JP3921245B2 - 押出成形体用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は押出成形体用樹脂組成物に関する。詳しくは、樹脂の混ざりムラがなく、透明性、ヒートシール強度、強度に優れ、作業性が良好なフィルム又はシート等の押出成形体を製造することのできる樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりエチレン系樹脂のフィルム又はシート等の押出成形体用材料として、一般的に使用されているものは、高圧法低密度ポリエチレン(以下単に「HPLD」と略記する)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(以下単に「EVA」と略記する)、線状低密度ポリエチレン(以下単に「LLDPE」と略記する)等である。
しかし、HPLDフィルム又はシートは、他のエチレン系樹脂のフィルム又はシートに比較して透明性や低温ヒートシール性等が劣るという問題点がある。
また、EVAフィルムは、酢酸ビニル含量の高いものは透明性や低温ヒートシール性は良好であるが、ヒートシール強度や耐引裂性等で劣るという問題点がある。一方、LLDPEフィルム又はシートはヒートシール強度や耐引裂性等がHPLDやEVAに比較して優れているので、HPLDやEVAの代替品として使用される分野が多くなっているものの、透明性や低温ヒートシール性の点で性能的に劣っており、市場における要求性能を全て満足できる材料とは言えない状態である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記したエチレン系樹脂をフィルム又はシート等の押出成形体材料として用いる際の問題点を解決し、樹脂の混ざりムラがなく、透明性、ヒートシール性および強度に優れ、作業性も良好なフィルム又はシートを製造することのできる押出成形体用樹脂組成物を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、エチレン系樹脂に特定の性状のエチレン・α−オレフィン共重合体をブレンドすることによって、上記本発明の目的が達成され得ることができるとの知見を得て本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本願第1の発明は、下記の成分Aおよび成分Bを含有することを特徴とする押出成形体用樹脂組成物である。
成分A:メルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分、密度が0.915〜0.93g/cm3、メモリーエフェクト(ME:Memory Effect)が1.3〜2.2、メルトテンション(MT:Melt Tension)が1g以上の高圧法低密度ポリエチレンおよびメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分、密度が0.91〜0.93g/cm3、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線のピークが2つ以上であり;少なくとも1つのピークが90℃以上であるチーグラー系触媒を用いて製造される線状低密度ポリエチレンから選ばれるエチレン系樹脂 60重量%〜85重量%
成分B:以下の(a)〜(d)の性状を有するメタロセン触媒により製造されるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体
15重量%〜40重量%
(a)密度(D)が0.87g/cm 3 以上0.91g/cm 3 未満
(b)メルトフローレート(MFR)が1〜20g/10分
(c)o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線のピークが1つであり;該ピーク温度が10〜75℃である;
(d)o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(TREF)による50℃での溶出量(Y:成分B全量に対する重量%)が以下の条件を満たすものである
Y≦−4500D+4105 (但し、Y≦100)
【0006】
また、本願第2の発明は、成分Aが、以下の(a’)〜(d’)の性状を有する高圧法低密度ポリエチレンである請求項1記載の押出成形体用樹脂組成物である。
(a’)メルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分
(b’)密度が0.915〜0.93g/cm3
(c’)メモリーエフェクト(ME:Memory Effect)が1.3〜2.2
(d’)メルトテンション(MT:Melt Tension)が1g以上
【0007】
また、本願第3の発明は、成分Aが、以下の(a’)〜(c’)の性状を有し、チーグラー系触媒を用いて製造される線状低密度ポリエチレンである請求項1記載の押出成形体用樹脂組成物である。
(a’)メルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分
(b’)密度が0.91〜0.93g/cm3
(c’)o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線のピークが2つ以上であり;少なくとも1つのピークが90℃以上である
【0008】
〔発明の具体的説明〕
(I)構成成分
(1)成分A
〔エチレン系樹脂〕
本発明の押出成形体用樹脂組成物を構成する成分Aのエチレン系樹脂の具体例としては、いわゆるラジカル重合法で製造される高圧法低密度ポリエチレン、また、イオン重合法で製造される、いわゆる線状低密度ポリエチレンが挙げられる。これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0014】
A2:高圧法低密度ポリエチレン
本発明の成分Aのエチレン系樹脂が高圧法低密度ポリエチレンである場合は、下記の性状を有するものが好適である。
【0015】
(1) メルトフローレート(MFR)
本発明の成分Aの高圧法低密度ポリエチレンのJIS K7210によるMFR(メルトフローレート:Melt Flow rate:溶融流量)は、0.5〜10g/10分、好ましくは0.7〜8g/10分である。MFRが高すぎると強度が不足となり好ましくない。また、MFRが低すぎると押出が困難となり好ましくない。
【0016】
(2) 密度
本発明の成分Aの高圧法低密度ポリエチレンのJIS K7112による密度は、0.915〜0.93g/cm3、好ましくは0.916〜0.925g/cm3、特に好ましくは0.917〜0.923g/cm3である。
密度が高すぎるとヒートシール性が悪化し好ましくない。また、密度が低すぎるとフィルムがベタつくので好ましくない。
【0017】
(3) メモリーエフェクト(ME:Memory Effect)
本発明の成分Aの高圧法低密度ポリエチレンのメモリーエフェクト(ME:Memory Effect:復元効果)は、1.3〜2.2、好ましくは1.4〜2.0、特に好ましくは1.5〜1.9である。
MEが小さすぎると押出負荷が大きくなり好ましくない。また、MEが大きすぎると流れムラが起こり易くなり好ましくない。
【0018】
(4) メルトテンション(MT:Melt Tension)
本発明の成分Aの高圧法低密度ポリエチレンのメルトテンション(MT:Melt Tension:溶融時張力)は、1g以上、好ましくは2.5g以上、特に好ましくは5g以上である。MTが小さすぎると成形性が不安定となる。
【0019】
(5) 活性化エネルギー(Ea)
本発明の成分Aの高圧法低密度ポリエチレンの粘度曲線から求めた、剪断速度が24sec-1の時の活性化エネルギー(Ea)は、20KJ/mol以下、好ましくは2〜17KJ/mol以下、特に好ましくは4〜15KJ/mol、最も好ましくは8〜13KJ/molである。活性化エネルギーが上記範囲を外れると成形性が劣り好ましくない。
この活性化エネルギーは、「レオロジー」(みすず書房刊、中川鶴太郎、神戸博太郎著 604頁)、「講談社現代の化学シリーズ18 レオロジー」(講談社刊 林静男著 160〜161頁)等の文献に記載されている粘性率と温度の関係を表わすアレニウス(Arrhenius)の式又はアンドレード(Andrade)の式より活性化エネルギーを計算する方法で求める。
【0020】
具体的には、キャピログラフ型粘度測定装置にて剪断粘度(η)の測定温度を160℃(433K)、190℃(463K)、230℃(503K)とし、各温度で測定した粘度カーブ(剪断速度に対する粘度の依存曲線)より、剪断速度は24sec-1の時の剪断粘度(η)を求める。次に、1/T(T=測定温度:K)を横軸に、logηを縦軸にしたグラフより、切片:logAを求める。求めた各値を次式に代入し、活性化エネルギー(Ea)を計算する。
【0021】
本発明の成分Aの高圧法低密度ポリエチレンは市販品の中から上記物性を示すものを適宜選択して使用することが出来る。
【0022】
A3:線状低密度ポリエチレン
本発明の成分Aの全部又は一部(上記高圧法低密度ポリエチレンとの併用成分)として線状低密度ポリエチレンを使用する場合は、下記の性状を有するものを選択するのが望ましい。
【0023】
(1) メルトフローレート(MFR)
本発明の成分Aに用いる線状低密度ポリエチレンのJIS K7210によるMFR(メルトフローレート:Melt Flow rate:溶融流量)は、0.5〜10g/10分、好ましくは0.7〜8g/10分である。MFRが高すぎると成形品にしたときの衝撃強度が劣り好ましくない。また、MFRが低すぎると押出が困難となり好ましくない。
【0024】
(2) 密度
本発明の成分Aに用いる線状低密度ポリエチレンのJIS K7112による密度は、0.91〜0.93g/cm3である。密度が高すぎるとヒートシール性が悪化し好ましくない。また、密度が低すぎるとフィルムがベタつき作業性が劣るので好ましくない。
【0025】
(3) 温度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線
本発明の成分Aに用いる線状低密度ポリエチレンは、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractionation:TREF)による溶出曲線のピークが2つ以上であり、少なくとも1つのピーク温度が90℃以上である。
温度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線の測定
上記温度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線の測定は、「Journal of
Applied Polymer Science,Vol26, 4217-4231(1981)」および「高分子討論会予稿集 2P1C09(1985年)」等の文献に記載されている原理に基づいて以下のようにして実施される。
すなわち、まず対象とするポリエチレンをo−ジクロロベンゼン溶媒中で一度完全に溶解させる。その後冷却し、不活性担体表面に薄いポリマー層を形成させる。かかるポリマー層は結晶しやすいものが内側(不活性担体表面に近い側)に、結晶しにくいものが外側に形成されてなるものである。次に温度を連続または階段状に昇温することにより、まず、低温度で対象ポリマー組成中の非晶部分、すなわち、ポリマーの持つ短鎖分岐の分岐度の多いものから溶出する。溶出温度が上昇すると共に、徐々に分岐度の少ないものが溶出し、ついには分岐のない直鎖状の部分が溶出し、測定は終了する。この各温度での溶出成分の濃度を検出し、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフによって、ポリマーの組成分布を見ることが出来るものである。
【0026】
かかる線状低密度ポリエチレンは、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体であり、エチレンと例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチルペンテン−、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を共重合させることにより製造される。これらのα−オレフィンの中で、好ましくは炭素数4〜12のα−オレフィンであり、中でも1−ヘキセンが特に好ましい。製造方法としては、チーグラー系触媒を用いて、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合法等により製造される。
【0027】
上記の線状低密度ポリエチレンは、市販品の中から上記物性を示すものを適宜選んで使用することができる。
【0028】
(2)成分B(エチレン・α−オレフィン共重合体)
本発明における上記成分A以外のエチレン・α−オレフィン共重合体(成分B)は下記の(1)〜(4)の性状、好ましくはさらに(5)及び(6)の性状を示すものを用いることが重要である。
【0029】
(1) 密度
本発明の成分Bのエチレン・α−オレフィン共重合体のJIS K7112による密度は、0.87g/cm 3 以上0.91g/cm 3 未満、好ましくは0.88g/cm 3 以上0.91g/cm 3 未満である。密度が高すぎると、ヒートシール性が悪化するので好ましくない。密度が低すぎると、フィルムとしたとき、べたつきが起こり易くなり好ましくない。
【0030】
(2) メルトフローレート(MFR)
本発明の成分Bのエチレン・α−オレフィン共重合体のJIS K7210によるMFR(メルトフローレート:Melt Flow rate:溶融流量)は、1〜20g/10分、好ましくは1〜10g/10分である。MFRが低すぎると押出が困難になり、好ましくない。MFRが高すぎると、垂れなどが起こり成形性が劣るので好ましくない。
【0031】
(3) 温度上昇溶離分別による溶出曲線に於けるピーク
本発明の成分Bのエチレン・α−オレフィン共重合体は、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線のピークが1つであり、該ピークのピーク温度が、10〜75℃、好ましくは30〜70℃である、また、該ピークの溶出温度以外の温度において溶出するものが、実質的に該溶出曲線に存在することがある。
【0032】
(4) 温度上昇溶離分別による50℃における溶出量
本発明の成分Bのエチレン・α−オレフィン共重合体は、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別による溶出曲線の測定で、50℃における溶出量(Y:成分B全量に対する重量%)が以下の条件を満たすものである。
Y≦−4500D+4105 (但し、Y≦100)、好ましくはY≦−4650D+4238 (但し、Y≦100)
【0033】
(5) 温度上昇溶離分別による積分溶出量
本発明の成分Bのエチレン・α−オレフィン共重合体は、温度上昇溶離分別における溶出物の重量分率を積算して求めた積分溶出量が90℃のとき90%以上、好ましくは90℃のとき95%以上、特に好ましくは90℃のとき97%以上であるものが望ましい。
【0034】
なお、温度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線の測定は上記した方法で行われる。
【0035】
(6) Q値
本発明の成分Bのエチレン・α−オレフィン共重合体のサイズ排除クロマトグラフィ−(Size Exclusion Chromatography:SEC)で測定した、重量平均分子量/数平均分子量から求められるQ値は3.5以下、好ましくは3以下、特に好ましくは2.5以下であることが望ましい。
【0036】
製造法
本発明の成分Bのエチレン・α−オレフィン共重合体は、特開昭58−19309号、同59−95292号、同60−35005号、同60−35006号、同60−35007号、同60−35008号、同60−35009号、同61−130314号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420436号明細書、米国特許第5055438号明細書及び国際公開公報WO91/04257号明細書などに記載されている方法、すなわちメタロセン触媒、特にメタロセン・アルモキサン触媒、または例えば、国際公開公報WO92/01723号などに開示されているようなメタロセン化合物と、以下に述べるメタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化合物からなる触媒を使用して、主成分のエチレンと、従成分のα−オレフィンとを共重合させる方法である。
【0037】
上述のメタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化合物とは、カチオンとアニオンのイオン対から形成されるイオン性化合物あるいは親電子性化合物であり、メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなって重合活性種を形成するものである。
このうち、イオン性化合物は下記式(I)で表される。
〔Q〕m+〔Y〕m- (I)
Qはイオン性化合物のカチオン成分であり、カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等が挙げられ、更には、それ自身が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽イオンなども挙げられる。
【0038】
これらのカチオンは、特表平1−501950号公報などに開示されているようなプロトンを与えることが出来るカチオンだけでなく、プロトンを与えないカチオンでも良い。これらのカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピリリウム、また、銀イオン、金イオン、白金イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオン等が挙げられる。
【0039】
また、Yはイオン性化合物のアニオン成分であり、メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる成分であって、有機ホウ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオン等が挙げられ、具体的には、テトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニルホウ素、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラフェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)リン、テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチモン、デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボレート等が挙げられる。
【0040】
また、親電子性化合物としては、ルイス酸化合物として知られているもののうち、メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなって重合活性種を形成するものであり、種々のハロゲン化金属化合物や固体酸として知られている金属酸化物などが挙げられる。具体的には、ハロゲン化マグネシウムやルイス酸性無機化合物などが例示される。
【0041】
α−オレフィン
ここでα−オレフィンとしては、炭素数4〜40のα−オレフィン、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、オクタデカン等が挙げられる。これらα−オレフィンの中で好ましくは炭素数4〜12、特に好ましくは6〜10の1種または2種以上のα−オレフィン2〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%と、エチレン40〜98重量%、好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは70〜90重量%とを共重合させるのが好ましい。
【0042】
共重合
重合方法としては、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合法などを挙げることが出来る。これらの中では溶液法、高圧イオン重合が好ましく、特に高圧イオン重合法で製造することが好ましい。
なおこの高圧イオン重合法とは、特開昭56−18607号、特開昭58−225106号の各公報に記載されている、圧力が100kg/cm2以上、好ましくは200〜2000kg/cm2、温度が125℃以上、好ましくは130〜250℃、特に150〜200℃の反応条件下に行われるエチレン系重合体の連続的製造法である。
【0043】
(II)量比
成分Aと成分Bの配合割合は、成分A:成分B=85〜60:15〜40重量%である。成分Bの配合量が多すぎるとフィルムやシートにベタつきが生じ作業性が悪化するので好ましくない。成分Bの配合量が少なすぎると透明性やヒートシール性の改良効果が少なく、好ましくない。
【0044】
(III) 押出成形体用樹脂組成物の製造
(1)配合
本発明の押出成形体用樹脂組成物は、通常の樹脂組成物の製造方法と同様の方法で成分Aとエチレン系樹脂と、成分Bのエチレン・α−オレフィン共重合体とを配合することによって製造することが出来る。
具体的には、成分Aと成分Bとを押出機、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー等を用いて溶融、混練し、通常用いられる方法でペレット状とするか、または、Vブレンダー等によってドライブレンドして樹脂組成物を製造することもできる。
【0045】
(2)その他の添加成分
本発明の押出成形体用樹脂組成物には、一般に使用されている添加成分、例えば、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤、核剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、着色剤等の添加することが出来る。また、他の樹脂成分、例えば、成分Aや成分B以外の他のエチレン系重合体等を本発明の効果を損なわない範囲で添加することが出来る。
【0046】
(3)組成物の物性
本発明の押出成形体用樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.5〜20g/10分、特に好ましくは0.7〜10g/10分であり、最も好ましくは0.7〜5g/10分である。
【0047】
(IV)成形・加工
上記ペレットを用い、各種の成形加工方法によってフィルム、シート等の押出成形体を製造することができる。例えば、空冷インフレーション成形、空冷2段冷却インフレーション成形、Tダイフィルム成形、水冷インフレーション成形等の押出成形方法にてインフレーションフィルム、キャストフィルム等に成形加工される。
【0048】
【実施例】
以下に実施例および比較例よりなる実験例を示し、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例1〜5は参考例である。
〔I〕物性の測定と評価方法
実施例及び比較例に於ける物性の測定と評価は、以下に示す方法によって実施した。
(1)物性の測定
(a)MFR:JIS K7210に準拠(190℃、2.16kg荷重)
(b)密度 :JIS K7112に準拠
【0049】
(c)溶出曲線の測定:本発明に於ける温度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線の測定は、一度高温でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、ついで、温度を連続または段階的に昇温して溶出した成分を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフ(溶出曲線)のピークでポリマーの組成分布を見ることができるものである。
該溶出曲線の測定は以下のようにして行った。
測定装置としてクロス分別装置(三菱油化(株)製 CFC T150A)を使用し、付属の操作マニュアルの測定法に従い行った。
このクロス分別装置は、試料を溶解温度の差を利用して分別する温度上昇溶離分別(TREF)機構と、分別された区分を更に分子サイズで分別するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)をオンラインで接続した装置である。
【0050】
まず、測定すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、濃度が4mg/mlとなるように、140℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注入する。以下の測定は設定条件に従って自動的に行われる。
サンプルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入される。次に、該サンプルを1℃/分の速度で140℃から0℃まで冷却し、上記不活性担体にコーティングさせる。このとき、高結晶性成分(結晶し易いもの)から低結晶成分(結晶しにくいもの)の順で不活性担体表面にポリマー層が形成される。TREFカラムが0℃で更に30分間保持された後、0℃の温度で溶解している成分2mlが、1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和電工製
AD80M/S 3本)へ注入される。
【0051】
SECで分子サイズの分別が行われている間に、TREFカラムでは次の溶出温度(5℃)に昇温され、その温度に約30分間保持される。SECでの各溶出区分の測定は、39分間隔で行われた。溶出温度は以下の温度で段階的に昇温される。
0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、49、52、
55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、102、120、140℃
該SECカラムで分子サイズによって分別された溶液は、装置付属の赤外分光光度計でポリマーの濃度に比例する吸光度が測定され(波長3.42μ、メチレンの伸縮振動で検出)、各溶出温度区分のクロマトグラムが得られる。
【0052】
内蔵のデータ処理ソフトを用い、上記測定で得られた各溶出温度区分のクロマトグラムのベースラインを引き、演算処理される。各クロトマトグラムの面積が積分され、積分溶出曲線が計算される。また、この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が計算される。計算結果の作図はプリンターに出力される。出力された微分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温度を100℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(全積分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量とした)0.1当たり76.5mmで行った。
【0053】
(d)ME(Memory Effect:復元効果):JIS K7210
で使用されるメルトインデクサーを使用し、測定条件をシリンダー温度240℃、定速押出量3g/分に設定して行なった。
装置にサンプルを充填し、ピストンのみを乗せ、6分後に規定の押出速度をかける。次に、エチルアルコールを入れたメスシリンダーをオリフィス直下に置き、真っ直ぐな押出物を採取する。採取した押出物の直径(D)をマイクロメーターで測定し、ダイスのオリフィス径をD0として次式によりMEを求める。
ME=D/D0
【0054】
(e)MT(Melt Tension:破断時溶融張力):東洋精機製作所製「キャピログラフ1B PMD−C」にて、試験温度190℃、押出速度1cm/分、押し出された溶融樹脂を引き取る際の引き取り速度を徐々に速くして、樹脂フィラメントが破断した時の応力とする。なお、使用したダイ径は、長さ8.00mm、内径2.095mm、外径9.50mmである。
【0055】
(f)活性化エネルギー(Ea):東洋精機製作所製「キャピログラフ1B
PMD−C」を使用し、キャピラリーは径1mm、長さ10mmを使用し、押出速度を2.5、5、10、20、50、100、200m/分でオートスピードセットにして、各温度での粘度を測定し、前記の活性化エネルギー(Ea)の計算方法によって算出した。
【0056】
(g)Q値:サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して、以下に示す測定条件下で測定し、重量平均分子量/数平均分子量よりQ値を求めた。単分散ポリスチレンでユニバーサルな検量線を作成し、直鎖のポリエチレンの分子量として計算した。
【0057】
(2)評価方法
(a)ヘイズ(HAZE):JIS K7105に準拠
(b)光散乱光度(LSI):光散乱光度計(東洋精機製作所製LSIテスター)を使用し、試験片(20mm×30mm)を測定した。
(c)300g荷重ヒートシール温度:熱盤式ヒートシーラー(東洋精機製作所製)にて、シール圧力2kg/cm2、シール時間1秒で、80℃から5℃ずつの間隔で昇温してヒートシールしたラミネートフィルムのサンプルを作成した後、引張試験機にて各サンプルのヒートシール強度(kg/15mm幅)を測定し(引張速度 500m/分、角度 180度)、横軸にヒートシール温度、縦軸にヒートシール強度を表した相関グラフを作成した。
かかるグラフ上で、このヒートシール強度が3kg/15mm幅、得られるときの温度を読み取り、3kg荷重ヒートシール温度とする。
【0058】
(d)ヒートシール強度:上記ヒートシール強度の測定での最大強度をヒートシール強度とする。
(e)パンクチャー衝撃強度:板紙、段ボール等の衝撃あなあけ強さ試験方法について規定したJIS P8134に準拠して測定を行った。衝撃あなあけ強さ試験とは、一定の形状、寸法をもった試験機の貫通部が衝撃によって試験片にあなをあけるのに必要な仕事量を測定するものである。具体的には、以下の寸法のサンプルを使用し、測定機器や操作方法はJIS P8134に従って測定した。サンプルは、インフレーションフィルムから幅10cm、長さ130cmの大きさで切り取ったものであり、該1枚のサンプルを使用して12点測定した。次式によりパンクチャー衝撃強度を求め、平均値をとった。
パンクチャー衝撃強度(kg.cm/cm) =エネルギー測定値(kg.cm)/フィルム厚さ(cm)
【0059】
〔II〕実験例
(1)エチレン系樹脂(成分A)
〔エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)〕
EVA▲1▼: MFR=0.5g/10分、酢酸ビニル含量=3重量%、
ME=2.0、MT=15g
EVA▲2▼: MFR=0.5g/10分、酢酸ビニル含量=14.4重量%、
ME=1.9、MT=10g
EVA▲3▼: MFR=1.5g/10分、酢酸ビニル含量=8重量%、
ME=1.9、MT=9g
【0060】
〔高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)〕
LDPE▲1▼:MFR=0.8g/10分、密度=0.924g/cm3 、
ME=2.0、MT=14g、
活性化エネルギー(Ea)=10KJ/mol、Q値=7
LDPE▲2▼:MFR=3g/10分、密度=0.925g/cm3 、
ME=1.8、MT=4g、
活性化エネルギー(Ea)=9KJ/mol、Q値=6
【0061】
〔直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)〕
LLDPE▲1▼:エチレン・1−ブテン共重合体(1−ブテン含有量7.5 重量%)
MFR=2g/10分、密度=0.920g/cm3
TREF溶出曲線のピーク数=2
TREF溶出曲線のピーク温度=81℃および92℃
LLDPE▲2▼:エチレン・1−ブテン共重合体(1−ブテン含有量3重量%)
MFR=2g/10分、密度=0.930g/cm3
TREF溶出曲線のピーク数=2
TREFピーク温度=82℃および93℃
LLDPE▲3▼:エチレン・1−ヘキセン共重合体(1-ヘキセン含有量8重量%)
MFR=2g/10分、密度=0.920g/cm3
TREF溶出曲線のピーク数=2
TREFピーク温度=82℃および92℃
【0062】
〔実施例1〕
エチレン・α−オレフィン共重合体▲1▼(成分B)の製造
触媒の調製は特開昭61−130314号公報に記載された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー社製メチルアルモキサンを上記錯体に対して1000モル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を調製し、以下の方法で重合を行った。
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が80重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1000kg/cm2に保ち、160℃の温度で反応を行った。
反応終了後、MFRが3.3g/10分、密度が0.905g/cm3、Q値が2、TREF溶出曲線のピークが1つであり、ピーク温度が62℃であり、50℃における溶出量が12%であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(1−ヘキセン含量16重量%)を得た。
【0063】
樹脂組成物の製造
成分Aとして上記EVA▲1▼を70重量%と、成分Bとしてエチレン・α−オレフィン共重合体▲1▼を30重量%とを、単軸40mmφ押出機にて、温度180℃で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物とした。
【0064】
評価
このペレット状の樹脂組成物を、トミー機械工業社製40mmφインフレーション成形機で以下の条件下にフィルム成形を行った。
L/D :24
ダイ :径75mmφ
ダイリップ :3mm
成形温度 :190℃
フィルム厚み :50μm
フロストライン高さ:180mm
スクリュースピード:60rpm
ブロー比 :2
チラー :15℃
得られたフィルムについて評価を行った。評価の結果を表1に示す。
【0065】
〔実施例2〕
成分Aとして、上記EVA▲2▼を使用した以外は実施例1と同様に成形し、評価を行った。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0066】
〔実施例3〕
成分Aと成分Bの配合割合を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様に成形し、評価を行った。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0067】
〔実施例4〕
成分Bとして以下に記載のエチレン・α−オレフィン共重合体▲2▼を使用した以外は、実施例1と同様に成形し評価を行った。評価の結果は表1に示すとおりである。
エチレン・α−オレフィン共重合体▲2▼(成分B)の製造
触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー社製メチルアルモキサンを上記錯体に対して1000モル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を調製し、以下の方法で重合を行った。
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を、1−ヘキセンの組成が80重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1200kg/cm2に保ち、150℃の温度で反応を行った。
反応終了後、MFRが2.3g/10分、密度が0.891g/cm3、TREF溶出曲線のピークが1つであり、ピーク温度が43℃であり、50℃における溶出量が70重量%、Q値が2であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(1−ヘキセン含量23重量%)を得た。
【0068】
〔実施例5〕
成分AとしてEVA▲3▼を使用した以外は、実施例1と同様に成形し評価した。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0069】
〔実施例6〕
成分AとしてLDPE▲1▼を使用し、成分Aと成分Bの配合割合を表1に示すように変え、フィルム厚みを30μmで成形した以外は、実施例1と同様に成形し評価した。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0070】
〔実施例7〕
実施例6の成分Aと成分Bの配合割合を変えた以外は、実施例6と同様に成形し評価した。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0071】
〔実施例8〕
成分AとしてLDPE▲2▼を用いた以外は、実施例6と同様に成形し、評価した。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0072】
〔実施例9〕
実施例8の成分Aと成分Bの配合割合を変えた以外は、実施例6と同様に成形し、評価した。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0073】
〔実施例10〕
成分Bとして以下に記載のエチレン・α−オレフィン共重合体▲3▼を使用した以外は、実施例6と同様に成形し評価を行った。評価の結果は表1に示すとおりである。
エチレン・α−オレフィン共重合体▲3▼(成分B)の製造
触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー社製メチルアルモキサンを上記錯体に対して1000モル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を調製し、以下の方法で重合を行った。
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を、1−ヘキセンの組成が78重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1600kg/cm2に保ち、165℃の温度で反応を行った。
反応終了後、MFRが13g/10分、密度が0.898g/cm3、TREF溶出曲線のピークが1つであり、ピーク温度が54℃であり、50℃における溶出量が48重量%、ピークの溶出温度以外の温度で溶出するものが実質的に存在し、Q値が2であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(1−ヘキセン含量20重量%)を得た。
【0074】
〔実施例11〕
成分AとしてLLDPE▲1▼を用いた以外は、実施例6と同様に成形し評価した。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0075】
〔実施例12〕
実施例11における成分Aと成分Bの配合割合を変えた以外は、実施例6と同様に成形し評価した。評価の結果は表1に示す通りである。
【0076】
〔実施例13〕
成分AとしてLLDPE▲2▼を用いた以外は、実施例6と同様に成形し評価した。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0077】
〔実施例14〕
成分AとしてLLDPE▲3▼を用いた以外は、実施例6と同様に成形し評価した。評価の結果は表 に示すとおりである。
【0078】
〔実施例15〕
成分AとしてLLDPE▲1▼を使用し、成分Bとしてエチレン・α−オレフィン共重合体▲2▼を使用した以外は、実施例6と同様に成形し評価した。評価の結果は表1に示すとおりである。
【0079】
〔比較例1〕
成分Bを使用せず、成分AとしてEVA▲1▼を用いて実施例1と同様に成形し、評価を行った。評価の結果は表2に示すとおりである。
【0080】
〔比較例2〕
成分Bを使用せず、成分AとしてEVA▲2▼を用いて実施例1と同様に成形し、評価を行った。評価の結果は表2に示すとおりである。
【0081】
〔比較例3〕
成分Bを使用せず、成分AとしてLDPE▲1▼を用いて実施例6と同様に成形し、評価を行った。評価の結果は表2に示すとおりである。
【0082】
〔比較例4〕
成分Bを使用せず、成分AとしてLDPE▲2▼を用いて実施例6と同様に成形し、評価を行った。評価の結果は表2に示すとおりである。
【0083】
〔比較例5〕
成分Bを使用せず、成分AとしてLLDPE▲1▼を用いて実施例6と同様に成形し、評価を行った。評価の結果は表2に示すとおりである。
【0084】
〔比較例6〕
成分Bを使用せず、成分AとしてLLDPE▲2▼を使用した以外は実施例6と同様に成形し、評価を行った。評価の結果は表2に示すとおりである。
【0085】
〔比較例7〕
成分Bを使用せず、成分AとしてLLDPE▲3▼を使用した以外は実施例6と同様に成形し、評価を行った。評価の結果は表2に示すとおりである。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【発明の効果】
このような本発明の押出成形体用樹脂組成物は、樹脂の混ざりムラがなく透明性、ヒートシール性、ヒートシール強度、引裂強度、衝撃強度に優れ、ベトつかず、腰がある(剛性が高い)ので作業性も優れたフィルム・シート等の押出成形体を得ることができるといった効果を奏するものである。
従って、スナック、インスタントラーメン等の乾燥食品、味噌、漬物、スープ、ジュース等の水物食品、冷凍食品、畜肉、ハム等の食品包装・充填用フィルムや醤油、ソース等のミニパックや輸液、注射剤、粉末、錠剤等の各種医薬品の包装および充填用材料、例えば、バッグインボックス、輸液バッグ等、シャンプー、化粧品等のミニパック、カセットテープ、電気機器等の各種包装・充填用フィルム、各種蓋材として極めて有用なものである。
Claims (3)
- 下記に示す成分Aおよび成分Bを含有することを特徴とする押出成形体用樹脂組成物。
成分A:メルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分、密度が0.915〜0.93g/cm3、メモリーエフェクト(ME:Memory Effect)が1.3〜2.2、メルトテンション(MT:Melt Tension)が1g以上の高圧法低密度ポリエチレンおよびメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分、密度が0.91〜0.93g/cm3、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線のピークが2つ以上であり;少なくとも1つのピークが90℃以上であるチーグラー系触媒を用いて製造される線状低密度ポリエチレンから選ばれるエチレン系樹脂 60重量%〜85重量%
成分B:以下の(a)〜(d)の性状を有するメタロセン触媒により製造されるエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体 15重量%〜40重量%
(a)密度(D)が0.87g/cm 3 以上0.91g/cm 3 未満
(b)メルトフローレート(MFR)が1〜20g/10分
(c)o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線のピークが1つであり;該ピーク温度が10〜75℃である;
(d)o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(TREF)による50℃での溶出量(Y:成分B全量に対する重量%)が以下の条件を満たすものである
Y≦−4500D+4105 (但し、Y≦100) - 成分Aが下記の(a’)〜(d’)の性状を有する高圧法低密度ポリエチレンである請求項1記載の押出成形体用樹脂組成物。
(a’)メルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分
(b’)密度が0.915〜0.93g/cm3
(c’)メモリーエフェクト(ME:Memory Effect)が1.3〜2.2
(d’)メルトテンション(MT:Melt Tension)が1g以上 - 成分Aが下記の(a’)〜(c’)の性状を有し、チーグラー系触媒を用いて製造される線状低密度ポリエチレンである請求項1記載の押出成形体用樹脂組成物。
(a’)メルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分
(b’)密度が0.91〜0.93g/cm3
(c’)o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線のピークが2つ以上であり;少なくとも1つのピークが90℃以上である
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