JP5549620B2 - 太陽電池裏面保護シートならびに太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池裏面保護シートならびに太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、耐候性樹脂層、接着剤層及びプラスチックフィルムが積層されてなる太陽電池裏面保護シートに関する。詳しくは、本発明は、安価で、耐擦傷性、長期耐湿熱性、長期屋外耐候性を有する太陽電池裏面保護シートに関する。さらに本発明は、前記太陽電池裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから環境汚染がなくクリーンなエネルギー源として太陽電池が注目され、有用なエネルギー資源としての太陽エネルギー利用の面から鋭意研究され実用化が進んでいる。
太陽電池素子には様々な形態があり、その代表的なものとして、結晶シリコン太陽電池素子、多結晶シリコン太陽電池素子、非晶質シリコン太陽電池素子、銅インジウムセレナイド太陽電池素子、化合物半導体太陽電池素子等が知られている。この中で薄膜結晶太陽電池素子、非晶質シリコン太陽電池素子、化合物半導体太陽電池素子は比較的低コストであり、また大面積化が可能であるため、各方面で活発に研究開発が行われている。またこれらの太陽電池素子の中でも、導体金属基板上にシリコンを積層し、更にその上に透明導電層を形成した非晶質シリコン太陽電池素子に代表される薄膜太陽電池素子は軽量であり、また耐衝撃性やフレキシブル性に富んでいるので、太陽電池における将来の形態として有望視されている。
太陽電池モジュールのうち、単純なものは、太陽電池素子の両面に充填剤、ガラス板を、順に積層した構成形態を呈する。ガラス板は、透明性、耐候性、耐擦傷性に優れることから、太陽の受光面側の封止シートとして、現在も一般的に用いられている。しかし、透明性を必要としない非受光面側においては、コストや安全性、加工性の面から、ガラス板以外の太陽電池裏面保護シート(以下裏面保護シート)が各社により開発され、ガラス板に置き換わりつつある。
裏面保護シートとしては、ポリエステルフィルム等の単層フィルムや、ポリエステルフィルム等に金属酸化物や非金属酸化物の蒸着層を設けたものや、ポリエステルフィルムやフッ素系フィルム、オレフィンフィルムやアルミニウム箔などのフィルムを積層した多層フィルムが挙げられる。
多層構成の裏面保護シートは、その多層構造により、さまざまな性能を付与することができる。例えば、ポリエステルフィルムを用いることで絶縁性を、アルミニウム箔を用いることで水蒸気バリア性を付与することができる(特許文献1〜3参照)。
どのような裏面保護シートを用いるかは、太陽電池モジュールが用いられる製品・用途によって、適宜選択され得る。
しかし、これらの裏面保護シートに用いられるポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂は、屋外耐候性が十分ではない為に、長期間使用した場合には太陽電池モジュールの出力が低下したり、太陽電池裏面保護シートの外観が損なわれたりするという問題があった。
一方、太陽電池裏面保護シートの最外層、即ち受光面から最も遠くに位置する層に、耐候性を有するフッ素フィルムを積層してなる太陽電池裏面保護シート(特許文献4、特許文献5)が知られている。
しかし、前記フッ素系樹脂フィルムは価格が高く、しかも供給量が少ない為入手しにくいという問題点があった。さらに、ハロゲンを含むので、脱ハロゲンという潜在的な課題も内在していた。
そこで、フッ素フィルムの代替として、耐熱性、耐湿熱性にすぐれた、環状三量体の含有量が少ないポリエステルフィルムを最外層に用いた太陽電池裏面保護シート(特許文献6、特許文献7)が提案されたが、前記ポリエステルフィルムは、屋外耐候性が十分でなく、しかも、前記フッ素系樹脂フィルムほどではないが非常に高価である。
そこで、ポリエステルフィルムに耐候性層として、フッ素系やアクリル系のコーティング層を設けて耐候性を付与した太陽電池裏面保護シート(特許文献8、特許文献9)が提案されている。これはフィルム系の太陽電池裏面保護シートと比較して、コスト面でも工程の簡易さにおいてもメリットが見られるが、耐候性、耐湿熱性、耐擦傷性、耐溶剤性の全てが未だ十分とは言える段階では無い。
特開2004−200322号公報 特開2004−223925号公報 特開2001−119051号公報 特開2003−347570号公報 特開2004−352966号公報 特開2002−134770号公報 特開2005−11923号公報 特開2006−308692号公報 特開2009−550092号公報
本発明の課題は、従来の問題点を克服し、安価で、耐擦傷性、耐溶剤性、長期屋外耐候性、長期耐湿熱性、水蒸気バリア性に優れる太陽電池裏面保護シート、及び該太陽電池裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュールを提供することである。
本発明は、膜厚t(μm)の耐候性樹脂層(1)、プラスチックフィルム(2)及び接着剤層(3)の順に積層されてなる太陽電池裏面保護シートであって、
前記耐候性樹脂層(1)が、アクリル系共重合体(A)、ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)、ポリイソシアネート化合物(C)、顔料(D)、を含有する耐候性樹脂組成物(1’)から形成されてなるものであり、
前記アクリル系共重合体(A)のガラス転移温度が0〜70℃、重量平均分子量が30,000〜150,000、水酸基価が20〜150(mgKOH/g)、芳香環含有量が、最大50重量%であり、
前記ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)のガラス転移温度が−30〜20℃、重量平均分子量が5,000〜30,000、水酸基価が3〜30(mgKOH/g)、芳香環含有量が、最大50重量%であり、
前記アクリル系共重合体(A)および前記ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)の水酸基の総和に対して、前記ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基が0.1〜5倍であり
アクリル系共重合体(A)と前記ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)の割合が90/10〜30/70(重量比)であることを特徴とする太陽電池裏面保護シートに関する。
アクリル系共重合体(A)は、ベンゾトリアゾール基を有しないことが好ましい。
また、ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)は、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、更にこれらの樹脂は、一分子中に有するOH末端官能基数が平均2.1〜5であることが好ましい。
顔料(D)は、カーボンブラック、ペリレンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛、硫化亜鉛、リトボンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
耐候性樹脂組成物(1’)は、融点が120℃以上であるか、もしくは融点を有しない、平均粒子径が1μm〜1.1×t(μm)の粒子(E)をさらに含有することが好ましく、平均粒子径が1μm〜1.1×t(μm)の粒子(E)は窒素含有樹脂粒子であることが好ましい。
また、耐候性樹脂層(1)の膜厚tは5〜30μmであることが好ましい。
プラスチックフィルム(3)は、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
また、上記太陽電池裏面保護シートは、耐候性樹脂層(1)とプラスチックフィルム(2)の間にアルミ箔または蒸着フィルムからなる水蒸気バリア層(2)を有することができる。
本発明は、太陽電池の受光面側に位置する太陽電池表面封止シート(I)、太陽電池の受光面側に位置する封止材層(II)、太陽電池セル(III)、太陽電池の非受光面側に位置する封止剤層(IV)、及び前記非受光面側封止剤層(IV)に接してなる、上記太陽電池裏面保護シート(V)を具備してなる太陽電池モジュールであって、
上記接着剤層(3)が、前記非受光面側封止剤層(IV)に接している、ことを特徴とする太陽電池モジュールに関する。
本発明により、従来の問題点を克服し、安価で、耐擦傷性、耐溶剤性、長期屋外耐候性、長期耐湿熱性、水蒸気バリア性に優れる太陽電池裏面保護シート、及び該太陽電池裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュールが提供される。
本発明の太陽電池用モジュールの断面を模式的に示す図である。 本発明の太陽電池裏面保護シートの模式的断面図である。
本発明を構成する、耐候性樹脂層(1)に関して説明する。
本発明における耐候性樹脂層(1)は、太陽電池裏面保護シートの内部、さらには太陽電池モジュールを紫外線や物理的衝撃等の外的要因から保護し、太陽電池セルの出力劣化を抑制する役割を担っている。
耐候性樹脂層(1)の膜厚tは5〜30μmであることが好ましい。
耐候性樹脂層(1)の膜厚tが5μ未満であると、隠蔽性や耐擦傷性が十分でなく、30μmを超えると均一な膜を形成することが困難となる。
耐候性樹脂層(1)を形成するための耐候性樹脂組成物(1’)に用いるアクリル系共重合体(A)について説明する。
アクリル系共重合体(A)は、耐候性樹脂層(1)に強靭性、耐候性、耐湿熱性、耐薬品性を付与するために用いられ、ガラス転移温度が0〜70℃、重量平均分子量が30,000〜150,000、水酸基価が20〜150(mgKOH/g)、芳香環含有量が、最大50重量%であることを必須とする。なお、ここでのガラス転位温度とは、アクリル系共重合体(A)を乾燥させて固形分100%にした樹脂について、示差走査熱量分析(DSC)によって計測したガラス転位温度のことを示す。
アクリル樹脂は耐候性が高く、樹脂としての強度も高い為、耐候性樹脂層(1)の形成に用いるのに適している。
より高い強靭性、耐候性、耐湿熱性を必要とする場合には、より高い架橋密度を得る為に、アクリル系共重合体(A)の主鎖中に、イソシアネート基と反応可能な官能基を導入することが必須である。
イソシアネート基と反応可能な官能基を有するアクリル系モノマーとしては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等を有するアクリル系モノマーが挙げられるが、反応性および得られる耐候性樹脂層の成形加工性の点で水酸基を有するアクリル系モノマーが好適である。
水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレートや、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンタジエニルメタクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル系モノマーは、要求性能に応じて、1種、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、高い耐溶剤性を有するためには、アクリル系共重合体(A)の水酸基価が後述する値であることが非常に重要であり、水酸基とポリイソシアネートが架橋することによって、樹脂中に高密度に架橋点が存在することができるため、溶剤が浸透しにくくなり、結果として高い耐溶剤性を有することができる。
アクリル系共重合体(A)の水酸基価は、固形分換算で20〜150mgKOH/gであることが重要であり、好ましくは20〜100mgKOH/g、更に好ましくは20〜85mgKOH/gである。共重合体(A)の水酸基価が150mgKOH/gを越える場合には共重合体(A)の保存安定性が低下し、20mgKOH/g未満の場合には、十分架橋を得られず、耐溶剤性が悪くなる。
アクリル系共重合体(A)のガラス転移温度は、0〜70℃であることが重要である。アクリル系共重合体(A)のガラス転移温度が70℃を越える場合には、得られる耐候性樹脂層の湿熱経時での基材への密着性を確保することができずに、ウキやハガレが生じてしまい、0℃未満の場合には、得られる耐候性樹脂層の耐薬品性、表面硬度が低下する上、表面にタックが生じるためロールにした時のブロッキング性が著しく悪化する。なお、ここでのガラス転位温度とは、アクリル系共重合体(A)を乾燥させて固形分100%にした樹脂について、示差走査熱量分析(DSC)によって計測したガラス転位温度のことを示す。
アクリル系共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、30,000〜150,000であることが重要であり、好ましくは50,000〜140,000である。共重合体(a)の重量平均分子量が150,000を越える場合には、得られる耐候性樹脂層の伸張性や基材への密着性が低下し、30,000未満の場合には、得られる耐候性樹脂層の強靱性、耐湿熱性、耐溶剤性、耐薬品性が低くなる。
アクリル系共重合体(A)は、酸価が0.1mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価があると、アクリル系共重合体(A)の分解を促進する触媒として働くため、耐熱性及び耐湿熱性が著しく低下する。
アクリル系共重合体(A)中の芳香環含有量は、最大でも50重量%であり、10重量%以下であることが好ましく、できるだけ芳香環は含有しないことが好ましい。アクリル系共重合体(A)中の芳香環含有量が、50重量%を超えると、紫外線を吸収して、耐候性樹脂層(1)の黄変および塗膜劣化の原因となり、耐候性が著しく低下する。
アクリル系共重合体(A)には、ベンゾトリアゾール基を有しないことが好ましい。ベンゾトリアゾール基は、太陽光エネルギーの高い紫外線を選択的に熱に変えることで、樹脂を紫外線から保護する役割を担うが、事実上、吸収した紫外線が樹脂にエネルギー移動し、樹脂を劣化させることがある。耐候性樹脂層(1)は顔料(D)を含むことで隠蔽性を発現し、紫外線をカットしているために紫外線吸収剤を含まなくてもよい。
アクリル系共重合体(A)は、公知の方法、例えば、溶液重合で得ることができる。溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、
ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、
酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの使用が可能である。
溶剤は2種以上を混合して使用してもよい。
合成時の単量体の仕込み濃度は、0〜80重量%が好ましい。
重合開始剤としては、過酸化物またはアゾ化合物を使用することができ、それらの例として、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペルオキシド等を挙げることができる。
重合温度は、50〜200℃、特に70〜140℃が好ましい。
耐候性樹脂層(1)を形成するための耐候性樹脂組成物(1’)に用いるポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)について説明する。
ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)は、耐候性樹脂層(1)に強靭性、成型加工性、耐湿熱性を付与するために用いられ、ガラス転移温度が−30〜20℃、重量平均分子量が5,000〜30,000、水酸基価が3〜30(mgKOH/g)、芳香環含有量が最大50重量%であることを必須とする。
本発明のアクリル系共重合体(A)を用いると、非常に高い架橋密度の塗膜を形成できるので、高い耐候性と耐溶剤性を発現し得るが、その反面硬くて脆い膜になりやすい。耐候性樹脂層(1)の形成に、アクリル系共重合体(A)とポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)を併用して用いることにより、高い耐候性と耐溶剤性を維持したまま、強靭性と成型加工性を付与することができ、結果として太陽電池用途に要求される高い湿熱性を有することになる。
ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)としては、具体的には、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂が挙げられ、これらは単独または2種以上を使用できる。さらにこれらの樹脂が複合化したものも使用できる。
ポリエステル樹脂とは、カルボン酸成分と水酸基成分とを反応(エステル化反応、エステル交換反応)させたポリエステル樹脂のことである。
ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトレヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラクロル無水フタル酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、ε−カプロラクトン、脂肪酸が例示できる。
ポリエステル樹脂を構成する水酸基成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分の他、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多官能アルコールが例示できる。
常法に従いこれらのカルボン酸成分と水酸基成分とを重合させて所定のポリエステル樹脂としたものが本発明で使用できる。
ウレタン系樹脂とは、水酸基を有する樹脂の水酸基成分とイソシアネート化合物を反応させてなるものであり、水酸基を有する樹脂がポリエステル樹脂であればポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂であればポリカーボネートウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂であればポリエーテルウレタン樹脂となる。また、上記のウレタン樹脂に、更にジアミン成分を反応させてなるポリウレタンウレア樹脂などもウレタン系樹脂に含む。
ポリエステルウレタン樹脂の水酸基を有するポリエステル樹脂としては、上記のポリエステル系樹脂が挙げられる。
ポリエステルウレタン樹脂のイソシアネート化合物としては、以下に限定されるものではないが、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、若しくは水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネート(A−2)としては、これらを単独で使用しても良いし、2種以上を任意に組み合わせても使用しても良い。
ポリカーボネートウレタン樹脂の水酸基を含むポリカーボネート樹脂としては、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、又は2−メチル−1,8−オクタンジオール等のジオール1種又は2種以上とをベースにしたポリカーボネートポリオールとが挙げられる。市販品としては、例えば、宇部興産社製エタナコールUH−100、UH−200、UH−300、UHC50−200、UHC50−100、若しくはUC−100、クラレ社製クラレポリオールC−2090、C−2090R、若しくはC−3090、ダイセル社製プラクセルCD210、CD210PL、CD220、CD220PL、又は、旭化成社製ポリカーボネートジオールT6002、T6001、T5651、T5650J、T4671、T4672、T4692、若しくはT4691等が挙げられる
ポリカーボネートウレタン樹脂のイソシアネート化合物としては、ポリエステルウレタン樹脂のイソシアネート化合物と同様のものを使用することができる。
ポリエーテルウレタン樹脂の水酸基を含むポリエーテル樹脂としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加したポリエーテル系ポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルウレタン樹脂のイソシアネート化合物としては、ポリエステルウレタン樹脂のイソシアネート化合物と同様のものを使用することができる。
上記のポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂を得る際には、ガラス転移温度を調整するために、2価アルコールを併用してもよい。またこの2価アルコールを2種類以上任意に組み合わせて使用することができる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、若しくは3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
その他、ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)としてはアクリルポリオール、ポリブタジエン系ポリオールなどのオレフィン系ポリオールポリマーポリオールとイソシアネート化合物を反応させたなどが使用できる。
ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)は、分岐を有しているポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂であることが好ましい。
ポリエステル系またはウレタン共重合体(B)が分岐を有していることによって、耐候性樹脂層(1)がさらに高密度の架橋を有することになり、耐候性樹脂層(1)に更に高い耐溶剤性を付与することができる。
具体的には、ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)の一分子中に有するOH末端官能基数が2.1〜5であることが好ましい。OH末端官能基数が5以上であると、樹脂合成反応中あるいは塗工時にゲル化してしまう可能性が高い。
ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)に分岐を付与するためには、水酸基成分としてジオール成分の他に3つ以上の水酸基を有する多官能性ポリオールを用いたり、ジイソシアネート成分の他に3つ以上のイソシアナート基を有する多官能ポリイソシアネートを用いたりすればよい。
多官能性ポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−プロパントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど3つ以上の水酸基を有するポリオールが挙げられる。
多官能性ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネートの多量体(3量体、5量体、7量体)、アロファネート変性体(ジイソシアネートと、モノオールまたは多価アルコールとの反応により生成するアロファネート変性体など)、ビウレット変性体(ジイソシアネートと、水との反応により生成するビウレット変性体など)、ポリオール変性体(ジイソシアネートと、多価アルコールとの反応により生成するポリオール変性体など)などが挙げられ、これらを単独で使用しても良いし、2種以上を任意に組み合わせても使用しても良い。
多官能性ポリイソシアネートの形成に用いられるジイソシアネートとしては、ポリエステルウレタン樹脂のイソシアネート化合物として例示したものと同様のものが例示できる。
耐候性樹脂層(1)を形成するための耐候性樹脂組成物(1’)に用いる、ポリイソシアネート化合物(C)について説明する。
ポリイソシアネート化合物(C)は、アクリル系共重合体(A)、ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)同士を互いに架橋させ、強靱で且つ伸張性、柔軟性、成形加工性、耐擦傷性、長期耐候性、長期耐湿熱性、耐薬品性を有する耐候性樹脂層を形成するために用いられる。
得られる耐候性樹脂層が経時で黄色から褐色に変色することを防ぐために、脂環族または脂肪族の化合物のみを用いることが好ましい。
脂環族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、上記化合物とグリコール類またはジアミン類との反応生成物である両末端イソシアネートアダクト体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体を用いても構わない。
特に、ポリイソシアネート化合物(C)がイソシアヌレート変性体、特にイソシアヌレート環含有トリイソシアネートを含む場合には、より強靱、且つ伸張性を有する耐候性樹脂層を得ることができるため好ましい。イソシアヌレート環含有トリイソシアネートとして具体的には、イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のデスモジュールZ4470)、イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のスミジュールN3300)、イソシアヌレート変性トルイレンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のスミジュールFL−2、FL−3、FL−4、HL BA)が挙げられる。また、イソシアヌレート環をさらに反応可能な官能基を2個以上有するポリエステル(c)と反応させて、1分子中のイソシアネート基を増やしても良いし、生成したウレタン結合とさらに1等量のイソシアネート基を反応させてアロファネート化して、さらに1分子中のイソシアネート基を増やしても良い。イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有するポリエステル(c)としては、周知のポリエステル樹脂を用いることができる。
また、上記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、例えば、メタノール、エタノール、n−ペンタノール、エチレンクロルヒドリン、イソプロピルアルコール、フェノール、p−ニトロフェノール、m−クレゾール、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ε−カプロラクタムなどのブロック剤と反応させてブロック化した、ブロック変性体を用いても構わない。
更に、ポリイソシアネート化合物(C)として、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有するポリエステル(d)と、両末端にイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物(e)とを反応させてなる、両末端イソシアネートプレポリマーを用いても構わない。ポリイソシアネート化合物(C)が上記両末端イソシアネートプレポリマーを含む場合には、少量で伸張性が得られ、塗膜の強靱性も損なわれない。
ポリイソシアネート化合物(C)は、1種、もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有するポリエステル(d)としては、周知のポリエステル樹脂を用いることができる。
両末端にイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物(e)としては、例えば、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(C)は、前記アクリル系共重合体(A)および前記ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)対して、前記アクリル系共重合体(A)および前記ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)のイソシアネート基と反応可能な官能基の総数に対するポリイソシアネート化合物(C)のイソシアネート基の数が0.1〜5倍であることが好ましく、更には1〜3倍であることが好ましい。0.1倍より少ないと、架橋密度が低すぎて、耐溶剤性、耐擦傷性、耐候性が十分でなく、5倍より多いと、イソシアネートが余ってしまい、空気中の水分と反応して、季節により物性が変化する要因となる。
耐候性樹脂層(1)を形成するための耐候性樹脂組成物(1’)に用いる、顔料(D)について説明する。
耐候性樹脂層(I)は顔料(D)を含有することで、意匠性と隠蔽性を有する耐候性樹脂層を形成するために用いられる。また紫外線をカットすることで、太陽電池裏面保護シートの内部を保護する役割を有する。
顔料としては、従来公知のものを用いることができるが、意匠性の観点から黒色または白色であることが好まれる。着色性の観点から、黒色顔料としてはカーボンブラック、白色顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛、硫化亜鉛、リトボンが好ましい。
また、耐候性樹脂層(1)は、融点が120℃以上であるか、もしくは融点を有しない、平均粒子径が1μm〜1.1×t(μm)の粒子(E)をさらに含有することが好ましい。このような粒子を含有することによって、耐候性樹脂層(1)表面の凹凸が増大し、表面のすべり性やブロッキング性が向上する。
粒子(E)としては、融点が120℃以上であるか、もしくは融点を有しないものを用いる。
太陽電池モジュールは、太陽電池表面封止シート(I)、受講面側封止材(II)、太陽電池セル(III)、非受講面側封止材(IV)及び太陽電池裏面保護シート(V)をこの順番で加熱・減圧下に接触させ、貼り合せて作成する(以下、この真空ラミネートともいう)。真空ラミネート時の温度は、受講面側封止材(II)及び非受講面側封止材(IV)の軟化温度および架橋温度の点から、通常、120〜160℃程度である。
融点が120℃未満の粒子を用いると、太陽電池モジュール作成時の真空ラミネート時の熱により、粒子が溶融してしまうため、耐候性樹脂層(1)の耐擦傷性を低下させたり、基材への密着性を低下させたりする。そこで、耐候性樹脂層(1)には、融点が120℃以上であるか、もしくは融点を有しないものを用いる。
また、粒子(E)の平均粒子径は1μm〜1.1×t(μm)であり、3μm〜1.0×t(μm)であることが好ましい。平均粒子径が1μm未満であると、小さすぎて耐候性樹脂層(1)の表面状態を改質することができず、平均粒子径が1.1×t(μm)を超える、すなわち耐候性樹脂層(1)の膜厚を大きく超えると、隠蔽性が低下し、耐候性の低下の要因となる。
粒子(E)は融点、平均粒子径が上記の条件であれば、無機微粒子であっても有機微粒子であっても構わない。
無機微粒子の具体例としては、シリカ、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、クレー、ワラスナイト、酸化鉄、酸化アンチモン、リトポン、軽石粉、硫酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ドロマイト、砂鉄などを含有する無機系粒子が挙げられる。
また、前記無機系粒子は、その特性を損なわない程度に不純物を含んでいてもよい。また、粒子の形状は、粉末状、粒状、顆粒状、真球状、平板状、繊維状、など、どのような形状であってもよい。
有機系微粒子の具体例としては、ポリオレフィン系ワックス、ポリメチルメタアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、メタクリレート樹脂、アクリレート樹脂などのポリマー粒子、あるいは、セルロースパウダー、ニトロセルロースパウダー、木粉、古紙粉、籾殻粉、澱粉などが挙げられる。
耐熱性の点から、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂等の窒素含有樹脂粒子であることが好ましい。
前記有機系微粒子は、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、ソープフリー重合法、シード重合法、マイクロサスペンジョン重合法、などの重合法により得ることができる。また、前記有機系粒子は、その特性を損なわない程度に不純物を含んでいてもよい。また、粒子の形状は、粉末状、粒状、顆粒状、平板状、繊維状、など、どのような形状であってもよい。
また、耐候性樹脂層(1)には、得られる耐候性樹脂層の強度を上げるために、本発明の効果を妨げない範囲で、アクリル系共重合体(A)以外の各種の熱可塑性樹脂を含有させてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記の熱可塑性樹脂の添加量は、アクリル系共重合体(A)の合計100重量部に対して、50重量部以下が好ましく、30重量部以下が更に好ましい。50重量部を超えると、他成分との相溶性が低下する場合がある。
本発明に用いられる耐候性樹脂組成物(1’)には、溶剤が含まれる。
溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの内から樹脂組成物の組成に応じ適当なものを使用する。溶剤は2種以上用いてもよい。
また、耐候性樹脂組成物(1’)には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、架橋促進剤を添加してもよい。架橋促進剤はアクリル系共重合体(A)のイソシアネート基と反応可能な官能基とポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネートによるウレタン結合反応を促進する触媒としての役割を果たす。架橋促進剤としては、錫化合物、酸、塩基などがあげられる。
また、耐候性樹脂組成物(1’)には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、充填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
本発明に用いられる耐候性樹脂組成物(1’)は、例えば前記アクリル系共重合体(A)および前記ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)の溶液に、ポリイソシアネート化合物(B)及び他の成分を混合し、攪拌羽根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌すればよい。また、サンドミル、3本ロール、2本ロールなどを用いて混合してもよい。塗工性などの向上のために、さらに溶剤を追加したり、濃縮したりしてもよい。
また、顔料(C)、粒子(D)は、まず、(C)〜(D)、分散樹脂、必要に応じて分散剤、及び溶剤を混合した(C)〜(D)のペーストを作製した後、他の成分と混合するのが好ましい。
分散樹脂としては、アクリル系共重合体(A)またはポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)そのものを用いるのが好ましいが、特に限定はなく、顔料分散性に優れた極性基、例えば水酸基、カルボキシル基、チオール基、アミノ基、アミド基、ケトン基等を有する、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。
分散剤としては、例えば、顔料誘導体、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。また、金属キレート、樹脂コートなどにより、顔料表面の改質を行うこともできる。
<太陽電池裏面保護シート>
本発明の太陽電池裏面保護シートは、耐候性樹脂組成物(1’)から形成される耐候性樹脂層(1)と、プラスチックフィルム(2)及び接着剤層(3)を具備し、耐候性樹脂層(1)、プラスチックフィルム(2)、接着剤層(3)の順に積層されて構成される。
次に、本発明に用いるプラスチックフィルム(2)に関して説明する。
本発明で用いるプラスチックフィルム(2)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロペンタジエンなどのオレフィンフィルム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体フィルムなどのフッ素系フィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、を用いることができる。フィルム剛性、コストの観点からポリエステル系樹脂フィルムであることが好ましく、ポリエチレンテレフタラートフィルムであることが好ましい。
またこれらのフィルムは、1層または2層以上の複層構造でも構わない。
これらプラスチックフィルム基材(2)は無色であってもよいし、顔料もしくは染料などの着色成分が含有されていても良い。着色成分を含有させる方法としては、例えば、フィルムの製膜時にあらかじめ着色成分を練りこんでおく方法、無色透明フィルム基材上に着色成分を印刷する方法等がある。また、着色フィルムと無色透明フィルムとを貼り合わせて使用してもよい。
次に、本発明に用いる接着剤層(3)に関して説明する。
本発明における接着剤層(3)は、プラスチックフィルム(3)と非受光面側封止材(IV)との接着性を向上するために設けられた樹脂層である。
そして、太陽電池モジュールを形成する際、非受光面側封止材(IV)と本発明の太陽電池裏面保護シート(V)とを、接着剤層(3)とが接するようにして貼着することによって、太陽電池モジュールに太陽電池裏面保護シートが装着される。
本発明において用いられる接着剤層(3)としては、一般的に接着剤として用いられているものであれば何でもよい。具体的には、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられ、これらは単独または2種以上を使用できる。さらにこれらの樹脂が複合化したものも使用できる。
ポリエステル系樹脂とは、カルボン酸成分と水酸基成分とを反応(エステル化反応、エステル交換反応)させたポリエステル樹脂の他、水酸基を有するポリエステル樹脂にさらにイソシアネート化合物を反応させてなるポリエステルポリウレタン樹脂、さらにジアミン成分を反応させてなるポリエステルポリウレタンポリウレア樹脂などをも含む意である。
ポリエステル系樹脂を構成するカルボン酸成分としては、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトレヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラクロル無水フタル酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、ε−カプロラクトン、脂肪酸が例示できる。
ポリエステル系樹脂を構成する水酸基成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分の他、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多官能アルコールが例示できる。
常法に従いこれらのカルボン酸成分と水酸基成分とを重合させて所定のポリエステル樹脂としたものが本発明で使用できる。
ウレタン系樹脂とは、水酸基を有するポリエステル樹脂以外の水酸基成分とイソシアネート化合物を反応させてなるものである。
水酸基成分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加したポリエーテル系ポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエン系ポリオールなどのポリマーポリオールなどが使用できる。
イソシアネート化合物としては、後述するポリイソシアネート化合物(C)と同様のものを例示できる。トリメチレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンビス(4、1−フェニレン)=ジイソシアネート(MDI)、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のジイソシアネートや、これらジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、これらジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート体、これらジイソシアネートのビューレット結合体、ポリメリックジイソシアネートなどが例示できる。
アクリル系樹脂を構成するモノマーとしては、一般式(a)CH=CR−CO−OR(Rは水素原子、もしくはメチル基、Rは水酸基もしくは炭素数1乃至20の置換基を有する炭化水素基を示す)で表されるアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸4ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2ヒドロキシエチル、メタクリル酸4ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等が例示できる。更にはアクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリルニトリル、メタアクリルニトリル、N−メチロールアクリルアミド、N−アルキロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、アクロレイン、メタアクロレイン、グリシジルメタクリレートなども反応性モノマーとして例示できる。常法に従いこれらのモノマーを共重合させて所定のアクリル樹脂としたものが本発明で使用できる。
接着剤層(3)の強靭性、伸縮性、耐熱性、耐湿熱性、耐候性を向上させるため、架橋剤を添加することが好ましく、そのため、先に例示したポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂は、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスフォニル基、イソシアナート基、エポキシ基、などの反応点を持つことが好ましい。
架橋剤としては、ポリイソシアナート化合物、ポリグリシジル化合物、ポリアジリジル化合物などが挙げられる。
耐久性や塗液安定性の点から、水酸基を有するポリエステル系またはウレタン系樹脂とイソシアナート水酸基と反応し得る官能基を有する硬化剤としては、イソシアネート化合物が好ましい。さらに耐久性の向上の点から、ポリイソシアネート化合物が好ましい。また、ブロック化ポリイソシアネート化合物を用いても良い。
ポリイソシアネート化合物としては、ポリイソシアネート化合物(C)で例示したものと同様のものを使うことができる。
硬化剤としては、上記ポリイソシアネート化合物の他に、周知のオキサゾリン化合物、例えば、2、5−ジメチル−2−オキサゾリン、2、2−(1、4−ブチレン)−ビス(2−オキサゾリン)またはヒドラジド化合物、たとえば、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドを含むことができる。
太陽電池裏面保護シートは、水蒸気バリア層(4)を具備することが好ましい。水蒸気バリア層としては、金属箔、あるいは金属酸化物もしくは非金属無機酸化物の蒸着層が挙げられる。
金属箔としては、アルミニウム箔、鉄箔、亜鉛合板などを使用することができ、これらの中でも、耐腐食性の観点から、アルミニウム箔が好ましく、厚みは10μmから100μmであることが好ましく、更に好ましくは20μmから50μmであることが好ましい。
両者の積層には、従来公知の種々の接着剤を用いることができる。
蒸着層は、プラスチックフィルム(2)の一方の面に設けられる。接着剤層を介して片面蒸着ポリエステルフィルム同士を積層したものや、あるいは片面蒸着ポリエステルフィルムと他の蒸着フィルムとを接着剤層を介して積層したものも、用いることができる。
蒸着される金属酸化物もしくは非金属無機酸化物としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの酸化物が使用できる。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属のフッ化物なども使用することができ、これらは単独もしくは組み合わせて使用することができる。
これらの金属酸化物もしくは非金属無機酸化物は、従来公知の真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどのPVD方式や、プラズマCVD、マイクロウェーブCVDなどのCVD方式を用いて蒸着することができる。
水蒸気バリア層(4)は、必要とされる電気絶縁性や水蒸気バリア性に応じて、上記バリア層を2層以上積層した積層体であってもよい。
耐候性樹脂層(1)または接着剤層(3)をプラスチックフィルム(2)や水蒸気バリア層(4)上に設ける方法としては、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディッピング、ブレードコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、コンマコーターなどの従来公知のコーティング方式によって、耐候性樹脂組成物(1’)または接着剤組成物(3’)をコーティングする方法や、耐候性樹脂組成物(1’)または接着剤組成物(3’)から形成されるフィルムを、ドライラミネート、エクストルージョンラミネート、サーマルラミネート法など従来公知のラミネート方法でプラスチックフィルム(2)あるいは水蒸気バリア層(4)と貼りあわせる方法が挙げられる。
本発明の太陽電池裏面保護シートの製造方法について説明する。
本発明の太陽電池裏面保護シートは、耐候性樹脂組成物(1’)から形成される耐候性樹脂層(1)と、プラスチックフィルム(2)及び接着剤層(3)を具備し、前記太陽電池裏面保護シートの一方の面を前記耐候性樹脂層(1)が構成し、前記太陽電池裏面保護シートの他方の面を前記接着剤層(3)が構成する。
図2(a)は、耐候性樹脂層(1)、プラスチックフィルム(2)、接着剤層(3)が積層されてなる、本発明の太陽電池裏面保護シートのさらに別の態様を示す模式的断面図である。
本発明の太陽電池裏面保護シートは、その他に水蒸気バリア層(4)、層間接着剤層(5)等を具備することができる。
例えば、図2(b)は、耐候性樹脂層(1)、水蒸気バリア層(4)、層間接着剤層(5)、プラスチックフィルム(2)、接着剤層(3)が積層されてなる、本発明の太陽電池裏面保護シートのさらに別の態様を示す模式的断面図である。
また、図2(c)は、耐候性樹脂層(1)、プラスチックフィルム(2)、層間接着剤層(5)、水蒸気バリア層(4)、接着剤層(3)が積層されてなる、本発明の太陽電池裏面保護シートの別の態様を示す模式的断面図である。
次に本発明の太陽電池モジュールの製造方法について説明する。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池の受光面側に位置する太陽電池表面封止シート(I)と、太陽電池の受光面側に位置する封止材層(II)、太陽電池素子(III)と、太陽電池の非受光面側に位置する封止材層(IV)と、詳述した本発明の太陽電池裏面保護シートを必須の構成層とし、前記非受光面側封止材層(IV)に、本発明の太陽電池裏面保護シートを構成する接着剤層(3)が接するように、太陽電池裏面封止シートを積層することによって、得ることができる。非受光面側封止材層(IV)と太陽電池裏面保護シートとを積層する際、減圧下に両者を接触させ、次いで加熱・加圧下に重ね合わせることによって得ることができる。接着剤層(3)が熱硬化性の場合、常圧に戻した後、さらに高温条件下に置いて、接着剤層(3)の硬化を進行させることもできる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ示す。表1にアクリル系共重合体溶液の物性を、表2にポリエステル系またはウレタン系樹脂溶液の物性を示す。
<アクリル系共重合体溶液A1>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート15部、n−ブチルメタクリレート67部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート(日立化成製、ファンクリルFA−711MM)2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が32,000、重量平均分子量が68,000、水酸基価が70.1(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが35℃のアクリル系共重合体A1の溶液(固形分50%)を得た。
なお、重量平均分子量、ガラス転移温度、酸価、水酸基価は、下記に記述するようにして測定した。
<数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定>
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度の測定は、示差走査熱量測定(DSC)により求めた。
アルミニウムパンに試料約10mgを秤量してDSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパンとした。)、300℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理した。その後10℃/分で昇温し、得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg)を算出した(単位:℃)。
なお、Tg測定用の試料は、上記のアクリル系共重合体溶液を150℃で約15分、加熱し、乾固させたものを用いた。
<酸価(AV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
酸価は次式により求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<水酸基価(OHV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<アクリル系共重合体A2の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート35部、n−ブチルメタクリレート27部、2−エチルヘキシルメタクリレート28部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が40,000、重量平均分子量が84,000、水酸基価が34.5(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが36℃のアクリル系共重合体A2の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A3の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、イソボルニルメタクリレート48部、n−ブチルメタクリレート40部、4−ヒドロキシブチルアクリレート10部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が33,000、重量平均分子量が65,000、水酸基価が48.3(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが50℃のアクリル系共重合体A3の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A4の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、シクロヘキシルメタクリレート53部、n−ブチルメタクリレート40部、4−ヒドロキシブチルアクリレート5部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.12部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.06部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.06部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が44,000、重量平均分子量が91,000、水酸基価が25.2(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが15℃のアクリル系共重合体A4の溶液(固形分50%)のを得た。
<アクリル系共重合体A5の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート53部、n−ブチルアクリレート35部、4−ヒドロキシブチルアクリレート10部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.12部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.06部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.06部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が54,000、重量平均分子量105,000、水酸基価が47.8(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが6℃のアクリル系共重合体A5の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A6の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート19部、n−ブチルメタクリレート64部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.22部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が18,000、重量平均分子量が39,000、水酸基価が65.2(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが35℃のアクリル系共重合体A6の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A7の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、シクロヘキシルメタクリレート53部、n−ブチルメタクリレート19部、2−エチルヘキシルアクリレート20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.10部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.08部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.08部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が63,000、重量平均分子量が136,000、水酸基価が26.2(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが32℃のアクリル系共重合体A7の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A8の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート22部、n−ブチルメタクリレート46部、2−エチルヘキシルメタクリレート10部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が30,000、重量平均分子量が65,000、水酸基価が80.2(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが33℃のアクリル系共重合体A8の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A9の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート70部、4−ヒドロキシブチルアクリレート30部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.12部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.06部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.06部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が45,000、重量平均分子量が94,000、水酸基価が115.2(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが21℃のアクリル系共重合体溶液A9の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A10の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート43部、n−ブチルアクリレート52部、4−ヒドロキシブチルアクリレート3部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が42,000、重量平均分子量が86,000、水酸基価が13.8(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが7℃のアクリル系共重合体A10の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A11の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート28部、2−エチルヘキシルメタクリレート28部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が35,000、重量平均分子量が73,000、水酸基価が9.4(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが37℃のアクリル系共重合体A11の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A12の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、イソボルニルメタクリレート35部、n−ブチルメタクリレート59部、4−ヒドロキシブチルアクリレート4部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が32,000、重量平均分子量が67,000、水酸基価が17.5(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが45℃のアクリル系共重合体A12の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A13の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート62部、n−ブチルメタクリレート26部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が40,000、重量平均分子量が79,000、水酸基価が41.5(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが73℃のアクリル系共重合体溶液A13を得た。
<アクリル系共重合体溶液A14>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート80部、n−ブチルメタクリレート8部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が43,000、重量平均分子量が87,000、水酸基価が40.6(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが89℃、固形分50%のアクリル系共重合体A14の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A15の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート32部、n−ブチルアクリレート32部、2−エチルヘキシルメタクリレート26部、4−ヒドロキシブチルアクリレート8部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が35,000、重量平均分子量が70,000、水酸基価が38.8(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−5℃のアクリル系共重合体A15の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A16の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート30部、n−ブチルアクリレート30部、2−エチルヘキシルメタクリレート30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8部、ペンタメチルビピペリジニルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が40,000、重量平均分子量が81,000、水酸基価が34.6(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−20℃のアクリル系共重合体A16の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A17の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルメタクリレート20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.45部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が10,000、重量平均分子量が21,000、水酸基価が33.9(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが24℃のアクリル系共重合体A17の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A18の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルメタクリレート20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.08部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が75,000、重量平均分子量が165,000、水酸基価が33.5(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが24℃のアクリル系共重合体A18の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A19の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート22部、n−ブチルメタクリレート77.5部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.5部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が35,000、重量平均分子量が73,000、水酸基価が1.9(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが35℃のアクリル系共重合体A19の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A20の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、n−ブチルメタクリレート50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート50部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が28,000、重量平均分子量が54,000、水酸基価が193.1(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが35℃のアクリル系共重合体A20の溶液(固形分50%)を得た。
<アクリル系共重合体A21の溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、スチレン55部、2−エチルヘキシルメタクリレート35部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が22,000、重量平均分子量が48,000、水酸基価が39.9(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが13℃、固形分50%のアクリル系共重合体A21の溶液(固形分50%)を得た。
<ポリエステル系樹脂B1の溶液>
ブチルエチルプロパンジオール40部、シクロヘキサンジメタノール40部、トリメチロールプロパン20部、アジピン酸33部、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタル酸混合物(新日本理化(株)製、リカシッド MH−700)67部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、エステル化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が5,500、重量平均分子量が12,000、水酸基価が13.5(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが6℃のポリエステル系樹脂B1の溶液(固形分50%)を得た。
<ポリエステル系樹脂B2の溶液>
ブチルエチルプロパンジオール40部、シクロヘキサンジメタノール40部、トリメチロールプロパン20部、アジピン酸67部、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびキサヒドロ無水フタル酸混合物(新日本理化(株)製、リカシッド MH−700)33部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、エステル化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が6,700、重量平均分子量が22,000、水酸基価が6.9(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−14℃のポリエステル系樹脂B2の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B3の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−590、数平均分子量500)80部、トリメチロールプロパン20部、イソホロンジイソシアネート82部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が5,500、重量平均分子量が12,000、水酸基価が14.7(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが4℃のウレタン系樹脂B3の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B4の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−590、数平均分子量500)80部、トリメチロールプロパン20部、イソホロンジイソシアネート86部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が5,500、重量平均分子量が15,000、水酸基価が8.9(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが8℃のウレタン系樹脂B4の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B5の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−590、数平均分子量500)80部、トリメチロールプロパン20部、イソホロンジイソシアネート90部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が10,500、重量平均分子量22,000、水酸基価が6.2(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが11℃のウレタン系樹脂B5の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B6の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−1090、数平均分子量1000)80部、トリメチロールプロパン20部、イソホロンジイソシアネート76部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が6,000、重量平均分子量が12,000、水酸基価が11.6(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−20℃のウレタン系樹脂B6の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B7の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−1090、数平均分子量1000)80部、トリメチロールプロパン20部、イソホロンジイソシアネート86部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が8,500、重量平均分子量が20,000、水酸基価が7.4(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−18℃ウレタン系樹脂B7の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B8の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−1090、数平均分子量1000)100部、イソホロンジイソシアネート82部、イソホロンジイソシアネートのヌレート化合物4部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が9,000、重量平均分子量が23,000、水酸基価が6.1(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−22℃のウレタン系樹脂B8の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B9の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−1090、数平均分子量1000)100部、イソホロンジイソシアネート77部、イソホロンジイソシアネートのヌレート化合物9部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が9,000、重量平均分子量が25,000、水酸基価が5.6(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−12℃のウレタン系樹脂B9の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B10の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−590、数平均分子量500)80部、1,5−ペンタンジオール20部、イソホロンジイソシアネート78部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が6,000、重量平均分子量が10,000、水酸基価が11.3(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−2℃のウレタン系樹脂B10の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B11の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−1090、数平均分子量1000)80部、1,5−ペンタンジオールを20部、イソホロンジイソシアネート80部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が8,500、重量平均分子量が19,000、水酸基価が6.1(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−19℃のウレタン系樹脂B11の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B12の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−590、数平均分子量500)70部、トリメチロールプロパンを30部、イソホロンジイソシアネート86部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が7,000、重量平均分子量が21,000、水酸基価が9.6(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−17℃のウレタン系樹脂溶液B12の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B13の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−590、数平均分子量500)80部、トリメチロールプロパンを20部、イソホロンジイソシアネート70部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が2,000、重量平均分子量が4,000、水酸基価が34.6(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが−5℃のウレタン系樹脂B13の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B14の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−590、数平均分子量500)80部、トリメチロールプロパンを20部、イソホロンジイソシアネート78部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が4,500、重量平均分子量が9,000、水酸基価が17.5(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが0℃のウレタン系樹脂B14の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B15の溶液>
ポリカーボネートジオール(クラレ(株)製、C−590、数平均分子量500)80部、トリメチロールプロパンを20部、イソホロンジイソシアネート92部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が15,000、重量平均分子量が32,000、水酸基価が4.3(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが13℃のウレタン系樹脂溶液B15の溶液(固形分50%)を得た。
<ウレタン系樹脂B16の溶液>
ブチルエチルプロパンジオール30部、シクロヘキサンジメタノール30部、トリメチロールプロパン40部、イソフタル酸1部、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタル酸混合物(新日本理化(株)製、リカシッド MH−700)99部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が2,500、重量平均分子量が7,000、水酸基価が20.8(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが30℃のウレタン系樹脂B16の溶液(固形分50%)を得た。
<ポリイソシアネート化合物Cの溶液>
ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体を酢酸エチルで希釈して、固形分70%の樹脂溶液としてポリイソシアネート化合物(C)の溶液を得た。
<耐候性樹脂層形成用塗液の調整>
アクリル系共重合体(A)溶液、ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)溶液、ポリイソシアネート化合物(C)溶液、顔料(D)、粒子(E)を表3〜5に示す組成にて混合し、耐候性樹脂層形成用塗液1〜40を得た。なお、表中の組成は固形分換算である。
また、表中、各記号は以下の通りである。
タイペークCR−97:石原産業製 白色顔料用酸化チタン
エポスターMS:日本触媒性 ベンゾグアナミン粒子
TEXTURE 5378W:SHAMROCK製 結晶性ポリエチレン粒子
S362N1:SHAMROCK製 オレフィン系ワックス
<太陽電池裏面保護シート1の作成>
ポリエステルフィルム(帝人(株)製、テトロンS、厚み188μm、以下「透明基材A」という)の両面にコロナ処理し、一方の面にポリエステル接着剤「ダイナレオVA−3020/HD−701」(東洋インキ製造(株)製、配合比100/7、以下同)をグラビアコーターによって塗布し、溶剤を乾燥させ、塗布量:10g/平方メートルの接着剤層を設け、該接着剤層に、下記の蒸着PET(三菱樹脂(株)製、テックバリアLX、厚み12μm)の蒸着面を重ね合わせた。その後、50℃、4日間、エージング処理し、接着剤層を硬化させ、ポリエステルフィルム−蒸着PET積層体を作成した。
さらに、ポリエステルフィルム−蒸着PET積層体の面に、表3に記載される耐候性樹脂層形成用塗液1を塗布し、溶剤を乾燥させ、膜厚:約15μmの耐候性樹脂層を設けた。その後、40℃、3日間、エージング処理し、前記耐候性樹脂層を硬化させ、耐候性樹脂層−ポリエステルフィルム−蒸着PET積層体を作成した。
さらに、耐候性樹脂層−ポリエステルフィルム−蒸着PET積層体の蒸着PET面にポリエステル接着剤「ダイナレオVA−3020/HD−701」(東洋インキ製造(株)製、配合比100/7、以下同)をグラビアコーターによって塗布し、溶剤を乾燥させ、塗布量:4g/平方メートルの接着剤層を設け、太陽電池裏面保護シート1を作成した。
<太陽電池裏面保護シート2〜40の作成>
太陽電池裏面保護シート1と同様にして、表3〜5に示す耐候性樹脂層形成用塗液2−40を用いて、太陽電池裏面保護シート2−40を作成した。
<太陽電池裏面保護シート41の作成>
太陽電池裏面保護シート1と同様の作成方法で、耐候性樹脂層を設けない、ポリエステルフィルム−蒸着PET−接着剤層の層構成となる太陽電池裏面保護シート41を作成した。
[実施例1]
太陽電池裏面保護シート1を用い、後述する方法で、耐候性樹脂層のプラスチックフィルム(2)へのクロスカット密着性、耐擦傷性、耐熱性、耐溶剤性、耐湿熱性、耐候性の評価を行った。
<クロスカット密着性測定>
クロスカット密着性は、太陽電池裏面保護シート1の耐候性樹脂層にカッターでクロス状に傷をつけ、セロハンテープ剥離試験を行い、セロハンテープ剥離後の残存塗膜の様子を目視で観察して、クロスカット密着性を評価した。
○:クロスカットで入れた部分が剥がれない。
△:クロスカットで入れた部分にやや剥離の傾向が見られる。
×:クロスカットで入れた部分に明確な剥離が見られる。
<耐擦傷性測定>
耐擦傷性は、任意の硬度の鉛筆を用い、750g荷重下、100mm/minで、耐候性樹脂層表面上を滑らせ、耐候性樹脂層とプラスチックフィルム間にハガレが生じないかを目視で評価した。
○:2Hでハガレなし
△:HBでハガレなし
×:HBでハガレあり
<耐熱性測定>
耐熱性は、温度150℃の条件で60分後のクロスカット密着性を測定した。
<耐溶剤性測定>
耐溶剤性は、溶剤(酢酸エチル(以下、EACという)、メチルエチルケトン(以下、MEKという)、イソプロピルアルコール(以下、IPAという))を十分に含ませたウエスで塗工面を擦り、塗工面の外観とウエスの着色度で評価した。
○ウエスが着色せず、塗工面に溶剤で擦った跡が残らない。
△塗工面に溶剤で擦った跡は残らないが、ウエスがやや着色する
×塗工面に溶剤で擦った跡が残り、ウエスが黒く着色する。
<耐湿熱性試験>
耐湿熱性は、温度85℃、相対湿度85%RHの環境条件で1000時間、2000時間、3000時間後のクロスカット密着性と黄変度を測定した。
黄変度は、JIS−Z8722記載の方法に従って、色彩色差計CR−300(コニカミノルタ製)を用いて、太陽電池裏面保護シート1の耐候性樹脂層側から測定し、Lab表色系で表したときのΔb値で評価した。
○:Δb値2未満
△:Δb値2以上4未満
×:Δb値4以上
××:Δb値10以上
<耐候性試験>
耐候性はスーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機製)を用いて、以下の条件で500cy、1000cy後の、クロスカット密着性と黄変度と膜減りを測定した。
1)63℃ 95% 160W/m2 照射+降雨12min
2)63℃ 50% 160W/m2 照射108min
3)1)、2)を1cyとして繰り返す。
膜減りは、耐候テープで保護した部分と未保護の部分の段差を測定することで、評価した。
○:膜減りが1μm未満
△:膜減りが1μm以上5μm以下
×:膜減りが5μm以上10μm以下
××:膜減りが10μm以上
[実施例2〜16]、[比較例1−25]
実施例1と同様にして、太陽電池裏面保護シート2−41を用い、耐候性樹脂層のポリエステルフィルムへのクロスカット密着性、耐擦傷性、耐熱性、耐湿熱性、耐溶剤性、耐候性の評価を行った。以上の結果を表6に示す。
Figure 0005549620
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表6に示されるように、実施例1〜16は、初期特性、耐熱性、耐溶剤性、耐湿熱性、耐候性において申し分のない太陽電池用裏面保護シートであるのに対して、比較例1〜3はアクリル共重合体(A)が十分な水酸基を有していないため、耐溶剤性を有していない。また、比較例4〜9はアクリル共重合体(A)の水酸基の数は十分であるが、比較例4、5はTgが高すぎて耐湿熱性に劣り、比較例6、7はTgが低すぎて耐候性に劣り、比較例8はアクリル共重合体(A)の分子量が低すぎて、耐溶剤性、耐湿熱性や耐候性において十分でなく、比較例9はアクリル共重合体(A)の分子量が高すぎてプラスチックフィルムとの濡れが悪く、初期から密着性に劣る。比較例10はアクリル共重合体(A)の水酸基が少なすぎて、硬化が十分に進まず、初期特性、耐熱性、耐湿熱性、耐候性全ての物性で劣り、比較例11はアクリル共重合体(A)の水酸基が多すぎて、硬化収縮が大きく、湿熱径時での密着性に著しく劣る。比較例12はアクリル共重合体(A)の芳香環含有量が多すぎるため、耐候性に劣る。
比較例13及び14はポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)の分子量が低すぎて、耐溶剤性、耐湿熱性や耐候性において十分でなく、比較例15はポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)のの分子量が高すぎて、アクリル共重合体(A)と相溶しないため、塗膜内で2種類の樹脂が分離して存在するため、耐溶剤性、耐湿熱性や耐候性において不十分となる。比較例16はポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)のTgが高すぎて、塗膜に柔軟性が出ず、基材への密着性が十分でないため、ハガレが生じる。
比較例17および18はポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)が入っていないため、塗膜に柔軟性が出ず、基材への密着性が十分でないため、ハガレが生じる。
比較例19〜21はアクリル系共重合体(A)が少なすぎるか入っていないため、十分な架橋系を構築できず、耐溶剤性ならびに耐候性が著しく劣る。
比較例22はポリイソシアネート化合物(C)が入っていないため、初期から基材への密着性が十分でないため、ハガレが生じる。比較例23はポリイソシアネート化合物(C)の量が多すぎて、硬化収縮が大きく、湿熱径時での密着性に著しく劣る。比較例24は顔料(D)が入っていないため、隠蔽性が十分でなく意匠性を付与することができない他、耐候性樹脂層が劣化するため、耐候性は不十分である。
実施例25は耐候性樹脂層を有していないため、プラスチックフィルム(2)が表面に露出し、耐候性が著しく劣る。
なお、実施例10および11はポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)が分岐鎖を有していないため、耐溶剤性がやや劣り、実施例14は平均粒子径が1μm〜1.1×t(μm)の粒子(E)が入っていない為、耐擦傷性がやや劣り、実施例15は粒子(E)が膜厚より大きい為、隠蔽性不良によって耐候性がやや劣り、実施例16は粒子(D)の融点が120℃未満であるため、高温時に溶融して、密着性の低下の原因となる。
(I):太陽電池の受光面側に位置する太陽電池表面封止シート
(II):太陽電池の受光面側に位置する封止材層
(III):太陽電池セル
(IV):太陽電池の非受光面側に位置する封止剤層
(V):太陽電池裏面保護シート
(1):耐候性樹脂層
(2):プラスチックフィルム
(3):接着剤層
(4):水蒸気バリア層
(5):層間接着剤層

Claims (11)

  1. 膜厚t(μm)の耐候性樹脂層(1)、プラスチックフィルム(2)及び接着剤層(3)の順に積層されてなる太陽電池裏面保護シートであって、
    前記耐候性樹脂層(1)が、アクリル系共重合体(A)、ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)、ポリイソシアネート化合物(C)、顔料(D)、を含有する耐候性樹脂組成物(1’)から形成されてなるものであり、
    前記アクリル系共重合体(A)において、
    ガラス転移温度が0〜70℃、
    重量平均分子量(Mw)が30,000〜150,000、
    水酸基価が20〜150(mgKOH/g)、
    芳香環含有量が、最大50重量%であり、
    前記ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)において、
    ガラス転移温度が−30〜20℃、
    数平均分子量(Mn)が5,000〜12,000
    水酸基価が3〜30(mgKOH/g)、
    芳香環含有量が、最大50重量%であり、
    前記アクリル系共重合体(A)および前記ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)の水酸基の総和に対して、前記ポリイソシアネート化合物(C)中のイソシアネート基が0.1〜5倍であり、
    前記アクリル系共重合体(A)と前記ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)の割合が90/10〜30/70(重量比)であることを特徴とする太陽電池裏面保護シート。
  2. ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)が、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池裏面保護シート。
  3. ポリエステル系またはウレタン系樹脂(B)が、一分子中に有するOH末端官能基数が平均2.1〜5であることを特徴とする請求項2記載の太陽電池裏面保護シート。
  4. 耐候性樹脂組成物(1’)が、融点が120℃以上であるか、もしくは融点を有しない、平均粒子径が1μm〜1.1×t(μm)の粒子(E)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の太陽電池裏面保護シート。
  5. アクリル系共重合体(A)が、ベンゾトリアゾール基を有しないことを特徴とする請求項1〜いずれか記載の太陽電池裏面保護シート。
  6. 顔料(D)が、カーボンブラック、ペリレンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛、硫化亜鉛、リトボンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の太陽電池裏面保護シート。
  7. 平均粒子径が1μm〜1.1×t(μm)の粒子(E)が、窒素含有樹脂粒子であることを特徴とする請求項4〜6いずれか記載の太陽電池裏面保護シート。
  8. プラスチックフィルム(3)が、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の太陽電池裏面保護シート。
  9. 耐候性樹脂層(1)とプラスチックフィルム(2)の間にアルミ箔または蒸着フィルムからなる水蒸気バリア層(2)を有することを特徴とする請求項1〜いずれか記載の太陽電池裏面保護シート。
  10. 耐候性樹脂層(1)の膜厚tが5〜30μmであることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の太陽電池裏面保護シート。
  11. 太陽電池の受光面側に位置する太陽電池表面封止シート(I)、太陽電池の受光面側に位置する封止材層(II)、太陽電池セル(III)、太陽電池の非受光面側に位置する封止剤層(IV)、及び前記非受光面側封止剤層(IV)に接してなる、請求項1〜10いずれか記載の太陽電池裏面保護シート(V)を具備してなる太陽電池モジュールであって、
    前記接着剤層(3)が、前記非受光面側封止剤層(IV)に接している、ことを特徴とする太陽電池モジュール。
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