JP2000140864A - アンモニア含有水の処理方法 - Google Patents

アンモニア含有水の処理方法

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JP2000140864A
JP2000140864A JP10319247A JP31924798A JP2000140864A JP 2000140864 A JP2000140864 A JP 2000140864A JP 10319247 A JP10319247 A JP 10319247A JP 31924798 A JP31924798 A JP 31924798A JP 2000140864 A JP2000140864 A JP 2000140864A
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弘行 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い設備コスト及びランニングコストを必要と
せずに、アンモニア含有水中のアンモニアを効率よく酸
化分解処理して、無害化する工業的に有利なアンモニア
含有水の処理方法を提供する。 【解決手段】(A)アンモニア含有水を、触媒の存在下
に温度:180℃より高く、220℃以下、圧力:10
kg/cm2Gより高く、30kg/cm2G以下の加熱・加圧条
件で酸素含有ガスと接触させる工程、及び(B)上記
(A)工程で得られた処理水を、触媒の存在下に過酸化
水素と接触させる工程を順次施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニア含有水
の処理方法の改良に関する。さらに詳しくは、本発明
は、化学工場排水、半導体工場排水、発電所の復水処理
用のイオン交換装置の再生に際して排出される排水など
のアンモニア含有水中のアンモニアを、効果的に酸化分
解処理して無害化する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】肥料工場排水、染料工場排水などの化学
工場排水、あるいは半導体工場排水や発電所排水などに
は、アンモニアがかなりの量含まれている場合がある。
このようなアンモニア含有排水中のアンモニアは、閉鎖
性水域において富栄養化の源となるので、なんらかの手
段を講じて除去しなければならない。排水中のアンモニ
アの除去方法としては、これまで様々な方法が試みられ
ており、例えば(1)アンモニア含有排水に、200〜
300℃の温度条件下、液相を保持する圧力で金属担持
触媒の存在下に酸素含有ガスを、アンモニアの酸化分解
に必要な理論量の1.05〜1.2倍当量(O2/NH3
ル比で0.79〜0.9)吹き込んで、排水中のアンモニ
アを酸化分解し、無害化する方法(特公昭56−429
92号公報、同57−42391号公報、同58−27
999号公報、同59−19757号公報、同59−2
9317号公報など)、(2)アンモニア含有排水に、
貴金属担持触媒の存在下、3〜10kg/cm2Gの圧力及
び140〜180℃の温度で純度90%以上の酸素ガス
を吹き込み、アンモニアを酸化分解したのち、処理水に
過酸化水素を添加し、140〜180℃の温度で貴金属
担持触媒の存在下にアンモニアを酸化分解処理する方法
(特開平9−117782号公報)などが開示されてい
る。前記(1)の方法においては、アンモニアは、反応
式[1] 4NH3+3O2→2N2+6H2O …[1] に従って酸化分解され、無害化する。この際、金属担持
触媒として、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロ
ジウム、パラジウム、イリジウム、白金、銅、金、タン
グステンなどの金属有効成分を、アルミナ、シリカ、シ
リカ−アルミナ、活性炭、チタニア、ジルコニア、チタ
ニア−ジルコニアなどの多孔性物質に担持したものが用
いられる。しかしながら、この処理法においては、アン
モニアの酸化分解処理に際して、50kg/cm2G以上の
高圧条件下で処理するため、装置が肉厚となり、設備コ
ストが高くつくのを逸れないという欠点がある。一方、
(2)の処理方法は、まず3〜10kg/cm2Gの低圧力
下で酸素含有ガスを吹き込み、アンモニアを酸化分解
し、さらに残存するアンモニアを、その酸化分解に必要
な当量以上の過酸化水素により、反応式[2] 2NH3+3H22→N2+6H2O …[2] に従って酸化分解し、無害化する方法である。しかしな
がら、この方法においては、前段の処理において、3〜
10kg/cm2Gの低圧が採用されるため、設備費につい
ては経済的に有利であるものの、アンモニアの除去率が
不充分であり、その結果、後段の処理において、過酸化
水素の使用量が多くなり、ランニングコストが高くつ
き、必ずしも充分に満足しうる方法とは言えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、化学工場排水、半導体工場排水、発電所
排水などのアンモニア含有水中のアンモニアを、高い設
備コストとランニングコストを必要とせずに、効率よく
酸化分解処理して、無害化する工業的に有利なアンモニ
ア含有水の処理方法を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、まず、アンモ
ニア含有水を、触媒の存在下に特定の温度及び圧力の加
熱・加圧条件で酸素含有ガスと接触させ、次いで、この
処理水を触媒の存在下に過酸化水素と接触させることに
より、その目的を達成しうることを見い出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、(1)(A)アンモニア含有水を、触媒の存在下
に温度:180℃より高く、220℃以下、圧力:10
kg/cm2Gより高く、30kg/cm2G以下の加熱・加圧条
件で酸素含有ガスと接触させる工程、及び(B)上記
(A)工程で得られた処理水を、触媒の存在下に過酸化
水素と接触させる工程を順次施すことを特徴とするアン
モニア含有水の処理方法、(2)(A)工程及び(B)
工程における触媒の触媒活性成分が、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、イリジウム、白金及び金並びにこれ
らの金属の不溶性ないし難溶性の化合物の中から選ばれ
た少なくとも1種である第(1)項記載のアンモニア含
有水の処理方法、(3)(A)工程において、被処理ア
ンモニア含有水のpHを6〜11.5に調整するととも
に、触媒としてルテニウム触媒を用いる第(1)又は
(2)項記載のアンモニア含有水の処理方法、及び
(4)(A)工程において、酸素含有ガスと接触させて
得られた処理水を気液分離したのち、(B)工程を実施
する第(1)、(2)又は(3)項記載のアンモニア含
有水の処理方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のアンモニア含有水の処理
方法を適用できるアンモニア含有水としては特に制限は
なく、様々なアンモニア含有水を挙げることができる。
例えば、染料工場排水や肥料工場排水などの化学工場排
水、さらには半導体工場排水、発電所の復水処理用のイ
オン交換装置の再生に際して排出される排水などの発電
所排水等が挙げられる。本発明方法は、特に、アンモニ
ア態窒素を500〜2000mg/リットル程度の高濃度
に含有するアンモニア含有水の処理に適している。本発
明方法は、(A)アンモニア含有水を酸素含有ガスと接
触させる工程及び(B)上記(A)工程で得られた処理
水を過酸化水素と接触させる工程から構成されている。
次に、各工程について説明する。 (A)工程 この(A)工程は、アンモニア含有水を触媒の存在下
に、加熱・加圧条件で酸素含有ガスと接触させて、アン
モニアを酸化分解する工程である。この工程において
は、通常粒状の酸化触媒が充填された反応塔に、温度1
80℃より高く、220℃以下、圧力10kg/cm2Gよ
り高く、30kg/cm2G以下の加熱・加圧条件下で、被
処理アンモニア含有水を通液するとともに、酸素含有ガ
スを吹き込み、被処理水中のアンモニアを酸化分解処理
する。この際、使用される粒状の酸化触媒としては、多
孔性物質からなる担体に金属成分を担持してなる金属担
持触媒が好ましく用いられる。上記金属成分としては特
に制限はなく、従来アンモニアの酸素酸化触媒として知
られている公知の金属成分、例えば鉄、コバルト、ニッ
ケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウ
ム、白金、銅、金、タングステン及びこれらの金属の不
溶性ないし難溶性の化合物などを挙げることができる。
これらの金属成分は単独で用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよいが、特にルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、イリジウム、白金及び金が好ましく、
さらに性能の面からルテニウムが好適である。また、こ
れらの触媒活性成分に加え、ランタン、セリウム、テル
ルなどを含んでいてもよい。一方、担体としては特に制
限はなく、従来金属成分の担体として慣用されている多
孔性物質の中から適宜選択して用いることができる。こ
の多孔性物質としては、例えばアルミナ、シリカ、活性
炭、チタニア、ジルコニア、これらの金属酸化物を含む
複合金属酸化物(例えばアルミナ−シリカ、アルミナ−
シリカ−ジルコニア、チタニア−ジルコニア)などが挙
げられる。これらの多孔性物質は単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、チタニア
粒子、ジルコニア粒子が耐久性に優れ好適である。特に
チタニアは、耐久性及び耐薬品性が良好である上、アン
モニアとの親和性がよく、触媒近辺にアンモニアを引き
付けて、触媒反応を受けやすくする。前記金属成分の担
体への担持量としては特に制限はなく、状況に応じて適
宜選定されるが、一般的には0.05〜10重量%の範
囲である。この担持量が0.05重量%未満では触媒活
性が充分に発揮されないおそれがあるし、10重量%を
超えるとその量の割には触媒活性の向上は認められず、
むしろ触媒コストが上昇し、経済的に不利となる。触媒
活性及び経済性のバランスなどを考慮すると、この金属
成分の好ましい担持量は0.1〜5.0重量%の範囲であ
る。また、担体として用いられる多孔性物質の比表面積
としては特に制限はなく、状況に応じて適宜選定される
が、通常、10〜100m2/gの範囲である。この比
表面積が10m2/g未満では充分な触媒活性が得られ
ないおそれがあるし、100m2/gを超えると担体強
度が低下し、破損しやすくなる傾向がある。
【0006】この金属担持触媒は粒状のものが好まし
く、その粒径としては特に制限されず、状況に応じて適
宜選定されるが、通常0.5〜10mm、好ましくは0.8
〜5mmの範囲である。酸素の添加量は、通常理論酸素必
要量の1〜20倍、好ましくは1.2〜5倍である。ま
た、酸素含有ガスとしては特に制限はなく、酸素ガス、
又は窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスと酸素
との混合ガスを用いることができるが、純度90%以上
の酸素含有ガスが好適である。酸素ガスの純度が90%
未満では吹き込むべき気体の容量が増加し、反応塔内に
おける液に対する気体容積が増大して、酸素、液、触媒
の3者の接触効率が低下し、アンモニアの分解効率が低
下するおそれがある。使用する酸素源については特に制
限はなく、酸素ボンベ、液体酸素などを使用することが
できるが、PSA方式による酸素発生装置を用いること
により、容易に空気から酸素ガスを分離して、経済性よ
く使用することができる。この(A)工程において、処
理温度が180℃以下ではアンモニアの分解効率が低く
て、反応時間が長くなり反応塔が大型化するし、220
℃を超えると反応塔内の液を液状に維持するために圧力
を高める必要があり、設備コストが高くなる。一方、処
理圧力が10kg/cm2G以下ではアンモニアの分解効率
が低く、反応時間が長くなり、反応塔が大型化するし、
30kg/cm2Gを超えると高圧に耐える反応塔が必要と
なり、設備コストが高くなる。なお、この処理圧力は、
処理温度における水の蒸気圧以上になるように、上記範
囲内で選定されるのがよい。この(A)工程において、
粒状の酸化触媒を充填した反応塔への被処理アンモニア
含有水の通液速度は、該反応塔の空塔基準でSV0.1
〜10hr-1の範囲が好ましい。このSVが0.1hr-1
満では反応時間が長くなり、反応塔を大型化する必要が
生じるおそれがあるし、10hr-1を超えるとアンモニア
の分解が充分に進行せず、次工程の(B)工程において
過酸化水素の使用量が多くなるおそれがある。反応時間
及びアンモニアの分解率などを考慮すると、より好まし
い通液速度は、SV0.5〜5hr-1の範囲である。酸素
含有ガスは、被処理アンモニア含有水とは別に反応塔に
導入してもよいし、あるいは反応塔の前流において、被
処理アンモニア含有水中に吹き込み、気液混合物を反応
塔に供給してもよいが、後者の方が工業的に有利であ
る。この(A)工程においては、被処理アンモニア含有
水をアルカリ性にすることにより、アンモニアの分解効
率が向上する。この際、被処理水中の様々なアンモニア
態窒素をアンモニア分子として遊離する当量以上のアル
カリを添加するのが好ましい。アルカリとしては、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
【0007】酸化触媒として、ルテニウム触媒を用いた
場合、被処理アンモニア含有水のpHは、6〜11.5に
調整するのが好ましい。このpHが11.5を超えると硝
酸イオンや亜硝酸イオンが生成することがある。この硝
酸イオンや亜硝酸イオンは次工程の(B)工程における
過酸化水素処理後においても残留し、最終処理水の全窒
素が増加する原因となる。pHが6〜11.5の範囲であ
れば、硝酸イオンや亜硝酸イオンの生成量は低く抑えら
れる。このpH範囲では、アンモニア除去率に対する処理
温度の影響が特に大きく、180℃より高くすることに
より、アンモニア除去率が顕著に向上する。このように
して、被処理アンモニア含有水中のアンモニアは、反応
式[1] 4NH3+3O2→2N2+6H2O …[1] に従って酸化分解され、窒素ガスと水が生成する。この
(A)工程においては、被処理水中のアンモニアが、通
常90%以上分解除去されるように、運転条件を設定す
るのが好ましい。 (B)工程 この(B)工程は、前記(A)工程で得られた処理水
を、触媒の存在下に過酸化水素と接触させて、残存する
アンモニアを酸化分解する工程である。本発明において
は、前記(A)工程で得られた処理水を(B)工程で処
理する前に、予め気液分離を行い、処理水中のガスを除
去しておくのが有利である。これにより、(B)工程に
おける過酸化水素反応塔での処理水(液相)と触媒(固
相)の接触効率を向上させることができる。この(B)
工程においては、通常、粒状触媒が充填された反応塔
に、前記(A)工程で処理され、さらに好ましくは気液
分離されたアンモニアが残存する処理水を通液するとと
もに、過酸化水素を供給することにより、該処理水中の
残存アンモニアを酸化分解処理する。この際、過酸化水
素は、反応塔の前流において、アンモニア残存処理水中
に添加するのが有利である。この場合、アンモニアは過
酸化水素により、反応式[2] 2NH3+3H22→N2+6H2O …[2] に従って酸化分解されるので、残存するアンモニアと反
応当量の過酸化水素の量を計算で求め、その量を超える
過酸化水素を供給することが肝要である。
【0008】また、この際反応塔に充填される触媒とし
ては特に制限はなく、従来、過酸化水素酸化触媒として
知られている公知の触媒、例えば多孔性物質からなる担
体に金属成分を担持してなる金属担持触媒などの中か
ら、適宜選択して用いることができる。上記金属成分と
しては、例えば白金、ルテニウム、パラジウム、イリジ
ウム、ロジウム、金などの貴金属及びこれらの金属の不
溶性ないし難溶性の化合物が好ましく挙げられる。これ
らの金属成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよいが、触媒活性の点から、白金が好
適である。一方、担体として用いられる多孔性物質とし
ては、例えばチタニア、アルミナ、シリカ、シリカ−ア
ルミナなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にチ
タニア粒子が好適である。このチタニアは、耐久性及び
耐薬品性が良好である上、アンモニアとの親和性がよ
く、触媒近辺にアンモニアを引き付けて、触媒反応を受
けやすくする。金属成分の担体への担持量としては特に
制限はなく、状況に応じて適宜選定されるが、一般的に
は0.05〜10重量%の範囲である。この担持量が0.
05重量%未満では触媒活性が充分に発揮されないおそ
れがあるし、10重量%を超えるとその量の割には触媒
活性の向上は認められず、むしろ触媒コストが上昇し、
経済的に不利となる。触媒活性及び経済性のバランスな
どを考慮すると、この金属成分の好ましい担持量は0.
1〜2重量%の範囲である。また、担体として用いられ
る多孔性物質の比表面積としては特に制限はなく、状況
に応じて適宜選定されるが、通常、10〜100m2
gの範囲である。この比表面積が10m2/g未満では
充分な触媒活性が得られないおそれがあるし、100m
2/gを超えると担体強度が低下し、破損しやすくなる
傾向がある。この金属担持触媒は粒状のものが好まし
く、その粒径としては特に制限されず、状況に応じて適
宜選定されるが、通常0.5〜10mm、好ましくは0.8
〜5mmの範囲である。この(B)工程において、前記触
媒が充填された反応塔中で、(A)工程で得られたアン
モニアが残存する処理水と過酸化水素を接触処理させる
際の温度としては、100〜180℃の範囲が好まし
い。この処理温度が100℃未満ではアンモニアの分解
効率が低く、反応時間が長くなり、反応塔が大型化し、
実用的でない。一方、処理温度が180℃を超えると反
応塔内の液を液状に維持するには圧力を高める必要があ
り、設備コストが高くつく原因となる。アンモニアの分
解効率及び設備費などを考慮すると、より好ましい処理
温度は140〜180℃の範囲である。
【0009】また、処理圧力としては、アンモニアの分
解効率及び設備コストなどの点から、3〜10kg/cm2
Gの範囲が好ましい。この(B)工程において、過酸化
水素酸化触媒を充填した反応塔への過酸化水素を添加し
た処理水の通液速度は、該反応塔の空塔基準でSV3〜
30hr-1の範囲が好ましい。このSVが3hr-1未満では
反応時間が長くなり、反応塔を大型化する必要が生じる
おそれがあるし、30hr-1を超えるとアンモニアの分解
除去が完全に行われないおそれがある。反応時間とアン
モニアの分解除去率などを考慮すると、より好ましい通
液速度はSV5〜20hr-1の範囲である。本発明方法に
おいては、アンモニアの酸化分解を二段階で行うため
に、アンモニアの分解除去率が高く、最終的にはアンモ
ニア態窒素及び亜硝酸態、硝酸態窒素の含有量を、それ
ぞれ10ppm未満にすることができる。次に、添付図面
に従って、本発明の好ましい態様について説明する。図
1は本発明方法を実施するための1例の工程系統図であ
って、アンモニア含有排水は、排水貯槽1から出て、ア
ルカリで所望pHに調整されたのち、ポンプ2を経て昇圧
されるとともに、コンプレッサー4で圧縮された空気を
酸素発生装置5により濃縮分離してなる、好ましくは純
度90%以上の酸素含有ガスと混合される。酸素含有ガ
スを含むアンモニア含有排水は、熱交換器3により予熱
されたのち、加熱器6を経て所定温度まで昇温されてか
ら、酸素酸化触媒反応塔7に通液され、アンモニアと酸
素との接触分解反応により、アンモニアが除去される。
酸素酸化触媒反応塔7から流出する処理水は、熱交換器
3及び冷却器8を経て、気液分離器9により気液分離さ
れたのち、残存アンモニアに対して反応当量以上の過酸
化水素が添加され、過酸化水素酸化触媒反応塔10に送
られ、アンモニアと過酸化水素との反応により、残存ア
ンモニアがほぼ完全に除去される。このように、本発明
方法は、酸素ガスによる酸化分解と過酸化水素による酸
化分解とを組み合わせることにより、比較的低い設備コ
スト及びランニングコストで、アンモニアを高い除去率
で分解し、アンモニア含有水の効率的な処理を可能とす
るものである。過酸化水素は酸素より酸化力が強く、性
能的には酸化剤として好ましいが、酸素ガスに比べコス
トが高く、過酸化水素のみによる1段分解処理方法は経
済性が悪い。本発明方法は、酸素ガスによりアンモニア
の大部分を除去したのち、残存アンモニアのみを過酸化
水素で除去することにより、過酸化水素の使用量を少量
にとどめ、しかも過酸化水素の高酸化力を活用して処理
水中のアンモニア濃度を低減することができる。本発明
方法によれば、水中のアンモニアを無害な窒素ガスと水
に分解除去することができ、再処理が必要な副生物は発
生しない。また、アンモニアの酸化分解に必要な酸素
を、空気からPSA方式で分離して使用することによ
り、オンサイトで簡単に必要な酸素を供給することがで
きる。PSA方式で分離した酸素ガスを酸化剤に用いる
と、アンモニアの酸化に必要な酸化剤としてのコスト
は、一般に亜硝酸ナトリウムを用いる場合の1/10以
下、また、過酸化水素のみを用いる場合の1/20以下
となる。
【0010】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1〜4、比較例1〜3 図1に示す工程系統図に準じて、アンモニア含有水の処
理を行った。酸素酸化触媒反応塔7として、径20mm、
高さ5000mmの反応塔3基を直列に設置し、各塔の下
部から1mまでは予熱部分とするとともに、下部1m以
上塔頂部までの部分に触媒を1塔当たり0.9リットル
(全2.7リットル)充填した。この充填された酸素酸
化触媒は、ルテニウムをチタニアに対し2重量%担持し
てなる粒径2mmの触媒で、1塔当たり、1.3kgであ
る。一方、過酸化水素酸化触媒反応塔10として、径2
0mm、高さ1500mmの反応塔1基を用い、触媒0.2
7リットルを充填した。この充填された過酸化水素酸化
触媒は、白金をチタニアに対し0.5重量%担持してな
る粒径1.5mmの触媒で、0.4kgである。アンモニア含
有水としては、アンモニア態窒素を2000mg/リット
ル濃度で含有し、かつ第1表に示すpHに調整したものを
用い、これに、空気をコンプレッサーで圧縮し、PSA
方式で得られた純度90%の酸素含有ガスを、理論酸素
必要量の4.5倍当量吹き込み、アンモニア含有水と酸
素含有ガスとの混合物を、空塔速度SV4hr-1で、酸素
酸化触媒反応塔に供給し、第1表に示す温度にて、酸化
処理を行った。なお、操作圧力は水の蒸気圧以上とし
た。酸素酸化触媒反応塔を出た処理水は、熱交換器3、
冷却器8を経て冷却されたのち、気液分離器9で気液分
離後、第1表に示す量の過酸化水素が添加されたのち、
過酸化水素酸化触媒反応塔に送り、温度160℃、圧力
8.5kg/cm2G、SV10hr-1で酸化処理した。結果を
第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】[注] NH4−N:アンモニア態窒素 NO2−N:亜硝酸態窒素 NO3−N:硝酸態窒素 以上の結果、pH9.8において、酸素酸化触媒反応塔の
反応温度が170℃以下である比較例1〜3では、酸素
酸化によるアンモニアの除去率は50%にも満たない
が、実施例の180℃より高い温度では、顕著に向上
し、90%以上となった。このため、酸素酸化触媒反応
塔温度が180℃より高い場合には、過酸化水素酸化触
媒反応塔でH22を900mg/リットル添加すれば、最
終処理水のアンモニア態窒素含有量を10mg/リットル
未満にすることができる。これに対し、酸素酸化触媒反
応塔温度が170℃以下では、過酸化水素酸化触媒反応
塔でのH22添加量900mg/リットルでは、最終処理
水中に1350mg/リットルのアンモニア態窒素が残存
し、H22の添加量を4.8倍の4300mg/リットル
としても、10mg/リットル未満まで処理することがで
きなかった。また、pH9.8の比較例1〜3及び実施例
1〜3では、酸素酸化触媒反応塔で硝酸態窒素及び亜硝
酸態窒素は実質上生成しなかった。pH11.7である実
施例4では、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素が生成し、過
酸化水素酸化触媒反応塔でも残存するものの、反応温度
が190℃であるため、アンモニアの分解率は良好であ
る。
【0013】
【発明の効果】本発明のアンモニア含有水の処理方法
は、化学工場排水、半導体工場排水、発電所排水などの
アンモニア含有水中のアンモニアを、高い設備コストと
ランニングコストを必要とせずに、効率よく酸化分解処
理して、無害化する工業的に有利な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法を実施するための1例の工
程系統図である。
【符号の説明】
1 排水貯槽 2 ポンプ 3 熱交換器 4 空気コンプレッサー 5 酸素発生装置(PSA法) 6 加熱器 7 酸素酸化触媒反応塔 8 冷却器 9 気液分離器 10 過酸化水素酸化触媒反応塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二川 道夫 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 秋山 弘行 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 上甲 勲 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D050 AA09 AA13 AB35 BB01 BB09 BC01 BC02 BC04 BC06 BD02 BD06 BD08 CA13 CA20 4G069 AA03 AA08 AA15 BA04B BC33A BC33B BC70A BC70B BC71A BC72A BC74A BC75A BC75B CA05 CA07 CA10 DA06 EB18Y EE05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)アンモニア含有水を、触媒の存在下
    に温度:180℃より高く、220℃以下、圧力:10
    kg/cm2Gより高く、30kg/cm2G以下の加熱・加圧条
    件で酸素含有ガスと接触させる工程、及び(B)上記
    (A)工程で得られた処理水を、触媒の存在下に過酸化
    水素と接触させる工程を順次施すことを特徴とするアン
    モニア含有水の処理方法。
  2. 【請求項2】(A)工程及び(B)工程における触媒の
    触媒活性成分が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、
    イリジウム、白金及び金並びにこれらの金属の不溶性な
    いし難溶性の化合物の中から選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項1記載のアンモニア含有水の処理方法。
  3. 【請求項3】(A)工程において、被処理アンモニア含
    有水のpHを6〜11.5に調整するとともに、触媒とし
    てルテニウム触媒を用いる請求項1又は2記載のアンモ
    ニア含有水の処理方法。
  4. 【請求項4】(A)工程において、酸素含有ガスと接触
    させて得られた処理水を気液分離したのち、(B)工程
    を実施する請求項1、2又は3記載のアンモニア含有水
    の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008093539A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Nippon Shokubai Co Ltd 排水の処理方法
JP2010167368A (ja) * 2008-12-22 2010-08-05 Panasonic Corp アンモニアを含む水溶液の処理方法
JP2017164671A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 太平洋セメント株式会社 触媒担体及びその製造方法、並びに触媒担持体及び水処理材

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