JP2000129496A - 電気めっき方法、電気めっき装置および電子部品 - Google Patents

電気めっき方法、電気めっき装置および電子部品

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JP2000129496A
JP2000129496A JP10324468A JP32446898A JP2000129496A JP 2000129496 A JP2000129496 A JP 2000129496A JP 10324468 A JP10324468 A JP 10324468A JP 32446898 A JP32446898 A JP 32446898A JP 2000129496 A JP2000129496 A JP 2000129496A
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cathode
plating
electroplating
stirrer
thin film
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JP10324468A
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Takashi Kajino
隆 楫野
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント基板やウエハ等の板状の被めっき物
に対し電気めっきを行うに際し、大面積にわたって一様
な撹拌効果を容易かつ再現性よく実現する。また、線条
導体を有する平面コイル等の電子部品において、線条導
体の幅および高さを、線条導体の延びる方向によらずほ
ぼ一定とする。 【解決手段】 複数の孔が設けられた板状体である撹拌
子を、アノードとカソードとの間に配置すると共に、ア
ノードとカソードとを結ぶ方向に対しほぼ垂直な面内で
揺動させながら電気めっきを行う電気めっき方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気めっき方法お
よび電気めっき装置と、この電気めっき方法を用いて形
成された線条導体を有する電子部品とに関する。
【0002】
【従来の技術】電気めっきに際しては、被めっき物表面
にイオンを供給するためにめっき浴の撹拌が必要とされ
る。従来、めっき浴の撹拌法としては、エアー撹拌法、
噴流撹拌法、カソードロック法(回転揺動法を含む)、
パドル撹拌法などが知られている。
【0003】上記エアー撹拌法は、エアー噴出孔を多数
設けたパイプ(エアー噴出管)をめっき浴中に沈め、噴
出するエアーによってめっき浴を撹拌する方法である。
この方法は簡便であり、また、装置が安価に構成できる
ため、幅広く用いられている。しかし、この方法では、
エアー噴出管の長さ方向において一定強度でエアーを噴
出させることが難しく、また、噴出されたエアー(気
泡)を安定して制御することが困難である。したがっ
て、撹拌による効果の再現性に問題がある。
【0004】噴流撹拌法は、めっき浴中にめっき液の噴
流を吹き出させて撹拌する方法である。この方法は、エ
アー撹拌法に比べ制御性が向上し、再現性にも問題はな
いが、渦流がランダムに発生してしまうなどの問題があ
り、大面積の被めっき物に対し均一な撹拌を実現するこ
とは困難である。
【0005】上記カソードロック法は、例えば特公平2
−48640号公報に記載されている。この方法はスケ
ールアップが容易であるという利点があるが、カソード
(被めっき物)自体で撹拌するため、被めっき物の外周
部や、プリント配線板のスルーホール周辺部など凹凸の
ある部位付近に撹拌効果が限定されるという問題があ
る。
【0006】上記パドル撹拌法は制御性が良好である
が、パドルの移動方向とそれに垂直な方向とで撹拌の効
果が異なるため、パターンめっきを行う場合、その形状
に依存して仕上がり(パターン幅やめっき膜厚)が異な
ってしまうという問題がある。また、大面積の被めっき
物に対応させる場合、パドル駆動機構が大きくなるの
で、装置コストが高くなり、装置が占める面積も大きく
なってしまう。
【0007】電気めっきは、電子部品における線条導体
パターン、例えば平面コイルのコイル導体の形成などに
利用されるが、パドル撹拌法のように方向性をもった撹
拌を行いながら電気めっきを行うと、線条導体の延びる
方向に依存して線条導体の幅や高さが変わってしまい、
高特性の電子部品を安定して製造することができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プリ
ント基板やウエハ等の板状の被めっき物に対し電気めっ
きを行うに際し、大面積にわたって一様な撹拌効果を容
易かつ再現性よく実現することである。また、本発明の
他の目的は、線条導体を有する平面コイル等の電子部品
において、線条導体の幅および高さを、線条導体の延び
る方向によらずほぼ一定とすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(8)の本発明によって達成される。 (1) 複数の孔が設けられた板状体である撹拌子を、
アノードとカソードとの間に配置すると共に、アノード
とカソードとを結ぶ方向に対しほぼ垂直な面内で揺動さ
せながら電気めっきを行う電気めっき方法。 (2) 撹拌子の揺動の軌跡をほぼ円形とする上記
(1)の電気めっき方法。 (3) 撹拌子に設けられた前記孔が方形状または円形
状の開口をもつ上記(1)または(2)の電気めっき方
法。 (4) 撹拌子面内に、開口率が相対的に低い領域が存
在する上記(1)〜(3)のいずれかの電気めっき方
法。 (5) 撹拌子が導電性材料から構成されている上記
(1)〜(4)のいずれかの電気めっき方法。 (6) 撹拌子の電位を制御しながら電気めっきを行う
上記(5)の電気めっき方法。 (7) 前記撹拌子を有し、上記(1)〜(6)のいず
れかの電気めっき方法に用いられる電気めっき装置。 (8) 上記(1)〜(6)のいずれかの電気めっき方
法により形成された線条導体を有し、この線条導体の断
面形状が、基部と、この基部上に張り出した本体とを有
するものである電子部品。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の電気めっき方法
におけるめっき槽内の構成を説明する図である。図1で
は、板状のアノード2と、カソード(片面に銅薄膜を形
成した円板状のガラスエポキシウエハ)3とがほぼ平行
に対向配置されている。アノード2とカソード3との間
には、正方形状の孔が並んで設けられた板状体、すなわ
ち格子状の板状体である撹拌子4が、アノード2および
カソード3とほぼ平行に配置されている。
【0011】本発明では、撹拌子4をアノード2とカソ
ード3とを結ぶ方向に対しほぼ垂直な面内で揺動させ
る。これにより、大面積にわたって一様な撹拌が可能と
なるので、大面積にわたって一様な膜質および一様な膜
厚のめっき膜を形成することができる。
【0012】撹拌子4の揺動の軌跡は、ほぼ円形である
ことが好ましいが、カソード3の形状や、カソード3と
撹拌子4との面積比などに応じ、撹拌の一様性が高くな
るように適宜決定すればよく、例えば軌跡が長円状や8
の字状等となるように揺動させてもよい。また、揺動に
よる最大移動量(例えば撹拌子の軌跡が円形である場合
にはその直径)は特に限定されず、撹拌の一様性が高く
なるように適宜決定すればよいが、通常、5〜50mmの
範囲から選択することが好ましい。
【0013】撹拌子4に設ける孔の形状は、方形状に限
らず、一様な撹拌が可能な形状であれば、例えば円形や
長円形等の他の形状であってもよい。孔の径(長径)
は、揺動による撹拌子4の移動量よりも小さくすること
が好ましい。
【0014】撹拌子4全体の開口率、すなわち全面積に
対する孔の面積の合計の比率は、撹拌の一様性が高くな
るように適宜決定すればよいが、好ましくは50〜99
%、より好ましくは50〜95%の範囲から選択する。
【0015】図2は、図1に示す配置を、撹拌子4とカ
ソード3とを結ぶ方向から見た図である。撹拌子4の形
状および寸法は、カソード3の形状および寸法に応じ、
撹拌の一様性が高くなるように適宜決定すればよいが、
好ましくは、図2に示すように撹拌子4がカソード3を
完全に覆う形状および寸法とし、より好ましくは、揺動
させたときにも撹拌子4が常にカソード3を覆う形状お
よび寸法とする。なお、例えば、カソード3が円形であ
っても撹拌子4を円形とする必要はなく、図示するよう
な方形状等の他の形状としてよい。
【0016】撹拌子4の厚さも、一様な撹拌が可能なよ
うに決定すればよいが、撹拌子4が薄すぎると撹拌効果
が不十分となりやすく、厚すぎると撹拌むらが生じやす
いため、通常、5〜20mmの範囲から選択することが好
ましい。
【0017】撹拌子4に設ける孔は、均一に分布してい
る必要はない。例えば、同寸法の孔が均等に分布してい
る撹拌子4を用ると、めっき膜厚が不均一となってしま
う場合、撹拌子4の面内において開口率(単位面積当た
りの開口面積)に分布をもたせれば、膜厚を一様にする
ことが可能である。具体的には、撹拌子に開口率が相対
的に低い領域を設ければ、その領域においてめっき速度
が遅くなるため、膜厚の不均一さを補正することができ
る。開口率は、孔の分布密度および/または孔の寸法を
変更することにより変えることができる。撹拌子4にお
ける開口率の具体的分布は、カソード3の形状および寸
法、孔の形状および寸法などの各種条件や、開口率が均
一である場合の膜厚分布などに応じ、実験的に最適値を
決定すればよい。その目安としては、まず、開口率が均
一である撹拌子を用いてめっき膜を形成して膜厚分布を
測定し、めっき膜各部の厚さの逆数に比例するように開
口率に分布をもたせればよい。例えば、カソード外周部
での膜厚が中央部での膜厚の2倍であった場合、撹拌子
のカソード外周部に相当する領域における開口率を、中
央部に相当する領域における開口率の1/2程度とすれ
ばよい。
【0018】ところで、膜厚補正がなされない場合、め
っき膜は一般的にカソード3の中央から離れるにしたが
って厚くなり、大面積のカソードほどこの傾向が強くな
る。したがって、通常は、被めっき物であるカソードの
外周部を一部覆うような額縁状の遮蔽板をカソードとア
ノードとの間に設けることにより、カソード外周部にお
けるめっき速度を低下させたり、あるいは、カソードの
周囲にこれを包囲するように補助カソードを設けて実効
的なカソード領域を拡張することにより、カソード外周
部におけるめっき膜厚の増大を抑えたり、両者を併用し
たりすることが一般的である。なお、遮蔽板と補助カソ
ードとを併用する場合、遮蔽板は補助カソードの外周部
を一部覆うように設けられる。しかし、遮蔽板や補助カ
ソードを設けるだけでは膜厚分布を完全に解消すること
は困難である。例えば、遮蔽板を設けた場合には、カソ
ードの中央部と遮蔽部分との間付近で膜厚が厚くなって
しまうことがある。これに対し、本発明において撹拌子
の面内で開口率分布を制御すれば、遮蔽板や補助カソー
ドでは補正しきれない膜厚分布を補正することができ、
一様な厚さのめっき膜を得ることができる。
【0019】なお、カソード外周部におけるめっき速度
の補正は、遮蔽板や補助カソードを用いずに撹拌子の開
口率分布制御だけによって行うこともできる。また、そ
の変形例として、撹拌子外周部に、開口の存在しない遮
蔽領域を設けることにより、撹拌子に遮蔽板としての機
能をもたせることも可能である。
【0020】撹拌子4は、絶縁性材料から構成してもよ
く、導電性材料から構成してもよい。導電性材料から構
成すれば撹拌子4の全面が等電位となるため、撹拌子4
面内の電位分布によるイオン移動への影響を防ぐことが
でき、大面積にわたって一様なめっき膜を得やすくな
る。導電性材料から構成する場合、撹拌子4を電気的に
浮いた状態としてもよく、撹拌子4の電位を積極的に制
御してもよい。例えば、撹拌子4にイオン移動を抑制す
る電位を印加し、その電位を制御すれば、めっき速度を
制御することができる。撹拌子4を構成する絶縁性材料
としては、例えば塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエ
チレンなどの各種樹脂が挙げられ、導電性材料として
は、例えばステンレス(SUS304、SUS316
等)、Ti、Ptなどが挙げられる。なお、撹拌子4
は、芯材の表面に異種材料を被覆した構成としてもよ
い。例えば、絶縁性芯材の表面に導電性被覆を設けた
り、Ti芯材の表面にPt被覆を設けた構成としてもよ
い。
【0021】撹拌子4の構造は特に限定されず、通常の
格子のほか、板状体を穿孔したものなどのいずれであっ
てもよい。
【0022】本発明は、被めっき物(カソード)が大面
積の板状体であって、パターンめっきを行う場合に高い
効果を示す。例えば平面コイルのコイル導体やプリント
配線板の導体などの形成に有効である。
【0023】平面コイルは、デジタルオーディオディス
クの二軸アクチエータや平面ディスプレイ(液晶ディス
プレイ等)などの電源用または信号用として広く用いら
れている。また、ファインピッチのプリント配線板は携
帯用端末機や高密度実装の電子機器の部品として汎用さ
れている。平面コイルやプリント配線板の精密部品用と
しての需要が高まるに伴い、幅が細く、かつ厚い、いわ
ゆるハイアスペクト導体パターンを狭い間隔で複数個並
列的に形成したものが要求されるようになってきた。導
体をハイアスペクトパターンとすることにより、直流抵
抗が小さくなる。これまで、ハイアスペクト導体デバイ
スを製造するには、絶縁基板上に、導体薄膜を被着し、
その上にネガ型ホトレジスト層を形成し、常法に従いレ
ジストパターンを形成したのち、導体薄膜の露出部分を
エッチングし、次いでレジストパターンを除去する方法
がとられていた。しかし、このような方法においては、
導体薄膜のエッチングに際し、エッチング液がレジスト
パターンで被覆されている部分にも入り込み、その部分
の導体までも溶解除去してしまう結果、残存する導体の
断面が台形となり、導体パターン間の間隔が広がってし
まうという問題が生じる。
【0024】このような問題を改善するために、導体薄
膜をエッチングしてスパイラルパターンを形成し、絶縁
基板と導体薄膜との電気抵抗の差を利用して、導体薄膜
上に選択的に厚いめっき膜を形成する方法が提案されて
いる(特開昭58−12315号公報)。しかし、この
方法では、下地となる導体薄膜が薄く、特にスパイラル
パターンを形成する場合などに下地の配線抵抗が高くな
り、めっき電流を大きくすることができないため、めっ
きに要する時間が長くなるのを免れない上、通常、めっ
きの成長速度に異方性がないため、めっき膜を厚くする
ことができないという欠点がある。
【0025】その他、絶縁基板全面に金属薄膜を設け、
この上に厚いレジストパターンを形成したのち、パター
ンめっきでハイアスペクト導体を形成し、レジストを除
去したのち、イオンミリングなどのドライエッチングに
より線間の金属薄膜を除去する方法なども知られてい
る。しかし、レジストの厚さは、せいぜい50μmが限
度であるので、導体パターンを40μm程度までの厚さ
にしかできない上に、レジスト壁が軟質なため高速でめ
っきを行うと変形するので、作業電流を低くせざるを得
ず、作業能率が劣り、しかも特別な設備を要するために
コスト高になるという欠点があり、いずれも実用化する
には、多くの問題があった。
【0026】そこで、本出願人は、従来のハイアスペク
ト導体デバイスの製造方法における種々の欠点を克服
し、細幅で厚いハイアスペクト導体パターンを狭い間隔
で複数並列的に設けたデバイスを容易に製造する方法
を、特願平10−3854号に開示している。この方法
では、導体薄膜層上にマスクパターンを形成するための
ホトレジストとしてポジ型ホトレジストを用い、めっき
処理後に活性線照射により導体パターン間のホトレジス
トを除去し、かつめっきにより形成したコイル導体の上
に施した保護薄膜層を保ったままコイル導体間のめっき
下地薄膜層を選択的に除去することにより、細幅で厚い
ハイアスペクト導体パターンを狭い間隔で並列的に設け
ることを可能とした。図3に、この方法における工程の
流れを、平面コイルの製造を例に挙げて示す。この方法
は、(A)絶縁基板11上にめっき下地薄膜層12を設
ける工程、(B)この上にポジ型ホトレジスト層13を
積層する工程、(C)ホトリソグラフィー法によりポジ
型ホトレジスト層13をパターニングして、ホトレジス
トマスクパターン14を形成する工程、(D)上記
(C)工程において形成されためっき下地薄膜層12の
露出部およびこれに近接したホトレジストマスクパター
ン14上に、断面マッシュルーム状のコイル導体線条1
7を形成する工程、(E)コイル導体線条17全表面を
保護用金属薄膜層18で被覆する工程、(F)活性線を
全面照射したのち現像することにより、コイル導体線条
17間に露出しているホトレジストマスクパターン14
を除去する工程、(G)めっき下地薄膜層12の露出部
だけを選択的にエッチング処理して除去する工程を順次
有する。以下、図3を参照して、この方法を詳細に説明
する。
【0027】(A)工程では、絶縁基板11上に、めっ
き下地薄膜層12を設ける。絶縁基板11の構成材料と
しては、ガラスエポキシ、プラスチック、水晶等の単結
晶、SiO2、Al23、フェライト等の各種絶縁体セ
ラミックスなど、これまで平面コイルの基板に普通に用
いられていたものの中から任意に選択することができ
る。絶縁基板11の厚さは、通常、50〜500μmの
範囲から選択すればよい。めっき下地薄膜層12の構成
材料としては、銅、スズ、亜鉛など、めっきの下地層と
して一般に用いられているものの中から任意に選択すれ
ばよい。めっき下地薄膜層12の形成には、蒸着法、電
気めっき法、無電解めっき法、金属箔の張り付けなど任
意の手段を利用することができる。めっき下地薄膜層1
2の厚さは、蒸着法やめっき法を使う場合には0.5〜
10μmの範囲が適当であり、箔を張り付ける場合には
5〜18μmの範囲が適当である。なお、めっき下地薄
膜層12を電気めっき法により形成する場合、本発明の
電気めっき方法を用いることが好ましい。本発明の電気
めっき方法を用いることにより、めっき下地薄膜層12
を一様な厚さでかつ薄く形成できるので、(D)工程に
おいてめっき下地薄膜層12上にコイル導体線条17を
形成する際に大電流が流せ、しかも(G)工程において
めっき下地薄膜層12のエッチングが容易となる。
【0028】(B)工程では、めっき下地薄膜層12上
に、ポジ型ホトレジスト層13を積層する。この方法で
は、後続の工程において、ポジ型ホトレジスト層13か
ら得たホトレジストマスクパターン14の一部をさらに
露光処理して除去する必要があるため、いったん露光し
た後では選択的な除去が不可能なネガ型ホトレジストを
用いることはできず、ポジ型ホトレジストを用いること
が必要である。ポジ型ホトレジスト層13は、紫外線、
電子線、X線、レーザビームなどの活性線の照射により
可溶化するレジストから構成される。この方法で用いる
ポジ型ホトレジストの種類は特に限定されず、公知のも
の、例えば、ポリメチルビニルケトン、ポリビニルフェ
ニルケトン、ポリスルホン、ポリオレフィン−スルホ
ン、ポリ(ヘキサメチレン−α−トルキシリルアミ
ド)、ポリメタクリル酸メチル系ホトレジスト、ノボラ
ック−ジアゾキノン系ホトレジストなどから選択すれば
よい。ポジ型ホトレジスト層13の厚さは、0.1〜5
0μmとすることが好ましい。この厚さが0.1μm未満
であると、マスクパターンとして十分な均一性が得られ
ず、エッチングに際し、めっき下地薄膜層12を完全に
保護することが困難となる。一方、この厚さが50μm
を超えると、レジストパターンを形成する際の露光に長
時間を要し、作業効率が低下する。ポジ型ホトレジスト
層13は、慣用されている方法、例えばドクターナイフ
法やスピンコート法を用いて形成することができる。な
お、ポジ型ホトレジスト層13の厚さを変更することに
より、後続工程で形成されるコイル導体線条17のマッ
シュルーム状断面の茎部長さを制御することができる。
具体的には、ポジ型ホトレジスト層13を薄くすれば上
記茎部を短くすることができ、厚くすれば上記茎部を長
くすることができる。
【0029】(C)工程では、まず、ポジ型ホトレジス
ト層13に対し、例えば所定のマスクパターンを担持し
た透明板を介して活性線を照射することにより、露光部
分だけを分解して溶剤可溶性とする。次いで、現像処理
を施して露光部分のレジストを除去し、ホトレジストマ
スクパターン14とする。
【0030】(D)工程では、めっき下地薄膜層12の
露出した領域を一方の電極として電気めっきを行い、コ
イル導体線条17を形成する。この電気めっきは、上述
した本発明の電気めっき方法により行う。コイル導体線
条17は、幅方向と高さ方向とで成長速度の異なる異方
性めっき膜となり、めっき下地薄膜層12の露出領域を
中心として、その近傍のホトレジストマスクパターン1
4表面にまでまたがって形成される。コイル導体線条1
7の断面は、基部と、この基部上に張り出した本体とを
有する形状、すなわち、マッシュルーム状となる。コイ
ル導体線条17の材質は、(A)工程で設けためっき下
地薄膜層12と同じとすることが好ましいが、必要に応
じ別の材料を用いてもよい。コイル導体線条17の形成
に用いるめっき浴の組成例としては、銅めっき用の場
合、CuSO4・5H2O 100〜200g/lおよびH2
SO4 30〜300g/lからなる硫酸銅浴、Cu(BF
42250〜400g/lおよびHBF4 1〜5g/lから
なるホウフッ化銅浴、CuCN 60〜80g/l、Na
CN 70〜90g/lおよびKOH 20g/lからなるシ
アン化物浴を、亜鉛めっき用の場合、ZnSO4・7H2
O 350〜450g/l、AlCl3・6H2O 10〜
30g/l、CH3COONa 10〜20g/lおよびブド
ウ糖 100〜120g/lからなる酸性浴、Zn(C
N)2 50〜70g/l、NaCN 30〜50g/lおよ
びNaOH 70〜90g/lからなるアルカリ性浴を、
スズめっき用の場合、SnSO4 80〜120g/l、H
2SO4 80〜120g/l、クレゾールスルホン酸 8
0〜120g/lおよびゼラチン 1〜5g/lからなる硫酸
浴、Sn(BF42 150〜250g/l、HBF4
0〜120g/l、H3BO3 20〜30g/lおよびゼラチ
ン 3〜8g/lからなるホウフッ化浴などをそれぞれ挙
げることができる。また、電気めっきの際の条件として
は、一般に浴温25〜65℃、電流密度0.5〜10A/
dm2とすればよい。
【0031】めっき浴中には、光沢剤を含有させること
が好ましい。無光沢めっき浴を用いると、コイル導体線
条17間を狭くした場合に短絡が生じてしまう。用いる
光沢剤は特に限定されないが、好ましくはポリエーテル
系光沢剤を用いる。
【0032】(E)工程では、コイル導体線条17を、
保護用金属薄膜層18で被覆する。この保護用金属薄膜
層18は必須ではないが設けることが好ましい。保護用
金属薄膜層18は、めっき下地薄膜層12を溶解するエ
ッチング液に対し抵抗性を有する導電性材料から構成す
ることが必要である。例えば、めっき下地薄膜層12を
銅から構成した場合には、保護用金属薄膜層18はニッ
ケル、クロム、はんだ合金、金、銀、白金などから構成
すればよい。保護用金属薄膜層18は、電気めっきまた
は無電解めっきにより形成すればよい。保護用金属薄膜
層18の厚さは、1〜5μmの範囲が適当であり、これ
は隣接するコイル導体線条17間の間隔に応じて適宜調
整する。保護用金属薄膜層18を電気めっきにより形成
する場合のめっき浴の組成例としては、ニッケルめっき
用の場合、NiSO4・7H2O100〜200g/l、N
4Cl 10〜20g/lおよびH3BO3 10〜20g/
lからなる普通浴、NiSO4・7H2O 300〜45
0g/l、NiCl2・6H2O 45〜60g/lおよびH3
BO3 35〜40g/lからなる改良ワット浴、スルファ
ミン酸ニッケル 400〜450g/l、H3BO3 30
〜35g/lおよび湿潤剤0.5〜1.0g/lからなるスル
ファミン浴を、クロムめっき用の場合、CrO3 20
0〜270g/l、H2SO4 1.0〜3.0g/lおよび場
合によりNa2SiF6 5〜10g/lからなるクロム酸
浴をそれぞれ挙げることができる。また、電気めっきの
際の条件は、一般に浴温20〜75℃、電流密度0.5
〜60A/dm2の範囲で選ばれる。また、銀めっきの場合
は、AgCN 30〜40g/l、KCN 50〜65g/l
およびK2CO3 40〜50g/lからなるシアン化物
浴、金めっきの場合、Au 1.5〜3.0g/l、KC
N 10〜20g/lおよびNa2HPO4 4〜8g/lから
なるシアン化物浴が用いられ、一般に、浴温としては前
者が20〜30℃、後者が60〜70℃、電流密度とし
ては、前者が0.3〜1.5A/dm2、後者が0.1〜
0.5A/dm2の範囲内で選ばれる。
【0033】(F)工程では、まず、(E)工程までで
得られた積層体に対し、図中上方から積層体全面にわた
って活性線を照射し、ホトレジストマスクパターン14
のコイル導体線条17間の領域だけを溶剤可溶化する。
次いで、現像処理を施して露光部分を除去し、めっき下
地薄膜層12をこの部分だけ露出させる。
【0034】最後に(G)工程において、めっき下地薄
膜層12のうち(F)工程で露出させた領域を選択的に
エッチングして除去することにより、平面コイルを完成
させる。このエッチングに際しては、(E)工程で被覆
した保護用金属薄膜層18には損傷を与えず、(A)工
程で設けためっき下地薄膜層12だけを選択的に除去し
うるエッチング液を用いる。
【0035】図3に例示する方法は、平面コイルのコイ
ル導体など、幅が細く、かつ厚い、いわゆるハイアスペ
クト導体パターンを狭い間隔で複数個並列的に形成する
場合に特に有効である。この方法の主な効果としては、
下記(1)〜(5)が挙げられる。 (1)基板の全面にめっき下地薄膜層12を設けた状態
でコイル導体線条17を形成するので、めっき下地薄膜
層12に大電流を通電することが可能となる。このた
め、コイル導体線条17をハイアスペクトパターンとす
ることが可能となり、また、1回のめっきで所要の厚さ
が得られる。 (2)隣接するコイル導体線条17間に存在する領域以
外のめっき下地薄膜層12表面はすべてホトレジストマ
スクパターン14で覆っており、かつめっき下地薄膜層
12が比較的薄いので、隣接するコイル導体線条17間
の距離がコイル導体線条17の厚さに比べ非常に小さい
場合でもウエットエッチングが可能である。このため、
高スループットで処理でき、設備費も安くできる。 (3)めっきの際にポジ型のホトレジストを用いるの
で、(F)工程においてコイル導体線条17の間隙に存
在するホトレジストマスクパターン14を選択的に除去
しうる。 (4)(G)工程においてコイル導体線条17の間隙に
存在するめっき下地薄膜層12をエッチングする際に、
コイル導体線条17をホトマスクとして使用する。この
ため、独立したホトマスクが不要であり、また、アライ
メントの手間もかからないので、生産性が向上する。 (5)保護用金属薄膜層18の厚さは、通常、数マイク
ロメートル程度で十分であり、また、その形成をコイル
導体線条17の形成に連続して行うことにより形成時間
を10分間程度と短くできるので、生産性が向上する。
【0036】なお、図3では、(F)工程においてホト
レジストマスクパターン14のコイル導体線条17間の
領域だけを除去しているが、本出願人による特願平10
−3853号において開示されているように、残存する
すべてのホトレジストマスクパターン14を除去する構
成としてもよい。その場合には、ホトレジストとしてポ
ジ型のものを用いる必要はない。また、その場合には、
(G)工程におけるめっき下地薄膜層12の一部除去
を、コイル導体線条17をマスクとしたイオンミリング
により行えばよい。この方法では、最終的にホトレジス
ト層をもたない平面コイルが得られる。
【0037】図3に例示する方法において、(D)工程
でのコイル導体線条17の形成に本発明の電気めっき方
法を適用することにより、コイル導体線条17の延びる
方向によらず、すなわちスパイラル状に形成されるコイ
ル導体線条17の全周にわたって導体幅および導体厚さ
をほぼ一定とすることができる。このため、導体パター
ンの位置によらずアスペクト比をほぼ一定とすることが
できる。これに対し従来の撹拌方法を利用した電気めっ
きでは、導体線条の延びる方向によって撹拌の効果が異
なるため、導体線条の幅、厚さ等にばらつきが生じてし
まう。また、本発明の電気めっき方法では、被めっき物
が大面積であってもその全面にわたって均質な導体パタ
ーンを形成できる。したがって、例えばウエハを多数個
並べてめっきすることにより、品質の揃った多数の平面
コイルを同時に形成できるので、生産性を著しく向上さ
せることができる。
【0038】なお、本発明の電気めっき方法による効果
は、図3に例示する方法に限らず、また、コイル導体線
条の形成に限らず、様々な方向に延びる導体線条からな
る導体パターンを形成する場合のすべてにおいて実現す
る。したがって本発明の電気めっき方法は、例えばプリ
ント配線板の製造にも極めて有効である。
【0039】
【実施例】実施例1 図1に示す構成において、アノード2には含燐銅板(1
00mm角、厚さ10mm)を用い、カソード3には厚さ1
8μmの銅箔をめっき下地薄膜層として有するガラスエ
ポキシウエハ(直径76mm、厚さ100μm)を用い、
撹拌子4には塩化ビニル製格子(150mm角、厚さ10
mm、格子幅1mm、格子中心間距離10mm、開口率91
%)を用いた。めっき浴には、高速硫酸銅めっき液(硫
酸銅110g/l、硫酸180g/l、ポリエーテル系光沢剤
2.5ml/l)を用いた。めっき浴温度は35℃とした。
【0040】カソード3を、厚さ5mmのSUS304板
の中央に設けられたカソードホルダに取り付け、アノー
ド2、カソード3および撹拌子4が互いに平行となるよ
うにめっき槽内に配置した。なお、SUS304板表面
のうちカソード3が覆っていない領域は電気的に絶縁し
た。また、内径100mmの開口を有する補助カソードを
設け、カソード3をその開口内に位置させた。アノード
2とカソード3との距離は50mm、撹拌子4とカソード
3との距離は10mmとした。また、カソード3からアノ
ード2側に2mm離れた位置に、遮蔽板を配置した。この
遮蔽板は、内径96mmの開口を有する塩化ビニル板であ
り、その開口の中央がカソード3の中央と重なるように
配置した。
【0041】次に、めっき浴中で撹拌子4をその面内に
おいて直径10mmの軌跡を描くように円運動させながら
電気めっきを行い、カソード表面に銅膜を形成した。こ
のとき、通電する電流値を変化させて、カソード表面に
おける限界電流密度分布を調べた。図4に、カソード表
面における等限界電流密度線の分布を示す。図4におい
て、数値は限界電流密度(単位:A/dm2)である。な
お、本明細書における限界電流密度とは、光沢めっきに
おいて光沢が実現する電流密度の上限値を意味する。光
沢が得られない場合、電気抵抗の上昇および信頼性の低
下を招く。
【0042】図4では、カソードの全表面において限界
電流密度がほぼ一定であることがわかる。すなわち、本
発明によりめっき浴の一様な撹拌がなされ、均質なめっ
き膜の形成が可能であることがわかる。
【0043】なお、平均の電流密度を8A/dm2として電
気めっきを行い、カソード全面にわたってめっき膜厚さ
の分布を調べたところ、厚さのばらつきは10%以下で
あった。この結果から、本発明を適用することにより、
厚さが一様なめっき膜を高速に形成できることがわか
る。
【0044】比較例1 撹拌子4を取り外し、替わりにエアー噴出管を設け、こ
のエアー噴出管からエアーを噴出させて撹拌を行ったほ
かは実施例1と同様にして限界電流密度分布の測定を行
った。なお、エアー噴出管には直径10mmの多孔質プラ
スチックパイプを用い、このエアー噴出管を、アノード
2とカソード3との間であって、カソード3から10mm
離れ、かつカソード3を取り付けたSUS304板の下
端と一致する位置に配置した。この位置は、撹拌が最も
一様となるように実験的に決定した位置である。また、
エアー流量は、限界電流密度の最大値が約10A/dm2
なるように制御した。この測定を2回行った結果を、図
5および図6に示す。
【0045】図5および図6では、カソード表面におい
て限界電流密度が約2倍変化していることがわかる。ま
た、図5と図6との比較から、エアー撹拌法では限界電
流密度分布の再現性が乏しいことがわかる。
【0046】また、実施例1と同様に、平均の電流密度
を8A/dm2として電気めっきを行ったところ、連続膜が
形成されなかった。
【0047】比較例2 撹拌子4を取り外し、替わりにカソード3を揺動装置に
取り付けて揺動させることによりめっき浴を撹拌したほ
かは実施例1と同様にして限界電流密度分布を調べた。
この方法は、前記したカソードロック法(回転揺動法を
含む)を模したものである。結果を図7に示す。
【0048】図7では、限界電流密度が高い領域がカソ
ードの外周部に限定され、しかも、カソード表面におけ
る限界電流密度分布に40%以上ものばらつきが生じて
いる。
【0049】また、実施例1と同様に平均の電流密度を
8A/dm2として電気めっきを行ったところ、連続膜が形
成されなかった。
【0050】比較例3 エアー噴出管に替えてめっき液噴出管を設け、このめっ
き液噴出管をカソード3から水平方向に20mm離れた位
置に配置し、このめっき液噴出管からアノード2側に向
かって20度傾けてめっき液を噴出させることにより撹
拌を行ったほかは比較例1と同様にして、限界電流密度
分布を調べた。結果を図8に示す。なお、めっき液噴出
管は、直径11mmの塩化ビニル製パイプに10mm間隔で
直径1mmの孔を設けたものである。
【0051】図8では、カソード表面における限界電流
密度分布が約30%ばらついていることがわかる。
【0052】また、実施例1と同様に平均の電流密度を
8A/dm2として電気めっきを行ったところ、連続膜が形
成されなかった。
【0053】比較例4 撹拌子4を取り外し、一辺が10mmの正三角形断面を有
する棒状のパドルをカソード3から10mm離して設置
し、カソード表面と平行にカソードの全表面をカバーす
る範囲で上下方向に往復運動させてめっき浴を撹拌した
ほかは実施例1と同様にして、限界電流密度分布を調べ
た。結果を図9に示す。
【0054】図9では、カソード表面における限界電流
密度の分布に約20%のばらつきが認められる。
【0055】また、実施例1と同様に平均の電流密度を
8A/dm2として電気めっきを行ったところ、連続膜は形
成されたが、めっき膜厚さのばらつきが約20%と大き
かった。
【0056】次に、図10に示すスパイラル状の溝を有
し、この溝内だけ銅箔が露出したレジスト層をカソード
表面に形成し、成長の異方性を利用して図11に示すコ
イル導体線条17を形成した。レジスト層は3.5mm角
の正方形状とし、溝の幅は20μm、隣接する溝の中心
間距離は110μmとした。このコイル導体線条17の
形成には、実施例1と同じめっき浴を用いた。図11
は、ガラスエポキシウエハ110上に、銅箔120、溝
を有するレジスト層130を順次形成した構造のカソー
ドにおいて、レジスト層130に形成した溝からめっき
膜が異方的に成長し、断面マッシュルーム状のコイル導
体線条17が形成された様子を示している。
【0057】コイル導体線条形成後、ウエハを切断して
断面を調べたところ、パドルの運動方向に対し垂直な方
向に延びる導体線条間の間隙は30μm、パドルの運動
方向に対し平行な方向に延びるコイル導体線条間の間隙
は15μmであり、両者は大きく異なった。一方、この
比較例におけるカソードを利用したほかは実施例1と同
様にしてコイル導体線条を形成したところ、コイル導体
線条の延びる方向に依存した間隙の違いは認められなか
った。
【0058】実施例2 実施例1で用いたカソードを縦横3枚づつ合計9枚並
べ、これらに対し同時に電気めっきを行ったほかは実施
例1と同様にして、限界電流密度分布を調べた。なお、
隣接するカソード同士の中心間距離は120mmとした。
【0059】この結果、各カソード内における限界電流
密度分布および全カソード間にわたる限界電流分布のい
ずれもが、10%以内に収まっていることがわかった。
【0060】
【発明の効果】本発明では、めっき浴を一様に撹拌でき
るので、限界電流密度のばらつきを小さく抑えることが
でき、かつ、その再現性が良好である。このため、めっ
きの際に電流密度を高くすることができるので処理能力
を高くできる。
【0061】また、本発明では、撹拌子の揺動の振幅お
よび速度を制御することにより限界電流密度を変更する
ことができる。限界電流密度を上げると作業時間を短縮
することができるが、めっき膜のストレスが大きくなる
ため、カソードに反りが生じやすくなる。一方、限界電
流密度を下げれば、作業時間は長くなるが、カソードの
反りは抑えられる。したがって、本発明では、生産性お
よびめっき物の品質の両者を考慮し、必要に応じて最適
な限界電流密度を設定することができる。
【0062】また、本発明では、導体パターンが方向性
をもっている場合でも、導体線条の延びる方向によらず
均質な導体線条を形成することができる。また、単純な
構造の撹拌子を揺動させるだけで済むので、設備のスケ
ールアップが容易であり、設備コストも低い。また、ス
ケールアップした場合でも、一様な撹拌が可能であると
いう効果が減じられることもない。また、パドル撹拌法
に比べ、装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気めっき方法におけるめっき槽内の
構成を説明する図である。
【図2】図1に示す配置を、撹拌子4とカソード3とを
結ぶ方向から見た図である。
【図3】平面コイルの製造方法の流れを説明する断面図
である。
【図4】本発明の電気めっき方法を用いた場合のカソー
ド表面における限界電流密度の分布図である。
【図5】エアー撹拌法を用いた場合のカソード表面にお
ける限界電流密度の分布図である。
【図6】エアー撹拌法を用いた場合のカソード表面にお
ける限界電流密度の分布図である。
【図7】回転揺動法を用いた場合のカソード表面におけ
る限界電流密度の分布図である。
【図8】噴流撹拌法を用いた場合のカソード表面におけ
る限界電流密度の分布図である。
【図9】パドル撹拌法を用いた場合のカソード表面にお
ける限界電流密度の分布図である。
【図10】カソード表面に設けたレジストパターンを示
す平面図である。
【図11】図10に示すレジストパターン上にコイル導
体線条を形成したカソードの断面図である。
【符号の説明】
2 アノード 3 カソード 4 撹拌子 11 絶縁基板 12 めっき下地薄膜層 13 ポジ型ホトレジスト層 14 ホトレジストマスクパターン 17 コイル導体線条 18 保護用金属薄膜層 110 ガラスエポキシウエハ 120 銅箔 130 レジスト層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の孔が設けられた板状体である撹拌
    子を、アノードとカソードとの間に配置すると共に、ア
    ノードとカソードとを結ぶ方向に対しほぼ垂直な面内で
    揺動させながら電気めっきを行う電気めっき方法。
  2. 【請求項2】 撹拌子の揺動の軌跡をほぼ円形とする請
    求項1の電気めっき方法。
  3. 【請求項3】 撹拌子に設けられた前記孔が方形状また
    は円形状の開口をもつ請求項1または2の電気めっき方
    法。
  4. 【請求項4】 撹拌子面内に、開口率が相対的に低い領
    域が存在する請求項1〜3のいずれかの電気めっき方
    法。
  5. 【請求項5】 撹拌子が導電性材料から構成されている
    請求項1〜4のいずれかの電気めっき方法。
  6. 【請求項6】 撹拌子の電位を制御しながら電気めっき
    を行う請求項5の電気めっき方法。
  7. 【請求項7】 前記撹拌子を有し、請求項1〜6のいず
    れかの電気めっき方法に用いられる電気めっき装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかの電気めっき方
    法により形成された線条導体を有し、この線条導体の断
    面形状が、基部と、この基部上に張り出した本体とを有
    するものである電子部品。
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