JPH11269324A - 樹脂組成物の製造法 - Google Patents

樹脂組成物の製造法

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JPH11269324A
JPH11269324A JP10362958A JP36295898A JPH11269324A JP H11269324 A JPH11269324 A JP H11269324A JP 10362958 A JP10362958 A JP 10362958A JP 36295898 A JP36295898 A JP 36295898A JP H11269324 A JPH11269324 A JP H11269324A
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JP
Japan
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component
temperature
density
ethylene
resin composition
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Application number
JP10362958A
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English (en)
Inventor
Koji Yamamoto
孝二 山本
Hajime Ikeno
元 池野
Yoshiko Shichijo
佳子 七條
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性が改良され、透明性、耐熱性、耐寒性
等の良好な押出成形体用樹脂組成物の製造法の提供。 【解決手段】 成分A:下記に示す(a)〜(d)の性
状を有するエチレンと炭素数4〜40のα−オレフィン
との共重合体 50〜99重量% (a)MFRが0.1〜5g/10分 (b)密度(D)が0.88〜0.925g/cm (c)温度上昇溶離分別(TREF)による50℃にお
ける溶出量(Y:成分A全量に対する重量%)が以下の
条件を満たすものである 成分Aの密度(D)が0.91g/cm未満であ
るとき、 Y≦−4500D+4105(ただし、Y≦100) 成分Aの密度(D)が0.91g/cm以上であ
るとき、 Y≦10 成分B:下記に示す(a’)、(b’)、(c’)およ
び(d’)の性状を有するエチレン系重合体
1〜50重量% (a’)MFRが0.1〜20g/10分 (b’)密度が0.88〜0.93g/cm (c’)メモリーエフェクト(ME)が1.3以上 (d’)メルトテンション(MT)が1.0g以上 を溶融混練する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性が改良さ
れ、透明性、耐熱性、耐寒性、衝撃強度、ヒートシール
性、食品衛生性等の良好な押出成形体、殊にフィルムま
たはシートの成形に有用な樹脂組成物の製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】透明性の良好なフィルム、シートなどの
押出成形品材料としては、従来からポリプロピレン樹脂
が知られている。このポリプロピレン樹脂から成形され
たフィルムは、剛性等も優れていることから各種包装材
料として広く用いられている。ところが、ポリプロピレ
ンフィルムは一方で空冷インフレーション成形といった
汎用的加工法に適していないことや、衝撃強度、耐寒
性、低温ヒートシール性が劣るなどの欠点を有している
ために、その用途分野については限定されていた。従っ
て、汎用フィルム分野においては、これらの欠点を補う
ことができる樹脂である高圧法低密度ポリエチレン(以
下単に「LDPE」と略記する。)が広く用いられるよ
うになってきた。しかしながら、このLDPEは上記の
欠点を補うことについては有効であるが、上記ポリプロ
ピレンと比較して透明性が劣るという欠点を有してい
た。
【0003】一方、チーグラー触媒を用いて、例えば特
公昭56−18132号公報等に記載された方法で製造
されるエチレンとα−オレフィンとの共重合体、いわゆ
る線状低密度ポリエチレン(以下単に「LLDPE」と
略記する。)は、上記のLDPE樹脂より衝撃強度、ヒ
ートシール性、ホットタック性、耐熱性、耐寒性等に優
れた樹脂である。また、該LLDPEの透明性について
は公知のTダイ成形法、水冷インフレーション成形法及
び特殊なエアーリングを用いた空冷インフレーション成
形法等の特殊な加工を施すことによって良好なものとす
ることができることが知られている。しかしながら、こ
のLLDPEのフィルム表面を平滑にして透明性の良い
フィルムを作ろうとすると、LLDPE中の低結晶性成
分がその表面にブリードアウトしてくるために、アンチ
ブロッキング性が大幅に低下して、実用上の使用が困難
になる。それ故、このような問題点を改良するために、
このLLDPEにシリカやタルク等のアンチブロッキン
グ剤やスリップ剤を添加する方法が採用されているが、
これらの添加剤を添加することによる光の分散によっ
て、却って透明性は低下してしまい、樹脂本来の透明性
の改良を行なうことは困難なことであった。近年、特開
昭58−19309号公報等に記載されている新しい触
媒を使用することによって、従来よりも組成分布の狭い
LLDPEが得られるようになり、透明性とブロッキン
グ性が従来のLLDPEよりも良くなる可能性が出てき
たが、分子量分布が狭くなるので加工性が大幅に悪化し
てしまう。また、従来のLLDPEは耐熱性および耐寒
性が、ポリプロピレン、低密度ポリエチレンと比較して
良好ではあるが、高温滅菌処理が施され、−50℃以
下、特に最近では−80℃以下の凍結保存下において、
容器破損の起こらず、また保存中に容器の中の状態が良
く見えるように、透明性等の性能が要求されるような、
医療用製品や極低温保存用容器への用途を満足させるこ
とはできずにいた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加工
性が良好で、透明性、耐熱性、耐寒性など性能が大幅に
改良された押出成形体、殊にフィルムまたはシートを製
造することができる樹脂組成物の製造法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔発明の概要〕本発明者
らは、これらの優れた性能を保ちながら、加工性を改良
し、バランスの良い材料を得るための手段について鋭意
研究を重ねた結果、特定の性状を有するLDPEと特定
の性状を有するLLDPEとをブレンドすることによ
り、上記本発明の目的が達成され得ることができるとの
知見を得て本発明を完成するに至ったものである。
【0006】すなわち、本発明の樹脂組成物の製造法
は、 成分A:下記に示す(a)〜(d)の性状を有するエチ
レンと炭素数4〜40のα−オレフィンとの共重合体
50〜99重量% (a)MFRが0.1〜5g/10分 (b)密度(D)が0.88〜0.925g/cm (c)温度上昇溶離分別(TREF)による50℃にお
ける溶出量(Y:成分A全量に対する重量%)が以下の
条件を満たすものである 成分Aの密度(D)が0.91g/cm未満であ
るとき、 Y≦−4500D+4105(ただし、Y≦100) 成分Aの密度(D)が0.91g/cm以上であ
るとき、 Y≦10 成分B:下記に示す(a’)、(b’)、(c’)およ
び(d’)の性状を有すエチレン系重合体
1〜50重量% (a’)MFRが0.1〜20g/10分 (b’)密度が0.88〜0.93g/cm (c’)メモリーエフェクト(ME:Memory Effect)
が1.3以上 (d’)メルトテンション(MT:Melt Tension)が
1.0g以上 を溶融混練すること特徴とするものである。
【0007】〔発明の具体的説明〕 〔I〕構成成分 (1)成分A(エチレン・炭素数4〜40のα−オレフ
ィン共重合体) (a)性 状 本発明の樹脂組成物を構成する成分Aのエチレン・炭素
数4〜40のα−オレフィン共重合体は、以下の〜
の物性を示すものを用いることが重要であり、さらに
の物性を示すものを用いるのが好ましい。
【0008】 MFR 本発明にて用いられるエチレン・炭素数4〜40のα−
オレフィン共重合体は、JIS−K7210によるMF
R(メルトフローレート:Melt Flow Rate:溶融流量)
が0.1〜5g/10分、好ましくは0.3〜4g/1
0分、特に好ましくは0.7〜3.5g/10分の物性
を示すものが用いられる。該MFRが上記範囲より大で
あると耐熱性、耐寒性が低下し、フィルムの成膜が不安
定となる。また、該MFRが上記範囲より小さすぎると
樹脂圧力が大きくなりすぎて、成形性が悪化したり、製
品の生産量低下を起こし実用的でない。
【0009】 密 度 本発明にて用いられるエチレン・炭素数4〜40のα−
オレフィン共重合体は、JIS−K7112による密度
が0.88〜0.925g/cm、好ましくは0.8
9〜0.92g/cm、特に好ましくは0.90〜
0.915g/cmを示すものである。該密度が上記
範囲より大であると、透明性およびヒートシール性が不
良となる。また、密度があまりに小さすぎると、耐熱性
が悪化したり、フィルム表面にベタつきが生じ実用性に
供し得なくなる。
【0010】 温度上昇溶離分別(TREF)による
50℃における溶出量(Y:成分A全量に対する重量
%)が以下の条件を満たすものである。 1)成分Aの密度(D)が0.91g/cm未満であ
るとき、Y≦−4500D+4105(ただし、Y≦1
00)、好ましくはY≦−4650D+4238(ただ
し、Y≦100)である。 2)成分Aの密度(D)が0.91g/cm以上であ
るとき、Y≦10、好ましくはY≦7である。温度上昇溶離分別による溶出曲線の測定 温度上昇溶離分別(TREF)による測定は、「Journa
l of Applied PolymerScience,Vol 26, 4217-4231(198
1)」および「高分子討論会予稿集 2P1C09 (1985年)」に
記載されている原理に基づき、以下のようにして行われ
る。まず、測定の対象とするポリマーを溶媒中で完全に
溶解する。その後、冷却して不活性担体表面に薄いポリ
マー層を形成させる。かかるポリマー層は結晶しやすい
ものが内側(不活性担体表面に近い側)に、結晶しにく
いものが外側に形成されてなるものである。次に、温度
を連続又は段階的に上昇させると、低温度段階では対象
のポリマー組成中の非晶部分すなわちポリマーの持つ短
鎖分岐の分岐度の多いものから溶出し、温度が上昇する
とともに徐々に分岐度の少ないものが溶出し、最終的に
分岐のない直鎖状の部分が溶出し測定は終了するのであ
る。かかる各温度での溶出成分の濃度を検出し、その溶
出量と溶出温度によって描かれるグラフによってポリマ
ーの組成分布を見ることができるものである。
【0011】 温度上昇溶離分別によって得られる溶
出曲線のピーク温度 本発明にて用いられるエチレン・炭素数4〜40のα−
オレフィン共重合体は、好ましくは温度上昇溶離分別
(TREF:Temperature Rising Elution Fractionati
on)によって得られる溶出曲線のピークが1つであり、
そのピーク温度が30〜100℃、好ましくは35〜8
5℃、特に好ましくは40〜70℃、かつ、このピーク
の高さをHとし、該ピークの高さの1/2の幅をWとし
たときのH/Wの値が1以上、好ましくは1〜20、特
に好ましくは1〜15、最も好ましくは1〜10の物性
を示すものである。なお、「ピークが1つ」とは、TRE
F微分溶出曲線において、頂点を原点として下降するラ
インをベースとし、再上昇する場合の上昇角度が、溶出
温度3℃の範囲内で90度を超えないものをいう。該溶
出曲線のピーク温度が上昇温度を超える場合は、透明性
が低下し、低温ヒートシール性が不良となるので実用性
がない。また、溶出曲線のピーク温度が上記温度未満で
ある場合は、製品にブリードアウトが起こり、またフィ
ルムがベタついて実用性がない。上記H/Wが上記の値
未満の場合は、製品にブリードアウトが起こり、またベ
タツキ成分が多くなり経時的にヒートシール性が不良と
なるので実用性がない。
【0012】 Q 値 このエチレン・炭素数4〜40のα−オレフィン共重合
体は、サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion
Chromatography:SEC)によって求められるQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が4以下、好ましく
は3以下、特に好ましくは2.5以下の物性を示すもの
が好ましい。該Q値が上記範囲を超えると、成形品の外
観が悪化してくる傾向にある。
【0013】(b)エチレン・炭素数4〜40のα−オ
レフィン共重合体の製造 本発明に用いるエチレン・炭素数4〜40のα−オレフ
ィン共重合体の製造法は、特開昭58−19309号、
同59−95292号、同60−35005号、同60
−35006号、同60−35007号、同60−35
008号、同60−35009号、同61−13031
4号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ
特許出願公開第420436号明細書、米国特許第50
55438号明細書及び国際公開公報WO91/042
57号明細書などに記載されている方法、すなわち、メ
タロセン触媒、特にメタロセン・アルモキサン触媒、ま
たは、例えば、国際公開公報WO92/01723号等
に開示されているようなメタロセン化合物と以下に述べ
るメタロセン化合物と反応して安定なアニオンとなる化
合物からなる触媒を使用して、主成分のエチレンと従成
分のα−オレフィンとを共重合させる方法である。
【0014】上述のメタロセン化合物と反応して安定な
アニオンとなる化合物とは、カチオンとアニオンのイオ
ン対から形成されるイオン性化合物あるいは親電子性化
合物であり、メタロセン化合物と反応して安定なイオン
となって重合活性種を形成するものである。
【0015】このうちイオン性化合物は下記一般式
(I)で表される。 一般式(I) 〔Q〕m+〔Y〕m− (mは1以上の整数) Qはイオン性化合物のカチオン成分であり、カルボニウ
ムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウムカチ
オン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、
ホスホニウムカチオン等があげられ、さらには、それ自
身が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽イオン
などもあげられる。これらのカチオンは特表平1−50
1950号公報などに開示されているようなプロトンを
与えることができるカチオンだけではなく、プロトンを
与えないカチオンでも良い。これらのカチオンの具体例
としては、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカル
ボニウム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、
トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、
トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウ
ム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモ
ニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホ
ニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ
(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホ
ニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソ
ニウム、ピリリウム、また、銀イオン、金イオン、白金
イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウ
ムイオン等があげられる。
【0016】また、Yはイオン性化合物のアニオン成分
であり、メタロセン化合物と反応して安定なアニオンと
なる成分であって、有機ホウ素化合物アニオン、有機ア
ルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオ
ン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオ
ン、有機アンチモン化合物アニオンなどがあげられ、具
体的にはテトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,
5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,
5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ素、テト
ラキス(3,5−(t−ブチル)フェニル)ホウ素、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラフ
ェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフ
ルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−
ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テ
トラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)アルミ
ニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミ
ニウム、テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,
4,5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス
(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウ
ム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)
ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリ
ウム、テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)リン、テトラフェニルヒ素、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、テトラフェニルアン
チモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチ
モン、デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカ
ボレート、デカクロロデカボレート等があげられる。
【0017】また、親電子性化合物としては、ルイス酸
化合物として知られるもののうち、メタロセン化合物と
反応して安定なアニオンとなって重合活性種を形成する
ものであり、種々のハロゲン化金属化合物や固体酸とし
て知られている金属酸化物などがあげられる。具体的に
は、ハロゲン化マグネシウムやルイス酸性無機酸化物な
どが例示される。
【0018】α−オレフィン ここでα−オレフィンとしては、炭素数4〜40のα−
オレフィン、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチルペ
ンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチ
ルペンテン−1,オクタデセン等が挙げられる。これら
α−オレフィンの中で好ましくは炭素数4〜40、さら
に好ましくは炭素数4〜18、ことさら好ましくは4〜
12、最も好ましくは6〜10の1種又は2種以上のα
−オレフィン2〜60重量%、好ましくは5〜50重量
%と、エチレン40〜98重量%、好ましくは50〜9
5重量%とを共重合させるのが好ましい。
【0019】共重合 重合方法としては、気相法、スラリー法、溶液法、高圧
イオン重合法等を挙げることができる。これらの中では
溶液法、高圧イオン重合法が好ましく、特に高圧イオン
重合法で製造することが好ましい。なお、この高圧イオ
ン重合法とは、特開昭56−18607号、特開昭58
−225106号の各公報に記載されている、圧力が2
00kg/cm以上、好ましくは300〜2,000
kg/cm、温度が125℃以上、好ましくは130
〜250℃、特に150〜200℃の反応条件下に行な
われるエチレン系重合体の連続的製造法である。
【0020】(2)成分B(エチレン系重合体) (a)性 状 本発明の押出成形体樹脂組成物を構成する成分Bのエチ
レン系重合体は、以下の〜の物性を示すものを用い
ることが重要であり、さらにの物性を示すものを用
いるのが好ましい。
【0021】 MFR 本発明の押出成形体樹脂組成物にて用いられるエチレン
系重合体は、JIS−K7210によるMFR(メルト
フローレート:Melt Flow Rate:溶融流量)が0.1〜
20g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分、
特に好ましくは1.0〜5.0g/10分の物性を示す
ものである。該MFRが上記範囲より大であると、成形
性が悪化し、フィルム成膜が不安定となる。また、MF
Rが上記範囲より小さすぎると、押出性や成形品の外観
が不良となる。
【0022】 密 度 本発明にて用いられるエチレン系重合体は、JIS−K
7112による密度が0.88〜0.93g/cm
好ましくは0.915〜0.93g/cm、さらに好
ましくは0.918〜0.927g/cm、特に好ま
しくは0.919〜0.923g/cmの物性を示す
ものである。該密度が上記範囲より大であると、透明性
が悪化し、また低温ヒートシール性が不良となる。ま
た、密度が上記範囲より小さすぎると、製品にブリード
アウトが起こり、フィルム表面にベタつきが多くなる。
【0023】 メモリーエフェクト(ME:Memory E
ffect:復元効果) 本発明にて用いられるエチレン系重合体は、ME(3
g)は1.3以上、好ましくは1.6以上、特に好まし
くは2.0以上、最も好ましくは2.3以上の物性を示
すものが好ましい。該MEが上記値より小さすぎると成
形性が不安定となり好ましくない。なお、上記ME(3
g)の測定は、JIS−K7210で使用されるメルト
インデクサーを使用し、測定条件をシリンダー温度24
0℃、定速押出量3g/分に設定して、以下のように実
施される。装置にサンプルを充填し、ピストンのみを乗
せ、6分後に規定の押出速度をかける。次に、エチルア
ルコールを入れたメスシリンダーをオリフィス直下に置
き、真っ直ぐな押出物を採取する。採取した押出物の直
径(D)をマイクロメーターで測定し、ダイスのオリフ
ィス径をDとして、次式によりMEが求められる。 ME=D/D
【0024】 メルトテンション(MT:Melt Tensi
on:破断時溶融張力)が1.0g、好ましくは1.5g
以上、より好ましくは2.5g以上、特に好ましくは5
g以上である。MTが上記数値よりも小さすぎると成形
が不安定となる。 Q 値 このエチレン系重合体は、サイズ排除クロマトグラフィ
ー(Size ExclusionChromatography:SEC)によって
求められQ値(重量平均分子量/数平均分子量)が5〜
30、特に好ましくは7〜25、最も好ましくは10〜
20の物性を示すものが好ましい。該Q値が上記範囲よ
り大であると、成形品の外観が悪化してくる傾向にある
ので好ましくない。また、Q値が上記範囲より小さすぎ
ると、成形性が不安定となってくる傾向があるので好ま
しくない。 ME/MTが以下の関係を有すること: ME≧0.05×MT+1.3、好ましくはME≧0.
05×MT+1.5 上記示した関係を満足させることは、成形時における加
工性改良効果の点で意義がある。
【0025】(b)エチレン系重合体の具体例 エチレン系重合体としては、ポリエチレン、上記成分A
以外のエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・
酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共
重合体、エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体等
の中から、上記の性状を有するものを適宜選択すること
ができる。中でも好ましいものは、高圧法低密度ポリエ
チレン、特に重合時における反応温度が220℃以上、
反応圧力が1,700kg/cm以下でオートクレー
ブ法にて製造された、高圧ラジカル重合法低密度ポリエ
チレンを使用することが好ましい。
【0026】〔II〕組成物の物性及び量比 (1)物性 本発明の好ましい樹脂組成物としては、一般に、JIS
−K7210によるMFRが0.5〜10g/10分、
好ましくは1〜8g/10分、特に好ましくは2〜5g
/10分であり;密度が0.88〜0.925g/cm
、好ましくは0.89〜0.92g/cm、特に好
ましくは0.90〜0.915g/cm3であり;ME
が1.0〜2.0、好ましくは1.1〜1.8、特に好
ましくは1.2〜1.6であり;MT(50m/分時応
力)が0.3〜10g、好ましくは0.5〜5g、特に
好ましくは1〜5gである。また、組成物のMEとMT
(50m/分時応力)が、ME≧[0.08×MT+
1]/g、好ましくはME≧[0.2×MT+1.1]
/gの関係を満たすことである。
【0027】(2)量 比 これら成分Aのエチレン・炭素数4〜40のα−オレフ
ィン共重合体と成分Bのエチレン系重合体との配合割合
は、成分Aが50〜99重量%で成分Bが1〜25重量
%、好ましくは成分Aが75〜99重量%で成分Bが1
〜25重量%、さらに好ましくは成分Aが80〜97重
量%で成分Bが3〜20重量%、特に好ましくは成分A
が85〜95重量%で成分Bが5〜15重量%である。
上記成分Aの配合割合が上記範囲よりも少なすぎるとヒ
ートシール性、透明性性等が不良となる。また、上記成
分Bの配合割合が上記範囲よりも少なすぎると加工性改
良効果が不十分となる。
【0028】〔III〕樹脂組成物の製造 (1)配 合 本発明の押出成形体用樹脂組成物は、通常の樹脂組成物
の製造方法と同様の方法で成分Aのエチレン・炭素数4
〜40のα−オレフィン共重合体と成分Bの高圧法低密
度ポリエチレンとを配合することによって製造すること
ができる。具体的には、成分Aと成分Bとを押出機、ブ
ラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー、ニー
ダーブレンダー等を用いて溶融、混練し、通常用いられ
ている方法でペレット状とするのが普通である。このペ
レットを用いてフィルムを製造することができる。
【0029】(2)その他の添加剤 本発明の押出成形体用樹脂組成物には、一般に樹脂組成
物用として用いられている補助添加成分、例えば、酸化
防止剤(中でも、フェノール系およびリン系酸化防止剤
が好ましい)、アンチブロッキング剤、スリップ剤、熱
安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、着
色剤等を配合することができる。酸化防止剤、アンチブ
ロッキング剤およびスリップ剤については、以下に記載
するものを特定量配合することが好ましい態様である。
【0030】〔IV〕押出成形体の製造 上記ペレットを用いて成形加工して押出成形体、例えば
フィルムまたはシートを製造することができる。フィル
ムの製造方法は、空冷インフレーション成形、空冷2段
冷却インフレーション成形、T−ダイフィルム成形、水
冷インフレーション成形等で包装材料に好適なフィルム
を得ることができる。シートの製造は、カレンダー加
工、押出成形、圧縮成形、注型等で包装材料に好適なシ
ートを得ることができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例よりなる実験例を記
載し、本発明を更に具体的に説明する。 〔I〕物性の測定方法と評価方法 実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に
示す方法によって実施した。 (1)物性の測定 (a)MFR:JIS−K7210に準拠(190℃,
2.16kg荷重) (b)密 度:JIS−K7112に準拠 (c)ME:JIS−K7210で使用されるメルトイ
ンデクサーを使用し、測定条件をシリンダー温度240
℃、定速押出量3g/分に設定して行なった。装置にサ
ンプルを充填し、ピストンのみを乗せ、6分後に規定の
押出速度をかける。次に、エチルアルコールを入れたメ
スシリダーをオリフィス直下に置き、真っ直ぐな押出物
を採取する。採取した押出物の直径(D)をマイクロメ
ーターで測定し、ダイスのオリフィス径をDとして次
式によりMEを求める。 ME=D/D
【0032】(d)溶出曲線の測定:本発明における温
度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線のピーク
は、一度高温にてポリマーを完全に溶解させた後に冷却
し、不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次い
で、温度を連続又は段階的に昇温して、溶出した成分を
回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶
出温度によって描かれるグラフ(溶出曲線)のピーク
で、ポリマーの組成分布を測定するものである。
【0033】該溶出曲線の測定は、以下のようにして行
った。測定装置としてクロス分別装置(三菱油化(株)
製 CFC T150A)を使用し、付属の操作マニュ
アルの測定法に従って行った。このクロス分別装置は、
試料を溶解温度の差を利用して分別する温度上昇溶離分
別(TREF)機構と、分別された区分を更に分子サイ
ズで分別するサイズ排除クロマトグラフ(Size Exclusi
on Chromatography:SEC)をオンラインで接続した
装置である。
【0034】まず、測定すべきサンプル(共重合体)を
溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、濃度が4mg/
mlとなるように、140℃で溶解し、これを測定装置
内のサンプルループ内に注入する。以下の測定は設定条
件に従って自動的に行われる。サンプルループ内に保持
された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するT
REFカラム(不活性担体であるガラスビーズが充填さ
れた内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレ
ス製カラム)に0.4ml注入される。次に、該サンプ
ルを1℃/分の速度で140℃から0℃の温度まで冷却
し、上記不活性担体にコーティングさせる。このとき、
高結晶性成分(結晶しやすいもの)から低結晶性成分
(結晶しにくいもの)の順で不活性担体表面にポリマー
層が形成される。TREFカラムが0℃で更に30分間
保持された後、0℃の温度で溶解している成分2ml
が、1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラ
ム(昭和電工社製 AD80M/S 3本)へ注入され
る。SECで分子サイズでの分別が行われている間に、
TREFカラムでは次の溶出温度(5℃)に昇温され、
その温度に約30分間保持される。SECでの各溶出区
分の測定は39分間隔で行われた。溶出温度は以下の温
度で段階的に昇温される。 0,5,10,15,20,25,30,35,40,
45,49,52,55,58,61,64,67,7
0,73,76,79、82,85,88、91,9
4,97,100,102,120,140℃
【0035】該SECカラムで分子サイズによって分別
された溶液は、装置付属の赤外分光光度計でポリマーの
濃度に比例する吸光度が測定され(波長3.42μ,メ
チレンの伸縮振動で検出)、各溶出温度区分のクロマト
グラムが得られる。内蔵のデータ処理ソフトを用い、上
記測定で得られた各溶出温度区分のクロマトグラムのベ
ースラインを引き、演算処理される。各クロマトグラム
の面積が積分され、積分溶出曲線が計算される。また、
この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が計
算される。計算結果の作図はプリンターに出力される。
出力された微分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温度を1
00℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(全積分溶出
量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量とした)
0.1当たり76.5mmで行った。次に、この微分溶
出曲線のピーク高さ(mm)を1/2高さの幅(mm)
で除した値をH/Wとした。
【0036】(e) Q値:サイズ排除クロマトグラフ
ィー(Size ExclusionChromatography:SEC)を用い
て、以下に示す測定条件下で測定し、重量平均分子量/
数平均分子量よりQ値を求めた。なお、単分散ポリスチ
レンでユニバーサルな検量線を作成し、直鎖のポリエチ
レンの分子量として計算した。 機 種:Waters Model 150C GPC 溶 媒:o−ジクロロベンゼン 流 速:1ml/分 温 度:140℃ 測定濃度:2mg/ml 注入量 :200μl カラム :昭和電工(株)製 AD80M/S 3本 (f)MT:東洋精機製キャピログラフ1−Bを使用
し、試験温度190℃、押出速度1cm/分にて、押出
された溶融樹脂を引取る際の引取速度を、LDPEにつ
いては破断時、組成物については50m/分とした時の
応力を測定した。
【0037】(2)評価方法 (a)ヘイズ(HAZE):JIS−K7105に準拠 (b)ヘキサン可溶分: 円筒濾紙を60℃の温度にて減圧乾燥し、2時間毎
に精秤し、前回との差が5mg以下になるまで繰り返
す。次に、サンプル約5gを精秤し、円筒濾紙に入れ
る。 ヘキサン200ccを用いて高温ソックスレー押出
器で3時間還流抽出する、還流比は3〜4回/10分と
する。 室温まで冷却した後、抽出残分を円筒濾紙ごと60
℃の温度にて2時間減圧乾燥する。 デシケーター中で30分放冷後、精秤する。 次式により求める。 ヘキサン可溶分(重量%)=(W1+W3−W2)/W
1 W1 :抽出前の試料重量(g) W2 :抽出後の試料と円筒濾紙の重量(g) W3 :未使用の円筒濾紙の重量(減圧乾燥後)(g)
【0038】(c)ヘプタン可溶分:食品添加物等の規
格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の器具及び
容器包装の規格試験に準拠 溶出条件:25℃、60分 (d)DDI(ダートドロップインパクト):JIS−
Z1707に準拠 (e)300gヒートシール温度:東洋精機製熱盤式ヒ
ートシーラーにて、75℃から5℃間隔でシール圧力:
2kg/cm、シール時間:1秒でヒートシールし、
引張試験機にてヒートシール強度を測定する。このヒー
トシール強度が300g得られる温度を300gヒート
シール温度とする。 (f)ビカット軟化点温度:JIS−K7206に準拠 (g)脆化温度:電通研法に準拠(ノッチ深さ:0.3
mm) (h)バブルの安定性:製膜したフィルムについて50
m中の折径の最大値をLとし、最小値をLとした時
の C(%)=[(L−L)/{1/2(L
)}]×100 C(%)が20%以下の時を良好とする。
【0039】〔II〕実験例 実施例1エチレン・炭素数4〜40のα−オレフィン共重合体
(成分A)の製造 触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載
された方法で実施した。すなわち、錯体エチレン−ビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストファー社
製メチルアルモキサンを上記錯体に対し1,000モル
倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を
調製し、以下の方法で重合を行なった。内容積1.5リ
ットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレ
ンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が8
0重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1,0
00kg/cmに保ち、150℃の温度で反応を行な
った。反応終了後、MFRが3.3g/10分、密度が
0.905g/cm、Q値が2.0、TREF溶出曲
線のピークが1つであり、そのピーク温度が62℃、該
ピーク温度のH/Wが4で、50℃における溶出量が1
2重量%であるエチレン・α−オレフィン共重合体(1
−ヘキセン含量15重量%)を得た。
【0040】高圧法低密度ポリエチレン(成分B)の製
反応温度260℃、反応圧力1,500kg/cm
で、オートクレーブ法にて製造した。MFRが4g/
10分、密度が0.92g/cm、MEが2.4、Q
値が10、MTが9.4gの高圧法低密度ポリエチレン
を得た。
【0041】樹脂組成物の製造 表1に記載される通りのエチレン・α−オレフィン共重
合体(成分A)と高圧法低密度ポリエチレン(成分B)
とを、成分A:成分B=95:5重量%の割合で配合
し、40mmφ単軸押出機で160℃の成形温度にて造
粒して、エチレン・α−オレフィン共重合体(成分A)
と高圧法低密度ポリエチレン(成分B)とからなるペレ
ット状の樹脂組成物を得た。
【0042】評 価 このペレット状の樹脂組成物をプレス成形しビカット軟
化点、脆化温度を測定した。更に、このペレット状の樹
脂組成物を、トミー機械工業(株)製40mmφインフ
レーション成形機で以下の条件下にフィルム成形を行な
った。 スクリュー :径40mmφ L/D :24 ダイ :径75mmφ ダイリップ :3mm 成形温度 :180℃ フィルム厚み :30μm フロストライン :180mm スクリュースピード:60rpm ブロー比 :2.0 チラー :15℃ 得られたフィルムについて評価を行なった。評価の結果
を表1に示す。
【0043】実施例2〜8、比較例1〜4および6〜1
3 成分A及び成分Bとして、表1に記載される物性を示す
ものを用いた以外は、実施例1と同様に調製して樹脂組
成物を得た。これを成形し、評価した。得られた評価結
果は表1に示す通りである。
【0044】比較例5 成分Aにチーグラー触媒で製造したエチレン・α−オレ
フィン共重合体を使用した以外は、実施例1と同様に調
製して樹脂組成物を得た。これを成形し、評価した。得
られた評価結果は表1に示す通りである。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】実施例9〜17、比較例14〜16および
18〜20 実施例1と同様にして、表2に示される物性の成分Aお
よび成分Bからなるペレット状の樹脂組成物を得た。得
られたペレットを用いて、組成物のMFR、密度、MT
およびMEを測定した。更に該ペレットを厚さ2mmの
プレスシートに成形し、ビカット軟化点温度、脆化温度
およびHAZEを測定した。これらの結果を表2に示
す。
【0051】実施例18 成分Aに表2に示す物性のものを用い、成分Bに低密度
ポリエチレン(三菱油化製“三菱ポリエチ”LL SF
520)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組
成物を調製し、評価した。その結果を表2に示す。
【0052】比較例17 成分Aに三井石油化学工業製 ウルトゼックス 1520
Lを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を
調製し、評価した。その結果を表2に示す。
【0053】比較例21 成分Aを用いずに、成分Bのみを用いて実施例9と同様
に評価し、その結果を表2に示す。
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】上記実施例1と比較例5の評価結果を対比
すると、本発明の組成物は、ヒートシール性、耐寒性、
食品衛生性(ヘプタン可溶分が少ない)に優れているこ
とがわかる。また、実施例4と比較例5とは、同一密度
の組成物であるが、前者が耐熱性、食品衛生性に優れて
いることがわかる。
【0059】
【発明の効果】このような本発明の方法により得られる
押出成形体用樹脂組成物は、従来のLLDPEよりも加
工性が改良され、かつ透明性、耐熱性、耐寒性等が良好
であり、またアンチブロッキング性のバランスに優れ、
衝撃強度、ヒートシール性、耐熱性、耐寒性等のフィル
ム性能が従来品より格段に良好であるといった効果が奏
されるために、スナック、インスタントラーメン等の乾
燥食品、味噌、漬物、スープ、ジュース等の水物食品、
冷凍食品、畜肉、ハム等の食品等の包装、醤油、ソース
等のミニパックや、輸液、注射剤、粉末、錠剤等の各種
医薬品の包装および充填用材料、例えば、バッグインボ
ックス、輸液バッグ等、シャンプー、化粧品等のミニパ
ック、カセットテープ、電気機器等の各種包装・充填用
フィルム、各種蓋材として極めて有用なものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分A:下記に示す(a)〜(d)の性
    状を有するエチレンと炭素数4〜40のα−オレフィン
    との共重合体 50〜99重量% (a)MFRが0.1〜5g/10分 (b)密度(D)が0.88〜0.925g/cm (c)温度上昇溶離分別(TREF)による50℃にお
    ける溶出量(Y:成分A全量に対する重量%)が以下の
    条件を満たすものである 成分Aの密度(D)が0.91g/cm未満であ
    るとき、 Y≦−4500D+4105(ただし、Y≦100) 成分Aの密度(D)が0.91g/cm以上であ
    るとき、 Y≦10 成分B:下記に示す(a’)、(b’)、(c’)およ
    び(d’)の性状を有するエチレン系重合体
    1〜50重量% (a’)MFRが0.1〜20g/10分 (b’)密度が0.88〜0.93g/cm (c’)メモリーエフェクト(ME)が1.3以上 (d’)メモリーテンション(MT)が1.0以上 を溶融混練することを特徴とする押出成形体用樹脂組成
    物の製造法。
  2. 【請求項2】 前記成分Aがメタロセン系触媒で得られ
    るものである請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂組成物のMFRが0.4〜10
    g/10分であり、密度が0.88〜0.925g/c
    m3であり、MEとMTがME≧(0.08×MT+
    1)/gの関係を満たす請求項1記載の製造法。
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WO2022015094A1 (ko) 2020-07-16 2022-01-20 주식회사 엘지화학 전이금속 화합물 및 이를 포함하는 촉매 조성물

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