロワ(図示しない)によりクラッシャ90に送られ、粉砕されてチップとなる。このチップをドープ調製用に再利用すると、コストの点において有効である。なお、このフイルム両側端部の切断工程については省略することもできるが、流延工程からフイルムを巻き取る工程までのいずれかで行うことが好ましい。
両側端部を切断除去されたフイルム82は、乾燥室41に送られ、さらに乾燥される。乾燥室41内の温度は、特に限定されるものではないが、50〜160℃の範囲であることが好ましい。乾燥室41においては、フイルム82は、ローラ91に巻き掛けられながら搬送されており、ここで蒸発して発生した溶媒ガスは、吸着回収装置92により吸着回収される。溶媒成分が除去された空気は、乾燥室41の内部に乾燥風として再度送風される。なお、乾燥室41は、乾燥温度を変えるために複数の区画に分割されていることがより好ましい。また、耳切装置40と乾燥室41との間に予備乾燥室(図示しない)を設けてフイルム82を予備乾燥すると、乾燥室41においてフイルム温度の急激な上昇を防止することができるので、フイルム82の形状変化をより抑制することができる。
フイルム82は、冷却室42で略室温まで冷却される。なお、乾燥室41と冷却室42との間に調湿室(図示しない)を設けても良く、この調湿室でフイルム82に対して、所望の湿度及び温度に調整された空気を吹き付けられることが好ましい。これにより、フイルム82のカールの発生や巻き取る際の巻き取り不良の発生を抑制することができる。
また、強制除電装置(除電バー)93により、フイルム82が搬送されている間の帯電圧が所定の範囲(例えば、−3〜+3kV)とされる。図1では冷却室42の下流側に設けられている例を図示しているがその位置に限定されるものではない。さらに、ナーリング付与ローラ94を設けて、フイルム82の両縁にエンボス加工でナーリングを付与することが好ましい。なお、ナーリングされた箇所の凹凸が、1〜200μmであることが好ましい。
最後に、フイルム82を巻取室43内の巻取ローラ95で巻き取る。この際には、プレスローラ96で所望のテンションを付与しつつ巻き取ることが好ましい。なお、テンションは巻取開始時から終了時まで徐々に変化させることがより好ましい。巻き取られるフイルム82は、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。また、フイルム82の幅が600mm以上であることが好ましく、1400〜1800mmであることがより好ましい。ただし、本発明は、1800mmより大きい場合にも効果がある。フイルム82の厚みが15〜100μmの薄いフイルムを製造する際にも本発明は適用される。
本発明の溶液製膜方法において、ドープを流延する際に、2種類以上のドープを同時積層共流延又は逐次積層共流延させることもできるし、両共流延を組み合わせても良い。同時積層共流延を行う際には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いても良いし、マルチマニホールド型流延ダイを用いても良い。共流延により多層からなるフイルムは、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとの少なくともいずれか一方が、フイルム全体の厚みの0.5〜30%であることが好ましい。さらに、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープが低粘度ドープにより包み込まれることが好ましい。また、同時積層共流延を行なう場合には、ダイスリットから支持体にかけて形成される流延ビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
流延ダイ、減圧チャンバ、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フイルム回収方法まで、特開2005−104148号公報の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用できる。
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたフイルムの性能及びそれらの測定法は、特開2005−104148号公報の[1073]段落から[1087]段落に記載されている。これらも本発明にも適用できる。
[表面処理]
完成したフイルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
完成したフイルムの少なくとも一方の面が下塗りされていても良い。
さらに、完成したフイルムをベースとして、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。前記機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選択される少なくとも1層を設けることが好ましい。
機能性層が、少なくとも一種の界面活性剤を0.1〜1000mg/m含有することが好ましい。また、機能性層が、少なくとも一種の滑り剤を0.1〜1000mg/m含有することが好ましい。さらに、前記機能性層が、少なくとも一種のマット剤を0.1〜1000mg/m含有することが好ましい。さらには、前記機能性層が、少なくとも一種の帯電防止剤を1〜1000mg/m含有することが好ましい。セルロースアシレートフイルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、上記以外にも、特開2005−104148号公報の[0890]段落から[1072]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されている。これらも本発明に適用できる。
[用途]
完成したフイルムは、特に偏光板の保護フイルムとして有用である。特開2005−104148号公報(例えば、[1088]段落から[1265]段落には、液晶表示装置として、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフイルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフイルムについての記載もある。更には適度な光学性能を付与し二軸性セルロースアシレートフイルムとして光学補償フイルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フイルムと兼用して使用することもできる。これらの記載は、本発明にも適用することができる。
本発明により得られるフイルムは、透明度が高く光学特性に優れる。特にポリマーとしてセルロースアシレート使用したTACフイルムは、上記のような偏光板保護フイルムや写真感光材料のベースとして用いることができる。さらにテレビ用途などの液晶表示装置の視野角依存性を改良するための光学補償フイルムとしても使用可能である。特に偏光板の保護膜を兼ねる用途に効果的である。なお、前記偏光板保護膜用フイルムを用いて偏光板を構成しても良い。
[実験1]
次に、本発明の実施例を説明する。フイルム製造に使用したポリマー溶液(ドープ)の調製に際しての配合を下記に示す。
[組成]
セルローストリアセテート(置換度2.84、粘度平均重合度306、含水率0.2質量%、ジクロロメタン溶液中6質量%の粘度 315mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉体) 100質量部
ジクロロメタン(第1溶媒) 320質量部
メタノール(第2溶媒) 83質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.6質量部
可塑剤B(ジフェニルフォスフェート) 3.8質量部
UV剤a:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール 0.7質量部
UV剤b:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−
クロルベンゾトリアゾール 0.3質量部
クエン酸エステル混合物(クエン酸、モノエチルエステル、ジエチルエステル、トリエチ
ルエステル混合物) 0.006質量部
微粒子(二酸化ケイ素(平均粒径15nm)、モース硬度 約7) 0.05質量部
[セルローストリアセテート]
ここで使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1質量%以下であり、Ca含有率が58ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また6位水酸基の水素に対するアセチル基の置換度は0.91であり、全アセチル基中の32.5%が6位の水酸基の水素が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8質量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。そして、得られたTACのイエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、Tg(ガラス転移温度;DSCにより測定)は160℃、結晶化発熱量は6.4J/gであった。なお、このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これを綿原料TACと称する。
図1に示すフイルム製造設備20を用いてフイルム82を製造した。まず、上記の各種原料を調製し、ステンレス製のストックタンク21内に貯蔵されたドープ22を、ギアポンプ62により濾過装置30へ送り込み濾過した後、流延ダイ31に送液した。
流延ダイ31は、幅が1.8mであり乾燥されたフイルム82の膜厚が80μmとなるように、流延ダイ31の吐出口でドープ22の流量を調整して流延を行った。また、流延ダイ31の吐出口からのドープ22の流延幅を1700mmとし、流延速度は80m/分とした。ドープ22の温度を36℃に調整するために、流延ダイ31にジャケット(図示しない)を設けてジャケット内に供給する伝熱媒体の入口温度を36℃とした。
流延ダイ31の1次側には、この部分を減圧するための減圧チャンバ68を設置した。減圧チャンバ68により圧力を低くする程度である減圧度は、流延ビードの前後で1〜5000Paの圧力差が生じるように調整され、この調整は流延速度に応じてなされる。その際に、流延ビード69aの長さが20〜50mm内の一定値となるように流延ビード69aの両面側の圧力差を設定した。そして、減圧チャンバ68は、流延部周囲のガスの凝縮温度よりも高い温度に設定できる機構を具備したものを用いた。また、ダイ吐出口におけるビードの前面部、背面部には、ラビリンスパッキン(図示しない)を設けるとともに、流延ダイ31のダイ吐出口の両端には開口部を設けた。
減圧チャンバ68には、図4に示すように3箇所にエア供給部110〜112を取り付けた。それぞれのエア供給110〜112の先端部から流延ダイ31までの距離L1は30mm、30mm、70mmとなるように配置した。また、エアの風速は、それぞれ2.0〜2.2m/分、2.0〜2.2m/分、1.5〜1.7m/分となった。この際の減圧チャンバ68内の圧力は、−515〜−510Paの範囲に保たれていた。
支持体として、SUS316製の流延ドラム32を用い、この流延ドラム32の上に流延ダイ31からドープ22を流延して流延膜69を形成させた。このとき、流延室64の温度は、温調設備65により35℃に保つとともに、出口温度を−10℃に設定した凝縮器(コンデンサ)66により流延室64内の溶媒を凝縮回収した。
流延膜69が自己支持性を有するようになった後、剥取ローラ75で支持しながら流延ドラム32から湿潤フイルム74として剥ぎ取った。そして、この湿潤フイルム74を渡り部80に送り込んでから、複数本のローラを介して搬送した後、さらに、テンタ式乾燥機35に送った。なお、渡り部80では送風機81から40℃の乾燥風を湿潤フイルム74に向けて送風するとともに、湿潤フイルム74の搬送方向に対して約30Nの張力を付与した。
テンタ式乾燥機35では、クリップでその両端を把持しながら搬送する間に、乾燥風を供給して湿潤フイルム74を乾燥させてフイルム82とした。そして、このフイルム82の両端を耳切装置40により切断した後、乾燥室41に送り込んだ。乾燥室41の内部では、アルミ製もしくは炭素鋼製であり、表面にハードクロムめっきが施された複数本のローラ91を使用し、フイルム82をローラ91に巻き掛けながら搬送する間に高温乾燥させた。
乾燥後、フイルム82を調湿室(図示しない)に搬送して調湿後、冷却室42に送り込んで冷却させた。そして、フイルム82の帯電圧が常時−3〜+3kVの範囲となるように強制除電装置(除電バー)93により調整し、さらには、フイルム82の両端にナーリング付与ローラ94でナーリングの付与を行った後、フイルム82を巻取室43に搬送して巻取ローラ95に巻き取ってフイルムロールとした。
得られたフイルム82のフイルムロールの外観を目視により確認する外観検査、および10Gの衝撃テストを行ったところ、外観検査においては、巻き緩みやシワがなく、且つロール外観に優れていることを確認した。また、衝撃テストにおいては、巻きずれが生じなかった。
上記のようにして製造したフイルム82のフイルムロールを25℃、55%RHの貯蔵ラックに1ヶ月保管後、上記と同様に検査した。その結果、いずれも有意な変化は認められなかった。さらに、ロール内においては接着も認められなかった。
なお、フイルム82製造時において、流延ドラム32上の剥げ残りを目視にて確認したところ、ドープ22から形成された流延膜69の剥げ残りは全く見られなかった。また、フイルム82を目視で観察したところ、フイルム表面は極めて平滑であり、厚みムラも無く異物も全く見られなかった。
[実験2]
実験2では、実験1の製造方法のうち、エア供給112のみを減圧チャンバ68に取り付けてフイルム82を製造した。その結果、フイルム82の表面は平滑であり、厚みムラもほとんど生じていなかった。
[実験3]
実験3では、実験1の製造方法のうち、エア供給部110、111を減圧チャンバ68に取り付けてフイルム82を製造した。その結果、フイルム82の表面は平滑であり、厚みムラもほとんど生じていなかった。
[実験4]
実験4では、実験1の製造方法のうち、スリット状のエア供給口を有するエア供給部を略中央に配し、両縁側に円状のエア供給口を有するエア供給部を配した減圧チャンバ68を用いてフイルム82を製造した。その結果、フイルム82の表面は平滑であり、厚みムラもほとんど生じていなかった。
[実験5]
本発明の比較例として実験5を行なった。ここでは、エア供給部を設けていない減圧チャンバ68を使用した以外は、全て実験1と同様にフイルム82を製造した。その結果、フイルム82の表面は平滑であったが、厚みムラが生じた。
本発明に係るフイルム製造設備の概略図である。 本発明に係るフイルムの製造装置の横断面図である。 図2のIII−III線における断面図である。 本発明に係るフイルムの製造装置の要部の概略図である。 本発明に係るエア供給部の一例の概略図である。
符号の説明
20 フイルム製造設備
31 流延ダイ
68 減圧チャンバ
69 流延膜
69a 流延ビード
82 フイルム
100 減圧装置
110、111、112 エア供給部

Claims (11)

  1. ポリマーと溶媒とを含むドープを支持体上に吐出させ膜を形成するダイと、吐出されたドープの流れであるビードの前記支持体側の幅方向にわたる領域の圧力を、前記支持体側と反対の前記ビードの幅方向にわたる領域の圧力よりも低くする減圧チャンバとを備えるフイルムの製造装置において、
    前記減圧チャンバの内部にエアを供給して、前記内部の気流を制御するエア供給部を備えることを特徴とするフイルムの製造装置。
  2. 前記エア供給部が、前記減圧チャンバの幅方向の略中央に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフイルムの製造装置。
  3. 前記エア供給部が、1箇所または複数箇所からなることを特徴とする請求項2に記載のフイルムの製造装置。
  4. 前記エア供給部が、前記減圧チャンバの両縁側に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つに記載のフイルムの製造装置。
  5. 前記エア供給部のエア供給口から前記ダイの前記ドープを吐出する先端部までの距離L1(mm)が、1mm以上200mm以下であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つに記載のフイルムの製造装置。
  6. ポリマーと溶媒とを含むドープをダイから支持体上に流延して流延膜を形成し、且つ減圧チャンバにより流延時のドープの流れであるビードの支持体面側の幅方向にわたる領域の圧力を、前記支持体側と反対の前記ビードの幅方向にわたる領域の圧力よりも低くし、前記流延膜を前記支持体から剥ぎ取りフイルムとするフイルムの製造方法において、
    前記減圧チャンバの内部にエアを供給して、前記内部の気流を制御することを特徴とするフイルムの製造方法。
  7. 前記エアの風速を0.1m/s以上20m/s以下の範囲にすることを特徴とする請求項6に記載のフイルムの製造方法。
  8. 前記エアを前記減圧チャンバの両縁側に供給することを特徴とする請求項6または7に記載のフイルムの製造方法。
  9. 前記エアを前記減圧チャンバの幅方向の略中央に供給することを特徴とする請求項6ないし8いずれか1つに記載のフイルムの製造方法。
  10. 前記減圧チャンバの圧力を、−2000Pa以上−10Pa以下の範囲にすることを特徴とする請求項6ないし9いずれか1つに記載のフイルムの製造方法。
  11. 前記ポリマーが、セルロースアシレートであることを特徴とする請求項6ないし10いずれか1つに記載のフイルムの製造方法。
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