JP2000129005A - 易引裂性フィルム - Google Patents

易引裂性フィルム

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JP2000129005A
JP2000129005A JP30063198A JP30063198A JP2000129005A JP 2000129005 A JP2000129005 A JP 2000129005A JP 30063198 A JP30063198 A JP 30063198A JP 30063198 A JP30063198 A JP 30063198A JP 2000129005 A JP2000129005 A JP 2000129005A
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elution
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温ヒートシール性、ヒートシール強度、衝
撃強度、引張強伸度、フィルムの腰、フィルム口開き性
などに優れ、かつ、どの方向からも容易に引き裂くこと
のできるフィルムを提供することを課題とする。 【解決手段】 MFR0.1〜50g/10分、密度
0.88〜0.935g/cm3、TREF積分溶出量
が90℃以上において90%以上、平均非結晶部厚み
(la)が100Å以下であるエチレン・α−オレフィ
ン共重合体:40〜95重量%と、非晶性樹脂:5〜6
0重量%とからなる樹脂組成物を用いて、エレメンドル
フ引裂強度試験にて測定した引裂強度が縦横方向ともに
30gf/(g/m2)以下である易引裂性フィルムを
成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムに関す
る。詳しくは、本発明は、低温ヒートシール性、ヒート
シール強度、衝撃強度、引張強伸度、フィルムの腰、フ
ィルム口開き性などに優れ、かつ、どの方向からも容易
に引き裂くことのできるフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン系樹脂は、従来から各種包
装用シーラントフィルムとして多く使用されてきてい
る。ここで、このような包装用シーラントフィルムに
は、一般に、低温ヒートシール性、ヒートシール強度、
フィルムの強度や腰といった製品品質が要求される。
【0003】しかしながら、従来使用されてきた線状低
密度ポリエチレンフィルムは、フィルム強度や低温ヒー
トシール性において劣るものであった。一方、近年上市
されてきた、いわゆるメタロセン系触媒を用いて製造さ
れたエチレン・α−オレフィン共重合体を使用したフィ
ルムは、上述したフィルム強度や低温ヒートシール性と
いった物性には優れるものの、非常に引き裂きにくく、
製品としたときに袋がスムーズに開封できないという問
題があった。
【0004】したがって、低温ヒートシール性、及びフ
ィルム強度などに優れ、かつ容易に引き裂くことのでき
て開封性にも優れた包装用フィルムの開発が望まれてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温ヒート
シール性、ヒートシール強度、衝撃強度、引張強伸度、
フィルムの腰、フィルム口開き性などに優れ、かつ、ど
の方向からも容易に引き裂くことのできるフィルムを提
供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の樹脂組成物からなるフィルムを採用す
ることによって、上記課題を解決しうることを見出し、
本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、以下に示す性状
(A)及び(B)を備えたエチレン・α−オレフィン共
重合体:40〜95重量%と、非晶性樹脂:5〜60重
量%とからなる樹脂組成物により形成されるフィルムで
あって、エレメンドルフ引裂強度試験にて測定した引裂
強度が、縦横方向ともに30gf/(g/m2)以下で
あることを特徴とする易引裂性フィルムを提供する。 (A)メルトフローレートが0.1〜50g/10分で
あること。 (B)密度が0.88〜0.935g/cm3であるこ
と。
【0008】また、本発明は、前記エチレン・α−オレ
フィン共重合体が、前記性状(A)及び(B)に加え、
さらに以下に示す性状(C)及び(D)を備えているこ
とを特徴とする前記易引裂性フィルムを提供する。 (C)温度上昇溶離分別によって得られる積分溶出量
が、溶出温度90℃以上において90%以上であるこ
と。 (D)示差走査熱量計により求められる融解終了温度
(Tm)と密度とから求めた平均非結晶部厚み(la)
が100Å以下であること。
【0009】また、本発明は、前記エチレン・α−オレ
フィン共重合体が、メタロセン系触媒で製造されたもの
であることを特徴とする前記易引裂性フィルムを提供す
る。また、本発明は、前記エチレン・α−オレフィン共
重合体が、エチレンと炭素数6以上のα−オレフィンと
の共重合体であることを特徴とする前記易引裂性フィル
ムを提供する。
【0010】また、本発明は、前記非晶性樹脂が、エチ
レンを重合成分として含有し、かつ、示差走査熱量計に
より求められる結晶化曲線においてピークが存在しない
熱可塑性樹脂であることを特徴とする前記易引裂性フィ
ルムを提供する。
【0011】また、本発明は、以下に示す性状(A)〜
(D)を備えたエチレン・α−オレフィン共重合体:4
0〜95重量%と、非晶性樹脂:5〜60重量%とから
なることを特徴とする樹脂組成物を提供する。 (A)メルトフローレートが0.1〜50g/10分で
あること。 (B)密度が0.88〜0.935g/cm3であるこ
と。 (C)温度上昇溶離分別によって得られる積分溶出量
が、溶出温度90℃以上において90%以上であるこ
と。 (D)示差走査熱量計により求められる融解終了温度
(Tm)と密度とから求めた平均非結晶部厚み(la)
が100Å以下であること。
【0012】また、本発明は、非晶性樹脂が、エチレン
を重合成分として含有し、かつ、示差走査熱量計により
求められる結晶化曲線においてピークが存在しない熱可
塑性樹脂であることを特徴とする前記樹脂組成物を提供
する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の易引裂性フィルムは、エチレン・
α−オレフィン共重合体と非晶性樹脂とを含む樹脂組成
物からなる。
【0014】(1)エチレン・α−オレフィン共重合体 本発明の易引裂性フィルムを構成するエチレン・α−オ
レフィン共重合体は、以下の性状(A)〜(B)を備え
たものである。
【0015】(A)メルトフローレート 本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体
のメルトフローレート(以下、「MFR」と略す)は、
0.1〜50g/10分、好ましくは1〜30g/10
分、特に好ましくは2〜20g/10分である。MFR
が高すぎると、フィルム強度が低下し、好ましくない。
一方、MFRが低すぎると、押出機において押出が困難
となり好ましくない。なお、本発明のエチレン・α−オ
レフィン共重合体のMFRは、JIS−K7210(1
90℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した値であ
る。
【0016】(B)密度 本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体
の密度は、0.88〜0.935g/cm3、好ましく
は0.885〜0.925g/cm3、特に好ましくは
0.89〜0.92g/cm3である。密度が高すぎる
と、低温ヒートシール性や透明性が劣り、好ましくな
い。一方、密度が低すぎると、フィルム表面がべたつ
き、好ましくない。なお、本発明のエチレン・α−オレ
フィン共重合体の密度は、JIS−K7112(23
℃)に準拠して測定した値である。
【0017】本発明のエチレン・α−オレフィン共重合
体としては、上記性状(A)及び(B)に加え、さらに
以下の性状(C)及び(D)を備えたものを用いるのが
好ましい。
【0018】(C)温度上昇溶離分別による溶出曲線の
積分溶出量 本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体
は、温度上昇溶離分別による測定によって得られる溶出
曲線の積分溶出量が、溶出温度90℃以上において90
%以上、好ましくは95%以上、特に好ましくは97%
以上である。
【0019】ここで、本発明における温度上昇溶離分別
(Temperature Rising Elution Fraction:以下、「T
REF」と略す場合がある)による測定とは、「Journa
l ofAppliedPolymer Science, Vol26, 4217-4231(198
1)」及び「高分子討論会予稿集2P1C09(1985)」に記載さ
れている原理に基づき、以下のようにして行われるもの
である。
【0020】まず、測定対象となるポリマーを、溶媒中
で完全に溶解させた後に冷却し、不活性担体表面に薄い
ポリマー層を形成させる。かかるポリマー層は、結晶し
易いものが内側(不活性担体表面に近い側)に、結晶し
にくいものが外側に形成されてなるものである。
【0021】次に、温度を連続又は段階的に上昇させ、
各温度で溶出した成分を回収する。このとき、低温度段
階ではポリマー組成中の非晶部分、すなわちポリマーの
持つ短鎖分岐の分岐度の多いものから溶出し、温度が上
昇すると共に徐々に分岐度の少ないものが溶出し、最終
段階で分岐の無い直鎖状のものが溶出して、測定は終了
する。
【0022】このようにして各温度で回収される溶出成
分の濃度を検出し、その溶出量と溶出温度を求める。こ
の溶出量と溶出温度によって描かれるグラフが溶出曲線
であり、これによりポリマーの組成分布を知ることがで
きる。本発明における溶出曲線の積分溶出量は、該溶出
量の積分値により求めることができる。
【0023】本発明においては、このようにして求めら
れる溶出曲線の積分溶出量が、溶出温度90℃以上にお
いて上記範囲を満たさないと、低温ヒートシール性など
に劣ることとなるので好ましくない。
【0024】(D)平均非結晶部厚み 本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の、示差走
査熱量計(DSC)により求められる融解終了温度(T
m)と密度とから求めた平均非結晶部厚み(la)は、
好ましくは100Å以下、より好ましくは90Å以下で
ある。laがこの範囲を満たさないと、透明性などが劣
り好ましくない。この平均非結晶部厚み(la)は、以
下の計算により求められる。
【0025】
【数1】 la(Å)=lc×{(100−Xc)/Xc} Xc:結晶化度(%) lc:平均結晶部厚み(Å)
【0026】ここで、Xc(結晶化度:%)及びlc
(平均結晶部厚み:Å)は、以下の計算により求められ
るものである。
【0027】
【数2】Xc={{(Da×Dc/D)−Dc}/(D
a−Dc)}×100 Da:溶融時の密度(0.856g/cm3) Dc:完全結晶の密度(1g/cm3) D:サンプルの密度(g/cm3
【0028】
【数3】lc=(2δe/ΔHf)×{1/(1−(T
m/Tm0))} δe:完全結晶の表面エネルギー(50erg/c
2) ΔHf:完全結晶を溶解させるのに必要なエネルギー
(70cal/g) Tm:サンプルの融解終了温度(℃) Tm0:完全結晶の融点(141.4℃)
【0029】本発明で使用するエチレン・α−オレフィ
ン共重合体の製造方法としては特に制限はなく、上記性
状を満たす限り従来公知のいかなる触媒及び重合条件に
より得られたものであってもよいが、メタロセン系触媒
を用いて主成分のエチレンと従成分のα一オレフィンと
を共重合させて得られるものを用いるのが特に好まし
い。
【0030】具体的には、特開昭58−19309号、
特開昭59−95292号、特開昭60−35005
号、特開昭60−35006号、特開昭60−3500
7号、特開昭60−35008号、特開昭60−350
09号、特開昭61−130314号、特開平3−16
3088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第42
0,436号明細書、米国特許第5,055,438号
明細書、および国際公開公報WO91/04257号明
細書等に記載されているメタロセン触媒もしくはメタロ
セン/アルモキサン触媒を用いる方法にて重合して得ら
れたもの、又は、例えば国際公開公報WO92/071
23号明細書等に開示されているようなメタロセン化合
物と、該メタロセン化合物と反応して安定なイオンとな
る化合物とからなる触媒を使用して重合して得られたも
のを挙げることができる。
【0031】ここで、上述したメタロセン化合物と反応
して安定なイオンとなる化合物としては、カチオンとア
ニオンのイオン対から形成されるイオン性化合物又は親
電子性化合物であって、メタロセン化合物と反応して安
定なイオンとなって重合活性種を形成するものが挙げら
れる。
【0032】このうち、イオン性化合物としては下記式
(I)で表されるものが挙げられる。なお、式(I)
中、mは1以上の整数である。
【0033】
【化1】[Q]m+[Y]m- ・・・(I)
【0034】式(I)中、Qはイオン性化合物のカチオ
ン成分である。具体的には、カルボニウムカチオン、ト
ロピリウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニ
ウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカ
チオン等が挙げられ、更には、それ自身が還元され易い
金属の陽イオンや有機金属の陰イオン等も挙げることが
できる。
【0035】これらのカチオンは、特表平1−5019
50号公報等に開示されているようなプロトンを与える
ことができるカチオンだけでなく、プロトンを与えない
カチオンでもよい。
【0036】これらのカチオンの具体例としては、トリ
フェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウム、シク
ロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエチルアン
モニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアン
モニウム、N,N−ジメチルアンモニウム、ジプロピル
アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフ
ェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウム、トリ
(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メチルフェ
ニル)ホズホニウム、トリフェニルスルホニウム、トリ
フェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピリ
リウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、パラジウム
イオン、水銀イオン、フェロセニウムイオン等が挙げら
れる。
【0037】また、式(I)中、Yはイオン性化合物の
アニオン成分であり、メタロセン化合物と反応して安定
なアニオンとなる成分であって、有機ホウ素化合物アニ
オン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム
化合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ素化
合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオン等が挙げ
られる。
【0038】具体的には、テトラフェニルホウ素、テト
ラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ素、
テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニ
ル)ホウ素、テトラキス(3,5−(t−ブチル)フェ
ニル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ホウ素、テトラフェニルアルミニウム、テトラキス
(3,4,5−卜リフルオロフェニル)アルミニウム、
テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニ
ル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチ
ル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)アルミニウム、テトラフェニルガリウ
ム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)
ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチ
ル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(t
−ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ガリウム、テトラフェニルリン、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)リン、テトラフェニ
ルヒ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、
テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)アンチモン、デカボレート、ウンデカボレ
ート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボレート
等が挙げられる。
【0039】前記親電子性化合物としては、ルイス酸化
合物として知られているもののうち、メタロセン化合物
と反応して安定なイオンとなって重合活性種を形成する
ものであり、種々のハロゲン化金属化合物や固体酸とし
て知られている金属酸化物等が挙げられる。具体的に
は、ハロゲン化マグネシウムやルイス酸性無機化合物等
が例示される。
【0040】これらの触媒成分は、適宜、無機固体担
体、有機固体担体等に担持して使用することもできる。
担持の例としては、特開昭61−296008、特開平
1−101315、特開平5−301917等に記載さ
れている方法が挙げられる。
【0041】これらの触媒を用いた共重合の方法として
は、気相法、スラリー法、高圧イオン重合法、溶液法等
を挙げることができる。特に好ましくは、溶液法又は高
圧イオン重合法である。
【0042】この高圧イオン重合法としては、特開昭5
6−18607号公報、同58−225106号公報等
に記載されている、圧力が100kg/cm2以上、好
ましくは300〜2000kg/cm2以上、温度が1
25℃以上、好ましくは130〜250℃、特に好まし
くは150〜200℃の反応条件下で行われる、エチレ
ン系重合体の製造方法を採用することができる。
【0043】共重合させるα−オレフィンとしては、炭
素数3以上、好ましくは4以上、特に好ましくは6以上
のものが用いられる。炭素数の上限としては特に制限は
ないが、好ましくは40以下、より好ましくは12以
下、特に好ましくは10以下である。
【0044】このようなα−オレフィンの具体例として
は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチルペンテ
ン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペ
ンテン−1、ヘキサデセン等が挙げられる。
【0045】これらのα−オレフィンのうち特に好まし
いものは、炭素数6以上のものであり、具体的には1−
ヘキセン、1−オクテンが挙げられる。なお、α−オレ
フィンは1種のみならず、2種以上を用いてもよい。
【0046】本発明のエチレン・α−オレフィン共重合
体中のα−オレフィン含量は、好ましくは0.5〜30
重量%、より好ましくは1〜20重量%であり、エチレ
ン含量は、好ましくは70〜99.5重量%、より好ま
しくは80〜99重量%である。
【0047】(2)非晶性樹脂 本発明で用いられる非晶性樹脂とは、好ましくは示差走
査熱量計により求められる結晶化曲線(DSC結晶化曲
線)においてピークが存在しない熱可塑性樹脂をいう。
かかる条件を満たす樹脂であれば特に限定されないが、
具体的には、スチレン系重合体、シクロオレフィン系重
合体、共重合タイプのポリエステル、共重合タイプのポ
リアミド、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン系エラスト
マーなどが挙げられる。これらの中で好ましくは、エチ
レンを重合成分として含有する樹脂であり、具体的には
エチレン・シクロオレフィン共重合体、エチレン・塩化
ビニル共重合体等が挙げられる。これらの非晶性樹脂
は、市販品の中から適宜選択して用いることができる。
【0048】本発明で用いられる非晶性樹脂の分子量は
特に限定されないが、好ましいMFRは0.1〜50g
/10分、より好ましいMFRは1〜30g/10分程
度である。
【0049】(3)樹脂組成物 本発明で用いられる樹脂組成物は、主として上述したエ
チレン・α−オレフィン共重合体と非晶性樹脂とからな
る。エチレン・α−オレフィン共重合体と非晶性樹脂と
の配合割合は、エチレン・α−オレフィン共重合体:非
晶性樹脂=40〜95重量%:5〜60重量%、好まし
くは50〜95重量%:5〜50重量%、特に好ましく
は60〜90重量%:10〜40重量%である。エチレ
ン・α−オレフィン共重合体の割合が多すぎると易引裂
性が低下する等により好ましくなく、少なすぎると強
度、ヒートシール性等が劣るので好ましくない。
【0050】特に好ましい樹脂組成物は、上記性状
(A)〜(D)をすべて備えたエチレン・α−オレフィ
ン共重合体40〜95重量%と、非晶性樹脂5〜60重
量%とからなるものである。ここで、前記非晶性樹脂
は、エチレンを重合成分として含有し、かつ、示差走査
熱量計により求められる結晶化曲線においてピークが存
在しない熱可塑性樹脂であることが好ましい。
【0051】本発明の樹脂組成物には、必須成分である
エチレン・α−オレフィン共重合体と非晶性樹脂に加
え、本発明の効果を損なわない範囲で、一般に樹脂添加
成分として用いられる補助添加成分を任意に配合するこ
とができる。このような任意成分としては、例えば、通
常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、
中和剤、分散剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電
防止剤、防曇剤、核剤、顔料、着色剤、難燃剤、アンチ
ブロッキング剤、その他の各種有機無機化合物等が挙げ
られる。
【0052】また、任意成分として他の樹脂、例えば高
圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレンなどのエチレン系樹脂、プロピレン単
独重合体、プロピレンと炭素数2、4〜18のα−オレ
フィンとのランダムあるいはブロック共重合体などのプ
ロピレン系樹脂、オレフィン系エラストマー等を添加す
ることもできる。添加させる樹脂としては、特に高圧法
低密度ポリエチレンを5〜30重量%程度混合させる
と、成形性改良に効果があり、好ましい。
【0053】本発明の樹脂組成物は、上述した必須成分
及び必要に応じて用いられる任意成分を、従来公知の方
法にて溶融混練等することにより得ることができる。通
常は、一軸又は二軸押出機、ヘンシェルミキサー、スー
パーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リ
ボンブレンダー、バンバリーミキサー、ニーダーブレン
ダー等を使用して溶融混練したのちペレット状とするの
が一般的である。
【0054】(4)易引裂性フィルム 本発明の易引裂性フィルムは、上述した方法で得られる
樹脂組成物により形成されてなるものである。すなわ
ち、本発明の易引裂性フィルムは、前記樹脂組成物を用
いて従来公知のフィルム成形方法、例えば空冷又は水冷
インフレーション成形法、Tダイ成形法等によってフィ
ルムに成形することにより得ることができる。
【0055】前記易引裂性フィルムの、JIS−K71
28に準拠したエレメンドルフ引裂強度試験法によって
測定される引裂強度は、縦横方向ともに30gf/(g
/m 2)以下、好ましくは20gf/(g/m2)以下、
特に好ましくは10gf/(g/m2)以下である。こ
こで、フィルムの縦方向とは、フィルム成形時のフィル
ム引取方向(MD方向)をいい、横方向とは、前記縦方
向に対して直角の方向(TD方向)をいう。
【0056】このように本発明の易引裂性フィルムは、
上述した特定のエチレン・α−オレフィン共重合体と非
晶性樹脂との樹脂組成物により形成することにより、縦
横方向ともに引裂強度を低くすることができ、どの方向
からも引き裂き易いフィルムとすることができる。引裂
強度が上記範囲より高いと、製品としたときに袋がスム
ーズに開封できないといった欠点を生じやすい。
【0057】本発明の易引裂性フィルムの厚みは特に限
定されないが、好ましくは1〜100μm、より好まし
くは5〜50μmである。フィルムが薄すぎると強度が
低下し、厚すぎると易引裂性が低下するので好ましくな
い。
【0058】本発明の易引裂性フィルムは、他の熱可塑
性樹脂からなるフィルムや或いは紙、アルミ箔、セロハ
ン、織布、不織布などの各種基材と積層して用いること
もできる。積層できる他の熱可塑性樹脂としては、高密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アク
リル酸エステル共重合体などのエチレン系重合体、ポリ
プロピレン、プロピレン・α−オレフィン共重合体など
のプロピレン系重合体、アイオノマー、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリレ
ート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコー
ル共重合体、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0059】積層される基材として特に好ましいもの
は、他のエチレン系重合体、プロピレン系重合体、ポリ
アミド、ポリエステル、アルミ箔である。積層方法とし
ては、ドライラミネーション法、押出ラミネート法、サ
ンドイッチラミネート法、共押出法等が挙げられる。
【0060】本発明の易引裂性フィルムの用途は特に限
定されないが、各種内容物を包装する包装用シーラント
フィルムとして幅広く使用することができる。内容物は
特に限定されるものではなく、液体、固体、半固体のい
ずれであってもよい。具体的には、各種食品包装用途、
例えばスナック等の菓子類、コーヒー・茶葉など、乾物
類、液体スープ、パン類、麺類、冷凍食品類等を収容す
る包装用フィルムとして、あるいは各種医療分野におけ
る包装用途、例えば粉末もしくは錠剤などの医薬品、医
療用器具等を収容する包装用フィルムとして、あるいは
各種日用品、雑貨、サニタリー製品などの包装用フィル
ム等として使用することができる。
【0061】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例で用いられる物性
の測定方法及び評価方法は次の通りである。
【0062】[物性の測定方法] (1)メルトフローレート(MFR) JIS−K7210(条件:190℃、2.16kg荷
重)に準拠して測定した(単位:g/10分)。
【0063】(2)密度 JIS−K7112に準拠して測定した(単位:g/c
3)。
【0064】(3)融解終了温度(Tm) JIS−K7121に準拠して測定した(単位:℃)。
【0065】(4)TREFによる溶出曲線の測定 本発明における温度上昇溶離分別(TREF)は、一度
高温でポリマーを完全に溶解させた後、冷却し、不活性
担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次いで、温度を
連続または段階的に昇温して溶出した成分を回収し、そ
の濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によ
って描かれるグラフ(溶出曲線)のピークで、ポリマー
の組成分布を測定するものである。
【0066】該溶出曲線の測定は、以下のようにして行
った。測定装置としてクロス分別装置(三菱化学株式会
社製、CFC・T150A)を使用し、附属の操作マニ
ュアルの測定法に従って行った。
【0067】このクロス分別装置は、試料を溶解温度の
差を利用して分別する温度上昇溶離分別(TREF)機
構と、分別された区分を更に分子サイズで分別するサイ
ズ排除クロマトグラフ(SEC)とをオンラインで接続
した装置である。
【0068】まず、測定すべきサンプルを溶媒(o−ジ
クロロベンゼン)を用いて濃度が4mg/mlとなるよ
うに、140℃で溶解し、これを測定装置内のサンプル
ループ内に注入した。以下の測定は、設定条件に従って
自動的に行われた。
【0069】サンプルループ内に保持された試料溶液
は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム
(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4m
m、長さ150mmの装置附属のステンレス製カラム)
に0.4ml注入される。該サンプルは、1℃/分の速
度で140℃から0℃の温度まで冷却され、上記不活性
担体にコーティングされる。このとき、高結晶成分(結
晶しやすいもの)から低結晶成分(結晶しにくいもの)
の順で不活性担体表面にポリマー層が形成される。
【0070】TREFカラムを0℃で更に30分間保持
した後、0℃の温度で溶解している成分2mlを、1m
l/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和
電工(株)製、AD80M・S、3本)へ注入される。
【0071】SECで分子サイズでの分別が行われてい
る間に、TREFカラムでは次の溶出温度(5℃)に昇
温され、その温度に約30分間保持される。SECでの
各溶出区分の測定は39分間隔で行われた。溶出温度と
しては以下の温度が用いられ、段階的に昇温される。
【0072】溶出温度(℃):0,5,10,15,2
0,25,30,35,40,45,49,52,5
5,58,61,64,67,70,73,76,7
9,82,85,88,91,94,97,100,1
02,120,140。
【0073】該SECカラムで分子サイズによって分別
された溶液は、装置附属の赤外分光光度計でポリマーの
濃度に比例する吸光度が測定され(波長3.42nm、
メチレンの伸縮振動で検出)、これにより各溶出温度区
分のクロマトグラムが得られた。
【0074】次いで、内蔵のデータ処理ソフトを用い、
上記測定で得られた各溶出温度区分のクロマトグラムの
ベースラインを引き、演算処理される。各クロマトグラ
ムの面積が積分され、積分溶出曲線が計算される。この
積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が計算さ
れる。
【0075】計算結果の作図は、横軸に溶出温度を10
0℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(全積分溶出量
を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量とした)0.
1当たり76.5mmで行った。
【0076】[評価方法] (1)引張強伸度 JIS−Z1702に準拠して測定した(単位:kg/
cm2)。
【0077】(2)フィルム弾性率 ISO−R1184に準拠して測定した(単位:kg/
cm2)。
【0078】(3)ヒートシール強度 熱盤式ヒートシーラー(東洋精機(株)製)にて、85
℃より5℃間隔で、シール圧力2kg/cm2、シール
時間0.5秒でヒートシールし、引張試験機にてヒート
シール強度を測定した(単位:g/15mm)。
【0079】(4)300gヒートシール温度 上記方法でヒートシール強度を測定し、ヒートシール強
度として300gの値が得られる温度を300gヒート
シール温度とした(単位:℃)。
【0080】(5)スリップ性 ASTM−D1894に準拠して測定した。
【0081】(6)パンクチャー衝撃強度 JIS−P8134に準拠して測定した。サンプルは、
フィルムより幅10cm、長さ130cmの大きさで切
り取ったものを使用し、該1枚のサンプルを使用して1
2点測定を行った。次式によりパンクチャー衝撃強度
(単位:kg・cm/cm)を求め、平均値を取った。
なお、次式中、エネルギー測定値の単位は「kg・c
m」、フィルム厚みの単位は「cm」である。
【0082】
【数4】パンクチャー衝撃強度=エネルギー測定値/フ
ィルム厚み
【0083】(7)エレメンドルフ引裂強度 JIS−K7128に準拠して測定した(単位:gf/
(g/m2))。
【0084】
【実施例1】(1)エチレン・1−ヘキセン共重合体
の製造 触媒の調製は特開昭61−130314号公報に記載さ
れた方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0mmolに、アルベマール社製
メチルアルモキサンを、上記錯体に対して1000mo
l倍加え、トルエンで20リットルに希釈して触媒溶液
を調製し、次の方法で重合を行った。
【0085】内容積1.5リットルの撹拌式オートクレ
ーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合
物を、該1−ヘキセンの組成が78重量%となるように
供給し、反応器内の圧力を1000kg/cm2に保
ち、140℃の温度で反応を行った。
【0086】反応終了後、MFRが2g/10分、密度
が0.903g/cm3、1−ヘキセン含量が18重量
%、TREFで得られる溶出曲線のピークが1つ、積分
溶出量が90℃で100%、DSC融解終了温度(T
m)が103℃、平均非結晶部厚み(la)が65Å
の、エチレン・1−ヘキセン共重合体が得られた。
【0087】(2)樹脂組成物の調製 本実施例の樹脂組成物には、エチレン・α−オレフィン
共重合体として上記方法により得られたエチレン・1−
ヘキセン共重合体と、非晶性樹脂としてエチレン・シ
クロオレフィン共重合体(三井化学(株)製、商品名
「アペル・APL6509」)とを、配合割合70:3
0(重量比)で用い、さらに高圧法低密度ポリエチレン
(MFR=0.7g/10分、密度=0.924g/c
3)を、前記エチレン・1−ヘキセン共重合体とエ
チレン・シクロオレフィン共重合体との合計100重量
部に対して5重量部用いた。そして、これらの成分をブ
レンドした後、押出機によりペレット状に加工して樹脂
組成物を得た。
【0088】(3)フィルムの成形 上記方法により得られた樹脂組成物を用いて以下の条件
によりフィルムを成形し、サンプルフィルムとした。こ
のサンプルフィルムについて引張強度、フィルム弾性
率、ヒートシール強度、300gヒートシール温度、ス
リップ性、パンクチャー衝撃強度、及び引裂強度の評価
を行った。結果を表1に示す。
【0089】<成形条件> 機種:トミー機械工業社製、40mmφインフレーショ
ン成形機 温度:200℃ 引取速度:18m/分 スクリュー回転数:50rpm フィルム厚み:30μm
【0090】
【実施例2】実施例1の樹脂組成物におけるエチレン・
α−オレフィンと非晶性樹脂との配合割合を、エチレン
・1−ヘキセン共重合体:エチレン・シクロオレフィ
ン共重合体=90:10(重量比)とした以外は、実施
例1と同様に成形し、評価を行った。結果を表1に示
す。
【0091】
【実施例3】実施例1の樹脂組成物におけるエチレン・
α−オレフィンと非晶性樹脂との配合割合を、エチレン
・1−ヘキセン共重合体:エチレン・シクロオレフィ
ン共重合体=50:50(重量比)とした以外は、実施
例1と同様に成形し、評価を行った。結果を表1に示
す。
【0092】
【実施例4】実施例1の非晶性樹脂を、ポリスチレン
(電気化学工業(株)性、商品名「デンカスチロール・
TP−URX50」)に代え、成形温度を210℃に代
えた以外は、実施例1と同様に成形し、評価を行った。
結果を表1に示す。
【0093】
【実施例5】(1)エチレン・1−ヘキセン共重合体
の製造 触媒の調製は特開昭61−130314号公報に記載さ
れた方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0mmolに、アルベマール社製
メチルアルモキサンを、上記錯体に対して1000mo
l倍加え、トルエンで20リットルに希釈して触媒溶液
を調製し、次の方法で重合を行った。
【0094】内容積1.5リットルの撹拌式オートクレ
ーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合
物を、該1−ヘキセンの組成が80重量%となるように
供給し、反応器内の圧力を1600kg/cm2に保
ち、150℃の温度で反応を行った。
【0095】反応終了後、MFRが13g/10分、密
度が0.900g/cm3、1−ヘキセン含量が21重
量%、TREFで得られる溶出曲線のピークが1つ、積
分溶出量が90℃で100%、DSC融解終了温度(T
m)が98℃、平均非結晶部厚み(la)が69Åの、
エチレン・1−ヘキセン共重合体が得られた。
【0096】(2)樹脂組成物の調製 実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体として、
エチレン・1−ヘキセン共重合体に代えて、上記方法
により得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体を用
い、さらに高圧法低密度ポリエチレンを配合しなかった
他は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を調製した。
【0097】(3)フィルムの成形 上記方法により得られた樹脂組成物を用いて以下の条件
によりフィルムを成形し、サンプルフィルムとした。こ
のサンプルフィルムについて実施例1と同様に各種物性
の評価を行った。結果を表1に示す。
【0098】<成形条件> 機種:プラコー社製、35mmφTダイフィルム成形機 温度:220℃ 引取速度:18m/分 フィルム厚み:30μm
【0099】
【比較例1】実施例1の樹脂組成物の代わりに市販のエ
チレン・ブテン共重合体(日本ポリケム(株)製、UF
421)のみを用い、単身フィルムとして実施例1と同
様の方法で成形し、サンプルを得た。このサンプルにつ
いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0100】
【比較例2】実施例1において、非晶性樹脂を用いなか
った他は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を調製し
た。すなわち、エチレン・1−ヘキセン共重合体に、
実施例1で用いたものと同様の高圧法低密度ポリエチレ
ンを、該共重合体100重量部に対し5重量部配合
し、押出機にてブレンドした後ペレット化し、樹脂組成
物を得た。
【0101】得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同
様の方法でフィルムの成形を行い、得られたサンプルに
ついて評価を行った。結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【発明の効果】本発明の易引裂性フィルムは、低温ヒー
トシール性、ヒートシール強度、衝撃強度、引張強伸
度、フィルムの腰、フィルム口開き性などに優れ、か
つ、どの方向からも容易に引き裂くことのできるので、
食品包装用シーラントフィルムなどをはじめとした各種
シーラントフィルムとして好適に用いることができ、工
業上有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA20X AA21X AA22 AA24 AA24X AA32 AA34 AA51X AA54 AA80 AA88 AA89 AF16Y AH04 BB06 BB09 BC01 4J002 BB035 BB05W BB055 BB125 BB145 BB15W BB15X BB155 BB16X BC02X BD04X BD06X CF00X CL00X FD040 FD050 FD070 FD090 FD100 FD130 FD170 FD200 GF00 GG02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に示す性状(A)及び(B)を備え
    たエチレン・α−オレフィン共重合体:40〜95重量
    %と、非晶性樹脂:5〜60重量%とからなる樹脂組成
    物により形成されるフィルムであって、エレメンドルフ
    引裂強度試験にて測定した引裂強度が、縦横方向ともに
    30gf/(g/m2)以下であることを特徴とする、
    易引裂性フィルム。 (A)メルトフローレートが0.1〜50g/10分で
    あること。 (B)密度が0.88〜0.935g/cm3であるこ
    と。
  2. 【請求項2】 前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    が、前記性状(A)及び(B)に加え、さらに以下に示
    す性状(C)及び(D)を備えていることを特徴とす
    る、請求項1記載の易引裂性フィルム。 (C)温度上昇溶離分別によって得られる積分溶出量
    が、溶出温度90℃以上において90%以上であるこ
    と。 (D)示差走査熱量計により求められる融解終了温度
    (Tm)と密度とから求めた平均非結晶部厚み(la)
    が100Å以下であること。
  3. 【請求項3】 前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    が、メタロセン系触媒で製造されたものであることを特
    徴とする、請求項1又は2記載の易引裂性フィルム。
  4. 【請求項4】 前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    が、エチレンと炭素数6以上のα−オレフィンとの共重
    合体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    に記載の易引裂性フィルム。
  5. 【請求項5】 前記非晶性樹脂が、エチレンを重合成分
    として含有し、かつ、示差走査熱量計により求められる
    結晶化曲線においてピークが存在しない熱可塑性樹脂で
    あることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載
    の易引裂性フィルム。
  6. 【請求項6】 以下に示す性状(A)〜(D)を備えた
    エチレン・α−オレフィン共重合体:40〜95重量%
    と、非晶性樹脂:5〜60重量%とからなることを特徴
    とする樹脂組成物。 (A)メルトフローレートが0.1〜50g/10分で
    あること。 (B)密度が0.88〜0.935g/cm3であるこ
    と。 (C)温度上昇溶離分別によって得られる積分溶出量
    が、溶出温度90℃以上において90%以上であるこ
    と。 (D)示差走査熱量計により求められる融解終了温度
    (Tm)と密度とから求めた平均非結晶部厚み(la)
    が100Å以下であること。
  7. 【請求項7】 非晶性樹脂が、エチレンを重合成分とし
    て含有し、かつ、示差走査熱量計により求められる結晶
    化曲線においてピークが存在しない熱可塑性樹脂である
    ことを特徴とする、請求項6記載の樹脂組成物。
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