JP6389730B2 - 処理装置及び製造システム - Google Patents

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Description

本発明は、処理装置及び製造システムに関する。
例えばリチウムイオン電池に用いられるセパレータの材料として、耐熱性が高く安全性の高い多孔性のポリイミド膜を用いることが知られている(例えば、特許文献1等参照)。このような多孔性のポリイミド膜は、例えば微粒子を含むポリアミド酸又はポリイミドの未焼成膜を帯状に形成し、この未焼成膜を焼成して焼成膜を形成し、焼成膜から微粒子を除去することで形成される。焼成膜から微粒子を除去する場合、焼成膜をフッ酸溶液等に浸してエッチングする。また、焼成膜から微粒子を除去してポリイミド膜を形成した後、多孔部の連通性を確保するため、ポリイミド膜をアルカリ溶液等に浸してエッチングする場合がある。
このような液体を用いた処理は、例えば壁部等で仕切られたチャンバー内で行われる。この場合、基板をチャンバーに搬入し、チャンバー内で基板を液体に浸して処理を行った後、基板をチャンバーから搬出する。帯状の基板に対して処理を行う場合には、スムーズな搬送を行うため、例えばチャンバーの壁部に予め開口部を形成しておき、この開口部を介して基板を搬入又は搬出する構成が考えられる。
特開2011−111470号公報
しかしながら、上記のような開口部を有するチャンバー内で液体を用いた処理を行う場合、液体が開口部から外部に漏れ出す可能性がある。上記のようなポリイミド膜を液体で処理するに限られず、他の基板を液体で処理する場合においても同様の可能性が想定される。
以上のような事情に鑑み、本発明は、処理対象物を処理する際に用いられる液体が処理部の外部に漏れ出すのを抑制し、処理環境の清浄性を維持することが可能な処理装置及び製造システムを提供することを目的とする。
本発明の態様に係るに係る処理装置は、長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により処理対象物を処理する処理部と、壁部の内部空間側に設けられ、開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、開口部の内部空間側に配置され、処理対象物に当接して処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備え、処理部は、処理対象物の搬送方向に沿って複数配置される。
本発明の態様に係るに係る処理装置は、長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により処理対象物を処理する処理部と、壁部の内部空間側に設けられ、開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、開口部の内部空間側に配置され、処理対象物に当接して処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備え、開口部は、処理対象物を処理部に搬入する入口開口部と、処理対象物を処理部から搬出する出口開口部と、を有し、入口開口部及び出口開口部のそれぞれに、カバー部及び除去ローラが設けられる。
本発明の態様に係るに係る処理装置は、長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により処理対象物を処理する処理部と、壁部の内部空間側に設けられ、開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、開口部の内部空間側に配置され、処理対象物に当接して処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備え、除去ローラは、処理対象物の搬送方向に多段に設けられる。
本発明の態様に係るに係る処理装置は、長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により処理対象物を処理する処理部と、壁部の内部空間側に設けられ、開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、開口部の内部空間側に配置され、処理対象物に当接して処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備え、処理対象物は、多孔性のイミド系樹脂膜を含む。
本発明の第1態様に係るに係る処理装置は、帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により処理対象物を処理する処理部と、壁部の内部空間側に設けられ、開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、開口部の内部空間側に配置され、処理対象物に当接して処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラとを備える。
本発明の態様に係るに係る製造システムは、多孔性のイミド系樹脂膜を製造する製造システムであって、長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により処理対象物を処理する処理部と、壁部の内部空間側に設けられ、開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、開口部の内部空間側に配置され、処理対象物に当接して処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備える処理装置を含む。
本発明の第2態様に係るに係る製造システムは、多孔性のイミド系樹脂膜を製造する製造システムであって、上記第1態様に係る処理装置を含む。
本発明の態様によれば、処理対象物を処理する際に用いられる液体が処理部の外部に漏れ出すのを抑制し、処理環境の清浄性を維持することができる。
本発明の実施の形態に係る製造システムの一例を示す図である。 本実施形態に係る製造システムの一例を示す図である。 本実施形態に係る塗布ユニットに設けられるノズルの一例を示す図である。 本実施形態に係る巻き取り部の一例を示す斜視図である。 本実施形態に係る焼成ユニットの一例を示す斜視図である。 本実施形態に係る除去ユニットの一例を示す図である。 本実施形態に係る除去ユニットの一部の例を示す図である。 本実施形態に係る巻き取り部の一例を示す斜視図である。 本実施形態に係るイミド系樹脂膜の製造過程の一例を示す図である。 変形例に係る除去ユニットの一例を示す図である。 変形例に係る除去ユニットの一例を示す図である。 変形例に係る除去ユニットの一例を示す図である。 変形例に係る巻き取り装置の一例を示す図である。 実施形態に係るセパレータの一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面に平行な一方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をY方向と表記する。また、XY平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2は、第1実施形態に係る製造システムSYSの一例を示す図である。図1及び図2に示す製造システムSYSは、多孔性樹脂膜F(多孔性のイミド系樹脂膜)を製造するものである。製造システムSYSは、所定の塗布液を塗布して未焼成膜FAを形成する塗布ユニット10と、未焼成膜FAを焼成して焼成膜FBを形成する焼成ユニット20と、焼成膜FBから微粒子を除去して多孔性樹脂膜Fを形成する除去ユニット(処理装置)30と、上記各ユニットを統括的に制御する制御装置(不図示)とを備えている。
製造システムSYSは、例えば上下2階層に構成されており、塗布ユニット10が2階部分に配置され、焼成ユニット20及び除去ユニット30が1階部分に配置される。同一階に配置される焼成ユニット20及び除去ユニット30は、例えばY方向に並んで配置されるが、これに限定するものではなく、例えばX方向又はX方向とY方向との合成方向に並んで配置されてもよい。
なお、製造システムSYSの階層構造や各階における各ユニットの配置等については上記に限定するものではなく、例えば塗布ユニット10及び焼成ユニット20が2階部分に配置され、除去ユニット30が1階部分に配置されてもよい。また、すべてのユニットが同一階に配置されてもよい。この場合、各ユニットが一列に配置されてもよいし、複数列で配置されてもよい。また、すべてのユニットが異なる階層に配置されてもよい。
製造システムSYSでは、未焼成膜FAが帯状に形成される。塗布ユニット10の+Y側(未焼成膜FAの搬送方向の前方)には、帯状の未焼成膜FAをロール状に巻き取る巻き取り部50が設けられる。焼成ユニット20の−Y側(未焼成膜FAの搬送方向の後方)には、ロール状の未焼成膜FAを焼成ユニット20へ向けて送り出す送り出し部60が設けられる。除去ユニット30の+Y側(焼成膜FBの搬送方向の前方)には、多孔性樹脂膜Fをロール状に巻き取る巻き取り部80が設けられる。
このように、送り出し部60から焼成ユニット20及び除去ユニット30を経て巻き取り部80に至るまでの区間(1階部分)では、いわゆるロール・ツー・ロール方式による処理が行われる。したがって、この区間では、未焼成膜FA、焼成膜FB及び多孔性樹脂膜Fの各膜が一続きの状態で搬送される。
[塗布液]
ここで、各ユニットを説明する前に、多孔性樹脂膜Fの原料となる塗布液について説明する。塗布液は、所定の樹脂材料と、微粒子と、溶剤とを含む。所定の樹脂材料としては、例えばポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド、又はポリアミドが挙げられる。溶剤としては、これらの樹脂材料を溶解可能な有機溶剤が用いられる。
本実施形態では、塗布液として、微粒子の含有率が異なる2種類の塗布液(第1塗布液及び第2塗布液)が用いられる。具体的には、第1塗布液は、第2塗布液よりも微粒子の含有率が高くなるように調製される。これにより、未焼成膜FA、焼成膜FB及び多孔性樹脂膜Fの強度及び柔軟性を担保することができる。また、微粒子の含有率の低い層を設けることで、多孔性樹脂膜Fの製造コストの低減を図ることができる。
例えば、第1塗布液には、樹脂材料と微粒子とが19:81〜45:65の体積比となるように含有される。また、第2塗布液には、樹脂材料と微粒子とが20:80〜50:50の体積比となるように含有される。ただし、第1塗布液の微粒子の含有率が、第2塗布液の微粒子の含有率よりも高くなるように体積比が設定される。なお、各樹脂材料の体積は、各樹脂材料の質量にその比重を乗じて求めた値が用いられる。
上記の場合において、第1塗布液の体積全体を100としたときに微粒子の体積が65以上であれば、粒子が均一に分散し、また、微粒子の体積が81以内であれば粒子同士が凝集することもなく分散する。このため、多孔性樹脂膜Fに孔を均一に形成することができる。また、微粒子の体積比率がこの範囲内であれば、未焼成膜FAを成膜する際の剥離性を確保することができる。
第2塗布液の体積全体を100としたときに微粒子の体積が50以上であれば、微粒子単体が均一に分散し、また、微粒子の体積80以内であれば微粒子同士が凝集することもなく、また、表面にひび割れ等が生じることもないため、安定して電気特性の良好な多孔性樹脂膜Fを形成することができる。
上記2種類の塗布液は、例えば微粒子を予め分散した溶剤とポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド又はポリアミドを任意の比率で混合することで調製される。また、微粒子を予め分散した溶剤中でポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド又はポリアミドを重合して調製されてもよい。例えば、微粒子を予め分散した有機溶剤中でテトラカルボン酸二無水物及びジアミンを重合してポリアミド酸とするか、更にイミド化してポリイミドとすることで製造できる。
塗布液の粘度は、最終的に300〜2500cPとすることが好ましく、400〜1500cPの範囲がより好ましく、600〜1200cPの範囲がさらに好ましい。塗布液の粘度がこの範囲内であれば、均一に成膜をすることが可能である。
上記塗布液には、微粒子とポリアミド酸又はポリイミドを乾燥して未焼成膜FAとした場合において、微粒子の材質が後述の無機材料の場合は微粒子/ポリイミドの比率が2〜6(質量比)となるように微粒子とポリアミド酸又はポリイミドとを混合するとよい。3〜5(質量比)とすることが、更に好ましい。微粒子の材質が後述の有機材料の場合は微粒子/ポリイミドの比率が1〜3.5(質量比)となるように微粒子とポリアミド酸又はポリイミドとを混合するとよい。1.2〜3(質量比)とすることが、更に好ましい。また、未焼成膜FAとした際に微粒子/ポリイミドの体積比率が1.5〜4.5となるように微粒子とポリアミド酸又はポリイミドとを混合するとよい。1.8〜3(体積比)とすることが更に好ましい。未焼成膜FAとした際に微粒子/ポリイミドの質量比又は体積比が下限値以上であれば、セパレータとして適切な密度の孔を得ることができ、上限値以下であれば、粘度の増加や膜中のひび割れ等の問題を生じることなく安定的に成膜することができる。ポリアミド酸又はポリイミドのかわりに樹脂材料がポリアミドイミド又はポリアミドとなる場合も、質量比は上記と同様である。
以下、各樹脂材料について具体的に説明する。
<ポリアミド酸>
本実施形態で用いるポリアミド酸は、任意のテトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合して得られるものが、特に限定されることなく使用できる。テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの使用量は特に限定されないが、テトラカルボン酸二無水物1モルに対して、ジアミンを0.50〜1.50モル用いるのが好ましく、0.60〜1.30モル用いるのがより好ましく、0.70〜1.20モル用いるのが特に好ましい。
テトラカルボン酸二無水物は、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されているテトラカルボン酸二無水物から適宜選択することができる。テトラカルボン酸二無水物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物であっても、脂肪族テトラカルボン酸二無水物であってもよいが、得られるポリイミド樹脂の耐熱性の点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。テトラカルボン酸二無水物は、2種以上を組合せて用いてもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の好適な具体例としては、ピロメリット酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2,6,6−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス無水フタル酸フルオレン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロへキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロへキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの中では、価格、入手容易性等から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物が好ましい。また、これらのテトラカルボン酸二無水物は単独あるいは二種以上混合して用いることもできる。
ジアミンは、従来からポリアミド酸の合成原料として使用されているジアミンから適宜選択することができる。ジアミンは、芳香族ジアミンであっても、脂肪族ジアミンであってもよいが、得られるポリイミド樹脂の耐熱性の点から、芳香族ジアミンが好ましい。これらのジアミンは、2種以上を組合せて用いてもよい。
芳香族ジアミンとしては、フェニル基が1個あるいは2〜10個程度が結合したジアミノ化合物を挙げることができる。具体的には、フェニレンジアミン及びその誘導体、ジアミノビフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノジフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノトリフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノナフタレン及びその誘導体、アミノフェニルアミノインダン及びその誘導体、ジアミノテトラフェニル化合物及びその誘導体、ジアミノヘキサフェニル化合物及びその誘導体、カルド型フルオレンジアミン誘導体である。
フェニレンジアミンはm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等であり、フェニレンジアミン誘導体としては、メチル基、エチル基等のアルキル基が結合したジアミン、例えば、2,4−ジアミノトルエン、2,4−トリフェニレンジアミン等である。
ジアミノビフェニル化合物は、2つのアミノフェニル基がフェニル基同士で結合したものである。例えば、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル等である。
ジアミノジフェニル化合物は、2つのアミノフェニル基が他の基を介してフェニル基同士で結合したものである。結合はエーテル結合、スルホニル結合、チオエーテル結合、アルキレン又はその誘導体基による結合、イミノ結合、アゾ結合、ホスフィンオキシド結合、アミド結合、ウレイレン結合等である。アルキレン結合は炭素数が1〜6程度のものであり、その誘導体基はアルキレン基の水素原子の1以上がハロゲン原子等で置換されたものである。
ジアミノジフェニル化合物の例としては、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(p−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)−2−ぺンテン、イミノジアニリン、4−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニル)ペンタン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ジアミノジフェニルアミド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
これらの中では、価格、入手容易性等から、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。
ジアミノトリフェニル化合物は、2つのアミノフェニル基と1つのフェニレン基が何れも他の基を介して結合したものであり、他の基は、ジアミノジフェニル化合物と同様のものが選ばれる。ジアミノトリフェニル化合物の例としては、1,3−ビス(m−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン等を挙げることができる。
ジアミノナフタレンの例としては、1,5−ジアミノナフタレン及び2,6−ジアミノナフタレンを挙げることができる。
アミノフェニルアミノインダンの例としては、5又は6−アミノ−1−(p−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダンを挙げることができる。
ジアミノテトラフェニル化合物の例としては、4,4’−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス[p−(p’−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[p−(p’−アミノフェノキシ)ビフェニル]プロパン、2,2’−ビス[p−(m−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン等を挙げることができる。
カルド型フルオレンジアミン誘導体は、9,9−ビスアニリンフルオレン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンは、例えば、炭素数が2〜15程度のものがよく、具体的には、ペンタメチレンジアミン、へキサメチレンジアミン、へプタメチレンジアミン等が挙げられる。
なお、これらのジアミンの水素原子がハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基等の群より選択される少なくとも1種の置換基により置換された化合物であってもよい。
本実施形態で用いられるポリアミド酸を製造する手段に特に制限はなく、例えば、有機溶剤中で酸、ジアミン成分を反応させる方法等の公知の手法を用いることができる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、通常、有機溶剤中で行われる。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応に使用される有機溶剤は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンを溶解させることができ、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンと反応しないものであれば特に限定されない。有機溶剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応に用いる有機溶剤の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプローラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア等の含窒素極性溶剤;β−プロピオラクトン、γ−ブチローラクトン、γ−バレローラクトン、δ−バレローラクトン、γ−カプローラクトン、ε−カプローラクトン等のラクトン系極性溶剤;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;乳酸エチル、乳酸ブチル等の脂肪酸エステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート等のエーテル類;クレゾール類等のフェノール系溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。有機溶剤の使用量に特に制限はないが、生成するポリアミド酸の含有量が5〜50質量%とするのが望ましい。
これらの有機溶剤の中では、生成するポリアミド酸の溶解性から、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプローラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア等の含窒素極性溶剤が好ましい。
重合温度は一般的には−10〜120℃、好ましくは5〜30℃である。重合時間は使用する原料組成により異なるが、通常は3〜24Hr(時間)である。また、このような条件下で得られるポリアミド酸の有機溶剤溶液の固有粘度は、好ましくは1000〜10万cP(センチポアズ)、より一層好ましくは5000〜7万cPの範囲である。
<ポリイミド>
本実施形態に用いるポリイミドは、塗布液に使用する有機溶剤に溶解可能な可溶性ポリイミドなら、その構造や分子量に限定されることなく、公知のものが使用できる。ポリイミドについて、側鎖にカルボキシ基等の縮合可能な官能基又は焼成時に架橋反応等を促進させる官能基を有していてもよい。
有機溶剤に可溶なポリイミドとするために、主鎖に柔軟な屈曲構造を導入するためのモノマーの使用、例えば、エチレジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂肪族ジアミン;2−メチルー1,4−フェニレンジアミン、o−トリジン、m−トリジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等の芳香族ジアミン;ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシブチレンジアミン等のポリオキシアルキレンジアミン;ポリシロキサンジアミン;2,3,3’,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4,3’,4’−オキシジフタル酸無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物等の使用が有効である。また、有機溶剤への溶解性を向上する官能基を有するモノマーの使用、例えば、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンジアミン等のフッ素化ジアミンを使用することも有効である。更に、上記ポリイミドの溶解性を向上するためのモノマーに加えて、溶解性を阻害しない範囲で、上記ポリアミド酸の欄に記したものと同じモノマーを併用することもできる。
本発明で用いられる、有機溶剤に溶解可能なポリイミドを製造する手段に特に制限はなく、例えば、ポリアミド酸を化学イミド化又は加熱イミド化させ、有機溶剤に溶解させる方法等の公知の手法を用いることができる。そのようなポリイミドとしては、脂肪族ポリイミド(全脂肪族ポリイミド)、芳香族ポリイミド等を挙げることができ、芳香族ポリイミドが好ましい。芳香族ポリイミドとしては、式(1)で示す繰り返し単位を有するポリアミド酸を熱又は化学的に閉環反応によって取得したもの、若しくは式(2)で示す繰り返し単位を有するポリイミドを溶媒に溶解したものでよい。式中Arはアリール基を示す。
Figure 0006389730
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<ポリアミドイミド>
本実施形態に用いるポリアミドイミドは、塗布液に使用する有機溶剤に溶解可能な可溶性ポリアミドイミドなら、その構造や分子量に限定されることなく、公知のものが使用できる。ポリアミドイミドについて、側鎖にカルボキシ基等の縮合可能な官能基又は焼成時に架橋反応等を促進させる官能基を有していてもよい。
本実施形態で用いるポリアミドイミドは、任意の無水トリメリット酸とジイソシアネートとを反応させて得られるものや、任意の無水トリメリット酸の反応性誘導体とジアミンとの反応により得られる前駆体ポリマーをイミド化して得られるものを特に限定されることなく使用できる。
上記任意の無水トリメッと酸又はその反応性誘導体としては、例えば、無水トリメリット酸、無水トリメリット酸クローライド等の無水トリメリット酸ハロゲン化物、無水トリメリット酸エステル等が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−ジイソシアネートジフェニルメタン、ビス[4−(4−イソシアネートフェノキシ) フェニル] スルホン、2,2′−ビス[4−(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル] プロパン等が挙げられる。
ジアミンとしては、前記ポリアミド酸の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
<ポリアミド>
ポリアミドとしては、ジカルボン酸とジアミンとから得られるポリアミドが好ましく、特に芳香族ポリアミドが好ましい。
ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びジフェン酸等が挙げられる。
ジアミンとしては、前記ポリアミド酸の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
<微粒子>
続いて、微粒子について説明する。微粒子は、例えば真球率が高く、粒径分布指数の小さいものが用いられる。このような微粒子は、液体中での分散性に優れ、互いに凝集しない状態となる。微粒子の粒径(平均直径)としては、例えば、100〜2000nm程度に設定することができる。上記のような微粒子を用いることにより、後の工程で微粒子を除去することで得られる多孔性樹脂膜Fの孔径を揃えることができる。このため、多孔性樹脂膜Fによって形成されるセパレータに印加される電界を均一化できる。
なお、微粒子の材質としては、塗布液に含まれる溶剤に不溶であって、後の工程で多孔性樹脂膜Fから除去可能な材質であれば、特に限定されることはなく公知のものを採用することができる。例えば、無機材料では、シリカ(二酸化珪素)、酸化チタン、アルミナ(Al)等の金属酸化物が挙げられる。また、有機材料では、高分子量オレフィン(ポリプロピレン,ポリエチレン等)、ポリスチレン、エポキシ樹脂、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル等の有機高分子微粒子が挙げられる。また、微粒子の一例として、(単分散)球状シリカ粒子などのコロイダルシリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。この場合、多孔性樹脂膜Fの孔径をより均一にすることができる。
また、第1塗布液に含まれる微粒子と第2塗布液に含まれる微粒子とは、真球率、粒径、材料等の諸元が同一であってもよいし、互いに異なってもよい。第1塗布液に含まれる微粒子は、第2塗布液に含まれる微粒子よりも粒径分布指数が小さいか同じであることが好ましい。あるいは、第1塗布液に含まれる微粒子は、第2塗布液に含まれる微粒子よりも真球率が小さいか同じであることが好ましい。また、第1塗布液に含まれる微粒子は、第2塗布液に含まれる微粒子よりも微粒子の粒径(平均直径)が小さいことが好ましく、特に、第1塗布液に含まれる微粒子が100〜1000nm(より好ましくは100〜600nm)であり、第2塗布液に含まれる微粒子が500〜2000nm(より好ましくは700〜2000nm)であることが好ましい。第1塗布膜に含まれる微粒子の粒径に第2塗布液に含まれる微粒子の粒径より小さいものを用いることで、多孔性樹脂膜F表面の孔の開口割合を高く均一にすることができる。また、多孔性樹脂膜F全体を第1塗布液に含まれる微粒子の粒径とした場合よりも膜の強度を高めることができる。
なお、上記塗布液は、所定の樹脂材料と、微粒子と、溶剤の他、必要に応じて、離型剤、分散剤、縮合剤、イミド化剤、界面活性剤等種々の添加剤を含んでいてもよい。
[塗布ユニット]
塗布ユニット10は、搬送部11と、第1ノズル12と、第2ノズル13と、乾燥部14と、剥離部15と、とを有する。
搬送部11は、搬送基材(基材)Sと、基材送出ローラ11aと、支持ローラ11b〜11dと、基材巻取ローラ11eと、搬出ローラ11fとを有する。
搬送基材Sは、帯状に形成されている。搬送基材Sは、基材送出ローラ11aから送り出され、テンションを有するように支持ローラ11b〜11dに架け渡されて、基材巻取ローラ11eによって巻き取られる。搬送基材Sの材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられるが、これに限定するものではなく、ステンレス鋼等の金属材料であってもよい。
各ローラ11a〜11fは、例えば円筒状に形成され、それぞれX方向に平行に配置されている。なお、各ローラ11a〜11fは、X方向に平行な配置に限られず、少なくとも1つがX方向に対して傾いて配置されてもよい。例えば、各ローラ11a〜11fがZ方向に平行に配置され、Z方向の高さ位置が同一となるように配置されてもよい。この場合、搬送基材Sは、水平面(XY平面)に対して立った状態で水平面に沿って移動することになる。
基材送出ローラ11aは、搬送基材Sが巻かれた状態で配置される。支持ローラ11bは、基材送出ローラ11aの+Z側に配置されると共に、基材送出ローラ11aよりも−Y側に配置される。また、支持ローラ11cは、支持ローラ11bの+Z側に配置されると共に、支持ローラ11bよりも+Y側に配置される。この3つのローラ(基材送出ローラ11a、支持ローラ11b、11c)の配置により、搬送基材Sは支持ローラ11bの−Y側端部を含む面で支持される。
また、支持ローラ11dは、支持ローラ11cの+Y側に配置されると共に、支持ローラ11cの−Z側に配置される。この場合、支持ローラ11b〜11dの3つのローラの配置により、搬送基材Sは、支持ローラ11cの+Z側端部を含む面で支持される。
なお、支持ローラ11dが、支持ローラ11cの高さ位置(Z方向の位置)とほぼ等しい高さ位置に配置されてもよい。この場合、搬送基材Sは、支持ローラ11cから支持ローラ11dに向けてXY平面にほぼ平行な状態で+Y方向に送られる。
基材巻取ローラ11eは、支持ローラ11dの−Z側に配置される。支持ローラ11dから基材巻取ローラ11eに向けて、搬送基材Sは、−Z方向に送られる。搬出ローラ11fは、支持ローラ11dの+Y側かつ−Z側に配置される。搬出ローラ11fは、乾燥部14で形成される未焼成膜FAを+Y方向に送る。この未焼成膜FAは、搬出ローラ11fにより、塗布ユニット10の外部に搬出される。
なお、上記のローラ11a〜11fは、円筒形に限られず、テーパー型のクラウンが形成されてもよい。この場合、ローラ11a〜11fのたわみ補正に有効であり、搬送基材S又は後述の未焼成膜FAがローラ11a〜11fに均等に接触可能となる。また、ローラ11a〜11fにラジアル型のクラウンが形成されてもよい。この場合、搬送基材S又は未焼成膜FAの蛇行防止に有効である。また、ローラ11a〜11fにコンケイブ型のクラウン(X方向の中央部が凹形に湾曲した部分)が形成されてもよい。この場合、X方向に張力を付与しつつ搬送基材S又は未焼成膜FAを搬送することが可能となるため、シワの発生防止に有効となる。以下のローラについても、上記同様にテーパー型、ラジアル型、コンケイブ型等のクラウンを有する構成であってもよい。
図3(a)は、第1ノズル12の一例を示す斜視図である。図2及び図3(a)に示すように、第1ノズル12は、搬送基材Sに第1塗布液EQ1の塗布膜(以下、第1塗布膜F1とする)を形成する。第1ノズル12は、第1塗布液EQ1を吐出する吐出口12aを有する。吐出口12aは、例えば長手方向が搬送基材SのX方向の寸法とほぼ同一となるように形成される。
第1ノズル12は、吐出位置P1に配置される。吐出位置P1は、支持ローラ11bに対して−Y方向上の位置である。第1ノズル12は、吐出口12aが+Y方向を向くように傾いて配置される。したがって、吐出口12aは、搬送基材Sのうち支持ローラ11bの−Y側端部で支持された部分に向けられる。第1ノズル12は、この搬送基材Sに対して、吐出口12aから水平方向に沿って第1塗布液EQ1を吐出する。
図3(b)は、第2ノズル13の一例を示す斜視図である。図2及び図3(b)に示すように、第2ノズル13は、搬送基材S上に第1塗布膜F1に重ねて第2塗布液EQ2の塗布膜(以下、第2塗布膜F2とする)を形成する。第2ノズル13は、第2塗布液EQ2を吐出する吐出口13aを有する。吐出口13aは、例えば長手方向が搬送基材SのX方向の寸法とほぼ同一となるように形成される。
第2ノズル13は、吐出位置P2に配置される。吐出位置P2は、支持ローラ11cに対して+Z方向上の位置である。第2ノズル13は、吐出口13aが−Z方向を向くように配置される。したがって、吐出口13aは、搬送基材Sのうち支持ローラ11cの+Z側端部で支持された部分に向けられる。第2ノズル13は、この搬送基材Sに対して、吐出口13aから重力方向に沿って第2塗布液EQ2を吐出する。
なお、第1ノズル12及び第2ノズル13は、X方向、Y方向及びZ方向のうち少なくとも一方向に移動可能であってもよい。また、第1ノズル12及び第2ノズル13は、X方向に平行な軸線の周りに回転可能に設けられてもよい。また、第1ノズル12及び第2ノズル13は、塗布液を吐出しないときには不図示の待機位置に配置され、塗布液を吐出する際に待機位置から上記の吐出位置P1、P2にそれぞれ移動するようにしてもよい。また、第1ノズル12及び第2ノズル13の予備吐出動作を行う部分が設けられてもよい。
第1ノズル12及び第2ノズル13は、それぞれ接続配管(不図示)などを介して、塗布液供給源(不図示)に接続されている。第1ノズル12及び第2ノズル13は、例えば内部に所定量の塗布液を保持する保持部(不図示)が設けられる。この場合、第1ノズル12及び第2ノズル13は、上記保持部に保持された液状体の温度を調整する温調部を有してもよい。
第1ノズル12又は第2ノズル13から塗出される各塗布液の塗出量や、第1塗布膜F1又は第2塗布膜F2の膜厚は、各ノズル、各接続配管(不図示)、若しくは塗布液供給源(不図示)に接続されるポンプ(不図示)の圧力、搬送速度、各ノズル位置又は搬送基材Sとノズルとの距離等により、調整可能である。第1塗布膜F1又は第2塗布膜F2の膜厚は、例えば、それぞれ、0.5μm〜500μmである。
本実施形態のように、2種類の塗布液(第1塗布液EQ1及び第2塗布液EQ2)を用いる場合は、第1塗布液EQ1による第1塗布膜F1の膜厚を、例えば、0.5μm〜10μmの範囲で調整し、第2塗布液EQ2による第2塗布膜F2の膜厚を、例えば、1μm〜50μmの範囲で調整することが好ましい。
なお、第1ノズル12及び第2ノズル13の間に、第1塗布膜F1を乾燥させるための乾燥部(不図示)を配置してもよい。この乾燥部は加熱乾燥部を備えていることが好ましい。加熱乾燥部としては、温風送風部や赤外線ヒータを用いることが好ましい。加熱温度は、例えば50℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃の範囲である。第1塗布膜F1を乾燥させた後に第2塗布膜F2を形成することで、例えば、第2塗布液に用いた微粒子が第1塗布膜F1の微粒子と、混在してしまうことを抑制することができる。
図2に示すように、乾燥部14は、第2ノズル13の+Y側であって、支持ローラ11cと支持ローラ11dとの間に配置されている。乾燥部14は、搬送基材S上に塗布された2層の塗布膜(第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2)を乾燥させ、未焼成膜FAを形成する。
乾燥部14は、チャンバー14aと、加熱部14bとを有する。チャンバー14aは、搬送基材S及び加熱部14bを収容する。加熱部14bは、搬送基材S上に形成される第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2を加熱する。加熱部14bとしては、例えば赤外線ヒータなどが用いられる。加熱部14bは、50℃〜100℃程度の温度で塗布膜を加熱する。
剥離部15は、未焼成膜FAが搬送基材Sから剥離される部分である。本実施形態では、作業者の手作業によって未焼成膜FAの剥離が行われるが、これに限定するものではなく、マニピュレータ等を用いて自動的に行ってもよい。搬送基材Sから剥離された未焼成膜FAは、搬出ローラ11fによって塗布ユニット10の外部に搬出され、巻き取り部50に送られる。また、未焼成膜FAが剥離された搬送基材Sは、基材巻取ローラ11eによって巻き取られる。
[巻き取り部(1)]
図4は、塗布ユニット10の+Y側の構成を概略的に示す斜視図である。
図4に示すように、塗布ユニット10の+Y側には、未焼成膜FAを搬出する搬出口10bが設けられている。搬出口10bから搬出された未焼成膜FAは、巻き取り部50によって巻き取られる。
巻き取り部50は、軸受51に軸部材SFが装着された構成となっている。軸部材SFは、搬出口10bから搬出された未焼成膜FAを巻き取ってロール体Rを形成する。軸部材SFは、軸受51に対して着脱可能に設けられる。軸部材SFは、軸受51に装着される場合、X方向に平行な軸線の周りに回転可能となるように支持される。巻き取り部50は、軸受51に装着される軸部材SFを回転させる不図示の駆動機構を有している。
なお、巻き取り部50では、未焼成膜FAのうち第1塗布膜F1側の面が外側に配置されるように未焼成膜FAを巻き取るようにする。例えば駆動機構によって軸部材SFを図1の反時計回りに回転させることにより、未焼成膜FAが巻き取られるようになっている。ロール体Rが形成された状態で軸部材SFを軸受51から取り外すことにより、ロール体Rを他のユニットに移動させることが可能となる。
なお、図2及び図4では、巻き取り部50が塗布ユニット10から独立して配置されているが、これに限定するものではない。例えば、巻き取り部50は、塗布ユニット10の内部に配置されていてもよい。この場合、塗布ユニット10に搬出口10bを配置せず、搬出ローラ11fから、(又は支持ローラ11dから)未焼成膜FAを巻き取ってロール体Rを形成してもよい。
[送り出し部]
図5は、焼成ユニット20の−Y側の構成を概略的に示す斜視図である。
図5に示すように、焼成ユニット20の−Y側には、未焼成膜FAを搬入する搬入口20aが設けられている。送り出し部60は、搬入口20aに対して未焼成膜FAを送り出す。
送り出し部60は、軸受61に軸部材SFが装着可能な構成となっている。軸部材SFは、巻き取り部50の軸受51に装着するものと共通で使用可能である。したがって、巻き取り部50から取り外した軸部材SFを送り出し部60の軸受61に装着可能である。これにより、巻き取り部50で形成されたロール体Rを送り出し部60に配置することが可能である。なお、軸受61及び巻き取り部50の軸受51については、それぞれ床面からの高さが等しくなるように設定可能であるが、異なる高さ位置に設定されてもよい。
軸部材SFは、軸受61に装着される場合、X方向に平行な軸線の周りに回転可能となるように支持される。送り出し部60は、軸受61に装着される軸部材SFを回転させる不図示の駆動機構を有している。駆動機構によって軸部材SFを図1の時計回りに回転させることにより、ロール体Rを構成する未焼成膜FAが搬入口20aへ向けて送り出されるようになっている。なお、上記の巻き取り部50において、未焼成膜FAのうち第1塗布膜F1側の面が外側に配置されるように未焼成膜FAが巻き取られるため、ロール体Rから未焼成膜FAが引き出される場合には、第1塗布膜F1側が上方に配置されることになる。
[焼成ユニット]
焼成ユニット20は、本実施形態において、未焼成膜FAに対する高温処理を行うユニットである。焼成ユニット20は、未焼成膜FAを焼成し、微粒子を含んだ焼成膜FBを形成する。焼成ユニット20は、チャンバー21と、加熱部22と、搬送部23とを有する。チャンバー21は、未焼成膜FAを搬入する搬入口20aと、焼成膜FBを搬出する搬出口20bとを有している。チャンバー21は、加熱部22及び搬送部23を収容する。
加熱部22は、チャンバー31内に搬入された未焼成膜FAを加熱する。加熱部22は、Y方向に並んで配置される複数のヒータ22aを有する。このヒータ22aとしては、例えば赤外線ヒータなどが用いられる。加熱部22は、チャンバー21の内部の−Y側端部から+Y側端部に亘って配置されている。加熱部22は、Y方向のほぼ全体で未焼成膜FAを加熱することが可能となっている。加熱部22は、例えば未焼成膜FAを120℃〜450℃程度に加熱することが可能である。加熱部22による加熱温度は、未焼成膜FAの搬送速度や未焼成膜FAの構成成分等に応じて適宜調整する。
搬送部23は、搬送ベルト23aと、駆動ローラ23bと、従動ローラ23cと、テンションローラ23d、23eとを有している。搬送ベルト23aは、無端状に形成されており、Y方向に沿って配置されている。搬送ベルト23aは、未焼成膜FAの焼成温度に耐久性を有する材料を用いて形成される。搬送ベルト23aは、テンションを有する状態で、XY平面にほぼ平行となるように、駆動ローラ23bと従動ローラ23cとの間に架け渡されている。未焼成膜FA及び焼成膜FBは、搬送ベルト23aに載置された状態で+Y方向に搬送される。
駆動ローラ23bは、チャンバー21の内部の+Y側端部に配置される。駆動ローラ23bは、例えば円筒状に形成され、X方向に平行に配置されている。駆動ローラ23bには、例えばモータ等の回転駆動装置が設けられている。駆動ローラ23bは、この回転駆動装置により、X方向に平行な軸線の周りに回転可能に設けられている。駆動ローラ23bが回転することで、搬送ベルト23aが図2の時計回りに回転するようになっている。搬送ベルト23aが回転することにより、搬送ベルト23a上に載置された未焼成膜FA及び焼成膜FBが+Y方向に搬送される。
従動ローラ23cは、チャンバー21の内部の−Y側端部に配置される。従動ローラ23cは、例えば円筒状に形成され、X方向に平行に配置されている。従動ローラ23cは、駆動ローラ23bと同一の径に形成され、Z方向の位置(高さ位置)が駆動ローラ23bとほぼ等しくなるように配置されている。従動ローラ23cは、X方向に平行な軸線の周りに回転可能に設けられている。従動ローラ23cは、搬送ベルト23aの回転に追従して回転する。
テンションローラ23dは、従動ローラ23cの+Z側に配置されている。テンションローラ23dは、X方向に平行に配置されており、X軸周りに回転可能に設けられている。テンションローラ23dは、Z方向に昇降移動可能に設けられる。テンションローラ23dは、従動ローラ23cとの間で未焼成膜FAを挟むことが可能である。テンションローラ23dは、未焼成膜FAを挟んだ状態で回転可能である。
テンションローラ23eは、駆動ローラ23bの+Z側に配置されている。テンションローラ23eは、X方向に平行に配置されており、X軸周りに回転可能に設けられている。テンションローラ23eは、Z方向に昇降移動可能に設けられる。テンションローラ23eは、駆動ローラ23bとの間で焼成膜FBを挟むことが可能である。テンションローラ23eは、焼成膜FBを挟んだ状態で回転可能である。
テンションローラ23d、23eがそれぞれ従動ローラ23c及び駆動ローラ23bとの間で未焼成膜FA及び焼成膜FBをそれぞれ挟んだ状態とすることにより、一続きの未焼成膜FA及び焼成膜FBのうち挟まれた2か所の間の部分は、外部からのテンションがカットされることになる。これにより、未焼成膜FA及び焼成膜FBに対して過剰な負荷がかかることを防止できる。テンションローラ23d、23eは、チャンバー21内に配置される未焼成膜FA及び焼成膜FBにテンションがかからないように調整可能である。
[除去ユニット(処理装置)]
除去ユニット(処理装置)30は、チャンバー31と、浸漬部(処理部)32と、洗浄部(処理部)33と、液切部34と、搬送部35と、を有する。図6(a)及び(b)は、除去ユニット30の一例を示す図である。図6(a)は除去ユニット30を−X方向に見たときの図、(b)は除去ユニット30を−Z方向に見たときの図である。なお、図6(b)では、カバー部Cの図示を省略している。図6に示すように、チャンバー31は、搬入口30a及び搬出口30bを有する。また、チャンバー31は、搬入側壁部W1と、仕切り壁部W2、W3及びW4と、搬出側壁部W5とを有している。浸漬部32、洗浄部33及び液切部34は、搬入側壁部W1、仕切り壁部W2、W3及びW4、搬出側壁部W5によって仕切られた内部空間(K1〜K4)にそれぞれ設けられている。
浸漬部32は、−Y側が搬入側壁部W1によって仕切られ、+Y側が仕切り壁部W2によって仕切られた内部空間K1に設けられている。また、洗浄部33は、後述するように、Y方向に並んで配置された第1洗浄部(処理部)33a及び第2洗浄部(処理部)33bを有する。第1洗浄部33aは、−Y側が仕切り壁部W2によって仕切られ、+Y側が仕切り壁部W3によって仕切られた内部空間K2に設けられている。第2洗浄部33bは、−Y側が仕切り壁部W3によって仕切られ、+Y側が仕切り壁部W4によって仕切られた内部空間K3に設けられている。また、液切部34は、−Y側が仕切り壁部W4によって仕切られ、+Y側が搬出側壁部W5によって仕切られた内部空間K4に設けられている。
また、搬入側壁部W1には、焼成膜FBを搬入する搬入口としての開口部OP1が形成されている。搬出側壁部W5には、多孔性樹脂膜Fを搬出する搬出口としての開口部OP5が形成されている。また、仕切り壁部W2〜W4には、それぞれ焼成膜FBを通過させるための開口部OP2〜OP4が設けられている。浸漬部32を基準とした場合、開口部OP1は焼成膜FBが搬入される入口開口部であり、開口部OP2は多孔性樹脂膜Fが搬出される出口開口部である。第1洗浄部33aを基準とした場合、開口部OP2は多孔性樹脂膜Fが搬入される入口開口部であり、開口部OP3は多孔性樹脂膜Fが搬出される出口開口部である。第2洗浄部33bを基準とした場合、開口部OP3は多孔性樹脂膜Fが搬入される入口開口部であり、開口部OP4は多孔性樹脂膜Fが搬出される出口開口部である。開口部OP1〜OP5は、後述する搬送ベルト35a及び焼成膜FB(又は多孔性樹脂膜F)を通過させる。開口部OP1〜OP5は、例えばY方向視において矩形状に形成される。
また、搬入側壁部W1、仕切り壁部W2〜W4には、それぞれカバー部Cが設けられている。カバー部Cは、上側カバー部UC1〜UC6及び下側カバー部LC1〜LC6を有する。
上部カバーUC1は、搬入側壁部W1の内部空間K1側に設けられる。上部カバーUC2は、仕切り壁部W2の内部空間K1側に設けられる。上部カバーUC3は、仕切り壁部W2の内部空間K2側に設けられる。上部カバーUC4は、仕切り壁部W3の内部空間K2側に設けられる。上部カバーUC5は、仕切り壁部W3の内部空間K3側に設けられる。上部カバーUC6は、仕切り壁部W4の内部空間K3側に設けられる。
上側カバー部UC1〜UC6は、開口部OP1〜OP4の上方を覆っている。例えば、上側カバー部UC1〜UC6は、開口部OP1〜OP4に対して上方(+Z側)に取り付けられている。上側カバー部UC1〜UC6は、開口部OP1〜OP4の上方側から下方(−Z側)に向けて折り曲げられており、X方向視においてL字状に形成されている。
下部カバーLC1は、搬入側壁部W1の内部空間K1側に設けられる。下部カバーLC2は、仕切り壁部W2の内部空間K1側に設けられる。下部カバーLC3は、仕切り壁部W2の内部空間K2側に設けられる。下部カバーLC4は、仕切り壁部W3の内部空間K2側に設けられる。下部カバーLC5は、仕切り壁部W3の内部空間K3側に設けられる。下部カバーLC6は、仕切り壁部W4の内部空間K3側に設けられる。
下側カバー部LC1〜LC6は、開口部OP1〜OP4の下方を覆っている。例えば、下側カバー部LC1〜LC6は、それぞれ開口部OP1〜OP4の下方に取り付けられている。下側カバー部LC1〜LC6は、開口部OP1〜OP4の下方側から上方(+Z側)に向けて折り曲げられており、X方向視においてL字状に形成されている。
搬入側壁部W1、仕切り壁部W2〜W4のうち開口部OP1〜OP4の近傍には、これら上側カバー部UC1〜UC6と下側カバー部LC1〜LC6とで覆われた空間が形成される。搬入側壁部W1の+Y側に形成される空間には、吸水ローラR1が配置される。仕切り壁部W2の−Y側に形成される空間には、吸水ローラR2が配置される。仕切り壁部W2の+Y側に形成される空間には、吸水ローラR3が配置される。仕切り壁部W3の−Y側に形成される空間には、吸水ローラR4が配置される。仕切り壁部W3の+Y側に形成される空間には、吸水ローラR5が配置される。仕切り壁部W4の−Y側に形成される空間には、吸水ローラR6が配置される。
各吸水ローラ(除去ローラ)R1〜R6は、焼成膜FB(又は多孔性樹脂膜F)の搬送経路の−Z側及び+Z側に1つずつ配置される。例えば、吸水ローラR1〜R6は、焼成膜FB又は多孔性樹脂膜Fを上下方向(Z方向)に挟むように一対設けられる。なお、上下の吸水ローラR1〜R6がY方向にずれて配置されてもよい。また、上下の吸水ローラR1〜R6の少なくとも一方がY方向に移動可能に設けられてもよい。搬送経路の−Z側に配置される吸水ローラR1〜R6は、後述の搬送ベルト35aに接するように配置される。また、搬送経路の+Z側に配置される吸水ローラR1〜R6は、焼成膜FB(又は多孔性樹脂膜F)に接するように配置される。
吸水ローラR1〜R6は、搬送ベルト35a及び焼成膜FB(又は多孔性樹脂膜F)に接触させることにより、これら搬送ベルト35a及び焼成膜FB(又は多孔性樹脂膜F)を搬送しつつ、それぞれに付着している液体を吸収可能である。吸水ローラR1〜R6は、例えば吸収した液体を軸方向(X方向)に流通させ、軸方向の端部から排出するように形成される。なお、吸水ローラR1〜R6に代えて、搬送ベルト35a及び焼成膜FB(又は多孔性樹脂膜F)に対してガスを噴射して液体を除去するガス噴射部が設けられてもよい。
図7(a)及び(b)は、仕切り壁部W2の近傍を拡大して示す図である。以下、図7を参照して上側カバー部UC2、UC3、下側カバー部LC2、LC3、吸水ローラR2、R3の構成を代表して説明するが、他の下側カバー部UC1、UC4〜UC6、他の下側カバー部LC1、LC4〜LC6、他の吸水ローラR1、R4〜R6についても同様の説明が可能である。
図7(a)に示すように、上側カバー部UC2、UC3の先端部(端部)UCa及び下側カバー部LC2、LC3の先端部(端部)LCaは、それぞれ吸水ローラR2、R3に近接して配置される。これにより、先端部UCa、LCaと吸水ローラR2、R3とで開口部OP2の近傍が覆われるため、内部空間K1、K2の液体が開口部OP2に到達するのをより効果的に防ぐことができる。なお、先端部UCa、LCaは、多孔性樹脂膜F(又は焼成膜FB)の近傍に配置されてもよい。
吸水ローラR2、R3は、吸収部Ra及び液体排出部Rbを有している。吸収部Raは、例えばスポンジなどの多孔性材料を用いて形成される。吸収部Raは、各処理部において用いられる液体を吸収する。例えば吸水ローラR2に設けられる吸収部Raは、エッチング液Q1を吸収する。また、吸水ローラR3に設けられる吸収部Raは、洗浄液Q2を吸収する。
液体排出部Rbは、吸収部Raによって吸収された液体を排出する。液体排出部Rbは、円筒状に形成され、長手方向の端部が解放されている。液体排出部Rbは、周面に貫通穴(不図示)が形成されている。この貫通穴により、液体排出部Rbの内部と吸収部Raとが連通された状態となっている。吸水ローラR2、R3では、吸収部Raで吸収された液体が貫通穴から液体排出部Rbの内部に流れ込み、液体排出部Rbの端部から排出されるようになっている。
また、図7(b)に示すように、吸水ローラR2、R3は、それぞれローラ保持部HDによって保持されている。ローラ保持部HDは、例えば板状に形成され、仕切り壁部W2に固定されている。ローラ保持部HDは、吸水ローラR2、R3の液体排出部Rbを収容可能な収容部HDaを有している。ローラ保持部HDは、吸水ローラR2、R3をX方向に挟むように一対配置されている。吸水ローラR2、R3は、液体排出部Rbが収容部HDaに収容された状態で配置される。このとき、重力方向の上方(+Z側)の吸水ローラR2、R3は、重力方向の下方(−Z側)の吸水ローラR2、R3を自重で押圧した状態で配置される。これにより、吸水ローラR2、R3の液体排出部Rbを順に収容部HDaに収容させることで吸水ローラR2、R3の装着が完了するため、容易に組み立てを行うことができる。なお、上側の吸水ローラR2を下方に押さえつける押圧機構が取り付けられた構成であってもよい。
また、図6に示すように、搬送部35は、浸漬部32、洗浄部33及び液切部34に亘る搬送領域TRにおいて、焼成膜FBを+Y方向に搬送する。搬送部35は、搬送ベルト(搬送部材)35aと、駆動ローラ35bと、従動ローラ35c〜35fとを有する。駆動ローラ35b及び従動ローラ35c〜35fの他に、浸漬部32、洗浄部33、液切部34の内部に、搬送ベルト35aを支持する支持ローラが配置されてもよい。
搬送ベルト35aは、焼成膜FB(又はエッチング後の多孔性樹脂膜F)を+Y方向に搬送する。搬送ベルト35aは、帯状に形成され、搬送方向に沿ったY方向に長手となるように配置される。搬送ベルト35aは、環状に形成されており、Y方向に沿って配置されている。搬送ベルト35aは、例えばアラミドなど、後述のエッチング液(Q1)に耐久性を有する材料を用いて形成される。なお、搬送ベルト35aの表面がフッ素樹脂などによってコーティングされていてもよい。これにより、エッチング液に対する耐久性がより向上することになる。搬送ベルト35aは、例えば全面が網状に形成されており、エッチング液が搬送ベルト35aを通過可能となっている。搬送ベルト35aは、XY平面にほぼ平行となるように、テンションを有する状態で駆動ローラ35bと従動ローラ35cとの間に架け渡されている。多孔性樹脂膜Fは、搬送ベルト35aに載置されて搬送される。また、図6(b)に示すように、搬送ベルト35aのうち移動方向に交差する方向(X方向)の両端辺には、移動方向(Y方向)に連続する帯部35gが形成される。帯部35gが設けられることにより、搬送ベルト35aの強度を高めることができ焼成膜FB(又は多孔性樹脂膜F)の位置ずれを防ぐことができる。
駆動ローラ35bは、チャンバー31の内部の+Y側端部に配置される。駆動ローラ35bは、例えば円筒状に形成され、X方向に平行に配置されている。駆動ローラ35bには、例えばベルト35mが掛けられている。ベルト35mは、無端状に形成され、駆動ローラ35bとベルト回転ローラ35nとの間に架け渡されている。ベルト回転ローラ35nには、不図示のモータが接続されている。ベルト回転ローラ35nでベルト35mを回転させることにより、駆動ローラ35bがX方向に平行な軸線の周りに回転可能となっている。
駆動ローラ35bが回転することで、搬送ベルト35aが図6の時計回りに回転し、焼成膜FBの搬送領域TRに対して循環して供給されるようになっている。また、この搬送ベルト35aが搬送領域TRに対して循環して供給されることにより、搬送ベルト35a上に載置された焼成膜FBが搬送領域TRにおいて+Y方向に搬送されるようになっている。
従動ローラ35cは、チャンバー31の内部の−Y側端部に配置される。従動ローラ35d〜35fは、それぞれ従動ローラ35c及び駆動ローラ35bの−Z側に配置される。従動ローラ35c〜35fは、例えば円筒状に形成され、X方向に平行に配置されている。従動ローラ35cは、駆動ローラ35bと同一の径に形成され、Z方向の位置(高さ位置)が駆動ローラ35bとほぼ等しくなるように配置されている。従動ローラ35c〜35fは、X方向に平行な軸線の周りに回転可能に設けられている。従動ローラ35c〜35fは、搬送ベルト35aの回転に追従して回転する。
また、従動ローラ35d〜35fは、搬送ベルト35aのテンションを調整するものであり、例えば互いに同一の径に形成されている。従動ローラ35fは、不図示の駆動機構によって、Z方向に移動可能(昇降可能)に設けられている。従動ローラ35fが昇降することにより、搬送ベルト35aのテンションを調整可能となっている。このように、従動ローラ35fは、搬送ベルト35aのテンションを調整するテンション調整部として用いられる。
浸漬部32は、焼成膜FBに対してエッチングを行い、焼成膜FBに含まれる微粒子を除去して、多孔性樹脂膜Fを形成する。浸漬部32では、微粒子を溶解又は分解可能なエッチング液に焼成膜FBを浸すことで微粒子を除去する。浸漬部32は、床部32aと、壁部32bと、上側ノズル32cと、下側ノズル32dと、ローラ32eとを有する。なお、浸漬部32は、内部を排気する排気部(不図示)などを有してもよい。
床部32aは、XY平面に沿って形成され、Z方向視で矩形に形成されている。床部32aは、Y方向が長手方向となるように形成され、搬送領域TRに沿って配置されている。床部32aの材料については、エッチング液Q1の種類または濃度に応じて、耐久性を有する材料を適宜選択すればよく、例えば、塩化ビニル等が用いられる。なお、図6では、床部32aが板状に形成された構成が示されているが、これに限定するものではなく、中空部が形成された構成であってもよい。
床部32aは、上面(+Z側の面)で搬送ベルト35aを支持する。床部32aには、複数の孔部(不図示)が形成されている。孔部は、床部32aをZ方向に貫通して形成されている。孔部は、後述の下側ノズル32dから吐出されるエッチング液を通過させる。床部32aは、後述の上側ノズル32cから吐出されるエッチング液と、後述の下側ノズル32dから吐出され孔部を通過したエッチング液とを支持する。
壁部32bは、床部32aのX方向の両側部に配置されており、Y方向に沿って形成されている。壁部32bは、床部32aで支持されたエッチング液を後述のローラ32eと共に保持する。各壁部32bの上面には、複数の切り欠き部32gが形成されている。複数の切り欠き部32gは、Y方向に並んで配置されている。各切り欠き部32gは、Z方向に互いに等しい深さで形成されている。切り欠き部32gは、壁部32bによって保持されたエッチング液を排出可能である。また、切り欠き部32gは、後述のローラ32eを支持する軸受として用いられる。
上側ノズル32cは、床部32aの+Z側に配置される。上側ノズル32cは、例えば、Y方向に複数並んで配置されている。各上側ノズル32cは、X方向に複数の吐出口(不図示)を有する。各吐出口は、−Z側に向けられている。各吐出口からは、スプレー状のエッチング液Q1が−Z方向に吐出されるようになっている。上側ノズル32cは、床部32aの上方から下方へ向けてエッチング液Q1を吐出する。各上側ノズル32cには、エッチング液Q1の供給源(不図示)が接続されている。
下側ノズル32dは、床部32aの−Z側に配置される。下側ノズル32dは、例えば、Y方向に複数並んで配置されている。各下側ノズル32dは、X方向に複数の吐出口(不図示)を有する。各吐出口からは、スプレー状のエッチング液Q1が+Z方向に吐出されるようになっている。下側ノズル32dは、床部32aの下方から上方へ向けてエッチング液Q1を吐出する。各下側ノズル32dには、エッチング液Q1の供給源(不図示)が接続されている。なお、上側ノズル32c及び下側ノズル32dの配置については、図6に示す配置に限定するものではない。例えば、上側ノズル32c及び下側ノズル32dのうち、一方が設けられなくてもよい。上側ノズル32c及び下側ノズル32dの単位時間当たりの吐出量は、全て同一に設定してもよいし、ノズル毎に異なるように設定してもよい。
ローラ32eは、例えば浸漬部32の+Y側端部及び−Y側端部にそれぞれ1つずつ配置されている。ローラ32eのX方向の両端部からは、軸部32kが突出して設けられている。軸部32kのX方向の両端部は、上記の壁部32bに形成された切り欠き部32gに装着され、回転可能に支持される。ローラ32eは、搬送ベルト35aとの間で焼成膜FBを挟持可能である。なお、ローラ32eは、搬送ベルト35aの回転に伴って回転可能である。
また、浸漬部32には、エッチング液Q1の廃液を排出する排出口32lが設けられている。排出口32lは、下側ノズル32dの−Z側に配置されている。排出口32lは、回収部36に接続されている。回収部36は、排出口32lの−Z側に配置される。回収部36は、排出口32lから排出されたエッチング液Q1を回収する。
回収部36は、循環部37に接続されている。循環部37は、回収部36で回収されたエッチング液Q1を浸漬部32に供給する。循環部37は、上記の回収部36と、エッチング液Q1の供給管32mとを接続している。なお、供給管32mは、上側ノズル32c及び下側ノズル32dに接続される配管である。供給管32mは、上側ノズル32c及び下側ノズル32dに供給されるエッチング液Q1を流通させる。
浸漬部32では、2つのローラ32eを−Z方向へ移動(下降)させることで、この2つのローラ32eと床部32aとの間で焼成膜FB及び搬送ベルト35aを挟むことが可能となっている。焼成膜FB及び搬送ベルト35aが2つのローラ32eと床部32aとの間で挟まれた状態において、上側ノズル32cからエッチング液Q1を吐出すると、エッチング液Q1は、Y方向について2つのローラ32eで挟まれ、かつX方向について2つの壁部32bで挟まれる区間に溜まりやすくなる。上側ノズル32cから継続してエッチング液Q1を吐出することにより、この区間にはエッチング液Q1が貯留する貯留部が形成される。なお、エッチング液Q1の上面が壁部32bの切り欠き部32gに到達した場合、この切り欠き部32gを介してエッチング液Q1が外部に排出される。
また、下側ノズル32dから噴出されたエッチング液Q1は、床部32aに形成された孔部32fを通過し、床部32aの上面で支持される。床部32aの上面で支持されるエッチング液Q1は、搬送ベルト35aのメッシュを通過して焼成膜FBの−Z側の面に到達する。したがって、浸漬部32では、焼成膜FBの+Z側の面及び−Z側の面の両面にエッチング液Q1を浸すことができるようになっている。
なお、搬入側壁部W1及び仕切り壁部W2には、上記のように、それぞれ上側カバー部UC1、UC2及び下側カバー部LC1、LC2が設けられる。この上側カバー部UC1、UC2及び下側カバー部LC1、LC2は、エッチング液Q1が開口部OP1、OP2から浸漬部32の外部に漏れ出すのを防いでいる。
また、上側カバー部UC1、UC2及び下側カバー部LC1、LC2によって形成される空間には、吸水ローラR1、R2が配置される。この吸水ローラR1、R2は、焼成膜FB及び搬送ベルト35aに付着したエッチング液Q1を吸収する。この構成により、エッチング液Q1が浸漬部32の外部に流出するのを防ぐことができる。
また、上記のように、上側カバー部UC1、UC2と、下側カバー部LC1、LC2と、吸水ローラR1、R2とが、入口開口部である開口部OP1側と出口開口部である開口部OP2側とのそれぞれに配置されることにより、確実にエッチング液Q1が浸漬部32の外部に流出するのを防ぐことができる。
続いて、洗浄部33は、浸漬部32で焼成膜FBがエッチングされて形成された多孔性樹脂膜Fを洗浄する。洗浄部33は、浸漬部32の+Y側(多孔性樹脂膜Fの搬送方向の前方)に配置される。本実施形態では、洗浄部33は、搬送ベルト35aの搬送方向であるY方向に沿って配置された2つの洗浄部(第1洗浄部33a及び第2洗浄部33b)を有している。このように、本実施形態では、焼成膜FB又は多孔性樹脂膜Fに対して液体を用いて処理を行う処理部(浸漬部32、第1洗浄部33a及び第2洗浄部33b)が、焼成膜FB又は多孔性樹脂膜Fの搬送方向(+Y方向)に沿って複数配置されている。
第1洗浄部33a及び第2洗浄部33bには、それぞれ、上側洗浄液ノズル33cと、下側洗浄液ノズル33dとが設けられている。上側洗浄液ノズル33c及び下側洗浄液ノズル33dは、多孔性樹脂膜F及び搬送ベルト35aに向けて洗浄液を吐出する。上側洗浄液ノズル33cは、搬送ベルト35aの+Z側に配置される。上側洗浄液ノズル33cは、Y方向に複数並んで配置されている。各上側洗浄液ノズル33cは、X方向に並んで配置された複数の吐出口(不図示)を有する。各吐出口は、−Z側に向けられている。各吐出口からは、スプレー状の洗浄液Q2が−Z方向に吐出されるようになっている。上側洗浄液ノズル33cは、搬送ベルト35aの上方から下方へ向けて洗浄液Q2を吐出する。各上側洗浄液ノズル33cには、洗浄液Q2の供給源(不図示)が接続されている。
下側洗浄液ノズル33dは、搬送ベルト35aの−Z側に配置される。下側洗浄液ノズル33dは、Y方向に複数並んで配置されている。各下側洗浄液ノズル33dは、X方向に複数の吐出口(不図示)を有する。各吐出口は、+Z側に向けられている。各吐出口からは、スプレー状の洗浄液Q2が+Z方向に吐出されるようになっている。下側洗浄液ノズル33dは、搬送ベルト35aの下方から上方へ向けて洗浄液Q2を吐出する。各下側洗浄液ノズル33dには、洗浄液Q2の供給源(不図示)が接続されている。
なお、上側洗浄液ノズル33c及び下側洗浄液ノズル33dの配置については、図6に示す配置に限定するものではない。図6では、上側洗浄液ノズル33c及び下側洗浄液ノズル33dの数について、第1洗浄部33aの方が第2洗浄部33bよりも多く配置されているが、これに限定するものではない。例えば、上側洗浄液ノズル33c及び下側洗浄液ノズル33dの数について、第1洗浄部33aと第2洗浄部33bとで同一であってもよいし、第2洗浄部33bの方が第2洗浄部33bよりも多くてもよい。また、例えば、上側洗浄液ノズル33c及び下側洗浄液ノズル33dのうち、一方が設けられなくてもよい。
仕切り壁部W2、W3の内部空間K2側には、それぞれ上側カバー部UC3、UC4と、下側カバー部LC3、LC4と、が設けられる。これらの上側カバー部UC3、UC4及び下側カバー部LC3、LC4は、洗浄液Q2が開口部OP2、OP3から第1洗浄部33aの外部に漏れ出すのを防いでいる。
また、上側カバー部UC3、UC4及び下側カバー部LC3、LC4によって形成される空間には、吸水ローラR3、R4が配置される。この吸水ローラR3、R4は、多孔性樹脂膜F及び搬送ベルト35aに付着した洗浄液Q2を吸収する。この構成により、洗浄液Q2が第1洗浄部33aの外部に流出するのをより確実に防ぐことができる。
同様に、仕切り壁部W3、W4の内部空間K3側には、それぞれ上側カバー部UC5、UC6及び下側カバー部LC5、LC6が設けられる。これらの上側カバー部UC5、UC6及び下側カバー部LC5、LC6は、洗浄液Q2が開口部OP3、OP4から第2洗浄部33bの外部に漏れ出すのを防いでいる。
また、上側カバー部UC5、UC6及び下側カバー部LC5、LC6によって形成される空間には、吸水ローラR5、R6が配置される。この吸水ローラR5、R6は、多孔性樹脂膜F及び搬送ベルト35aに付着した洗浄液Q2を吸収する。この構成により、洗浄液Q2が第2洗浄部33bの外部に流出するのをより確実に防ぐことができる。
液切部34は、洗浄後の多孔性樹脂膜Fに付着した液体(エッチング液、洗浄液など)を除去する。液切部34において予備乾燥等を行ってもよい。液切部34は、洗浄部33の+Y側(多孔性樹脂膜Fの搬送方向の前方)に配置される。液切部34には、案内ローラ34aが設けられる。案内ローラ34aは、洗浄後の多孔性樹脂膜Fを搬送ベルト35aから分離させて駆動ローラ35bに案内する。
液切部34には、吸水ローラR7及びR8が設けられている。吸水ローラR7は、吸水ローラを多孔性樹脂膜Fに接触させることにより、多孔性樹脂膜Fを搬送しつつ、多孔性樹脂膜Fに付着している液体を吸収可能である。また、吸水ローラR8は、案内ローラ34aによって分離されて案内される搬送ベルト35aに接触させることにより、搬送ベルト35aに付着している液体を吸収可能である。吸水ローラR7及びR8は、例えば吸収した液体を軸方向に流通させ、端部から排出するように形成される。吸水ローラR7、R8の搬送方向に対する配置は液切部34から搬出される手前であれば特に制限されない。また、分離させた多孔性樹脂膜F及び搬送ベルト35aをそれぞれ加熱して乾燥する加熱部が設けられた構成であってもよい。また、液切部34には、カバー部C(上側カバー部及び下側カバー部)が設けられていない。したがって、仕切り壁部W4には、内部空間K3側(第2洗浄部33b側)にのみカバー部C(上側カバー部UC6及び下側カバー部LC6)が設けられている。このように、1つ仕切り壁部を挟んで隣り合う処理部のうち一方が液体を用いない場合には、仕切り壁部のうち液体を用いた処理を行う処理部側にのみカバー部Cが設けられればよい。
[巻き取り部(2)]
図8は、除去ユニット30の+Y側の構成を概略的に示す斜視図である。
図8に示すように、除去ユニット30の+Y側には、多孔性樹脂膜Fを搬出する搬出口30bが設けられている。搬出口30bから搬出された多孔性樹脂膜Fは、巻き取り部80によって巻き取られる。
巻き取り部80は、軸受81に軸部材SFが装着された構成となっている。軸部材SFは、搬出口30bから搬出された多孔性樹脂膜Fを巻き取ってロール体RFを形成する。軸部材SFは、軸受81に対して着脱可能に設けられる。軸部材SFは、軸受81に装着される場合、X方向に平行な軸線の周りに回転可能となるように支持される。巻き取り部80は、軸受81に装着される軸部材SFを回転させる不図示の駆動機構を有する。駆動機構によって軸部材SFを回転させることにより、多孔性樹脂膜Fが巻き取られるようになっている。ロール体RFが形成された状態で軸部材SFを軸受81から取り外すことにより、ロール体RFを回収することが可能となる。
[製造方法]
次に、上記のように構成された製造システムSYSを用いて多孔性樹脂膜Fを製造する動作の一例を説明する。図9(a)〜(f)は、多孔性樹脂膜Fの製造過程の一例を示す図である。
まず、塗布ユニット10において、未焼成膜FAを形成する。塗布ユニット10では、基材送出ローラ11aを回転させて搬送基材Sを送り出し、搬送基材Sを支持ローラ11b〜11dに掛けた後、基材巻取ローラ11eで巻き取らせる。その後、基材送出ローラ11aから搬送基材Sを順次送り出すと共に、基材巻取ローラ11eで巻き取りを行う。
この状態で、第1ノズル12を吐出位置P1に配置させ、吐出口12aを+Y方向に向ける。これにより、搬送基材Sのうち支持ローラ11bによって支持される部分に吐出口12aが向けられる。その後、吐出口12aから第1塗布液EQ1を吐出させる。第1塗布液EQ1は、吐出口12aから+Y方向に向けて吐出され、搬送基材Sに到達した後、搬送基材Sの移動に伴って搬送基材S上に塗布される。これにより、図9(a)に示すように、搬送基材S上に第1塗布液EQ1による第1塗布膜F1が形成される。
続いて、第2ノズル12を吐出位置P2に配置させ、吐出口13aを−Z方向に向ける。これにより、搬送基材Sのうち支持ローラ11cによって支持される部分に吐出口13aが向けられる。その後、吐出口13aから第2塗布液EQ2を吐出させる。第2塗布液EQ2は、吐出口13aから−Z方向に向けて吐出され、搬送基材Sに形成された第1塗布膜F1上に到達した後、搬送基材Sの移動に伴って第1塗布膜F1上に塗布される。これにより、図9(b)に示すように、第1塗布膜F1上に第2塗布液による第2塗布膜F2が形成される。なお、第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2には、樹脂材料A1に微粒子A2が互いに異なる体積比で含まれる。なお、微粒子の含有率は、第1塗布膜F1の方が第2塗布膜F2よりも大きく設定される。
なお、搬送基材Sのうち支持ローラ11b、11cによって支持される部分に吐出口12a、13aを向けた状態で第1塗布液EQ1及び第2塗布液EQ2が塗布されるため、第1塗布液EQ1及び第2塗布液EQ2が搬送基材Sに到達するときに搬送基材Sに作用する力が支持ローラ11b、11cによって受けられる。このため、搬送基材Sの撓みや振動等の発生が抑制され、搬送基材S上に均一な厚さで安定して第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2が形成される。
続いて、搬送基材Sが移動し、第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2の積層部分が乾燥部14のチャンバー14a内に搬入された場合、乾燥部14において第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2の乾燥を行う。乾燥部14では、加熱部14bを用いて、例えば50℃〜100℃程度の温度で第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2を加熱する。この温度範囲であれば、搬送基材Sに歪みや変形等が発生することなく、第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2を加熱できる。第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2の積層体を乾燥することにより、図9(c)に示すように、未焼成膜FAが形成される。
なお、本明細書において、積層体とは前記第1塗布膜F1及び前記第2塗布膜F2からなる未焼成膜をいう。本発明に係る多孔性のイミド系樹脂膜を形成する際、第1の液体及び第2の液体において、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド又はポリアミドのうち、それぞれ同種の樹脂を使用した場合、形成された前記第1塗布膜F1及び前記第2塗布膜F2からなる未焼成膜(または多孔性のイミド系樹脂膜)は、実質1層となるが、微粒子の含有率が異なる未焼成膜(または空孔率の異なる領域を有する多孔性のイミド系樹脂膜)が形成されるため、第1の液体及び第2の液体に同種の樹脂を使用した場合も含め、本明細書においては、積層体という。
続いて、搬送基材Sが移動し、未焼成膜FAの先端部分が支持ローラ11d(剥離部15)に到達した場合には、例えば作業者の手作業により、この先端部分を搬送基材Sから剥離する。本実施形態では、搬送基材Sの材料として例えばPETが用いられているため、第1塗布膜F1及び第2塗布膜F2を乾燥させて未焼成膜FAを形成した場合、搬送基材Sから剥がれやすくなるため、作業者は容易に剥離を行うことができる。
未焼成膜FAの先端部分を剥離した後、引き続き搬送基材Sが移動し、第1ノズル12によって第1塗布膜F1が形成される。また、引き続き第2ノズル13によって第2塗布膜F2が形成され、乾燥部14によって未焼成膜FAが形成される。これにより、未焼成膜FAが帯状に形成され、乾燥部14から+Y側に搬出される未焼成膜FAの長さが徐々に長くなる。作業者は、剥離部15において未焼成膜FAを剥離し続ける。そして、剥離された未焼成膜FAの先端が巻き取り部50の軸部材SFに到達する長さになった場合、作業者は手作業によって未焼成膜FAを搬出ローラ11fに掛けると共に、未焼成膜FAの先端部分を軸部材SFに取り付ける。その後、未焼成膜FAが順次形成され、剥離されていくのに応じて、巻き取り部50で軸部材SFを回転させる。これにより、剥離された未焼成膜FAが順次塗布ユニット10から搬出され、巻き取り部50の軸部材SFによって巻き取られてロール体Rが形成される。ロール体Rを構成する未焼成膜FAは、図9(d)に示すように、搬送基材Sから剥離された状態となり、表面及び裏面が共に露出する。
なお、未焼成膜FAの先端部分を剥離する作業、及び剥離した先端部分を軸部材SFに装着する作業等については、作業者が手作業で行う態様に限られず、例えばマニピュレータ等を用いて自動で行ってもよい。また、未焼成膜FAの剥離性を高めるため、搬送基材Sの表面に離型層を形成しておいてもよい。
所定の長さの未焼成膜FAが軸部材SFに巻き取られた後、未焼成膜FAをカットすると共に、軸部材SFをロール体Rごと軸受51から取り外す。そして、新たな軸部材SFを巻き取り部50の軸受51に装着し、未焼成膜FAの切り取り端部をこの軸部材SFに取り付けて回転させ、未焼成膜FAを引き続き形成することにより、新たなロール体Rを作成可能である。
一方、例えば作業者は、軸受51からロール体Rごと取り外した軸部材SFを送り出し部60に搬送し、軸受61に装着する。この軸部材SFの搬送動作及び装着動作は、マニピュレータや搬送装置等を用いて自動で行ってもよい。軸部材SFを軸受61に装着した後、軸部材SFを回転させることでロール体Rから未焼成膜FAが順次引き出され、未焼成膜FAが焼成ユニット20のチャンバー21内に搬入される。なお、未焼成膜FAの先端をチャンバー21に搬入する場合には、作業者が手作業で行ってもよいし、マニピュレータ等を用いて自動的に行ってもよい。
チャンバー21内に搬入された未焼成膜FAは、搬送ベルト23a上に載置され、搬送ベルト23aの回転に従って+Y方向に搬送される。なお、テンションローラ23d、23eを用いてテンションの調整を行ってもよい。そして、未焼成膜FAを搬送させつつ、加熱部22を用いて未焼成膜FAの焼成が行われる。
焼成時の温度は、未焼成膜FAの構造により異なるが、120℃〜375℃程度であることが好ましく、更に好ましくは150℃〜350℃である。また、微粒子に有機材料が含まれる場合は、その熱分解温度よりも低い温度に設定する必要がある。なお、塗布液がポリアミド酸を含む場合、この焼成においてはイミド化を完結させることが好ましいが、未焼成膜FAがポリイミド、ポリアミドイミド又はポリアミドから構成され、焼成ユニット20により未焼成膜FAに対し高温処理を行う場合はこの限りでない。
また、焼成条件は、例えば、塗布液がポリアミド酸及び/又はポリイミドを含む場合、室温から375℃までを3時間で昇温させた後、375℃で20分間保持させる方法や、室温から50℃刻みで段階的に375℃まで昇温(各ステップ20分保持)し、最終的に375℃で20分保持させる等の段階的な加熱を行ってもよい。また、未焼成膜FAの端部をSUS製の型枠等に固定し変形を防ぐようにしてもよい。
このような焼成により、図9(e)に示すように、焼成膜FBが形成される。焼成膜FBでは、イミド化又は高温処理された樹脂層A3の内部に微粒子A2が含まれている。焼成膜FBの膜厚は、例えばマイクロメータ等で複数の箇所の厚さを測定し平均することで求めることができる。好ましい平均膜厚としては、セパレータ等に用いられる場合は、3μm〜500μmであることが好ましく、5μm〜100μmであることがより好ましく、10μm〜30μmであることが更に好ましい。
焼成ユニット20において形成された焼成膜FBは、焼成ユニット20から搬出されると、巻き取られることなく、除去ユニット30に搬入される。なお、焼成膜FBの先端部分を除去ユニット30に搬入する場合には、作業者が手作業で行ってもよいし、マニピュレータ等を用いて自動的に行ってもよい。
除去ユニット30に搬入された焼成膜FBは、搬送ベルト35a上に載置され、搬送ベルト35aの回転に従って+Y方向に搬送される。除去ユニット30では、焼成膜FBの搬送に伴い、まずは浸漬部32において微粒子A2の除去が行われる。微粒子A2の材質として例えばシリカが用いられる場合、浸漬部32では、低濃度のフッ化水素水等のエッチング液Q1に焼成膜FBが浸される。これにより、微粒子A2がエッチング液Q1に溶解して除去され、図9(f)に示すように、樹脂層A3の内部に多孔部A4が含まれた多孔性樹脂膜Fが形成される。なお、搬入側壁部W1及び仕切り壁部W2に設けられた上側カバー部UC1、UC2及び下側カバー部LC1、LC2と、吸水ローラR1、R2とにより、ミスト状になったエッチング液Q1が浸漬部32の外部に漏れ出すことが防止される。
その後、搬送ベルト35aの回転に従って、多孔性樹脂膜Fが洗浄部33及び液切部34に順に搬入される。洗浄部33では、洗浄液Q2によって多孔性樹脂膜Fが洗浄される。具体的には、第1洗浄部33aと第2洗浄部33bとで、洗浄液Q2による洗浄処理が順に行われる。この場合、仕切り壁部W2〜W4に設けられた上側カバー部UC3〜UC6及び下側カバー部LC3〜LC6と、吸水ローラR3〜R6とにより、ミスト状になった洗浄液Q2がそれぞれ第1洗浄部33a、第2洗浄部33bの外部に漏れ出すことが防止される。また、液切部34では、吸水ローラR7、R8によって多孔性樹脂膜Fの液切りが行われ、洗浄液Q2が除去される。そして、多孔性樹脂膜Fが除去ユニット30から搬出され、巻き取り部80の軸部材SFによって巻き取られる。
以上のように、本実施形態に係る除去ユニット30は、帯状の処理対象物(焼成膜FB又は多孔性樹脂膜F)を通過させる開口部OP1〜OP6を有する壁部(搬入側壁部W1、仕切り壁部W2〜W4)で仕切られ、かつ内部空間K1〜K3において液体により処理対象物を処理する処理部(浸漬部32、第1洗浄部33a、第2洗浄部33b)と、壁部(W1〜W4)の内部空間(K1〜K3)側に設けられ、開口部OP1〜OP6の上方及び下方を囲うように設けられたカバー部C(上側カバー部UC1〜UC6、下側カバー部LC1〜LC6)と、開口部OP1〜OP6の内部空間K1〜K3側に配置され、処理対象物(FB、F)に当接してこの処理対象物(FB、F)に付着する液体(Q1、Q2)を除去する吸水ローラR1〜R6と、を備えるため、処理対象物(FB、F)を処理する際に用いられる液体(Q1、Q2)が処理部(32、33a、33b)の外部に漏れ出すのを抑制することができる。これにより、処理環境の清浄化を図ることができる。
また、本実施形態に係る製造システムSYSは、このような除去ユニット30を含むため、未焼成膜FAの形成、未焼成膜FAの焼成(焼成膜FBの形成)、及び微粒子A2の除去(多孔性樹脂膜Fの形成)の3つの工程を一連の流れで行うことができ、微粒子A2の除去においては清浄な処理環境で効率的に処理を行うことができる。これにより、多孔性樹脂膜Fの製造効率を向上させることができる。
[変形例]
図10は、変形例に係る除去ユニット(処理装置)30Aの一例を示す図である。
図10に示すように、除去ユニット30Aでは、焼成膜FB及び多孔性樹脂膜Fを載置して搬送する搬送部35が設けられず、これらの膜をローラで直接搬送する構成となっている。この場合、浸漬部32Aでは、例えばエッチング液Q1が容器32pに貯留された構成となっており、案内ローラ32qによって焼成膜FBがエッチング液Q1に浸漬されるようになっている。また、下方(−Z側)の吸水ローラR2には、モータ装置などの駆動源ACが設けられている。これにより、焼成膜FB及び多孔性樹脂膜Fを効率的に搬送することができる。
図11は、他の変形例に係る除去ユニット30Bの一部の例を示す図である。
上記実施形態では、上側カバー部UC1〜UC6と、下側カバー部LC1〜LC6とで形成される1つの空間について1つの吸水ローラが配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、図11に示すように、1つの空間について吸水ローラが多段に配置された構成であってもよい。図11では、吸水ローラR2を多段に配置した構成を例に挙げて説明しているが、これに限定するものではなく、他の休止ローラR1、R3〜R6について多段に配置してもよい。これにより、液体の漏れ出しを一層確実に防ぐことができる。また、多段に配置する除去ローラとして、表面がスポンジ等の多孔性材料で形成された吸水ローラに限定するものではなく、表面がゴム等で形成されたローラが用いられてもよい。この場合、液体を吸収するのではなく、処理対象物に付着した液体を掬い取ることによって除去することができる。
図12は、他の変形例に係る除去ユニット30Cの一部の例を示す図である。なお、図12では、吸水ローラの図示を省略している。
例えば、図12に示すように、上側カバー部UC1〜UC6に付着した液体の流れる方向を規制する規制部UCbが上側カバー部UC1〜UC6の表面に設けられてもよい。規制部UCbは、上側カバー部UC1〜UC6に付着した液体が焼成膜FB又は多孔性樹脂膜Fを避けて落下するように配置される。例えば、X方向の中央部から端部にかけて下方に傾斜するように規制部UCbが設けられてもよい。これにより、上側カバー部UC1〜UC6に付着した液体は、規制部UCbに沿ってX方向の端部側に到達し、焼成膜FB又は多孔性樹脂膜Fを避けて落下することになる。
また、上記実施形態では、巻き取り部50、80として、軸部材SFを軸受51、81に着脱させる構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、例えば図13に示すような巻き取り装置90が用いられてもよい。以下、巻き取り部50に代えて巻き取り装置90が用いられる場合を例に挙げて説明する。
図13に示すように、巻き取り装置90は、フレーム91と、軸部材SFと、軸受92と、駆動部93と、中継ローラ94a〜94eと、ローラ支持部95とを有する。フレーム91は、軸部材SF、軸受92、駆動部93、中継ローラ94a〜94e、ローラ支持部95の各部を支持する。
軸部材SFは、塗布ユニット10から搬出された未焼成膜FAを巻き取ってロール体Rを形成する。軸部材SFは、軸受92に対して着脱可能に設けられている。軸部材SFは、軸受92に装着される場合、X方向に平行な軸線の周りに回転可能となるように軸受92に支持される。ロール体Rが形成された状態で軸部材SFを軸受92から取り外すことにより、ロール体Rを他のユニットに移動又は回収することができる。
中継ローラ94a〜94eは、未焼成膜FAのテンションを調整しつつ、未焼成膜FAを軸部材SFに送る。中継ローラ94a〜94eは、例えば円筒状に形成され、それぞれX方向に平行に配置されている。本実施形態では、未焼成膜FAは、中継ローラ94a、94b、94c、94d、94eの順に架け渡されるが、これに限定されるものではなく、一部の中継ローラを用いなくてもよい。なお、中継ローラ94a〜94eのうち少なくとも1つは、ローラ支持部95によって移動可能であってもよい。例えば、ローラ支持部95が中継ローラ94bをZ方向又はY方向に移動可能であってもよい。また、ローラ支持部95によって、X軸に平行な軸線AXの周りに中継ローラ94bを回動させる構成であってもよい。この場合、中継ローラ94bが移動(回動)する量(距離)を軸受92の巻取り速度にフィードバックさせることにより、未焼成膜FAのテンションを一定に保つことが可能となる。また、中継ローラ94bの−Y側にあり、支点軸を介して配置される移動可能な重り(不図示)を移動させて中継ローラ94bへの負荷を変更する構成であってもよい。この場合、中継ローラ94bにかかる負荷を前記重りにより調整することで、未焼成膜FAのテンションを調整することが可能となる。
中継ローラ94a〜94eは、X方向に平行な配置に限られず、X方向に対して傾いて配置されてもよい。また、中継ローラR21〜R25は、円筒形に限られず、テーパー型、ラジアル型、コンケイブ型等のクラウンが形成されたものが用いられてもよい。
なお、上記の巻き取り装置90は、巻き取り部80に代えて用いてもよい。また、未焼成膜FA等の膜を巻き取る場合とは反対の方向に軸部材SFを回転させることにより、未焼成膜FA等の膜を送り出すことができる。このため、例えば上記の送り出し部60に代えて巻き取り装置90を用いることも可能である。
[セパレータ]
次に、実施形態に係るセパレータ100を説明する。図14は、リチウムイオン電池200の一例を示す模式図であり、一部が切り開かれた状態を示している。図14に示すように、リチウムイオン電池200は、正極端子を兼ねた金属ケース201と、負極端子202とを有する。金属ケース201の内部には、正極201aと、負極202aと、セパレータ100とが設けられており、不図示の電解液に浸されている。セパレータ100は、正極201aと負極202aとの間に配置され、正極201aと負極202aとの間の電気的接触を防いでいる。正極201aとしては、リチウム遷移金属酸化物が用いられ、負極202aとしては、例えばリチウムやカーボン(グラファイト)等が用いられている。
上記実施形態に記載の多孔性樹脂膜Fは、このリチウムイオン電池200のセパレータ100として用いられる。この場合、例えば第1塗布膜F1が形成される面をリチウムイオン電池の負極202a側とすることにより、電池性能を向上することができる。なお、図14では、角型のリチウムイオン電池200のセパレータ100を例に挙げて説明しているが、これに限定するものではない。上記の多孔性樹脂膜Fは、円筒型やラミネート型等のいずれのタイプのリチウムイオン電池のセパレータであっても用いることができる。なお、リチウムイオン電池のセパレータの他、上記の多孔性樹脂膜Fは、燃料電池電解質膜、ガス又は液体の分離用膜、低誘電率材料として使用することが可能である。
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、上側カバー部UC1〜UC6と、下側カバー部LC1〜LC6との両方が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、上側カバー部UC1〜UC6と下側カバー部LC1〜LC6は、いずれか一方を省略することができる。
この場合、上側カバー部UC1〜UC6及び下側カバー部LC1〜LC6のいずれを省略するかについては、内部空間K1〜K3において上側ノズルと下側ノズルの有無に対応させることができる。例えば、内部空間K1、K2又はK3に上側ノズルのみが設けられる場合、上側カバー部UC1〜UC6のみを設け、下側ノズルLC1〜LC6を省略することができる。また、内部空間K1、K2又はK3に下側ノズルのみが設けられる場合、下側カバー部LC1〜LC6のみを設け、上側ノズルUC1〜UC6を省略することができる。上側ノズルUC1〜UC6の配置を省略する場合には、すべてを省略してもよいし、少なくとも1つを省略してもよい。下側ノズルLC1〜LC6を省略する場合についても同様である。
また、例えば、除去ユニット30の構成として、上記実施形態に記載の構成に加え、例えば焼成膜FB又は多孔性樹脂膜Fにエアを噴射するエア噴射部が設けられてもよい。このエア噴射部は、処理対象物である焼成膜FB又は多孔性樹脂膜Fに付着した液体を除去するために用いられる。エア噴射部は、例えば各処理部(浸漬部32、第1洗浄部33a、第2洗浄部33b)において多孔性樹脂膜Fの搬送方向の下流側(+Y側)の吸水ローラR2、R4、R6よりも上流側(−Y側)に配置することができる。これにより、吸水ローラR2、R4、R6で吸収する液体の量を減少することができる。なお、エア噴射部は、例えばカバー部Cとは別個に設けることができるが、エア噴射部をカバー部Cに取り付けてもよい。また、例えば上側カバー部UC1〜UC6の先端UCaをエア噴射部のノズルとして用いてもよい。
また、例えば、上記実施形態の構成に加えて、除去ユニット30で形成された多孔性樹脂膜Fに対して後処理を行う後処理ユニットが設けられてもよい。このような後処理ユニットとしては、例えば多孔性樹脂膜Fに対して除電処理を行う帯電防止ユニットが挙げられる。帯電防止ユニットとしては、例えばイオナイザーなどの除電装置が搭載される。
また、後処理ユニットとして、例えば多孔性樹脂膜Fの一部を除去するケミカルエッチングユニット(不図示)を用いることができる。ケミカルエッチングユニットは、例えば上記実施形態の除去ユニット30と同様の構成を有しており、処理液として、フッ酸溶液に代えてアルカリ溶液などが用いられる。処理液に多孔性樹脂膜Fを所定時間浸すことにより、多孔部A4の内部が除去される。この場合、多孔部A4のバリが取れると共に、連通性が確保されることになる。また、カバー部C及び吸水ローラR1〜R6と同様の構成が設けられるため、ケミカルエッチング液や洗浄液が外部に漏れ出すのを抑制することができ、処理環境の清浄化を図ることができる。
また、このようなケミカルエッチングユニットによって多孔性樹脂膜Fの一部を除去する場合、ケミカルエッチング法に限定するものではない。例えば、ケミカルエッチング法と物理的除去方法とを組合せた方法により多孔性樹脂膜Fの一部を除去するようにしてもよい。物理的な方法としては、例えば、プラズマ(酸素、アルゴン等)、コロナ放電等によるドライエッチング、研磨剤(例えば、アルミナ(硬度9)等)を液体に分散し、これを芳香族ポリイミドフィルムの表面に30m/s〜100m/sの速度で照射することでポリイミドフィルム表面を処理する方法等が使用できる。これらの手法は、除去ユニット30において焼成膜FBから微粒子を除去する前及び微粒子の除去後のいずれの場合にも適用可能である。また、微粒子を除去した後に行う場合にのみ適用可能な物理的方法として、対象表面を液体で濡らした台紙フィルム(例えばPETフィルム等のポリエステルフィルム)に圧着後、乾燥しないで又は乾燥した後、多孔性樹脂膜Fを台紙フィルムから引きはがす方法を採用することもできる。液体の表面張力あるいは静電付着力に起因して、多孔性樹脂膜Fの表面層のみが台紙フィルム上に残された状態で、多孔性樹脂膜Fが台紙フィルムから引きはがされる。
例えば、上記実施形態及び変形例では、微粒子の含有率が異なる2種類の塗布液を用いて未焼成膜FAを形成する場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、1種類の塗布液で未焼成膜を形成するものであってもよい。この場合、第1ノズル12及び第2ノズル13のうちいずれか一方が用いられなくてもよいし、一方のノズルを省略してもよい。一方のノズルを省略する場合は、第1ノズル12を省略し、第2ノズル13を使用することが好ましい。
また、上記実施形態及び変形例では、塗布ユニット10、焼成ユニット20、除去ユニット30が1台ずつ配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、上記ユニットの少なくとも1つが複数台設けられてもよい。この場合、例えば単位時間あたりに処理可能な未焼成膜FA、焼成膜FB又は多孔性樹脂膜Fの分量(例、長さ、等)が少ないユニットを多く配置することにより、製造システムSYS全体の製造効率を高めることができる。また、各除去ユニット30について、上側カバー部UC1〜UC6、下側カバー部LC1〜LC6及び吸水ローラR1〜R6が設けられるため、処理環境を清浄に維持ことができる。
また、上記実施形態及び変形例では、塗布ユニット10、焼成ユニット20、及び除去ユニット30の各ユニットが、未焼成膜FA、焼成膜FB又は多孔性樹脂膜Fの各膜をY方向に沿って搬送する場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、いずれかのユニットが膜をX方向、Y方向、Z方向又はこれらの合成方向に搬送してもよいし、1つのユニット内で搬送方向を適宜変更してもよい。
また、上記実施形態及び変形例では、塗布ユニット10における塗布、焼成ユニット20における焼成、除去ユニット30における除去、の3つの工程を行う場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、塗布膜の材料としてポリイミド、ポリアミドイミド、又はポリアミドが用いられる場合、焼成を行わなくてもよい。このため、焼成を行わない場合、例えば焼成ユニット20と除去ユニット30との間に巻き取り装置及び送り出し装置等を設けることにより、塗布ユニット10で形成された未焼成膜FAを、焼成ユニット20を介することなく、除去ユニット30に搬入させることが可能となる。また、焼成を行わない場合、多孔性のイミド系樹脂膜を製造する製造システムは、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド又はポリアミド及び微粒子を含む液体を基材に塗布して未焼成膜を形成する塗布ユニットと、前記塗布ユニット内又は前記塗布ユニット外で前記基材から剥離した前記未焼成膜から前記微粒子を除去する除去ユニットとを含む製造システムとすることができる。なお、焼成を行わない場合、微粒子を除去する除去ユニット30から多孔性樹脂膜Fを搬出させた後、前述のポストベーク処理工程を行ってもよい。また、ケミカルエッチングユニットを用いる場合には、ポストベーク処理工程前に、ケミカルエッチングユニットを介してもよい。この場合、ポストベーク処理工程は、例えばケミカルエッチングユニット内に加熱部を設け、この加熱部により行ってもよい。
また、上記実施形態及び変形例では、いわゆるロール・ツー・ロール方式によって多孔性樹脂膜Fを形成する構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、除去ユニット30(又はケミカルエッチングユニット)における処理が終了した後、多孔性樹脂膜Fが除去ユニット30(又はケミカルエッチングユニット)から搬出された場合に、巻き取り部80で巻き取らせることなく所定の長さで切断し、切断したものを回収してもよい。
また、上記実施形態では、処理装置の処理対象物として多孔性樹脂膜F(多孔性のイミド系樹脂膜)を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、他の種類の基板であってもよい。また、処理対象物を処理する液体として、エッチング液Q1及び洗浄液Q2を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、例えば塗布液や表面処理液など、他の処理液が用いられた場合であっても、上記構成を適用することができる。
SYS…製造システム F…多孔性樹脂膜 FA…未焼成膜 FB…焼成膜 W1…搬入側壁部 W2〜W4…仕切り壁部 W5…搬出側壁部 OP1〜OP5…開口部 C…カバー部 UC1〜UC6…上側カバー部(上部カバー) LC1〜LC6…下側カバー部(下部カバー) R1〜R8…吸水ローラ Q1…エッチング液 Q2…洗浄液 10…塗布ユニット 20…焼成ユニット 30、30A、30B、30C…除去ユニット 31…チャンバー 32…浸漬部 33…洗浄部 33a…第1洗浄部 33b…第2洗浄部 32c…上側ノズル 32d…下側ノズル 100…セパレータ 200…リチウムイオン電池

Claims (14)

  1. 長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により前記処理対象物を処理する処理部と、
    前記壁部の前記内部空間側に設けられ、前記開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、
    前記開口部の前記内部空間側に配置され、前記処理対象物に当接して前記処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備え、
    前記処理部は、前記処理対象物の搬送方向に沿って複数配置される処理装置。
  2. 長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により前記処理対象物を処理する処理部と、
    前記壁部の前記内部空間側に設けられ、前記開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、
    前記開口部の前記内部空間側に配置され、前記処理対象物に当接して前記処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備え、
    前記開口部は、前記処理対象物を前記処理部に搬入する入口開口部と、前記処理対象物を前記処理部から搬出する出口開口部と、を有し、
    前記入口開口部及び前記出口開口部のそれぞれに、前記カバー部及び前記除去ローラが設けられる処理装置。
  3. 長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により前記処理対象物を処理する処理部と、
    前記壁部の前記内部空間側に設けられ、前記開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、
    前記開口部の前記内部空間側に配置され、前記処理対象物に当接して前記処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備え、
    前記除去ローラは、前記処理対象物の搬送方向に多段に設けられる処理装置。
  4. 長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により前記処理対象物を処理する処理部と、
    前記壁部の前記内部空間側に設けられ、前記開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、
    前記開口部の前記内部空間側に配置され、前記処理対象物に当接して前記処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備え、
    前記処理対象物は、多孔性のイミド系樹脂膜を含む処理装置。
  5. 前記処理部は、前記処理対象物の上方から前記処理対象物に対して前記液体を供給する上側供給部を有し、
    前記カバー部は、前記開口部の上部に配置される上部カバーを有する
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の処理装置。
  6. 前記上部カバーは、該上部カバーに付着した前記液体が前記処理対象物を避けて落下するように前記液体の流れる方向を規制する規制部を有する
    請求項5記載の処理装置。
  7. 前記処理部は、前記処理対象物の下方から前記処理対象物に対して前記液体を供給する下側供給部を有し、
    前記カバー部は、前記開口部の下部に配置される下部カバーを有する
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の処理装置。
  8. 前記カバー部は、端部が前記除去ローラまたは前記処理対象物に近接して配置される
    請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の処理装置。
  9. 前記除去ローラは、前記液体を吸収する吸収部を有する
    請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の処理装置。
  10. 前記除去ローラは、前記処理対象物を上下方向に挟むように一対設けられる
    請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の処理装置。
  11. 前記重力方向の上方の前記除去ローラは、前記重力方向の下方の前記除去ローラを自重で押圧した状態で配置される
    請求項10記載の処理装置。
  12. 前記除去ローラは、駆動源に接続される
    請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の処理装置。
  13. 前記処理部による処理は、前記処理対象物をエッチングする処理及び前記処理対象物を洗浄する処理の少なくとも一方を含む
    請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の処理装置。
  14. 多孔性のイミド系樹脂膜を製造する製造システムであって、
    長さ方向が長い帯状の処理対象物を通過させる開口部を有する壁部で仕切られ、かつ内部空間において液体により前記処理対象物を処理する処理部と、
    前記壁部の前記内部空間側に設けられ、前記開口部の上方及び下方の少なくとも一方を囲うように設けられたカバー部と、
    前記開口部の前記内部空間側に配置され、前記処理対象物に当接して前記処理対象物に付着する液体を除去する除去ローラと、を備える処理装置を含む製造システム。
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