JP2000130482A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

電動ブレーキ装置

Info

Publication number
JP2000130482A
JP2000130482A JP10290375A JP29037598A JP2000130482A JP 2000130482 A JP2000130482 A JP 2000130482A JP 10290375 A JP10290375 A JP 10290375A JP 29037598 A JP29037598 A JP 29037598A JP 2000130482 A JP2000130482 A JP 2000130482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
actual
motor current
voltage
act
braking force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10290375A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4214576B2 (ja
Inventor
Satoru Niwa
悟 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP29037598A priority Critical patent/JP4214576B2/ja
Publication of JP2000130482A publication Critical patent/JP2000130482A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4214576B2 publication Critical patent/JP4214576B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】モータにより駆動される加圧部材が摩擦材に係
合させられ、それらモータと加圧部材とによって摩擦材
が、車輪と共に回転する回転体に接触させられて加圧さ
れる電動ブレーキを備えた電動ブレーキ装置において、
安価なセンサによりモータを制御可能とする。 【解決手段】加圧部材が駆動されたストロークを検出す
るストロークセンサ72を設けるとともに、電子制御ユ
ニットECU90を、そのストロークセンサ72により
検出される実ストロークが目標ストロークと実質的に等
しくなるようにモータ12を制御するものとする。スト
ロークセンサ72は、加圧部材により摩擦材が加圧され
る力を検出するセンサより安価であるのが普通であるた
め、電動ブレーキ装置を安価に製造可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータを駆動源と
する電動ブレーキを備えた電動ブレーキ装置に関するも
のであり、特に、そのモータを制御する技術の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】その電動ブレーキ装置の一従来例が特開
昭63−242764号公報に記載されている。これ
は、(a) 車輪と共に回転する回転体に対する接触・離間
が可能な摩擦材に、モータにより駆動される加圧部材が
係合させられ、それらモータと加圧部材とにより摩擦材
が回転体に接触させられて加圧されることにより、車輪
の回転を抑制する電動ブレーキと、(b) 加圧部材が摩擦
材を加圧する加圧力または車輪制動力であるブレーキ関
連力を検出する力センサと、(c) その力センサの出力信
号に基づいてモータを制御するモータ制御装置とを含む
ように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および発
明の効果】この従来の電動ブレーキ装置においては、モ
ータを制御するために力センサが必要である。しかし、
力センサは一般に、加圧部材等、運動部材の運動量を検
出するセンサや、モータ等、電気部品に供給された電流
・電圧を検出するセンサに比較して高価である。このよ
うな事情を背景として、本発明は、安価なセンサにより
モータを制御し得る電動ブレーキ装置を提供することを
課題としてなされたものである。その課題は、本発明の
下記の各態様によって解決される。なお、以下の説明に
おいて、本発明の各態様をそれぞれに項番号を付して請
求項と同じ形式で記載する。各項に記載の特徴を組み合
わせて採用することの可能性を明示するためであり、こ
こに記載された組合せ以外の組合せを採用することの可
能性を排除したり、ここに記載された特徴以外の特徴を
採用することの可能性を排除するものではない。
【0004】(1) 車輪と共に回転する回転体に対する接
触・離間が可能な摩擦材に、モータにより駆動される加
圧部材が係合させられ、それらモータと加圧部材とによ
り摩擦材が回転体に接触させられて加圧されることによ
り、車輪の回転を抑制する電動ブレーキと、前記加圧部
材が駆動された駆動量を検出する駆動量センサと、その
駆動量センサにより検出された実駆動量に基づいて前記
モータを制御するモータ制御装置とを含むことを特徴と
する電動ブレーキ装置〔請求項1〕。駆動量センサは一
般に、前記力センサと比較して安価である。したがっ
て、この装置によれば、安価なセンサによりモータを制
御し得る。この装置において「電動ブレーキ」はディス
ク式としたり、ドラム式とすることができる。「摩擦
材」は、「電動ブレーキ」がディスク式である場合には
摩擦パッドとなり、ドラム式である場合にはブレーキラ
イニングまたはブレーキシューとなる。また、「加圧部
材」の駆動量は、「加圧部材」が直線運動させられるも
のである場合にはストローク(移動させられた距離)を
意味し、一方、「加圧部材」が回転運動させられる場合
には回転させられた角度を意味することとなる。よっ
て、「駆動量センサ」は、ストロークセンサとして構成
したり、回転センサとして構成することができる。ま
た、「加圧部材」の駆動量は、その物理的意義を考える
と、摩擦材が回転体に接触せず、摩擦材が弾性的に変形
しない状態では、摩擦材の位置変化量として把握するこ
とができる。一方、摩擦材が回転体に接触し、摩擦材が
実質的に弾性変形する状態では、摩擦材の位置、特に、
回転体との接触位置は実質的に変化せず、摩擦材の弾性
変形量が変化するため、この状態においては、「加圧部
材」の駆動量は、摩擦材の弾性変形量として把握するこ
とができる。 (2) 前記モータが、ロータを含み、前記加圧部材が、直
線運動させられるものであり、前記電動ブレーキが、前
記ロータの回転運動を前記加圧部材の直線運動に変換す
る運動変換機構を含み、前記駆動量センサが、(a) 前記
ロータの回転位置と回転数との少なくとも一方を検出す
る検出部と、(b) その検出部による検出値と、前記運動
変換機構がロータの回転運動を加圧部材の直線運動に変
換する速度比率とに基づき、前記加圧部材の実駆動量を
演算する演算部とを含む(1) 項に記載の電動ブレーキ装
置。前項に記載の装置における「駆動量センサ」は、加
圧部材が駆動された駆動量を直接に検出する形式とする
ことができる。一方、モータが、回転運動させられるロ
ータを含み、加圧部材が、直線運動させられるものであ
り、電動ブレーキが、ロータの回転運動を加圧部材の直
線運動に変換する運動変換機構を含む電動ブレーキ装置
においては、ロータの回転位置と回転数との少なくとも
一方と、運動変換機構がロータの回転運動を加圧部材の
直線運動に変換する速度比率とが分かれば、そのセンサ
による検出値から加圧部材の実駆動量を演算できる。一
方、電動ブレーキ装置においては、モータをフィードバ
ック制御するために、ロータの回転位置と回転数との少
なくとも一方を検出するセンサが設けられる場合があ
る。このような知見に基づき、本項に記載の装置におい
ては、駆動量センサが、(a) ロータの回転位置と回転数
との少なくとも一方を検出する検出部と、(b) その検出
部による検出値と運動変換機構の速度比率とに基づき、
加圧部材の実駆動量を演算する演算部とを含むものとさ
れている。したがって、この装置によれば、ロータの回
転の検出と加圧部材の駆動量の検出とを同じセンサによ
り実行可能となるため、別々にセンサを設ける場合に比
較して装置コストの節減を容易に図り得る。 (3) さらに、前記モータに供給された電流または電圧で
ある実モータ電流・電圧を検出するモータ電流・電圧セ
ンサを含み、前記モータ制御装置が、前記駆動量センサ
と前記モータ電流・電圧センサとによりそれぞれ検出さ
れた実駆動量と実モータ電流・電圧とに基づいて実モー
タ電流・電圧を制御するものである(1)または(2) 項に
記載の電動ブレーキ装置〔請求項2〕。摩擦材が回転体
に接触した状態においては、摩擦材が加圧部材により加
圧される力の実際値(実加圧力)と実駆動量との関係
が、摩擦材の剛性値によって変化する。ここに、摩擦材
の剛性値は、摩擦材の硬さを表すものであり、また、摩
擦材が弾性を有することに着目すれば、摩擦材の弾性係
数を表すものであるということができ、また、それら実
加圧力と実駆動量とが比例関係を有すると仮定すること
ができる場合には、摩擦材の比例定数を表すものである
ということができる。いずれにしても、摩擦材の剛性値
は、常に一定であるわけではなく、摩擦材の摩耗等によ
って変化する。そのため、このような性質の下におい
て、実駆動量のみに基づいてモータを制御することとし
た場合には、モータを常に精度よく制御することが困難
となる。これに対して、本項に記載の装置においては、
実駆動量のみならず実モータ電流・電圧にも基づいて実
モータ電流・電圧が制御される。一方、実モータ電流・
電圧は、実加圧力との関係につき、摩擦材の剛性値の影
響を受けないものである。したがって、この装置によれ
ば、実駆動量に基づいて実モータ電流・電圧を制御する
際の欠点、すなわち、摩擦材の剛性値の影響を受け易い
という欠点を、実モータ電流・電圧を用いることによ
り、解消または軽減可能となる。この装置において「モ
ータ電流・電圧センサ」は、モータ電流を検出するモー
タ電流センサとしたり、モータ電圧を検出するモータ電
圧センサとすることができる。すなわち、「電流・電
圧」という表記は、電流または電圧という意味で用いら
れているのである。 (4) 前記モータ制御装置が、前記駆動量センサと前記モ
ータ電流・電圧センサとにより互いに実質的に同じ時期
にそれぞれ検出された実駆動量と実モータ電流・電圧と
に基づいて前記摩擦材の実剛性値を推定し、その推定さ
れた実剛性値を考慮して実モータ電流・電圧を制御する
ものである(3) 項に記載の電動ブレーキ装置。 (5) 前記モータ制御装置が、車輪制動力を増加させるこ
とが必要である場合であるか減少させることが必要であ
る場合であるかを問わず、前記駆動量センサにより検出
される実駆動量が目標駆動量と実質的に等しくなるよう
に前記モータの実モータ電流・電圧を制御する第1制御
手段を含む(1) ないし(4) 項のいずれかに記載の電動ブ
レーキ装置〔請求項3〕。この装置によれば、後述の(1
0)項に記載の装置におけるとは異なり、車輪制動力の増
加必要時であるか減少必要時であるかによってモータを
制御する基本的な方式を異ならせることが不要となる。 (6) さらに、前記モータに供給された電流または電圧で
ある実モータ電流・電圧を検出するモータ電流・電圧セ
ンサを含み、前記第1制御手段が、(a) 前記摩擦材が前
記加圧部材により加圧されることを要求される要求加圧
力が、前記摩擦材の実剛性値が標準値である場合に対応
する加圧部材の駆動量を標準駆動量として決定し、その
決定した標準駆動量を補正係数で補正した値を前記目標
駆動量に決定する目標駆動量決定手段と、(b) 前記補正
係数を、前記要求加圧力と前記モータ電流・電圧センサ
により検出された実モータ電流・電圧とに基づいて決定
する補正係数決定手段とを含む(5) 項に記載の電動ブレ
ーキ装置〔請求項4〕。この装置においては、実駆動量
が目標駆動量と実質的に等しくなるように実モータ電流
・電圧を制御する際に、摩擦材の実剛性値を考慮して目
標駆動量が決定される。よって、この装置によれば、実
モータ電流・電圧を用いることにより、目標駆動量の決
定精度が向上する。 (7) 前記補正係数決定手段が、車輪制動力を増加させる
ことが必要である場合と減少させることが必要である場
合とのうち予め定められたいずれか一方において、前記
要求加圧力を取得するとともに、前記モータ電流・電圧
センサにより実モータ電流・電圧を検出し、その取得さ
れた要求加圧力とその検出された実モータ電流・電圧と
に基づいて前記補正係数を決定するものである(6) 項に
記載の電動ブレーキ装置〔請求項5〕。実モータ電流・
電圧と実加圧力との関係は、摩擦材の実剛性値が変化し
ても変化しない。しかし、それら実モータ電流・電圧と
実加圧力との間にはヒステリシス特性が存在する。同じ
実モータ電流・電圧に対応する実加圧力が、実モータ電
流・電圧の増加時すなわち車輪制動力を増加させること
が必要である時と、実モータ電流・電圧の減少時すなわ
ち車輪制動力を減少させることが必要である時とで互い
に異なってしまうのである。しかし、実モータ電流・電
圧の増加時と減少時とのうち予め定められたいずれか一
方においてのみ、実モータ電流・電圧と実加圧力との関
係を取得し、その取得した関係に基づいて摩擦材の実剛
性値を推定することとすれば、そのようなヒステリシス
特性にもかかわらず、摩擦材の実剛性値を精度よく推定
可能となる。このような知見に基づき、本項に記載の装
置においては、車輪制動力を増加させることが必要であ
る場合と減少させることが必要である場合とのうち予め
定められたいずれか一方において、要求加圧力が取得さ
れるとともに、モータ電流・電圧センサにより実モータ
電流・電圧が検出され、その取得された要求加圧力とそ
の検出された実モータ電流・電圧とに基づいて補正係数
が決定される。 (8) 前記目標駆動量決定手段が、前記標準駆動量と前記
補正係数とを互いに掛け算することにより、前記目標駆
動量を決定する手段を含む(6) または(7) 項に記載の電
動ブレーキ装置。 (9) 前記補正係数決定手段が、前記要求加圧力を前記モ
ータ電流・電圧センサにより検出された実モータ電流・
電圧で割り算することにより、前記補正係数を決定する
手段を含む(6) ないし(8) 項のいずれかに記載の電動ブ
レーキ装置。 (10)前記モータ制御装置が、車輪制動力を増加させるこ
とが必要である場合には、前記モータ電流・電圧センサ
により検出される実モータ電流・電圧が目標モータ電流
・電圧と実質的に等しくなるように実モータ電流・電圧
を制御する一方、車輪制動力を減少させることが必要で
ある場合には、前記駆動量センサにより検出される実駆
動量が目標駆動量と実質的に等しくなるように実モータ
電流・電圧を制御する第2制御手段を含む(3) または
(4) 項に記載の電動ブレーキ装置〔請求項6〕。前述の
ように、実モータ電流・電圧と実加圧力との間にはヒス
テリシス特性が存在するが、実モータ電流・電圧の増加
時と減少時とのうち予め定められたいずれか一方のみに
おいてそれら実モータ電流・電圧と実加圧力との関係を
取得するのであれば、そのヒステリシス特性の影響を受
けない。また、実モータ電流・電圧の増加時と減少時と
のうち、上記いずれか一方に該当しないものにおいて
は、実駆動量に基づいて実モータ電流・電圧を制御する
ことができる。このような知見に基づき、本項に記載の
装置においては、車輪制動力を増加させることが必要で
ある場合には、実モータ電流・電圧が目標モータ電流・
電圧と実質的に等しくなるように実モータ電流・電圧が
制御される一方、車輪制動力を減少させることが必要で
ある場合には、実駆動量が目標駆動量と実質的に等しく
なるように実モータ電流・電圧が制御される。 (11)前記第2制御手段が、(a) 車輪制動力を増加させる
ことが必要である場合に、前記駆動量センサと前記モー
タ電流・電圧センサとにより互いに実質的に同じ時期に
それぞれ検出された実駆動量と実モータ電流・電圧とに
基づき、前記摩擦材の実剛性値を推定する実剛性値推定
手段と、(b) 車輪制動力を減少させることが必要である
場合に、その実剛性値推定手段により推定された実剛性
値に基づいて前記目標駆動量を決定する目標駆動量決定
手段とを含む(10)項に記載の電動ブレーキ装置〔請求項
7〕。前項に記載の装置においては、車輪制動力を減少
させることが必要である場合には、実駆動量が目標駆動
量と実質的に等しくなるように実モータ電流・電圧が制
御される。一方、前述のように、実駆動量と実加圧力と
の関係は、摩擦材の剛性値が変化すれば変化する。ま
た、車輪制動力を増加させることが必要である場合に、
実駆動量と実モータ電流・電圧との関係に基づいて摩擦
材の実剛性値を推定可能である。このような知見に基づ
き、本項に記載の装置においては、車輪制動力を増加さ
せることが必要である場合に、摩擦材の実剛性値が推定
されるとともに、車輪制動力を減少させることが必要で
ある場合には、その推定された摩擦材の実剛性値を考慮
することにより、目標駆動量が決定される。したがっ
て、この装置によれば、車輪制動力を減少させることが
必要である場合に、実駆動量に基づくモータ制御を精度
よく行い得る。 (12)前記実剛性値推定手段が、(a) 前記モータ電流・電
圧センサにより検出された実モータ電流・電圧に基づい
て実加圧力を推定し、その推定された実加圧力を、前記
モータ電流・電圧センサと実質的に同じ時期に前記駆動
量センサにより検出された実駆動量で割り算することに
より、前記実剛性値を推定するものである(11)項に記載
の電動ブレーキ装置。 (13)前記目標駆動量決定手段が、要求加圧力から前記実
加圧力を引き算した値を前記推定された実剛性値で割り
算し、その値に前記目標駆動量の最新値を足し算するこ
とにより、目標駆動量の今回値を決定するものである(1
1)または(12)項に記載の電動ブレーキ装置。 (14)モータを駆動源として車輪の回転を抑制する電動ブ
レーキと、そのモータを制御するモータ制御装置であっ
て、車輪制動力を増加させた後であって、車輪制動力を
減少させる前において、車輪制動力が実質的に減少しな
い範囲で、モータに供給される電流または電圧を減少さ
せるものとを含むことを特徴とする電動ブレーキ装置。
この装置によれば、モータ電流・電圧と車輪制動力との
間にヒステリシス特性が存在し、その結果、モータ電流
・電圧を減少させても車輪制動力が減少しない、いわゆ
る不感帯が存在する場合にもかかわらず、車輪制動力を
減少させることが必要となった場合に、車輪制動力を素
早く減少可能となる。すなわち、車輪制動力を減少させ
る際の電動ブレーキの応答性が向上するのである。この
装置は、前記(1) ないし(13)項のいずれかに記載の電動
ブレーキ装置と組み合わせて実施することが可能であ
る。 (15)前記モータ制御装置が、前記モータの実モータ電流
・電圧が増加させられることにより、実車輪制動力が増
加させられて目標車輪制動力に到達した後、実車輪制動
力を保持することが必要となった場合に、実車輪制動力
が目標車輪制動力より実質的に減少しない範囲で、実モ
ータ電流・電圧を減少させる第3制御手段を含む(1) な
いし(13)項のいずれかに記載の電動ブレーキ装置〔請求
項8〕。電動ブレーキには、実モータ電流・電圧と実車
輪制動力との間に、実モータ電流・電圧を減少させても
実車輪制動力が減少しないヒステリシス特性を有する形
式がある。そのようなヒステリシス特性は特に、モータ
と加圧部材との間に、ボールねじ機構,ローラねじ機構
等、モータの回転運動を加圧部材の直線運動に変換する
運動変換機構が介在させられる場合に顕著である。これ
に対して、本項に記載の電動ブレーキ装置においては、
そのようなヒステリシス特性が積極的に利用されること
により、実車輪制動力を保持することが必要となった場
合に、実車輪制動力が実質的に減少しない範囲で、実モ
ータ電流・電圧が減少させられる。したがって、この電
動ブレーキ装置によれば、モータによる消費電力の節減
が可能となる。 (16)前記電動ブレーキが、実モータ電流・電圧と実車輪
制動力との間に、実モータ電流・電圧を減少させても実
車輪制動力が減少しないヒステリシス特性を有するもの
である(15)項に記載の電動ブレーキ装置。 (17)前記第3制御手段が、実モータ電流・電圧の前記減
少を、実車輪制動力が目標車輪制動力より減少し始める
時期と実質的に等しい時期まで行う手段を含む(15)また
は(16)項に記載の電動ブレーキ装置〔請求項9〕。この
電動ブレーキ装置によれば、実車輪制動力を保持するこ
とが必要であった後に、実車輪制動力を減少させること
が必要となった場合に、上記ヒステリシス特性の存在に
もかかわらず、実車輪制動力を直ちに減少させることが
可能となり、その結果、電動ブレーキの作動応答性が向
上する。 (18)前記モータ制御装置が、さらに、実車輪制動力が目
標車輪制動力より0でない設定値以上小さくならない限
り、実モータ電流・電圧を増加させないで保持する第4
制御手段を含む(15)ないし(17)項のいずれかに記載の電
動ブレーキ装置〔請求項10〕。前記(15)ないし(17)項
のいずれかに記載の電動ブレーキ装置は、モータ制御装
置が、さらに、実車輪制動力が目標車輪制動力よりわず
かでも小さくなると、実モータ電流・電圧を増加させる
手段を含む態様で実施することができる。しかし、この
態様においては、実車輪制動力が目標車輪制動力に到達
した後、実モータ電流・電圧の減少が行われ、その減少
によって実車輪制動力が目標車輪制動力よりわずかでも
小さくなると、実モータ電流・電圧の増加が行われ、そ
の後、その増加によって実車輪制動力が目標車輪制動力
に到達すると、実モータ電流・電圧の減少が行われる。
このように、この態様においては、実モータ電流・電圧
の減少・増加が頻繁に繰り返される可能性がある。これ
に対して、本項に記載の電動ブレーキ装置においては、
実車輪制動力が目標車輪制動力より0でない設定値以上
小さくならない限り、実モータ電流・電圧が増加させら
れずに保持される。したがって、この電動ブレーキ装置
によれば、結局、目標車輪制動力に対してそれの減少側
に、実車輪制動力が目標車輪制動力から外れることを許
容する許容範囲が設定されることとなる。ここにおい
て、目標車輪制動力に対して許容範囲を設定すること
は、実車輪制動力に、その実車輪制動力が変化しても実
モータ電流・電圧が変化しない不感帯を設定することを
意味する。よって、この電動ブレーキ装置によれば、実
車輪制動力を保持することが必要である場合において実
モータ電流・電圧のハンチングが抑制される。 (19)前記モータ制御装置が、さらに、実車輪制動力が目
標車輪制動力より大きいが、その目標車輪制動力より0
でない設定値以上は大きくない場合に、実モータ電流・
電圧を保持し、設定値以上大きくなった後に、実モータ
電流・電圧を減少させる第5制御手段を含む(15)ないし
(18)項のいずれかに記載の電動ブレーキ装置。この電動
ブレーキ装置においては、実車輪制動力が目標車輪制動
力を超えても直ちには実モータ電流・電圧が減少させら
れない。したがって、この電動ブレーキ装置によれば、
実車輪制動力が目標車輪制動力を超えると直ちに実モー
タ電流・電圧が減少させられる場合に比較して、実モー
タ電流・電圧のハンチングが抑制される。 (20)モータを駆動源として車輪の回転を抑制する電動ブ
レーキと、そのモータを制御するモータ制御装置であっ
て、前記モータの実モータ電流・電圧が増加させられる
ことにより、実車輪制動力が目標車輪制動力に到達した
後、実車輪制動力を保持することが必要となった場合
に、実車輪制動力が目標車輪制動力より実質的に減少し
ない範囲で、実モータ電流・電圧を減少させる電流・電
圧減少手段を有するものとを含むことを特徴とする電動
ブレーキ装置。前述のように、電動ブレーキには、実モ
ータ電流・電圧と実車輪制動力との間に、実モータ電流
・電圧を減少させても実車輪制動力が減少しないヒステ
リシス特性を有する形式がある。また、前述のように、
そのようなヒステリシス特性は特に、モータと加圧部材
との間に、ボールねじ機構,ローラねじ機構等、モータ
の回転運動を加圧部材の直線運動に変換する運動変換機
構が介在させられる場合に顕著である。これに対して、
本項に記載の電動ブレーキ装置においては、そのような
ヒステリシス特性が積極的に利用されることにより、実
車輪制動力を保持することが必要となった場合に、実車
輪制動力が実質的に減少しない範囲で、実モータ電流・
電圧が減少させられる。したがって、この電動ブレーキ
装置によれば、モータによる消費電力の節減が可能とな
る。 (21)前記電動ブレーキが、実モータ電流・電圧と実車輪
制動力との間に、実モータ電流・電圧を減少させても実
車輪制動力が減少しないヒステリシス特性を有するもの
である(20)項に記載の電動ブレーキ装置。 (22)前記電流・電圧減少手段が、実モータ電流・電圧の
前記減少を、実車輪制動力が減少し始める時期と実質的
に等しい時期まで行う手段を含む(20)または(21)項に記
載の電動ブレーキ装置。この電動ブレーキ装置によれ
ば、実車輪制動力を保持することが必要であった後に、
実車輪制動力を減少させることが必要となった場合に、
上記ヒステリシス特性の存在にもかかわらず、実車輪制
動力を素早く減少させることが可能となり、その結果、
電動ブレーキの作動応答性が向上する。 (23)前記モータ制御装置が、さらに、実車輪制動力が目
標車輪制動力より前記設定値以上小さくならない限り、
実モータ電流・電圧を増加させないで保持する第4制御
手段を含む(20)ないし(22)項のいずれかに記載の電動ブ
レーキ装置。前記(20)ないし(22)項のいずれかに記載の
電動ブレーキ装置は、モータ制御装置が、さらに、実車
輪制動力が目標車輪制動力よりわずかでも小さくなる
と、実モータ電流・電圧を増加させる手段を含む態様で
実施することができる。しかし、この態様においては、
実車輪制動力が目標車輪制動力に到達した後、実モータ
電流・電圧の減少が行われ、その減少によって実車輪制
動力が目標車輪制動力よりわずかでも小さくなると、実
モータ電流・電圧の増加が行われ、その後、その増加に
よって実車輪制動力が目標車輪制動力に到達すると、実
モータ電流・電圧の減少が行われる。このように、この
態様においては、実モータ電流・電圧の減少・増加が頻
繁に繰り返される可能性がある。これに対して、本項に
記載の電動ブレーキ装置においては、実車輪制動力が目
標車輪制動力より0でない設定値以上小さくならない限
り、実モータ電流・電圧が増加させられずに保持され
る。したがって、この電動ブレーキ装置によれば、結
局、目標車輪制動力に対してそれの減少側に、実車輪制
動力が目標車輪制動力から外れることが許容される許容
範囲が設定されることとなる。ここにおいて、目標車輪
制動力に対して許容範囲を設定することは、実車輪制動
力に、その実車輪制動力が変化しても実モータ電流・電
圧が変化しない不感帯を設定することを意味する。よっ
て、この電動ブレーキ装置によれば、実車輪制動力を保
持することが必要である場合において実モータ電流・電
圧のハンチングが抑制される。 (24)前記モータ制御装置が、さらに、実車輪制動力が目
標車輪制動力より大きいが、その目標車輪制動力より0
でない設定値以上は大きくない場合に、実モータ電流・
電圧を保持し、設定値以上大きくなった後に、実モータ
電流・電圧を減少させる第5制御手段を含む(20)ないし
(23)項のいずれかに記載の電動ブレーキ装置。この電動
ブレーキ装置においては、実車輪制動力が目標車輪制動
力を超えても直ちには実モータ電流・電圧が減少させら
れない。したがって、この電動ブレーキ装置によれば、
実車輪制動力が目標車輪制動力を超えると直ちに実モー
タ電流・電圧が減少させられる場合に比較して、実モー
タ電流・電圧のハンチングが抑制される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0006】本発明の第1実施形態である電動ブレーキ
装置は4輪車両に搭載されている。このブレーキ装置
は、4輪である左右前輪FL,FRと左右後輪RL,R
Rとにおいて4個のディスクブレーキをそれぞれ備えて
いる。各ディスクブレーキは、モータとしてのDCモー
タを駆動源とする電動ブレーキである。それら4輪分の
ディスクブレーキのうちの一つが図1に代表的に示され
ている。以下、この図に基づいてディスクブレーキの構
造を説明する。
【0007】このディスクブレーキ10においてDCモ
ータ(以下、単に「モータ」という。)12は、ステー
タ14とロータ16とが同軸に相対回転可能に配置され
て構成されている。ステータ14は、コイル18がコア
20に巻き付けられて構成されている。これに対して、
ロータ16は、周方向においてN極とS極とに交互に着
磁された永久磁石22をステータ14に対向する位置に
備えている。
【0008】このディスクブレーキ10は、さらに、
(a) 車輪と共に回転するディスク(回転体)30と、
(b) そのディスク30の両側においてディスク30を挟
むように配置された一対の摩擦パッド(摩擦材)32
a,32bと、(c) ディスク30を跨いでそれら一対の
摩擦パッド32a,32bを保持するキャリパ34とを
備えている。キャリパ34は固定部材に、ディスク30
に対してそれの軸線方向に摺動可能に取り付けられる。
このキャリパ34には、一方の摩擦パッド32aに背後
から係合するリアクション部36と、他方の摩擦パッド
32bに背後から係合する押圧ロッド40(加圧部材)
を、それの軸線方向に移動可能に支持する押圧部42と
が形成されている。その押圧部42にモータ12が内蔵
されている。
【0009】このディスクブレーキ10においては、モ
ータ12の回転力がローラねじ機構50を経て押圧ロッ
ド40に伝達される。ローラねじ機構50は、国際公開
明細書WO96/03301に開示されたローラねじ機
構や、特開平10−159931号公報に記載されたロ
ーラねじ機構と類似するため、簡単に説明する。
【0010】ローラねじ機構50は、ロータ16と一体
的に回転するナット52と、そのナット52の内側に同
軸に配置されたねじシャフト54とを備えている。本実
施形態においては、ナット52がキー55によりロータ
16と結合されている。また、ナット52は押圧部42
により、複数個のベアリング56,58を介して回転可
能に支持されている。ローラねじ機構50は、さらに、
それらナット52とねじシャフト54との間においてそ
れらとかみ合わされる複数本のねじローラ60を備えて
いる。それら複数本のねじローラ60は図示しないリテ
ーナ(ケージ)に保持され、それにより、それらねじロ
ーラ60はねじシャフト54に対して、それと平行な姿
勢で、かつ、周方向において互いに等間隔な位置におい
て回転可能とされている。ナット52のねじ面には、そ
れと同軸に延びる溝(図示しない)が形成されている。
ナット52とねじシャフト54とが相対回転すれば、ね
じローラ60がナット52内を公転し、それに伴って、
ねじローラ60が軸線方向に移動する。ねじローラ60
がナット52内を公転して上記溝に嵌入すれば、ねじロ
ーラ60がナット52とねじシャフト54との双方から
離脱する。離脱したねじローラ60は、ナット52に固
定の戻し部材(図示しない)によって元の軸方向位置に
戻され、再びナット52とねじシャフト54との間に入
り込んで公転を開始する。ねじシャフト54は押圧ロッ
ド40と一体に形成されている。その結果、ナット52
の回転運動がねじシャフト54および押圧ロッド40の
直線運動に変換される。
【0011】このディスクブレーキ10には、ブレーキ
情報センサとしてストロークスイッチ70とストローク
センサ72とが設けられている。
【0012】ストロークスイッチ70は、押圧ロッド4
0がそれの先端部において摩擦パッド32bの裏板の背
面に接触したことを検出するスイッチである。このスト
ロークスイッチ70は、押圧ロッド40の先端部に露出
状態で取り付けられた一対の接点80,80を備えてい
る。それら一対の接点80,80は、摩擦パッド32b
の、導電性を有する裏板に接触可能であって、接触状態
では、それら一対の接点80,80が導通状態となる。
それら一対の接点80,80から一対のワイヤ84,8
4がディスク30から離間する向きに延び出させられて
いる。それら一対のワイヤ84,84は、押圧ロッド4
0を通過してキャリパ34のうちディスク30から遠い
側の端面から突出させられている。
【0013】このように構成されたストロークスイッチ
70は具体的には、押圧ロッド40による摩擦パッド3
2bの圧縮が開始されたときの押圧ロッド40の位置を
ゼロ点位置として検出するために使用される。本実施形
態においては、後述のように、その位置が、ストローク
スイッチ70の信号がOFFからONに変化した時にで
はなく、ONからOFFに変化した時に検出されるよう
になっている。ストロークスイッチ70の信号は、一対
の接点80,80が摩擦パッド32bの裏板に接触すれ
ば、その摩擦パッド32bがディスク30に接触しない
状態でも、OFFからONに変化してしまい、ディスク
30との接触はあるが摩擦パッド32bの圧縮はない時
の摩擦パッド32bの位置を正しく検出することができ
ない。これに対して、ストロークスイッチ70の信号が
ONからOFFに変化した時は必ず、押圧ロッド40に
より摩擦パッド32bがディスク30に接触させられる
とともにその摩擦パッド32bが圧縮されている状態か
ら、ディスク30との接触はあるが摩擦パッド32bの
圧縮はない状態に移行した時である。それらの理由か
ら、ストロークスイッチ70の信号がONからOFFに
変化した時に、押圧ロッド40による摩擦パッド32b
の圧縮が開始されたときの押圧ロッド40の位置がゼロ
点位置として検出されるようになっているのである。本
実施形態においては、後述のように、ストロークスイッ
チ70により検出されたそのゼロ点位置が利用されるこ
とにより、ストロークセンサ72の校正が行われるよう
になっている。
【0014】ストロークセンサ72は、押圧ロッド40
の軸方向におけるストロークを検出するセンサである。
ただし、本実施形態においては、ストロークセンサ72
は、モータ12のロータ16の回転位置を検出するセン
サとして構成されている。具体的には、ストロークセン
サ72は、図2に示すように、複数個の永久磁石86
と、少なくとも1個の磁気検出素子としての複数個のホ
ール素子88とを備えている。本実施形態においては、
複数個の永久磁石86がロータ16にそれと同軸な一円
周に沿って等間隔で取り付けられ、一方、複数個のホー
ル素子88が、キャリパ34に、複数個の永久磁石86
に少ない隙間を隔てて対向する位置において取り付けら
れている。
【0015】ロータ16の回転位置すなわち回転数とロ
ーラねじ機構50の運動変換速度比率とから、押圧ロッ
ド40のストロークを算出可能である。このような知見
に基づき、本実施形態においては、ストロークセンサ7
2がロータ16の回転位置を検出するロータ回転位置セ
ンサとされている。
【0016】なお、本実施形態においては、モータ12
の制御につき、押圧ロッド40のストロークに基づいて
制御する方式が採用されているが、さらに、ロータ16
の回転位置にも基づいて制御する方式を採用することが
可能である。この方式においては、ストロークと回転位
置とを別々のセンサにより検出することが可能である
が、上記ストロークセンサ72を使用する場合には、1
個のセンサでストロークと回転位置との双方を検出可能
となり、別々のセンサにより検出する場合に比較して、
使用するセンサの数が少なくて済む。
【0017】図3には、このブレーキ装置の電気的構成
がブロック図で示されている。このブレーキ装置は、電
子制御ユニット(以下、「ECU」と略称する。)90
を備えている。ECU90は、CPU92,ROM94
およびRAM96を含むコンピュータ98を主体として
構成されている。
【0018】ECU90の入力側には、前記ストローク
スイッチ70およびストロークセンサ72が接続され、
さらに、ブレーキ操作量センサ100とモータ電流セン
サ102とが接続されている。ブレーキ操作量センサ1
00は、ブレーキ操作量としてのブレーキ操作部材の操
作力または操作ストロークを検出し、それに応じた信号
を出力するものである。モータ電流センサ102は、モ
ータ12に接続され、そこに実際に流れる電流を検出
し、その検出値に応じた信号を出力するものである。ス
トロークスイッチ70,ストロークセンサ72およびモ
ータ電流センサ102は4輪分設けられていて、それら
4輪分がECU90の入力側に接続されている。
【0019】一方、ECU90の出力側には、4輪のデ
ィスクブレーキ10に属する4個のモータ12が、各モ
ータドライバ104を介して接続されている。各モータ
ドライバ104は、ECU90から電流指示信号が入力
されるとともに、その入力された電流指示信号に応じた
量の電流を、電源としてのバッテリ106から各モータ
ドライバ104を経て各モータ12に供給する。
【0020】コンピュータ98のROM94には、各輪
のモータ12を制御することにより、各輪のディスクブ
レーキ10を制御するブレーキ制御ルーチンが記憶され
ている。本ルーチンは図4にフローチャートで表されて
いる。以下、本ルーチンの内容を説明するが、まず、概
略的に説明する。
【0021】本ルーチンにおいては、ブレーキ操作量A
B に基づいて要求加圧力Freq が決定される。ここに、
要求加圧力Freq は、モータ12により駆動される押圧
ロッド40により摩擦パッド32a,32bが加圧され
る力の要求値を意味する。本ルーチンにおいては、続い
て、その決定された要求加圧力Freq に基づき、押圧ロ
ッド40の目標ストロークS* が決定されるとともに、
その押圧ロッド40の実ストロークSact が検出され、
その実ストロークSact がフィードバックされることに
より、実ストロークSact が目標ストロークS* と実質
的に等しくなるようにモータ12の電流iが制御され
る。すなわち、本実施形態においては、モータ12の電
流制御が基本的には実ストロークSact のフィードバッ
クにより行われるのである。
【0022】このように、モータ12の電流制御を基本
的には実ストロークSact のフィードバックにより行う
場合には、次のような問題が生じる。
【0023】押圧ロッド40のストロークSと加圧力F
との間には、図5にグラフで示すように、比例関係が成
立すると考えることができる。その場合の比例定数は、
摩擦パッド32a,32bの剛性値(以下、単に「パッ
ド剛性値」という。)Cを表す量であると考えることが
できる。しかし、この比例定数は、常に同じであるわけ
ではなく、摩擦パッド32a,32bの摩耗量によって
変化する。例えば、同図に示すように、摩擦パッド32
a,32bが新品である場合と、摩耗量が限界に達した
末期品である場合とで変化するのである。そのため、ス
トロークSと加圧力Fとの関係、すなわち、比例定数を
一義的に設定した場合には、摩擦パッド32a,32b
の摩耗量が予定値と一致しないと、実加圧力Fact と実
ストロークSact との関係を精度よく再現できない。よ
って、比例定数を一義的に設定した場合には、モータ電
流iがブレーキ操作量AB との関係において適正に制御
されないという事態が発生し得る。
【0024】一方、図6にグラフで示すように、モータ
電流iと加圧力Fとの間には、モータ電流iに比例して
加圧力Fが増加するという比例関係が存在する。例え
ば、モータ電流iの増加時には、加圧力Fを、 F=b×(i−a) なる式で表すことができる。ここに、bは、比例定数を
表しており、一方、aは、モータ12に供給されても加
圧力Fが増加しない無効電流を表している。そして、そ
れらモータ電流iと加圧力Fとの関係は、前述の、押圧
ロッド40のストロークSと加圧力Fとの関係とは異な
り、パッド剛性値Cの影響を受けない。
【0025】このように、モータ電流iと加圧力Fとの
関係には、パッド剛性値Cの影響を受けないという利点
があり、よって、加圧力Fの実際値を取得することが必
要である場合に、加圧力Fの実際値を直接に検出するセ
ンサがなくても、モータ電流センサ102さえあれば、
加圧力Fの実際値を精度よく取得可能となる。
【0026】しかしながら、モータ電流iと加圧力Fと
の間には、同図に示すように、ヒステリシス特性が存在
していて、同じモータ電流iに対応する加圧力Fが、モ
ータ電流iの増加時と減少時とで互いに一致しない。そ
のため、モータ電流iの増加時と減少時との双方におい
て、同じ規則に従って、モータ電流iから加圧力Fを精
度よく取得することはできない。
【0027】とはいえ、モータ電流iの増加時と減少時
とのうち予め定められた特定時に限り、モータ電流iと
加圧力Fとの関係に着目するのであれば、実モータ電流
ac t から実加圧力Fact を精度よく推定可能となる。
例えば、実モータ電流iactの増加時には、上記式を用
いることにより、実モータ電流iact から実加圧力F
act を精度よく推定可能となるのである。
【0028】そこで、本実施形態においては、実モータ
電流iact の増加時であるか減少時であるかを問わず、
実ストロークSact が目標ストロークS* と実質的に等
しくなるように実モータ電流iact が制御されるととも
に、実モータ電流iact の増加時に限り、実モータ電流
act と実ストロークSact との関係が取得され、その
取得された関係に基づき、ブレーキ操作量AB から目標
ストロークS* を決定する際に用いるそれら両者間の関
係が補正される。
【0029】ここに、ブレーキ操作量AB から目標スト
ロークS* を決定する際には、具体的には、まず、ブレ
ーキ操作量AB に対応する要求加圧力Freq が決定さ
れ、次に、パッド剛性値Cの実際値が標準値(図5にイ
ニシャルマップとして示す。)と等しいとの仮定の下
で、要求加圧力Freq に対応する標準ストロークS0
決定され、さらに、その決定された標準ストロークS0
に補正係数kが掛け算されることにより、目標ストロー
クS* が決定される。すなわち、目標ストロークS
* は、 S* =k×S0 なる式を用いることにより、決定されるのである。
【0030】一方、図7にグラフで示すように、標準ス
トロークS0 に対応する加圧力Fは、パッド剛性値Cの
実際値が標準値と等しい場合には、要求加圧力Freq
一致するが、パッド剛性値Cの実際値が標準値と等しく
ない場合には、要求加圧力F req と一致せず、実加圧力
act となる。そして、それら要求加圧力Freq と実加
圧力Fact との間には、 Freq /Fact =S* /S0 なる式で表される関係が成立する。補正係数kは、前述
の式から明らかなように、 k=S* /S0 なる式で表わされる。また、S* /S0 は、上述の式か
ら明らかなように、 S* /S0 =Freq /Fact なる式で表わされる。結局、補正係数kは、 k=Freq /Fact なる式で表わされることとなる。そこで、本実施形態に
おいては、互いに時期的に対応する要求加圧力Freq
実加圧力Fact とから補正係数kが取得される。ここ
に、Freq は、最新の要求加圧力Freq (RAM96に
記憶させておけばよい。)として求めたり、現在の実ス
トロークSact を検出するとともに、その実ストローク
act が標準ストロークS0 であると仮定してその標準
ストロークS0 に対応する要求加圧力Freq として求め
ることができる。
【0031】ところで、前述のように、実モータ電流i
act と実加圧力Fact との間にヒステリシス特性が存在
する場合には、実加圧力Fact の増加状態または保持状
態において急に実加圧力Fact を減少させることが必要
となった場合に、実モータ電流iact を急に減少させて
も、実モータ電流iact と実加圧力Fact との対応点が
ヒステリシス特性を表すグラフのうちフラットな部分、
すなわち、不感帯を通過する間は、実加圧力Fact は減
少しない。そのため、車輪制動力の素早い減少を実現で
きない。
【0032】このような事情に鑑み、本ルーチンにおい
ては、さらに、実モータ電流iactを増加させて実スト
ロークSact が目標ストロークS* に達した後、実モー
タ電流iact の減少が、実ストロークSact が目標スト
ロークS* より減少し始めようとするまで行われる。
【0033】その結果、本実施形態においては、同じ実
加圧力Fact が少ない実モータ電流iact によって実現
され、よって、モータ12による消費電力が節減され
る。すなわち、そのような実モータ電流iact の減少制
御は、モータ12に対する節電制御を意味するのであ
る。さらに、本実施形態においては、実モータ電流i
actを減少させることが必要となるのに先立って、ヒス
テリシス特性の不感帯の通過が終了させられることとな
る。よって、実加圧力Fact を減少させることが必要に
なった場合に直ちに実加圧力Fact を減少させることが
可能となる。
【0034】次に、本ルーチンの内容を図4に基づいて
具体的に説明する。本ルーチンはコンピュータ98の電
源が投入されている間、4輪について順にかつ繰返し実
行される。各回の実行時には、まず、ステップS1(以
下、単に「S1」で表す。他のステップについても同じ
とする。)において、ブレーキ操作量センサ100から
ブレーキ操作量AB が入力され、さらに、その入力され
たブレーキ操作量AB に基づき、4輪のうち本ルーチン
の今回の実行対象である今回実行対象車輪に関して、要
求加圧力Freq が決定される。具体的には、本実施形態
においては、そのブレーキ操作量AB と、各輪に設けら
れた図示しない車輪速センサにより検出された車輪速と
に基づき、今回実行対象車輪がロックしないように要求
加圧力Freq が決定される。本実施形態においては、ア
ンチロック制御が行われるようになっているのである。
ただし、要求加圧力Freq を決定する際にブレーキ操作
量AB を考慮することは不可欠ではなく、例えば、トラ
クション制御や、左右輪間における制動力差を用いた車
両安定性制御を行う場合には、ブレーキ操作量AB を考
慮しないで要求加圧力Freq を決定することができる。
【0035】次に、S2において、決定された要求加圧
力Freq に応じて、今回実行対象車輪に対応する押圧ロ
ッド40の目標ストロークS* が決定される。具体的に
は、前述のように、補正係数kと標準ストロークS0
に基づき、かつ、 S* =k×S0 なる式を用いることにより、決定される。
【0036】コンピュータ98のROM94には、補正
係数kの初期値が記憶されていて、コンピュータ98の
電源投入に応じてその初期値がROM94からRAM9
6に転送される。このS2においては、そのRAM96
から補正係数kの最新値が読み出されるが、補正係数k
は、後に詳述するように、補正され、その補正値はRA
M96に記憶される。なお、RAM96の内容は、車両
電源が投入されてコンピュータ98の電源が投入される
毎にクリアすることは可能であるが、前回の車両走行時
における最終値を、今回の車両走行時における初期値と
して利用することは可能である。
【0037】その後、S3において、今回実行車輪に対
応するストロークセンサ72から実ストロークSact
入力される。さらに、前記決定された目標ストロークS
* が、その入力された実ストロークSact より長いか否
かが判定される。実ストロークSact を増加させること
が必要であるか否かが判定されるのである。今回は、目
標ストロークS* が実ストロークSact より長いと仮定
すれば、判定がYESとなり、S4において、補正許可
フラグがONにされるとともに、節電許可フラグもON
にされる。
【0038】ここに、補正許可フラグは、OFFで、補
正係数kの算出を禁止し、ONで、許可するフラグであ
る。補正許可フラグは、RAM96に設けられていて、
コンピュータ98の電源投入に応じてOFFにリセット
される。これに対して、節電許可フラグは、OFFで、
ヒステリシス特性における不感帯の通過が未だ終了して
おらず、よって、モータ12の節電制御が開始されるこ
とを禁止することを示し、ONで、許可するフラグであ
る。節電許可フラグも、RAM96に設けられていて、
コンピュータ98の電源投入に応じてOFFにリセット
される。
【0039】続いて、S5において、今回実行対象車輪
に対応する実モータ電流iact が一定量Δiで増加する
ように、今回実行対象車輪に対応するモータドライバ1
04に電流指示信号が出力される。その結果、実ストロ
ークSact および実加圧力F act が増加させられる。以
上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0040】S1ないしS5の実行が繰り返されるうち
に、目標ストロークS* が実ストロークSact と実質的
に等しくなったと仮定すれば、S3の判定がNOとな
り、S6において、目標ストロークS* が実ストローク
act より短いか否かが判定される。今回は、上記仮定
から、判定がNOとなり、S7において、目標ストロー
クS* が実ストロークSact と実質的に等しいか否かが
判定される。今回は、上記仮定から、判定がYESとな
る。続いて、S8において、補正許可フラグがONであ
るか否かが判定される。今回は、ONであるから、判定
がYESとなり、S9において、補正係数kの算出が行
われる。
【0041】具体的には、モータ電流センサ102から
実モータ電流iact が入力されるとともに、その入力さ
れた実モータ電流iact から実加圧力Fact が推定され
る。実加圧力Fact は、前述のように、 Fact =b×(iact −a) なる式を用いることにより、推定される。さらに、本ス
テップにおいては、ストロークセンサ72により実スト
ロークSact が検出され、そして、新たな補正係数k
が、 k=Freq /Fact なる式により演算される。ここに、「Freq 」は、パッ
ド剛性値Cの実際値が標準値と等しいと仮定した場合に
実ストロークSact が対応する要求加圧力Freqとして
取得される。また、「Fact 」は、前記式を用いること
により推定されたものである。このようにして算出され
た補正係数kは、新たな補正係数kとしてRAM96に
記憶される。
【0042】続いて、S10において、補正許可フラグ
がOFFにされ、その後、S11において、節電許可フ
ラグがONであるか否かが判定される。今回は、ONで
あるから、判定がYESとなり、S12において、スト
ロークスイッチ70がONであるか否かが判定されるこ
とにより、実ストロークSact が0以上であるか否かが
判定される。今回は、ストロークスイッチ70がONで
あると仮定すれば、判定がYESとなり、S13におい
て、今回実行車輪に対応する実モータ電流iac t が一定
量Δiで減少するように、今回実行対象車輪に対応する
モータドライバ104に電流指示信号が出力される。そ
れにより、モータ12の節電制御が実行される。以上で
本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0043】前記ヒステリシス特性の不感帯の通過が終
了しないうちは、モータ12の節電制御として実モータ
電流iact の減少制御が実行されても、実ストロークS
actが目標ストロークS* と実質的に等しい長さに維持
される。そのため、ヒステリシス特性の不感帯の通過が
終了しない限り、S1ないしS3,S6ないしS13の
実行が繰り返され、その結果、モータ12の節電制御が
継続される。
【0044】その後、その節電制御により、目標ストロ
ークS* が実ストロークact より長くなると、S3の判
定がYESとなり、S6以下に移行しなくなり、その結
果、モータ12の節電制御が終了させられる。
【0045】車輪制動力を減少させるためにブレーキ操
作力が弱められると、目標ストロークS* が実ストロー
クSact より短くなる。そのようになると、S3の判定
はNO、S6の判定はYESとなり、S15において、
補正許可フラグがOFFにされるとともに、節電許可フ
ラグもOFFにされる。その後、S12において、スト
ロークスイッチ70がONであるか否かが判定される。
今回は、ONであると仮定すれば、判定がYESとな
り、S13において、今回実行車輪に対応する実モータ
電流iact が一定量Δiで減少するように、今回実行対
象車輪に対応するモータドライバ104に電流指示信号
が出力される。その結果、実ストロークS act および実
加圧力Fact が減少させられる。以上で本ルーチンの一
回の実行が終了する。
【0046】その後、S1ないしS3,S6,S15,
S12およびS13の実行が繰り返された結果、目標ス
トロークS* が実ストロークSact と実質的に等しくな
れば、S3の判定はNO、S6の判定もNO、S7の判
定はYESとなり、S8以下に移行する。ただし、今回
は、補正許可フラグも節電許可フラグもOFFであるた
め、S8の判定もS11の判定もNOとなり、直ちに本
ルーチンの一回の実行が終了する。それにより、以後、
実モータ電流iact が保持され、その結果、実ストロー
クSact および実加圧力Fact が保持される。
【0047】また、ディスクブレーキ10の作用を終了
させるためにブレーキ操作が解除されると、目標ストロ
ークS* が実ストロークSact より短くなり、その結
果、S3の判定はNO、S6の判定はYESとなり、S
15において、補正許可フラグも節電許可フラグもOF
Fにされる。その後、S12において、ストロークスイ
ッチ70がONである否かが判定される。今回は、ON
であると仮定すれば、判定がYESとなり、S13にお
いて、今回実行車輪に対応する実モータ電流iac t が一
定量Δiで減少するように、今回実行対象車輪に対応す
るモータドライバ104に電流指示信号が出力される。
その結果、実ストロークSact および実加圧力Fact
減少させられる。以上で本ルーチンの一回の実行が終了
する。
【0048】一対の摩擦パッド32a,32bのいずれ
にも摩耗が生じていない場合には、ディスクブレーキ1
0の作用を終了させるために目標ストロークS* が0に
されると、目標ストロークS* が実ストロークSact
り短いうちは、ストロークスイッチ70がONに維持さ
れ、目標ストロークS* が実ストロークSact と実質的
に等しくなったときに、ストロークスイッチ70がON
からOFFに変化する。そのため、この場合には、S1
ないしS3,S6,S15,S12およびS13の実行
が繰り返されるうちに、S6の判定がNOとなり、その
後、S7に移行し、そして、S7の判定がYESとな
り、その後、S8ないしS11を経て本ルーチンの実行
が終了する。
【0049】これに対して、一対の摩擦パッド32a,
32bのいずれかに摩耗が生じた場合には、ディスクブ
レーキ10の作用を終了させるために目標ストロークS
* が0にされると、目標ストロークS* が実ストローク
act より短い間であって、目標ストロークS* が実ス
トロークSact と実質的に等しくなる前に、ストローク
スイッチ70がONからOFFに変化する。そのため、
この場合には、S1ないしS3,S6,S15,S12
およびS13の実行が繰り返されるうちに、S12の判
定がNOとなり、S14において、実モータ電流iact
を0にする電流指示信号がモータドライバ104に出力
される。
【0050】ところで、本実施形態においては、実スト
ロークSact の検出が具体的には次のように行われる。
すなわち、まず、ストロークセンサ72から出力信号が
取り込まれ、次に、その出力信号に対して必要なフィル
タ処理が行われる。その後、そのフィルタ処理後の出力
信号に基づいてロータ16の回転位置および回転数がが
演算され、さらに、その演算値が校正値で校正される。
さらに、その校正された演算値に、ローラねじ機構50
の運動変換速度比率(ROM94に予め記憶されてい
る。)で変換が加えられ、このようにして、押圧ロッド
40の実ストロークSact が検出される。
【0051】そして、上記S14においては、さらに、
現時点、すなわち、ストロークスイッチ70がONから
OFFに変化した直後であって、押圧ロッド40が摩擦
パッド32bから離間した瞬間における実ストロークS
act の検出値が0となるように、ストロークセンサ72
の校正値が決定される。決定された校正値はRAM96
に記憶され、次回の実ストロークSact の検出において
使用される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了す
る。
【0052】なお付言すれば、本実施形態においては、
押圧ロッド40のストロークSと加圧力Fとが比例関係
にあると仮定された上で、その比例定数が、実ストロー
クS act と実加圧力Fact との唯一の対応関係により、
補正されるようになっているが、例えば、ストロークS
と加圧力Fとの関係を、ストロークSの増加方向におい
て複数の部分関係に分割し、分割された各部分関係につ
いて補正係数k(n) を設定した上で、各補正係数k(n)
を、各部分関係に対応する実ストロークSactと実加圧
力Fact との対応関係により、補正することができる。
このようにすれば、例えば、ストロークSと加圧力Fと
の関係を非線形で近似することも可能となる。
【0053】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、ストロークセンサ72が「駆動量セン
サ」を構成し、モータ電流センサ102が「モータ電流
・電圧センサ」を構成し、ECU90が「モータ制御装
置」を構成し、ECU90のうち図4のブレーキ制御ル
ーチンを実行する部分が「第1制御手段」を構成し、E
CU90のうち同図のS2を実行する部分が「目標スト
ローク決定手段」を構成し、ECU90のうち同図のS
9を実行する部分が「補正係数決定手段」を構成してい
るのである。また、ECU90のうち同図のS4,S
7,S11,S13およびS15を実行する部分が「第
3制御手段」を構成しているのである。
【0054】次に、本発明の第2実施形態である電動ブ
レーキ装置を説明する。ただし、本実施形態は、第1実
施形態とブレーキ制御ルーチンのみが異なり、他の要素
については共通であるため、そのルーチンのみについて
詳細に説明し、他の要素については同一の符号を使用す
ることによって詳細な説明を省略する。
【0055】図8には、本実施形態におけるブレーキ制
御ルーチンがフローチャートで表されている。以下、本
ルーチンを説明するが、まず、概略的に説明する。
【0056】本ルーチンにおいては、実加圧力Fact
増加させることが必要である場合には、実モータ電流i
act と実加圧力Fact との間に成立する一定の関係に従
い、要求加圧力Freq に応じて目標モータ電流i* が決
定される。一方、実加圧力F act を減少させることが必
要である場合には、目標ストロークS* が決定され、実
ストロークSact が検出され、その実ストロークSact
がフィードバックされることにより、実ストロークS
act が目標ストロークS* と実質的に一致するように目
標モータ電流i* が決定される。すなわち、本実施形態
においては、実加圧力Fact を増加させることが必要で
ある場合には、実加圧力Fact がフィードバックされる
ことにより、実モータ電流iact が制御され、一方、実
加圧力Fac t を減少させることが必要である場合、すな
わち、実ストロークSact を減少させることが必要であ
る場合には、実ストロークSact がフィードバックされ
ることにより、実モータ電流iact が制御されるのであ
る。
【0057】目標モータ電流i* は、図6のグラフに従
い、 i* =Freq /b+a なる式を用いることにより、決定される。
【0058】これに対して、目標ストロークS* は次の
よう事実を前提にして決定される。
【0059】まず、図7に示すように、目標ストローク
* から標準ストロークS0 を引き算した目標ストロー
ク差分ΔS* は、要求加圧力Freq から実加圧力Fact
を引き算した要求加圧力差分ΔFreq をパッド剛性値C
の実際値で割り算した値に等しい。また、目標ストロー
クS* の今回値S* (n) は、それの前回値S
* (n-1)と、演算された目標ストローク差分ΔS* との
和として演算することができる。さらに、実モータ電流
act の増加時には、実モータ電流iact から実加圧力
act を精度よく推定可能であり、また、その実加圧力
act と実ストロークSac t とから、パッド剛性値Cの
実際値を推定可能である。
【0060】それらの事実に基づき、本実施形態におい
ては、実加圧力Fact を減少させることが必要である場
合には、要求加圧力差分ΔFreq が、先行する実モータ
電流iact の増加時に推定されたパッド剛性値Cの実際
値で割り算されることにより、目標ストローク差分ΔS
* が演算され、さらに、その演算された目標ストローク
差分ΔS* が目標ストロークS* の前回値S* (n-1)
足し算されることにより、目標ストロークS* の今回値
* (n) が演算される。
【0061】次に、本ルーチンの内容を図8に基づいて
具体的に説明する。本ルーチンも、コンピュータ98の
電源が投入されている間、4輪について順にかつ繰返し
実行される。各回の実行時には、まず、S101におい
て、前記S1におけると同様にして、要求加圧力Freq
が決定される。次に、S102において、実加圧力F
act が推定される。
【0062】後述のように、本実施形態においては、実
加圧力Fact が基本的には、実ストロークSact とパッ
ド剛性値Cの推定値との積として推定されるが、本ルー
チンの実行当初にあっては、パッド剛性値Cの推定が行
われていない。このようにパッド剛性値Cの推定が未だ
行われていない段階においては、2つの方法によって実
加圧力Fact を推定できる。
【0063】まず、第1の方法においては、実モータ電
流iact の増加中に限り、実モータ電流iact に基づ
き、 Fact =b×(iact −a) なる式を用いることにより、実加圧力Fact が推定され
る。
【0064】次に、第2の方法においては、パッド剛性
値Cの標準値がROM94に予め記憶されており、パッ
ド剛性値Cの実際値の推定が未だ行われていない場合に
は、ROM84からパッド剛性値Cの標準値が読み出さ
れ、その標準値に実際値が等しいと仮定される。さら
に、実ストロークSact が検出され、その実ストローク
act とのパッド剛性値Cの標準値との積として推定さ
れる。すなわち、実加圧力Fact が、 Fact =S×C なる式を用いることにより、推定されるのである。
【0065】さらに、このS102においては、前記決
定された要求加圧力Freq が、その推定された実加圧力
act より大きいか否かが判定される。今回は、要求加
圧力Freq が実加圧力Fact より大きいと仮定すれば、
判定がYESとなり、S103において、目標モータ電
流i* が決定される。目標モータ電流i* は、モータ電
流iと加圧力Fとに比例関係が成立するとの前提に基づ
き、 i* =Freq /b+a なる式を用いることにより、決定される。
【0066】その後、S104において、モータ電流セ
ンサ102から実モータ電流iactが入力され、さら
に、その入力された実モータ電流iact が前記決定され
た目標モータ電流i* と実質的に等しいか否かが判定さ
れる。今回は、実質的に等しくないと仮定すれば、判定
がNOとなり、S105において、実モータ電流iact
が目標モータ電流i* より小さいか否かが判定される。
小さければ、判定がYESとなり、S106において、
実モータ電流iact が一定量Δiで増加するようにモー
タドライバ104に電流指示信号が出力される。その
後、S104に戻る。S104ないしS106の実行が
繰り返された結果、実モータ電流iact が目標モータ電
流i* と実質的に等しくなり、S104の判定がYES
となれば、S107に移行する。これに対して、実モー
タ電流iact が目標モータ電流i* より小さくなけれ
ば、S105の判定がNOとなり、直ちにS107に移
行する。
【0067】S107においては、パッド剛性値Cの実
際値が推定される。具体的には、モータ電流センサ10
2から実モータ電流iact が読み込まれ、ストロークセ
ンサ72から実ストロークSact が読み込まれ、実加圧
力Fact が、 Fact =b×(iact −a) なる式を用いることにより推定される。そして、パッド
剛性値Cの実際値が、 C=b×(iact −a)/Sact なる式を用いることにより、推定される。推定されたパ
ッド剛性値Cの実際値はRAM96に記憶される。
【0068】続いて、S108において、目標ストロー
クS* が、その実ストロークSactに更新される。その
後、S109において、節電許可フラグがONにされ
る。続いて、S109aにおいて、実加圧力Fact が演
算される。具体的には、ストロークセンサ72から実ス
トロークSact が読み込まれ、RAM96からパッド剛
性値Cの推定値が読み込まれ、その読み込まれた実スト
ロークSact とパッド剛性値Cの推定値との積として実
加圧力Fact が演算される。演算された実加圧力Fact
はRAM96に記憶される。以上で本ルーチンの一回の
実行が終了する。
【0069】S101ないしS109aの実行が繰り返
された結果、要求加圧力Freq が実加圧力Fact と実質
的に等しくなれば、S102の判定がNOとなり、S1
10において、RAM96から実加圧力Fact が読み込
まれるとともに、要求加圧力Freq が、その読み込まれ
た実加圧力Fact が実質的に等しいか否かが判定され
る。今回は、上記仮定から、判定がYESとなり、S1
11に移行する。このS111においては、目標ストロ
ークS* の今回値がそれの前回値に更新される。その
後、S112において、節電許可フラグがONであるか
否かが判定される。今回は、ONであるから、判定がY
ESとなり、S113に移行する。
【0070】S113においては、目標ストロークS*
が実ストロークSact 以下であるか否かが判定される。
実ストロークSact を減少させることが必要であるか否
かが判定されるとともに、モータ12の節電制御を行う
ことが適当であるか否かが判定されるのである。今回
は、目標ストロークS* が実ストロークSact 以下であ
ると仮定すれば、判定がYESとなり、S114におい
て、ストロークスイッチ70がONであるか否かが判定
されることにより、実ストロークSact が0以上である
か否かが判定される。今回は、ストロークスイッチ70
がONであると仮定すれば、判定がYESとなり、S1
15において、実モータ電流iact が一定量Δiで減少
するようにモータドライバ104に電流指示信号が出力
される。それにより、モータ12の節電制御が実行され
る。
【0071】その後、S116において、前記S109
aにおけると同様にして、実加圧力Fact が演算され
る。具体的には、ストロークセンサ72から実ストロー
クSac t が読み込まれ、RAM96からパッド剛性値C
の推定値が読み込まれ、その読み込まれた実ストローク
act とパッド剛性値Cの推定値との積として実加圧力
act が演算される。演算された実加圧力Fact はRA
M96に記憶される。以上で本ルーチンの一回の実行が
終了する。
【0072】その後、モータ12の節電制御により、目
標ストロークS* が実ストロークS act より長くなる
と、実加圧力Fact が要求加圧力Freq より小さい場合
であるか、要求加圧力Freq と実質的に等しい場合であ
るかを問わず、S113の判定がNOとなり、直ちに本
ルーチンの一回の実行が終了させられる。それにより、
モータ12の節電制御が終了させられる。
【0073】車輪制動力を減少させるためにブレーキ操
作力が弱められると、要求加圧力F req が実加圧力F
act より小さくなる。そのようになると、S102の判
定はNO、S110の判定もNOとなり、S118に移
行する。S118においては、RAM96から実加圧力
act が読み込まれるとともに、その読み込まれた実加
圧力Fact が要求加圧力Freq より大きいか否かが判定
される。今回は、上記仮定から、判定がYESとなる。
その後、S119において、目標ストロークS*が演算
される。具体的には、要求加圧力差分ΔFreq が、要求
加圧力Freq から実加圧力Fact を引き算することによ
り、演算される。次に、目標ストローク差分ΔS* が、
その演算された要求加圧力差分ΔFreq をパッド剛性値
Cの実際値で割り算することにより、演算される。パッ
ド剛性値Cの実際値はRAM96から読み込まれたもの
である。そして、目標ストロークS* の今回値S* (n)
が、それの前回値S* (n-1) と、演算された目標ストロ
ーク差分ΔS* との和として演算される。
【0074】続いて、S120において、節電許可フラ
グがOFFにされる。その後、S113において、目標
ストロークS* が実ストロークSact 以下であるか否か
が判定される。今回は、目標ストロークS* が実ストロ
ークSact 以下であると仮定すれば、判定がYESとな
り、S114ないしS116が前回におけると同様に実
行される。その後、S101,S102,S110,S
118ないしS120,S112ないしS116の実行
が繰り返され、そのうちに、目標ストロークS * が実ス
トロークSact より長くなれば、S113の判定がNO
となり、直ちに本ルーチンの一回の実行が終了する。実
モータ電流iact の減少が終了させられる。
【0075】S101,S102,S110,S118
ないしS120,S112ないしS116の実行が繰り
返される場合において、要求加圧力Freq が実加圧力F
actと実質的に等しくなると、S110の判定がYES
となり、S111およびS112を経てS113以下に
移行する。この場合、目標ストロークS* が実ストロー
クSact 以下であれば、S115において、実モータ電
流iact が減少させられる。
【0076】すなわち、目標ストロークS* が実ストロ
ークSact 以下である場合には、要求加圧力Freq が実
加圧力Fact より小さい場合であるか、実加圧力Fact
と実質的に等しい場合であるかを問わず、実ストローク
act がフィードバックされることにより、実ストロー
クSact が目標ストロークS* と実質的に等しくなるよ
うに実モータ電流iact が減少させられるのである。
【0077】また、ディスクブレーキ10の作用を終了
させるためにブレーキ操作が解除されると、要求加圧力
req が実加圧力Fact より小さくなり、S102の判
定はNO、S110の判定もNO、S118の判定はY
ESとなる。その後、S119,S120,S113な
いしS116が実行される。S119においては、目標
ストロークS* が実質的に0と等しい値で演算されるこ
とになる。続いて、S101,S102,S110,S
118ないしS120,S113ないしS116の実行
が繰り返され、その結果、実ストロークSact がフィー
ドバックされることにより、実モータ電流iact が減少
させられる。
【0078】それらS101,S102,S110,S
118ないしS120,S113ないしS116の実行
が繰り返されている場合において、目標ストロークS*
が実ストロークSact より長くなると、S113の判定
がNOとなり、直ちに本ルーチンの一回の実行が終了す
る。実モータ電流iact の減少が終了させられるのであ
る。これに対して、S101,S102,S110,S
118ないしS120,S113ないしS116の実行
が繰り返されている場合に、目標ストロークS * が実ス
トロークSact より短いかまたはそれと実質的に等しい
状態で(すなわち、実ストロークSact が0より長いか
またはそれと実質的に0である状態で)、ストロークス
イッチ70がONからOFFに変化すると、S113の
判定はYES、S114の判定はNOとなり、S117
において、前記S14におけると同様にして、実モータ
電流iact を0にする電流指示信号がモータドライバ1
04に出力されるとともに、ストロークセンサ70の校
正値が決定される。以上で本ルーチンの一回の実行が終
了する。
【0079】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、ストロークセンサ72が「駆動量セン
サ」を構成し、モータ電流センサ102が「モータ電流
・電圧センサ」を構成し、ECU90が「モータ制御装
置」を構成し、ECU90のうち図8のブレーキ制御ル
ーチンを実行する部分が「第2制御手段」を構成し、E
CU90のうち同図のS107を実行する部分が「実剛
性値推定手段」を構成し、ECU90のうち同図のS1
19を実行する部分が「目標ストローク決定手段」を構
成しているのである。また、ECU90のうち同図のS
109,S110,S112,S115およびS120
を実行する部分が「第3制御手段」を構成しているので
ある。
【0080】次に、本発明の第3実施形態である電動ブ
レーキ装置を説明する。ただし、本実施形態は、第2実
施形態とブレーキ制御ルーチンのみが異なり、他の要素
については共通であるため、そのルーチンについてのみ
詳細に説明し、他の要素については同一の符号を使用す
ることによって詳細な説明を省略する。
【0081】図9ないし図11には、本実施形態におけ
るブレーキ制御ルーチンがフローチャートで表されてい
る。以下、本ルーチンを説明するが、まず、槻略的に説
明する。
【0082】本実施形態においては、モータ12を制御
すべきモードとして、増加モードと保持モードと減少モ
ードとが設けられている。実車輪制動力(実加圧力F
act に対応する)を増加させることが必要である場合に
は増加モードが選択され、保持することが必要である場
合には保持モードが選択され、減少させることが必要で
ある場合には減少モードが選択される。
【0083】さらに、本実施形態においては、要求加圧
力Freq に対して許容範囲がその要求加圧力Freq が概
して中央に位置するように設定されている。本実施形態
においては、その許容範囲を規定する一対の境界値のう
ち小さい方である下境界値は、1 より大きい係数k
1 (例えば、約1.05)を用いることにより、 Freq /k1 で規定され、一方、大きい方である上境界値は、1より
小さい係数k2 (例えば、0.95)を用いることによ
り、 Freq /k2 で規定されている。
【0084】なお、許容範囲は、他の手法によって規定
することが可能である。例えば、下境界値を、0より大
きい幅d1 を用いることにより、 Freq −d1 で規定し、一方、上境界値を、0より大きい幅d2 を用
いることにより、 Freq +d2 で規定することができる。この場合、幅d1 とd2
は、互いに異なる大きさとしたり、共通の大きさとする
ことができる
【0085】そして、本実施形態においては、実加圧力
act が要求加圧力Freq の下境界値より小さい場合に
は、実車輪制動力を増加させることが必要であると判定
され、実行すべきモータ制御モードとして増加モードが
選択される。増加モードが選択されて実行されれば、実
モータ電流iact が増加させられる。これに対して、実
加圧力Fact が要求加圧力Freq の上境界値より大きい
場合には、実車輪制動力を減少させることが必要である
と判定され、実行すべきモータ制御モードとして減少モ
ードが選択される。減少モードが選択されて実行されれ
ば、実モータ電流iact が減少させられる。また、実加
圧力Fact が要求加圧力Freq の下境界値以上であり、
かつ、上境界値以下である場合には、実車輪制動力を保
持することが必要であると判定され、実行すべきモータ
制御モードとして保持モードが選択される。
【0086】保持モードの選択時においては、増加モー
ドの実行直後であり、かつ、実加圧力Fact が要求加圧
力Freq 以上である場合と、そうでない場合とで、実モ
ータ電流iact の制御方式が異ならせられている。具体
的には、先の場合には、実モータ電流iact が減少させ
られ、後の場合には、保持される。
【0087】前述のように、ディスクブレーキ10にお
いては、図6を用いて既に説明したように、実モータ電
流iact と実加圧力Fact との間にヒステリシス特性が
存在する。このヒステリシス特性は主に、ディスクブレ
ーキ10においてモータ12と押圧ロッド40との間に
運動変換機構としてのローラねじ機構50が設けられて
いることに起因する。なお、ヒステリシス特性は、運動
変換機構の形式によって異なる。例えば、同図において
破線で示すグラフの勾配が、運動変換機構としてローラ
ねじ機構50を採用した場合においてボールねじ機構を
採用した場合におけるより緩やかになるのである。
【0088】そこで、本実施形態においては、第1およ
び第2実施形態におけると同様に、保持モードが選択さ
れた場合には、増加モードの実行直後であり、かつ、実
加圧力Fact が要求加圧力Freq 以上であるときには、
実モータ電流iact が減少させられ、その結果、前述
の、ヒステリシス特性を利用したモータ12の節電効果
が得られる。さらに、モータ12の発熱が抑制されると
いう効果も得られる。一方、増加モードの実行直後でな
いか、または、実加圧力Fact が要求加圧力Fre q より
小さいときには、実モータ電流iact が保持される。
【0089】ところで、第1および第2実施形態におい
ては、保持モードが選択された場合に、実モータ電流i
act の減少によって実加圧力Fact が要求加圧力Freq
より小さくなると、増加モードが選択され、実モータ電
流iact が増加させられる。その電流増加によって実加
圧力Fact が増加させられて要求加圧力Freq に到達す
ると、保持モードが選択され、今度は、実モータ電流i
act が減少させられる。このように、それら第1および
第2実施形態においては、実車輪制動力の保持が、実モ
ータ電流iact の増加・減少の頻繁な繰返しによって実
現されることになる。
【0090】これに対して、本実施形態においては、保
持モードが選択された場合に、実モータ電流iact の減
少によって実加圧力Fact が要求加圧力Freq より小さ
くなっても、それより小さい下境界値より小さくならな
い限り、保持モードが選択し続けられ、増加モードは選
択されない。すなわち、実モータ電流iact の減少によ
って実加圧力Fact が要求加圧力Freq まで減少した場
合には、実加圧力Fac t が下境界値より小さくなるま
で、実モータ電流iact が保持され、実加圧力F act
下境界値より小さくなるのを待って、実モータ電流i
act が増加させられるのである。したがって、本実施形
態によれば、実車輪制動力の保持が、実モータ電流i
act の増加・減少の繰返しによって実現される点では第
1および第2実施形態と共通するが、その繰返しが頻繁
にならずに済む点では相違する。よって、本実施形態に
よれば、実車輪制動力を保持することが必要である場合
に実モータ電流iact のハンチングが良好に抑制され
る。
【0091】さらに、本実施形態においては、保持モー
ドが選択された場合には、実モータ電流iact の減少
が、実加圧力Fact が要求加圧力Freq よりわずかに小
さくなるまで行われる。このことは、実モータ電流i
act の減少が、前記ヒステリシス特性の不感帯、すなわ
ち、実モータ電流iact が減少しても実加圧力Fact
変化せずに維持される領域を通過するまで行われること
を意味する。したがって、本実施形態によれば、保持モ
ードに続いて減少モードが選択された場合に、そのヒス
テリシス特性の存在にもかかわらず、実車輪制動力を直
ちに減少させることが可能となり、ディスクブレーキ1
0の作動応答性が向上する。
【0092】さらにまた、本実施形態においては、要求
加圧力Freq に対して許容範囲がその要求加圧力Freq
が概して中央に位置するように設定されているが、実加
圧力Fact が要求加圧力Freq 以上である領域では、実
モータ電流iact が減少させられる。そのため、結局、
本実施形態においては、増加モードの選択直後に保持モ
ードが選択された場合、実加圧力Fact が要求加圧力F
req より小さく、かつ、下境界値以上である領域におい
て、実モータ電流iact が保持されることになる。その
領域内においては、実加圧力Fact が変化しても実モー
タ電流iact が変化せず、結局、その領域は、実加圧力
act の不感帯ということができるのである。
【0093】次に、本ルーチンの内容を図9ないし図1
1に基づいて具体的に説明する。本ルーチンも、コンピ
ュータ98の電源が投入されている間、4輪について順
にかつ繰返し実行される。各回の実行時には、まず、S
201において、前記S101におけると同様にして、
要求加圧力Freq が決定される。次に、S202におい
て、前記S102におけると同様にして、実加圧力F
act が推定される。さらに、本ステップにおいては、堆
定された実加圧力Fact が下境界値Freq /k1 より小
さいか否かが判定される。モータ制御モードとして増加
モードを選択すべきであるか否かが判定されるのであ
る。今回は、実加圧力Fact が下境界値Freq /k1
り小さいと仮定すれば、判定がYESとなり、S203
以下に移行する。
【0094】S203においては、実加圧力Fact がフ
ィードバックされることによって実モータ電流iact
制御される。本ステップの詳細が図10にフローチャー
トで表されている。同図におけるS231ないしS23
4は、図8におけるS103ないしS106と同様であ
るため、詳細な説明を省略する。
【0095】その後、図9のS204において、前記S
109におけると同様にして、節電許可フラグがONに
される。続いて、S205において、前記S107にお
けると同様にして、モータ電流センサ102から実モー
タ電流iact が読み込まれるとともに、その読み込まれ
た実モータ電流iact を用いることによって実加圧力F
act が演算される。具体的には、 Fact =b(iact −a) なる式を用いて演算される。演算された実加圧力Fact
はRAM96に記憶される。その後、S206におい
て、前記S107におけると同様に、ストロークセンサ
72から実ストロークSact が読み込まれるとともに、
その読み込まれた実ストロークSact と前記演算された
実加圧力Fact とを用いることによってパッド剛性値C
が演算される。具体的には、 C=Fact /Sact なる式を用いて演算される。演算されたパッド剛性値C
はRAM96に記憶される。以上で本ルーチンの一回の
実行が終了する。
【0096】その後、S201ないしS206の実行が
何回も繰り返された結果、実加圧力Fact が下境界値F
req /k1 以上となれば、S202の判定がNOとな
り、S207以下に移行する。
【0097】S207においては、RAM96から最新
の実加圧力Fact が読み込まれるとともに、実加圧力F
act が下境界値Freq /k1 以上であり、かつ、上境界
値F req /k2 以下であるか否かが判定される。モータ
制御モードとして保持モードを選択すべきであるか否か
が判定されるのである。今回は、実加圧力Fact が下境
界値Freq /k1 以上であり、かつ、上境界値Freq
2 以下であると仮定すれば、判定がYESとなり、S
208において、節電許可フラグがONであり、かつ、
実加圧力Fact が要求加圧力Freq 以上であるか否かが
判定される。
【0098】今回は、節電許可フラグがONであり、か
つ、実加圧力Fact が要求加圧力F req 以上であると仮
定すれば、判定がYESとなり、S209において、実
モータ電流iact が一定量△iで減少するようにモータ
ドライバ104に電流指示信号が出力される。それによ
り、モータ12の節電制御が実行される。その後、S2
10において、実加圧力Fact が演算される。具体的に
は、ストロークセンサ72から実ストロークSact が読
み込まれるとともに、RAM96から最新のパッド剛性
値Cが読み込まれ、その後、 Fact =Sact ×C なる式を用いて実加圧力Fact が演算される。演算され
た実加圧力Fact はRAM96に記憶される。以上で本
ルーチンの一回の実行が終了する。
【0099】その後、S201,S202,S207な
いしS210の実行が繰り返され、その結果、実加圧力
act が要求加圧力Freq より小さくなると、S208
の判定がNOとなり、S209がスキップされ、それに
より、実モータ電流iact が保持される。それにより、
モータ12の節電制御が終了させられる。なお、実加圧
力Fact が要求加圧力Freq より小さくなっても、下境
界値より小さくならない限り、S202の判定がYES
とならず、実モータ電流iact が増加させられない。し
たがって、実加圧力Fact を保持することが必要である
場合に、実モータ電流iact がハンチングすることが防
止される。
【0100】ブレーキ操作力が弱められたために実加圧
力Fact が要求加圧力Freq より大きくなっても、上境
界値より大きくならない限り、S207の判定がYES
となり、保持モードが選択される。今回は、実加圧力F
act が要求加圧力Freq より大きいから、S208の判
定がYESとなり、S209において、実モータ電流i
act が減少させられる。ただし、その後、実加圧力F
act が要求加圧力Freqより小さくなると、S208の
判定がNOとなり、S209がスキップされ、その結
果、実モータ電流iact が保持される。
【0101】また、ブレーキ操作力がさらに弱められた
ために実加圧力Fact が要求加圧力Freq の上境界値よ
り大きくなると、S207の判定はNO、S211の判
定はYESとなり、S212において、実ストロークS
act がフィードバックされることによって実モータ電流
act が制御される。
【0102】本ステップの詳細が図11にフローチャー
トで表されている。まず、S251において、前記S1
19におけると同様に、目標ストロークS* が演算さ
れ、その後、S252において、ストロークセンサ72
から実ストロークSact が読み込まれるとともに、その
読み込まれた実ストロークSact が、上記演算された目
標ストロークS* 以上であるか否かが判定される。目標
ストロークS* 以上であれば、判定がYESとなり、S
253において、実モータ電流iact が一定値△iで減
少するようにモータドライバ104に電流指示信号が出
力される。これに対して、実ストロークSact が目標ス
トロークS* 以上でなければ、S252の判定がNOと
なり、S253がスキップされる。いずれの場合にも、
以上でこのS212の実行が終了する。
【0103】その後、図9のS213において、節電許
可フラグがOFFにされ、続いて、S210において、
実加圧力Fact が演算されてRAM96に記憶される。
以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0104】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、ストロークセンサ72が「駆動量セン
サ」を構成し、モータ電流センサ102が「モータ電流
・電圧センサ」を構成し、ECU90が「モータ制御装
置」を構成し、ECU90のうち図9のS201ないし
S203,S205ないしS207,S210,S21
1およびS212を実行する部分が「第2制御手段」を
構成し、ECU90のうち同図のS205およびS20
6を実行する部分が「実剛性値推定手段」を構成し、E
CU90のうち同図のS212における図11のS25
1を実行する部分が「目標ストローク決定手段」を構成
し、ECU90のうち図9のS204,S207ないし
S209およびS213を実行する部分が「第3制御手
段」を構成し、ECU90のうち同図のS202および
S207を実行する部分が「第4制御手段」を構成して
いるのである。
【0105】以上、本発明のいくつかの実施形態を図面
に基づいて詳細に説明したが、これらの他にも、特許請
求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて
種々の変形,改良を施した形態で本発明を実施すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である電動ブレーキ装置
におけるディスクブレーキを示す側面断面図である。
【図2】図1におけるストロークセンサを拡大して示す
側面断面図である。
【図3】上記ブレーキ装置の電気的構成を示すブロック
図である。
【図4】図3におけるコンピュータにより実行されるブ
レーキ制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】上記ディスクブレーキにおける押圧ロッドのス
トロークSとその押圧ロッドによる摩擦パッドの加圧力
Fとの間における複数の関係を示すグラフである。
【図6】上記ディスクブレーキにおけるモータ電流iと
加圧力Fとの関係を示すグラフである。
【図7】そのディスクブレーキにおける押圧ロッドのス
トロークSの目標値S* および標準値S0 と加圧力Fの
要求値Freq と実際値Fact との関係を説明するための
グラフである。
【図8】本発明の第2実施形態である電動ブレーキ装置
におけるコンピュータにより実行されるブレーキ制御ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態である電動ブレーキ装置
におけるコンピュータにより実行されるブレーキ制御ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図10】図9におけるS203の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図11】図9におけるS212の詳細を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
10 ディスクブレーキ 12 DCモータ 32 摩擦パッド 40 押圧ロッド 70 ストロークスイッチ 72 ストロークセンサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪と共に回転する回転体に対する接触・
    離間が可能な摩擦材に、モータにより駆動される加圧部
    材が係合させられ、それらモータと加圧部材とにより摩
    擦材が回転体に接触させられて加圧されることにより、
    車輪の回転を抑制する電動ブレーキと、 前記加圧部材が駆動された駆動量を検出する駆動量セン
    サと、 その駆動量センサにより検出された実駆動量に基づいて
    前記モータを制御するモータ制御装置とを含むことを特
    徴とする電動ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】さらに、前記モータに供給された電流また
    は電圧である実モータ電流・電圧を検出するモータ電流
    ・電圧センサを含み、前記モータ制御装置が、前記駆動
    量センサと前記モータ電流・電圧センサとによりそれぞ
    れ検出された実駆動量と実モータ電流・電圧とに基づい
    て実モータ電流・電圧を制御するものである請求項1に
    記載の電動ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記モータ制御装置が、車輪制動力を増加
    させることが必要である場合であるか減少させることが
    必要である場合であるかを問わず、前記駆動量センサに
    より検出される実駆動量が目標駆動量と実質的に等しく
    なるように前記モータの実モータ電流・電圧を制御する
    第1制御手段を含む請求項1または2に記載の電動ブレ
    ーキ装置。
  4. 【請求項4】さらに、前記モータに供給された電流また
    は電圧である実モータ電流・電圧を検出するモータ電流
    ・電圧センサを含み、前記第1制御手段が、(a) 前記摩
    擦材が前記加圧部材により加圧されることを要求される
    要求加圧力が、前記摩擦材の実剛性値が標準値である場
    合に対応する加圧部材の駆動量を標準駆動量として決定
    し、その決定した標準駆動量を補正係数で補正した値を
    前記目標駆動量に決定する目標駆動量決定手段と、(b)
    前記補正係数を、前記要求加圧力と前記モータ電流・電
    圧センサにより検出された実モータ電流・電圧とに基づ
    いて決定する補正係数決定手段とを含む請求項3に記載
    の電動ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】前記補正係数決定手段が、車輪制動力を増
    加させることが必要である場合と減少させることが必要
    である場合とのうち予め定められたいずれか一方におい
    て、前記要求加圧力を取得するとともに、前記モータ電
    流・電圧センサにより実モータ電流・電圧を検出し、そ
    の取得された要求加圧力とその検出された実モータ電流
    ・電圧とに基づいて前記補正係数を決定するものである
    請求項4に記載の電動ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】前記モータ制御装置が、車輪制動力を増加
    させることが必要である場合には、前記モータ電流・電
    圧センサにより検出される実モータ電流・電圧が目標モ
    ータ電流・電圧と実質的に等しくなるように実モータ電
    流・電圧を制御する一方、車輪制動力を減少させること
    が必要である場合には、前記駆動量センサにより検出さ
    れる実駆動量が目標駆動量と実質的に等しくなるように
    実モータ電流・電圧を制御する第2制御手段を含む請求
    項2に記載の電動ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】前記第2制御手段が、(a) 車輪制動力を増
    加させることが必要である場合に、前記駆動量センサと
    前記モータ電流・電圧センサとにより互いに実質的に同
    じ時期にそれぞれ検出された実駆動量と実モータ電流・
    電圧とに基づき、前記摩擦材の実剛性値を推定する実剛
    性値推定手段と、(b) 車輪制動力を減少させることが必
    要である場合に、その実剛性値推定手段により推定され
    た実剛性値に基づいて前記目標駆動量を決定する目標駆
    動量決定手段とを含む請求項6に記載の電動ブレーキ装
    置。
  8. 【請求項8】前記モータ制御装置が、前記モータの実モ
    ータ電流・電圧が増加させられることにより、実車輪制
    動力が増加させられて目標車輪制動力に到達した後、実
    車輪制動力を保持することが必要となった場合に、実車
    輪制動力が目標車輪制動力より実質的に減少しない範囲
    で、実モータ電流・電圧を減少させる第3制御手段を含
    む請求項1ないし7のいずれかに記載の電動ブレーキ装
    置。
  9. 【請求項9】前記第3制御手段が、実モータ電流・電圧
    の前記減少を、実車輪制動力が目標車輪制動力より減少
    し始める時期と実質的に等しい時期まで行う手段を含む
    請求項8に記載の電動ブレーキ装置。
  10. 【請求項10】前記モータ制御装置が、さらに、実車輪
    制動力が目標車輪制動力より0でない設定値以上小さく
    ならない限り、実モータ電流・電圧を増加させないで保
    持する第4制御手段を含む請求項8または9に記載の電
    動ブレーキ装置。
JP29037598A 1998-08-19 1998-10-13 電動ブレーキ装置 Expired - Fee Related JP4214576B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29037598A JP4214576B2 (ja) 1998-08-19 1998-10-13 電動ブレーキ装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-232939 1998-08-19
JP23293998 1998-08-19
JP29037598A JP4214576B2 (ja) 1998-08-19 1998-10-13 電動ブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000130482A true JP2000130482A (ja) 2000-05-12
JP4214576B2 JP4214576B2 (ja) 2009-01-28

Family

ID=26530752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29037598A Expired - Fee Related JP4214576B2 (ja) 1998-08-19 1998-10-13 電動ブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4214576B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003202042A (ja) * 2001-10-22 2003-07-18 Tokico Ltd 電動ディスクブレーキおよびその制御プログラム
JP2006070962A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Honda Motor Co Ltd 電動駐車ブレーキ装置
US7198336B2 (en) 2000-09-28 2007-04-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicular brake control apparatus and control method of vehicular brake apparatus
JP2007161154A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Hitachi Ltd 車両のブレーキ制御装置
JP2008184023A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Hitachi Ltd 電動ブレーキ装置
JP2008222069A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Kayaba Ind Co Ltd 電動ブレーキ
JP2009001151A (ja) * 2007-06-21 2009-01-08 Nissin Kogyo Co Ltd ブレーキ制御装置
JP2009137377A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Honda Motor Co Ltd 車両用ブレーキ装置
JP2009204161A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Messier Bugatti 膨張に対する補正を行う乗り物用ブレーキの制御方法
JP2010500511A (ja) * 2006-08-07 2010-01-07 コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト 電気機械式パーキングブレーキ及びその動作方法
JP2010070144A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Kayaba Ind Co Ltd 電動ブレーキ
WO2010097938A1 (ja) * 2009-02-27 2010-09-02 トヨタ自動車株式会社 ブレーキ装置
JP2015047945A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキシステム
WO2016152746A1 (ja) * 2015-03-26 2016-09-29 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
CN106536300A (zh) * 2014-07-18 2017-03-22 Ntn株式会社 电动制动装置
EP4124527A1 (en) * 2021-07-27 2023-02-01 Nabtesco Corporation Brake device, abnormal operation determination method, and abnormal operation determination program

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7198336B2 (en) 2000-09-28 2007-04-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicular brake control apparatus and control method of vehicular brake apparatus
JP2003202042A (ja) * 2001-10-22 2003-07-18 Tokico Ltd 電動ディスクブレーキおよびその制御プログラム
JP4502749B2 (ja) * 2004-09-01 2010-07-14 本田技研工業株式会社 電動駐車ブレーキ装置および電動駐車ブレーキ装置におけるブレーキパッドの実位置推定方法
JP2006070962A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Honda Motor Co Ltd 電動駐車ブレーキ装置
JP2007161154A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Hitachi Ltd 車両のブレーキ制御装置
JP2010500511A (ja) * 2006-08-07 2010-01-07 コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト 電気機械式パーキングブレーキ及びその動作方法
JP4741525B2 (ja) * 2007-01-30 2011-08-03 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動ブレーキ装置
JP2008184023A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Hitachi Ltd 電動ブレーキ装置
JP2008222069A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Kayaba Ind Co Ltd 電動ブレーキ
JP2009001151A (ja) * 2007-06-21 2009-01-08 Nissin Kogyo Co Ltd ブレーキ制御装置
JP2009137377A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Honda Motor Co Ltd 車両用ブレーキ装置
JP2009204161A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Messier Bugatti 膨張に対する補正を行う乗り物用ブレーキの制御方法
JP2010070144A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Kayaba Ind Co Ltd 電動ブレーキ
WO2010097938A1 (ja) * 2009-02-27 2010-09-02 トヨタ自動車株式会社 ブレーキ装置
CN102333970A (zh) * 2009-02-27 2012-01-25 丰田自动车株式会社 制动装置
JP5131502B2 (ja) * 2009-02-27 2013-01-30 トヨタ自動車株式会社 ブレーキ装置
US8776958B2 (en) 2009-02-27 2014-07-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brake apparatus
CN102333970B (zh) * 2009-02-27 2016-02-17 丰田自动车株式会社 制动装置
JP2015047945A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキシステム
CN106536300B (zh) * 2014-07-18 2019-04-23 Ntn株式会社 电动制动装置
CN106536300A (zh) * 2014-07-18 2017-03-22 Ntn株式会社 电动制动装置
EP3170711A4 (en) * 2014-07-18 2018-04-25 NTN Corporation Electric brake device
US10352383B2 (en) 2014-07-18 2019-07-16 Ntn Corporation Electric brake device
JP2016182865A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
WO2016152746A1 (ja) * 2015-03-26 2016-09-29 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
US10427661B2 (en) 2015-03-26 2019-10-01 Ntn Corporation Electric brake device
EP4124527A1 (en) * 2021-07-27 2023-02-01 Nabtesco Corporation Brake device, abnormal operation determination method, and abnormal operation determination program

Also Published As

Publication number Publication date
JP4214576B2 (ja) 2009-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000130482A (ja) 電動ブレーキ装置
US6748310B2 (en) Electric brake system
JP2630505B2 (ja) 自動車の臨界駆動トルクを求める装置
JP6054463B2 (ja) 電動ブレーキシステム
KR101930694B1 (ko) 전자식 브레이크의 제어방법
JP4741525B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP6584877B2 (ja) 電動ブレーキシステム
WO2007091337A1 (ja) 電動ブレーキ装置
US20040026989A1 (en) Electric parking brake system and method for controlling the electric parking brake system
JP2000033864A (ja) ブレ―キ装置の制御方法および装置
JP6664903B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP2000213575A (ja) 制動装置
US6988595B2 (en) Vehicular braking apparatus and method
JPWO2005124182A1 (ja) 電動ブレーキ
JP5848569B2 (ja) ブレーキ装置
JP2000055094A (ja) 電動ブレーキ装置
JP6502172B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP2000203402A (ja) 制動制御装置
JP5023617B2 (ja) 渦電流減速装置の制動力推定方法及び推定制動力演算装置、並びに制動力制御装置、渦電流減速装置
JP5085108B2 (ja) 電動ディスクブレーキ装置
JP4298837B2 (ja) 電動式ブレーキ装置
JP4482843B2 (ja) 電動ディスクブレーキのパッド摩耗の検出方法及び電動ディスクブレーキ装置
JP2000016279A (ja) 電動ブレーキ装置
WO2017154790A1 (ja) 直動アクチュエータ
JP2008014323A (ja) 電動ブレーキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081014

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081027

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131114

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees