JP4061772B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクロータの端面をブレーキパッドで挟み込むことによって、制動力を発生させるディスクブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来用いられているディスクブレーキ装置の一例として、特開平8−338461号公報に示されるものがある。このブレーキ装置の断面構成を図4に示す。このディスクブレーキ装置は、図5に示すように、1つの電動機104を有しており、スピンドルロッド118の外周に電動機104のロータ108がスピンドルロッド118に対して相対回転できないように固定されている。そして、ロータ108の外周にはステータ104が配置されている。
【0003】
また、ロータ108が配置された部位よりも紙面左側において、スピンドルロッド118の外周には、ネジ溝が形成されている。そして、このネジ溝に対応するネジ122を備えたスピンドルナット124がスピンドルロッド118の外周に備えられており、このスピンドルナット124はスピンドルロッド118の回動に伴って回動しないように構成されている。これにより、スピンドルロッド118を回動させると、このスピンドルロッド118のネジ溝上をネジ122が螺旋状に転がるように、スピンドルナット124が紙面左右に移動するようになっている。
【0004】
そして、このスピンドルナット124の一端(図中左側端部)には、ブレーキパッド134が備えられている。
このように構成されたディスクブレーキ装置は、電動機104の作動によってロータ108が回転させられると、ロータ108に固定されたスピンドルロッド118が共に回転され、スピンドルナット124と共にブレーキパッド134を紙面左右方向に移動させるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ブレーキ装置では、1つの電動機104によってブレーキパッド134を移動させていたため、ブレーキパッド134を移動させる速度や、ブレーキパッド134を押圧するトルク等が電動機1つ分の分解能しか得られなかった。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて成され、電動機1つ分以上の分解能を有するディスクブレーキを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明においては、略円柱形状で構成されていると共に、該円柱形状の軸方向に孔(11a)が形成されており、該円柱形状の外周に雄ネジ溝が形成され、かつ孔の内周にキー溝が形成されてなるスピンドルロッド(11)と、キー溝に挿入されるキーを含む締結部(36a)を含み、該締結部を回動させることにより、該締結部の軸方向にスピンドルロッドを移動させる第1のモータ(30、60)と、スピンドルロッドの外周に備えられた雄ネジ溝に噛み合うローラネジ(13)と、略円筒形状で構成されていると共に略円筒形状の内周にローラネジと噛み合う雌ネジ溝が形成されており、ローラネジを間に挟んで、スピンドルロッドの外周に配置されたスピンドルナット(12)と、スピンドルナットを回動させることによって、ローラネジを回動させ、該ローラネジと噛み合っているスピンドルロッドを軸方向に移動させる第2のモータ(20、50)と、スピンドルロッド、ローラネジ、スピンドルナット、及び第1、第2のモータを収容するケーシング(4、5)とを備え、第1、第2のモータのいずれか一方、もしくは双方を駆動することにより、スピンドルロッドを軸方向へ移動させ、スピンドルロッドの先端位置に配置されるブレーキパッド(2)を該軸方向に移動させるように構成されており、スピンドルナットに、該スピンドルナットの径方向に突出させたフランジ部(12a)を備え、ケーシングのうち、フランジ部よりもブレーキパッドから離れる側に、該フランジ部と対向するストッパー部を形成すれば、スピンドルナットのブレーキパッドから離れる方向への移動が、フランジ部及びストッパー部によって規制されていることを特徴としている。
【0008】
このように、締結部を回動させることによってスピンドルロッドを軸方向に移動させる第1のモータと、スピンドルナットを介してスピンドルロッドを軸方向に移動させる第2のモータとを備えることによって、2つのモータのそれぞれでスピンドルナットを移動させられるようにできる。このため、1つのモータでブレーキパッドを押圧するよりも大きな押圧力、つまり2つのモータの分解能を有したディスクブレーキ装置にすることができる。
【0009】
また、請求項2に示すように、スピンドルロッドの外周側にキー溝を設け、スピンドルロッドの孔の内周にネジ溝を形成した構成としてもよい。具体的には、請求項に示すように、第1、第2のモータを、共に、超音波モータ(20、30)で構成することができる。また、請求項に示すように、第1、第2のモータのいずれか一方をDCモータで構成し、他方を超音波モータで構成することも可能である。さらに、第1、第2のモータの両方をDCモータとすることもできる。
【0010】
なお、請求項に示すように、スピンドルナットに、該スピンドルナットの径方向に突出させたフランジ部(12a)を備え、ケーシングのうち、フランジ部よりもブレーキパッドから離れる側に、該フランジ部と対向するストッパー部を形成すれば、スピンドルナットのブレーキパッドから離れる方向への移動が、フランジ部及びストッパー部によって規制されるようにできる。
【0011】
請求項に記載の発明においては、フランジ部とストッパー部との間には、フランジ部側においてのみ転動体が露出した構成を成すベアリング(14)が備えられており、ベアリングとストッパー部との間には、ベアリング部が軸方向に与える荷重を検出する荷重検出センサ(16)が備えられていることを特徴としている。
【0012】
このように、フランジ部とストッパー部との間に設けたベアリングのストッパー部側の面は、転動体が露出していない構成となっているため、このベアリングとストッパー部との間に荷重検出手段を配置しても、荷重検出手段が摩耗劣化しないようにできる。
請求項7に記載の発明においては、請求項1乃至6に記載のディスクブレーキ装置を車両に適用した場合において、該車両の通常ブレーキ時においては、第1、第2のモータの一方を駆動させることによって、スピンドルナットを移動させて車両制動力を発生させ、通常ブレーキ時よりも早く制動力を発生させたい急ブレーキ時においては、第1、第2のモータの両方を駆動させることによって、スピンドルを通常ブレーキ時よりも早く移動させ、車両制動力を発生させるようになっていることを特徴としている。
【0013】
このように、通常ブレーキ時のように、早く、大きな制動力があまり必要とされない場合には、一方のモータのみを駆動するようにし、早く大きな制動力が必要とされる急ブレーキ時には2つのモータを共に駆動するようにすれば、必要とされる制動力に応じて、制動力を制御することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に本発明の第1実施形態を適用したディスクブレーキ装置を示す。以下、図1に基づいて、本実施形態におけるディスクブレーキ装置の構成を説明する。
ディスクブレーキ装置は、車両に備えられたディスクロータ1を、その両側に配置されたブレーキパッド2、3で挟み込むことにより、ディスクロータ1とブレーキパッド2、3との間に摩擦力を発生させ、車両制動力を得るものである。
【0015】
ディスクブレーキ装置は、ハウジング4とキャリパー5を外形として構成されており、キャリパー5内に上述したブレーキパッド2、3が収容されている。
ハウジング4とキャリパー5とを組付けると、これらの内部に収容スペースが形成されるようになっている。キャリパー5のうち、ディスクロータ1の端面に対向する位置には、収容スペースに繋がる開口部が形成されている。
【0016】
この収容スペース内には、ブレーキパッド2をディスクロータ1方向へ、若しくはディスクロータ1から離れる方向へ移動させるスピンドル機構10及び第1、第2の超音波モータ20、30が収容されている。
スピンドル機構10は、スピンドルロッド11とスピンドルナット12とを備えている。スピンドルロッド11は略円柱形状を成しており、スピンドルロッド11の外周にはネジ溝が形成されている。このスピンドルロッド11の略円柱形状の中心線Xを軸として、スピンドルロッド11の軸方向に、ディスクロータ1の端面が位置するような配置関係となっている。
【0017】
スピンドルナット12は、スピンドルロッド11の外周を囲むように備えられている。このスピンドルナット12の内周面にはネジ溝が形成されている。そして、スピンドルナット12とスピンドルロッド11との間にはスピンドルロッド11及びスピンドルナット12のネジ溝に噛み合うローラネジ13が備えられており、このローラネジ13を介してスピンドルロッド11の外周にスピンドルナット12が噛み合わされた状態となっている。
【0018】
スピンドルナット12の外周部には、スピンドルナット12の径方向に突出させたフランジ部12aが形成されている。また、このフランジ部12aよりもディスクロータ1側において、キャリパー5の内壁にはリング状のベアリング14が圧入固定されている。このベアリング14によって、スピンドルナット12の径方向においての位置決めが成されていると共に、スピンドルナット12がキャリパー5内で回動できるようになっている。さらに、このベアリング14がフランジ部12aよりもディスクロータ1側に配置されているため、スピンドルナット12がディスクロータ1方向へ移動することを規制できるようになっている。
【0019】
なお、ローラネジの長手方向両側にはカム17、18が配置されており、これらのカム17、18によってローラネジ13が所定位置に保持されるようになっている。
このように構成されたスピンドル機構10は、スピンドルロッド11とスピンドルナット12のいずれかを回動させると、スピンドルロッド11及びスピンドルナット12間においてローラネジ13が螺旋状に転がり、スピンドルロッド11がスピンドルナット12に対して相対的に紙面左右に移動するようになっている。
【0020】
また、フランジ部12aのうち、ベアリング14の反対側は、キャリパー4の壁面によって支持されるようになっている。このフランジ部12aとキャリパー4との間には、ベアリング15が配置されている。このベアリング15は、フランジ部側においてのみ転動体15aが露出した構成を成しており、この転動体15aによってフランジ部12a、すなわちスピンドルナット12の回動が円滑に行われるようになっている。さらに、ベアリング15とキャリパー5の間には荷重検出センサ15が配置されている。この荷重検出センサ16により、フランジ部12aに対して紙面右方向にかかる荷重を検出することができる。なお、ベアリング15のうち、荷重検出センサ16と接する面では、転動体15aが露出していない構成となっているため、荷重検出センサ16が摩耗劣化することはない。
【0021】
そして、スピンドル機構10を駆動するための駆動装置として第1、第2の超音波モータ20、30が備えられている。
第1の超音波モータ20は、略円形板の中央部を開口させた形状を成すステータリング21、略円形板の中央部を開口させた形状を成すロータリング22、略円形板の中央部を開口させた形状を成すプレート23、及びリング状の板バネ24が並列的に配置されている。ステータリング21の両端面のうちのロータリング22側の端面には、該端面の外周を囲むように複数の突起部21aが備えられており、反対側の端面には、複数の突起部21aに対応する位置に圧電素子21bが配置されている。
【0022】
ロータリング22は、ステータリング21に備えられた複数の突起部21aと接するように配置されており、プレート23及び板バネ24によってステータリング21方向に押されて複数の突起部21aから離れないように構成されている。
そして、これらステータリング21、ロータリング22、プレート23及び板バネ24の開口部内にスピンドルナット12が嵌め込まれている。
【0023】
ロータリング22、プレート23及び板バネ24の開口部の内壁には、部分的に突出させたキー25が備えられており、キー25がスピンドルナット12の外周に部分的に設けられた切欠きに嵌め込まれ、ロータリング22、プレート23及び板バネ24とスピンドルナット12とが相互に固定された状態となっている。一方、ステータリング21は、キャリパー5の内壁に固定されており、スピンドルナット12から分離された状態となっている。
【0024】
このように構成された第1の超音波モータ20の圧電素子21bに電流を流すと、突起部21aの先端が円運動してロータリング22を回転させ、スピンドルナット12を回転させるように作動する。また、第1の超音波モータ20の圧電素子21bに電流を流していない時には、板バネ24のバネ力によってロータリング22がステータリング21に押さえつけられ、スピンドルナット12の回転が抑制されるようになっている。
【0025】
一方、第2の超音波モータ30は、第1の超音波モータ20と異なる特性のモータとするべく、第1の超音波モータ31よりも各構成要素を小さくしている。これら第1、第2の超音波モータ20、30の特性についての詳細は後述する。
第2の超音波モータ30は、略円形板の中央部を開口させた形状を成すステータリング31、略円形板の中央部を開口させた形状を成すロータリング32、略円形板の中央部を開口させた形状を成すプレート33、及びリング状の板バネ34が並列的に配置されている。ステータリング31の両端面のうちのロータリング32側の端面には、該端面の外周を囲むように複数の突起部31aが備えられており、反対側の端面には、複数の突起部31aに対応する位置に圧電素子31bが配置されている。
【0026】
ロータリング32は、ステータリング31に備えられた複数の突起部31aと接するように配置されており、プレート33及び板バネ34によってステータリング31方向に押されて複数の突起部31aから離れないように構成されている。
そして、ロータリング32、プレート33及び板バネ34の開口部内にシャフト部36が嵌め込まれている。ロータリング32、プレート33、板バネ34の開口部の内壁には、部分的に突出させたキー37が備えられており、キー37がスピンドルナット12の外周に部分的に設けられた切欠きに嵌め込まれ、ロータリング32、プレート33及び板バネ34とスピンドルナット12とが相互に固定されるようになっている。
【0027】
このシャフト部36の先端はキー36aが備えられている。上記したスピンドルロッド11にはキー溝孔11aが形成されており、シャフト部36のキー36aと嵌め合わされるようになっている。このキー36aはキー溝を図中左右方向に摺動できるようになっている。
一方、ステータリング31は、ハウジング4の内壁に固定されており、シャフト部36から分離された状態となっている。
【0028】
なお、シャフト部36とハウジング4との間にはベアリング39が備えられており、ハウジング4に対してシャフト部36が回動できるようになっている。また、シャフト部36とカム18との間には、ベアリング19が配置されており、シャフト部36によってスピンドルナット12が軸支されていると共に、シャフト部36に対してカム18が回転できるように構成されている。
【0029】
このように構成された第2の超音波モータ30の圧電素子31bに電流を流すと、突起部31aの先端が円運動してロータリング32を回転させ、シャフト部36を回転させるように作動する。これにより、シャフト部36のキー36aも回転させられ、このキー36aの回転によってスピンドルロッド11を紙面左右方向に移動させられるようになっている。また、第2の超音波モータ30の圧電素子31bに電流を流していない時には、板バネ34のバネ力によってロータリングが32ステータリング31に押さえつけられ、シャフト部36の回転が抑制されるようになっている。
【0030】
一方、ブレーキパッド2及びディスクロータ1とスピンドル機構10との間を仕切るように、キャリパー5の開口部にはブーツ41及びピストン42が配置されている。このブーツ41及びピストン42によって、スピンドル機構10側のブレーキパッド2が所定位置に保持されるように構成されている。そして、ピストンのスピンドル機構10側の凹部は、スピンドルロッド11の先端部11bが接触するようになっており、スピンドルロッド11の紙面左右方向への移動に伴ってピストン42及びブレーキパッド2を紙面左右方向へ移動させるように構成されている。スピンドルロッド11の先端部11b及びこの先端部11bを受けるピストン42の凹部は共に丸め処理が成されており、スピンドルロッド11の回動が円滑に行われるようになっている。
【0031】
なお、もう一方のブレーキパッド3は、ブレーキパッド2と対向位置において、キャリパー5に固定された構成となっている。
このように構成されたディスクブレーキ装置は、車両に取り付けられているマウンティングブラケット(図示せず)に固定されている。このマウンテンブラケットは、車体に対してフレキシブルに変位可能な構成とされているため、ディスクブレーキ装置は車体に対して移動可能に保持された構成となっている。
【0032】
このような構成となっているため、スピンドル機構10によってブレーキパッド2を紙面左右方向に移動させると、その反力によってディスクロータ1を挟んで反対側にあるブレーキパッド3をブレーキパッド2の逆方向に移動させることができる。
以下、本ディスクブレーキ装置の作動について説明する。
【0033】
まず、制動要求がない場合(例えば、図示しないブレーキペダル踏み込みがない場合)には、第1、第2の超音波モータ20、30が駆動されないため、スピンドルナット12及びスピンドルロッド11は共に移動せず、そのままの状態を保つ。
そして、制動要求があった場合には、その制動要求に応じて第1、第2の超音波モータ20、30が駆動される。例えば、ブレーキペダル踏み込みのスピードが所定範囲よりも速い場合、若しくは踏み込み量が所定範囲よりも大きい場合等の急ブレーキ時と、それらが所定範囲内にある通常ブレーキ時とを例に挙げて説明する。
【0034】
〔通常ブレーキ時の場合〕
この場合には、比較的大きな制動力が必要とされないため、第1、第2の超音波モータ20、30のいずれかを駆動する。
これにより、スピンドルナット12若しくはシャフト部36が回転され、スピンドルロッド11が紙面左方向に移動する。これにより、スピンドルロッド11の先端部11bがピストン42と共にブレーキパッド2を紙面左方向に押出し、さらにこの反力によってブレーキパッド3を紙面右方向に移動させる。このようにして、ディスクロータ1の両端面がブレーキパッド2、3に押さえつけられ、ディスクロータ1とブレーキパッド2、3との間に発生する摩擦力によって車両に制動力を発生させる。
【0035】
このとき、第1、第2の超音波モータ20、30のいずれを駆動するようにするかを制動要求の度合いに応じて選択するようにしている。
図2に、本実施形態における第1、第2の超音波モータ20、30の特性を示す。なお、この図では、第1、第2の超音波モータ20、30を駆動した場合に発生する制動力を特性として示してある。
【0036】
この図に示されるように、第1の超音波モータ20は、比較的なだらかな勾配で制動力を上昇させるリニアな特性を有している。一方、第2の超音波モータ30は、第1の超音波モータ20よりも急な勾配で制動力を上昇させると共に、所定値まで制動力が発生すると後は一定の制動力を発生させるという特性を有している。
【0037】
従って、第1、第2の超音波モータ20、30の特性を活かして、一定の制動力を維持させたい場合には、第2の超音波モータ20、30を駆動するようにし、運転者のブレーキ踏み込み等に比例した制動力を発生させたい場合には第1の超音波モータ20を駆動するようにすれば、制動要求に応じた制動力を発生させることができるのである。
【0038】
〔急ブレーキ時の場合〕
この場合には、早く、大きな制動力を発生させる必要があるため、第1、第2の超音波モータ20、30を両方とも駆動する。
これにより、スピンドルナット12及びシャフト部36が共に回転され、スピンドルロッド11は上述した通常ブレーキ時よりも早く紙面左方向に移動する。これにより、通常ブレーキ時よりも早く制動力を発生させ、さらに第1、第2の超音波モータ20、30の両方のトルクがスピンドルロッド11に伝達されるため、通常ブレーキ時よりも大きなトルクでディスクロータ1をブレーキパッド2、3で挟み込むことができる。
【0039】
これにより、通常ブレーキ時よりも、早く、大きな制動力を発生させることができる。
参考として、第1、第2の超音波モータ20、30を両方とも駆動した場合における制力特性を図2中に示す。この図にも示されるように、第1、第2の超音波モータ20、30を両方とも駆動した場合には、第1、第2超音波モータ20、30の一方のみを駆動した場合よりも早く大きな制動力を発生させることができる。
【0040】
このように、2つの超音波モータ20、30によってスピンドル機構10を駆動することにより、1つのモータを用いた場合よりも、早く、大きな制動力を発生させることができる。
さらに、2つの超音波モータを使用しているため、仮に、一方の超音波モータが故障したとしても、他方の超音波モータを駆動することによって車両に制動力を与えることができるため、フェイルセーフ上も優れているといえる。
(第2実施形態)
図3に本発明の第2実施形態を示す。
【0041】
本実施形態のディスクブレーキ装置の基本構成は図1に示す第1実施形態のディスクブレーキ装置と略同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態におけるディスクブレーキ装置は、スピンドルナット12を回動させるための第1の超音波モータ20と、スピンドルロッド11を回動させるための第2の超音波モータ30を同じ特性の超音波モータで構成してしている。
【0042】
そして、第2の超音波モータ30とスピンドルロッド11との接続部位が、スピンドルナット12から離れるように構成されている。このため、スピンドルロッド11と超音波モータ2とを接続するボス部とスピンドルナット12との間にベアリング19(図1参照)がない構成となっている。
このように、第1、第2の超音波モータ20、30を同じ構成としてもよく、また、第2の超音波モータ30のシャフト部36とスピンドルナット12との間を離すようにしてもよい。
【0043】
ただし、シャフト部36とスピンドルナット12との間を離すようにした場合には、スピンドルロッド11の軸方向の長さが長くなるため、その方向においての小型化を図るという点に関しては第1実施形態の方が優れていると言える。
(第3実施形態)
図4(a)、(b)に本発明の第3実施形態を示す。なお、図4(a)は、本実施形態におけるディスクブレーキ装置の断面構成を示しており、図4(b)は、(a)に示すディスクブレーキ装置を紙面上方から見た時の模式図である。
【0044】
本実施形態のディスクブレーキ装置の基本構成は図1に示す第1実施形態のディスクブレーキ装置と略同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態におけるディスクブレーキ装置は、2つの超音波モータ20、30に代えて、2つのDCモータ50、60を用いている。具体的には、図4(b)に示すように、2つのDCモータ50、60を互い違いに配置させ、一方のDCモータ50によってスピンドルナット12を回動させ、他方のDCモータ60によってシャフト部36を回動させるようになっている。このような配置とすることにより、図4(a)に示すように、軸X方向において、DCモータ50、60がオーバラップさせられるようにでき、軸X方向における小型化を図ることができる。
【0045】
なお、DCモータ50の駆動軸(シャフト)の先端部51とスピンドルナット12の外周部、及び、DCモータ60の駆動軸の先端部61とスピンドルロッド11に接続されたシャフト部の外周部は、ウォームギアで構成されている。これにより、それぞれのDCモータ50、60の駆動軸の回転が、軸Xを中心とした回転に変換されるようになっている。
【0046】
このように、2つのDCモータ50、60を用いて本発明のディスクブレーキ装置を構成することもできる。
( 他の実施形態)
上記第1、第2実施形態では、2つの超音波モータを用いており、本実施形態では、2つのDCモータを用いているが、超音波モータとDCモータを1つづつ用いることも可能である。
【0047】
また、上記実施形態では、スピンドルロッド11の外周にネジ溝を形成し、スピンドルロッド11の孔にキー溝を形成した構成を採用している。しかし、スピンドルロッドの外周にキー溝を形成すると共に、このキー溝に嵌め込まれるキーを第1の超音波モータ20に備え、さらに、スピンドルロッド11の孔の内周に雌ネジ溝を形成すると共に、この雌ネジ溝と噛み合わされる雄ネジ部をシャフト部36に備えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるディスクブレーキ装置の断面構成を示す図である。
【図2】第1、第2の超音波モータに対する制動力特性を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態におけるディスクブレーキ装置の断面構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態におけるディスクブレーキ装置の断面構成を示す図である。
【図5】従来のディスクブレーキ装置の断面構成を示す図である。
【符号の説明】
1…ディスクロータ、2、3…ブレーキパッド、4…ハウジング、
5…キャリパー、11…スピンドルロッド、12…スピンドルナット、
13…ローラネジ、14…ベアリング、16…荷重検出センサ、
17、18…カム、20…第1の超音波モータ、30…第2の超音波モータ、41…ブーツ、42…ピストン。

Claims (7)

  1. 略円柱形状で構成されていると共に、該円柱形状の軸方向に孔(11a)が形成されており、該円柱形状の外周に雄ネジ溝が形成され、かつ前記孔の内周にキー溝が形成されてなるスピンドルロッド(11)と、
    前記キー溝に挿入されるキーを含む締結部(36a)を含み、該締結部を回動させることにより、該締結部の軸方向に前記スピンドルロッドを移動させる第1のモータ(30、60)と、
    前記スピンドルロッドの外周に備えられた雄ネジ溝に噛み合うローラネジ(13)と、
    略円筒形状で構成されていると共に略円筒形状の内周に前記ローラネジと噛み合う雌ネジ溝が形成されており、前記ローラネジを間に挟んで、前記スピンドルロッドの外周に配置されたスピンドルナット(12)と、
    前記スピンドルナットを回動させることによって、前記ローラネジを回動させ、該ローラネジと噛み合っている前記スピンドルロッドを前記軸方向に移動させる第2のモータ(20、50)と、
    前記スピンドルロッド、前記ローラネジ、前記スピンドルナット、及び第1、第2のモータを収容するケーシング(4、5)とを備え、
    前記第1、第2のモータのいずれか一方、もしくは双方を駆動することにより、前記スピンドルロッドを前記軸方向へ移動させ、前記スピンドルロッドの先端位置に配置されるブレーキパッド(2)を該軸方向に移動させるように構成されており、
    前記スピンドルナットには、該スピンドルナットの径方向に突出させたフランジ部(12a)が備えられており、前記ケーシングには、前記フランジ部よりも前記ブレーキパッドから離れる側に、該フランジ部と対向するストッパー部が形成されており、前記スピンドルナットの前記ブレーキパッドから離れる方向への移動が、前記フランジ部及び前記ストッパー部によって規制されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 略円柱形状で構成されていると共に、該円柱形状の軸方向に孔(11a)が形成されており、該円柱形状の外周にキー溝が形成され、かつ前記孔の内周に雌ネジ溝が形成されてなるスピンドルロッド(11)と、前記雌ネジ溝に挿入される雄ネジ部(36a)を含み、該雄ネジ部を回動させることにより、該雄ネジ部の軸方向に前記スピンドルロッドを移動させる第1のモータ(30、60)と、前記スピンドルロッドの外周に備えられたキー溝に嵌め込まれるキーを含み、前記キーと共に前記スピンドルロッドを回動させることにより、前記スピンドルロッドを前記軸方向に移動させる第2のモータ(20、50)と、前記スピンドルロッド、及び第1、第2のモータを収容するケーシング(4、5)とを備え、前記第1、第2のモータのいずれか一方、もしくは双方を駆動することにより、前記スピンドルロッドを前記軸方向へ移動させ、前記スピンドルロッドの先端位置に配置されるブレーキパッド(2)を該軸方向に移動させるように構成されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  3. 前記スピンドルナットには、該スピンドルナットの径方向に突出させたフランジ部(12a)が備えられており、前記ケーシングには、前記フランジ部よりも前記ブレーキパッドから離れる側に、該フランジ部と対向するストッパー部が形成されており、前記スピンドルナットの前記ブレーキパッドから離れる方向への移動が、前記フランジ部及び前記ストッパー部によって規制されていることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記フランジ部と前記ストッパー部との間には、前記フランジ部側においてのみ転動体が露出した構成を成すベアリング(14)が備えられており、前記ベアリングと前記ストッパー部との間には、前記ベアリング部が前記軸方向に与える荷重を検出する荷重検出センサ(16)が備えられていることを特徴とする請求項1または3に記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記第1、第2のモータは共に、超音波モータ(20、30)で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のディスクブレーキ装置。
  6. 前記第1、第2のモータは、いずれか一方がDCモータで構成されており、他方が超音波モータで構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のディスクブレーキ装置。
  7. 請求項1乃至6に記載のディスクブレーキ装置を車両に適用した場合において、該車両の通常ブレーキ時においては、前記第1、第2のモータの一方を駆動させることによって、前記スピンドルナットを移動させて車両制動力を発生させ、前記通常ブレーキ時よりも早く制動力を発生させたい急ブレーキ時においては、前記第1、第2のモータの両方を駆動させることによって、前記スピンドルを前記通常ブレーキ時よりも早く移動させ、車両制動力を発生させるようになっていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ装置。
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