JP2000127306A - 建材用化粧シ―ト - Google Patents
建材用化粧シ―トInfo
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Abstract
型樹脂層を形成した建材用化粧シートにおいて、Vカッ
ト加工やラッピング加工等の曲加工やエンボス加工に際
しての加工性に優れ、白化や割れ等がなく、耐擦傷性に
優れると共に、耐汚染性、耐薬品性、耐溶剤性に優れる
建材用化粧シートの提供を課題とする。 【解決手段】 本発明の建材用化粧シートは、熱可塑性
樹脂基材シート上に電離放射線硬化型樹脂層が形成され
た建材用化粧シートにおいて、該電離放射線硬化型樹脂
層が、重量平均分子量1,000〜4,000のウレタ
ン(メタ)アクリレートオリゴマー90重量%〜70重
量%と重量平均分子量30,000〜60,000のポ
リウレタン樹脂10重量%〜30重量%からなる相溶混
合物の電離放射線硬化物層であることを特徴とする。
Description
に関し、特に、建築物の内装、家具の表面化粧、建具の
表面化粧、車両内装等に用いるのに適した建材用化粧シ
ートに関する。
化粧用、車輛内装用等に用いる表面建材用化粧シートと
して、従来、ポリ塩化ビニルフィルムがその材料力学特
性の観点から多用されており、これに印刷、エンボス加
工等で装飾した建材用化粧シートが特公昭28−503
6号公報、特公昭58−14312号公報等に記載され
るごとく主流をしめてきたが、近年、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン系フィルムを使用した
建材用化粧シート(特開昭54−62255号公報参
照)が提案されているが、工業的に量産が難しく、ま
た、ポリオレフィン系樹脂はポリ塩化ビニルに比べて耐
擦傷性に劣る。また、結晶化度が高いため等の理由か
ら、クリープ変形性、耐寒折り曲げ強度、耐有機溶剤性
には優れるが、ポリ塩化ビニル並みの熱成形性(加熱→
冷却にともなって、強度低下等の材料力学的特性の劣化
が生じないこと)、破断時伸度や耐衝撃強度(Vカット
加工時の折り曲げ部の亀裂が防止されること)、曲げ加
工適性(適度な曲げ弾性率を持つこと、曲げ加工部での
建材用化粧シートの追従性を十分なものとするために必
要とされる)、エンボス加工適性(エンボス加工等にと
もなう加熱と冷却が加わっても、再結晶による白化、濁
りを生じないこと)、易接着性、更に、耐候性等におい
てもポリ塩化ビニルに劣るという問題を有する。
グラフト重合させたポリオレフィン系樹脂にオレフィン
系熱可塑性エラストマーを混合させたもの(特開平6−
210808号公報、特表平4−504384号公報
等)、あるいは、ポリオレフィン系樹脂に相溶化剤を用
いてポリウレタン樹脂を混合したもの(特開平7−26
038号公報等)を使用した建材用化粧シートが提案さ
れているが、オレフィン系熱可塑性エラストマーを混合
しているので、ポリ塩化ビニル並みの熱成形性、クリー
プ変形性、耐寒折り曲げ強度、耐有機溶剤性、破断時伸
度や耐衝撃強度、曲げ加工適性には優れるが、依然とし
て、エンボス加工適性、易接着性、耐熱性、耐擦傷性や
耐候性等は不十分である。
材シート上に電離放射線硬化型樹脂の硬化物層を形成し
た建材用化粧シートが提案されている(特開平10−4
5926号公報)。この建材用化粧シートは、基材シー
トとしてオレフィン系樹脂を用いながら電離放射線硬化
型樹脂層を表面積層するもので、ポリ塩化ビニル系樹脂
を用いた建材用化粧シートと同等以上の耐擦傷性、耐熱
性及び耐候性、耐汚染性、耐薬品性や耐溶剤性に優れる
ものであるが、Vカット加工やラッピング加工等の曲加
工やエンボス加工に際して白化や割れ等が生じる等の課
題を有する。
脂基材シート上に硬化型樹脂の硬化物層を形成した建材
用化粧シートにおいて、耐擦傷性、耐溶剤性、耐候性等
の硬化型樹脂本来の物性を維持しつつ、従来ではこれら
の諸物性とは両立しなかったVカット加工やラッピング
加工に際しての曲加工性、エンボス加工性に優れる建材
用化粧シートの提供を課題とする。
トは、熱可塑性樹脂基材シート上に硬化型樹脂層が形成
された建材用化粧シートにおいて、該硬化型樹脂層が重
量平均分子量1,000〜4,000のウレタン(メ
タ)アクリレートオリゴマー90重量%〜70重量%と
重量平均分子量30,000〜60,000のポリウレ
タン樹脂10重量%〜30重量%からなる相溶混合物の
硬化物層であることを特徴とする。
レフィン樹脂基材シートであることを特徴とする。
樹脂層であることを特徴とする。
ゴマーが、アルキレングリコールとアジピン酸とから形
成される重量平均分子量500〜2,000のポリエス
テルポリオールとイソホロンジイソシアネートと(メ
タ)アクリレート成分との重付加反応生成物であり、重
量平均分子量が1,000〜3,000のものであるこ
とを特徴とする。
リレートオリゴマー由来の3次元架橋構造中にポリウレ
タン樹脂分子が交叉した構造を有することを特徴とす
る。
リウレタン樹脂からなるインキ層を介してポリオレフィ
ン樹脂基材シート上に形成されることを特徴とする。
10の代表例を示す断面模式図であり、図中1は熱可塑
性樹脂基材シート、2はプライマー層、3は装飾層とし
てのインキ層であり、該層は更に3aのベタインキ層と
3bの絵柄インキ層とからなり、5は硬化型樹脂層、7
はエンボスを示す。なお、6は接着剤層であり、被着体
への接着を目的とする層である。
ル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂
基材シートを挙げられる。好ましくはポリオレフィン系
熱可塑性エラストマーである。ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーとしては、例えばハードセグメントであ
る比重が0.94〜0.95の高密度ポリエチレン樹
脂、アイソタクチックまたはシンジオタクチックポリプ
ロピレン樹脂等の結晶質ポリオレフィンにソフトセグメ
ントを導入したものが例示される。
ントにおける性能を保持しつつも、その結晶性等による
影響を防止するもので、ジエン系ゴム、水素添加ジエン
系ゴム、オレフィンエラストマー等のエラストマーが用
いられる。これらソフトセグメントは、通常ハードセグ
メントに混合されてオレフィン系熱可塑性エラストマー
を構成する。水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分
子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させ
てなるもので、結晶質ポリオレフィン系樹脂の結晶化を
抑え、柔軟性をアップさせる。ジエン系ゴムとしては、
イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピ
レン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル・イソプレンゴム、スチレンブ
タジエンゴム等がある。オレフィンエラストマーとして
は、2種類又は3種類以上のオレフィンと共重合しうる
ポリエンを少なくとも1種加えた弾性共重合体であり、
オレフィンはエチレン、プロピレン、α−オレフィン等
が使用され、ポリエンとしては、1,4ヘキサジエン、
環状ジエン、ノルボルネン等が使用される。好ましいオ
レフィン系共重合体ゴムとしては、例えばエチレン−プ
ロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役
ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等のオ
レフィンを主成分とする弾性共重合体が挙げられる。
(エチレンプロピレンジエンメチレンリンケージ)を架
橋重合させたもの、ポリオレフィン樹脂にEPR(エチ
レンプロピレンラバー)を混合して重合させたもの、ア
モルファス化させたポリオレフィン樹脂、単成分系(例
えばホモポリプロピレンとランダムポリプロピレンのポ
リプロピレン系のみのブレンド物)や、多層成形したフ
ィルム(例えば3層で外層をホモポリプロピレン層、中
間層をランダムポリプロピレン層としたもの)等が挙げ
られる。
量に対するエラストマーの重量比としては、5重量%〜
60重量%、好ましくは10重量%〜30重量%であ
る。5重量%より低いと一定荷重時伸度の温度に対する
変化が急峻になり過ぎ、また、破断時伸度、耐衝撃性の
低下が生じると共に、成形時に伸びが不均一となり、局
部的に歪みが集中する、所謂ネッキングが生じやすくな
る。一方、60重量%より高いと耐候性及び耐クリープ
性の低下が生じる。
クリープ性等の改善を目的として無機充填剤を添加して
もよい。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、クレー、タルク等の粒径0.1μm〜10μm
程度の粉末が用いられる。添加量としては、基材シート
中に5重量%〜60重量%、好ましくは10重量%〜2
0重量%である。5重量%より低いと耐クリープ変形性
及び易接着性の低下が生じ、60重量%より高いと破断
時伸度及び耐衝撃性の低下が生じる。
透明でもよいが、着色性基材シートとし、建材用化粧シ
ートとして必要な色彩を持たせてもよく、着色剤として
はチタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブル
ー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソイ
ンドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマ
ネントレッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔料
(あるいは染料)、アルミニウム、真鍮等の箔粉からな
る金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等
の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。着色は透
明着色、不透明(隠蔽)着色いずれでも可であるが、一
般的には、被着体を隠蔽するために不透明着色が好まし
い。
剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤等が添加される。熱
安定剤は、フェノール系、サルファイト系、フェニルア
ルカン系、フォスファイト系、アミン系等公知のもので
あり、熱加工時の熱変色等の劣化の防止性をより向上さ
せる場合に用いられる。難燃剤としては、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム等の粉末が用いられ、これ
らは、難燃性を付与する必要がある場合に添加する。紫
外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェ
ノン系等が用いられ、ラジカル捕捉剤としては、ヒンダ
ードアミン系等が用いられる。
の材料をブレンドし、溶融押し出し法、カレンダー法等
の常用の方法により、膜厚として50μm〜200μ
m、好ましくは80μm〜100μmに成膜される。
も硬化型樹脂層積層側には、硬化型樹脂層を積層するに
際して、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等
の易接着処理が施して、その表面に水酸基、カルボキシ
ル基、カルボニル基等の極性官能基を付与せしめ、その
表面張力を38dyne/cm以上のものとするとよ
い。
を積層するに際しては、必要に応じて、プライマー層
2、インキ層3(通常はベタインキ層3a、絵柄インキ
層3bからなるが、これらのうち一層でも良い)を介し
て積層される。
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエ
チレン樹脂等の溶液を塗布して形成するとよく、また、
プライマー層中には、その上に必要に応じて積層される
インキ層の安定化を目的としてシリカ等の顔料粒子を1
重量%〜4重量%の割合で含有させてもよい。熱可塑性
樹脂基材シートをポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーとする場合、プライマー層として、特に、2液硬化型
ポリウレタン系樹脂を使用し、ジイソシアネート類を添
加して硬化形成されるとよい。プライマー層の乾燥塗布
量は、1g/m2 〜10g/m2 程度である。
おける背景として必要に応じて設けられるもので、塩素
化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリ
オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等の一種又は二
種以上混合した樹脂をバインダーとし、チタン白、酸化
鉄、カーボンブラック等の前記着色性基材シートの項で
列記したと同様のものから選んだ着色剤を含有するイン
キを使用し、熱可塑性樹脂基材シート又はプライマー層
上に印刷形成されるとよい。
基材シートに直接印刷する場合は、バインダー樹脂とし
て塩素化ポリオレフィン、ポリウレタン樹脂等が接着性
の点で好ましいが、易接着性を目的としてプライマー層
2を適宜選択して形成すれば、その他のバインダー樹脂
を用いても十分な接着性を与える。ベタインキ層の乾燥
塗布量は、2g/m2 〜10g/m2 である。
例えばオーク等の木目模様とする場合のごとく必要に応
じて設けられるもので、ベタインキ層における同様の樹
脂のバインダーと着色剤を含有するインキを使用し、熱
可塑性樹脂基材シート、プライマー層又はベタインキ層
上に印刷形成されるとよい。熱可塑性樹脂基材シートを
ポリオレフィン樹脂基材シートとする場合、やはり絵柄
インキもポリウレタン樹脂や塩素化ポリオレフィン樹脂
等をバインダーとして使用するとよい。
印刷としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルク
スクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等公知の印
刷法を用いることができる。絵柄(模様)としては、木
目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、
文字、記号、或いは全面ベタ等があげられる。
層に使用できるポリウレタン樹脂としては、ポリオール
類と多価イソシアネート類との重付加反応生成物である
ポリウレタン樹脂を挙げることができる。ポリオール類
としては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、
例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール
等が用いられる。また、前記多価イソシアネートとして
は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するもの
であり、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族
イソシアネート、或いは1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ト
リレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジ
イソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環族)イソシア
ネートが例示される。これら多価イソシアネートは単量
体で用いる他、3量体、5量体等のプレポリマー、或い
は附加体として用いることもできる。
リ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸
エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−
(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル
酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−
(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリ
ル酸エステルを含む単独又は共重合体からなる(メタ)
アクリル樹脂等が例示される。尚、(メタ)アクリルと
はメタクリルまたはアクリルを意味する。
やヘアライン加工等により凹凸模様を付与したり、ま
た、必要に応じてワイピング加工により着色インキをそ
の凹凸模様内に充填してもよい。エンボス加工として
は、基材シートを加熱軟化させ、エンボス版で加圧、賦
形し、冷却固定して形成するもので、公知の枚葉、或い
は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸模様の形状と
しては、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面
等)、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、
万線条溝等である。又、ミラーフラット面でも良い着色
インキは前記と同様のものが可能である。但し、耐摩耗
性の点で、2液硬化型ウレタン樹脂をバインダー樹脂と
することが好ましい。
属薄膜、例えば、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等
の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で金
属薄膜を製膜して設けてもよい。或いはインキ層と金属
薄膜とを組み合わせ装飾層を形成しても良い。該金属薄
膜は全面に設けても、或いは部分的にパターン状に設け
ても良い。
子量1,000〜4,000のウレタン(メタ)アクリ
レートオリゴマー90重量%〜70重量%と重量平均分
子量30,000〜60,000のポリウレタン樹脂1
0重量%〜30重量%からなる相溶混合物の硬化物層で
ある。
は、重量平均分子量500〜3,500の多価アルコー
ル成分とジイソシアネート成分とを加熱下反応させ、次
いで、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリレート成分を触媒の存在下反応させるこ
とにより得られる。尚、ウレタン(メタ)アクリレート
オリゴマーとはウレタンアクリレートオリゴマー、また
はウレタンメタクリレートオリゴマーを意味する。
アルコール成分としては、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリブタンジオール、アクリ
ルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール等が例示され、また、ジイソシアネート成分
としては分子中に2個以上のイソシアネート基を有する
多価イソシアネートであり、例えば、2,4−トリレン
ジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシ
アネート等の芳香族イソシアネート、或いは1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加
ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないし
は脂環族)イソシアネートが例示される。また、(メ
タ)アクリレート成分としては、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等
が例示される。
は、重量平均分子量1,000〜4,000とするとよ
い。重量平均分子量が1,000より低いと得られる硬
化型樹脂膜が硬くて、Vカット加工やラッピング加工等
の曲加工、及びエンボス加工に際しての加工性が低下
し、また、4,000を越えるとポリウレタン樹脂との
相溶性が低下する。
として、好ましくは、多価アルコール成分を、アルキレ
ングリコールとアジピン酸とから形成される重量平均分
子量500〜2,000のポリエステルポリオールと
し、また、ジイソシアネート成分をイソホロンジイソシ
アネートとする重量平均分子量が1,000〜3,00
0のものである。
樹脂層に対して、可橈性、展性を付与するものであり、
ポリオール類とジイソシアネート類との重付加反応生成
物であるポリウレタン樹脂を挙げることができる。ポリ
オール類としては、分子中に2個以上の水酸基を有する
もので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリ
オール、ポリエーテルポリオール等が用いられる。ま
た、前記ジイソシアネートとしては、分子中に2個以上
のイソシアネート基を有する多価イソシアネートてあ
り、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネー
ト、或いは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソ
シアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネー
ト等の脂肪族(ないしは脂環族)イソシアネートが例示
される。
量30,000〜60,000、好ましくは40,00
0〜50,000であり、重量平均分子量30,000
より低いと、展性を付与しえなく、また、Vカット加工
やラッピング加工等の曲加工、及びエンボス加工に際し
て硬化型樹脂層に対して加工性を改良できず、また、6
0,000を越えるとウレタン(メタ)アクリレートオ
リゴマーとの相溶性が低下し、同じく加工性を改良でき
ない。
製「セイカボンド5328、重量平均分子量40,00
0」、同製「セイカボンド5325、重量平均分子量5
0,000」等が例示される。
とポリウレタン樹脂の混合比は、ウレタン(メタ)アク
リレートオリゴマー90重量%〜70重量%に対して、
ポリウレタン樹脂を10重量%〜30重量%とするとよ
い。
が90重量%より多いと、得られる可橈性、展性が不充
分であり、Vカット加工やラッピング加工等の曲加工、
及びエンボス加工に際して硬化型樹脂層に対して加工性
を改良できず、また、ポリウレタン樹脂が30重量%よ
り多いと、耐擦傷性、耐汚染性、耐薬品性や耐溶剤性に
劣るものとなる。
より耐擦傷性とすることを目的として、α−アルミナ、
シリカ、酸化クロム、酸化鉄、ダイヤモンド等の無機粒
子、及び架橋アクリル等の合成樹脂ビーズ等の有機樹脂
粒子等の平均粒径5μm〜30μm程度の粉末を添加す
るとよい。添加量としては、硬化型樹脂層中に5重量%
〜30重量%である。これら粉末の粒子形状としては各
種形状のものが用いられるが、特に球乃至はこれに類似
した形状のものを用いると、耐擦傷性が良好な上、塗工
適性もよく、手触り感も粗くなく好ましい。
量が1.1ml/g以上のシリカ粒子を使用するとよ
く、塗工時速やかな頭出しを可能とし、艶消し等の意匠
性や耐擦傷性に優れた化粧シートとすることができる。
シリカ粒子としては、上述したように、平均粒径5μm
〜30μm程度の粒子とするとよいが、硬化型樹脂層厚
の25%〜100%、好ましくは40%〜80%の平均
粒径のものとするとよい。
100%より大きいと、良好な手触り感や高意匠のマッ
ト感がでなく、また、シートの擦傷時にマット剤が樹脂
層から脱離しやすくなり結果的に耐擦傷性のある化粧シ
ートとはできないという問題があり、また、25%より
小さい場合にも良好なマット感が得られず、添加量を増
やすことでマット感が得られるものの、曲げ加工性に優
れた化粧シートが得られないといった問題がある。
に5重量%〜30重量%、好ましくは7重量%〜20重
量%とするとよい。30重量%より多いと、樹脂の凝集
力(マット剤保持力)がなくなり、曲げ加工性がなくな
るばかりでなく、耐擦傷性を有する化粧シートとはでき
ないという問題があり、また、添加量が5重量%より少
ないと、曲げ加工性はあるとしても耐擦傷性のある化粧
シートとはできないという問題がある。
上を目的として滑剤を添加してもよい。滑剤としては粒
子状のものが好ましく、ポリエチレンワックス、4弗化
エチレン樹脂粉末、金属石鹸、プラスチックビーズ、シ
リコンオイル等が例示される。樹脂との相溶性、塗工時
に使用する溶剤の溶解性、耐擦傷性効果、加工適性(粘
着セロテープ密着性)、また滑り性の点からポリエチレ
ンワックスが好ましい。このような滑剤は、上述したシ
リカ粒子が樹脂層から頭出しすることによりマット感が
得られると同様に滑剤にあっても同様に樹脂層から頭出
しすることによりその効果を発揮する。
均粒径5μm〜30μm程度の粒子とするとよいが、硬
化型樹脂層厚の25%〜100%、好ましくは40%〜
80%の平均粒径のものとするとよい。
1重量%〜10重量%、好ましくは3重量%〜7重量%
とするとよい。10重量%より多いと、樹脂の凝集力
(マット剤保持力)がなくなり、曲げ加工性がなくなる
ばかりでなく、耐擦傷性を有する化粧シートとはできな
いという問題があり、また、添加量が1重量%より少な
いと、曲げ加工性はあるとしても耐擦傷性のある化粧シ
ートとはできないという問題がある。
リカ粒子と同程度の粒径を有する滑剤粒子を使用すると
よい。滑剤粒子の粒径がシリカ粒子より大きい場合に
は、樹脂層からの滑剤粒子の脱離が生じ、また、小さい
場合には、シリカ粒子の頭出しに比して滑剤粒子の頭出
しが小さく、その効果が得られない。樹脂中に含まれる
シリカと滑剤の合計添加量は6重量%〜30重量%、好
ましくは10重量%〜25重量%とするとよく、これに
より曲げ加工性に優れる化粧シートとできる。また、硬
化型樹脂層に、より耐候性を付与するために、紫外線吸
収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては次の
(1)〜(5)のようなものが使用できる。 (1)ベンゾフェノン系;2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸。 (2)ベンゾトリアゾール系;2−(2′−ヒドロキシ
−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−3′,5′−ジクミルフェニル)フェニル
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−
ドデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2,2′−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)−フェノール〕。 (3)アクリレート系;エチル−2−シアノ−3,3′
−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−
シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート。 (4)サリシレート系;フェニルサリシレート、4−t
−ブチルフェニルサリシレート。 (5)オキザニリド系;2−エトキシ−2′−エチルオ
キザリックアシドビスアニリド、2−エトキシン−5−
t−ブチル−2′−エチルオキザリックアシドビスアニ
リド。
樹脂分に対して好ましくは0.1重量%〜6重量%であ
る。少ないと添加効果がなく、多くても効果の向上が見
られない。
ードアミン系の光安定剤( Hindered Amine Light Sta
bilizer 、HALS)として次のような化合物が挙げら
れる。ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル,2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ート、〔コハク酸ジメル−1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン〕縮合物、ポリ{〔6−1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)イミノ〕−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジイル〔(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノー
ル〕}。
し、好ましくは0.1重量%〜4重量%であり、少ない
と添加効果がなく、多くても効果の向上は見られない。
で添加しても効果があるが、併用した方が理由は定かで
はないが相乗的に効果が向上するので好ましい。
だけでは、使用中のブリードが避けがたいために、上記
のヒンダードアミン系の光安定剤に代えて、4−(メ
タ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,
2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メ
タ)アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、又は4−(メタ)アクリ
ロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン等の(メタ)アクリロイルオキシ基を持
つ化合物、もしくは4−クロトノイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、または4−クロトノ
イルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン等のクロトノイルオキシ基を持つ化合物
をグラフト共重合させた樹脂を使用して、ブリードを防
止することが望ましい。
照射して硬化させるとよい。紫外線又は可視光線にて硬
化させる場合には、硬化型樹脂中に光重合開始剤を添加
するとよく、例えば光重合開始剤としてアセトフェノン
類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用
いることができる。光重合開始剤の添加量としては、硬
化型樹脂に対して、0.1重量%〜10重量%とすると
よい。
やラッピング加工に際しての硬化型樹脂層の滑りを良く
するために、滑剤を添加してもよく、ポリエチレンワッ
クス、4弗化エチレン樹脂粉末、金属石鹸類、プラスチ
ックビーズ、シリコーンオイル等が例示される。滑剤の
添加量としては、硬化型樹脂に対して、0.5重量%〜
5重量%とするとよい。
タン(メタ)アクリレートオリゴマーとポリウレタン樹
脂とを、共通溶媒である酢酸エチル、酢酸ブチル、トル
エン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール等
に溶解し、樹脂濃度50重量%〜70重量%の塗布液と
し、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター
等を使用し、乾燥後膜厚10μm〜50μm程度に塗布
形成される。膜厚としては、50μm以上としてもよい
が、10μmより薄いと表面保護塗膜としての耐久性が
低下する。
トオリゴマーとポリウレタン樹脂は互いに相溶性とする
ことにより、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
によっては、その硬化により3次元架橋構造とすること
ができるので、その3次元架橋構造中にポリウレタン樹
脂分子が交叉し、包摂される構造となり、硬化型樹脂の
硬化物層として、Vカット工法等の曲加工及びエンボス
加工の際の亀裂等の防止性と、耐擦傷性や耐汚染性を共
に満たすものとできる。
離放射線を照射して硬化される。加熱による硬化は、硬
化型樹脂中にベンゾイルパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド等の有機過酸化物を1重量%〜5
重量%添加し、塗膜形成後、不活性雰囲気中で100℃
〜150℃にして2分〜5分加熱することにより得られ
る。
ち分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有する
ものを意味し、可視光、紫外線(UV)又は電子線(E
B)等が挙げられる。電離放射線硬化型樹脂の硬化物層
には、図1に示すように、必要に応じて、下記のごとく
エンボス加工により凹凸模様7が施される。凹凸模様7
は、電離放射線硬化型樹脂の硬化物層の膜厚にもよる
が、深さ5μm〜60μmとされる。また、凹凸模様7
内には着色インキを充填するためのワイピング加工を施
してもよい。
シート温度120℃〜160℃にて凸版を電離放射線硬
化型樹脂の硬化物層面に10kg/cm2 〜40kg/
cm 2 の圧力で加圧し、凸版パターンを転写し、建材用
化粧シート表面に凹凸模様7を形成することができる。
なお、電離放射線硬化型樹脂層を硬化させる前に木目導
管を模した凸版により凹凸模様を付しても良い。例えば
特公昭63−50066号公報、特開平7−32476
号公報等に開示されている如き方法を用い、電離放射線
硬化型樹脂の未硬化液状物をロール凹版の少なくとも凹
部に充填させると共に該熱可塑性樹脂基材シートとを重
ね、電離放射線を照射して該樹脂を硬化させた後、基材
シートとロール凹版とを剥離し、基材シート上に凹凸模
様の電離放射線硬化型樹脂の硬化物層を転写することよ
り行うこともできる。ワイピング加工は、特公昭58−
14312号公報等で公知の方法であり、凹凸模様上に
着色インキを塗布した後、ワイピング処理し、凹凸模様
の凹部内に着色インキを充填することにより行う。
工方法として、電離放射線硬化型樹脂の未硬化液状物を
ロール凹版の少なくとも凹部に充填させると共に該熱可
塑性樹脂基材シートとを重ね、電離放射線を照射して該
樹脂を半硬化させた後、基材シートとロール凹版とを剥
離し、基材シート上に凹凸模様の電離放射線硬化型樹脂
層を転写し、さらに、半硬化状態の凹凸模様上に着色イ
ンキを塗布した後、ワイピング処理し、凹凸模様の凹部
内に着色インキを充填し、半硬化状態の凹凸模様に電離
放射線を再度照射して電離放射線硬化型樹脂を完全に硬
化させてもよい。
着色インキによる模様は、上述した熱可塑性樹脂基材シ
ート自体の凹凸模様やベタインキ層3a、絵柄インキ層
3bと位置合わせされて重ねられることにより、深みの
ある模様とすることができる。
材用化粧シートが適用される被着体への接着を目的とす
る接着剤層6を設けるとよい。被着体が木質の場合には
接着用剤層6としては、−OH基を有する塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体系、ウレタン系を使用するとよい。
この裏面プライマー層を設ける場合には、熱可塑性樹脂
基材シートがオレフィン等の接着性の低い素材の場合
で、使用する接着剤との密着性を上げるために設けられ
る。また、被着体がプラスチックの場合には、被着体が
成形されるときの予熱又は後加熱を利用して接着しても
よい。この場合にはホットメルト系接着剤が好ましい。
なお、被着体に建材用化粧シート自体が熱融着等で接着
可能な場合には接着剤層6は省略してもよい。
に示すような凹凸形状の被着体20へのラッピング加工
や、図3及び図4に示す被着体21のごとくVカット加
工される場合に適する。図2にあっては、凹凸立体物2
0に紙面垂直方向から建材用化粧シート10をラッピン
グ加工して得られるもので、また、図3は、建材用化粧
シート10を接着剤層6を介して被着体21に貼り合わ
せたものの断面図を示し、該被着体21にはV字状溝2
2が切削されている状態を示している。図4は、図3の
貼り合わせ体を被着体21のV字状溝22において折り
曲げ加工した状態を示す。
ン、チーク、メラピー等の各種樹木からなる木材単板、
木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD
F)、木質繊維板、集成材等の木質材、鉄、アルミニウ
ム等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポリ
エステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、フ
ェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴ
ム等の樹脂等からなる平板、曲面板等の板材、シート
(或いはフィルム)、或いは各種立体形状物品(成形
品)が対象となり、その他被着体として専ら板材、或い
は立体形状物品として用いられる素材としては、ガラ
ス、陶磁器等のセラミックス、ALC(発砲軽量コンク
リート)等のセメント、硅酸カルシウム、石膏等の被セ
メント窯業系材料が挙げられ、被着体として専らシート
(或いはフィルム)として用いられる素材としては、上
質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、ガ
ラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等が挙
げられる。本発明の建材用化粧シートは各種被着体に積
層し、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いるこ
とができる。例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、
窓枠、扉枠、扉、手摺等の建具の表面化粧、箪笥等の家
具又はテレビジョン受像機等の弱電・OA機器のキャビ
ネットの表面化粧、自動車、電車等の車両の内装、航空
機の内装、窓硝子の化粧等に利用できる。
接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧し
て積層する方法、特公昭50−19132号公報、特公
昭43−27488号公報等に記載されるように、建材
用化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入して、両
金型を閉じ、雄型のゲートから溶融樹脂を射出充填した
後、冷却して樹脂成形品の成形と同時にその表面に建材
用化粧シートを接着積層する、いわゆる射出成形同時ラ
ミネート法、特公昭56−45768号公報、特公昭6
0−58014号公報等に記載されるように、建材用化
粧シートを成形品の表面に接着剤を介して対向なしいは
載置し、成形品側からの真空吸引による圧力差により建
材用化粧シートを成形品表面に積層する、いわゆる真空
プレス積層方法、特公昭61−5895号公報、特公平
3−2666号公報等に記載されるように、円柱、多角
柱等の柱状基材の長軸方向に、建材用化粧シートを間に
接着剤層を介して供給しつつ、多数の向きの異なるロー
ラーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次建材用
化粧シートを加圧接着して積層してゆく、所謂ラッピン
グ加工方法、実公大15−31122号公報、特開昭4
8−47972号公報等に記載されるように、先ず建材
用化粧シートを板状基材に接着剤層を介して積層し、次
いで板状基材の建材用化粧シートとは反対側の面に、建
材用化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面が
V字状、またはU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着
剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ、箱体又は柱状体を
成形する所謂Vカット又はUカット加工方法(図3、図
4参照)等が挙げられる。以下、本発明の実施例につい
て詳細に説明する。
リプロピレン樹脂にエラストマーを添加した熱可塑性樹
脂基材シート(三菱化学MKV(株)製「PB00
6」、膜厚80μm)を使用した。 (プライマー層)熱可塑性樹脂基材シートの表面をコロ
ナ放電処理し、その処理面に、ウレタン樹脂系プライマ
ー{(株)昭和インク工業所製「AFS」}100重量
部にキシリレンジイソシアネート(XDI)/ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HDI)=9/1(重量比)
のブレンド品を5重量部添加してプライマー層形成用イ
ンキとし、グラビアコーターを使用して乾燥後3g/m
2 で塗布し、硬化させた。 (ベタインキ層)得られたプライマー層表面に、ベタイ
ンキ層として、アクリル・ウレタン樹脂系インキ
{(株)昭和インク工業所製「TMK」}100重量部
にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を8重量
部、更に顔料を添加してベタインキ層形成用インキと
し、グラビアコーターにより乾燥後3g/m2 で塗布形
成し、硬化させた。 (絵柄インキ層)ベタインキ層表面に、アクリル・ウレ
タン樹脂系インキ{(株)昭和インク工業所製「TM
K」}を使用し、グラビア印刷により木目模様を印刷し
た。 (電離放射線硬化型樹脂層) (ウレタンアクリレートオリゴマー(A)の合成)攪拌
機、温度調節装置、凝縮装置を備えた反応容器に、ポリ
エステルジオール(エチレングリコールとアジピン酸と
からなるポリエステルジオール、旭電化工業(株)製
「アデカニューエースF15−20、重量平均分子量
1,000」)1000重量部、イソホロンジイソシア
ネート444重量部を仕込み、75℃にて10時間反応
させ、次いで反応液を35℃に冷却し、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート400重量部、メトキノン0.5重
量部、ジラウリン酸ジブチル錫0.2重量部を仕込み、
75〜85℃にて反応を行った。遊離イソシアネート基
が0.1%以下になるまで反応させ、分子量1700の
ウレタンアクリレートオリゴマー(A)を得た。
可塑性樹脂基材シートにおける印刷面にバーコーターを
使用して塗布し、温風ドライヤーで約20秒間乾燥処理
し、膜厚20μmの塗布膜を形成した。
ロカーテンCB250/15/180L、岩崎電気
(株)製)を使用し、180kev、5Mrad、酸素
濃度300ppm以下の条件で電子線を照射し、硬化さ
せ、電離放射線硬化型樹脂層を形成し、建材用化粧シー
トを作製した。 (実施例2)実施例1における電離放射線硬化型樹脂層
の形成用塗布液を、下記の組成 ・ ウレタンアクリレートオリゴマー(A) ・・・ 80重量部 ・ ポリウレタン樹脂(ポリエステルジオールと脂肪族ジイソシアネートとの 反応物を繰り返し単位とする重量平均分子量40,000のポリウレタン樹脂、 大日精化工業(株)製「セイカボンド5328」) ・・・ 20重量部 ・ シリカ(富士シリシア(株)製「サイリシア450」)・10重量部 ・ 酢酸エチル ・・・ 100重量部 に代えた以外は、実施例1と同様にして建材用化粧シー
トを作製した。 (実施例3)実施例1における電離放射線硬化型樹脂層
の形成用塗布液を、下記の組成 ・ ウレタンアクリレートオリゴマー(A) ・・・ 70重量部 ・ ポリウレタン樹脂(ポリエステルジオールと脂肪族ジイソシアネートとの 反応物を繰り返し単位とする重量平均分子量40,000のポリウレタン樹脂、 大日精化工業(株)製「セイカボンド5328」) ・・・ 30重量部 ・ シリカ(富士シリシア(株)製「サイリシア450」)・10重量部 ・ 酢酸エチル ・・・ 100重量部 に代えた以外は、実施例1と同様にして建材用化粧シー
トを作製した。 (実施例4)実施例1におけるウレタンアクリレートオ
リゴマー(A)に代えて、下記のウレタンアクリレート
オリゴマー(B)合成した。
の合成)実施例1に記載のウレタンアクリレートオリゴ
マー(A)の合成と同一の反応容器に、ポリエステルジ
オール(1,4−ブタンジオールとアジピン酸とからな
るポリエステルジオール、旭電化工業(株)製「アデカ
ニューエースF9−30、重量平均分子量2,00
0」)2000重量部、イソホロンジイソシアネート4
44重量部を仕込み、75℃にて10時間反応させ、次
いで反応液を35℃に冷却し、2−ヒドロキシエチルア
クリレート400重量部、メトキノン0.5重量部、ジ
ラウリン酸ジブチル錫0.2重量部を仕込み、75〜8
5℃にて反応を行った。遊離イソシアネート基が0.1
%以下になるまで反応させ、分子量2700のウレタン
アクリレートオリゴマー(B)を得た。
の形成用塗布液を、下記の組成 ・ ウレタンアクリレートオリゴマー(B) ・・・ 80重量部 ・ ポリウレタン樹脂(ポリエステルジオールと脂肪族ジイソシアネートとの 反応物を繰り返し単位とする重量平均分子量40,000のポリウレタン樹脂、 大日精化工業(株)製「セイカボンド5328」) ・・・ 20重量部 ・ シリカ(富士シリシア(株)製「サイリシア450」)・10重量部 ・ 酢酸エチル ・・・ 100重量部 に代えた以外は、実施例1と同様にして建材用化粧シー
トを作製した。 (実施例5) (熱可塑性樹脂基材シート)ポリプロピレン樹脂にエラ
ストマーを添加した熱可塑性樹脂基材シート(三菱化学
MKV(株)製「PB010」、膜厚80μm)を使用
した。プライマー層、ベタインキ層、絵柄インキ層を、
実施例1と同様にして形成した。 (電離放射線硬化型樹脂層)実施例1で合成したウレタ
ンアクリレートオリゴマー(A)、ポリウレタン樹脂を
使用した。
可塑性樹脂基材シートにおける印刷面にバーコーターを
使用して塗布し、温風ドライヤーで約20秒間乾燥処理
し、膜厚20μmの塗布膜を形成した。
ロカーテンCB250/15/180L、岩崎電気
(株)製)を使用し、180kev、5Mrad、酸素
濃度300ppm以下の条件で電子線を照射し、硬化さ
せ、電離放射線硬化型樹脂層を形成し、建材用化粧シー
トを作製した。
チールウール(#00000)にて約5Kg/m2 の圧
力でラビングを20往復行っても、化粧表面に艶変の変
化が生じなかった。
外線ヒーターを用いて、130℃に加熱し、輪転式のエ
ンボス機で木目版導管溝の凹凸形状を施し、エンボス加
工された建材用化粧シートを作製した。凹凸導管版の高
さは最大40μmのもの、導管部でないエンボス部(梨
地部)は平均粒径50μmのもの(凹凸は5μm)を用
いた。 (比較例1)実施例1における電離放射線硬化型樹脂層
の形成用塗布液を、下記の組成 ・ ウレタンアクリレートオリゴマー(A) ・・・ 100重量部 ・ シリカ(富士シリシア(株)製「サイリシア450」)・10重量部 ・ 酢酸エチル ・・・ 100重量部 に代えた以外は、実施例1と同様にして建材用化粧シー
トを作製した。 (比較例2)実施例1における電離放射線硬化型樹脂層
の形成用塗布液を、下記の組成 ・ ウレタンアクリレートオリゴマー(A) ・・・ 50重量部 ・ ポリウレタン樹脂(ポリエステルジオールと脂肪族ジイソシアネートとの 反応物を繰り返し単位とする重量平均分子量40,000のポリウレタン樹脂、 大日精化工業(株)製「セイカボンド5328」) ・・・ 50重量部 ・ シリカ(富士シリシア(株)製「サイリシア450」)・10重量部 ・ 酢酸エチル ・・・ 100重量部 に代えた以外は、実施例1と同様にして建材用化粧シー
トを作製した。 (比較例3)実施例1における電離放射線硬化型樹脂層
の形成用塗布液を、下記の組成 ・ ポリウレタン樹脂(ポリエステルジオールと脂肪族ジイソシアネートとの 反応物を繰り返し単位とする重量平均分子量40,000のポリウレタン樹脂、 大日精化工業(株)製「セイカボンド5328」) ・・・ 100重量部 ・ シリカ(富士シリシア(株)製「サイリシア450」)・10重量部 ・ 酢酸エチル ・・・ 100重量部 に代えた以外は、実施例1と同様にして建材用化粧シー
トを作製した。
建材用化粧シートについて、以下の評価試験を実施し
た。 (耐折り曲げ性)25℃の恒温槽中に30分放置した
後、基材シート側に180°急激に折り曲げ、電離放射
線硬化型樹脂層における折り曲げ部の外観を目視により
評価し、変化なしを○、白化または軽微な割れありを
△、割れが生じたものを×とした。 (耐汚染性)黒マジックインキで電離放射線硬化型樹脂
層面に線描きし、6時間放置後、石油ベンジンにより拭
き取り、線描き跡を目視評価し、跡が残っていないもの
を○、跡がわずかに残るものを△、跡が残ったものを×
とした。 (耐薬品性)電離放射線硬化型樹脂層面に、5%石炭酸
水溶液を滴下した後、時計皿で被覆し、6時間後に水を
含ませた布で拭き取り、滴下跡の塗膜の状況(剥離、ふ
くれ、艶引け等)を目視評価した。 (耐溶剤性)電離放射線硬化型樹脂層面をメチルエチル
ケトンを十分に含ませた脱脂綿で往復20回ラビング
し、塗膜の状況(剥離、ふくれ、艶引け等)を目視評価
した。
膜を電離放射線硬化型樹脂層とするものであって、Vカ
ット加工やラッピング加工等の曲加工やエンボス加工に
際しての加工性に優れ、白化や割れ等がなく、耐擦傷性
に優れると共に、耐汚染性、耐薬品性、耐溶剤性に優れ
るものである。
を示す。
ートを接着した状態を示す。
用化粧シートを適用する説明図を示し、建材用化粧シー
トを接着剤層を介してV字状溝が切削されている被着体
に貼り合わせたものの断面図を示す。
用化粧シートを適用する説明図を示し、V字状溝におい
て折り曲げ加工した状態を示す。
インキ層、3a…ベタインキ層、3b…絵柄インキ層、
5…電離放射線硬化型樹脂層、6…接着剤層、7…凹凸
模様、10…建材用化粧シート、20,21…被着体、
22…V字状溝
Claims (6)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂基材シート上に硬化型樹脂
層が形成された建材用化粧シートにおいて、該硬化型樹
脂層が重量平均分子量1,000〜4,000のウレタ
ン(メタ)アクリレートオリゴマー90重量%〜70重
量%と重量平均分子量30,000〜60,000のポ
リウレタン樹脂10重量%〜30重量%からなる相溶混
合物の硬化物層であることを特徴とする建材用化粧シー
ト。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂基材シートが、ポリオレフ
ィン樹脂基材シートであることを特徴とする請求項1記
載の建材用化粧シート。 - 【請求項3】 硬化型樹脂層が、電離放射線硬化型樹脂
層であることを特徴とする請求項1記載の建材用化粧シ
ート。 - 【請求項4】 ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマ
ーが、アルキレングリコールとアジピン酸とから形成さ
れる重量平均分子量500〜2,000のポリエステル
ポリオールとイソホロンジイソシアネートと(メタ)ア
クリレート成分との重付加反応生成物であり、重量平均
分子量が1,000〜3,000のものであることを特
徴とする請求項1記載の建材用化粧シート。 - 【請求項5】 硬化物層が、ウレタン(メタ)アクリレ
ートオリゴマー由来の3次元架橋構造中にポリウレタン
樹脂分子が交叉した構造を有することを特徴とする請求
項1記載の建材用化粧シート。 - 【請求項6】 硬化型樹脂層が、アクリル樹脂とポリウ
レタン樹脂からなるインキ層を介してポリオレフィン樹
脂基材シート上に形成されることを特徴とする請求項2
記載の建材用化粧シート。
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