JP2003202042A - 電動ディスクブレーキおよびその制御プログラム - Google Patents

電動ディスクブレーキおよびその制御プログラム

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JP2003202042A
JP2003202042A JP2002055043A JP2002055043A JP2003202042A JP 2003202042 A JP2003202042 A JP 2003202042A JP 2002055043 A JP2002055043 A JP 2002055043A JP 2002055043 A JP2002055043 A JP 2002055043A JP 2003202042 A JP2003202042 A JP 2003202042A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンがブレーキパッドに対しクリアラン
スを生じる位置まで後退してしまってもピストンを円滑
に戻すことを可能とすることにより応答性を向上させる
ことができ、しかも、低推力領域での制御精度を向上さ
せることができる電動ディスクブレーキおよびその制御
プログラムの提供。 【解決手段】 推力検出手段で検出されたピストン推力
に基づく推力制御および位置検出手段で検出されたモー
タ回転位置に基づく位置制御によって、ピストンに目標
推力を発生させるように電動モータを制御する制御手段
が、推力検出手段で検出されたピストン推力に応じて、
推力制御および位置制御の制御量の配分を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータの回転
運動をピストンの直線運動に変換して制動力を発生させ
る電動ディスクブレーキおよびその制御プログラムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電動モータの回転運動をピストンの直線
運動に変換して制動力を発生させる電動ディスクブレー
キとして、例えば、電動モータと、電動モータの回転運
動をピストンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキ
パッドをディスクに接触させる変換機構部と、電動モー
タのモータ回転位置を検出する位置検出器と、ピストン
が受けるピストン推力を検出する推力センサとを有する
電動ディスクブレーキがあり、その一例として特開20
00−213575号公報に開示されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電動モータ
のモータ回転位置とピストン推力との関係は、図16に
示すようになっており、ピストンが後退しブレーキパッ
ドの押圧が解除された後のパッドクリアランス領域のモ
ータ回転位置においては、ピストン推力は0となってい
る。そして、上記公報に開示されたもの等、従来の電動
ディスクブレーキは、図17に示すように、推力センサ
で検出されるピストン推力をフィードバックとする制御
ブロックで制御を行っている。
【0004】ここで、図17において、符号100は積
分処理を行う積分器を、符号101は予め設定された積
分係数Kiによって処理を行う増幅器を、符号102は
予め設定された係数Kpによって処理を行う増幅器を、
符号103は制御対象である電動キャリパを、符号10
4は推力センサをそれぞれ示しており、目標推力に対し
推力センサ104で検出された現在の推力を推力フィー
ドバックとして減算し、このデータに、一方でこのデー
タを積分器100において積分処理を行いさらに増幅器
101において積分係数Kiを乗算処理したデータを求
めて、これを加算し、加算後のデータにさらに増幅器1
02において係数Kpを乗算処理して、得られた制御デ
ータで電動キャリパ103内の電動モータを制御する。
【0005】ここで、推力センサはアナログ出力のため
AD変換器の性能により分解能が決まるが、電動ディス
クブレーキの発生推力が非常に大きいため、例えば、一
つの推力センサで高推力領域まで推力を検出する場合、
推力センサの低推力領域での推力検出の分解能が低くな
ってしまうことになり、電動モータの低推力領域での制
御の精度が悪くなってしまうという問題もあった。
【0006】図18に上記制御ブロックによるステップ
応答の一例を示すが、この例のように、減力方向でピス
トン推力が0になった時点T1で電動モータの制御量が
0になるが、慣性によって、モータ位置が0で停止せず
図18にX2で示すように回転しすぎる、いわゆるオー
バーシュートが生じてしまい、このときピストンは推力
を受けていないため、推力センサはオーバーシュートを
検出できない。その結果、電動モータは、ピストンをブ
レーキパッドに対しクリアランスを生じる位置まで後退
させてしまうことになり、連続的に制動力を発生させる
場合等の応答性が悪くなってしまうという問題が発生す
る。
【0007】したがって、本発明は、低推力領域での制
御精度を向上させることができ、応答性を向上させるこ
とができる電動ディスクブレーキおよびその制御プログ
ラムの提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の電動ディスクブレーキは、
電動モータと、該電動モータの回転運動をピストンの直
線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドをディスク
に接触させる変換機構部と、前記電動モータのモータ回
転位置を検出する位置検出手段と、前記ピストンが受け
るピストン推力を検出する推力検出手段と、該推力検出
手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御および
前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく
位置制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させ
るように前記電動モータを制御する制御手段とを有する
ものであって、前記制御手段は、前記推力検出手段で検
出されたピストン推力または前記ピストンに発生させる
目標推力に応じて、前記推力制御および前記位置制御の
制御量の配分を変化させることを特徴としている。
【0009】このように、制御手段は、推力検出手段で
検出されたピストン推力またはピストンに発生させる目
標推力に応じて、推力制御および位置制御の制御量の配
分を変化させるため、例えば、高推力領域では推力検出
手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御のみを
行い、低推力領域ではこの推力制御と位置検出手段で検
出されたモータ回転位置に基づく位置制御とを組み合わ
せて行うことができる。よって、例えば、低推力領域で
推力制御と位置制御とを組み合わせて行うことで、低推
力領域での推力制御による分解能不足を位置制御で補っ
て分解能を高めることができる。
【0010】また、低推力領域で推力制御と位置制御と
を組み合わせて行うことで、減力方向でピストン推力が
0に近づくと位置制御を合わせることになり、その結
果、電動モータが行き過ぎてしまってもピストンを円滑
に戻すことが可能となる。
【0011】本発明の請求項2記載の電動ディスクブレ
ーキは、請求項1記載のものに関して、前記制御手段
は、前記推力検出手段で検出されたピストン推力または
前記ピストンに発生させる目標推力が小さいほど、前記
位置制御の制御量の配分を大きくするとともに前記推力
制御の制御量の配分を小さくすることを特徴としてい
る。
【0012】このように、推力検出手段で検出されたピ
ストン推力またはピストンに発生させる目標推力が小さ
いほど、位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基
づく位置制御の制御量の配分を大きくするとともに推力
検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御の
制御量の配分を小さくするため、推力検出手段の推力検
出の分解能の低下に応じて、位置制御の制御量の配分を
大きくするとともに推力制御の制御量の配分を小さくす
ることになる。
【0013】本発明の請求項3記載の電動ディスクブレ
ーキは、電動モータと、該電動モータの回転運動をピス
トンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドを
ディスクに接触させる変換機構部と、前記電動モータの
モータ回転位置を検出する位置検出手段と、前記ピスト
ンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、該
推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制
御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるよう
に前記電動モータを制御する制御手段とを有するもので
あって、前記制御手段は、前記推力検出手段で検出され
たピストン推力が予め設定された値に達していない場合
は、前記位置検出手段で検出されたモータ回転位置から
ピストン推力を推定して推力制御を行うことを特徴とし
ている。
【0014】このように、制御手段は、推力検出手段で
検出されたピストン推力が予め設定された値に達してい
ない場合は、位置検出手段で検出されたモータ回転位置
からピストン推力を推定して推力制御を行うため、例え
ば、高推力領域では推力検出手段で検出されたピストン
推力に基づく推力制御を行い、低推力領域では、位置検
出手段で検出されたモータ回転位置からピストン推力を
推定して推力制御を行うことができる。よって、低推力
領域において分解能が不足する推力制御ではなく、分解
能が確保できるモータ回転位置からピストン推力を推定
して推力制御を行うことで、分解能を高めることができ
る。
【0015】また、低推力領域で位置検出手段で検出さ
れたモータ回転位置からピストン推力を推定して推力制
御を行うことで、減力方向でピストン推力が0に近づく
と、モータ回転位置から割り出されたピストン推力を用
いて推力制御を行うことになり、電動モータが行き過ぎ
てしまってもピストンを円滑に戻すことが可能となる。
【0016】本発明の請求項4記載の電動ディスクブレ
ーキは、電動モータと、該電動モータの回転運動をピス
トンの直線運動に変換し該ピストンでブレーキパッドを
ディスクに接触させる変換機構部と、前記電動モータの
モータ回転位置を検出する位置検出手段と、前記ピスト
ンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、該
推力検出手段で検出されたピストン推力および前記位置
検出手段で検出されたモータ回転位置に基づいて前記電
動モータを制御する制御手段とを有するものであって、
前記推力検出手段に入力されるピストン推力の範囲を限
定する推力範囲限定手段を有することを特徴としてい
る。
【0017】このように、推力検出手段に入力されるピ
ストン推力の範囲を限定する推力範囲限定手段を有する
ことから、この推力範囲限定手段が推力検出手段に入力
されるピストン推力の範囲を低推力領域のみに限定する
ことで、推力検出手段として高い分解能で低推力領域の
み検出可能なものを用いることができる。
【0018】しかも、推力検出手段として高い分解能で
低推力領域のみ検出可能なものを用いることができるた
め、推力検出手段についてコスト低減および小型化が図
れる。
【0019】本発明の請求項5記載の電動ディスクブレ
ーキは、請求項4記載のものに関して、前記制御手段
は、前記推力検出手段で検出されたピストン推力または
前記ピストンに発生させる目標推力が所定のしきい値に
達していない場合は、前記ピストン推力に基づく推力制
御の制御量の配分を大きくするとともに前記モータ回転
位置に基づく位置制御の制御量の配分を小さくする一
方、前記推力検出手段で検出されたピストン推力または
前記ピストンに発生させる目標推力が所定のしきい値に
達した場合は、前記推力制御の制御量の配分を小さくす
るとともに前記位置制御の制御量の配分を大きくするこ
とを特徴としている。
【0020】このように、推力検出手段で検出されたピ
ストン推力またはピストンに発生させる目標推力が所定
のしきい値に達していない場合は、ピストン推力に基づ
く推力制御の制御量の配分を大きくするとともにモータ
回転位置に基づく位置制御の制御量の配分を小さくする
一方、推力検出手段で検出されたピストン推力またはピ
ストンに発生させる目標推力が所定のしきい値に達した
場合は、ピストン推力に基づく推力制御の制御量の配分
を小さくするとともにモータ回転位置に基づく位置制御
の制御量の配分を大きくするため、例えば、低推力領域
では、この領域の分解能が高い推力検出手段のピストン
推力検出の分解能に合わせて、モータ回転位置に基づく
制御の制御量の配分を小さくするとともにピストン推力
に基づく制御の制御量の配分を大きくする一方、推力検
出手段でピストン推力が検出できない高推力領域では、
モータ回転位置に基づく制御の制御量の配分を大きくす
るとともにピストン推力に基づく制御の制御量の配分を
小さくする。
【0021】本発明の請求項6記載の電動ディスクブレ
ーキは、請求項5記載のものに関して、前記所定のしき
い値を、前記ピストン推力の変化量と前記モータ回転位
置の変化量とから設定することを特徴としている。
【0022】このように、所定のしきい値を、ピストン
推力の変化量とモータ回転位置の変化量とから設定する
ため、個体によって異なるしきい値を正確に設定するこ
とができる。
【0023】本発明の請求項7記載の電動ディスクブレ
ーキの制御プログラムは、電動モータと、該電動モータ
の回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンで
ブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、
前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手
段と、前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推
力検出手段と、該推力検出手段で検出されたピストン推
力に基づく推力制御および前記位置検出手段で検出され
たモータ回転位置に基づく位置制御によって、前記ピス
トンに目標推力を発生させるように前記電動モータを制
御する制御手段とを有する電動ディスクブレーキの制御
プログラムであって、前記推力検出手段で検出されたピ
ストン推力または前記ピストンに発生させる目標推力に
応じて、前記推力制御および前記位置制御の制御量の配
分を変化させることを特徴としている。
【0024】このように、推力検出手段で検出されたピ
ストン推力またはピストンに発生させる目標推力に応じ
て、推力制御および位置制御の制御量の配分を変化させ
るため、例えば、高推力領域では推力検出手段で検出さ
れたピストン推力に基づく推力制御のみを行い、低推力
領域ではこの推力制御と位置検出手段で検出されたモー
タ回転位置に基づく位置制御とを組み合わせて行うこと
ができる。よって、例えば、低推力領域で推力制御と位
置制御とを組み合わせて行うことで、低推力領域での推
力制御による分解能不足を位置制御で補って分解能を高
めることができる。
【0025】また、低推力領域で推力制御と位置制御と
を組み合わせて行うことで、減力方向でピストン推力が
0に近づくと位置制御を合わせることになり、その結
果、電動モータが行き過ぎてしまってもピストンを円滑
に戻すことが可能となる。
【0026】本発明の請求項8記載の電動ディスクブレ
ーキの制御プログラムは、請求項7記載の制御プログラ
ムに関して、前記推力検出手段で検出されたピストン推
力または前記ピストンに発生させる目標推力が小さいほ
ど、前記位置制御の制御量の配分を大きくするとともに
前記推力制御の制御量の配分を小さくすることを特徴と
している。
【0027】このように、推力検出手段で検出されたピ
ストン推力またはピストンに発生させる目標推力が小さ
いほど、位置検出手段で検出されたモータ回転位置に基
づく位置制御の制御量の配分を大きくするとともに推力
検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力制御の
制御量の配分を小さくするため、推力検出手段の推力検
出の分解能の低下に応じて、位置制御の制御量の配分を
大きくするとともに推力制御の制御量の配分を小さくす
ることになる。
【0028】本発明の請求項9記載の電動ディスクブレ
ーキの制御プログラムは、電動モータと、該電動モータ
の回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストンで
ブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部と、
前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手
段と、前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推
力検出手段と、該推力検出手段で検出されたピストン推
力に基づく推力制御によって、前記ピストンに目標推力
を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段
とを有する電動ディスクブレーキの制御プログラムであ
って、前記推力検出手段で検出されたピストン推力が予
め設定された値に達していない場合は、前記位置検出手
段で検出されたモータ回転位置からピストン推力を推定
して推力制御を行うことを特徴としている。
【0029】このように、推力検出手段で検出されたピ
ストン推力が予め設定された値に達していない場合は、
位置検出手段で検出されたモータ回転位置からピストン
推力を推定して推力制御を行うため、例えば、高推力領
域では推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく
推力制御を行い、低推力領域では、位置検出手段で検出
されたモータ回転位置からピストン推力を推定して推力
制御を行うことができる。よって、低推力領域において
分解能が不足する推力制御ではなく、分解能が確保でき
るモータ回転位置からピストン推力を推定して推力制御
を行うことで、分解能を高めることができる。
【0030】また、低推力領域で位置検出手段で検出さ
れたモータ回転位置からピストン推力を推定して推力制
御を行うことで、減力方向でピストン推力が0に近づく
と、モータ回転位置から割り出されたピストン推力を用
いて推力制御を行うことになり、電動モータが行き過ぎ
てしまってもピストンを円滑に戻すことが可能となる。
【0031】本発明の請求項10記載の電動ディスクブ
レーキの制御プログラムは、電動モータと、該電動モー
タの回転運動をピストンの直線運動に変換し該ピストン
でブレーキパッドをディスクに接触させる変換機構部
と、前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検
出手段と、前記ピストンが受けるピストン推力を検出す
る推力検出手段と、該推力検出手段で検出されたピスト
ン推力および前記位置検出手段で検出されたモータ回転
位置に基づいて前記電動モータを制御する制御手段と、
前記推力検出手段に入力されるピストン推力の範囲を限
定する推力範囲限定手段とを有する電動ディスクブレー
キの制御プログラムであって、前記推力検出手段で検出
されたピストン推力または前記ピストンに発生させる目
標推力が所定のしきい値に達していない場合は、前記ピ
ストン推力に基づく推力制御の制御量の配分を大きくす
るとともに前記モータ回転位置に基づく位置制御の制御
量の配分を小さくする一方、前記推力検出手段で検出さ
れたピストン推力または前記ピストンに発生させる目標
推力が所定のしきい値に達した場合は、前記推力制御の
制御量の配分を小さくするとともに前記位置制御の制御
量の配分を大きくすることを特徴としている。
【0032】このように、推力検出手段で検出されたピ
ストン推力またはピストンに発生させる目標推力が所定
のしきい値に達していない場合は、ピストン推力に基づ
く推力制御の制御量の配分を大きくするとともにモータ
回転位置に基づく位置制御の制御量の配分を小さくする
一方、推力検出手段で検出されたピストン推力またはピ
ストンに発生させる目標推力が所定のしきい値に達した
場合は、ピストン推力に基づく推力制御の制御量の配分
を小さくするとともにモータ回転位置に基づく位置制御
の制御量の配分を大きくするため、例えば、低推力領域
では、この領域の分解能が高い推力検出手段のピストン
推力検出の分解能に合わせて、モータ回転位置に基づく
制御の制御量の配分を小さくするとともにピストン推力
に基づく制御の制御量の配分を大きくする一方、推力検
出手段でピストン推力が検出できない高推力領域では、
モータ回転位置に基づく制御の制御量の配分を大きくす
るとともにピストン推力に基づく制御の制御量の配分を
小さくする。
【0033】本発明の請求項11記載の電動ディスクブ
レーキの制御プログラムは、請求項10記載のものに関
して、前記所定のしきい値を、前記ピストン推力の変化
量と前記モータ回転位置の変化量とから設定することを
特徴としている。
【0034】このように、所定のしきい値を、ピストン
推力の変化量とモータ回転位置の変化量とから設定する
ため、個体によって異なるしきい値を正確に設定するこ
とができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態の電動ディ
スクブレーキおよびその制御プログラムを図1〜図4を
参照しつつ以下に説明する。
【0036】図1に示すように、本実施形態の電動ディ
スクブレーキの電動キャリパ10は、図示せぬ車輪とと
もに回転するディスク11の一側(通常は車体に対して
内側)にキャリパ本体12が配置されており、このキャ
リパ本体12には、略C字形に形成されてディスク11
を跨いで反対側へ延びる爪部13が一体的に結合されて
いる。ディスク11の両側、すなわち、ディスク11と
キャリパ本体12との間および爪部13の先端部との間
に、それぞれブレーキパッド14,15が設けられてい
る。ブレーキパッド14,15は、車体側に固定される
キャリア16によってディスク11の軸方向に沿って移
動可能に支持されて、制動トルクをキャリア16で受け
るようになっており、また、キャリパ本体12は、キャ
リア16に取付けられた図示せぬスライドピンによって
ディスク11の軸方向に沿って摺動可能に案内されてい
る。
【0037】キャリパ本体12には、ボルト17によっ
て略円筒伏のケース18が結合され、このケース18内
には、電動モータ19および位置検出器(位置検出手
段)20が設けられている。一方、キャリパ本体12内
には、ボールランプ機構21及び減速機構22が挿入さ
れている。ケース18の後端部には、カバー23がボル
ト24によって取付けられている。
【0038】電動モータ19は、ケース18の内周部に
固定されたステータ25と、ステータ25に挿入されて
軸受26,27によってケース18に回転可能に支持さ
れたロータ28とを備えている。位置検出器20は、ケ
ース18側に固定されたレゾルバステータ29及びロー
タ28に取付けられたレゾルバロータ30からなり、こ
れらの相対回転に基づいてロータ28の回転位置すなわ
ち電動モータ19のモータ回転位置を検出するものであ
る。
【0039】ボールランプ機構21は、環状の第1及び
第2ディスク32,33と、これらの間に介装された複
数のボール(鋼球)34とから構成されている。第1デ
ィスク32は、軸受35によってキャリパ本体12に回
転可能に支持され、ロータ28内に挿入される円筒部3
6が一体的に形成されている。第2ディスク33には、
円筒部36よりも小径の円筒状のスリーブ37が一体的
に形成され、このスリーブ37が円筒部36内に挿通さ
れている。
【0040】ボールランプ機構21の第1ディスク32
及び第2ディスク33の対向面には、それぞれ円周方向
に沿って延びる円弧状の例えば3つのボール溝38,3
9が形成されている。これらのボール溝38,39は、
等しい中心角(例えば90゜)の範囲に延ばされて、同
じ方向に傾斜されている。そして、第1及び第2ディス
ク32,33に形成されたボール溝38,39間にボー
ル34が装入され、第1、第2ディスク32,33の相
対回転によって、ボール溝38,39内をボール34が
転動することにより、第1ディスク32と第2ディスク
33とが軸方向に相対変位するようになっている。この
とき、第1ディスク32が第2ディスク33に対して反
時計回りに回転したとき、これらが離間する方向に変位
する。
【0041】第2ディスク33とブレーキパッド14と
の間には、ピストン40が設けられている。ピストン4
0は、外周にネジ部41を形成した円筒部材42aを有
している。円筒部材42aは、第2ディスク33のスリ
ーブ37内に挿入され、その内周に形成されたネジ部4
3に螺合されている。円筒部材42a内には、ケース1
8にブラケット44を介して取付けられた軸45の図示
せぬ二面取部が嵌合されて、その回転が規制されてい
る。また、ピストン40は、円筒部材42aの軸45に
対し反対側に回転が規制された状態で連結される略円板
状の押圧部材42bを有している。そして、円筒部材4
2aと押圧部材42bと軸45との間に、ピストン40
が受けるピストン推力を検出する推力センサ(推力検出
手段)46が設けられている。
【0042】ピストン40の円筒部材42のネジ部41
と、第2ディスク33のスリーブ37のネジ部43とで
不可逆ねじを形成しており、ピストン40は、その軸方
向に力が作用しても移動することはないが、第2ディス
ク33を反時計回りに回転させることにより、ディスク
11側へ移動するようになっている。
【0043】軸45の外周部及び第2ディスク33のス
リーブ37の内周部にそれぞれ形成されたバネ受47,
48間に複数の皿バネ(圧縮ばね)49が介装され、そ
のばね力によって第2ディスク33がボール34を第1
ディスク32との間で挟みつけるように付勢されてい
る。軸45は、調整ネジ50およびロックナット51に
よってブラケット44に取付けられている。
【0044】第2ディスク33には、最もディスク11
側の外径部にリング部材52が固定されている。一方、
爪部13のキャリパ本体12側には、その内側に円筒部
材53が位置固定で設けられており、この円筒部材53
の内側には、第1ディスク32および第2ディスク33
の相互対向側が配置されている。この円筒部材53の内
側には、上記リング部材52と対向するようにリング部
材54が固定されており、リング部材52とリング部材
54との間には、これらの間に適度な抵抗力を付与する
ウエーブワッシャ55が介装されている。
【0045】電動モータ19、位置検出器20、推力セ
ンサ46には、コネクタ31を介して図示せぬコントロ
ーラ(制御手段)が接続され、このコントローラは、位
置検出器20の検出結果すなわち電動モータ19の実際
のモータ回転位置と、電動モータ19の電流値と、推力
センサ46の検出結果すなわち実際のピストン推力とに
基づいて電動モータ19を制御することで、ピストン推
力が目標推力となるように制御を行う。
【0046】次に、減速機構22について説明する。電
動モータ19の口ータ58の一端部に偏心軸57が形成
され、偏心軸57の外周部には、軸受58を介して偏心
板59が回転可能に取付けられている。キャリパ本体1
2には、偏心板59に対向させて固定板60が固定され
ている。偏心板59及び固定板60の対向面には、それ
ぞれ周方向に沿って複数の穴(凹所)61,62が形成
されており、これらの穴61,62間にボール(鋼球)
63が介装してオルダム機構を構成して、公転運動する
偏心板59を支持している。偏心板59の一端面は、第
1ディスク32に対向されており、これらの対向面に
は、それぞれサイクロイド溝64,65が形成され、サ
イクロイド溝64,65間にボール(鋼球)66が挿入
されている。
【0047】第2ディスク33のスリーブ37の先端外
周部には、円筒状のスプリングホルダ67がピン68に
よって回転しないように取付けられている。スプリング
ホルダ67の一端部が、第1ディスク32の円筒部36
の先端部に係合して、これらの相対回転を一定範囲に制
限している。スプリングホルダ67の周りには、コイル
スプリング69が巻装され、コイルスプリング69は、
所定のセット荷重をもって捻られて、その一端部がスプ
リングホルダ67に結合され、他端部が第1ディスク3
2の円筒部36に結合されている。
【0048】以上のように構成した本実施形態の電動デ
ィスクブレーキの基本作動について次に説明する。
【0049】非制動状態では、ボールランプ機構21の
ボール34がボール溝38,39の最も深い端部にあ
り、第1ディスク32と第2ディスク33とが最も近い
位置にある。コントローラは、制動力を発生させる際
に、電動モータ19のロータ28を時計回りに回転させ
る。すると、偏心板59が公転し、サイクロイド溝6
4,65及びボール66の作用によって第1ディスク3
2がロータ28に対して、次式で示される一定の回転比
Nで反時計回りに回転する。 N=(d−D)/D ここで、 d:サイクロイド溝64の基準円直径 D:サイクロイド溝65の基準円直径 すなわち、第1ディスク32は、ロータ28に対して一
定の減速比α(=1/N)で減速されて反時計回りに回
転し、その分、トルクが増幅される。
【0050】第1ディスク32の回転力は、コイルスプ
リング69を介して第2ディスク33に伝達される。ピ
ストン40がブレーキパッド14,15を押圧する前
は、ピストン40に軸方向の荷重が殆ど作用せず、ピス
トン40と第2ディスク33との間のネジ部41,43
に生じる抵抗が小さいので、コイルスプリング69のセ
ット荷重によって第2ディスク33が第1ディスク32
と一体に回転し、第2ディスク33とピストン40との
間に相対回転が生じて、ネジ部41,43の作用によっ
てピストン40がディスク11側ヘ前進する。なお、こ
れにより、ネジ部41,43は電動モータ19の回転運
動をピストン40の直線運動に変換する変換機構部を構
成している。
【0051】上記前進時において、第1ディスク32と
一体に回転する第2ディスク33に固定されたリング部
材52と、爪部13に円筒部材53を介して固定配置さ
れたリング部材54とが相対回転することになり、これ
らの間に介装されたウエーブワッシャ55が第2ディス
ク33の回転に対して適度な抵抗力を付与する。
【0052】そして、ピストン40が一方のブレーキパ
ッド14に接触してこれをディスク11ヘ押圧させ、そ
の反力によってキャリパ本体12がキャリア16のスラ
イドピンに沿って移動して、爪部13が他方のブレーキ
パッド15をディスク11に押圧させる。
【0053】両ブレーキパッド14,15がディスク1
1に押圧された後は、その反力によってピストン40に
軸方向の大きな荷重が作用するため、ネジ部41,43
の抵抗が増大してコイルスプリング69のセット荷重を
超えて、第2ディスク33が回転を停止させることにな
り、その結果、コイルスプリング69が撓んでボールラ
ンプ機構21の第1ディスク32および第2ディスク3
3間に相対回転が生じる。これにより、ボール34がボ
ール溝38,39内を転動して第2ディスク33および
ピストン40を一体に前進(すなわち直線運動)させ、
ピストン40によってブレーキパッド14,15をディ
スク11にさらに押付ける。なお、これにより、ボール
ランプ機構21も電動モータ19の回転運動をピストン
40の直線運動に変換する変換機構部を構成している。
【0054】そして、ピストン40がブレーキパッド1
4に接触した後においても、コントローラは、位置検出
器20の検出結果すなわちモータ回転位置と、推力セン
サ46の検出結果すなわちピストン推力とから電動モー
タ19の電流値を制御することで、ピストン推力を所望
値に制御する。
【0055】ここで、コントローラは、各種センサから
の検出データに基づいて電動キャリパ10の制動力すな
わちピストン40に発生させる目標推力を求め、この目
標推力をピストン40に発生させるように電動モータ1
9に対し、推力センサ46で検出されたピストン推力を
フィードバックとする推力制御および位置検出器20で
検出されたモータ回転位置をフィードバックとする位置
制御を行う。その際に、コントローラは、推力センサ4
6で検出されたピストン推力に応じて、推力制御および
位置制御の制御量の配分を変化させる。
【0056】図2は、上記制御を行うためのコントロー
ラ内に設けられた制御ブロックを示している。
【0057】図2において、符号71は積分処理を行う
積分器を、符号72は予め設定された積分係数Kfiに
よって処理を行う増幅器を、符号73は予め設定された
係数Kfpによって処理を行う増幅器を、符号74はピ
ストン推力に応じて可変となる係数αによって処理を行
う可変増幅器をそれぞれ示している。また、符号76は
予め設定されたマップ(剛性モデル)に基づいて変換処
理を行う変換器を、符号77は積分処理を行う積分器
を、符号78は予め設定された積分係数Kpiによって
処理を行う増幅器を、符号79は予め設定された係数K
ppによって処理を行う増幅器を、符号80はピストン
推力に応じて可変となる係数1−αによって処理を行う
可変増幅器をそれぞれ示している。
【0058】そして、目標推力に対し、変換器76にお
いて予め設定されたマップからこの目標推力に対する目
標モータ回転位置データを割り出し、このデータに対
し、位置検出器20で検出された現在のモータ回転位置
データを位置フィードバックとして減算し、このデータ
に、一方でこのデータを積分器77において積分処理を
行いさらに増幅器78において積分係数Kpiを乗算処
理したデータを求めて、これを加算し、この加算後のデ
ータにさらに増幅器79において係数Kppを乗算処理
する。他方、目標推力に対し、推力センサ46で検出さ
れた現在のピストン推力を推力フィードバックとして減
算し、このデータに対し、一方で積分器71において積
分処理を行いさらに増幅器72において積分係数Kfi
を乗算処理したデータを求めて、これを加算し、この加
算後のデータにさらに増幅器73において係数Kfpを
乗算処理する。
【0059】そして、推力センサ46で検出された現在
のピストン推力に基づいて、図3に示すマップから、推
力制御および位置制御の制御量の配分を変化させるため
の係数α(0≦α≦1)を求め、増幅器73において係
数Kfpが乗算処理された推力制御のデータに可変増幅
器74においてαを乗算処理するとともに、増幅器79
において係数Kppが乗算処理された位置制御のデータ
に可変増幅器80において1−αを乗算処理し、これら
を加算して得られた値で電動モータ19を制御する。
【0060】ここで、図3に示すマップは、推力センサ
46で検出された現在のピストン推力が、所定の第1し
きい値F1以下である場合はα=0とし、この第1しき
い値F1よりも大きい第2しきい値F2以上の場合はα
=1とする。そして、推力センサ46で検出された現在
のピストン推力が、所定の第1しきい値F1より大きく
第2しきい値F2より小さい範囲では、ピストン推力が
大きいほど、0から1の範囲でαが比例的に大きくなっ
て、位置制御の制御量の配分を小さくするとともに推力
制御の制御量の配分を大きくする。すなわち、ピストン
推力が第2しきい値F2以上で大きい場合は位置制御の
制御量を0として推力制御の制御量だけで制御すること
になり、ピストン推力が第1しきい値F1以下で小さい
場合は推力制御の制御量を0として位置制御の制御量だ
けで制御することになる。さらに、これら第1しきい値
F1より大きく第2しきい値F2より小さい範囲では、
位置制御の制御量と推力制御の制御量とを合わせること
になるが、このとき、ピストン推力が小さいほど、位置
制御の制御量の配分を大きくするとともに推力制御の制
御量の配分を小さくする。
【0061】なお、上記に限定されることなく、例え
ば、推力センサ46で検出された現在のピストン推力
が、予め設定された所定値に達していない場合には、位
置制御の制御量の配分を大きくするとともに推力制御の
制御の配分を小さくする制御とし、予め設定された所定
値に達している場合には、位置制御の制御量の配分を小
さくするとともに推力制御の制御の配分を大きくする制
御を行うものとしてもよい。
【0062】また、推力センサ46で検出された現在の
ピストン推力に基づいて、推力制御および位置制御の制
御量の配分を変化させるための係数αを求めるものでな
く、目標推力に基づいて推力制御および位置制御の制御
量の配分を変化させるための係数αを求めるマップを用
いてもよい。すなわち、コントローラは、ピストン40
に発生させる目標推力に応じて、推力制御および位置制
御の制御量の配分を変化させるようにしてもよいのであ
る。
【0063】さらに、推力制御および位置制御の制御量
の配分を変化させるための係数αのマップを、車両状
態、ブレーキ動作状態、モータ位置等によって変化させ
ても良い。
【0064】加えて、目標推力に対する目標モータ回転
位置データを割り出す変換器76におけるマップとし
て、予め設定されたものに限定されることなく、制御中
に推力センサ46で検出されるピストン推力と位置検出
器20で検出されるモータ回転位置との関係から作成し
たものを使用することも可能である。
【0065】以上に述べた第1実施形態の電動ディスク
ブレーキおよびその制御プログラムによれば、コントロ
ーラは、推力センサ46で検出されたピストン推力に応
じて、推力制御および位置制御の制御量の配分を変化さ
せるため、上記したように高推力領域では推力センサ4
6で検出されたピストン推力をフィードバックとする推
力制御のみを行い、低推力領域ではこの推力制御と位置
検出器20で検出されたモータ回転位置をフィードバッ
クとする位置制御とを組み合わせ、さらに極低推力領域
では位置検出器20で検出されたモータ回転位置をフィ
ードバックとする位置制御のみを行うことができる。よ
って、低推力領域で推力制御と位置制御とを組み合わせ
て行うことで、減力方向でピストン推力が0に近づくと
位置制御を合わせ、さらに極低推力領域で位置制御のみ
を行って電動モータ19が0位置で停止するように制御
すれば、図4に示すように、減力方向でピストン推力が
0になった時点T1から電動モータ19が行きすぎても
位置制御によりこれを円滑に戻すことができる。また、
低推力領域で推力制御と位置制御とを組み合わせて行う
ことで、低推力領域での推力制御による分解能不足を位
置制御で補って分解能を高めることができ、さらに極低
推力領域では誤差の大きい推力制御を排除して位置制御
のみを行うことで、制御精度を確保できる。これらは、
減速機構22により電動モータ19は多回転されること
になるため、結果として、位置検出器20の分解能が高
くなっているためである。
【0066】したがって、応答性を向上させることがで
き、しかも、低推力領域での制御精度を向上させてブレ
ーキフィーリングを向上させることができる。なお、推
力制御と位置制御とを並列して行うことにより、推力セ
ンサ46の故障時でも位置制御によりブレーキ性能を確
保するようにもできる。
【0067】しかも、低推力領域では、推力センサ46
で検出されたピストン推力が小さいほど、位置検出器2
0で検出されたモータ回転位置をフィードバックとする
位置制御の制御量の配分を大きくするとともに推力セン
サ46で検出されたピストン推力をフィードバックとす
る推力制御の制御量の配分を小さくするため、推力セン
サ46の推力検出の分解能の低下に応じて、位置制御の
制御量の配分を大きくするとともに推力制御の制御量の
配分を小さくすることになる。したがって、低推力領域
での制御の精度を一層向上させることができる。
【0068】本発明の第2実施形態の電動ディスクブレ
ーキおよびその制御プログラムを主に図5を参照しつつ
第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。な
お、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付しそ
の説明は略す。
【0069】第2実施形態の電動ディスクブレーキは、
第1実施形態に対しコントローラの一部が主に相違して
いる。
【0070】第2実施形態のコントローラは、各種セン
サからの検出データに基づいて電動ディスクブレーキの
制動力すなわちピストン40に発生させる目標推力を求
め、この目標推力をピストン40に発生させるように電
動モータ19に対し、推力センサ46で検出されたピス
トン推力をフィードバックとする推力制御を行う。その
際に、コントローラは、推力センサ46で検出されたピ
ストン推力が予め設定された値に達している場合は、推
力センサ46で検出されたピストン推力をフィードバッ
クとする推力制御を行う一方、推力センサ46で検出さ
れたピストン推力が予め設定された値に達していない場
合は、位置検出器20で検出されたモータ回転位置から
ピストン推力を推定して推力制御を行う。
【0071】図5は、上記制御を行うためのコントロー
ラ内に設けられた制御ブロックを示している。
【0072】図5において、符号82は積分処理を行う
積分器を、符号83は予め設定された積分係数Kfiに
よって処理を行う増幅器を、符号84は予め設定された
係数Kfpによって処理を行う増幅器をそれぞれ示して
いる。また、符号86は、予め設定されたマップに基づ
いて変換処理を行う変換器を、符号87は推力センサ4
6で検出されたピストン推力によって制御される制御器
をそれぞれ示している。
【0073】そして、目標推力に対し、推力センサ46
で検出された現在のピストン推力を推力フィードバック
として減算することになるが、制御器87において、推
力センサ46で検出されたピストン推力が予め設定され
た値に達している場合は、推力センサ46で検出された
ピストン推力を推力フィードバックとして減算する一
方、推力センサ46で検出されたピストン推力が予め設
定された値に達していない場合は、位置検出器20で検
出されたモータ回転位置から変換器86においてマップ
(剛性モデル)にしたがって割り出したピストン推力を
推定推力フィードバックとして減算する。そして、この
データに対し、一方で積分器82において積分処理を行
いさらに増幅器83において積分係数Kfiを乗算処理
したデータを求めて、これを加算し、この加算後のデー
タにさらに増幅器84において係数Kfpを乗算処理し
て得られた値で電動モータ19を制御する。
【0074】このように、第2実施形態の電動ディスク
ブレーキによれば、コントローラが、推力センサ46で
検出されたピストン推力が予め設定された値に達してい
ない場合は、位置検出器20で検出されたモータ回転位
置から推定推力フィードバックを割り出して推力制御を
行うため、上記のように、高推力領域では推力センサ4
6で検出されたピストン推力をフィードバックとする推
力制御を行い、低推力領域では、位置検出器20で検出
されたモータ回転位置から推定推力フィードバックを割
り出して推力制御を行うことになる。よって、低推力領
域では位置検出器20で検出されたモータ回転位置から
推力フィードバックを推定して推力制御を行うことで、
減力方向でピストン推力が0に近づくと、モータ回転位
置から作成された推力フィードバックを用いて推力制御
を行うことになり、例えば、変換器86におけるマップ
が、モータ回転位置がマイナスの場合は、マイナスの推
定推力フィードバックを作成するものとすれば、電動モ
ータ19が行き過ぎてしまってもピストン40を円滑に
戻すことが可能となる。また、低推力領域において分解
能が不足する推力制御ではなく、分解能が確保できるモ
ータ回転位置から推定推力フィードバックを作成して推
力制御を行うことで、第1実施形態と同様に分解能を高
めることができる。
【0075】したがって、応答性を向上させることがで
き、しかも、低推力領域での制御精度を向上させてブレ
ーキフィーリングを向上させることができる。
【0076】第2実施形態では、予め設定されたしきい
値により制御を切り換えたが、図6に示すように、制御
器87に換えて、第1実施形態と同様のピストン推力に
応じて可変となる係数αによって処理を行う可変増幅器
74と、ピストン推力に応じて可変となる係数1−αに
よって処理を行う可変増幅器80とを設けることで、ピ
ストン推力の大きさによってフィードバック量の配分を
変化させても良い。
【0077】なお、以上においては、位置制御、推力制
御をPI制御としているが、フィードフォワード制御あ
るいはPID制御とすることも可能である。
【0078】本発明の第3実施形態の電動ディスクブレ
ーキおよびその制御プログラムを主に図7〜図15を参
照しつつ第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明
する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号
を付しその説明は略す。
【0079】図7に示すように、第3実施形態において
は、ピストン40の円筒部材42aと押圧部材42bと
が、互いに回転方向の相対移動が規制され、軸線方向の
移動に自由度を設けるようにスプライン結合部110に
よって結合されている。そして、ピストン40にピスト
ン推力が発生していない状態では、互いに対向する円筒
部材42aの対向面111と押圧部材42bの対向面1
12とが離間しており、ピストン40にピストン推力が
発生するとその初期すなわちピストン推力が予め設定さ
れた所定値F12より小さい状態では、円筒部材42a
の対向面111と押圧部材42bの対向面112とが離
間した状態のまま押圧部材42bの押圧面113が推力
センサ46を押圧する。そして、ピストン推力が所定値
F12に達すると、円筒部材42aの対向面111と押
圧部材42bの対向面112とが当接することになり押
圧部材42bの押圧面113がそれ以上推力センサ46
を押圧するのを規制する。
【0080】これにより、推力センサ46には、所定値
F12を超えるピストン推力が入力されることがなく、
推力センサ46に入力されるピストン推力の範囲は0か
らF12という小側の所定範囲に限定されることにな
る。すなわち、図8に示すように、実際のピストン推力
が0からF12を超えるF13まで変化しても、推力セ
ンサ46の出力は0からF12までの範囲内に限定され
る。その結果、推力センサ46には、許容荷重がF12
以下と小さく、検出範囲が0からF12と狭く限定され
る一方、この範囲の分解能が高いセンサを使用すること
ができる。
【0081】以上において、スプライン結合部110と
円筒部材42aの対向面111と押圧部材42bの対向
面112とが、推力センサ46に入力されるピストン推
力の範囲を機械的に小側の所定範囲に限定する推力範囲
限定部(推力範囲限定手段)114を構成している。
【0082】ここで、上記のように、推力センサ46と
して検出範囲が0からF12と狭いセンサを使用するこ
とができる理由であるが、電動ディスクブレーキの電動
モータ19のモータ回転位置と実際のピストン推力との
関係は、ブレーキパッド14,15の摩耗状態(摩耗量
大、摩耗量中、新品および偏摩耗状態)によって図9に
示すような関係を示すことになるが、この図9から明ら
かなように、いずれの摩耗状態でも低推力領域では上記
関係は大きく変化するものの、あるピストン推力F11
以上では概ね一定の関係になる。そして、通常のブレー
キ作動で発生するピストン推力は、このピストン推力F
11未満の範囲となっている。これらの理由から、この
ピストン推力F11を若干超える値を上記した所定値F
12に設定し、この所定値F12以下の範囲のピストン
推力のみを推力センサ46で検出する一方、この所定値
F12を超える範囲については、モータ回転位置でピス
トン推力を正確に推定することができることから、推定
により推力を求めれば良いのである。
【0083】図10は、上記制御を行うためのコントロ
ーラ内に設けられた制御ブロックを示している。
【0084】推力フィードバック制御部116は、目標
推力と、推力センサ46で検出されたフィードバックと
してのピストン推力とが入力され、これらに基づいて電
動モータ19の制御量を演算し出力するものである。
【0085】推定推力制御部117は、目標推力と、推
力センサ46で検出されたフィードバックとしてのピス
トン推力と、位置検出器20で検出されたフィードバッ
クとしてのモータ回転位置とが入力され、位置検出器2
0で検出されたモータ回転位置に基づいてピストン推力
を推定しこの推定推力を出力するとともに、目標推力
と、位置検出器20で検出されたモータ回転位置とに基
づいて電動モータ19の制御量を演算し出力するもので
ある。
【0086】配分変更部118は、推定推力制御部11
7から出力される推定推力または推力センサ46で検出
されたフィードバックとしてのピストン推力に基づい
て、上記推力フィードバック制御部116でピストン推
力に基づき演算された制御量および上記推定推力制御部
117でモータ回転位置に基づき演算された制御量の配
分を変更するための係数α(0≦α≦1)を割り出す。
【0087】α乗算部119は、配分変更部118で割
り出された係数αを推力フィードバック制御部116か
ら出力される制御量に乗算する可変増幅器である。
【0088】1−α乗算部120は、配分変更部118
で割り出された係数αを1から減算した1−αを推定推
力制御部117から出力される制御量に乗算する可変増
幅器である。
【0089】そして、推力フィードバック制御部116
から出力される制御量に配分変更部118で割り出され
た係数αをα乗算部119で乗算した後の制御量と、推
定推力制御部117から出力される制御量に係数1−α
を1−α乗算部120で乗算した後の制御量とを加算す
る。
【0090】モータ駆動部122は、この加算した制御
量で電動キャリパ10内の電動モータ19を駆動する。
【0091】ここで、上記した配分変更部118は、推
力センサ46で検出されたピストン推力(ピストンに発
生させる目標推力でも可)が第1しきい値に達していな
い場合は、ピストン推力に基づく制御の制御量の配分を
大きくするとともにモータ回転位置に基づく制御の制御
量の配分を小さくする一方、推力センサ46で検出され
たピストン推力(ピストンに発生させる目標推力でも
可)が第1しきい値よりも大きい第2しきい値に達した
場合は、ピストン推力に基づく制御の制御量の配分を小
さくするとともにモータ回転位置に基づく制御の制御量
の配分を大きくする。
【0092】具体的に例示すれば、配分変更部118
は、推力センサ46で検出されたピストン推力に対する
係数αの図11に示すようなマップにしたがって係数α
を割り出す。
【0093】すなわち、配分変更部118は、推力セン
サ46で検出されたピストン推力が0から上記した第1
しきい値F11までの小さい所定範囲にあるとき、係数
α=1とすることになり、その結果、この範囲において
モータ駆動部122は、推力フィードバック制御部11
6から出力される制御量のみで電動モータ19を駆動す
る。ここで、上記したように、ピストン推力が0から上
記した第1しきい値F11までの小さい所定範囲にある
ときには、推力センサ46が高い分解能でピストン推力
を検出できることと、モータ回転位置に基づいてピスト
ン推力を正確には推定できないこととから、推力センサ
46で検出されるピストン推力に基づいて推力フィード
バック制御部116から出力される制御量のみで電動モ
ータ19を駆動する。
【0094】また、配分変更部118は、推力センサ4
6で検出されたピストン推力が上記した第1しきい値F
11から第2しきい値F12までの所定範囲にあると
き、第1しきい値F11で係数α=1となり、第2しき
い値F12で係数α=0となり、第1しきい値F11か
ら第2しきい値F12に近づくにしたがって直線的(比
例的)に係数αが減っていくように係数αが決められ
る。その結果、モータ駆動部122は、推力フィードバ
ック制御部116から出力される制御量と推定推力制御
部117から出力される制御量とを、推力センサ46で
検出されたピストン推力が大きいほど推力フィードバッ
ク制御部116から出力される制御量が大きくかつ推定
推力制御部117から出力される制御量が小さくなるよ
うに配分しこれらを加算した制御量で電動モータ19を
駆動する。
【0095】そして、第2しきい値F12では係数α=
0となるため、モータ駆動部122は、推定推力制御部
117から出力される制御量のみで電動モータ19を駆
動する。ここで、上記したように、推力センサ46に入
力されるピストン推力は、上記第2しきい値F12を超
えることがないように推力範囲限定部114で限定され
ているため、推力センサ46で検出されたピストン推力
がF12であった場合、実際のピストン推力はF12以
上となっていることがある。このとき、推力センサ46
は低推力の分解能を高めた結果、第2しきい値F12を
超えたピストン推力を正確に検出することはできないこ
とと、第2しきい値F12を超えるとモータ回転位置に
基づいてピストン推力を正確に推定できることとから、
上記のように推力センサ46で検出されたピストン推力
がF12であった場合、位置検出器20で検出されたモ
ータ回転位置に基づいてピストン推力を推定しこの推定
推力に基づいて推定推力制御部117から出力される制
御量のみで電動モータ19を駆動する。
【0096】なお、例えば図12に示すように、推力セ
ンサ46で検出されるピストン推力の上限となる第2し
きい値が、実際のピストン推力に対して、電動キャリパ
10の組み付け誤差によって、個体Aと個体BとでF1
2AとF12Bのように変化したり、例えば図13に示
すように、第2しきい値が個体Aと個体BとでF12A
とF12Bのように変化した場合に、第2しきい値を検
出するモータ回転位置がX1とX2のように変化したり
することがある。このため、第1しきい値F11と第2
しきい値F12との関係は、電動キャリパ10の組み付
け誤差以上である必要がある。
【0097】上記した推力フィードバック制御部116
は、PI制御を行うもので、図14に示すように、積分
処理を行う積分器124と、予め設定された積分係数K
iによって処理を行う増幅器125と、予め設定された
係数Kpによって処理を行う増幅器126とを有してお
り、目標推力に対し、推力センサ46で検出された現在
のピストン推力を推力フィードバックとして減算し、こ
のデータに対し、一方で積分器124において積分処理
を行いさらに増幅器125において積分係数Kiを乗算
処理したデータを求めて、これを加算し、この加算後の
データにさらに増幅器126において係数Kpを乗算処
理した値を制御量として出力する。
【0098】また、上記した推定推力制御部117は、
PI制御を行うもので、図15に示すように、予め設定
された剛性モデルのマップに基づいて変換処理を行う変
換器130と、積分処理を行う積分器131と、予め設
定された積分係数Kiによって処理を行う増幅器132
と、予め設定された係数Kpによって処理を行う増幅器
133と、予め設定された剛性逆モデルのマップに基づ
いて変換処理を行う変換器134と、剛性モデルのマッ
プおよび剛性逆モデルのマップを補正するモデル補正部
135とを有している。
【0099】そして、推定推力制御部117は、目標推
力に対し、変換器130において予め設定された剛性モ
デルのマップからこの目標推力に対する目標モータ回転
位置データを割り出し、このデータに対し、位置検出器
20で検出された現在のモータ回転位置データを位置フ
ィードバックとして減算し、このデータに、一方でこの
データを積分器131において積分処理を行いさらに増
幅器132において積分係数Kiを乗算処理したデータ
を求めて、これを加算し、この加算後のデータにさらに
増幅器133において係数Kpを乗算処理した値を制御
量として出力する。
【0100】また、推定推力制御部117は、位置フィ
ードバックとしての位置検出器20で検出された現在の
モータ回転位置データに対し、変換器134において予
め設定された剛性逆モデルのマップから推定推力を割り
出して出力する。
【0101】さらに、推定推力制御部117は、第1し
きい値F11と第2しきい値F12との間において位置
フィードバックとしての位置検出器20で検出された現
在のモータ回転位置データと推力フィードバックとして
の推力センサ46で検出された現在のピストン推力とか
ら、モデル補正部135において、剛性モデルおよび剛
性逆モデルの補正データを演算し、変換器130の剛性
モデルのマップデータおよび変換器134の剛性逆モデ
ルのマップデータを補正する。
【0102】なお、第2しきい値F12以降の領域で
は、推力センサ46の剛性が影響しなくなるため、固定
の剛性モデルを使用する。しかし、第2しきい値F12
は、上述したように電動キャリパ10の個体によって異
なるため、推力センサ46で検出されたピストン推力の
変化量と、位置検出器20で検出されたモータ回転位置
の変化量とから、第2しきい値F12を設定する。この
第2しきい値F12の設定は、例えば、モータ回転位置
の変化量がゼロではないときに、ピストン推力の変化量
がゼロとなった場合に設定する。ただし、その設定時期
については、機構のバックラッシュを考えて推力発生後
の増力方向へピストンが移動しているときに限定する必
要がある。
【0103】以上に述べた第3実施形態の電動ディスク
ブレーキおよびその制御プログラムによれば、推力セン
サ46に入力されるピストン推力の範囲を限定する推力
範囲限定部114を有することから、この推力範囲限定
部114が推力センサ46に入力されるピストン推力の
範囲を低推力領域のみに限定することで、推力センサ4
6として高い分解能で低推力領域のみ検出可能なものを
用いることができる。
【0104】したがって、低推力領域での制御精度を向
上させてブレーキフィーリングを向上させることができ
る。しかも、推力センサ46として高い分解能で低推力
領域のみ検出可能なものを用いることができるため、推
力センサ46についてコスト低減および小型化が図れ
る。
【0105】また、推力センサ46として高い分解能で
低推力領域のみ検出可能なものを用いることができるた
め、電動モータ19を行き過ぎたりせずに停止させるこ
とが可能となる。したがって、応答性を向上させること
ができる。
【0106】加えて、推力センサ46で検出されたピス
トン推力またはピストン40に発生させる目標推力が第
1しきい値に達していない場合は、ピストン推力に基づ
く制御の制御量の配分を大きくするとともにモータ回転
位置に基づく制御の制御量の配分を小さくする一方、推
力センサ46で検出されたピストン推力またはピストン
40に発生させる目標推力が第2しきい値に達した場合
は、ピストン推力に基づく制御の制御量の配分を小さく
するとともにモータ回転位置に基づく制御の制御量の配
分を大きくするため、低推力領域では、この領域の分解
能が高い推力センサ46のピストン推力検出の分解能に
合わせて、モータ回転位置に基づく制御の制御量の配分
を小さくするとともにピストン推力に基づく制御の制御
量の配分を大きくする一方、推力センサ46でピストン
推力が検出できない高推力領域では、モータ回転位置に
基づく制御の制御量の配分を大きくするとともにピスト
ン推力に基づく制御の制御量の配分を小さくする。
【0107】したがって、全推力領域での制御の精度を
効率良く向上させることができる。
【0108】加えて、第2しきい値F12を、ピストン
推力の変化量とモータ回転位置の変化量とから設定する
ため、個体によって異なる第2しきい値F12を正確に
設定することができる。
【0109】なお、第3実施形態においても、推力セン
サ46で検出された現在のピストン推力に基づいて、推
力制御および位置制御の制御量の配分を変化させるため
の係数αを求めるものでなく、目標推力に基づいて推力
制御および位置制御の制御量の配分を変化させるための
係数αを求めるマップを用いてもよい。すなわち、コン
トローラは、ピストン40に発生させる目標推力に応じ
て、推力制御および位置制御の制御量の配分を変化させ
るようにしてもよいのである。
【0110】さらに、推力制御および位置制御の制御量
の配分を変化させるための係数αのマップを、車両状
態、ブレーキ動作状態、モータ位置等によって変化させ
ても良い。
【0111】加えて、目標推力に対する目標モータ回転
位置データを割り出す変換器76におけるマップとし
て、予め設定されたものに限定されることなく、制御中
に推力センサ46で検出されるピストン推力と位置検出
器20で検出されるモータ回転位置との関係から作成し
たものを使用することも可能である。
【0112】さらに、位置制御、推力制御をPI制御と
しているが、フィードフォワード制御あるいはPID制
御とすることも可能である。
【0113】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の電動ディスクブレーキによれば、制御手段は、推
力検出手段で検出されたピストン推力またはピストンに
発生させる目標推力に応じて、推力制御および位置制御
の制御量の配分を変化させるため、例えば、高推力領域
では推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推
力制御のみを行い、低推力領域ではこの推力制御と位置
検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制御
とを組み合わせて行うことができる。よって、例えば、
低推力領域で推力制御と位置制御とを組み合わせて行う
ことで、低推力領域での推力制御による分解能不足を位
置制御で補って分解能を高めることができる。したがっ
て、低推力領域での制御精度を向上させてブレーキフィ
ーリングを向上させることができる。
【0114】また、低推力領域で推力制御と位置制御と
を組み合わせて行うことで、減力方向でピストン推力が
0に近づくと位置制御を合わせることになり、その結
果、電動モータが行き過ぎてしまってもピストンを円滑
に戻すことが可能となる。したがって、応答性を向上さ
せることができる。
【0115】本発明の請求項2記載の電動ディスクブレ
ーキによれば、推力検出手段で検出されたピストン推力
またはピストンに発生させる目標推力が小さいほど、位
置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づく位置制
御の制御量の配分を大きくするとともに推力検出手段で
検出されたピストン推力に基づく推力制御の制御量の配
分を小さくするため、推力検出手段の推力検出の分解能
の低下に応じて、位置制御の制御量の配分を大きくする
とともに推力制御の制御量の配分を小さくすることにな
る。したがって、低推力領域での制御の精度を一層向上
させることができる。
【0116】本発明の請求項3記載の電動ディスクブレ
ーキによれば、制御手段は、推力検出手段で検出された
ピストン推力が予め設定された値に達していない場合
は、位置検出手段で検出されたモータ回転位置からピス
トン推力を推定して推力制御を行うため、例えば、高推
力領域では推力検出手段で検出されたピストン推力に基
づく推力制御を行い、低推力領域では、位置検出手段で
検出されたモータ回転位置からピストン推力を推定して
推力制御を行うことができる。よって、低推力領域にお
いて分解能が不足する推力制御ではなく、分解能が確保
できるモータ回転位置からピストン推力を推定して推力
制御を行うことで、分解能を高めることができる。した
がって、低推力領域での制御精度を向上させてブレーキ
フィーリングを向上させることができる。
【0117】また、低推力領域で位置検出手段で検出さ
れたモータ回転位置からピストン推力を推定して推力制
御を行うことで、減力方向でピストン推力が0に近づく
と、モータ回転位置から割り出されたピストン推力を用
いて推力制御を行うことになり、電動モータが行き過ぎ
てしまってもピストンを円滑に戻すことが可能となる。
したがって、応答性を向上させることができる。
【0118】本発明の請求項4記載の電動ディスクブレ
ーキによれば、推力検出手段に入力されるピストン推力
の範囲を限定する推力範囲限定手段を有することから、
この推力範囲限定手段が推力検出手段に入力されるピス
トン推力の範囲を低推力領域のみに限定することで、推
力検出手段として高い分解能で低推力領域のみ検出可能
なものを用いることができる。したがって、低推力領域
での制御精度を向上させてブレーキフィーリングを向上
させることができる。
【0119】しかも、推力検出手段として高い分解能で
低推力領域のみ検出可能なものを用いることができるた
め、推力検出手段についてコスト低減および小型化が図
れる。
【0120】本発明の請求項5記載の電動ディスクブレ
ーキによれば、推力検出手段で検出されたピストン推力
またはピストンに発生させる目標推力が所定のしきい値
に達していない場合は、ピストン推力に基づく推力制御
の制御量の配分を大きくするとともにモータ回転位置に
基づく位置制御の制御量の配分を小さくする一方、推力
検出手段で検出されたピストン推力またはピストンに発
生させる目標推力が所定のしきい値に達した場合は、ピ
ストン推力に基づく推力制御の制御量の配分を小さくす
るとともにモータ回転位置に基づく位置制御の制御量の
配分を大きくするため、例えば、低推力領域では、この
領域の分解能が高い推力検出手段のピストン推力検出の
分解能に合わせて、モータ回転位置に基づく制御の制御
量の配分を小さくするとともにピストン推力に基づく制
御の制御量の配分を大きくする一方、推力検出手段でピ
ストン推力が検出できない高推力領域では、モータ回転
位置に基づく制御の制御量の配分を大きくするとともに
ピストン推力に基づく制御の制御量の配分を小さくす
る。したがって、全推力領域での制御の精度を効率良く
向上させることができる。
【0121】本発明の請求項6記載の電動ディスクブレ
ーキによれば、所定のしきい値を、ピストン推力の変化
量とモータ回転位置の変化量とから設定するため、個体
によって異なるしきい値を正確に設定することができ
る。
【0122】本発明の請求項7記載の電動ディスクブレ
ーキの制御プログラムによれば、推力検出手段で検出さ
れたピストン推力またはピストンに発生させる目標推力
に応じて、推力制御および位置制御の制御量の配分を変
化させるため、例えば、高推力領域では推力検出手段で
検出されたピストン推力に基づく推力制御のみを行い、
低推力領域ではこの推力制御と位置検出手段で検出され
たモータ回転位置に基づく位置制御とを組み合わせて行
うことができる。よって、例えば、低推力領域で推力制
御と位置制御とを組み合わせて行うことで、低推力領域
での推力制御による分解能不足を位置制御で補って分解
能を高めることができる。したがって、低推力領域での
制御精度を向上させてブレーキフィーリングを向上させ
ることができる。
【0123】また、低推力領域で推力制御と位置制御と
を組み合わせて行うことで、減力方向でピストン推力が
0に近づくと位置制御を合わせることになり、その結
果、電動モータが行き過ぎてしまってもピストンを円滑
に戻すことが可能となる。したがって、応答性を向上さ
せることができる。
【0124】本発明の請求項8記載の電動ディスクブレ
ーキの制御プログラムによれば、推力検出手段で検出さ
れたピストン推力またはピストンに発生させる目標推力
が小さいほど、位置検出手段で検出されたモータ回転位
置に基づく位置制御の制御量の配分を大きくするととも
に推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力
制御の制御量の配分を小さくするため、推力検出手段の
推力検出の分解能の低下に応じて、位置制御の制御量の
配分を大きくするとともに推力制御の制御量の配分を小
さくすることになる。したがって、低推力領域での制御
の精度を一層向上させることができる。
【0125】本発明の請求項9記載の電動ディスクブレ
ーキの制御プログラムによれば、推力検出手段で検出さ
れたピストン推力が予め設定された値に達していない場
合は、位置検出手段で検出されたモータ回転位置からピ
ストン推力を推定して推力制御を行うため、例えば、高
推力領域では推力検出手段で検出されたピストン推力に
基づく推力制御を行い、低推力領域では、位置検出手段
で検出されたモータ回転位置からピストン推力を推定し
て推力制御を行うことができる。よって、低推力領域に
おいて分解能が不足する推力制御ではなく、分解能が確
保できるモータ回転位置からピストン推力を推定して推
力制御を行うことで、分解能を高めることができる。し
たがって、低推力領域での制御精度を向上させてブレー
キフィーリングを向上させることができる。
【0126】また、低推力領域で位置検出手段で検出さ
れたモータ回転位置からピストン推力を推定して推力制
御を行うことで、減力方向でピストン推力が0に近づく
と、モータ回転位置から割り出されたピストン推力を用
いて推力制御を行うことになり、電動モータが行き過ぎ
てしまってもピストンを円滑に戻すことが可能となる。
したがって、応答性を向上させることができる。
【0127】本発明の請求項10記載の電動ディスクブ
レーキの制御プログラムによれば、推力検出手段で検出
されたピストン推力またはピストンに発生させる目標推
力が所定のしきい値に達していない場合は、ピストン推
力に基づく推力制御の制御量の配分を大きくするととも
にモータ回転位置に基づく位置制御の制御量の配分を小
さくする一方、推力検出手段で検出されたピストン推力
またはピストンに発生させる目標推力が所定のしきい値
に達した場合は、ピストン推力に基づく推力制御の制御
量の配分を小さくするとともにモータ回転位置に基づく
位置制御の制御量の配分を大きくするため、例えば、低
推力領域では、この領域の分解能が高い推力検出手段の
ピストン推力検出の分解能に合わせて、モータ回転位置
に基づく制御の制御量の配分を小さくするとともにピス
トン推力に基づく制御の制御量の配分を大きくする一
方、推力検出手段でピストン推力が検出できない高推力
領域では、モータ回転位置に基づく制御の制御量の配分
を大きくするとともにピストン推力に基づく制御の制御
量の配分を小さくする。したがって、全推力領域での制
御の精度を効率良く向上させることができる。
【0128】本発明の請求項11記載の電動ディスクブ
レーキの制御プログラムによれば、所定のしきい値を、
ピストン推力の変化量とモータ回転位置の変化量とから
設定するため、個体によって異なるしきい値を正確に設
定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の電動ディスクブレー
キの電動キャリパを示す断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の電動ディスクブレー
キのコントローラの要部を示す制御ブロック図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の電動ディスクブレー
キのコントローラのピストン推力に対する係数αを割り
出すためのマップを示す図である。
【図4】 本発明の第1実施形態の電動ディスクブレー
キの作動時のモータ回転位置およびピストン推力の一例
を示すタイミングチャートである。
【図5】 本発明の第2実施形態の電動ディスクブレー
キのコントローラの要部を示す制御ブロック図である。
【図6】 本発明の第2実施形態の電動ディスクブレー
キのコントローラの要部の変形例を示す制御ブロック図
である。
【図7】 本発明の第3実施形態の電動ディスクブレー
キの電動キャリパを示す断面図である。
【図8】 本発明の第3実施形態の電動ディスクブレー
キにおける実際のピストン推力(横軸)と推力センサで
検出されるピストン推力(縦軸)との関係を示す特性線
図である。
【図9】 本発明の第3実施形態の電動ディスクブレー
キにおけるモータ回転位置(横軸)と実際のピストン推
力との関係(縦軸)をブレーキパッドの状態毎に示す特
性線図である。
【図10】 本発明の第3実施形態の電動ディスクブレ
ーキのコントローラの要部を示す制御ブロック図であ
る。
【図11】 本発明の第3実施形態の電動ディスクブレ
ーキのコントローラのピストン推力に対する係数αを割
り出すためのマップを示す図である。
【図12】 本発明の第3実施形態の電動ディスクブレ
ーキにおける実際のピストン推力(横軸)と推力センサ
で検出されるピストン推力(縦軸)との関係の個体差を
示す特性線図である。
【図13】 本発明の第3実施形態の電動ディスクブレ
ーキにおけるモータ回転位置(横軸)と実際のピストン
推力(縦軸)との関係の個体差を示す特性線図である。
【図14】 本発明の第3実施形態の電動ディスクブレ
ーキのコントローラの推力フィードバック制御部を示す
制御ブロック図である。
【図15】 本発明の第3実施形態の電動ディスクブレ
ーキのコントローラの推定推力制御部を示す制御ブロッ
ク図である。
【図16】 従来の電動ディスクブレーキのモータ回転
位置とピストン推力との関係を示す特性線図である。
【図17】 従来の電動ディスクブレーキのコントロー
ラの要部を示す制御ブロック図である。
【図18】 従来の電動ディスクブレーキの作動時のモ
ータ回転位置およびピストン推力の一例を示すタイミン
グチャートである。
【符号の説明】
10 電動キャリパ 11 ディスク 14,15 ブレーキパッド 19 電動モータ 20 位置検出器(位置検出手段) 21 ボールランプ機構(変換機構部) 40 ピストン 41,43 ネジ部(変換機構部) 46 推力センサ(推力検出手段) 114 推力範囲限定部(推力範囲限定手段)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータと、 該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し
    該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変
    換機構部と、 前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手
    段と、 前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出
    手段と、 該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力
    制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位
    置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力
    を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段
    とを有する電動ディスクブレーキであって、 前記制御手段は、 前記推力検出手段で検出されたピストン推力または前記
    ピストンに発生させる目標推力に応じて、前記推力制御
    および前記位置制御の制御量の配分を変化させることを
    特徴とする電動ディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記推力検出手段で検
    出されたピストン推力または前記ピストンに発生させる
    目標推力が小さいほど、前記位置制御の制御量の配分を
    大きくするとともに前記推力制御の制御量の配分を小さ
    くすることを特徴とする請求項1記載の電動ディスクブ
    レーキ。
  3. 【請求項3】 電動モータと、 該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し
    該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変
    換機構部と、 前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手
    段と、 前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出
    手段と、 該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力
    制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるよ
    うに前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動
    ディスクブレーキであって、 前記制御手段は、 前記推力検出手段で検出されたピストン推力が予め設定
    された値に達していない場合は、前記位置検出手段で検
    出されたモータ回転位置からピストン推力を推定して推
    力制御を行うことを特徴とする電動ディスクブレーキ。
  4. 【請求項4】 電動モータと、 該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し
    該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変
    換機構部と、 前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手
    段と、 前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出
    手段と、 該推力検出手段で検出されたピストン推力および前記位
    置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づいて前記
    電動モータを制御する制御手段とを有する電動ディスク
    ブレーキであって、 前記推力検出手段に入力されるピストン推力の範囲を限
    定する推力範囲限定手段を有することを特徴とする電動
    ディスクブレーキ。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記推力検出手段で検
    出されたピストン推力または前記ピストンに発生させる
    目標推力が所定のしきい値に達していない場合は、前記
    ピストン推力に基づく推力制御の制御量の配分を大きく
    するとともに前記モータ回転位置に基づく位置制御の制
    御量の配分を小さくする一方、前記推力検出手段で検出
    されたピストン推力または前記ピストンに発生させる目
    標推力が所定のしきい値に達した場合は、前記推力制御
    の制御量の配分を小さくするとともに前記位置制御の制
    御量の配分を大きくすることを特徴とする請求項4記載
    の電動ディスクブレーキ。
  6. 【請求項6】 前記所定のしきい値を、前記ピストン推
    力の変化量と前記モータ回転位置の変化量とから設定す
    ることを特徴とする請求項5記載のディスクブレーキ。
  7. 【請求項7】 電動モータと、 該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し
    該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変
    換機構部と、 前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手
    段と、 前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出
    手段と、 該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力
    制御および前記位置検出手段で検出されたモータ回転位
    置に基づく位置制御によって、前記ピストンに目標推力
    を発生させるように前記電動モータを制御する制御手段
    とを有する電動ディスクブレーキの制御プログラムであ
    って、 前記推力検出手段で検出されたピストン推力または前記
    ピストンに発生させる目標推力に応じて、前記推力制御
    および前記位置制御の制御量の配分を変化させることを
    特徴とする電動ディスクブレーキの制御プログラム。
  8. 【請求項8】 前記推力検出手段で検出されたピストン
    推力または前記ピストンに発生させる目標推力が小さい
    ほど、前記位置制御の制御量の配分を大きくするととも
    に前記推力制御の制御量の配分を小さくすることを特徴
    とする請求項7記載の電動ディスクブレーキの制御プロ
    グラム。
  9. 【請求項9】 電動モータと、 該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し
    該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変
    換機構部と、 前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手
    段と、 前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出
    手段と、 該推力検出手段で検出されたピストン推力に基づく推力
    制御によって、前記ピストンに目標推力を発生させるよ
    うに前記電動モータを制御する制御手段とを有する電動
    ディスクブレーキの制御プログラムであって、 前記推力検出手段で検出されたピストン推力が予め設定
    された値に達していない場合は、前記位置検出手段で検
    出されたモータ回転位置からピストン推力を推定して推
    力制御を行うことを特徴とする電動ディスクブレーキの
    制御プログラム。
  10. 【請求項10】 電動モータと、 該電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換し
    該ピストンでブレーキパッドをディスクに接触させる変
    換機構部と、 前記電動モータのモータ回転位置を検出する位置検出手
    段と、 前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出
    手段と、 該推力検出手段で検出されたピストン推力および前記位
    置検出手段で検出されたモータ回転位置に基づいて前記
    電動モータを制御する制御手段と、 前記推力検出手段に入力されるピストン推力の範囲を限
    定する推力範囲限定手段とを有する電動ディスクブレー
    キの制御プログラムであって、 前記推力検出手段で検出されたピストン推力または前記
    ピストンに発生させる目標推力が所定のしきい値に達し
    ていない場合は、前記ピストン推力に基づく推力制御の
    制御量の配分を大きくするとともに前記モータ回転位置
    に基づく位置制御の制御量の配分を小さくする一方、前
    記推力検出手段で検出されたピストン推力または前記ピ
    ストンに発生させる目標推力が所定のしきい値に達した
    場合は、前記推力制御の制御量の配分を小さくするとと
    もに前記位置制御の制御量の配分を大きくすることを特
    徴とする電動ディスクブレーキの制御プログラム。
  11. 【請求項11】 前記所定のしきい値を、前記ピストン
    推力の変化量と前記モータ回転位置の変化量とから設定
    することを特徴とする請求項10記載のディスクブレー
    キの制御プログラム。
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