JP2014090124A - 太陽電池モジュール用裏面保護シート - Google Patents

太陽電池モジュール用裏面保護シート Download PDF

Info

Publication number
JP2014090124A
JP2014090124A JP2012240343A JP2012240343A JP2014090124A JP 2014090124 A JP2014090124 A JP 2014090124A JP 2012240343 A JP2012240343 A JP 2012240343A JP 2012240343 A JP2012240343 A JP 2012240343A JP 2014090124 A JP2014090124 A JP 2014090124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wax
solar cell
back surface
film
ultraviolet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012240343A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Noura
崇太 能浦
Yuuka Ashida
ゆう佳 芦田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Advanced Film Co Ltd
Original Assignee
Toray Advanced Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Advanced Film Co Ltd filed Critical Toray Advanced Film Co Ltd
Priority to JP2012240343A priority Critical patent/JP2014090124A/ja
Publication of JP2014090124A publication Critical patent/JP2014090124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】紫外線保護層の傷つき、剥がれを防止し、耐光性の良好な太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供する。
【解決手段】少なくともポリエステルフィルムと紫外線保護層とからなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、紫外線保護層が炭化水素系ワックスを0.5〜10重量%含むものであることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池モジュール用裏面保護シートに関するものである。
太陽光発電は、無尽蔵で無公害の新たなエネルギー源として実用化されつつあり、このための太陽電池モジュールとしては表面保護シート、接着性樹脂層、太陽電池、接着性樹脂層、裏面保護シートを積層し、一体化したものが広く知られている。
裏面保護シートは、直接太陽光にさらされることは無いものの、設置方法によっては回り込みや照り返しによる太陽光が当たるため、裏面保護シートに耐光性を付与することは重要である。
従来から用いられている裏面保護シートとしては、白色のポリフッ化ビニルフィルム(デュポン(株)“テドラー”(登録商標))が例示でき、該フィルムでポリエステルフィルムを挟んだ積層構成の裏面保護シートは当該用途で幅広く用いられている。ポリフッ化ビニルフィルムは耐光性に優れるが、高価であり太陽電池モジュールの低価格化の点では障害となる。またフッ素を含有しているため廃棄コストが高い問題を有する。
近年、ポリエステル等の基材フィルムに紫外線保護層を積層した裏面保護シートが提案されている。紫外線保護層で背面からの光の侵入を遮断する構成であり、基材に汎用性がありコストも安くできることから生産数量が増えている。(特許文献1)
ところで紫外線保護層を設ける構成の場合、モジュール生産や組み立て、取り付け時に紫外線保護層が傷つけられ、部分的に剥がれることがある。また、裏面保護シートには生産中に仮留めテープが貼られたり、電極コードを固定するためのテープが貼られることがあるが、これらを剥がす際に紫外線保護層が剥がれてしまうという問題があった。
国際公開第2010/067780号
本発明が解決しようとする課題は、紫外線保護層の傷つき、剥がれを防止し、耐光性の良好な太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る太陽電池モジュール用裏面保護シートは、少なくともポリエステルフィルムと紫外線保護層とからなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該紫外線保護層が炭化水素系ワックスを0.5〜10重量%含むものであることを特徴とするものからなる。
本発明によれば、紫外線保護層の傷つき、剥がれを防止し、耐光性の良好な太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、少なくともポリエステルフィルムと紫外線保護層とからなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該紫外線保護層が炭化水素系ワックスを0.5〜10重量%含むものであることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートである。以下、各構成要件について説明を行う。
[ポリエステルフィルム]
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおけるポリエステルフィルムのポリエステルとは、多価カルボン酸とポリアルコールの縮重合体の総称であって、一般的にはジカルボン酸とジオールの縮重合により得られた、主鎖中にエステル結合を有する樹脂であって、例えば、テレフタル酸とジエンチレグリコールからなるポリエチレンテレフタレート(PET)や2,6−ナフタレンジカルボン酸とジエチレングリコールからなるポリエチレンナフタレート(PEN)などが代表的なものとして挙げられる。また、ポリエステル樹脂は共重合体であっても良く、共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体のジカルボン酸成分などを使用することができる。
太陽電池モジュール用裏面保護シートは外気に直接さらされる最外層に用いられるものであることから、上記ポリエステルフィルムは、耐加水分解性に優れるポリエステルフィルムであることが好ましい。ところでポリエステル樹脂フィルムには、通常、オリゴマーと呼ばれる低重合量の重合体が1.5〜2重量%含まれている。ポリエステル樹脂のオリゴマーの代表的なものは環状三量体であり、その含有量が多いフィルムは屋外などの長期暴露において機械的強度の低下や、雨水等による加水分解の進行に伴う亀裂、材破などを生じる。これに対して固相重合法で重合して得られる環状三量体の含有量が1.0重量%以下のポリエステル樹脂を原料としてポリエステル樹脂フィルムを製膜することで、高温高湿度下での加水分解を抑制することが可能であり、さらに耐熱性及び耐候性にも優れたフィルムが得られる。上記環状三量体の含有量は、例えばポリマー100mgをオルトクロロフェノール2mlに溶解させた溶液を用いて、液体クロマトグラフィーにて測定することで樹脂重量に対する含有量(重量%)を測定する方法で求められる。
また、樹脂フィルムには、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色顔料等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加した樹脂フィルム等も用いることができる。
上記の樹脂フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが、裏面保護シートの耐電圧特性、コスト等を勘案すると、25〜300μmの範囲が好ましい。
[紫外線保護層]
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおける紫外線保護層は、本来の機能を果たすための紫外線吸収性に加え、耐候性、耐熱性、耐UV性、基材ポリエステルフィルムとの接着性等を考慮して選定される。
紫外線保護層とは、裏面保護シートの最外層に配設される層であって、太陽電池モジュールの裏面側に積層される裏面保護シートを、該モジュール裏面側からの紫外線の照射から保護するための機能を有し、ポリエステルフィルム上に塗布されて裏面保護シートに導入される。
紫外線保護層には上記機能達成のための構成に加え、意匠性を付与するためにその目的に応じた着色剤が添加されることがあり、さらに本発明の特徴である炭化水素系ワックスが添加される。
紫外線保護層は、紫外線吸収剤と、それを固定するためのバインダー樹脂とを含む。バインダー樹脂は、自らの光劣化を防ぐための光安定化剤と併用されることが長期に耐候性を保持できることから好ましい。光安定化剤を樹脂中に安定に保持するためにはバインダー樹脂に光安定化機能を有する基を導入することが好ましく、光安定化基を有するモノマーをバインダー樹脂に共重合することが好ましい。
またバインダー樹脂は、架橋構造をとることが長期耐候性の点から好ましく、架橋の基点となる水酸基を有するポリオール系バインダー樹脂とポリイソシアネート架橋剤からなる組成物を塗布過程で反応させて、ポリマー構造中に架橋構造を形成することが好ましい。
さらに、上記バインダー樹脂には、紫外線吸収能を有するモノマーを共重合して固定することが、単独で添加した場合には気散等でその機能が低下することに対して、やはり長期に安定して紫外線吸収能を発揮させるために好ましい。
紫外線吸収剤および光安定化剤を固定させる共重合モノマーとしては、アクリル系、スチレン系などのビニル系モノマーが汎用性が高く、経済的にも好ましい。かかる共重合モノマーのなかでも、スチレン系ビニルモノマーは芳香族環を有しているため、黄変しやすく、耐光性という点では、アクリル系ビニルモノマーとの共重合が最も好ましく使用される。従って、上記共重合モノマーを構成する1つの重合モノマー成分は、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸、不飽和炭化水素及びビニルエステルからなる群から選ばれた1つ以上の不飽和化合物であることが好ましい。
使用できる不飽和カルボン酸エステルとしてはメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
使用できる不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸等が挙げられる。
使用できるその他の単量体としては、ブタジエン、エチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。好ましいのは、不飽和カルボン酸エステルである。不飽和カルボン酸エステルのうちメチルメタクリレート、メチルアクリレートが汎用性、価格、対光安定性の観点から特に好ましい。
次に樹脂層の耐熱性向上を目的に導入する架橋構造の基点となる水酸基を導入するための重合モノマーについて説明する。アクリル樹脂に水酸基を与える目的で用いる重合モノマー成分としては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等の不飽和化合物の単量体が挙げられる。これらの水酸基を有する不飽和化合物は単独で、または2種類以上組み合わせて選択することができる。
前記樹脂と共重合させる紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が例示できる。具体的には、例えば、サリチル酸系のp−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、ベンゾトリアゾール系の2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、シアノアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)、その他として、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどやこれらの変性物、重合物、誘導体などが例示できる。
また、同様に前記樹脂と共重合させる光安定化剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定化剤が代表的なものである。具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル〕ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス[2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ]−4−ピペリジニル]エステルなどやこれらの変性物、重合物、誘導体などが例示できる。
また、このようなアクリル系骨格を有するポリマーにヒンダードアミン系光安定化基を有するポリマーを共重合したアクリル樹脂として、例えば、(株)日本触媒製“ハルスハイブリッド”(登録商標)、旭電化社製の“アデカスタブ”LA−82、LA−87などの反応型、ヘキスト・ジャパン社製の“ホスタビン”N−20、吉富ファインケミカル社製の“トミソープ”77などのモノマータイプ、ビーエーエスエフ・ジャパン社製のUvinal5050Hなどのオリゴマータイプなどを使用することができる。
本発明において用いる着色剤は、樹脂層を着色し、色調を長期に維持するために用いる。太陽電池モジュール用裏面保護シートは、光反射性及び意匠性の観点から白色のものが主流であるが、近年、発電素子間の隙間が白色に見える前記シートと比較して意匠性に優れるという理由で黒色のシートの需要も拡大している。また、これらの着色剤自体も特定の波長の光線を吸収および/または反射することから、着色することにより光線から紫外線保護層のバインダー樹脂を保護するという効果が得られる。
本発明に用いる着色剤としては、無機顔料、有機顔料等の各種着色顔料を使用できるが、長期にわたり屋外で使用される用途であることから、光安定性の高い無機顔料が好ましく用いられる。無機顔料では、入手容易性価格、発色性能、顔料そのものの紫外線吸収性から、白色顔料としては酸化チタンが、黒色顔料としてはカーボンブラックが好ましく用いられる。特に発色の観点から酸化チタンに関しては、その数平均粒子径は0.1〜1.0μmが好ましく、バインダー樹脂に対する分散性やコストの観点からより好ましくは0.2〜0.5μmである。同様にカーボンブラックに関しては、その数平均粒子径は0.01〜0.5μmが好ましく、分散性やコストの観点からより好ましくは0.02〜0.1μmである。
前記した着色顔料の配合量に関しては、発色させたい色調の設計に合わせて適宜調整すれば良い。ただし、顔料配合量が少なすぎる場合には意匠性に優れた色調外観が得られないこと、逆に配合量が多すぎる場合にはコストが高くなること、樹脂層の硬度が大幅に向上することによる基材との密着力不良を生じやすくなるなどの理由から、バインダー樹脂100質量部に対し1〜100質量部の範囲が好ましい。
紫外線保護層に炭化水素系ワックスを添加することで、易滑性が向上し爪や金属による傷が付き難くなる効果(耐傷性)を得ることができる。また、粘着テープ等の粘着剤との接着力が下がることで紫外線保護層が裏面保護シートから剥れ難くなる。
本発明に用いる炭化水素系ワックスとは、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックスや、フィッシャー・トロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスである。これらの中でも、易滑性(耐擦傷性)の発現効果、紫外線保護層の塗膜との相溶性が良好なことや、塗料組成物をフィルムにコーティングし巻き取る際にブロッキングが発生しにくいことや裏面に移りにくいことから、融点の高いフィッシャー・トロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスが好ましい。これらのワックス類は、おおむね炭素原子数20以上の物質である。
尚、前記の炭化水素系ワックス以外の後述するワックス類を本発明の効果を損なわない程度に併用しても良い。これらのワックスとしては、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックスおよびバークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウおよびセラックワックス等の動物系ワックス、ならびにモンタンワックス、オゾケライトおよびセレシンワックス等の鉱物系ワックスが挙げられる。
前記炭化水素系ワックスの添加量は、紫外線保護層の固形分中0.5〜10重量%であることが必要である。ワックス添加量が0.5重量%未満だと、耐傷性、耐剥がれ性の向上効果が得られず、また10重量%以上となると、紫外線保護層上にジャンクションボックスと呼ばれる電力や電気信号を中継するための端子を固定するための箱状の部品を接着する際の接着性が低下する問題が生じ、さらに添加量を増やすと樹脂の硬化が阻害されてコート層の強度が低下し、耐擦傷性、耐剥がれ性が低下する問題が生じる。
前記ワックスの平均粒径は、2〜20μmであることが好ましく、4〜10μmであることがより好ましい。更に、本発明の塗膜の厚さよりも大きくなるような平均粒径のワックスを選定することで、ワックス成分が塗膜の表層に露出することになり、耐傷性、耐剥がれ性を確実に発現させることが出来る。但し、ワックスの粒径が塗膜に比べて大きくなりすぎると、ワックスの塗膜への定着性が悪くなり、ワックスの剥離が発生しやすくなるため耐傷性、耐剥がれ性が悪くなる。ワックスが塗膜表面に露出している程度の指標として、紫外線保護層の面積あたりの重量および密度から導かれる見かけの厚さをAとし、マイクロメータ型の厚さ計で測定した厚さの実測値をBとした場合に、B/Aが1.1以上3以下であればワックスが適度に塗膜表面に露出している状態となる。B/Aが1.1未満だとワックスの露出が不足しているため耐傷性、耐剥がれ性の効果が得られない。またB/Aが3を超えるとワックス粒子の露出が大きすぎ、ワックス粒子が脱落しやすくなるため、耐傷性、耐剥がれ性が悪くなる問題が生じる。さらには、裏面保護シートを重ねた際、またはロール状に巻き取った際に、対向面にワックスが脱落して裏移りを発生させるという問題も生じやすい。
これらワックスは、裏面保護シートの製造プロセスにおいて巻き取られた際に表面側にワックスが転写すると、その後の工程に支障をきたすため、塗工後やラミネート後の巻き取りロール温度、およびラミネート後の接着剤のエージング温度を考慮すると、融点が85℃以上であることが好ましい。
本発明にかかる水酸基含有アクリル樹脂を含むコーティング液には、その特性を損なわない限りにおいて、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、強化剤、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、離型剤などを添加してもよい。
また、前記の通り、樹脂層の特性向上の目的でポリオール系バインダー樹脂中の水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤を硬化剤として配合しても良い。架橋剤を併用した場合には、ポリエステルフィルムと樹脂層との間の密着力の向上、あるいは架橋構造の導入に伴う紫外線保護層の耐熱性向上といった効果が得られる。特に、本発明における紫外線保護層が最外層に位置するように太陽電池モジュール用裏面保護シートの設計を行った場合には、太陽電池モジュールの製造工程、具体的にはガラスラミネート工程(セル充填工程)において、樹脂層が最大150℃程度の高温下で、長い場合には30分以上の熱処理に曝されるため、特に耐熱性が要求される。本発明においてバインダー樹脂の水酸基と反応し得る架橋剤の使用が好ましく、中でもポリイソシアネート系の硬化剤を使用し、ウレタン結合(架橋構造)の生成を促す処方が好ましい。架橋剤として用いるポリイソシアネート系架橋剤としては、芳香族系ポリイソシアネート、芳香脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネートおよび脂肪族系ポリイソシアネート等が例示でき、各々以下に示すジイソシアネート化合物を原料とするものである。
芳香族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−、2,4′−又は2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、および4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が例示される。
芳香脂肪族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)や、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が例示される。
脂環族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、および1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)等が例示される。
脂肪族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−、2,3−または1,3−ブチレンジイソシアネート、および2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示される。
ポリイソシアネートの原料としては、これらのジイソシアネートを複数種組み合わせて用いること、ビュウレット変性体(脂肪族系)、ヌレート変性体(脂環族系)などの変性体として用いることも可能である。中でもポリイソシアネートの原料としては、樹脂骨格中に紫外線域の光の吸収帯を有する芳香環を含有する樹脂は、紫外線照射に伴い黄変し易いことから、脂環族ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートを主成分とする硬化剤を用いることが好ましい。さらに、太陽電池モジュールの仕上げ工程で、太陽電池モジュール用裏面保護シートの最外層に付着した樹脂や汚れを拭き取るためにエタノールを用いることが多く、最外層に耐エタノール性が求められるが、脂環族ポリイソシアネートを主成分とする硬化剤を用いることで、脂肪族ポリイソシアネートより樹脂層の硬化が進み、耐エタノール性が向上するため、脂環族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。また、ポリオール系バインダー樹脂との架橋反応の易進行性、架橋度、耐熱性、耐紫外線性などの観点からヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート変性体が好ましい。
本発明における紫外線保護層を塗布法により形成するための塗液の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノールおよび水等を例示することができ、該塗液の性状としてはエマルジョン型および溶解型のいずれでも良い。
紫外線保護層を基材フィルム上に形成する方法は特に制限されるべきものではなく、公知のコーティング手法を用いることができる。コーティング手法としては、種々の方法を適用することができ、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。
本発明における紫外線保護層の厚さは0.5〜10μmが好ましく、さらに好ましくは1〜8μm、特に好ましくは1〜4μmである。この紫外線保護層を塗布方法により形成する場合、厚さが0.5μm未満であると、塗工時にはじきや膜切れといった現象を生じ易く、均一な塗膜を形成し難いために、基材ポリエステルフィルムに対する密着力、紫外線カット性、耐剥がれ性、耐傷性が十分に発現しない場合がある。一方、紫外線保護層の厚さが10μmを越えると、紫外線カット性能は十分発現するが、塗工方式に制約を生じる(厚膜塗布が可能な特異プロセス、装置制約)、生産コストが高くなる、搬送ロールへの塗膜粘着やそれに伴う塗膜の剥がれ等を生じ易くなるなどの点が懸念される。
[裏面保護シート]
本発明によって得られる太陽電池モジュール用裏面保護シートは、必要に応じ、フィルムの紫外線保護層と反対面に、白色フィルム、金属酸化物蒸着層を有するフィルム、太陽電池素子の封止材であるエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)との熱接着性を有するフィルムのうち、基材フィルムとは異なるフィルムを1つ以上積層することにより、各種要求特性を満たす太陽電池裏面保護シートを得ることができる。
白色フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ製“ルミラー”E20F、ポリフッ化ビニルフィルムであるデュポン社製“テドラー”PV2001、ポリフッ化ビニリデンフィルムであるアルケマ社製“カイナー”302−PGM−TRなどが例示できる。無機酸化物蒸着層を有するフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム基材上に酸化アルミニウムからなる金属酸化物蒸着層が形成されてなる東レフィルム加工(株)製“バリアロックス”1011HGが例示できる。EVAとの熱接着性を有するフィルムとしては、ポリオレフィンフィルムである東レフィルム加工(株)製ZK93K、4801、4806、B011Wなどが例示できる。白色フィルムを積層した場合には光反射性が付与され、金属酸化物蒸着層を有するフィルムを積層した場合には水蒸気遮断性が付与され、またオレフィンフィルム層をEVAに対向する側に積層した場合は、EVAとの熱接着性に優れたものとなる。また、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートに積層するフィルムは必ずしも1枚である必要はなく、付与したい特性に応じて、適宜各部材フィルムを組み合わせ、太陽電池モジュール用裏面保護シートを設計すれば良い。
また、太陽電池モジュール用裏面保護シートの構成中、本発明における紫外線保護層上を除く箇所であれば、いずれかの層に機能性付与を目的とする蒸着層、スパッタ層、ウェットコーティング層などが形成されていても良い。
フィルムを積層し、シート状に加工する手法としては、公知のドライラミネート法が利用できる。ドライラミネート法を用いた樹脂フィルムの貼り合わせには、ポリエーテルポリウレンタン系、ポリエステルポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエポキシ系樹脂などの主剤とポリイソシアネート系の硬化剤とを成分とする公知のドライラミネート用接着剤を用いることができる。ただし、これらの接着剤を用いて形成される接着剤層には、接着強度が長期間の屋外使用で劣化することに起因する剥離を生じないこと、外観の悪化や光線反射率の低下につながる黄変を生じないことなどが必要である。また、接着剤層の厚さとしては、好ましくは1〜5μmの範囲である。1μm未満であると十分な接着強度が得られ難い場合がある。一方、5μmを越えると接着剤塗工のスピードが上がらないこと、さらには接着剤使用量が増加することなどを理由に生産コストが上がるため、好ましくない。
接着剤層の材料としては、公知のドライラミネート用接着剤を使用することができる。一般にドライラミネート用接着剤は主剤および架橋剤の2つの成分を希釈溶媒で希釈して調合したものが用いられるが、架橋剤としては活性水酸基との反応性に富み、その反応速度及び初期密着力の発現が早いイソシアネート基含有オリゴマーを用いる処方が好ましい。これらの利点に加えて、基材フィルムとの接着強度が高く、さらにその接着強度の熱安定性、長期耐久性にも優れる接着性樹脂層を形成することができる。このイソシアネート基含有オリゴマーと組合せて用いる主剤樹脂としては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオール系などのウレタン系樹脂やエポキシ系樹脂を例示することができ、詳細な要求特性、加工条件適性に応じて、適宜選択して用いることができる。また、太陽電池モジュール用裏面保護シートの構成によっては、上記の接着剤層にもUV光が到達し、樹脂の光劣化を誘引することも考えられる。そのような観点から、接着剤層の形成に用いる樹脂としては芳香環を含有しない、あるいは含有量の少ない樹脂が好ましく、より具体的には脂肪族系樹脂あるいは脂環族系樹脂が好ましい。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートについて説明する。
<特性の測定方法および評価方法>
本発明で用いた特性の測定方法および評価方法は、下記のとおりである。
(1)塗布量の測定方法
紫外線保護層(コート層)の塗布量は、以下の方法で測定した。コート層形成後に500cmの面積に切り出し、その試験片の質量を(株)島津製作所製 ELECTRONIC BALANCE UW420Hを用いて、有効数字1mgで計量して質量W1とした。次に、その試験片から樹脂層をメチルエチルケトンに溶解させ、剥がし取り、ドライヤーで風を当ててメチルエチルケトンを蒸発させて除去した後に再び試験片の質量を測定し、質量W2とした。続いて下記式(1)に基づき、単位面積当たりの塗布量を算出した。この塗布量測定を3つの試験片について行い、その平均値を塗布量とした。
塗布量(g/m)=(W1−W2)×20 (1)
(2)見かけの厚さAの測定方法
上記(1)の塗布量(g/m)をW、紫外線保護層の密度(g/cm)をDとし、見かけ厚さA(μm)を下記の式(2)で算出した。密度測定のサンプルは、コート層を形成したフィルムから、セラミック製のスパチュラでコート層を掻き取り、約0.05gのコート層の粉体を得た。密度測定はJIS K7112の気体置換法の手法に則り、QUANTACHROME INSTRUMENTS社製ウルトラピクノメータ1000型を用いて測定した。容積0.25ccのナノセルを用い、使用ガスはヘリウムを用いた。
A(μm)=W/D (2)
(3)マイクロメータ厚さ計での厚さの実測値Bの測定方法
アンリツ社製電子マイクロメータK−402B(測定精度:0.1ミクロン、測定子:直径5mmの円柱状)を用いて厚さ測定を実施した。コート層形成後に約5cm角のサンプルを切り出し、中央部のB1を測定。その試験片から樹脂層をメチルエチルケトンに溶解させ、剥がし取り、ドライヤーで風を当ててメチルエチルケトンを蒸発させて除去した後に再び試験片の中央部の厚さB2を測定。厚さB1から厚さB2を引いた厚さをコート層の厚さとした。同様の測定を5回実施し、平均値をもって厚さの実測値B(μm)とした。
(4)炭化水素系ワックスの平均粒子径の測定方法
日機装株式会社製粒度分析計 マイクロトラックUPAを用いて測定した。
(5)鉛筆硬度試験による耐傷性の評価方法
JIS K5600−5−4の規格に準じ、新東科学株式会社製往復摩耗試験機“ヘイドン”30Sを用いて鉛筆硬度を測定した。
厚さ3mmのガラス上に紫外線保護層を設けたポリエステルフィルムを固定し、荷重200g、速度1mm/s、10mmの距離で試験した。鉛筆の芯によって生じる塗膜の取れた引っ掻きキズ状の欠点又は破壊による欠点を透過光を用いて肉眼で確認した。
5回測定を行い、欠点の入ったものが2回以下の場合を合格、3回以上の場合を不合格として、柔らかい鉛筆から徐々に硬い鉛筆で同様に測定を行い、最終的に合格となった最も硬い硬度をそのサンプルの鉛筆硬度評価結果とした。3H以上の固さを合格とした。
(6)クロスカット試験の評価方法
JIS K5400(1990年版)に記載の方法に基づいて、太陽電池モジュール用裏面保護シートの基材フィルムと紫外線保護層との間の密着力(塗膜密着力)について、クロスカット試験を実施し、下記の特性分類をした。使用テープはニチバン(株)製“セロテープ”(登録商標)No.405を用いた。
○ 100マス塗膜残存/100マス中
△ 81〜99マス塗膜残存/100マス中
× 80マス以下の塗膜残存/100マス中
(7)ジャンクションボックス接着用シリコーン樹脂との接着性の評価方法
紫外線保護層とジャンクションボックスを接着させるために使用される専用のシリコーン樹脂との密着力を以下の方法で評価した。太陽電池モジュール用裏面保護シートの紫外線保護層上に米ダウコーニング社製“Solar PV”804を、スペーサーを用いて厚さが0.2mmになるように塗布し、もう1枚の太陽電池モジュール用裏面保護シートを、紫外線保護層同士が向い合うように重ね、ゴムローラーで空気を抜くように押しつけて接着した。この接着サンプルを室温下、1週間放置し、乾燥させて作製したサンプルを試験片とした。この試験片から幅15mmの短冊状に測定用試験片を3本切り出し、JIS K6854に基づき、サンプルを上下それぞれ剥離角度90°で引きはがす、いわゆるT型ピールで接着強度測定を行った。測定は3本の短冊状試験片それぞれについて1回行い、得られた強度の平均値をシリコーン樹脂接着強度の値とした。接着強度が、8N/15mm以上のものを○、6〜8N/15mmのものを△、8N/15mm未満のものを×とし、△以上を使用可能と判定した。
(8)紫外線保護層のワックスの移行性の評価方法
紫外線保護層を形成した面を上にし、厚さ50μmのPET(東レ(株)製“ルミラー”T60)をその上に置き、その上に直径8cm、重さ500gの円柱状の金属製分銅を置く。この状態で50℃のオーブンで72時間放置し、PETフィルムの紫外線保護層と接していた面を反射光により目視観察してワックスの移行(裏移り)の有無を観察した。PETフィルム表面の光沢が変わらないものを○、光沢が低下し、油状またはワックスの脱落による粉状の汚れが見られるものを×、その間のものでわずかに移行が認められるが実用レベルのものを△とした。
(実施例1)
(紫外線保護層形成用塗料の調製)
表1に示すとおり、バインダー樹脂としてヒンダードアミン系光安定化基と、紫外線吸収能を有する基を固定したアクリルポリオール系樹脂である(株)日本触媒製“ハルスハイブリッド”UV−G301を17重量部、着色剤としてテイカ(株)製酸化チタンJR−709を30重量部、溶剤として酢酸エチル47重量部を一括混合し、ビーズミル機を用いて分散した。その後、炭化水素系ワックスとして平均粒子径6.6μm、融点98℃のサゾール社製フィッシャー・トロプッシュワックスSpray30を2重量部添加して主剤を調製した。更に、硬化剤として住化バイエルウレタン(株)製 HDIビュウレット型イソシアネート“スミジュール”N3200を2重量部混合し、実施例1の紫外線保護層形成用塗料を調製した。
(裏面保護シートの作成)
ポリエステルフィルムとして東レ(株)製の環状三量体の含有量が1重量%以下である耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルム “ルミラー”X10S(125μm)を準備した。この基材フィルムの一方の面に、バーコーターNo.12を用いて上述の紫外線保護層形成用塗料を塗布し、150℃で30秒間乾燥し、紫外線保護層を設けた。このようにして実施例1の太陽電池モジュール用裏面保護シートを製造した。紫外線保護層における炭化水素系ワックスの添加量は3.9重量%、B/Aは1.24であり、耐傷性、クロスカット試験結果、ジャンクションボックスの接着性は良好であり、ワックスの裏移りもなかった。
(実施例2)
炭化水素ワックスを平均粒子径6.8μm、融点104℃のMICRO POWDERS Inc.製フィッシャー・トロプッシュワックスMP−22XFに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の裏面保護シートを製造した。B/Aは1.28となった。耐傷性、クロスカット試験結果、ジャンクションボックスの接着性は良好であり、ワックスの裏移りもなかった。
(実施例3)
炭化水素ワックスを平均粒子径7.2μm、融点107℃のMICRO POWDERS Inc.製フィッシャー・トロプッシュワックスMP−28Cに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の裏面保護シートを製造した。B/Aは1.40となった。耐傷性、クロスカット試験結果、ジャンクションボックスの接着性は良好であり、ワックスの裏移りもなかった。
(実施例4)
炭化水素ワックスを平均粒子径8.9μm、融点70℃のTHE INTERNATIONAL GROUP,Inc.製マイクロクリスタリンワックス5714Aに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の裏面保護シートを製造した。B/Aは1.68となった。融点が70℃と若干低いため、ワックスの裏移りが少しあったが実用レベルであった。
(実施例5)
炭化水素ワックスを平均粒子径12μm、融点124℃のMICRO POWDERS Inc.製ポリエチレンワックスMPP−645Fに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の裏面保護シートを製造した。B/Aは2.44となった。耐傷性の評価で4Hと若干低めの評価となったが問題のないレベルであった。
(実施例6)
着色剤として、カーボンブラック(エボニックデグサジャパン(株)製 スペシャルブラックA) 12重量部を使用し、塗布量を3.1g/mにしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の裏面保護シートを製造した。B/Aは1.28となった。耐傷性、クロスカット試験結果、ジャンクションボックスの接着性は良好であり、ワックスの裏移りもなかった。
(実施例7)
炭化水素ワックスの配合量を5重量部にし、塗布量を3.8g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の裏面保護シートを製造した。紫外線保護層における炭化水素系ワックスの添加量は9.3重量%、B/Aは1.27であり、耐傷性、クロスカット試験結果、ジャンクションボックスの接着性は良好であり、ワックスの裏移りもなかった。
(実施例8)
炭化水素ワックスを平均粒子径25μm、融点124℃のMICRO POWDERS Inc.製ポリエチレンワックスMPP−1241に変更し、塗布量を6.5g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の裏面保護シートを製造した。B/Aは3.73であり、耐傷性の評価では3Hであり、クロスカット試験結果は△であったが実用上は問題のないレベルであった。
(実施例9)
塗布量を13.5g/mとした以外は実施例1と同様にして、実施例9の裏面保護シートを製造した。B/Aは1.03であり、耐傷性は4H、クロスカット試験結果は△であったが問題のないレベルであった。
(比較例1)
炭化水素ワックスの配合量を8重量部にし、塗布量を4.1g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の裏面保護シートを製造した。紫外線保護層における炭化水素系ワックスの添加量は14重量%であり、ジャンクションボックスの接着性が不十分なものとなった。
(比較例2)
炭化水素ワックスを平均粒子径8.9μm、融点70℃のTHE INTERNATIONAL GROUP,Inc.製マイクロクリスタリンワックス5714Aに変更し、配合量を13重量部にし、塗布量を4.4g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の裏面保護シートを製造した。紫外線保護層における炭化水素系ワックスの添加量は21重量%であり、ジャンクションボックスの接着性が不十分なものとなった。また、融点が70℃と低めなため、裏移りが発生した。
(比較例3)
炭化水素ワックスの配合量を0.1重量部にし、塗布量を4.7g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の裏面保護シートを製造した。紫外線保護層における炭化水素系ワックスの添加量は0.2重量%であり、耐傷性とクロスカット試験結果が不十分なものとなった。
(比較例4)
炭化水素ワックスの配合量を0.05重量部にし、塗布量を4.2g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の裏面保護シートを製造した。紫外線保護層における炭化水素系ワックスの添加量は0.1重量%であり、耐傷性とクロスカット試験結果が不十分なものとなった。
(比較例5)
炭化水素ワックスを平均粒子径25μm、融点124℃のMICRO POWDERS Inc.製ポリエチレンワックスMPP−1241とし、配合量を13重量部にしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例5の裏面保護シートを製造した。紫外線保護層における炭化水素系ワックスの添加量は21重量%であり、ジャンクションボックスの接着性が不十分であった。また、炭化水素系ワックスの脱落が原因で、耐傷性とクロスカット試験結果も不十分なものとなり、さらには裏移りも発生した。
Figure 2014090124
上記の各実施例と比較例の結果から明らかなように、本発明の手法によれば、耐傷性、耐剥がれ性に優れ、最外層で用いる場合に必要な端子ボックス接着用シリコーン樹脂との密着力にも優れた紫外線保護層を有する太陽電池裏面封止材用フィルムが得られる。
本発明の太陽電池裏面封止用シートは、耐傷性、耐剥がれ性に優れ、最外層で用いる場合に必要な端子ボックス接着用シリコーン樹脂との密着力にも優れ、太陽電池モジュールにおいて好適に用いられることから、本発明の太陽電池裏面封止用シートおよびそれを用いた太陽電池モジュールは有用である。

Claims (3)

  1. 少なくともポリエステルフィルムと紫外線保護層とからなる太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、該紫外線保護層が炭化水素系ワックスを0.5〜10重量%含むものであることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  2. 前記紫外線保護層が、少なくとも紫外線吸収剤と、該紫外線吸収剤を固定するバインダー樹脂と、光安定化剤とを含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  3. 前記紫外線保護層の面積あたりの重量および密度から導かれる見かけの厚さをAとし、マイクロメータ型の厚さ計で測定した厚さの実測値をBとした場合に、B/Aが1.1以上3以下である、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
JP2012240343A 2012-10-31 2012-10-31 太陽電池モジュール用裏面保護シート Pending JP2014090124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012240343A JP2014090124A (ja) 2012-10-31 2012-10-31 太陽電池モジュール用裏面保護シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012240343A JP2014090124A (ja) 2012-10-31 2012-10-31 太陽電池モジュール用裏面保護シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014090124A true JP2014090124A (ja) 2014-05-15

Family

ID=50791794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012240343A Pending JP2014090124A (ja) 2012-10-31 2012-10-31 太陽電池モジュール用裏面保護シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014090124A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023054672A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用裏面保護シートおよび太陽電池モジュール

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000127306A (ja) * 1998-08-20 2000-05-09 Dainippon Printing Co Ltd 建材用化粧シ―ト
JP2003321561A (ja) * 2002-03-01 2003-11-14 Teijin Dupont Films Japan Ltd 高透明易接着ポリエステルフィルム
JP2007332198A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Teijin Dupont Films Japan Ltd 太陽電池保護膜用易接着性フィルムおよびそれを用いた太陽電池保護膜
WO2010067780A1 (ja) * 2008-12-12 2010-06-17 東レ株式会社 太陽電池裏面封止材用フィルム、太陽電池裏面封止材および太陽電池モジュール

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000127306A (ja) * 1998-08-20 2000-05-09 Dainippon Printing Co Ltd 建材用化粧シ―ト
JP2003321561A (ja) * 2002-03-01 2003-11-14 Teijin Dupont Films Japan Ltd 高透明易接着ポリエステルフィルム
JP2007332198A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Teijin Dupont Films Japan Ltd 太陽電池保護膜用易接着性フィルムおよびそれを用いた太陽電池保護膜
WO2010067780A1 (ja) * 2008-12-12 2010-06-17 東レ株式会社 太陽電池裏面封止材用フィルム、太陽電池裏面封止材および太陽電池モジュール

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023054672A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用裏面保護シートおよび太陽電池モジュール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI499066B (zh) 太陽電池裏面封止材用薄膜、太陽電池裏面封止材及太陽電池模組
JP5655314B2 (ja) 太陽電池モジュール
JP5522362B2 (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート、及び太陽電池モジュール
JP5531748B2 (ja) 太陽電池裏面保護シートならびに太陽電池モジュール
JP5531749B2 (ja) 太陽電池裏面保護シートならびに太陽電池モジュール
US20140020758A1 (en) Adhesive for solar battery backsheet
JP2009200398A (ja) 太陽電池用裏面封止用シートおよびそれを用いた太陽電池モジュール
TW201241127A (en) Adhesive composition, laminated body, and solar battery module
WO2010061738A1 (ja) 太陽電池用裏面封止シート用フィルム
TW201239057A (en) Adhesive composition for laminating sheet and back protective sheet for solar cell
US20120227795A1 (en) Film for backside sealing sheet of solar cell
JP2011077320A (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート、及び太陽電池モジュール
JP2014015566A (ja) コーティング剤組成物および太陽電池用裏面保護シート
JP2013251427A (ja) 太陽電池モジュール裏面封止シート用フィルム
JP2014090124A (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート
JP2012129428A (ja) 太陽電池裏面保護シートならびに太陽電池モジュール
JP2012119364A (ja) 太陽電池裏面保護シートならびに太陽電池モジュール
JP6119258B2 (ja) 易接着剤組成物、積層ポリエステル樹脂フィルム及び太陽電池バックシート
JP5549620B2 (ja) 太陽電池裏面保護シートならびに太陽電池モジュール
JP2015008282A (ja) 太陽電池裏面保護シートおよびその製造方法、ならびに太陽電池モジュール
JP2016178266A (ja) 太陽電池裏面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュール
JP2014192341A (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート
WO2010106907A1 (ja) 太陽電池裏面封止材用フィルム、それを用いた太陽電池裏面封止材および太陽電池モジュール
JP2012129427A (ja) 太陽電池裏面保護シートならびに太陽電池モジュール
JP5546706B1 (ja) 太陽電池バックシート用接着剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151118

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160506