JP3498242B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents
積層体の製造方法Info
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Description
加工性が改良され、低温ヒートシール性、ヒートシール
強度及びホットタック性が優れているラミネート用のフ
ィルムからなる積層体の製造方法に関するものである。
られてきたものは、ラジカル開始剤を使用し、高温・高
圧下でエチレンを重合することによって得られた高圧法
低密度ポリエチレン(以下単に「LDPE]と略記す
る。)であった。このLDPEは成形時に安定な膜が得
られ、かつ高速加工性に優れているが、その反面低温ヒ
ートシール性、ヒートシール強度及びホットタック性に
劣るものであった。このため、該LDPEの代替材料と
して、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等が用
いられているが、このようなEVAは低温ヒートシール
性に優れているが、LDPEの他の欠点であるヒートシ
ール強度やホットタック性について改良することができ
ず、しかも、ラミネート加工時の通常の成形温度である
280℃付近での熱安定性にも欠けているので、ラミネ
ート加工時に分解されて特有の臭いを発生させるという
問題点もあった。
例えば特公昭56−18132号公報等に記載される方
法で製造されるエチレンとα−オレフィンとの共重合
体、いわゆる線状低密度ポリエチレン(以下単に「LL
DPE」と略記する。)が出現した。しかし、このLL
DPEはヒートシール強度、ホットタック性、耐衝撃強
度等に優れ、LDPEの上記欠点を改良することができ
る性能を有しているが、加工性に大きな問題を抱えてい
た。すなわち、このLLDPEは従来のLDPEと比較
して、押出機内での剪断粘度が高いために樹脂圧力が大
きくなって高速加工が難しくなったり、押出機の所要動
力が著しく増大したりするという欠点があった。また、
溶融張力が小さいために膜の厚みや幅に斑ができて実用
に供することができないとの欠点もあった。しかし、こ
れらの欠点は特開昭58−194935号公報等に記載
されているLLDPEとLDPEとをブレンドする技術
によって改良できることが提案された。
よる改良技術によって加工性を満足させることができる
材料は、逆に低温ヒートシール性、ヒートシール強度、
ホットタック性などが不足となりがちで、これらの性能
と加工性のバランスの良好な材料の開発が望まれてい
た。一方、近年、特開昭58−19309号公報等に記
載されている新しい触媒を使用することによって、従来
のLLDPEよりも分子量分布、組成分布の狭い特殊な
材料が得られるようになったことから、本発明者らは、
この特殊なLLDPEを押出ラミネート用材料として適
用するために検討を行なったところ、上記の低温ヒート
シール性、ヒートシール強度及びホットタック性の性能
については従来のLLDPEよりも格段に良好なものと
なるが、LLDPEの欠点である加工性の不良が従来の
ものより大幅に悪化してしまって、より一層バランスの
悪い材料となってしまうことが判明した。本発明の目的
は、この様な優れた性能を保ちながら加工性を改良す
る、上記従来の材料では達成されていない低温ヒートシ
ール性、ヒートシール強度及びホットタック性などの性
能に優れ、かつ、加工性の改良されたフィルムを提供す
ることである。
らは、上記問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定
の触媒を用いて製造されたLLDPEと特殊なLDPE
とからなり、特定の物性を有する樹脂組成物により、上
記本発明の目的が達成されうるとの知見に基づき本発明
を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、 「成分A:下記に示す(a)〜(c)の性状を有するエ
チレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体
50〜99重量% (a)MFRが2〜30g/10分 (b)密度が0.935g/cm 3 以下 (c)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる
溶出曲線のピークが1つであり;該ピーク温度が20〜
85℃であり;該ピークの高さをHとし、該ピークの高
さの1/2の幅をWとしたときのH/Wの値が1以上で
あり; 成分B:下記に示す(a’)、(b’)、(c’)およ
び(d’)の性状を有する高圧法低密度ポリエチレン
1〜50重量% (a’)MFRが0.1〜20g/10分 (b’)密度が0.915〜0.93g/cm 3 (c’)メモリーエフェクト(ME:Memory Effect)
が1.6以上 (d’)メルトテンション(MT:Melt Tension)が
1.5g以上 を含有する樹脂組成物であり、且つ、 下記の(1)〜
(5)の性状を有する樹脂組成物をフィルムに成形し、
さらに基材と積層することを特徴とする積層体の製造方
法: (1)MFRが5〜25g/10分、 (2)密度が0.87〜0.932g/cm3、 (3)ME(3g)が1.2〜2.3、(4)Q値が3〜6、 (5) MTが1.0g以上、(6) ME(3g)とMTが以下の関係を有する: ME≧[0.2×MT+1] 」に存する。
−オレフィン共重合体(成分A) (a) 性状 本発明のフィルムの成形原料となる樹脂組成物を構成す
る一つの成分としては、(以下、成分Aと略称する。)
エチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられ、以下の
〜の物性を示すものであることが好ましい。
体は、JIS K7210によるMFR(メルトフロー
レート:Melt Flow rate :溶融流量)が2〜30g/1
0分、好ましくは5〜25g/10分、特に好ましくは
10〜22g/10分、最も好ましくは13〜20g/
10分の物性を示すものである。該MFRが上記範囲よ
り大であると成膜が不安定となる。また、MFRが上記
範囲より小さすぎると成形時に膜切れが起こる。
体は、JIS K7112による密度が0.935g/
cm3以下、好ましくは0.87〜0.92g/cm3、
特に好ましくは0.88〜0.913g/cm3、最も
好ましくは0.89〜0.91g/cm3の物性を示す
ものである。該密度が上記範囲より大であると、低温ヒ
ートシール性が不良となる。また、密度があまりに小さ
すぎると、フィルム表面にベタつきが生じ実用性に供し
得なくなり、下限は通常0.86g/cm3程度であ
る。
出曲線のピーク温度 本発明にて用いられるエチレン・α−オレフィン共重合
体は、温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Risi
ng Elution Fractionation)によって得られる溶出曲線
が以下に記載のものが好ましい。その最大ピーク温度が
20〜85℃、特に好ましくは30〜75℃、最も好ま
しくは40〜70℃であり、かつ、この最大ピークの
[ピークの高さ]/[ピークの1/2の高さにおける
幅](H/W)が1以上、好ましくは1〜20、特に好
ましくは1〜15、最も好ましくは1〜10の物性を示
すものである。該溶出曲線の最大ピーク温度が上記温度
を超える場合は低温ヒートシール性が不良となるので実
用性がない。上記H/Wが上記の値未満の場合はベタツ
キ成分が多くなり、経時的にヒートシール性が不良とな
るので実用性がない。
ionation:TREF)による測定は、「Journal of App
lied Polymer Science,Vol 26,4217-4231(1981)」また
は「高分子討論会予稿集 2P1C09 (1985年)」に記載され
ている原理に基づき、以下のようにして行われる。TR
EF測定の原理は、まず、測定の対象とするポリマーを
溶媒中で完全に溶解する。その後、冷却して不活性担体
表面に薄いポリマー層を形成させる。かかるポリマー層
は結晶しやすいものが内側(不活性担体表面に近い側)
に、結晶しにくいものが外側に形成されてなるものであ
る。次に、温度を連続又は段階的に上昇させると、低温
度段階では対象のポリマー組成中の非晶部分すなわちポ
リマーの持つ短鎖分岐の分岐度の多いものから溶出し、
温度が上昇するとともに徐々に分岐度の少ないものが溶
出し、最終的に分岐のない直鎖状の部分が溶出し測定は
終了するのである。かかる各温度での溶出成分の濃度を
検出し、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフ
によってポリマーの組成分布を見ることができるもので
ある。
物の重量分率を積算して求めた積分溶出量が、溶出温度
10℃のとき10%以下であり、90℃のとき90%以
上であること、好ましくは溶出温度20℃のとき10%
以下であり、90℃のとき95%以上であること、特に
好ましくは溶出温度20℃のとき5%以下であり、90
℃のとき97%以上であることである。
クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography
:SEC)によって求められるQ値(重量平均分子量
/数平均分子量)が4以下、好ましくは3以下、特に好
ましくは2.5以下の物性を示すものが好ましい。該Q
値が上記範囲より大であると、フィルム外観が悪化して
くる傾向にある。
体の製造 このような線状低密度ポリエチレンの製造法は、特開昭
58−19309号、同59−95292号、同60−
35005号、同60−35006号、同60−350
07号、同60−35008号、同60−35009
号、同61−130314号、特開平3−163088
号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420436号
明細書、米国特許第5055438号明細書及び国際公
開公報WO91/04257号明細書などに記載されて
いる方法、すなわち、メタロセン触媒、特にメタロセン
・アルモキサン触媒、または、例えば、国際公開公報W
O92/01723号等に開示されているようなメタロ
セン化合物と以下に述べるメタロセン化合物と反応して
安定なアニオンとなる化合物からなる触媒を使用して、
主成分のエチレンと従成分のα−オレフィンとを共重合
させる方法である。上述のメタロセン化合物と反応して
安定なアニオンとなる化合物とは、カチオンとアニオン
のイオン対から形成されるイオン性化合物あるいは親電
子性化合物であり、メタロセン化合物と反応して安定な
イオンとなって重合活性種を形成するものである。
(I)で表される。 一般式(I) 〔Q〕m+〔Y〕m- (mは1以上の整数) Qはイオン性化合物のカチオン成分であり、カルボニウ
ムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウムカチ
オン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、
ホスホニウムカチオン等があげられ、さらには、それ自
身が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽イオン
などもあげられる。これらのカチオンは特表平1−50
1950号公報などに開示されているようなプロトンを
与えることができるカチオンだけではなく、プロトンを
与えないカチオンでも良い。これらのカチオンの具体例
としては、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカル
ボニウム、シクロヘプタトリエニウム、イニデニウム、
トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、
トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウ
ム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモ
ニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホ
ニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ
(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホ
ニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソ
ニウム、ピリリウム、また、銀イオン、金イオン、白金
イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウ
ムイオン等があげられる。
であり、メタロセン化合物と反応して安定なアニオンと
なる成分であって、有機ホウ素化合物アニオン、有機ア
ルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオ
ン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオ
ン、有機アンチモン化合物アニオンなどがあげられ、具
体的にはテトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,
5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,
5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ素、テト
ラキス(3,5−(t−ブチル)フェニル)ホウ素、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラフ
ェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフ
ルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−
ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テ
トラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)アルミ
ニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミ
ニウム、テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,
4,5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス
(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウ
ム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)
ガリウム、テトラキス(ぺンタフルオロフェニル)ガリ
ウム、テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)リン、テトラフェニルヒ素、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、テトラフェニルアン
チモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチ
モン、デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカ
ボレート、デカクロロデカボレート等があげられる。
化合物として知られるもののうち、メタロセン化合物と
反応して安定なアニオンとなって重合活性種を形成する
ものであり、種々のハロゲン化金属化合物や固体酸とし
て知られている金属酸化物などがあげられる。具体的に
は、ハロゲン化マグネシウムやルイス酸性無機酸化物な
どが例示される。
オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、
4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、
4,4−ジメチルペンテン−1等が挙げられる。これら
α−オレフィンの中で好ましくは炭素数4〜12、特に
好ましくは6〜10の1種又は2種以上のα−オレフィ
ン2〜60重量%と、エチレン40〜98重量%とを共
重合させるのが好ましい。
イオン重合法等を挙げることができる。これらの中では
溶液法、高圧イオン重合法が好ましく、特に高圧イオン
重合法で製造することが好ましい。なお、この高圧イオ
ン重合法とは、特開昭56−18607号、特開昭58
−225106号の各公報に記載されている、圧力が1
00kg/cm2以上、好ましくは200〜2,000
kg/cm2、温度が125℃以上、好ましくは130
〜250℃、特に150〜200℃の反応条件下に行な
われるエチレン系重合体の連続的製造法である。
成するその他の樹脂(以下、成分Bと略称すう。)とし
は(2)高圧法低密度ポリエチレン:LDPE(成分
B)が挙げられ、下記の性状を有することが好ましい。 (a) 性状 本発明の樹脂組成物を構成する成分Bの高圧法低密度ポ
リエチレンは、以下の及びの物性および下記〜
の物性を示すものが好ましい。 MFR 本発明に用いられる高圧法低密度ポリエチレンは、JI
S K7210によるMFR(メルトフローレート:Me
lt Flow rate:溶融流量)が0.1〜20g/10分、
好ましくは1〜13g/10分、特に好ましくは2〜1
3g/10分の物性を示すものである。該MFRが上記
範囲より大であると、成膜が不安定となる。また、MF
Rが上記範囲より小さすぎると、押出性やフィルム外観
が不良となる。
S K7112による密度が0.915〜0.93g/
cm3、好ましくは0.916〜0.925g/cm3、
特に好ましくは0.918〜0.922g/cm3の物
性を示すものである。該密度が上記範囲より大である
と、低温ヒートシール性が不良となる。また密度が上記
範囲より小さすぎると、フィルム表面にベタつきが多く
なる。
ffect :復元効果) 本発明にて用いられる高圧法低密度ポリエチレンは、M
E(3g)は、1.6以上、好ましくは1.8以上、特
に好ましくは2.0以上、最も好ましくは2.3以上の
物性を示すものが好ましい。該MEが上記値より小さす
ぎると成膜が不安定となり好ましくない。なお、上記M
E(3g)の測定は、JIS K7210で使用される
メルトインデクサーを使用し、測定条件をシリンダー温
度240℃、定速押出量3g/分に設定して、以下のよ
うに実施される。装置にサンプルを充填し、ピストンの
みを乗せ、6分後に規定の押出速度をかける。次に、エ
チルアルコールを入れたメスシリンダーをオリフィス直
下に置き、真っ直ぐな押出物を採取する。採取した押出
物の直径(D)をマイクロメーターで測定し、ダイスの
オリフィン径をD0として、次式によりMEが求められ
る。 ME=D/D0
on:破断時溶融張力) 本発明で用いられる高圧法低密度ポリエチレンは、MT
が1.5g以上、好ましくは2.5g以上、特に好まし
くは5g以上である。MTが小さすぎると、加工性の改
良効果が少なくなるので、好ましくない。
る高圧法低密度ポリエチレンは、ME(3g)とMTが
以下の関係を有する。 ME≧[0.05×MT+1.3]、好ましくはME≧
[0.05×MT+1.5] この関係を満たさないと、加工性の改良効果が少なくな
るので、好ましくない。
グラフィー(SizeExclusion Chromatography : SE
C)によって求められるQ値(重量平均分子量/数平均
分子量)が5〜30、特に好ましくは7〜25、最も好
ましくは10〜20の物性を示すものが好ましい。該Q
値が上記範囲より大であると、フィルム外観が悪化して
くる傾向にあるので好ましくない。また、Q値が上記範
囲より小さすぎると、成膜が不安定となってくる傾向が
あるので好ましくない。
例 このような高圧法低密度ポリエチレンは市販品の中から
適宜選んで使用することができるが、中でも反応温度2
20℃以上、反応圧力1,700kg/cm2以下でオー
トクレーブ法にて製造されたポリエチレンを使用するの
が好ましい。
分Bの高圧法低密度ポリエチレンとの配合割合は、成分
Aが50〜99重量%で成分Bが1〜50重量%、好ま
しくは成分Aが55〜95重量%で成分Bが5〜45重
量%、特に好ましくは成分Aが60〜85重量%で成分
Bが15〜40重量%である。上記成分Bの配合割合が
上記範囲よりも少なすぎると加工性改良効果が不十分と
なる。また、上記成分Aの配合割合が上記範囲よりも少
なすぎるとヒートシール性、ホットタック性等が不良と
なる。
の製造方法と同様の方法で成分Aのエチレン・α−オレ
フィン共重合体と成分Bの高圧法低密度ポリエチレンと
を配合することによって製造することができる。具体的
には、成分Aと成分Bとを押出機、ブラベンダープラス
トグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー等
を用いて溶融、混練し、ラミネート用樹脂組成物が得ら
れる。該樹脂組成物は通常に行なわれている方法、例え
ば、押出機によりペレット状とするのが普通である。
いられている補助添加成分、例えば、酸化防止剤、熱安
定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アン
チブロッキング剤、スリップ剤、着色剤等を配合しても
良い。
5g/10分、好ましくは8〜20g/10分であり;
密度が0.87〜0.932g/cm3、好ましくは
0.89〜0.912g/cm3であり;Q値が3〜
6、好ましくは3.0〜5.2であり;ME(3g)が
1.2〜2.3、好ましくは1.5〜2.0であり;M
Tが1.0g以上、好ましくは1.5g以上であるもの
でなけらばならない。MFRが上記範囲より大であると
製膜が不安定になり、上記範囲より小さいと押出し性、
延展性が不良となり好ましくない。密度が上記範囲より
大であると低温ヒートシール性が不良となり、上記範囲
より小さいとフィルム表面がベタつくため好ましくな
い。Q値が上記範囲より大であるとフィルム外観が悪く
なり、上記範囲より小さいと製膜が不安定になるので好
ましくない。MEが上記範囲より大であると延展性が不
良となり、上記範囲より小さいとネックインが不良とな
りので好ましくない。MTが上記範囲より小であると加
工性の改良効果が少なくなるので好ましくない。
本発明に係わるフィルムが製造される。フィルムの製造
方法としては、慣用の方法を採用することができる。例
えば、空冷インフレーション成形、空冷2段冷却インフ
レーション成形、Tダイフィルム成形、水冷インフレー
ション等が挙げられる。本発明の積層体は、前記フィル
ムを、ドライラミネート法、押出ラミネート法、サンド
イッチラミネート法、共押出法等により、各種基材に押
出コーティング或いは基材と共押出することによって、
製造することができる。ラミネートされた各種包装用フ
ィルムを得ることができる。特に、押出ラミネート法に
より基材にラミネートして、ラミネートフィルムとする
製造方法が好ましい。上記樹脂組成物から成形したフィ
ルムを、各種基材とシーラント基材とのサンドイッチラ
ミネート基材として用いて積層体を製造することも好適
に使用することもできる。
箔、セロファン、織布、不織布、フィルムとすることが
できる高分子重合体、例えば、高密度ポリエチレン、
中、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノ
マー、ポリプロピレン、ポリー1−ブテン、ポリ−4−
メチルペンテン−1等のオレフィン重合体、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリ
レート、ポリアクリロニトリル等のビニル共重合体、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン7、ナイロン10、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ポリメ
タキシリレンアジパミド等のポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコー
ル共重合体、ポリカーボネート等を挙げることができ
る。
載し、本発明を更に具体的に説明する。 [I] 物性の測定方法と評価方法 実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に
示す方法によって実施した。 (1) 物性の測定 (a) MFR:JIS K7210に準拠(190
℃,2.16kg荷重) (b) 密度:JIS K7112に準拠 (c) ME(Memory Effect:復元効果):JIS K
7210で使用されるメルトインデクサーを使用し、測
定条件をシリンダー温度240℃、定速押出量3g/分
に設定して行なった。装置にサンプルを充填し、ピスト
ンのみを乗せ、6分後に規定の押出速度をかける。次
に、エチルアルコールを入れたメスシリンダーをオリフ
ィス直下に置き、真っ直ぐな押出物を採取する。採取し
た押出物の直径(D)をマイクロメーターで測定し、ダ
イスのオリフィス径をD0として次式によりMEを求め
る。 ME=D/D0
温度上昇溶離分別(TemperatureRising Elution Fracti
onation:TREF)による溶出曲線のピークは、一度
高温にてポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、不活
性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次いで、温度
を連続又は段階的に昇温して、溶出した成分を回収し、
その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度に
よって描かれるグラフ(溶出曲線)のピークで、ポリマ
ーの組成分布を測定するものである。
った。測定装置としてクロス分別装置(三菱科学(株)
製 CFC T150A)を使用し、付属の操作マニュ
アルの測定法に従って行った。このクロス分別装置は、
試料を溶解温度の差を利用して分別する温度上昇溶離分
別(TREF)機構と、分別された区分を更に分子サイ
ズで分別するサイズ排除クロマトグラフ(Size Exclusi
on Chromatography:SEC)をオンラインで接続した
装置である。
溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、濃度が4mg/
mlとなるように、140℃で溶解し、これを測定装置
内のサンプルループ内に注入する。以下の測定は設定条
件に従って自動的に行われる。サンプルループ内に保持
された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するT
REFカラム(不活性担体であるガラスビーズが充填さ
れた内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレ
ス製カラム)に0.4ml注入される。次に、該サンプ
ルを1℃/分の速度で140℃から0℃の温度まで冷却
し、上記不活性担体にコーティングさせる。このとき、
高結晶性成分(結晶しやすいもの)から低結晶性成分
(結晶しにくいもの)の順で不活性担体表面にポリマー
層が形成される。TREFカラムが0℃で更に30分間
保持された後、0℃の温度で溶解している成分2ml
が、1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラ
ム(昭和電工社製 AD80M/S 3本)へ注入され
る。SECで分子サイズでの分別が行われている間に、
TREFカラムでは次の溶出温度(5℃)に昇温され、
その温度に約30分間保持される。SECでの各溶出区
分の測定は39分間隔で行われた。溶出温度は以下の温
度で段階的に昇温される。0,5,10,15,20,
25,30,35,40,45,49,52,55,5
8,61,64,67,70,73,76,79、8
2,85,88、91,94,97,100,102,
120,140℃
された溶液は、装置付属の赤外分光光度計でポリマーの
濃度に比例する吸光度が測定され(波長3.42μ,メ
チレンの伸縮振動で検出)、各溶出温度区分のクロマト
グラムが得られる。内蔵のデータ処理ソフトを用い、上
記測定で得られた各溶出温度区分のクロマトグラムのベ
ースラインを引き、演算処理される。各クロマトグラム
の面積が積分され、積分溶出曲線が計算される。また、
この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が計
算される。計算結果の作図はプリンターに出力される。
出力された微分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温度を1
00℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(全積分溶出
量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量とした)
0.1当たり76.5mmで行った。次に、この微分溶
出曲線のピーク高さ(mm)を1/2高さの幅(mm)
で除した値をH/Wとした。
ィー(Size ExclusionChromatography:SEC)を用い
て、以下に示す測定条件下で測定し、重量平均分子量/
数平均分子量よりQ値を求めた。単分散ポリスチレン
で、ユニバーサルな検量線を作成し、直鎖のポリエチレ
ンの分子量として計算した。 機 種:Waters Model 150C GPC 溶 媒:o−ジクロロベンゼン 流 速:1ml/分 温 度:140℃ 測定濃度:2mg/ml 注入量 :200μl カラム :昭和電工(株)製 AD80M/S 3本
時、基材をクラフト紙とし、クラフト紙上に厚み20μ
mでサンプルを押出ラミネートする。サージングは、押
出ラミネートしたフィルムの幅をLとするとき、L/2
が1.5mm未満で変動するときを良好、1.5mm以
上で変動するときを不良とする。 (b) MT(Melt Tension:破断時溶融張力):東洋
精機製キャピログラフ1−Bにて、試験温度190℃、
押出速度1cm/分、押し出された溶融樹脂を引き取る
際の引き取り速度を徐々に速くして、樹脂フィラメント
が破断した時の応力とする。なお、使用したダイ径は、
長さ8.00mm、内径2.095mm、外径9.50
mmである。
出機のダイヘッドに取り付けた樹脂圧力計によって測定
した。 (d) ネックイン:サージング評価と同様に押出ラミ
ネート成形をした際、基材をクラフト紙として、該クラ
フト紙上にサンプルを20μmの厚みで押出ラミネート
する。ネックインはダイスの有効幅をL0、クラフト紙
上にコーティングされたフィルムの幅をLとするとき
の、L0−Lより求められる。
盤式ヒートシーラーにて、シール温度110℃、シール
圧力2kg/cm2、シール時間1秒でヒートシールし
た後に、引張試験機にてヒートシール強度を測定する。 (f) 3kg荷重ヒートシール温度:上記ヒートシー
ル強度を測定し、そのヒートシール強度が3kg得られ
る温度を3kg荷重ヒートシール温度とする。 (g) ホットタック性:ヒートシール条件として、シ
ールバー寸法200mm×30mm、シール圧力1kg
/cm2、シール時間0.5秒、荷重50g、チャック
圧力1kg/cm2、シール温度は90℃から150℃
まで、5℃おきとしてヒートシールし、ヒートシール
後、50g荷重で負荷された状態でヒートシール部剥離
が完全に止まるまで放置し、剥離した長さを1mm単位
まで読み取る。剥離距離が1mm〜2mmであった温度
幅をホットタック性とする。 (h)破断時引取速度:東洋精機製キャピログラフ1−
Bにて、試験温度190℃、押出速度1cm/分で、押
出された溶融樹脂を引取る際の引取速度を徐々に速くし
て、樹脂フィラメントが破断したときの最大引取速度
(m/分)を測定した。なお、使用したダイ径は、長さ
8.00mm、内径2.095mm、外径9.50mm
である。
A)の製造 触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載
された方法で実施した。すなわち、錯体エチレン−ビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストファー社
製メチルアルモキサンを上記錯体に対し1,000モル
倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を
調製し、以下の方法で重合を行なった。内容積1.5リ
ットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器にエチレン
と1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が80
重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1,60
0kg/cm2に保ち、160℃で反応を行なった。反
応終了後、MFRが18g/10分、密度が0.898
g/cm3、Q値が1.9、TREF溶出曲線のピーク
が1つであり、そのピーク温度が50℃、該ピーク温度
のH/Wが1.5のエチレン・α−オレフィン共重合体
(1−ヘキセン含量22重量%)を得た。
造反応温度260℃、反応圧力1,500kg/cm2
で、オートクレーブ法にて製造した。MFRが4g/1
0分、密度が0.92g/cm3、MEが2.4、Q値
が10の高圧法低密度ポリエチレンを得た。
(成分A)と高圧法低密度ポリエチレン(成分B)と
を、成分A:成分B=75:25重量%の割合で配合
し、40mmφ単軸押出機で160℃の成形温度にて造
粒して、該成分Aと成分Bとからなるペレット状の樹脂
組成物を得た。
を用いて280℃の成形温度で肉厚30μmのフィルム
状に押し出し、これを幅360mmのTダイより、予め
肉厚30μmのLDPEと厚さ15μmの二軸延伸ナイ
ロンフィルムとがラミネートされた積層体のLDPE側
上に、押出ラミネートコーティングした。このラミネー
ト三層フィルムを用いて、ヒートシール強度、3kg荷
重ヒートシール温度、ホットタック性を測定した。ま
た、同様の方法で、基材に二軸延伸ナイロンフィルムの
代わりにクラフト紙を用い、肉厚20μmにて押出ラミ
ネートコーティングしたラミネートフィルムのネックイ
ンの測定及びサージング評価を行なった。得られた評価
結果を表1に示す。
〜8 成分A及び成分Bとして、表1に記載される物性を示す
ものを用いた以外は、実施例1と同様に調製して樹脂組
成物を得た。これを成形し、評価した。得られた評価結
果を表1に示す通りである。
共重合体(成分A)の製造触媒の調製は、特開昭61−
130314号公報に記載された方法で実施した。すな
わち、錯体エチレン−ビス(4,5,6,7−テトラヒ
ドロインデニル)ジルコニウムジクロライド21.0ミ
リモルに、東洋ストファー社製メチルアルモキサンを上
記錯体に対し1,000モル倍加え、トルエンで10リ
ットルに希釈して触媒溶液を調製し、以下の方法で重合
を行なった。内容積1.5リットルの撹拌式オートクレ
ーブ型連続反応器にエチレンと1−ヘキセンとの混合物
を1−ヘキセンの組成が80重量%となるように供給
し、反応器内の圧力を1,600kg/cm2に保ち、
180℃で反応を行なった。反応終了後、MFRが19
g/10分、密度が0.890g/cm3、Q値が2.
1、TREF溶出曲線のピークが1つであり、そのピー
ク温度が51℃、該ピーク温度のH/Wが1.4であ
り、ピーク以外に溶出量の存在を示す曲線がみられるエ
チレン・α−オレフィン共重合体(1−ヘキセン含量2
2重量%)を得た。
製造 反応温度260℃、反応圧力1,700kg/cm
2で、オートクレーブ法にて製造した。MFRが4g/
10分、密度が0.92g/cm3、MEが2.5、Q
値が12の高圧法低密度ポリエチレンを得た。
ン共重合体(成分A)と高圧法低密度ポリエチレン(成
分B)とを、成分A:成分B=75:25重量%の割合
で配合し、40mmφ単軸押出機で160℃の成形温度
にて造粒して、エチレン・α−オレフィン共重合体(成
分A)と高圧法低密度ポリエチレン(成分B)とからな
るペレット状の樹脂組成物を得た。 評価 得られた樹脂組成物から製造した積層物についての評価
は実施例1と同様にして行った。その結果を表2に示
す。
ものを用いた以外は、実施例14と同様に調製して樹脂
組成物を得た。これを成形し、評価した。得られた評価
結果を表2に示す通りである。
た積層体は、従来のLLDPEよりも加工性が改良さ
れ、かつ従来の成形材料に比べて低温ヒートシール性、
ヒートシール強度、ホットタック性に著しく優れるとい
った効果が奏されるために、スナック、インスタントラ
ーメン等の乾燥食品、味噌、漬物、スープジュース等の
水物食品、冷凍食品、畜肉、ハム等の食品包装・充填用
フィルムや醤油、ソース等のミニパック;バッグインボ
ックス、輸液バッグ等の医薬品包装・充填用フィルム;
シャンプー、化粧品等のミニパック;カセットテープ等
の雑貨品の包装・充填用フィルム;各種蓋材など、広範
囲な用途における各種包装用又は充填用フィルムのラミ
ネート用フィルムとして極めて有用なものである。
Claims (3)
- 【請求項1】成分A:下記に示す(a)〜(c)の性状
を有するエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンと
の共重合体 50〜99重量% (a)MFRが2〜30g/10分 (b)密度が0.935g/cm 3 以下 (c)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる
溶出曲線のピークが1つであり;該ピーク温度が20〜
85℃であり;該ピークの高さをHとし、該ピークの高
さの1/2の幅をWとしたときのH/Wの値が1以上で
あり; 成分B:下記に示す(a’)、(b’)、(c’)およ
び(d’)の性状を有する高圧法低密度ポリエチレン
1〜50重量% (a’)MFRが0.1〜20g/10分 (b’)密度が0.915〜0.93g/cm 3 (c’)メモリーエフェクト(ME:Memory Effect)
が1.6以上 (d’)メルトテンション(MT:Melt Tension)が
1.5g以上 を含有する樹脂組成物であり、且つ、 下記の(1)〜(5)の性状を有する樹脂組成物をフィ
ルムに成形し、さらに基材と積層することを特徴とする
積層体の製造方法: (1)MFRが5〜25g/10分、 (2)密度が0.87〜0.932g/cm3、 (3)ME(3g)が1.2〜2.3、(4)Q値が3〜6、 (5) MTが1.0g以上、(6) ME(3g)とMTが以下の関係を有する: ME≧[0.2×MT+1]。 - 【請求項2】 樹脂組成物のMFRが8〜20g/10
分;密度が0.89〜0.912g/cm;Q値が3.
0〜5.2;ME(3g)が1.5〜2.0;MTが
1.5g以上である請求項1記載の積層体の製造方法。 - 【請求項3】 樹脂組成物が、メタロセン触媒を用いて
製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体(成分
A)50〜99重量%と高圧法低密度ポリエチレン(成
分B)1〜50重量%とからなるものであることを特徴
とする請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
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-
1999
- 1999-08-09 JP JP22538099A patent/JP3498242B2/ja not_active Expired - Lifetime
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