JP2000333479A - 超音波モータ及びこの超音波モータを用いたブレーキ装置 - Google Patents

超音波モータ及びこの超音波モータを用いたブレーキ装置

Info

Publication number
JP2000333479A
JP2000333479A JP11143139A JP14313999A JP2000333479A JP 2000333479 A JP2000333479 A JP 2000333479A JP 11143139 A JP11143139 A JP 11143139A JP 14313999 A JP14313999 A JP 14313999A JP 2000333479 A JP2000333479 A JP 2000333479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic motor
vibration
ultrasonic
brake device
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11143139A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiya Yokoyama
誠也 横山
Motoyasu Yano
元康 谷野
Yoshitaka Takemura
芳孝 竹村
Yasunari Yoshino
康徳 吉野
Takayuki Yamamoto
貴之 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asmo Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Asmo Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asmo Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Asmo Co Ltd
Priority to JP11143139A priority Critical patent/JP2000333479A/ja
Publication of JP2000333479A publication Critical patent/JP2000333479A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤を用いることなく簡単な作業で振動発
生部と振動伝達部とを一体に組立てることができる超音
波モータを駆動源として用い、ブレーキ装置の高温下で
の信頼性を高めると共に製造コストを抑制する。 【解決手段】 ブレーキ装置の駆動源として用いられる
超音波モータ84,86では、支持体122と同軸的に
固定されたスタッドボルト128が軸方向に沿って振動
発生部136を貫通すると共に、振動発生部136及び
振動伝達部146を支持体122へ締結固定している。
これにより、振動発生部136と振動伝達部146とを
所定の加圧力で互いに圧接させると共に、接着剤を用い
ることなく振動発生部136と振動伝達部146とを一
体に組立てることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波振動を駆動力と
してロータを回転させる超音波モータ及び、この超音波
モータを駆動源としブレーキパッド等の摩擦部材を車輪
と共に回転する回転部材に圧接させて制動力を発生する
ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキ装置として、超音波モー
タからの駆動力を用いてブレーキパッドを移動させ、こ
のブレーキパッドを車輪と共に回転するディスクロータ
へ圧接させることにより制動力を発生するディスクブレ
ーキ装置が提案されている(例えば、特開昭63−26
6228号公報)。この種のディスクブレーキ装置で
は、超音波モータ及び遊星歯車機構やボールスクリュー
及びボールナット等からなるトルク変換機構がキャリパ
ボディに内蔵されている。このディスクブレーキ装置で
は、ブレーキ作動時には超音波モータの駆動力によりボ
ールスクリューをブレーキパッド側へ移動させ、このボ
ールスクリューによりブレーキパッドをディスクロータ
に圧接させて制動力を発生する。ここで、ディスクブレ
ーキ装置では、駆動源として超音波モータを用いた場合
には、巻線型モータを用いた場合と比較し、超音波モー
タの容積当たりの発生トルクが大きいことから、駆動源
としてのモータの小型化が可能になり、また自己保持力
が大きいことから、ブレーキパッドの弾性的な反力に負
け難く安定した制動力を得られると共に高い応答性を得
られる。
【0003】ところで、超音波モータは、互いに同軸的
になるように支持されたステータ及びロータを備えてい
る。このステータには、薄肉円板状の圧電素子及び電極
が積層された振動発生部と、軸方向における一方の面を
ロータへ面接触させると共に他方の面を振動発生部に面
接触させた振動伝達部とが設けられており、振動発生部
と振動伝達部とは接着剤により互いに接着されて一体化
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディス
クブレーキ装置では、車両走行時にブレーキパッドとデ
ィスクロータとの摩擦熱が伝達されてキャリパボディ及
びキャリパボディ内の超音波モータが高温となる。この
ため、ブレーキ装置の駆動源として用いられる超音波モ
ータは十分な高い温度に耐え得るもの、すなわち使用温
度限界が高いものでなければならない。超音波モータで
は、高温下における振動発生部と振動伝達部との接着強
度が問題となり易く、この接着強度が不足していると、
経時的に振動発生部と振動伝達部とが部分的に剥離して
振動発生部から振動伝達部への超音波振動の伝達能力が
低下するおそれがある。このような超音波モータにおけ
る振動発生部と振動伝達部との剥離を防止するために
は、接着剤として高温下でも十分な接着強度が維持され
る耐熱性接着剤を用いなければならない。ここで、耐熱
性接着剤の価格は非常に高く、このような耐熱性接着剤
を用いた接着作業も多くの手間と時間をかけて慎重に行
わなければならない。このため、ディスクブレーキ装置
の駆動源として用いられる超音波モータは単価が高くな
り、これが超音波モータを駆動源とするディスクブレー
キ装置のコスト低減を困難とする要因となっている。
【0005】本発明は、上記事実を考慮し、接着剤を用
いることなく簡単な作業で振動発生部と振動伝達部とを
一体に組立てることができる超音波モータを提供し、ま
たこの超音波モータを駆動源として用いて高温下での信
頼性が高く、かつ低コストのブレーキ装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の超音波モ
ータは、ステータ及びロータが互いに同軸的に設けら
れ、前記ステータからの超音波振動により前記ロータを
回転させる超音波モータであって、前記ステータは、支
持体と、前記支持体上に設けられ、圧電素子及び電極が
積層された振動発生部と、軸方向における一端を前記ロ
ータへ接触させると共に他端を前記振動発生部に接触さ
せた振動伝達部と、軸方向に沿って前記振動発生部を貫
通すると共に、前記振動発生部及び前記振動伝達部を前
記支持体へ締結固定した締結部材と、を有するものであ
る。
【0007】上記構成の超音波モータによれば、ステー
タにおける締結部材が、軸方向に沿って振動発生部を貫
通すると共に、振動発生部及び振動伝達部を支持体へ締
結固定することにより、軸方向における振動発生部の支
持台側の端部と振動伝達部のロータ側の端部とを互いに
密着させると共に、接着剤を用いることなく振動発生部
と振動伝達部とを一体に組立てることができる。
【0008】この結果、温度変化の影響を受けることな
く振動発生部と振動伝達部とが確実に密着状態とされ、
高温下で長期に亘って使用されても振動発生部から振動
伝達部への超音波振動の伝達能力が低下しないので、振
動発生部と振動伝達部とが接着剤により一体に組立てら
れた超音波モータと比較し、使用温度限界(上限値)を
大幅に高めることができ、また振動発生部と振動伝達部
とを接着する耐熱性接着剤及び接着作業を不要にできる
ので、耐熱性を有する超音波モータの製造コストを抑制
できる。
【0009】請求項2記載のブレーキ装置は、車輪と共
に回転する回転部材に摩擦材を圧接して制動力を発生す
るブレーキ装置であって、請求項1記載の超音波モータ
と、前記摩擦材に対向すると共に前記摩擦材に対して接
離可能とされた加圧軸と、前記超音波モータからの回転
力を前記加圧軸の軸方向に沿った駆動力に変換して加圧
軸を進退させるトルク変換機構と、を有するものであ
る。
【0010】上記構成のブレーキ装置によれば、加圧軸
を進退させるための駆動源として請求項1記載の超音波
モータを用いたことにより、振動発生部と振動伝達部と
が接着剤により一体に組立てられた従来の超音波モータ
を駆動源として用いた場合と比較し、回転部材と摩擦材
との摩擦熱の発生量が大きくても、超音波モータの能力
低下や故障に起因する制動能力の低下が発生せず、かつ
装置全体としてのコストも低減できる、請求項3記載の
ブレーキ装置は、請求項2記載のブレーキ装置におい
て、前記トルク変換機構は、前記軸方向における前記超
音波モータと前記摩擦材との中間部に設けられたもので
ある。
【0011】上記構成のブレーキ装置によれば、トルク
変換機構が軸方向における超音波モータと摩擦材との中
間部に設けられたことにより、トルク変換機構によって
摩擦材からの摩擦熱が放熱されると共に超音波モータが
摩擦材から離れた位置にレイアウトされるので、摩擦材
から超音波モータへの摩擦熱の伝達を抑制できる。
【0012】請求項4記載のブレーキ装置は、請求項3
記載のブレーキ装置において、前記超音波モータは、前
記加圧軸と平行軸的に設けられると共に、前記ロータが
軸方向における前記摩擦材側の端部に配置されたもので
ある。
【0013】上記構成のブレーキ装置によれば、超音波
モータにおけるロータが摩擦材に近い位置に配置され、
かつステータが摩擦材から離れた位置に配置されるの
で、熱影響を受け難いロータによって摩擦材からの摩擦
熱が放熱されると共に、熱影響を受け易いステータが摩
擦材から離れた位置にレイアウトできるので、摩擦材か
らステータへの摩擦熱の伝達を抑制できる。
【0014】請求項5記載のブレーキ装置は、請求項3
又は4記載のブレーキ装置において、 前記超音波モー
タは、前記加圧軸と非同軸的になるように設けられたも
のである。
【0015】上記構成のブレーキ装置によれば、超音波
モータが加圧軸と非同軸的になるように設けられたこと
により、超音波モータを軸方向及びこの軸方向へ直交す
る径方向へ摩擦材から離れた位置にレイアウトできるの
で、摩擦材から超音波モータへの摩擦熱の伝達を抑制で
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
ブレーキ装置を図面に基づいて説明する。
【0017】(第1の実施の形態)図1には本発明によ
る第1の実施の形態に係るブレーキ装置10が示されて
いる。なお、図中の符号Oが付された鎖線はブレーキ装
置10の中心線を示し、この中心線に沿った方向を装置
の軸方向として以下の説明を行う。
【0018】ブレーキ装置10には、キャリパボディ1
2に図示しないマウンテイングブラケットを介してイン
ナパッド14及びアウタパッド16が取り付けられてい
る。これらのインナパッド14及びアウタパッド16
は、車輪と共に回転するディスクロータ18に対向し、
車両内方側にインナパッド14が位置し車両外方側にア
ウタパッド16が位置し、両パッド14,16によって
ディスクロータ18を挟み込むように配置されている。
キャリパボディ12は、インナパッド14及びアウタパ
ッド16を上方から覆うと共に、爪部20がアウタパッ
ド16からの外側への力を受ける。
【0019】キャリパボディ12には、インナパッド1
4の側方に中空部22が設けられており、この中空部2
2内にはトルク変換機構24が配置されている。トルク
変換機構24は、回転力を軸方向に沿った駆動力に変換
するためのボールナット26及びボールスクリュ28を
備えている。
【0020】ボールナット26は、軸方向両端部にそれ
ぞれ配置されたラジアル軸受30を介してキャリパボデ
ィ12により支持されると共に、スラスト軸受32を介
してキャリパボディ12により軸方向への移動が制限さ
れている。ボールスクリュ28は、ボール34を介して
ボールナット26内に相対的に回転可能に挿入されてい
る。
【0021】ボールスクリュ28の先端部には、インナ
パッド14と当接するように円板状の押圧部材36が固
着されている。この押圧部材36内にはインナパッド1
4への押圧力を検出するための推力センサ38が内蔵さ
れている。
【0022】押圧部材36の外周部には周方向に沿って
溝部40が形成され、この溝部40内にリング状とされ
た防塵用のゴムカバー42の内周部が嵌挿されている。
一方、キャリパボディ12には、押圧部材36の外周側
に中心線Oを中心とする周方向に沿って溝部44が形成
され、この溝部44内にゴムカバー42の外周部が全周
に亘って嵌挿している。このゴムカバー42によって中
空部22のディスクロータ18側の開口端からキャリパ
ボディ12内への異物侵入が防止されている。また、ゴ
ムカバー42は径方向に沿って蛇腹状に屈曲しており、
これにより、ボールスクリュ28の移動に従って軸方向
へ容易に伸縮可能となっている。
【0023】キャリパボディ12には、中空部22のデ
ィスクロータ18とは逆側の開口端を塞ぐようにモータ
ハウジング46が取り付けられている。モータハウジン
グ46には、キャリパボディ12側の端部に略円板状の
蓋部48が設けられている。モータハウジング46のデ
ィスクロータ18とは逆側の開口端は、モータハウジン
グ46の蓋部48により塞がれている。
【0024】モータハウジング46の蓋部48には、中
心線Oに沿って挿通穴50が形成されており、この挿通
穴50を通してスットパ部材52のロッド部54が中空
部22内に挿入されている。スットパ部材52には、ロ
ッド部54とは逆側の端部にロッド部54に対して大径
とされた頭部56が設けられており、この頭部56は蓋
部48の外側面上に固定されている。
【0025】またボールスクリュ28の後端面には、軸
心に沿って形成されたガイド穴58の一端が開口してい
る。ガイド穴58の断面形状は角型等の非円形とされて
おり、このガイド穴58内には、スットパ部材52のロ
ッド部54の先端側が挿入されている。ここで、ストッ
パ部材52のロッド部54はガイド穴58に対応する非
円形の断面形状を有しており、ボールスクリュ28に対
して軸方向へ相対的に摺動可能とされている。またガイ
ド穴58及びロッド部54の断面形状がそれぞれ非円形
とされていることから、ボールスクリュ28はロッド部
54によって回転が阻止されるこれにより、ボールナッ
ト26が回転すると、ボールナット26の回転方向に応
じた方向へ軸方向に沿って移動する。
【0026】ボールナット26の外周面には、軸方向中
間部に径方向へ延出する円板状のキャリアプレート60
が同軸的に設けられている。なお、このキャリアプレー
ト60はボールナット26と一体的に成形しても、ボー
ルナット26とは別体のリング状に形成された部品と
し、ボールナット26の外周面に嵌挿して固定するよう
にしてもよい。
【0027】キャリアプレート60の外周面には、周方
向に沿って一定ピッチで平歯状の突起62が連続的に設
けられている。一方、キャリパボディ12には、中空部
22外側の周壁部に回転量センサ64が固定されてい
る。この回転量センサ64は、中空部22内に挿入され
た磁気検出部66をキャリアプレート60の突起62に
対向させている。この回転量センサ64は、MR素子、
SMR素子、ホール素子等を用いた磁気センサであり、
磁気検出部66の前方を移動する突起62を非接触で検
出可能とされている。
【0028】ボールナット26の外周側には、キャリア
プレート60に対してモータハウジング46側にトルク
変換機構24の一部を構成するプラネタリギヤ機構68
が設けられている。このプラネタリギヤ機構68は、外
歯ギヤであるサンギヤ70及びプラネタリギヤ72と、
内歯ギヤであるリングギヤ74とを備えている。
【0029】ボールナット26の外周面には、キャリア
プレート60に対してモータハウジング46側に筒状の
サンギヤ70が回転可能に嵌挿されている。ここで、ボ
ールナット26の外周面におけるサンギヤ70との接触
部にはテフロン等のコーティング層(図示省略)が形成さ
れており、このコーティング層によってボールナット2
6とサンギヤ70との回転抵抗が抑制されている。
【0030】キャリアプレート60のモータハウジング
46側の側面には、モータハウジング46側へ突出する
複数本(図1では2本)の支軸76が固定されている。
これらの支軸76はそれぞれ丸棒状とされており、周方
向へは互いに等間隔となるように配置されると共に、ボ
ールスクリュ28と互いに軸平行となるように支持され
ている。これらの支軸76には、それぞれ外周面にプラ
ネタリギヤ72が回転可能に嵌挿され、その先端部にプ
ラネタリギヤ72の支軸76からの脱落を防止する円板
状の座金78が固着されている。
【0031】複数のプラネタリギヤ72はそれぞれサン
ギヤ70に噛み合っている。またキャリパボディ12の
中空部22内には、プラネタリギヤ72の外周側にリン
グギヤ74がサンギヤ70と同軸的になるように配置さ
れている。このリングギヤ74は、ラジアル軸受80を
介してキャリパボディ12により回転可能に支持されて
おり、このリングギヤ74には複数のプラネタリギヤ7
2がそれぞれ噛み合っている。
【0032】モータハウジング46には、蓋部48の外
側に2個のモータ収納部82が一体的に設けられてい
る。これらのモータ収納部82は、それぞれ蓋部48の
外側面からキャリパボディ12とは逆側へ突出する円筒
状とされており、中心線Oを中心とする径方向へはボー
ルスクリュ28に対して外側に位置している。2個のモ
ータ収納部82内には、それぞれ定在波型の超音波モー
タ84,86が配置されている。これらの超音波モータ
84,86は、互いに同軸的となるように支持されたロ
ータ88及びステータ90を備えており、ステータ90
により発生する超音波振動(定在波)を駆動力としてロ
ータ88を回転させる。
【0033】ロータ88には駆動軸92が同軸的に固定
され、超音波モータ84,86は、駆動軸92がボール
スクリュ28と軸平行となるようにモータ収納部82に
よって支持されている。
【0034】超音波モータ84,86の外周面には、径
方向へ延出するフランジ部93が設けられている。一
方、モータ収納部82の内周面には、蓋部48とは逆側
の端部に内径が段状に拡った係合部94が形成されてい
る。これにより、超音波モータ84,86はモータ収納
部82内に挿入されると、フランジ部92が係合部94
に係合して軸方向及び径方向における所定の位置へ位置
決めされる。
【0035】モータ収納部82の開口端はキャップ部材
96により閉止されている。このキャップ部材96は、
モータ収納部82内に収納された超音波モータ84,8
6を係合部94と共に軸方向へ挟持し固定している。
【0036】またモータ収納部82内には、超音波モー
タ84,86と蓋部48との間にリング状の皿ばね98
及び座金100が配置されている。ここで、皿ばね98
は大径側の端部がステータ90側に、小径側の端部が熱
源側に配置され、ステータ90と熱源との間で断熱材と
しても作用する。また皿ばね98は座金100に対して
蓋部48側に配置されており、座金100を介してロー
タ88を常にステータ90の方向へ付勢し、ロータ88
をステータ90に圧接させている。このとき、ロータ8
8とステータ90とは互いに面接触状態とされている。
【0037】モータハウジング46の蓋部48には、モ
ータ収納部82の内周側にラジアル軸受102が埋設固
定されている。このラジアル軸受102は、超音波モー
タ84,86と同軸的に配置されており、超音波モータ
84,86の駆動軸92は、皿ばね98及びラジアル軸
受102を挿通して中空部22内に挿入されると共に、
ラジアル軸受102を介して蓋部48により支持されて
いる。
【0038】一方の超音波モータ84の駆動軸92に
は、中空部22内に挿入された先端部に第1駆動ギヤ1
04が固着されている。この第1駆動ギヤ104はサン
ギヤ70と噛み合って超音波モータ84の回転力をサン
ギヤ70へ伝達する。また他方の超音波モータ86の駆
動軸92には、中空部22内に挿入された先端部に第2
駆動ギヤ106が固着されている。この第2駆動ギヤ1
06はリングギヤ74に噛み合って超音波モータ86の
回転力をリングギヤ74へ伝達する。
【0039】2個の超音波モータ84,86は、何れか
一方のみを選択的に駆動することも、双方を同時に駆動
することも可能である。また停止非駆動状態にある超音
波モータ84,86は、サンギヤ70又はリングギヤ7
4から回転力が伝達されても、自己保持力によってロー
タ88の回転が阻止される。すなわち、超音波モータ8
4の停止時には超音波モータ84の保持力によってサン
ギヤ70の回転が阻止され、また超音波モータ86の停
止時には超音波モータ86の保持力によってリングギヤ
74の回転が阻止される。
【0040】プラネタリギヤ機構68では、ディスクロ
ータ18側から見て、超音波モータ84が第1駆動ギヤ
104を時計方向へ回転させると、超音波モータ84の
回転力によりキャリアプレート60と共にボールスクリ
ュ28が反時計方向へ回転し、また超音波モータ86が
第2駆動ギヤ106を時計方向へ回転させると、超音波
モータ86によりキャリアプレート60と共にボールス
クリュ28が反時計方向へ回転する。
【0041】一方、トルク変換機構24では、ディスク
ロータ18側から見て、超音波モータ84,86の回転
力によってボールナット26が反時計方向へ回転すると
ボールスクリュ28がディスクロータ18へ近づく方向
へ移動し、またボールナット26が時計方向へ回転する
とボールスクリュ28がディスクロータ18から離れる
方向へ移動する。
【0042】またブレーキ装置10では、押圧部材36
に内蔵された推力センサ38及びキャリパボディ12に
取付けられた回転量センサ64がそれぞれブレーキ制御
回路108に電気的に接続されている。さらにブレーキ
制御回路108には、車輪のロックスリップセンサ11
0、ブレーキペダル112の踏込み量に対応する制動信
号を出力するポテンショメータ114、及び超音波モー
タ84,86の駆動回路(図2参照)がそれぞれ電気的
に接続されている。
【0043】図2には本実施の形態に係る超音波モータ
84,86が示されている。なお、図中符号Sが付され
た鎖線は回転中心である軸心を示している。
【0044】超音波モータ84,86には、ロータ88
とステータ90とが互いに同軸的となるように設けられ
ている。ロータ88は、肉厚円板状の回転板116と薄
肉円板状の摩擦材118とが積層された構造とされてお
り、摩擦材118は、回転板116のステータ90側の
端面に接着剤等により固着されている。ここで、摩擦材
118のステータ90側の端面は、超音波モータ84,
86の駆動時にステータ90に対して摺動する摺動接触
面120(図1参照)とされており、摩擦材118はス
テータ90との接触摩擦力が大きく、かつ接触摩擦力の
経時的変化が少ない材料により形成されている。
【0045】またロータ88の回転板116には、摩擦
材118とは逆側の端面に軸心Sに沿って嵌合穴119
が形成されており、この嵌合穴119には、図1に示さ
れるように駆動軸92の基端部が嵌挿され、この駆動軸
92が回転方向及び軸方向へ固定されている。
【0046】一方、ステータ90は、図2に示されるよ
うに肉厚円板状の支持体122を備えている。この支持
体122の外周面には、モータ収納部82内で係合部9
4に係合して超音波モータ84,86を位置決めするフ
ランジ部92が設けられている。支持体122には軸心
Sに沿ってねじ穴124(図1参照)が形成されてお
り、このねじ穴124は支持体122を貫通している。
また支持体122のロータ88側の端部には、外周側か
ら内周側へ向かって超音波振動を共振効果により増幅す
るための切欠126が形成されている。
【0047】支持体122のねじ穴124には、図2
(B)に示されるように高熱に強く電熱性の高いスタッ
ドボルト128がねじ込まれている。スタッドボルト1
28には、軸方向両端部にそれぞれねじ部130,13
2(図1参照)が設けられ、これらのねじ部130,1
32間に大径の支軸部134が一体的に設けられてい
る。スタッドボルト128は、支軸部134の端面がね
じ穴124の周縁部に圧接されるようにねじ部130が
ねじ穴124にねじ込まれている。
【0048】ステータ90には、支持体122上に振動
発生部136が設けられている。この振動発生部136
は、一対の圧電素子138及び一対の電極板140を備
えている。圧電素子138及び電極板140はそれぞれ
円板状とされている。圧電素子138の中央部には、ス
タッドボルト128の支軸部134に対応する開口部1
42が形成されており、また電極板140の中央部に
も、圧電素子138の開口部142と同一形状の開口部
144が形成されている。
【0049】一対の圧電素子138及び一対の電極板1
40は、軸方向に沿って交互に積層されて振動発生部1
36を構成している。このとき、圧電素子138の軸方
向両端面及び電極板140の軸方向両端面は、それぞれ
所定の平面度以上の平面度となるように十分高い精度で
加工されている。
【0050】振動発生部136は、圧電素子138の開
口部142及び電極板140の開口部144をスタッド
ボルト128の支軸部134の外周面に嵌挿しつつ、一
方の電極板140が支持体122の端面と接するように
支持体122上に載置される。これにより、振動発生部
136は、支持体122に対して同軸的になるように支
軸部134により支持される。また振動発生部136
は、軸方向へはスタッドボルト128の支軸部134の
長さより僅かに厚くされている。
【0051】ステータ90には、振動発生部136の端
面上に肉厚円板状の振動伝達部146が設けられてい
る。この振動伝達部146には、図1に示されるように
軸心Sに沿ってスタッドボルト128のねじ部132に
対応するねじ穴148が形成されており、このねじ穴1
48は振動伝達部146を貫通している。また振動伝達
部146には、ロータ88側の端面に軸心Sを中心とし
て円形の凹部150が形成され、この凹部150の周縁
部は、図2に示されるようにロータ88の摺動接触面1
20に接して超音波振動(定在波)を伝達する振動伝達
面152とされている。ここで、振動伝達面152は、
定在波を増幅するための櫛歯状や楔状の突起(図示省
略)が必要に応じて形成される。
【0052】振動伝達部146のねじ穴148には、振
動伝達部146が所定の加圧力で振動発生部136と圧
接するようにスタッドボルト128のねじ部132がね
じ込まれる。これにより、振動発生部136及び振動伝
達部146がスタッドボルト128により支持体122
に締結固定される。このとき、振動伝達部146はスタ
ッドボルト128の締結力によって十分高い面圧で振動
発生部136に圧接する。また振動伝達部146の圧電
素子138及び電極板140も、スタッドボルト128
の締結力によって十分高い面圧で互いに圧接する。
【0053】超音波モータ84,86の一対の電極板1
40は、それぞれモータ駆動回路156に接続されてお
り、このモータ駆動回路156はブレーキ制御回路10
8からの制御信号に応じた駆動電圧を電極板140に印
加する。ここで、本実施の形態では、超音波モータ8
4,86が定在波型の超音波モータであることから、モ
ータ駆動回路156により駆動電圧として単相の交流電
圧を発生すればよい。このため、モータ駆動回路156
では、進行波型の超音波モータを駆動するためのモータ
駆動回路と比較して、増幅器158を二重化したり、発
信器160からのラッチ信号を遅延するための位相器が
不要で、回路構成が大幅に簡略化されている。
【0054】本実施の形態のブレーキ装置10では、駆
動源として最大回数250rpm、最大トルク50kg
fcmで、外径寸法がφ90とされた2台の進行波型超
音波モータを用いたブレーキ装置と同等の性能を得るた
め、最大回数1000rpm、最大トルク15kgfc
mで、外径寸法がφ35とされた2台の定在波型超音波
モータ84,86を用いている。
【0055】プラネタリギヤ機構68での減速比は、第
1駆動ギヤ104とサンギヤ70との間で1:3、サン
ギヤ70とキャリアプレート60との間でも1:3とさ
れており、これにより、超音波モータ84とキャリアプ
レート60との間のトータル減速比は1:9となる。こ
の結果、超音波モータ84の単体駆動の場合には、ブレ
ーキ装置10における最大出力トルクは約120kgf
cm(効率0.9)、最大回転数は111rpmとな
る。一方、上記の進行波型超音波モータを単体駆動した
場合には、最大出力トルクは約75kgfcm、最大回
転数は170rpmとなる。
【0056】またプラネタリギヤ機構68での減速比
は、第2駆動ギヤ106とリングギヤ74との間で1:
5、リングギヤ74とキャリアプレート60との間でも
1:1.5とされており、これにより、超音波モータ86
とキャリアプレート60との間のトータル減速比は1:
7.5となる。この結果、超音波モータ86の単体駆動
の場合には、ブレーキ装置10における最大出力トルク
は約101kgfcm(効率0.9)、最大回転数は1
33rpmとなる。一方、上記の進行波型超音波モータ
を単体駆動した場合には、最大出力トルクは約75kg
fcm、最大回転数は170rpmとなる。
【0057】また2台の超音波モータ84,86を同時
駆動した場合には、約250rpmの最大回転数が得ら
れる。従って、初期制動時などの高応答性が求められる
時には、2台の超音波モータ84,86の同時駆動によ
り対応可能となる。
【0058】次に、本実施の形態に係るブレーキ装置1
0の作用を説明する。
【0059】上記構成のブレーキ装置10では、ブレー
キ作動が行われない常態時においては、超音波モータ8
4,86は何れも不作動であり、ボールスクリュ28は
押圧部材36を介してインナパッド14を押圧しない位
置に保持されている。従って、インナパッド14及びア
ウタパッド16とディスクロータ18との間は各々間隙
が形成されており、ディスクロータ18には制動力が作
用していない。
【0060】ここで、運転者によりブレーキペダル11
2が踏込まれてポテンショメータ114が作動すると、
ポテンショメータ114からブレーキペダル112の踏
込量に対応する制動信号がブレーキ制御回路108に出
力される。ブレーキ制御回路108は、制動信号に対応
する制動力が得られるようにブレーキ制御回路108に
より超音波モータ84,86の一方又は双方を駆動させ
る。これにより、ボールスクリュ28がディスクロータ
18の方向へ移動され、押圧部材36によりインナパッ
ド14がディスクロータ18に圧接されて両者に摩擦力
が生じ、ディスクロータ18に制動トルクが作用する。
さらに、ボールスクリュ28の移動と同時に、キャリパ
ボディ12自体がディスクロータ18から離間する方向
へ移動され、爪部20がディスクロータ18の方向へ移
動されてアウタパッド16を押圧し、アウタパッド16
がディスクロータ18に圧接されて両者に摩擦力が生
じ、ディスクロータ18に制動トルクが作用する。
【0061】この場合、超音波モータ84,86が駆動
されてプラネタリギヤ機構68のキャリアプレートが回
転すると、このキャリアプレート60の回転量が回転量
センサ64によって検出される。この回転量センサ64
からの検出信号は、フィードバック信号としてブレーキ
制御回路108に入力する。ここで、キャリアプレート
60の回転量はボールスクリュ28の移動量に比例し、
キャリアプレート60の移動方向はボールスクリュ28
の移動方向に対応する。ブレーキ制御回路108は、ブ
レーキペダル112の踏込量に応じた移動量だけボール
スクリュ28が移動するように、回転量センサ64から
の検出信号に基づいて超音波モータ84,86の回転量
をフィードバック制御する。
【0062】ボールスクリュー28がディスクロータ1
8側へ移動して押圧部材36がインナパッド14に圧接
すると、押圧部材36に内蔵された推力センサ38によ
り押圧部材36のインナパッド14への押圧力が検出さ
れて、この押圧力に対応する検出信号がブレーキ制御回
路108へ出力される。ブレーキ制御回路108は、車
両の走行速度等に応じて適正な制動トルクが得られるよ
うに、推力センサ38からの検出信号に基づいて超音波
モータ84,86の発生トルク等をフィードバック制御
する。ここで、超音波モータ84,86の駆動(回転
数、トルク等)の制御には、印加電圧、駆動周波数等が
用いられる。
【0063】また車両の減速が完了してブレーキペダル
112が踏込み前の初期位置の復帰すると、ブレーキ制
御回路108は、超音波モータ84,86を制動時とは
逆方向へ回転させてボールスクリュ28をディスクロー
タ18から離れる方向へ移動させ、インナパッド14及
びアウタパッド16をディスクロータ18から離間させ
る。
【0064】以上説明した本実施の形態のブレーキ装置
10では、超音波モータ84により作動する第1のブレ
ーキ系統と、超音波モータ86により作動する第2のブ
レーキ系統とが構成されている。従って、一方のブレー
キ系統が超音波モータ84,86の故障等により作動不
能となっても、他方のブレーキ系統により最低限の制動
力を確保できるので、フェイルセーフが図れて高い信頼
性を確保できる。
【0065】また、例えば、ブレーキペダル112に対
する操作に連動して超音波モータ84を駆動して第1の
ブレーキ系統により制動力を発生させ、この制動時に車
輪がロックあるいはスリップすると、ロックスリップセ
ンサ110からの検出信号に基づいて超音波モータ86
を駆動して第2のブレーキ系統により制動力を消失又は
減少させて車輪のスリップやロックを解消するようして
ABSを構成してもよい。
【0066】また、本実施の形態のブレーキ装置10で
は、超音波モータ84,86が停止状態にあると自己保
持力によりロータ88の回転が拘束される。このため、
超音波モータ84,86の停止時にはパッド14,16
の反力によりボールスクリュ28が加圧され、パッド1
4,16の反力によるトルクがボールナット26を介し
てプラネタリギヤ機構68に作用しても、プラネタリギ
ヤ機構68は超音波モータ84,86の自己保持力によ
り拘束されて回転せず、ボールスクリュ28の移動が阻
止される。従って、例えば車両の停止状態等においてイ
ンナパッド14及びアウタパッド16がディスクロータ
18に圧接された状態のままで超音波モータ84,86
を停止させることにより、ブレーキ作動状態を維持する
(パーキングブレーキ作動状態とする)ことができる。
【0067】また、本実施の形態に係る超音波モータ8
4,86では、ステータ90におけるスタッドボルト1
28が軸方向に沿って振動発生部136を貫通すると共
に、振動発生部136及び振動伝達部146を支持体1
22へ締結固定していることにより、振動発生部136
の端面と振動伝達部146の端面とを所定の加圧力で互
いに圧接させると共に、接着剤を用いることなく振動発
生部136と振動伝達部146とを一体に組立てること
ができる。この結果、温度変化の影響を受けることなく
振動発生部136と振動伝達部146とが確実に密着し
た状態にでき、超音波モータ84,86が高温下で長期
に亘って使用されても、接着剤の剥離等に起因して振動
発生部136から振動伝達部146への超音波振動の伝
達能力が低下しないので、振動発生部136と振動伝達
部146とが接着剤により一体に組立てられた従来構造
の超音波モータと比較し、使用温度限界を大幅に高める
ことができ、また振動発生部136と振動伝達部146
とを接着する耐熱性接着剤及び接着作業を不要にできる
ので、耐熱性を有する超音波モータ84,86の製造コ
ストを抑制できる。
【0068】従って、ブレーキ装置10では、超音波モ
ータ84,86を駆動源として用いたことにより、従来
構造の振動発生部と振動伝達部とが接着剤により一体に
組立てられた超音波モータを用いた場合と比較し、ディ
スクロータ18とパッド14,16との摩擦熱の発生量
が大きくても、超音波モータ84,86の能力低下や故
障に起因する制動能力の低下が発生せず、かつブレーキ
装置10自体としてのコストも低減できる。
【0069】また、本実施の形態のブレーキ装置10で
は、駆動源として定在波型の超音波モータ84,86を
用いているので、進行波型の超音波モータを用いた場合
と比較して、超音波モータ84,86自体の単価を低減
できるとともに、この超音波モータ84,86を駆動す
るためのモータ駆動回路156の単価も低減できる。例
えば、試算によれば、最大回数250rpm、最大トル
ク50kgfcmで、外径寸法がφ90とされた進行波
型超音波モータの単価が約5000円であるのに対し、
本実施の形態に適用可能な最大回数1000rpm、最
大トルク15kgfcmで、外径寸法がφ35とされた
定在波型超音波モータの単価は約2000円となる。ま
た、前記進行波型超音波モータを駆動するためのモータ
駆動回路の単価は、本実施の形態に適用されたモータ駆
動回路156の単価の2倍以上となる。
【0070】また、本実施の形態に係るブレーキ装置1
0では、トルク変換機構24が軸方向における超音波モ
ータ84,86とパッド14,16との中間部に設けら
れると共に、超音波モータ84,86が径方向へもボー
ルスクリュ28から十分離れた位置に配置されているこ
とにより、トルク変換機構24によってパッド14,1
6からの摩擦熱が放熱されると共に超音波モータ84,
86がパッド14,16から十分離れた位置にレイアウ
トできるので、パッド14,16から超音波モータ8
4,86への摩擦熱の伝達を抑制できる。この結果、超
音波モータ84,86の熱的劣化を長期に亘って確実に
防止できるので、ブレーキ装置10の信頼性を更に向上
できる。
【0071】なお、本実施の形態に係るブレーキ装置1
0では、一対の超音波モータ84,86の双方がボール
スクリュ28と平行軸的に設けたが、超音波モータ8
4,86の軸心Sをボールスクリュ28の軸心と直交す
るように設けることも可能である。この場合には、例え
ば超音波モータ84,86の駆動軸92にウォームを固
着して、これをリングギヤ74の外周部に設けられたウ
ォームホイールに噛み合わせて、超音波モータ84,8
6の回転力をリングギヤ74へ伝達する。
【0072】またブレーキ装置10では、超音波モータ
84の第2駆動ギヤ106をリングギヤ74の内歯に噛
み合わせていたが、リングギヤ74の外周部に外歯を設
け、この外歯に超音波モータ86の第2駆動ギヤ106
を噛み合わせて、超音波モータ86の回転力をリングギ
ヤ74に伝達するようにしてもよい。
【0073】本実施の形態に係るブレーキ装置10では
締結部材としてスタットボルト128を用いたが、この
ような締結部材はセラミックスや金属等の耐熱性材料を
素材とする。また締結部材はスタットボルト(植込みボ
ルト)に限定されるものではなく、ロータ88及びステ
ータ90を軸方向へ締結固定可能な部材であるならば、
他にもボルト、ねじ、リベット等の各種の締結部材を用
いることができる。
【0074】(第2の実施の形態)図3から図5には本
発明による第2の実施の形態に係るブレーキ装置180
が示されている。なお、第1の実施の形態に係るブレー
キ装置10と構成及び作用が共通な部材については同一
符号を付して説明を省略する。
【0075】ブレーキ装置180には、図4に示される
ようにキャリパボディ182が設けられており、このキ
ャリパボディ182の中空部184内には、ブレーキ装
置10と同様に、ボールナット26及びボールスクリュ
28並びにプラネタリギヤ機構68等からなるトルク変
換機構が収納されている。また中空部184のディスク
ロータとは逆側の開口端は、図3に示されるように略円
板状の蓋部材186により閉止されている。
【0076】ボールスクリュ28の先端部には円板状の
押圧部材188が固着されている。この押圧部材188
は、中空部184のディスクロータ(図示省略)側の開
口端を閉止したゴム製のシールパッド190を介してイ
ンナパッド(図示省略)を押圧するようになっている。
【0077】超音波モータ84,86は、図4に示され
るようにキャリパボディ182の外周側に設けられた円
筒状のモータ収納部192,194内に収納されてい
る。超音波モータ84の駆動軸92に固着された第1駆
動ギヤ104は、プラネタリギヤ機構68のサンギヤ7
0に噛み合っている。プラネタリギヤ機構68のリング
ギヤ74には内歯及び外歯が形成されており、超音波モ
ータ86の駆動軸92に固着された第2駆動ギヤ106
はリングギヤ74の外歯に噛み合っている。
【0078】プラネタリギヤ機構68のキャリアプレー
ト60には、図5に示されるように外周部にリング状の
回転子196が固着されている。この回転子196には
周方向に沿って所定のピッチで導電部と非導電部が交互
に設けられている。一方、キャリパボディ182には回
転量センサ198が配置されている。この回転量センサ
198は導電検出部200を回転子196に接触させ、
キャリアプレート60と一体となって回転する回転子1
96の回転量を検出する。回転量センサ198は、ケー
ブル201を介してブレーキ制御回路(図示省略)に電
気的に接続され、ブレーキ制御回路へ回転子196の回
転量に対応する検出信号を出力する。
【0079】本実施の形態のブレーキ装置180では、
図5に示されるようにキャリパボディ182内に中空状
の回路収納部202が設けられている。この回路収納部
202はキャリパボディ182における軸方向中間部に
設けられ、中空部18の外周側に位置している。回路収
納部202は、図5に示されるように軸方向に沿った断
面形状が爪部20とは逆側で開口した凹状とされてお
り、また図3に示されるように軸方向から見て周方向に
沿って長い円弧状に形成されている。回路収納部202
の開口端は、図3に示されるように略リング状の蓋部材
204により閉止されている。
【0080】回路収納部202内には、図5に示される
ように超音波モータ84,86をそれぞれ駆動するため
のモータ駆動回路156が収納されている。このモータ
駆動回路156は発信器及び増幅器等を備えており、ブ
レーキ制御回路による制御に従って定在波型の超音波モ
ータ84,84に単相の駆動電圧を印加して超音波モー
タ84,86を駆動させる。
【0081】本実施の形態に係るブレーキ装置180に
よれば、キャリパボディ182内にモータ駆動回路15
6が収納されていることにより、車体側にモータ駆動回
路156を設置する必要がなくなると共に、車両組付時
のモータ駆動回路156と超音波モータ84,86との
ケーブル等を用いた接続作業を省略できるので、ブレー
キ装置180の車両への組み付けが容易になる。これ以
外のブレーキ装置180の動作及び作用ついては、第1
の実施の形態に係るブレーキ装置10と同様であるので
説明を省略する。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る超音波
モータによれば、接着剤を用いることなく簡単な作業で
振動発生部と振動伝達部とを一体に組立てることがで
き、また本発明に係るブレーキ装置によれば、高温下で
の信頼性が高くできると共に製造コストを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ装
置の構成を示す軸方向に沿った断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るブレーキ装置に適
用される超音波モータの構成を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態に係るブレーキ装
置を軸方向から見た外形図である。
【図4】 図3のIV- IV切断線に沿った本発明の第2の
実施の形態に係るブレーキ装置の断面図である。
【図5】 図3のV- V切断線に沿った本発明の第2の実
施の形態に係るブレーキ装置の断面図である。
【符号の説明】
10 ブレーキ装置 12 キャリパボディ 14 インナパッド(摩擦材) 16 アウタパッド(摩擦材) 18 ディスクロータ(回転部材) 24 トルク変換機構と、 28 ボールスクリュ(加圧軸) 84,86 超音波モータ 88 ロータ 90 ステータ 122 支持体 128 スタッドボルト(締結部材) 136 振動発生部 138 圧電素子 140 電極板 146 振動伝達部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷野 元康 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ株式会 社内 (72)発明者 竹村 芳孝 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ株式会 社内 (72)発明者 吉野 康徳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 山本 貴之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J058 AA48 AA53 AA63 AA78 AA87 BA32 BA64 CC15 CC63 FA01 FA11 FA21 5H680 AA00 AA08 AA12 BB01 BB11 BB13 BB16 BB19 BB20 BC00 CC06 DD01 DD02 DD15 DD23 DD27 DD37 DD53 DD66 DD75 DD83 DD85 DD92 DD95 EE03 EE07 EE10 EE11 EE13 EE21 EE22 FF04 FF08 FF12 FF24 FF30 FF32 FF36 GG20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータ及びロータが互いに同軸的に設
    けられ、前記ステータからの超音波振動により前記ロー
    タを回転させる超音波モータであって、 前記ステータは、支持体と、前記支持体上に設けられ、
    圧電素子及び電極が積層された振動発生部と、軸方向に
    おける一端を前記ロータへ接触させると共に他端を前記
    振動発生部に接触させた振動伝達部と、軸方向に沿って
    前記振動発生部を貫通すると共に、前記振動発生部及び
    前記振動伝達部を前記支持体へ締結固定した締結部材
    と、を有することを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 車輪と共に回転する回転部材に摩擦材を
    圧接して制動力を発生するブレーキ装置であって、 請求項1記載の超音波モータと、 前記摩擦材に対向すると共に前記摩擦材に対して接離可
    能とされた加圧軸と、 前記超音波モータからの回転力を前記加圧軸の軸方向に
    沿った駆動力に変換して加圧軸を進退させるトルク変換
    機構と、 を有することを特徴とするブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記トルク変換機構は、前記軸方向にお
    ける前記超音波モータと前記摩擦材との中間部に設けら
    れたことを特徴とする請求項2記載のブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記超音波モータは、前記加圧軸と平行
    軸的に設けられると共に、前記ロータが軸方向における
    前記摩擦材側の端部に配置されたことを特徴とする請求
    項3記載のブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記超音波モータは、前記加圧軸と非同
    軸的になるように設けられたことを特徴とする請求項3
    又は4記載のブレーキ装置。
JP11143139A 1999-05-24 1999-05-24 超音波モータ及びこの超音波モータを用いたブレーキ装置 Pending JP2000333479A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11143139A JP2000333479A (ja) 1999-05-24 1999-05-24 超音波モータ及びこの超音波モータを用いたブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11143139A JP2000333479A (ja) 1999-05-24 1999-05-24 超音波モータ及びこの超音波モータを用いたブレーキ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000333479A true JP2000333479A (ja) 2000-11-30

Family

ID=15331847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11143139A Pending JP2000333479A (ja) 1999-05-24 1999-05-24 超音波モータ及びこの超音波モータを用いたブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000333479A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003202042A (ja) * 2001-10-22 2003-07-18 Tokico Ltd 電動ディスクブレーキおよびその制御プログラム
JP2003254365A (ja) * 2002-02-28 2003-09-10 Nissin Kogyo Co Ltd 電気式ディスクブレーキ
JP2003287064A (ja) * 2002-03-27 2003-10-10 Nissin Kogyo Co Ltd 電気式ディスクブレーキ
JP2005009633A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Tokico Ltd 電動ブレーキ装置
JP2008075783A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 差動歯車による超音波モータの伝動装置
KR20170128404A (ko) * 2015-03-12 2017-11-22 로오드 코포레이션 이중 회전자 토크 발생 디바이스, 시스템, 및 방법
JP2018172032A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 日信工業株式会社 車両用ブレーキシステム
JP2020034045A (ja) * 2018-08-28 2020-03-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 ディスクブレーキ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003202042A (ja) * 2001-10-22 2003-07-18 Tokico Ltd 電動ディスクブレーキおよびその制御プログラム
JP2003254365A (ja) * 2002-02-28 2003-09-10 Nissin Kogyo Co Ltd 電気式ディスクブレーキ
JP2003287064A (ja) * 2002-03-27 2003-10-10 Nissin Kogyo Co Ltd 電気式ディスクブレーキ
JP2005009633A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Tokico Ltd 電動ブレーキ装置
JP2008075783A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 差動歯車による超音波モータの伝動装置
KR20170128404A (ko) * 2015-03-12 2017-11-22 로오드 코포레이션 이중 회전자 토크 발생 디바이스, 시스템, 및 방법
JP2018172032A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 日信工業株式会社 車両用ブレーキシステム
JP2020034045A (ja) * 2018-08-28 2020-03-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 ディスクブレーキ
JP7012621B2 (ja) 2018-08-28 2022-02-14 日立Astemo株式会社 ディスクブレーキ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5159697B2 (ja) 電動式ディスクブレーキ装置
JP2000071960A (ja) 電動式ブレーキ装置
WO2006075641A1 (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置
WO2015033863A1 (ja) 電動ブレーキ装置
JP2000333479A (ja) 超音波モータ及びこの超音波モータを用いたブレーキ装置
WO2017199828A1 (ja) 電動式直動アクチュエータ
JP4756230B2 (ja) 電動ブレーキ装置
EP3284933B1 (en) Reactive force generation device
JP2004279265A (ja) 舵角センサ
JP4444395B2 (ja) 振動波駆動装置
JP4959639B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP2014101973A (ja) 電動パーキングブレーキ装置
JPH10181578A (ja) 電動ブレーキ
JP2018029459A (ja) 駆動装置およびロボット
JP4061772B2 (ja) ディスクブレーキ装置
JP2004308709A (ja) クラッチ操作機構
JP2001008472A5 (ja)
JPH05276768A (ja) 回転テーブル
JP4574731B2 (ja) 振動波駆動装置
WO2023062824A1 (ja) ディスクブレーキ及び遊星歯車減速機構
JP2000110865A (ja) 電動ブレーキ
JPH0318280A (ja) 超音波モータ
JP3402541B2 (ja) 電動アクチュエータ及びディスクブレーキ装置
JP7398345B2 (ja) ディスクブレーキ及び遊星歯車減速機構
JP2009213198A (ja) 電動モータ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置