JP2000130922A - 断熱箱体の製造方法 - Google Patents
断熱箱体の製造方法Info
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Abstract
体の断熱壁内への、発泡断熱材原料混合液の注入方法を
改善する。 【解決手段】 断熱壁を構成する外殻31の内部の空隙
に発泡断熱材の原料混合液を注入してその空隙を充填す
る断熱箱体の製造方法において、外殻31の背面にある
背面板15に真空断熱パネル1を固定し、真空断熱パネ
ル1の厚み面部1aと、外殻31の側部にある外殻31
の外側板17と、背面板15とにより構成される溝26
に、背面側を下側にした状態で、発泡断熱材原料混合液
をこの背面側から外殻31内へ注入する。
Description
熱箱体に係り、さらに詳しくは、壁面が金属製薄板や樹
脂成型品などで構成される外殻内に、内部に構造材を有
して真空が維持されて成る真空断熱パネルを備えた断熱
壁の成形方法に関するものである。
などでは、断熱材である発泡ウレタンに対する断熱性能
向上が限界にあることから、図8の比較図で示す如く、
発泡ウレタンの2倍以上の断熱性能が得られる真空断熱
パネルを応用する技術が提案されている。例えば、特開
昭60−243471号公報ではPUF粉砕品を合成樹
脂袋に投入してボード状に真空パックしたものを壁内に
配設した断熱箱体が、また、特開昭60−60483号
公報では側板のフランジ側にPUFが流動する隙間を設
けた真空断熱パネルを冷蔵庫の側壁に設置することが、
それぞれ提案されている。
は、図9に示す構造を有して成る。つまり、繊維や粒子
の集合物または連続気泡を有する発泡体などの多孔質な
構造を有する芯材2を袋状の包装材3に挿入して、内部
は優れた断熱性を発現させるために高真空状態を確保し
ている。このとき、真空断熱パネル1の内部に外気から
のガス侵入を遮断または抑制して断熱性を維持する目的
のために、包装材3には金属薄膜層を併用し、また挿入
口を完全に封止するために優れた溶着性を有する材料を
シール層に用い、さらに冷蔵庫の箱体では壁の曲げ強度
を確保する為に発泡ウレタンとの接着を安定して確保で
きる材料を表面層に用いている。この結果、包装材3と
して満足する特性を得るためにはこれらの異なった材料
を積層した多層シートが用いられている。また、包装材
3のピンホールなどの欠陥部や端辺に露出して構成され
て成るシール層などから、わずかずつ侵入する空気など
のガスについては、それらガスを吸着するゲッター剤4
を内部に配して高真空状態が維持できるように構成され
ている。
きく影響する芯材2には、熱が伝達し難い物質を用いる
こと、材料間の接触面積を少なくすることによって物質
内を伝達する熱量を抑制すること、更に空隙を小さくす
ることによって輻射伝熱を抑制することが有効である。
この様な条件を満たす物質として、樹脂やガラスなどの
多孔体が多く用いられ、特に、ガラス繊維のマットや連
続気泡を有する樹脂発泡体のボード、あるいは樹脂や無
機物の微粒子の成型品を適用することが好ましい。例え
ば、特開昭60−71881号公報ではパーライト粉
末、特開昭60−243471号公報ではPUF粉砕品
を、各々、合成樹脂袋に投入してボード状に真空パック
したものが提案されている。この他、特開昭60−20
5164号公報では連通気泡の硬質ウレタンフォーム
を、特開平4−218540号公報では熱可塑性ウレタ
ン樹脂の粉体を焼結させた板状成形品を、さらに特開平
7−96580号公報ではガラスの長繊維を無機微粉末
にフィビリル化した樹脂繊維により固化保持したボード
を、各々、真空断熱パネルのコア材として応用すること
が提案されている。
ネルの形状は平板状で、図10に示すような工程により
製造される。まず、一枚のシートを中央で折り曲げて合
わせた左右側辺部をシールするか、または二枚のシート
を重ねて三方をシールをして袋状に成形した包装材3に
芯材2を挿入する(S−1)。続いて、この芯材2が挿
入された包装材3を、真空包装機5にあるシール用加圧
装置6の先端にある融着ヒータ7間に、残りの開口部で
ある端辺8を挟み込むようにして固定する(S−2)。
次に、真空包装機5の内部を1torr以下、好ましく
は10-2torr以下の真空状態を維持しつつ、熱板を
閉じ加熱することによって包装材3の合わせ面である内
装を構成する高密度ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を
溶融、溶着して、端辺8のシールを行う(Sー3)。最
後に、真空包装機5の真空状態を解除して、真空断熱パ
ネル1を取り出す(Sー4)。
体の製造方法を、図11に示した工程図に基づいて説明
する。まず、断熱箱体の外側を構成する外箱の任意の位
置に両面テープなどを用いて真空断熱パネルを固定配設
する(S−11)。続いて、この外箱に、断熱箱体の内
側を構成する内箱を挿入して勘合させることによって、
断熱箱体の外殻箱体を完成させる(S−12)。外殻箱
体には、その他必要な部材が組み込まれる(Sー1
3)。次に、この外殻箱体を、その背面が上側にある状
態で発泡ウレタンの発泡圧による変形防止を目的として
治具に固定し、上になった背面板上にあって外殻箱体の
左右の側壁上に位置する注入口から、外殻箱体の前面に
ある開口部の左右側壁面のフランジ部分に向かって発泡
ウレタンの原料液を落下させて注入する。発泡ウレタン
は数秒後に発泡を開始して泡状で外殻内の間隙内を流動
し、間隙を充填する。発泡ウレタンを構成する樹脂の硬
化が完了したならば、断熱層が形成されているので、こ
れを治具から取り出して、断熱箱体を得る(S−1
4)。
どの内装部品および冷却器などの冷媒回路部品を装着す
る製品組立を行い(S−15)、さらに、規程の冷却性
能の発現を確認するなどの製品検査を行って(S−1
6)、製品として断熱箱体を完成させる(S−17)。
パネルの形状は、厚さが10〜30mmの板状であり、冷
蔵庫の壁に組み込んだ状態で用いられる。つまり、真空
断熱パネルを貼り付けた外箱に内箱を挿入して合体させ
た後、発泡ウレタンなどの発泡樹脂の原料混合液を注入
して発泡成型させることによって断熱壁を形成する。こ
のため、冷蔵庫の場合、変形などにより意匠性を損なう
ことがないように、真空断熱パネルを配設した外殻内の
空隙を埋める発泡ウレタンを隙間なく充填する際に、真
空断熱パネルは棚受けなどの凹凸を有する内箱に配設す
るよりも、外箱面に接着剤などを用いて固定する方法が
多く用いられている。
真空断熱パネルを配設した外殻内の狭い間隙内に発泡し
ながら流動させることによって完全に充填させること
は、非常に困難を伴い、発泡に寄与するガスが膨張する
ときに高い圧力を発現させる条件下で発泡させることが
必要となる。従って、発泡に寄与するガスの量を多くす
ることによって、発泡時の高いガス膨張圧力は得られ
る。しかし、この一般的な手段によって発泡樹脂の完全
な充填を達成するには、過剰な発泡樹脂の原料混合液ま
たは発泡ガスが外殻内に投入されることになるので、外
殻から発泡樹脂が洩れたり、発泡治具から脱型したとき
に外殻の変形量が大きくなるなどの問題が生じる。
り、外殻内の間隙が非常に狭くなるため、背面を上にし
て外殻内の空隙に発泡ウレタンの原料混合液を落下させ
て注入する方法では、外箱面または真空断熱パネル表面
に原料混合液が付着することが避けられない。このこと
は、その後に、断熱壁のフランジ面に滞留した原料混合
液が発泡を伴って上昇しながら充填するとき、上方の側
壁に付着して発泡した発泡ウレタンによってその充填が
阻害されて適正な充填形態を確保できないばかりか、ボ
イドなどの空隙を断熱壁内に残す場合もある。
開平8−61837号公報において、冷蔵庫などの薄い
断熱壁に発泡ウレタンを充填する方法として、断熱箱体
の前面開口部側と対向する背面を下にして、断熱箱体の
背面または側面や底面などの外周面から発泡ウレタンの
原料混合液を注入する方法が提案されている。特開昭5
9−9482号公報によれば、図12に示すように、内
箱9と外箱10で構成された断熱箱体の外殻における底
部に設けた注入口11に発泡ウレタン12の原料混合機
であるスプレーノズル13から原料混合液14をスプレ
ー状に散布することにより、背面外周にある断熱壁を充
填するだけなので発泡の距離が短くでき、発泡ウレタン
12の充填を容易に出来る。一方、特開平8−6183
7号公報によれば、図13に示すように、真空断熱パネ
ル1を配設した外箱10下部にある背面板15との空隙
内に原液分岐部材16を備えた注入口11を設けること
で、原液を各方向に良好に流すことができ、ひいては残
りの空隙への発泡ウレタン12の充填に要する距離を短
くできて、充填性に優れる。
方法を、少なくとも真空断熱パネルが背面に搭載して成
る断熱箱体に応用するには問題がある。例えば、スプレ
ー状に背面に発泡ウレタンの原料混合液を散布するの
は、背面を上にして上方から原料混合液を落下させた場
合と同様、背面の壁内に原料混合液が付着して均一に散
布できず、その後の発泡に伴う流動において、経路の途
中に原料混合液の付着物の発泡途中または完了したもの
の形成物によって適正な充填を阻害するという問題を発
生させる。
料混合液を背面と外周面の交差線上に向けて吐出する方
法を応用すれば、ある程度の勢いを持って吐出された場
合には原料混合液の先端部分での滞留が多くなり、そこ
を起点とした広がりを有して充填されるが、勢いが無く
吐出された場合には注入口近傍に多くの原料混合液が滞
留する。つまり、多くの場合、左右の側壁直下の背面部
から上下の2方向に向かって吐出された4点に多くの原
料混合液が滞留するので、その対向する交点に発泡ウレ
タンの充填に伴う広がりが合流すると、壁内の空気が逃
げ場の無い状態で残留して空気溜りを発生して密封さ
れ、それが未充填部分を形成するという不具合を発生さ
せる。
は、背面板との間にわずかながらも隙間を有することが
あり、その場合には原料混合液がその隙間に侵入した
後、真空断熱パネルを剥離するように発泡して膨張する
ので、発泡ウレタンの充填が完了した断熱箱体の外観に
は、発泡ウレタンが侵入した境界部分に線上の痕跡が現
れて、意匠性を損なうという不具合を生ずることもあ
る。
たものであり、真空断熱パネルを配設して狭くなった断
熱箱体の断熱壁に対し、壁内の充填を阻害する不用意な
原料混合液の付着部を形成すること無く、しかも流動の
距離を短くして充填が容易な発泡断熱材原料混合液の注
入方法を提供することを目的とする。
の製造方法は、断熱壁を構成する外殻の内部の空隙に発
泡断熱材の原料混合液を注入して前記空隙を充填する断
熱箱体の製造方法において、前記外殻の背面にある背面
板に真空断熱パネルを固定し、前記真空断熱パネルの厚
み面部と、前記外殻の側部にある前記外殻の外側板と、
前記背面板とにより構成される溝に、前記背面を下側に
した状態で、前記発泡断熱材の原料混合液を前記背面側
から前記外殻内へ注入するようにしたものである。
側板との間隙が、前記外殻による側壁の直下に位置する
ようにしたものである。
側板との間隙が、前記外殻による側壁の厚さに相当する
幅を有するようにしたものである。
部を、前記断熱箱体の室内を分割するデバイダに設ける
ようにしたものである。
る方向と前記真空断熱パネルの表面上とに吐出する複数
の吐出口を前記デバイダに設けるようにしたものであ
る。
ネルの端辺を押圧して該真空断熱パネルを前記背面板に
固定するように配設したものである。
態様を、図1〜図5を基に詳細を説明する。
を示す斜視図である。断熱箱体30はその周囲が断熱壁
を構成する外殻31で囲まれており、外殻31はその外
側を構成する金属製薄板などからなる外箱32と、AB
S樹脂などの樹脂成型品からなる内箱33とから構成さ
れる。そして、外殻31背面の背面板15と、外殻31
の左右側部を構成する外箱32の側板17には、真空断
熱パネル1が固定されている。また、背面板15の中央
付近には、内箱33を冷凍室34と冷蔵室35とに区画
するデバイダ19が挿入され、その一部によって真空断
熱パネル1の端辺20が押圧されて背面板15に密着さ
せられている。このとき、背面板15に配設した真空断
熱パネル1は、密着性を高める点から背面板15に対し
て凸状のわずかなソリを有していることが好ましい。図
2には、側板17及び背面板15の近傍におけるデバイ
ダ19の端部(図1のA部)断面図を示した。デバイダ
19の端部は、発泡ウレタンの原料混合液を外殻31内
部に注入するための注入部21を兼ねるように形成され
ている。すなわち、背面板15に設けられた注入口15
aからミキシングヘッド22のノズル23が挿入され
て、発泡ウレタンの原料混合液が噴射されると、その混
合液は注入部21に設けた箱体高さ方向へ向いた吐出口
24aと箱体幅方向へ向いた吐出口24bを介して、断
熱箱体の垂直と水平方向に送られる。
ート液とプレミックス液が混合されたものである。イソ
シアネート液とプレミックス液は個別のタンクに納めら
れており、個々のタンクからは個別の高圧ポンプと経路
を経てミキシングヘッド22に送液される。ミキシング
ヘッド22にはニードルバルブに近接したオリフィスが
備えられており、このオリフィスを経て両液が対向して
高圧で衝突することによって瞬時に混合できる。この混
合方法によれば、常温でガス状を呈する発泡剤を含んで
いても、短時間の気化に伴う微小気泡が生成するよりも
短い時間でノズル内に滞留するから、微小気泡を破壊す
るのを防止できる。さらに、均一で良好な混合状態を得
るにはオリフィスから吐出する高圧が必要であるが、8
0kg/cm2 以上、好ましくは120〜140kg/cm 2 の
吐出圧力を発生させる、例えばピストンシリンダーやア
キシャルプランジャー型の定量ポンプを用いれば問題は
ない。この高圧での衝突混合方法は、吐出の方向が如何
にあっても、混合の程度に影響することがないので、好
適に用いることができる。
は、図2の断面図に示すように、発泡ウレタンの原料混
合液の吐出口24a、24bが複数の方向に向かって開
口している。図3の断熱箱体背面部の構成図に示す如
く、最も外側にあって互いに反対方向を向いている左右
の注入部21については、真空断熱パネル1の端辺20
と側板17の間隙に原料混合液を流出させる役割を担う
ように吐出口24aの開口方向が調整されている。残り
の複数箇所にある吐出口24bは、背面板15上に配設
された真空断熱パネル1の表面上に原料混合液を流出さ
せる役割を担うように開口方向が調整されている。
に関する縦断面図、および図5の外殻の側部及び背面部
付近の概念図に基づいて、発泡ウレタン12の充填過程
を詳述する。原料混合液は、デバイダ19の注入部21
にある吐出口24aから真空断熱パネル1の厚み面部1
a、側板17、および背面板15で構成される溝26の
中に吐出された後、冷蔵庫の高さ方向に走るこの溝26
に沿って広がる。一方、残りの複数箇所にある吐出口2
4bから背面板15の上に配設した真空断熱パネル1の
表面上1bにある背面部の中央付近を中心とする比較的
広い面積に広がる。その後、発泡が開始されて、外殻3
1内の残りの空隙を充填することになるが、このとき、
背面にある真空断熱パネル1の表面上1bに散布された
原料混合液が背面部の中央付近から外側に泡となって広
がるが、高さ方向への空隙を残した早い時点での状態に
あるから、壁内の空気が逃げ場の無い状態には至らず
に、一体となって外周方向へと広がっていく。以上のよ
うにして、発泡ウレタン12は外殻31内の残りの空隙
を充填する。このとき、一方の側板17に沿って形成さ
れた溝26内に広がった泡が主に上方へと伸びるのに対
して、背面部に散布されて充填しつつある泡との合流
は、天井部または底部に近い位置で流動の方向が一致し
ているために、これも壁内の空気が逃げ場の無い状態に
陥ることがなく、従ってボイドなどの空隙を発生させる
ことがない。
合液が、外殻31により構成される左右の断熱壁内部の
空隙を充填するとき、その充填に必要な原料混合液の量
は、真空断熱パネル1の端辺20上を含む厚み面部1a
と側板17と背面板15とにより構成された溝に納めら
れて、側壁直下から他の領域に流出すること無しに拡散
する。つまり、注入された原料混合液が拡散した後の泡
状体で流動する距離は、基本的に、背面部では背面板1
5に配設された真空断熱パネル1上を、側板17に沿っ
て流入したものは側壁を流れ、これら両液の合流点にあ
る冷蔵庫の上下方向では、天井部と底部に各々が最短の
流動距離を経て外殻内を充填することになるので、原料
混合液は容易に狭い間隙をも通過することができる。
匠性についての向上効果を確認するために、実機におけ
る発泡ウレタンの充填量、および外殻壁面の平滑性に基
づく意匠性について、本発明の実施例を用いて評価し
た。内容積が230Lの冷凍冷蔵庫で、断熱壁の厚さが
約45mmである断熱箱体の背面板および側板に、厚さが
20mmの真空断熱パネルを幅が10mmの両面テープで固
定して配設した外殻を形成し、その背面を下にして50
℃に保温した発泡治具に格納して固定した後、発泡ウレ
タンの原料混合液を注入し充填させ断熱箱体を製作し
た。このときの真空断熱パネルの配設条件は、側板と真
空断熱パネルとの間隙量(特に、側板と真空断熱パネル
の厚み面部との間の間隙量)およびデバイダによる押圧
の有無であり、本実施例は、以下の表1に示したよう
に、本発明に規定する内容に基づいて製作したものであ
る。
30Lの冷凍冷蔵庫であり、断熱箱体の背面板および側
板に真空断熱パネルを両面テープで固定して配設したも
のを用い、断熱箱体の背面を下にした状態で発泡治具内
に収納して固定後、発泡ウレタンを充填して断熱箱体を
製作した。このときの真空断熱パネルを配設条件として
は、側板と真空断熱パネルとの間に間隙を設けないもの
(比較例1)、その間隙を幅の広い状態で設けたもの
(比較例2)、デバイダで真空断熱パネルの端辺を押圧
しないもの(比較例3)の3つであり、これらの条件に
よる比較例1〜3の詳細を、表1に実施例と併記して示
した。
タンの最少充填量を求めた。これらの断熱箱体の製造は
図10に示す工程図に従って行ったが、原料混合液の注
入量は、真空断熱パネルを配設した外殻内の空隙容積と
発泡ウレタンの予想密度から算出した注入量を投入して
充填状況の過不足を調整し、必要に応じて再度の注入に
よる充填状況の確認を繰り返しながら、10〜50ccの
わずかな空隙が残る程度の充填状況に達した注入量を基
準として求めた。
面の平滑性に基づく意匠性を評価した。具体的には、背
面部分を中心とする断熱箱体の外箱の平滑性を、目視に
て評価した。背面に発泡ウレタンのみを断熱材として用
いている従来の冷蔵庫の外観と比較して、劣っている場
合には×、同等の場合には△、優れている場合には○に
て示した。上記(1)、(2)の評価結果は、以下の表
2に示した。
冷蔵庫の任意の場所から採取した発泡ウレタンのコア部
分における見掛けの密度を測定することによって、その
分布状態を評価した。密度は、採取した発泡ウレタンの
ほぼ中央付近から、50×50×10mmの大きさに裁断
した試料の重量を求め、さらに、その各辺の寸法をノギ
スを用いて測定して求めた見掛けの体積で除することに
よって求めた。その評価結果は、以下の表3に示した。
「F」は図6の冷凍室左面52と右面53の平均値、
「R」は図6の冷蔵室左面54と右面55の平均値、
「底」は図6の底面58、「背」は図6の冷凍室背面5
6と冷蔵室背面57の平均値を示す。
る実施例における発泡ウレタンの最少充填量が4. 7kg
であったのに対し、外殻の側板と真空断熱パネルの間隙
を設けない比較例1では5. 2kg、側板と真空断熱パネ
ルとの間隙をかなり広く設けた比較例2では5. 5kg、
真空断熱パネルをデバイダで押圧しない比較例3では
5. 3kgと、発泡ウレタンの流入量は何れの比較例も本
実施例より多く必要であった。これらの断熱箱体におけ
る密度分布の測定結果を比較すれば、本発明による実施
例に対し、何れの比較例においても分布量の差が大き
く、最大と最少の差異は表3から読みとれるように、実
施例1では1. 2kg/ m3 であるのに対し、比較例1で
は2. 4kg/ m3 、比較例2では2. 9kg/ m3 であっ
た。
る各壁面の密度分布は、本実施例に比べて比較例1、2
で高くなった。これは、比較例1では注入部周辺にある
背面中央部に発泡ウレタンの原料混合液が滞留したこ
と、比較例2では外殻の側板と真空断熱パネルの間隙が
広すぎることによって箱体の高さ方向への原料混合液の
充分な拡散が得られなかったことに起因して発泡による
充填のための流動距離が長くなりすぎて背面部分に発泡
時の圧力が上昇するとともに、最終充填部分の密度が上
昇したことによる。これに対し、実施例では、発泡ウレ
タンの原料混合液を注入した後の発泡ウレタンが外殻内
を充填する態様として、最短の流動距離を有して発泡時
に局部的な圧力を受けることが無いので、均一な密度分
布を得て、より少ない注入量で充填できるものと推測で
きる。
性に基づく意匠性は、本実施例では従来のものに比べ優
れていたのに対して、比較例1〜3では従来のものと同
等かそれより劣る結果となった。発泡ウレタンの成形金
型から脱型した直後の発泡圧力の開放挙動、温度変化や
発泡ガスの飛散に伴う内圧変化などに応答してもたらさ
れる膨張または収縮量は、断熱壁の密度分布に基づいた
差異を有して分布する。この膨張または収縮量が凹凸と
なって外殻壁面の意匠性を損なうことになるので、表3
にて示した密度の分布に対応して、従来の注入方法であ
る比較例に比べて密度分布が小さい本実施例の意匠性が
優れた結果になったと推測する。
で真空断熱パネルを押圧しない比較例3の最少充填量が
増加したことに関しては、背面板と真空断熱パネルの間
隙に多くの発泡ウレタンの流入が確認できたことから、
背面板から真空断熱パネルが剥離して浮き上がり、そこ
に発泡ウレタンが流入した結果、外観の悪化と充填量の
増加を来したものと思われる。
ネルの端辺をデバイダで押圧して、背面板と真空断熱パ
ネルの間に発泡ウレタンの流入を防止した態様のみを述
べたが、側壁面に配設した真空断熱パネルについても同
様に対処することができる。例えば、図7に示すよう
に、背面板15と側板17とのそれぞれに固定された真
空断熱パネル1の端辺を、デバイダ19の注入部21で
押圧することは、背面板15や側板17と真空断熱パネ
ル1との接触面間に発泡ウレタンの流入を防止するため
に、特に有効である。
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、車載
用小型冷蔵庫やプレハブ式簡易冷蔵庫、保冷車やパイプ
や建築物の保温材など、保温および保冷用製品の断熱用
部品としての応用も可能であり、その要旨を脱し得ない
範囲で種々変形して実施することができる。
製造方法によれば、断熱壁を構成する外殻の内部の空隙
に発泡断熱材の原料混合液を注入して空隙を充填する断
熱箱体の製造方法において、外殻の背面にある背面板に
真空断熱パネルを固定し、真空断熱パネルの厚み面部
と、外殻の側部にある外殻の外側板と、背面板とにより
構成される溝に、背面を下側にした状態で、発泡断熱材
の原料混合液を背面側から外殻内へ注入するため、注入
した発泡断熱材の原料混合液が溝に沿って効率よく流動
して拡散でき、その後の発泡を伴う充填に要する距離が
短縮されて、均一な充填が達成される。
造方法によれば、真空断熱パネルの厚み面部と外側板と
の間隙が、外殻により構成される側壁の直下に位置する
ため、注入した発泡断熱材の原料混合液の拡散位置が充
填の端部である側壁直下になり、外殻内への発泡断熱材
の充填を容易に行うことが出来る。
造方法によれば、真空断熱パネルの厚み面部と外側板と
の間隙が、外殻により構成される側壁の厚さに相当する
幅を有するため、間隙内に滞留した発泡断熱材の原料混
合液が速やかに流れて効率よく拡散することが出来る。
造方法によれば、発泡断熱材の原料混合液の注入部を、
断熱箱体の室内を分割するデバイダに設けたので、別途
部品を設けることなしに、効率よく発泡断熱材の原料混
合液を滞留させることがことが出来る。
造方法によれば、注入された原料混合液を溝の走る方向
と真空断熱パネルの表面上とに吐出する複数の吐出口を
デバイダに設けたので、効率よく所望する位置に発泡断
熱材の原料混合液を送ることが出来る。
造方法によれば、デバイダが真空断熱パネルの端辺を押
圧して背面板に固定するようにしたので、注入した発泡
断熱材の原料混合液が外殻面と真空断熱パネルの間隙に
流入するのを抑制するとともに、たとえ流入しても発泡
による凸状の変形を抑止でき、外観意匠性に優れた断熱
箱体を得ることが可能となる。
図である。
デバイダの端部断面図である。
る。
面図である。
付近の概念図である。
構成する各面の展開図である。
概念図である。
る。
ある。
る従来方法を示す断面図である。
る別の従来方法を示す断面図である。
板、17 側板、19デバイダ、21 注入部、24
a、24b 吐出口、26 溝、30 断熱箱体、31
外殻、32 外箱、33 内箱。
Claims (6)
- 【請求項1】 断熱壁を構成する外殻の内部の空隙に発
泡断熱材の原料混合液を注入して前記空隙を充填する断
熱箱体の製造方法において、 前記外殻の背面にある背面板に真空断熱パネルを固定
し、 前記真空断熱パネルの厚み面部と、前記外殻の側部にあ
る前記外殻の外側板と、前記背面板とにより構成される
溝に、前記背面を下側にした状態で、前記発泡断熱材の
原料混合液を前記背面側から前記外殻内へ注入すること
を特徴とする断熱箱体の製造方法。 - 【請求項2】 真空断熱パネルの厚み面部と前記外側板
との間隙が、前記外殻による側壁の直下に位置すること
を特徴とする請求項1に記載の断熱箱体の製造方法。 - 【請求項3】 真空断熱パネルの厚み面部と前記外側板
との間隙が、前記外殻による側壁の厚さに相当する幅を
有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
断熱箱体の製造方法。 - 【請求項4】 前記発泡断熱材の原料混合液の注入部
を、前記断熱箱体の室内を分割するデバイダに設けるこ
とを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の断熱箱
体の製造方法。 - 【請求項5】 注入された原料混合液を前記溝の走る方
向と前記真空断熱パネルの表面上とに吐出する複数の吐
出口を前記デバイダに設けたことを特徴とする請求項4
に記載の断熱箱体の製造方法。 - 【請求項6】 前記デバイダを、前記真空断熱パネルの
端辺を押圧して該真空断熱パネルを前記背面板に固定す
るように配設することを特徴とする請求項4又は5に記
載の断熱箱体の製造方法。
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- 1998-10-26 JP JP30379298A patent/JP3820538B2/ja not_active Expired - Lifetime
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