JP2015156462A - 太陽電池用裏面保護シート、その製造方法および太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用裏面保護シート、その製造方法および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 波長400−4000nmに亘る領域の光を効率よく反射でき、遮熱性に優れ、さらには、太陽電池のエネルギー変換効率を増大する機能を有する太陽電池用裏面保護シートの提供。【解決手段】 ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選ばれる最受光面層以外の異なる2つ以上の層(他の表面と内層、または2つ以上の内層)に、大粒径白色顔料(A1)、小粒径白色顔料(A2)をそれぞれ含有させてなる太陽電池用裏面保護シート。【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池用裏面保護シートおよび該太陽電池用裏面保護シートを具備してなる太陽電池モジュールに関する。
詳しくは、本発明は、可視光および赤外線を反射する機能に優れた太陽電池用裏面保護シートおよび該太陽電池用裏面保護シートを具備してなる太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから環境汚染がなくクリーンなエネルギー源として太陽電池が注目され、有用なエネルギー資源としての太陽エネルギー利用の面から鋭意研究され実用化が進んでいる。
太陽電池素子には様々な形態があり、その代表的なものとして、結晶シリコン太陽電池素子、多結晶シリコン太陽電池素子、非晶質シリコン太陽電池素子、銅インジウムセレナイド太陽電池素子、化合物半導体太陽電池素子等が知られている。この中で薄膜結晶太陽電池素子、非晶質シリコン太陽電池素子、化合物半導体太陽電池素子は比較的低コストであり、また大面積化が可能であるため、各方面で活発に研究開発が行われている。またこれらの太陽電池素子の中でも、導体金属基板上にシリコンを積層し、更にその上に透明導電層を形成した非晶質シリコン太陽電池素子に代表される薄膜太陽電池素子は軽量であり、また耐衝撃性やフレキシブル性に富んでいるので、太陽電池における将来の形態として有望視されている。
太陽電池モジュールのうち、単純なものは、太陽電池素子の両面に充填剤、ガラス板を、順に積層した構成形態を呈する。ガラス板は、透明性、耐候性、耐擦傷性に優れることから、太陽の受光面側の封止シートとして、現在も一般的に用いられている。しかし、透明性を必要としない非受光面側においては、コストや安全性、加工性の面から、ガラス板以外の太陽電池用裏面保護シート(以下裏面保護シート)が各社により開発され、ガラス板に置き換わりつつある。
裏面保護シートとしては、ポリエステルフィルム等の単層フィルムや、ポリエステルフィルム等に金属酸化物や非金属酸化物の蒸着層を設けたものや、ポリエステルフィルムやフッ素系フィルム、オレフィンフィルムやアルミニウム箔などのフィルムを積層した多層フィルムが挙げられる。
多層構成の裏面保護シートは、その多層構造により、さまざま性能を付与することができる。例えば、ポリエステルフィルムを用いることで絶縁性を、フッ素系フィルムを用いることで耐候性を、アルミニウム箔を用いることで水蒸気バリア性を付与することができる。
どのような裏面保護シートを用いるかは、太陽電池モジュールが用いられる製品・用途によって、適宜選択され得る。
太陽電池の吸収する波長領域は、太陽電池素子により異なり、非晶質シリコン太陽電池素子は300〜800nm、結晶シリコン太陽電池素子は400〜1200nmに、それぞれ吸収感度を有する。裏面保護シートの受光面側が白色である場合、太陽電池素子が吸収できず透過した光は裏面保護シートで反射され、太陽電池素子に入射することができる。しかし、裏面保護シートの受光面側に一般的な汎用白色顔料を用いた場合、波長350nmにおける反射率は90〜100%と最も高いが、長波長になるにつれ反射率が低下していき、結晶シリコン太陽電池素子の吸収感度が最も高い800nm付近の反射率は50〜60%にまで低下する。すなわち、人間の目にとって最も高感度の波長域の光を反射する一般的な汎用白色顔料では、近赤外領域の波長を有効利用することができない。
一方、太陽電池素子は一般的に高温になるほど出力が低下しやすいため、太陽電池モジュールが高温になることは望ましくない。一般的に温度上昇に寄与する太陽光は800nm〜4000nmの近赤外〜赤外領域の波長である、そこで、裏面保護シートの受光面側を白色にすることで、赤外光を反射して、太陽電池モジュール全体が高温になることを防ぐことが望ましいが、前述した通り、一般的な汎用白色顔料を用いた場合では赤外領域の反射率は高くないため、太陽電池モジュール全体の温度上昇を防ぐことが困難となる。
そこで、粒径の大きな白色顔料を用いることで、近赤外線を反射させて、遮熱機能並びに太陽電池のエネルギー変換効率を増大させる太陽電池用裏面保護シートが提案されている。白色顔料の粒径が、反射させたい波長λの半分となるλ/2であれば、その波長を反射できることが知られているため、800nmの波長の光を中心に反射させたい時は平均粒子径が400nm=0.4μmの酸化チタンを含有する白色層を設けた太陽電池用裏面保護シートであれば、高効率で800nmの波長の光を反射させることができる。
特許文献1には、白色顔料で着色された接着性塗布層を有する太陽電池用裏面保護シートが開示されている。特許文献2には、600nmから1400nmの領域の光を平均70%以上反射する太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムが開示されている。特許文献3には、太陽電池セルと、裏面封止材と、裏面保護シートとを有する太陽電池モジュールであって、前記裏面封止材および前記裏面保護シートのいずれかに異なる大きさの酸化チタンを含む太陽電池モジュールが開示されている。また、特許文献4には、 粒径が0.5μm以上1.5μm以下の白色顔料を含む白色層と、 波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を透過する黒色材料を含む黒色層と、を有する太陽電池モジュール用裏面保護シートが開示されている。
特開2010−109240号公報 特開2007−208179号公報 特開2011−258879号公報 特開2012−019138号公報
しかし、特許文献1記載の0.1〜0.5μmの白色顔料は、表面から裏面保護シートまで透過した太陽光を光反射あるいは光拡散させて再利用するためのものであり、引用文献1には近赤外領域の光を反射するという技術思想は開示されていない。
特許文献2−4記載の発明の場合、近赤外領域の光を反射させることによる放熱効果や太陽電池素子が吸収できなかった光の再利用効果は記載されているが、可視光領域の反射に劣り、全ての光を効率よく用いているとは言えない。
本発明の課題は、波長400−4000nmに亘る領域の光を効率よく反射でき、遮熱性に優れ、さらには、太陽電池のエネルギー変換効率を増大する機能を有する太陽電池用裏面保護シートを提供することである。
本発明は、太陽電池用裏面保護シートを構成する異なる層に、粒子径の異なる白色顔料をそれぞれ含有させることによって、上記課題を解決できた。
即ち、第1の本発明は、表面層(1)および(2)と、表面には位置しない内層(3)とを有し、
前記表面層(1)が、ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素系フィルムからなる群より選ばれるフィルムであり、
前記表面層(2)が、平均粒子径が0.38μm以上、2μm以下の大粒径白色顔料(A1)もしくは平均粒子径が0.2μm以上、0.38μm未満の小粒径白色顔料(A2)のいずれか一方を含有する、溶剤可溶分が60〜100重量%の硬化耐候性保護層(B)、フッ素系フィルム(C)、もしくはポリエステル系フィルム(F)であり、
前記内層(3)が、前記大粒径白色顔料(A1)もしくは前記小粒径白色顔料(A2)のいずれか他方を含有する白色硬化接着剤層(D)である、
ことを特徴とする太陽電池用裏面保護シートに関する。
また、第2の本発明は、表面層(1)および(2)と、表面には位置しない少なくとも2つの内層(3)および(4)とを有し、
前記表面層(1)が、ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素系フィルムからなる群より選ばれるフィルムであり、
表面層(2)が、溶剤可溶分が60〜100重量%である硬化耐候性保護層(E)、フッ素系フィルム、もしくは白色顔料を含有しないポリエステル系フィルムであり、
前記内層(3)が、平均粒子径が0.38μm以上、2μm以下の大粒径白色顔料(A1)もしくは平均粒子径が0.2μm以上、0.38μm未満の小粒径白色顔料(A2)のいずれか一方を含有する、白色硬化接着剤層(D)もしくはポリエステル系フィルム(F)であり、
前記内層(4)が、前記大粒径白色顔料(A1)もしくは前記小粒径白色顔料(A2)のいずれか他方を含有する、白色硬化接着剤層(D)もしくはポリエステル系フィルム(F)である、
ことを特徴とする太陽電池用裏面保護シートに関する。
さらに、本発明は、太陽電池の受光面側に位置する太陽電池表面保護材(I)、太陽電池の受光面側に位置する封止材(II)、太陽電池素子(III)、太陽電池の非受光面側に位置する封止材(IV)、及び太陽電池の非受光面側に位置する太陽電池裏面保護材(V)を具備してなる太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池裏面保護材(V)が、前記の第1または第2の発明に記載の太陽電池用裏面保護シートを、前記表面層(1)が前記非受光面側の封止材(IV)と接するように配置して、積層してなる太陽電池モジュールに関する。
本発明の太陽電池モジュールは、粒径の違う白色顔料を含有する少なくとも2つの層を具備する裏面保護シートによって非受光面が保護されることによって、400−4000nmの波長の光を効率よく反射することができ、太陽電池のエネルギー変換効率を増大する効果を奏する。さらには、本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池素子が吸収できずに透過した近赤外線を太陽電池用裏面保護材が反射することによって、太陽電池用裏面保護材が高温になることを防ぎ、太陽電池素子のエネルギー変換効率の低下を抑制することができる。
本発明の太陽電池用モジュールに用いられる太陽電池用裏面保護シートの断面を模式的に示す図である。 本発明の太陽電池用モジュールの断面を模式的に示す図である。 大粒径白色顔料(A1)、小粒径白色顔料(A2)の平均粒子径の求め方を模式的に示す図である。
本発明の太陽電池表面保護シートについて説明する。
なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得る。また、本明細書において「任意の数A〜任意の数B」なる記載は、数A及び数Aより大きい範囲であって、数B及び数Bより小さい範囲を意味する。また、本明細書及び請求の範囲において記載する「(メタ)アクリロ」という表記は、「アクリロ」に読み替えた化合物、及び「メタクリロ」に読み替えた化合物の何れも含むものとする。また、「(メタ)アクリル」、及び「(メタ)アクリレート」においても同様に定義する。
<太陽電池用裏面保護シート>
第1の本発明の太陽電池用裏面保護シートは、前記したようにポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素系フィルムからなる群より選ばれるフィルムの表面層(1)と、平均粒子径が0.38μm以上、2μm以下の大粒径白色顔料(A1)もしくは平均粒子径が0.2μm以上、0.38μm未満の小粒径白色顔料(A2)のいずれか一方を含有する、溶剤可溶分が60〜100重量%の硬化耐候性保護層(B)、フッ素系フィルム(C)、もしくはポリエステル系フィルム(F)である表面層(2)と、前記大粒径白色顔料(A1)もしくは前記小粒径白色顔料(A2)のいずれか他方を含有する白色硬化接着剤層(D)である内層(3)を有する態様(図1−1〜図1−6参照)を呈する。
また、第2の本発明は、ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素系フィルムからなる群より選ばれるフィルムである表面層(1)と、溶剤可溶分が60〜100重量%である硬化耐候性保護層(E)、フッ素系フィルム表面層(2)、もしくは白色顔料を含有しないポリエステル系フィルムである表面層(2)と、平均粒子径が0.38μm以上、2μm以下の大粒径白色顔料(A1)もしくは平均粒子径が0.2μm以上、0.38μm未満の小粒径白色顔料(A2)のいずれか一方を含有する、白色硬化接着剤層(D)もしくはポリエステル系フィルム(F)である内層(3)と、前記大粒径白色顔料(A1)もしくは前記小粒径白色顔料(A2)のいずれか他方を含有する、白色硬化接着剤層(D)もしくはポリエステル系フィルム(F)である内層(4)を有する態様(図1−7〜図1−12参照)を呈する。
白色硬化接着剤層(D)は、太陽電池用裏面保護シートの内層に位置し、太陽電池用裏面保護シートを形成するためのフィルム同士を貼り合せる機能と担うと共に、小粒径白色顔料(A2)を含む場合には、主に400〜700nmの波長の光を、大粒径白色顔料(A1)を含む場合には、主に700〜4000nmの波長の光を反射させる機能を担う。そして、硬化耐候性保護層(B)もしくはフッ素系フィルム(C)である表面層(2)やポリエステル系フィルム(F)が、白色顔料として小粒径白色顔料(A2)を含む場合は主に400〜700nmの波長の光を、大粒径白色顔料(A1)を含む場合は主に700〜4000nmの波長の光を反射させる機能を担う。
太陽電池用裏面保護シートが、小粒径白色顔料(A2)を含有する白色層のみを有する場合、400〜700nmの波長の光は効率よく反射できる。しかし、一般的な太陽電池にとって感度の良い500〜1200nmの波長の光と、太陽電池モジュールの温度を上昇させる影響の大きい1200〜4000nmの波長の光を効率よく反射させることができないため、太陽電池のエネルギー変換効率の向上と温度上昇の抑制が期待できない。
一方、太陽電池用裏面保護シートが、大粒径白色顔料(A1)を含有する白色層のみを有する場合、700〜4000nmの波長の光を中心に効率よく反射させることができるため、上記の理由により、太陽電池のエネルギー変換効率の向上と温度上昇の抑制が期待できる。しかし、反面、粒径の大きな白色顔料は400〜700nmの波長の光を効率よく反射させることができないため、太陽電池のエネルギー変換効率の向上が期待できない。
また、太陽電池用裏面保護シートが、大粒径白色顔料(A1)と小粒径白色顔料(A2)の両方を含有する白色接着剤層を一層有する場合は、中途半端な性能しか発現できず、太陽電池のエネルギー変換効率の向上と温度上昇の抑制の問題は解決できない。
これに対し、本発明の太陽電池用裏面保護シートでは、大粒径白色顔料(A1)および小粒径白色顔料(A2)を含有する層を積層することで、上記の問題を全て解決できることがわかった。
すなわち、受光面側から入射した光は、小粒径白色顔料(A2)を含有する層は、可視光を中心に反射させることができ、近赤外領域の光は大粒径白色顔料(A1)を含有する層によって反射させることができるため、400〜4000nmの波長の光を万遍なく反射することが可能となる。
<大粒径白色顔料(A1)、小粒径白色顔料(A2)>
大粒径白色顔料(A1)、小粒径白色顔料(A2)についてさらに詳細に説明する。
大粒径白色顔料(A1)、小粒径白色顔料(A2)の具体例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、鉛白、硫化亜鉛などが挙げられる。
着色力、耐候性、コストの観点から酸化チタンが好ましい。最表面がシリカ処理または有機処理された酸化チタンであることが好ましい。また、酸化チタンは分散性や耐候性を向上させるためにアルミナやジルコニアであることが好ましい。
酸化チタンの表面処理は、ケイ素、ジルコニウム、チタン、スズ、アンチモン及びアルミニウムから選ばれる含水酸化物や緻密含水シリカを含む含水無機化合物の被覆層を形成したり、有機化合物を被着させたりすることが公知の範囲で行われている。
特開2008−081578に記載されているように、酸化チタンを水または水を主成分とする媒液中に分散させて水性スラリー状にした後、PHを調整しながら被覆させたい無機化合物や有機化合物を添加し、酸化チタンの表面に被着形成させる方法や、酸化チタンの粉砕時に、有機化合物を添加して被着形成する方法などがある。
表面処理剤としては、例えば、水溶性ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられ、水溶性アルミウム塩としては、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。また、水溶性ジルコニウム塩であれば、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、酸塩化ジルコニウム等が挙げられる。水溶性チタン塩であれば、四塩化チタン、硫酸チタン等が挙げられる。水溶性スズ塩であれば、硫酸スズ、硝酸スズ、酢酸スズ、オキシ塩化スズ等が挙げられる。水溶性アンチモン塩であれば、塩化アンチモン、硫酸アンチモン等が挙げられる。
表面処理量としては、酸化チタンと表面処理剤の重量比が75/25〜95/5が好ましい。
白色顔料(A1)、(A2)の平均粒子径の求め方は走査型電子顕微鏡で観察し、画像から粒子径を直接求める。具体的には、白色顔料(A1)、(A2)を粉体の状態のまま、ごく少量ガラス板上に乗せ、走査型電子顕微鏡で観察し、白色顔料(A1)、(A2)ができるだけ1粒1粒独立して見える範囲(視野)を探す。次に、視野における任意の一定の方向に向かう直線を決定し(例えば図3では上下方向に向かう二点鎖線で示す)、前記直線上に存在する粒子を横断する最も長い長さを当該粒子の大きさとする。そして、前記直線上に存在する少なくとも200個の粒子の大きさの相加平均値を、白色顔料(A1)、(A2)の平均粒子径とする。
<ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素系フィルム>
表面層(1)のポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素系フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロペンタジエンなどのポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体フィルムなどのフッ素系フィルム、などが挙げられる。
<硬化耐候性保護層(B)、(E)>
他の表面層(2)は、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を含有することもできるし、含有しないこともできる。大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を含有しない場合を「<2’>」として区別することがある。
他の表面層(2)としての硬化耐候性保護層(B)、(E)は、保護層用樹脂(b1)と、非ブロック化ポリイソシアネート化合物とを含有する組成物から形成されることが好ましい。
保護層用樹脂(b1)としては、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン樹脂などが挙げられる。
また、さらに耐候性を向上するため、保護層用樹脂(b1)に紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤等を結合してもよいし、保護層用樹脂(b1)に紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
本発明でいうポリエステル系樹脂とは、カルボン酸成分と水酸基成分とを反応(エステル化反応、エステル交換反応)させたポリエステル樹脂の他、水酸基を有するポリエステル樹脂にさらにイソシアネート化合物を反応させてなるポリエステルポリウレタン樹脂、さらにジアミン成分を反応させてなるポリエステルポリウレタンポリウレア樹脂などをも含む意である。
ポリエステル系樹脂を構成するカルボン酸成分としては、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトレヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラクロル無水フタル酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、ε−カプロラクトン、脂肪酸が例示できる。
ポリエステル系樹脂を構成する水酸基成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分の他、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多官能アルコールが例示できる。
常法に従いこれらのカルボン酸成分と水酸基成分とを重合させて所定のポリエステル樹脂としたものが本発明で使用できる。
本発明でいうウレタン系樹脂とは、水酸基を有するポリエステル樹脂以外の水酸基成分とイソシアネート化合物を反応させてなるものである。
水酸基成分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加したポリエーテル系ポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエン系ポリオールなどのポリマーポリオールなどが使用できる。
イソシアネート化合物としては、後述するポリイソシアネート化合物(C)と同様のものを例示できる。トリメチレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンビス(4、1−フェニレン)=ジイソシアネート(MDI)、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のジイソシアネートや、これらジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、これらジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート体、これらジイソシアネートのビューレット結合体、ポリメリックジイソシアネートなどが例示できる。
アクリル系樹脂を構成するモノマーとしては、一般式(a)CH=CR−CO−OR(Rは水素原子、もしくはメチル基、Rは水酸基もしくは炭素数1乃至20の置換基を有する炭化水素基を示す)で表されるアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸4ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2ヒドロキシエチル、メタクリル酸4ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等が例示できる。更にはアクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリルニトリル、メタアクリルニトリル、N−メチロールアクリルアミド、N−アルキロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、アクロレイン、メタアクロレイン、グリシジルメタクリレートなども反応性モノマーとして例示できる。常法に従いこれらのモノマーを共重合させて所定のアクリル系樹脂としたものが本発明で使用できる。
保護層用樹脂としては、例えば下記(メタ)アクリル系共重合体(b1−1)〜(b1−6)を挙げることができる。
(メタ)アクリル系共重合体(b1−1)は、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(i)と、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)と、グリシジル基も水酸基もカルボキシル基も有さない(メタ)アクリル系モノマー(iv)とを構成単位とする共重合体中の側鎖のグリシジル基に、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(iii)を反応させてなる(メタ)アクリル系共重合体である。
即ち、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(i)と、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)と、グリシジル基も水酸基もカルボキシル基も有さない(メタ)アクリル系モノマー(iv)とを構成単位とする共重合体を得、次いで、前記共重合対中の側鎖のグリシジル基の全部に又は一部に、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(iii)を反応させることによって、グリシジル基を起点とし、炭素−炭素二重結合の側鎖を導入することができる。
(メタ)アクリル系共重合体(b1−2)は、カルボキシル基を基点とし、炭素−炭素二重結合の側鎖を導入してなる共重合体である。即ち、(メタ)アクリル系共重合体(ii)は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(iii)と、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)と、グリシジル基も水酸基もカルボキシル基も有さない(メタ)アクリル系モノマー(iv)とを構成単位とする共重合体中のカルボキシル基に、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(i)を反応させてなる(メタ)アクリル系共重合体である。
前記メタ)アクリル系共重合体(b1−1)の場合と同様に、炭素−炭素二重結合の側鎖を導入する際、カルボキシル基の全部に又は一部にグリシジル基を反応させることができる。
(メタ)アクリル系共重合体(b1―3)は、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)と、水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマー(vi)とを構成単位とする共重合体中の水酸基の一部に、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系モノマー(v)を反応させてなる(メタ)アクリル系共重合体である。
(メタ)アクリル系共重合体(b1―4)は、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)と、水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマー(vi)とを構成単位とする(メタ)アクリル系共重合体である。
グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(i)としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルなどが例示できる。
水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが例示できる。この水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)由来の水酸基は、後述する非ブロック化ポリイソシアネート化合物と反応し、硬化処理後の硬化耐候性保護層を形成する機能を担う。
また、本発明では、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)以外のモノマーを、水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマー(vi)として定義する。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(iii)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられる。
上記のグリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(i)、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(iii)以外のモノマーを、グリシジル基も水酸基もカルボキシル基も有さない(メタ)アクリル系モノマー(iv)として定義する。
グリシジル基も水酸基もカルボキシル基も有さない(メタ)アクリル系モノマー(iv)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系モノマー(v)としては、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなどが例示でき、これらの製品としては昭和電工(株)製のカレンズAOI、カレンズMOIなどがある。
(メタ)アクリル系モノマー(i)〜(vi)の他に、酢酸ビニル、ビニルエーテル、プロピオン酸ビニル、スチレン等も(メタ)アクリル系共重合体(b1−1)〜(b1−6)の形成に適宜使用することができる。
ところで、上述の(メタ)アクリル系モノマー(i)〜(vi)は、
CH=CR−CO−ORという一般式で表すことができる。
式中、Rは、水素原子、もしくはメチル基を示す。
は、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、イソシアナトアルキル基などの、各モノマー特有の官能基を有する1価の置換基を示す。
(メタ)アクリル系モノマー(i)〜(vi)の場合は、CH=CRの重合によって形成される主鎖に対し、Rの部位を側鎖と捉え、一つの側鎖をとして数える。
また、スチレンや無水マレイン酸のような、上記一般式で表されないようなモノマーに関しては、重合の際に炭素−炭素結合を形成して共重合体の主鎖となる部分以外の部位を側鎖と呼び、一つのモノマーにつき、一つの側鎖を有するとして数える。
例えば、仮に無水マレイン酸を2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させると、無水マレイン酸の無水環が開環してカルボキシル基とエステル結合部位が生じることになるが、このような場合も、これらをまとめて一つの側鎖として数えることとする。
側鎖を上記のように定義すると、炭素−炭素二重結合を有する側鎖の、全側鎖に占める割合は次のように計算できる。
例えば、MMA(メチルメタクリレート、分子量100)/n−BMA(n−ブチルメタクリレート、分子量142)/HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート、分子量130)/GMA(グリシジルメタクリレート、分子量142)=18/78/2/2(重量比)で共重合した共重合体を構成するモノマーのモル比は、MMA/n−BMA/HEMA/GMA=23.7/72.4/2/1.9となる。モル比はモノマーの個数の比に等しく、さらには上記の側鎖の定義から、それぞれのモノマーが一つの側鎖を有すると数えられるので、モル比は、側鎖の個数の比に等しい。従って、この共重合体は全側鎖100個あたり1.9個のグリシジル基を有する。
次いで、前記共重合体中のグリシジル基を等モル量のアクリル酸で変性してなる(メタ)アクリル系共重合体(b1−1)は、全側鎖100個あたり1.9個のグリシジル基が同数の炭素−炭素二重結合に変じた側鎖を有することとなる。すなわち、(メタ)アクリル系共重合体(b1−1)は、全側鎖53個あたり1個の割合で炭素−炭素二重結合を有するということができる。
(メタ)アクリル系共重合体(b1−1)の形成の第一段階:(メタ)アクリル系モノマー(i)(ii)(iv)を重合する段階、(メタ)アクリル系共重合体(b1−2)の形成の第一段階:(メタ)アクリル系モノマー(iii)(ii)(iv)を重合する段階、(メタ)アクリル系共重合体(b1−3)の形成の第一段階:(メタ)アクリル系モノマー(ii)(vi)を重合する段階、(メタ)アクリル系共重合体(b1−4)の形成の第一段階:(メタ)アクリル系モノマー(ii)(vi)を重合する段階は、通常のラジカル重合反応により行うことができる。反応方法に何ら制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合法で行うことができるが、反応のコントロールが容易であることや直接次の操作に移れることから溶液重合が好ましい。
溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど、本発明の樹脂が溶解するものであれば何ら制限は無く、単独でも、複数の溶媒を混合しても良い。また、重合反応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものを用いることができ、特に制限は無い。また、(メタ)アクリル系共重合体(b1−1)〜(b1−4)それぞれの場合において、例えば(メタ)アクリル系モノマー(ii)として、1種類のみを用いてもよいし、複数種類の化合物を併用してもよい。(メタ)アクリル系モノマー(i)、(iii)〜(vi)についても同様である。
保護層用樹脂のガラス転移温度は10〜100℃であることが好ましく、更には20〜70℃であることが好ましい。ガラス転移温度が100℃を越える場合には、硬化耐侯性保護層の塗膜が硬くなり、内層のフィルムへの接着力が低下する。ガラス転移温度が10℃未満の場合には、硬化耐侯性保護層が柔らかすぎて表面層(1)へのブロッキング性が悪くなる。
なお、ここでのガラス転移温度とは、保護層用樹脂を乾燥させて固形分100%にした樹脂について、示差走査熱量分析(DSC)によって計測したガラス転移温度のことを示す。例えば、ガラス転移温度は、試料約10mgを秤量したサンプルを入れたアルミニウムパンと、試料を入れていないアルミニウムパンとをDSC装置にセットし、これを窒素気流中で、液体窒素を用いて−50℃まで急冷処理し、その後、20℃/分で200℃まで昇温し、DSC曲線をプロットする。このDSC曲線の低温側のベースライン(試験片に転移および反応を生じない温度領域のDSC曲線部分)を高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点から、補外ガラス転移開始温度(Tig)を求め、これをガラス転移温度として求めることができる。本発明のガラス転移温度は、上記の方法により測定した値を記載している。
保護層用樹脂の数平均分子量は10,000〜250,000であることが好ましく、さらには30,000〜100,000であることがより好ましく、30,000〜75,000であることがより好ましく、30,000〜50,000であることが特に好ましい。数平均分子量が250,000を越える場合には、内層のフィルムへの接着力が低下し、15,000未満の場合には、硬化耐侯性保護層の塗膜の耐湿熱性が低下し、湿熱試験後に内層のフィルムへの接着力が低下する。
なお、上記の数平均分子量は、保護層用樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の値である。例えば、カラム(昭和電工(株)製KF−805L、KF−803L、及びKF−802)の温度を40℃として、溶離液としてTHFを用い、流速を0.2ml/minとし、検出をRI、試料濃度を0.02%とし、標準試料としてポリスチレンを用いて行ったものである。本発明の数平均分子量は、上記の方法により測定した値を記載している。
保護層用樹脂の数平均分子量の水酸基価は、固形分換算で2〜100mgKOH/gであることが重要であり、好ましくは2〜50mgKOH/g、さらには2〜30mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が2mgKOH/g以上であることにより、硬化耐侯性保護層の架橋が密になり、塗膜の耐湿熱性が向上し、湿熱試験しても内層のフィルムへの接着力が低下しにくい。一方、水酸基価が100mgKOH/g以下であることにより、硬化耐侯性保護層から適度な架橋密度の硬化層を形成でき、内層のフィルムとの初期の接着性が向上し、湿熱試験後に接着力が低下することを抑制することもできる。
ポリイソシアネート化合物と非ブロック化ポリイソシアネート化合物について説明する。
ポリイソシアネート化合物と非ブロック化ポリイソシアネート化合物は、保護層用樹脂同士を架橋させ、強靱で且つ伸張性、柔軟性、成形加工性、耐擦傷性、長期耐候性、長期耐湿熱性、耐薬品性を有する硬化耐侯性保護層を形成するために用いられる。
非ブロック化ポリイソシアネート化合物とは、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤でマスクした構造でなく、活性水素を有するポリオール成分と混合して1液化すると、反応して硬化するポリイソシアネート化合物である。
ポリイソシアネート化合物は、一分子中に2個以上のイソシアネート基を有することが重要であり、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が上げられる。
ポリイソシアネート化合物は、1種類でも良く、2種類以上の化合物を併用してもよい。
得られる硬化耐侯性保護層が経時で黄色から褐色に変色することを防ぐために、脂環族または脂肪族の化合物のみを用いることが好ましい。
脂環族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、上記化合物とグリコール類またはジアミン類との反応生成物である両末端イソシアネートアダクト体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体を用いても構わない。
特に、ポリイソシアネート化合物がイソシアヌレート変性体、特にイソシアヌレート環含有トリイソシアネートを含む場合には、より強靱、且つ伸張性を有する硬化耐侯性保護層を得ることができるため好ましい。イソシアヌレート環含有トリイソシアネートとして具体的には、イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のデスモジュールZ4470)、イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のスミジュールN3300)、イソシアヌレート変性トルイレンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のスミジュールFL−2、FL−3、FL−4、HL BA)が挙げられる。また、イソシアヌレート環をさらに反応可能な官能基を2個以上有するポリエステルと反応させて、1分子中のイソシアネート基を増やしても良いし、生成したウレタン結合とさらに1等量のイソシアネート基を反応させてアロファネート化して、さらに1分子中のイソシアネート基を増やしても良い。イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有するポリエステルとしては、周知のポリエステル樹脂を用いることができる。
更に、ポリイソシアネート化合物として、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有するポリエステルと、両末端にイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物とを反応させてなる、両末端イソシアネートプレポリマーを用いても構わない。ポリイソシアネート化合物が上記両末端イソシアネートプレポリマーを含む場合には、少量で伸張性が得られ、塗膜の強靱性も損なわれない。
ポリイソシアネート化合物は、1種、もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有するポリエステルとしては、周知のポリエステル樹脂を用いることができる。
両末端にイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物としては、例えば、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等が挙げられる。
硬化耐侯性保護層用塗液は、非ブロック化ポリイソシアネート化合物を必須成分として含有することが好ましい。非ブロック化ポリイソシアネート化合物を必須成分として含有する塗液を用いることによって、溶剤不溶分が80〜100質量%である硬化耐候性保護層を非受光面側に有する太陽電池用裏面保護シートを得ることができる。溶剤不溶分が80〜100質量%である硬化耐候性保護層は、耐ブロッキング性、耐傷付き性に優れる。
ポリイソシアネート化合物の量は、保護層用樹脂の水酸基1個に対して、イソシアネート基が0.1〜10個の範囲で存在するような量であることが好ましく、さらには0.5〜5個の範囲であることがより好ましい。0.1個以上とすることにより、架橋密度を高め、耐湿熱性を向上できる。10個以下とすることにより、過剰のイソシアネート基が残存しにくくなる。過剰のイソシアネート基が残存すると、湿熱試験中に空気中の水分と反応して、他の表面層(2)が硬くなり、内層(3)との接着力低下の原因となる恐れがある。
表面層(2)の一種である硬化耐候性保護層が大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を含有する場合には、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)と後述する保護層用樹脂(b1)との合計100質量%中、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を10〜70質量%含有することが好ましく、30〜70質量%含有することがより好ましい。大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を10〜70質量%含有することによって、隠蔽性と可視光反射性に優れる太陽電池用裏面保護シートを得ることができる。
大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)の含有量を10質量%以上とすることで隠蔽性を向上でき、可視光の反射を向上できる点において、より好ましい。また、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)の含有量を70質量%以下にすることで基材、即ち内層(3)との密着性が優れる点でより好ましい。
また、最表面としての硬化耐候性保護層形成用塗液には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、架橋促進剤を添加してもよい。架橋促進剤は保護層用樹脂(b1)と、非ブロック化ポリイソシアネート化合物のイソシアネートによるウレタン結合反応を促進する触媒としての役割を果たす。架橋促進剤としては、スズ化合物、金属塩、塩基などが挙げられ、具体的にはオクチル酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、塩化スズ、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリエチルアミン、トリエチレンジアミンなどが挙げられる。これらは、単独または組み合わせて用いることができる。
また、本発明の最表面としての硬化耐候性保護層形成用塗液には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、充填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
本発明に用いられる硬化耐候性保護層形成用塗液には、溶剤が含まれる。
溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、などの内から樹脂組成物の組成に応じ適当なものを使用できるが、沸点が50℃〜200℃のものを好ましく用いることができる。沸点が50℃よりも低いと、硬化耐候性保護層を塗布する際に溶剤が揮発しやすく、固形分が高くなって均一な膜厚で塗布することが難しくなる。沸点が200℃よりも高いと、溶剤を乾燥しづらくなる。なお、溶剤は2種以上用いてもよい。
<フッ素系フィルム(C)>
他の表面層(2)の一種であるフッ素系フィルムとしては、ポリフッ化ビニル(PVF)フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フィルムが挙げられる。
大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を含有するフッ素系フィルムは、ポリフッ化ビニル(PVF)やポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンやエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体に、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を練り込んで、フィルム化することにより得られる。あるいは、白色のフィルムと透明のフィルムを貼り合せたものを白色面が外側を向くようにすれば他の表面層(2)として使用できる。ポリフッ化ビニル(PVF)やポリフッ化ビニリデン等と、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)との合計100質量%中、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を5〜40質量%含有することが好ましく、10〜30質量%含有することがより好ましい。
次に、内層(3)について詳細に説明する。内層(3)は、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を含有することもできるし、含有しないこともできる。大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を含有しない場合を「<3’>」として区別することがある。
内層(3)は、図1−13、1−14に示すように一層でもよいし、図1−5、1−6、1−11、1−12、1−19、1−20に示すように二層でもよいし、図1−1〜1−4、1−7〜1−10、1−15〜1−18、1−21〜1−24に示すように三層以上でもよい。また、内層(3)は、硬化接着剤層であってもよいし、ポリエステル系フィルムであってもよい。
硬化接着剤層は、接着剤層用樹脂(d1)と非ブロック化ポリイソシアネート化合物とを含有する組成物から形成されることが好ましい。
接着剤層用樹脂(d1)としては、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン樹脂などが挙げられる。
また、さらに耐候性を向上するため、保護層用樹脂(b1)の場合と同様に紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤等を結合してもよいし、保護層用樹脂(b1)の場合と同様に紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
本発明でいうポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂は、上記の保護層用樹脂(b1)の場合と同様の樹脂である。
接着剤層用樹脂(d1)としては、例えば下記ポリエステル系樹脂(b1−1)、ウレタン系樹脂(b1−4、5)、アクリル系樹脂(b1−6)を挙げることができる。
接着剤層用のポリエステル系樹脂(d1−1)としては、例えば、カルボン酸成分としてアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イソフタル酸、テレフタル酸など、水酸基成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどを反応させてなるポリエステル樹脂を挙げることができる。
接着剤層用のウレタン系樹脂脂(d1−4)としては、例えば、水酸基成分としてポリテトラメチレングリコール系ポリオールとエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオールなど、イソシアネート化合物としてとしてトリメチレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンビス(4、1−フェニレン)=ジイソシアネート(MDI)、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)などと反応させてなるポリエーテルウレタン樹脂を挙げることができる。
接着剤層用のウレタン系樹脂脂(d1−5)としては、例えば、水酸基成分としてエチレンオキサイド付加したポリカーボネート系ポリオールとエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオールなど、イソシアネート化合物としてトリメチレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンビス(4、1−フェニレン)=ジイソシアネート(MDI)、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)などを反応させてなるポリカーボネートウレタン樹脂を挙げることができる。
接着剤層用のアクリル系樹脂(d1−6)としては、例えば、上記の水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ii)と、上記の水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマー(vi)とを構成単位とする(メタ)アクリル系共重合体を挙げることができる。
溶剤としても上記と同様に、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど、本発明の樹脂が溶解するものであれば何ら制限は無く、単独でも、複数の溶媒を混合しても良い。
接着剤層用樹脂のガラス転移温度は−85〜10℃であることが好ましく、更には−60〜0℃であることが好ましい。ガラス転移温度が10℃を越える場合には、基材への濡れ性が不足し、又、架橋後の硬化塗膜が硬くなりすぎてエージング前後の接着力が大幅に悪化する。ガラス転移温度が10℃未満の場合には、接着剤層の凝集力不足が顕在化し、大きな接着力を確保することが難しくなる。さらに積層体を長時間高温高湿度下に置くと接着剤層の凝集力不足を原因とし、接着力が徐々に低下する。なお、ここでのガラス転移温度とは、上記の保護層用樹脂と同様の上記の方法により測定した値を記載している。
接着剤層用樹脂の数平均分子量は10,000〜250,000であることが好ましく、さらには10,000〜100,000であることがより好ましく、15,000〜75,000であることがより好ましく、15,000〜50,000であることが特に好ましい。数平均分子量が250,000を越える場合には、接着剤の粘度が高くなり、塗工性に問題が生じ、接着力が低下する。数平均分子量が10,000未満の場合には、硬化接着剤層の耐湿熱性、初期の凝集力が低く、デラミネーション等を生じる。
なお、上記の数平均分子量は、上記の保護層用樹脂と同様の上記の方法により測定した値を記載している。
接着剤層用樹脂の数平均分子量の水酸基価は、固形分換算で1〜100mgKOH/gであることが重要であり、好ましくは1〜50mgKOH/g、さらには1〜30mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が1mgKOH/g以上であることにより、硬化接着剤層の架橋が密になり、塗膜の耐湿熱性が向上し、湿熱試験しても、表面層と内層へのフィルムへの接着力が低下しにくい。一方、水酸基価が100mgKOH/g以下であることにより、硬化接着剤層から適度な架橋密度の硬化層を形成でき、表面層と内層のフィルムとの初期の接着性が向上し、湿熱試験後に接着力が低下することを抑制することもできる。
硬化接着剤層に使用する非ブロック化ポリイソシアネート化合物は、上記の保護層用樹脂(b1)の場合と同様の化合物である。得られる硬化接着剤層が経時で黄色から褐色に変色することを防ぐために、脂環族または脂肪族の化合物のみを用いることが好ましい。
非ブロック化ポリイソシアネート化合物の量は、接着剤層用樹脂の水酸基1個に対して、イソシアネート基が0.1〜20個の範囲で存在するような量であることが好ましく、さらには0.5〜10個の範囲であることがより好ましく、さらには1〜5個の範囲であることがより好ましい。0.1個以上とすることにより、架橋密度を高め、耐湿熱性を向上できる。20個以下とすることにより、過剰のイソシアネート基が残存しにくくなる。過剰のイソシアネート基が残存すると、湿熱試験中に空気中の水分と反応して、表面層と内層のフィルムとの接着力が低下することの原因となる恐れがある。
硬化剤としては、上記非ブロック化ポリイソシアネート化合物の他に、本発明の効果を阻害しない範囲内で、任意に、周知のオキサゾリン化合物、例えば、2,5−ジメチル−2−オキサゾリン、若しくは2,2−(1,4−ブチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、又は、ヒドラジド化合物、例えば、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、若しくはアジピン酸ジヒドラジド等を含むことができる。
内層(3)の一種である硬化接着剤層が大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を含有する場合には、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)と後述する接着剤層用樹脂(b1)との合計100質量%中、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を10〜70質量%含有することが好ましく、30〜70質量%含有することがより好ましい。大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を10〜70質量%含有することによって、隠蔽性と可視光反射性に優れる太陽電池用裏面保護シートを得ることができる。
大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)の含有量を10質量%以上とすることで隠蔽性を向上でき、可視光の反射を向上できる点において、より好ましい。また、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)の含有量を70質量%以下にすることで基材、即ち内層(3)との密着性が優れる点でより好ましい。
また、内層としての硬化接着剤層形成用塗液には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、架橋促進剤を添加してもよい。架橋促進剤は接着剤層用樹脂(b1)と、非ブロック化ポリイソシアネート化合物のイソシアネートによるウレタン結合反応を促進する触媒としての役割を果たす。架橋促進剤としては、上記の保護層用樹脂(b1)の場合と同様の化合物で、同様に用いることができる。
本発明の硬化接着剤層形成用塗液には、金属箔、金属板、又は金属蒸着フィルム等を基材として使用する場合、接着強度を向上させる観点から、シランカップリング剤を含有させることが好ましい。
シランカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、及びビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及びγ−(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン等の(メタ)アクリロキシシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;並びに、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、及びγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて使用できる。尚、「(メタ)アクリロキシ」は、「アクリロ
キシ」又は「メタクリロキシ」を意味する。
シランカップリング剤の添加量は、接着剤層用樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましく、1〜3重量部であることがより好ましい。0.1重量部未満では、シランカップリング剤を添加することによる金属箔に対する接着強度向上効果に乏しく、5重量部を超えて添加しても、それ以上の性能の向上は認められない場合がある。
本発明で使用される公知の添加剤として、太陽などの紫外線による接着剤の経時での黄変、太陽熱などの熱による接着剤の経時での黄変をさらに抑制する目的で、公知のリン系やフェノール系の酸化防止剤、紫外線安定剤、金属不活性化剤を、硬化接着剤層形成用塗液に配合することができる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。
本発明で使用されるリン系やフェノール系の酸化防止剤、紫外線安定剤、金属不活性化剤は、接着剤層用樹脂の固形分100重量部に対し0.05〜10重量部の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。添加量が0.05重量未満であると、十分な黄変抑制効果が得られない恐れがあり、5重量部よりも多いと、接着剤の接着力を大きく悪化させてしまう恐れがある。
また、本発明の最表面としての硬化接着剤層形成用塗液には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、充填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
本発明に用いられる硬化接着剤層形成用塗液には、溶剤が含まれる。
溶剤としては、上記の保護層用樹脂(b1)の場合と同様の溶剤などがあり、同様に用いることができる。
本発明の硬化接着剤の不揮発分(固形分)は、10〜50重量%の範囲が好ましい。本硬化接着剤は上記に例示したような溶剤を用いて固形分の調整を行うことができる。
<ポリエステル系フィルム(F)>
内層(3)の一種であるポリエステル系フィルム(F)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。この中でもポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。プラスチックフィルムは、1層または2層以上の複層構造でも構わない。
大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を含有するポリエステル系フィルム(F)は、ポリエステル系フィルムに、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を練り込んで、フィルム化することにより得られる。ポリエステル系フィルム等と、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)との合計100質量%中、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)を5〜40質量%含有することが好ましく、10〜30質量%含有することがより好ましい。
本発明では、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)の機能・目的を損なわない範囲で、前述のプラスチックフィルムに金属酸化物や非金属無機酸化物を蒸着した蒸着フィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルムを内層(3)として用いることもできる。即ち、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)の機能・目的を損なわないよう、蒸着層の位置や素材を選択すればよい。
蒸着される金属酸化物もしくは非金属無機酸化物としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの酸化物が使用できる。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属のフッ化物なども使用することができ、これらは単独もしくは組み合わせて使用することができる。
これらの金属酸化物もしくは非金属無機酸化物は、従来公知の真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどのPVD方式や、プラズマCVD、マイクロウェーブCVDなどのCVD方式を用いて蒸着することができる。
さらに、本発明では、大粒径白色顔料(A1)あるいは小粒径白色顔料(A2)の機能・目的を損なわない範囲で、金属層を内層(3)として用いることもできる。
金属層としては、アルミニウム箔、鉄箔、亜鉛箔などを使用することができ、これらの中でも、耐腐食性の観点から、アルミニウム箔が好ましい。厚みは10μmから100μmであることが好ましく、更に好ましくは20μmから50μmであることが好ましい。金属箔の積層には、従来公知の種々の接着剤を用いることができる。
本発明の太陽電池用裏面保護シートについて説明する。
図1に示す太陽電池用裏面保護シートは、例えば、ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素系フィルムからなる群より選ばれる表面層(1)に、透明硬化接着剤層<3’>−3を介して透明ポリエステル系フィルム<3’>−4が積層されており、前記<3’>−4の他方の面に、大粒径白色顔料含有フッ素フィルム(2)−C−1が小粒径白色顔料含有層間接着剤層(3)−D−2を介して積層されている。
図5に示す太陽電池用裏面保護シートは、表面層(1)にポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選ばれる表面層(1)に、小粒径白色顔料含有層間接着剤層(3)−D−2を介して、透明ポリエステル系フィルム<3’>−4が積層されており、前記<3’>−4の他方の面に大粒径硬化耐侯性保護層(2)−B−1が設けられる。
耐侯性保護層、硬化接着剤層、白色顔料を含有する耐侯性保護層、硬化接着剤層等を設ける方法としては、各層を形成するための塗液を従来公知の方法で塗工する方法を挙げることができる。塗工機(方法)としては、具体的にはコンマコーティング、グラビアコーティング、リバースコーティング、ロールコーティング、リップコーティング、スプレーコーティングなどが例示できる。これらの方法で各塗液を塗布し、加熱乾燥により溶剤を揮散させることで、硬化処理前の耐侯性保護層、硬化接着剤層、白色顔料を含有する耐侯性保護層、硬化接着剤層等を形成することができる。耐侯性保護層、硬化接着剤層、白色顔料を含有する耐侯性保護層、硬化接着剤層はさらに加熱することによって、硬化・架橋することができる。
形成される硬化処理前の耐侯性保護層の厚みは、1〜30μmであることが好ましく、2〜15μmであることがより好ましい。また、硬化接着剤層の厚みは、1〜30μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。また、内層(3)の厚みは、10〜500μmであることが好ましく、50〜300μmであることがより好ましい。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、種々の方法で得ることができる。
例えば、図1−1に示す太陽電池用裏面保護シートは、透明ポリエステル系フィルム<3’>−4に、透明硬化接着剤層<3’>−3形成用の塗液(接着剤組成物)を塗工・乾燥した後、ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選ばれる表面層(1)を貼り合わせ、前記<3’>−4の他方の面に小粒径白色顔料含有層間接着剤層(3)−D−2形成用の塗液(接着剤組成物)を塗工・乾燥した後、大粒径白色顔料含有フッ素フィルム(2)−C−1を貼り合わせ、硬化・架橋させ、得ることができる。
図1−2、1−3、1−4、1−7、1−8、1−9、1−10に示す太陽電池用裏面保護シートも同様の方法で得ることができる。
前項と同様の方法により、図1−15〜1−22に示す太陽電池用裏面保護シートも得ることができる。
図1−5に示す太陽電池用裏面保護シートは、透明ポリエステル系フィルム<3’>−4に、小粒径白色顔料含有層間接着剤層(3)−D−2形成用の塗液(接着剤組成物)を塗工・乾燥した後、ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選ばれる表面層(1)を貼り合わせ、前記<3’>−4の他方の面に、大粒径白色顔料硬化耐侯性保護層(2)−B−1形成用の塗液を塗工・乾燥した後、硬化・架橋させ、得ることもできる。
図1−5、1−6、1−11、1−12に示す太陽電池用裏面保護シートも同様の方法で得ることができる。
図1−13に示す太陽電池用裏面保護シートは、大粒径白色顔料含有ポリエステル系フィルム(2)−F−1に、小粒径白色顔料含有層間接着剤層(3)−D−2形成用の塗液(接着剤組成物)を塗工・乾燥した後、ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選ばれる表面層(1)を貼り合わせ、硬化・架橋させ、得ることもできる。
図1−14に示す太陽電池用裏面保護シートも同様の方法で得ることができる。
次に本発明の太陽電池モジュールについて説明する。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池の受光面側に位置する太陽電池表面保護材(I)、太陽電池の受光面側に位置する封止材(II)、太陽電池素子(III)、太陽電池の非受光面側に位置する封止材(IV)、及び太陽電池の非受光面側に位置する太陽電池裏面保護材(V)を具備してなる太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池裏面保護材(V)が、本発明の太陽電池用裏面保護シートを、最表面としてのポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群より選ばれる表面層(1)が、前記非受光面側の封止材(IV)と接するように配置して、前記太陽電池用裏面保護シート用白色易接着剤層を硬化することにより得たものである太陽電池モジュールである。図2は、図1−8を用いた場合を示す。
非受光面側封止材層(IV)と太陽電池用裏面保護シートとを積層する際、減圧下に両者を接触させ、次いで加熱・加圧下に重ね合わせることによって太陽電池モジュールを得ることができる。
太陽電池表面保護材(I)としては、特に限定されないが、公的な例として、ガラス板、ポリカーボネートやポリアクリレートのプラスチック板などを挙げることができる。透明性、耐候性、強靭性などの点からは、ガラス板が好ましい。さらには、ガラス板の中でも透明性の高い白板ガラスが好ましい。
受光面側封止材層(II)、非受光面側封止材層(IV)は、太陽電池素子(III)全体を受光面及び非受光面の両面から挟み込むものである。受光面側封止材層(II)、非受光面側封止材層(IV)としては、熱可塑性オレフィン系樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、アセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体を、それぞれ厚さ0.2mm〜1.0mmのシート状に成形したものが主に用いられ、該樹脂中には架橋補助剤や紫外線吸収剤などを含んでいても良い。全光線透過率の観点からエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
太陽電池素子(III)としては、結晶シリコン、アモルファスシリコン、銅インジウムセレナイドに代表される化合物半導体などの光電変換層に電極を設けたもの、さらにはそれらをガラス等の基板上に積層したもの等が例示できる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中、部は質量部を、%は質量%をそれぞれ示す。表1に走査型電子顕微鏡で計測した平均粒子径が0.38以上、2μm以下の白色顔料(a−1〜a−3)、表2に走査型電子顕微鏡で計測した平均粒子径が0.2以上、0.38μm未満の白色顔料(b−1〜b−3)、表3に保護層用樹脂(b−1−1〜b−1−6)、表4に最表面としての大粒径、小粒径硬化耐侯性保護層用塗液(B1−1〜B1−3、B2−1〜B2−3)、表5に最表面としての透明硬化耐侯性保護層用塗液(E1〜E6)、表6から9に最表面としての大粒径、小粒径フッソフィルム、大粒径、小粒径PET(C、F)、表10に接着剤層用樹脂(d−1−1〜d−1−6)、表11に大粒径白色硬化接着剤層用塗液(D−1−1〜D−1−10)、表12に小粒径白色硬化接着剤層用塗液(D−2−1〜D−2−10)、表13に透明硬化接着剤層用塗液(G)を示す。
<硬化耐候性保護層形成用樹脂b−1−1溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.40部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.05部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、グリシジルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が16,000、水酸基価が16.9(mgKOH/g)、Tgが30℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の硬化耐候性保護層形成用樹脂b−1−1溶液を得た。なお、以下、「保護層用樹脂」と略すことがある。
なお、数平均分子量、ガラス転移温度、酸価、水酸基価、ヨウ素価は、下記に記述するようにして測定した。
<数平均分子量(Mn)の測定>
Mnの測定は、前述したGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって求めた。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度の測定は、前述した示差走査熱量測定(DSC)法により求めた。
なお、Tg測定用の試料は、上記のアクリル樹脂溶液を150℃で約15分、加熱し、乾固させたものを用いた。
<酸価(AV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。酸価は次式により求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<水酸基価(OHV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)
=[{(b−a)×F×28.05}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<ヨウ素価の測定>
三角フラスコに0.3〜1gの試料を0.1mgの桁まで量り取り、25℃の恒温水槽で30分間静置する。恒温水槽から三角フラスコを取り出し、ウィイス溶液25cmをピペットを用いて加え、栓をして均一になるまで軽く振り混ぜた後、25℃の恒温水槽中で120分間静置する。恒温水槽から三角フラスコを取り出し、濃度が100g/Lのヨウ化カリウム水溶液を10cm加え、栓をして強く振り混ぜる。次に、0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム水溶液を用いて滴定する。上層の水槽が少し黄色になったときに1cmのでんぷん溶液を加えて、溶液の紫色が消失するまで滴定を続ける。
ヨウ素価は次式により求める。水酸基価は易接着剤の固形分に換算した数値とする(単位:g/100g)。
ヨウ素価(g/100g)
=[{(V0−V1)×c×12.69}/m]/(固形分濃度/100)
ただし、m:試料の採取量(g)
V0:空試験の滴定量(cm
V1:資料の滴定量(cm
c:チオ硫酸ナトリウム溶液の濃度(mol/L)
ヨウ素価の滴定に使用するウィイス溶液は、次に示す手順で調整する。
三塩化ヨウ素4.8〜5.2gを0.1gの単位まではかり取り、ポリテトラフルオロエチレンで被覆した栓のついた1Lの褐色瓶に入れる。1Lの共栓付三角フラスコに、ヨウ素5.5gを0.1gの単位まではかり取り、酢酸640cmを加えて溶解する。この溶液を三塩化ヨウ素の入った褐色瓶に加えて混合し、これをウィイス溶液とする。なお、本発明では溶液の調整後は冷暗所に保管し、溶液調整後30日以内のものを使用した。
<保護層用樹脂b−1−2溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.075部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、グリシジルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が75,000、水酸基価が18.0(mgKOH/g)、Tgが30℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の保護層用樹脂b−1−2溶液を得た。
<保護層用樹脂b−1−3溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート56部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート4部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジブチルスズジラウレートを0.03部添加し、2−イソシアナトエチルメタクリレート:1.7部(前記、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート:4部のうち、約2部の変性に要する量)をメチルエチルケトン1.7部に溶解したものを、40℃で撹拌しながら2時間かけて滴下した。IRでイソシアネートピーク(2260cm−1)が消失したことを確認し、数平均分子量が38,000、水酸基価が8.6(mgKOH/g)、Tgが50℃、ヨウ素価が3.9(g/100g)、固形分50%の保護層用樹脂b−1−3溶液を得た。
<保護層用樹脂b−1−4溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、n−ブチルメタクリレート32部、2−エチルヘキシルメタクリレート66部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.37部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が36,000、水酸基価が9.2(mgKOH/g)、Tgが2℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の保護層用樹脂b−1−4溶液を得た。
<保護層用樹脂b−1−5溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.075部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が76,000、水酸基価が8.0(mgKOH/g)、Tgが34℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の保護層用樹脂b−1−5溶液を得た。
<保護層用樹脂b−1−6>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート56部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.6部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.05部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が16,000、水酸基価が16.2(mgKOH/g)、Tgが51℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の護層用樹脂b−1−6を得た。
<接着剤層用樹脂d1−1溶液>
エチレングリコール42.8部、ネオペンチルグリコール47.8部、セバシン酸202.0 部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら1 6 0 〜 2 4 0 ℃ に加熱し、エステル化反応を行なった。更に、このまま反応缶を徐々に1 〜 2 トールまで減圧した。酸価が0 . 8 m g K O H / g 以下となったところで減圧下での反応を停止し、酢酸エチルで希釈して得られた固形分50 %の接着剤層用樹脂d1−1溶液を得た。このd1−1溶液は、数平均分子量20,000、水酸基価5.6である。
<接着剤層用樹脂d1−2溶液>
エチレングリコール49.9部、ネオペンチルグリコール35.9部、イソフタル酸41.5部、テレフタル酸ジメチル48.5部、アゼライン酸131.6部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら16 0 〜 2 4 0 ℃ に加熱し、エステル化反応を行なった。更に、このまま反応缶を徐々に1 〜 2 トールまで減圧した。酸価が0. 8 m g K O H / g 以下となったところで減圧下での反応を停止し、酢酸エチルで希釈して得られた固形分5 0 % の接着剤層用樹脂d1−2溶液を得た。このd1−2溶液は、数平均分子量20,000、水酸基価5.6である。
<接着剤層用樹脂d1−3溶液>
エチレングリコール42.8部、ネオペンチルグリコール47.8部、イソフタル酸24 . 9部、テレフタル酸24.9部、セバシン酸141.4 部、アジピン酸5 1 . 1 部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら1 6 0 〜 2 4 0 ℃ に加熱し、エステル化反応を行なった。更に、このまま反応缶を徐々に1 〜 2 トールまで減圧した。酸価が0. 8 m g K O H / g 以下となったところで減圧下での反応を停止し、酢酸エチルで希釈して得られた固形分5 0 % の接着剤層用樹脂d1−3溶液を得た。このd1−3溶液は、数平均分子量20,000、水酸基価5.6である。
<接着剤層用樹脂d1−4溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、「PTMG2000(PTMG2000SN)」を45部、メチルペンタンジオールを55部、及びイソホロンジイソシアネートを85部、を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、固形分50重量%の接着剤層用樹脂d1−4溶液を得た。
このd1−4溶液は、数平均分子量18,000、水酸基価6.2である。
<接着剤層用樹脂d1−5溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、「クラレポリオール C−2090」を50部、メチルペンタンジオールを50部、及びイソホロンジイソシアネートを85部、を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、固形分50重量%の接着剤層用樹脂d1−5溶液を得た。
このd1−5溶液は、数平均分子量20,000、水酸基価5.6である。
<接着剤層用樹脂d1−6溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート31.2部、n−ブチルメタクリレート66部、2−ヒドロキシルエチルアクリレート1.8部、アクリル酸1部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が40,000、水酸基価が8.6(mgKOH/g)、Tgが−14℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の接着剤層用樹脂d1−6溶液を得た。
<ポリイソシアネート化合物溶液>
平均3個のイソシアネート基を有し、イソシアネート基濃度12.0%のイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート(三量体)[EVONIK社(株)製VESTANAT1890E固形分70%酢酸ブチル溶液]を使用した。
平均3個のイソシアネート基を有し、イソシアネート基濃度10.6%のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート(三量体)[住化バイエルウレタン社(株)製スミジュールN3300固形分50%酢酸エチル溶液]を使用した。
<最表面としての硬化耐侯性保護層形成用塗液(B1、B2、E)の調整>
小粒径白色顔料(A1)、大粒径白色顔料(B1)、保護層用樹脂(b1)溶液、ポリイソシアネート化合物溶液、触媒を表4、5に示す組成にて混合し、最表面としての大粒径白色顔料含有、小粒径白色顔料含有、または透明の硬化耐侯性保護層形成用塗液(B1、B2、E)を得た。
<最表面としてのフッ素系フィルム(C1、2)の調整>
大粒径白色顔料(A1)、小粒径白色顔料(A2)、ポリフッ化ビニル(PVF)を表6、7に示す組成にて混合し、最表面としての大粒径白色顔料含有、小粒径白色顔料含有フッ素系フィルムを得た。
<大粒径白色顔料含有PET、小粒径白色顔料含有PET(F1、2)の調整1>
大粒径白色顔料(A1)、小粒径白色顔料(A2)、ポリエチレンテレフタレート(PET)を表8、9に示す組成にて混合し、白色のPETフィルムを得た。
<硬化接着剤層形成用塗液(D1、2、G)の調整>
大粒径白色顔料(A1)、小粒径白色顔料(A2)、接着剤層用樹脂(d1)溶液、その他の添加剤、ポリイソシアネート化合物を表11、12、13に示す組成にて混合し、大粒径白色顔料含有、小粒径白色顔料含有、または透明の硬化接着剤層形成用塗液を得た。
<太陽電池用裏面保護シート(1)の作成>
ポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラーS10、厚み188μmの一方の面に表13に示す透明硬化接着剤層形成用塗液(G)をグラビアコーターによって塗布し、溶剤を乾燥させ、厚み10μmの接着剤層を設け、該接着剤層に、LLDPE(製、厚み50μm)を重ね合わせた。さらに、前記ポリエステルフィルムの他方の面に表12に示す小粒径白色顔料含有硬化接着剤層形成用塗液(D2−1)をグラビアコーターによって塗布し、溶剤を乾燥させ、厚み10μmの接着剤層を設け、該接着剤層に、表6に示す最表面としての大粒径白色顔料含有フッ素系フィルム(C1−1)を重ね合わせた。
その後、50℃、4日間、エージング処理し、接着剤層を硬化させ、太陽電池用裏面保護シート(1)を作成した。
太陽電池用裏面保護シートの断面図を模式的に図1−1に示す。
硬化耐候性保護層の溶剤不溶分、太陽電池用裏面保護シートの反射率、接着力、遮熱性、太陽電池モジュールの黄色度、発電効率を以下の方法によって評価した。表14に溶剤不溶分、反射率、表15に接着力、遮熱性、黄色度、発電効率の結果を示す。
<溶剤不溶分(%)>
測定用の基材フィルムとして、帝人デュポンフィルム社製のポリエステルフィルム(テトロンS(登録商標)、厚み188μm、両面コロナ処理)を選択し、予め10cm×10cmの大きさにカットし、その重量(X)を求める。
前記基材フィルムに硬化耐候性保護層(2)形成用塗液を塗布し、100℃で1分間溶剤を乾燥させた後、50℃の恒温室で4日間放置し、厚み10μmの硬化耐候性保護層(2)を設け、試料とする。試料の重量(Y)を測定する。
その後、試料を500mlのメチルエチルケトンの入った容器に入れて、25℃で1時間振淘攪拌する。1時間後、メチルエチルケトン中から取り出して、新鮮なメチルエチルケトンで表面を荒い流した後に、室温で試料を乾燥させる。乾燥後に試料の重量(Z)を測定する。溶剤不溶分(%)は下記式より算出する。
溶剤不溶分(%)={(Z)−(X)}÷{(Y)−(X)}×100
<反射率の測定>
反射率は、分光光度計V−570(日本分光製)を用いて、太陽電池用裏面保護シートの受光面側の最表面側から、波長400〜1600nmの範囲で測定した。
<接着力測定>
前記太陽電池用裏面保護シートについてエージング後の接着強度、耐湿熱性試験後の接着強度を以下に示す方法にて求めた。
エージング後の太陽電池用裏面保護シートをそれぞれ200mm×15mmの大きさに切断し、25℃、湿度65%の環境下で6時間静置後、ASTM−D1876−61の試験法に準じ、引張り試験機を用いて、25℃、湿度65%の環境下で、荷重速度100mm/分でT型剥離試験をおこなった。剥離強度(N/15mm巾)を5個の試験片の平均値で示す。
エージング後の前記太陽電池用裏面保護シートから作成した試験片を、温度121℃、相対湿度100%RH、2気圧の環境条件で24時間、48時間、72時間それぞれ静置し、25℃、湿度65%の環境下で6時間静置後、同様に接着強度を測定した。
◎:40N/15mm以上
○:20N/15mm以上〜40N/15mm未満
△:5N/15mm以上〜20N/15mm未満
×:5N/15mm未満
<遮熱性試験>
室温23℃に調整した室内に、縦280mm、横465mm、高さ190mmの発泡スチロールの箱の上に70mm×70mmに切断した黒色の紙を置き、さらに黒色の紙にちょうど重なる様に70mm×70mmに切断した太陽電池用裏面保護シートを置き(表面層(1)を上方に向けて)、太陽電池用裏面保護シートの真上15cmの地点から125Wの赤外線ランプを照射して、表面層(1)の表面から10cm下の箱の内部の温度上昇を測定した。
《黄色度測定用太陽電池疑似モジュールの作成》
白板ガラス・・・太陽電池用表面保護材(I)
酢酸ビニル−エチレン共重合体フィルム(EVA)・・・太陽電池の受光面側に位置する封止材(II)
EVA・・・太陽電池の非受光面側に位置する封止材(IV)
及び太陽電池用裏面保護材(V)として、太陽電池用裏面保護シートを重ねた後、真空ラミネーターに入れ、1Torr程度に真空排気して、プレス圧力としては大気圧の圧力をかけた状態で、150℃30分間加熱後、さらに150℃で30分間加熱し、黄色度測定用太陽電池疑似モジュールを作製した。
<黄色度の測定>
色度は、色彩色差計CR−300(コニカミノルタ製)を用いて、太陽電池疑似モジュール1の白板ガラス側から太陽電池値用裏面保護シート1をXYZ表色系で測定した後、JIS K 7373に従って黄色度(YI値)算出した。
○:5未満
△:5以上10未満
×:10以上
<太陽電池モジュールの作成>
白板ガラス・・・太陽電池用表面保護材(I)
酢酸ビニル−エチレン共重合体フィルム(EVA)・・・太陽電池の受光面側に位置する封止材(II)
多結晶シリコン太陽電池素子・・・太陽電池素子(III)
EVA・・・太陽電池の非受光面側に位置する封止材(IV)
及び太陽電池用裏面保護材(V)として、太陽電池用裏面保護シートを重ねた後、真空ラミネーターに入れ、1Torr程度に真空排気して、プレス圧力としては大気圧の圧力をかけた状態で、150℃30分間加熱後、さらに150℃で30分間加熱し、18cm×18cm角の光電変換効率評価用太陽電池モジュールを作製した。
<光電変換効率の測定>
得られた太陽電池モジュールの太陽電池出力を測定し、JISC8912に従って、ソーラーシュミレーター(ウシオ電機製、USS−180S)を用いて光電変換効率を測定した。
また、上記ソーラーシミュレーターから1SUNの光を180分当てて温度を上昇させ、光電変換効率を測定した。
[太陽電池用裏面保護シート(2〜95)の作成]
太陽電池用裏面保護シート1の作成と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作成し、同様に評価した。太陽電池用裏面保護シートの断面図を模式的に図1に示す。
なお、表中「S−10」とあるのはポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラーS10、厚み188μm)、「X10S」とあるのはポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラーX10S、厚み50μm)の意である。





(I):太陽電池用表面保護材
(II):太陽電池の受光面側に位置する封止材
(III):太陽電池素子
(IV):太陽電池の非受光面側に位置する封止材
(V):太陽電池用裏面保護材
(1):ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、またはフッ素樹脂フィルム
(2)−C−1:最表面としての大粒径白色顔料含有フッ素系フィルム
(2)−C−2:最表面としての小粒径白色顔料含有フッ素系フィルム
(2)−B−1:最表面としての大粒径白色顔料含有硬化耐侯性保護層
(2)−B−2:最表面としての小粒径白色顔料含有硬化耐侯性保護層
(2)−F−1:最表面としての大粒径白色顔料含有ポリエステル系フィルム
(2)−F−2:最表面としての小粒径白色顔料含有ポリエステル系フィルム
<2’>−5:最表面としての白色顔料を含有しないフッ素系フィルム
<2’>−6:最表面としての白色顔料を含有しない硬化耐候性保護層
<2’>−7:最表面としての白色顔料を含有しないポリエステル系フィルム
(3)−D−1:大粒径白色顔料含有硬化接着剤層
(3)−D−2:小粒径白色顔料含有硬化接着剤層
<3’>−3:白色顔料を含有しない硬化接着剤層
<3’>−4:白色顔料を含有しないポリエステル系フィルム
(4)−D−1:大粒径白色顔料含有硬化接着剤層
(4)−D−2:小粒径白色顔料含有硬化接着剤層
(4)−F−1:大粒径白色顔料を含有するポリエステル系フィルム
(4)−F−2:小粒径白色顔料を含有するポリエステル系フィルム

Claims (3)

  1. 表面層(1)および(2)と、表面には位置しない内層(3)とを有し、
    前記表面層(1)が、ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素系フィルムからなる群より選ばれるフィルムであり、
    前記表面層(2)が、平均粒子径が0.38μm以上、2μm以下の大粒径白色顔料(A1)もしくは平均粒子径が0.2μm以上、0.38μm未満の小粒径白色顔料(A2)のいずれか一方を含有する、溶剤可溶分が60〜100重量%の硬化耐候性保護層(B)、フッ素系フィルム(C)、もしくはポリエステル系フィルム(F)であり、
    前記内層(3)が、前記大粒径白色顔料(A1)もしくは前記小粒径白色顔料(A2)のいずれか他方を含有する白色硬化接着剤層(D)である、
    ことを特徴とする太陽電池用裏面保護シート。
  2. 表面層(1)および(2)と、表面には位置しない少なくとも2つの内層(3)および(4)とを有し、
    前記表面層(1)が、ポリオレフィンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム及びフッ素系フィルムからなる群より選ばれるフィルムであり、
    表面層(2)が、溶剤可溶分が60〜100重量%である硬化耐候性保護層(E)もしくはフッ素系フィルム、もしくは白色顔料を含有しないポリエステル系フィルムであり、
    前記内層(3)が、平均粒子径が0.38μm以上、2μm以下の大粒径白色顔料(A1)もしくは平均粒子径が0.2μm以上、0.38μm未満の小粒径白色顔料(A2)のいずれか一方を含有する、白色硬化接着剤層(D)もしくはポリエステル系フィルム(F)であり、
    前記内層(4)が、前記大粒径白色顔料(A1)もしくは前記小粒径白色顔料(A2)のいずれか他方を含有する、白色硬化接着剤層(D)もしくはポリエステル系フィルム(F)である、
    ことを特徴とする太陽電池用裏面保護シート。
  3. 太陽電池の受光面側に位置する太陽電池表面保護材(I)、太陽電池の受光面側に位置する封止材(II)、太陽電池素子(III)、太陽電池の非受光面側に位置する封止材(IV)、及び太陽電池の非受光面側に位置する太陽電池裏面保護材(V)を具備してなる太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池裏面保護材(V)が、請求項1または2記載の太陽電池用裏面保護シートを、前記表面層(1)が前記非受光面側の封止材(IV)と接するように配置して、積層してなる太陽電池モジュール。

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