JP2002052666A - 化粧シート及びこれを使用した家具 - Google Patents
化粧シート及びこれを使用した家具Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ビーズ5を混入させた保護膜層4の層厚さを
薄くしながら、化粧シート1の表面の物理性状を改善す
る。 【解決手段】 オレフィン系合成樹脂製の基体シート2
の表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を含む下塗り塗装層3
を形成し、該下塗り塗装層の表面にガラス、シリカ、ウ
レタン、またはナイロン製の微小粒径のビーズ5を混入
した4フッ化エチレン樹脂からなる保護膜層4を形成す
る(図1(a))か、下塗り塗装層3にウレタン製の微
小粒径のビーズ6を混入しておく(図1(b))。
薄くしながら、化粧シート1の表面の物理性状を改善す
る。 【解決手段】 オレフィン系合成樹脂製の基体シート2
の表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を含む下塗り塗装層3
を形成し、該下塗り塗装層の表面にガラス、シリカ、ウ
レタン、またはナイロン製の微小粒径のビーズ5を混入
した4フッ化エチレン樹脂からなる保護膜層4を形成す
る(図1(a))か、下塗り塗装層3にウレタン製の微
小粒径のビーズ6を混入しておく(図1(b))。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、傷つき難い化粧シ
ート及びこの化粧シートを机天板等の金属板または木質
部材の表面に貼設した家具に関するものである。
ート及びこの化粧シートを机天板等の金属板または木質
部材の表面に貼設した家具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開平10−16652
8号公報では、傷が付き難い合成樹脂製シートとして、
オレフィン系樹脂からなる基体シートの表面にポリエチ
レン/ポリプロピレン系の樹脂の層を形成し、その表面
に紫外線硬化性塗料からなる被膜を形成し、この紫外線
硬化性塗料の被膜から、球状弾性ポリマー微粒子(ビー
ズ)の一部が突出するようにした樹脂シートが開示され
ている。
8号公報では、傷が付き難い合成樹脂製シートとして、
オレフィン系樹脂からなる基体シートの表面にポリエチ
レン/ポリプロピレン系の樹脂の層を形成し、その表面
に紫外線硬化性塗料からなる被膜を形成し、この紫外線
硬化性塗料の被膜から、球状弾性ポリマー微粒子(ビー
ズ)の一部が突出するようにした樹脂シートが開示され
ている。
【0003】また、特開平10−17815号公報に
は、塗装膜の耐摩耗性と耐傷付き性と加工性を向上させ
るため、ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂を主
成分とし、これに塗装組成物の全固形物中の無機骨材と
して炭化珪素粉体及びガラスビーズを所定量含有し、さ
らに有機骨材として硬質及び軟質のアクリルポリマービ
ーズと4フッ化エチレン樹脂粉末とを所定量含有してな
る塗料組成物を金属板の表面に塗装・焼付けすることが
開示されている。
は、塗装膜の耐摩耗性と耐傷付き性と加工性を向上させ
るため、ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂を主
成分とし、これに塗装組成物の全固形物中の無機骨材と
して炭化珪素粉体及びガラスビーズを所定量含有し、さ
らに有機骨材として硬質及び軟質のアクリルポリマービ
ーズと4フッ化エチレン樹脂粉末とを所定量含有してな
る塗料組成物を金属板の表面に塗装・焼付けすることが
開示されている。
【0004】前記の塗装膜のうちビーズが塗装膜の表面
に露出していることで、該塗装膜の表面に外力が作用し
たときや、物品を載置しもしくは衝突したときの耐摩耗
性及び耐傷付き性を向上させることができるとしてい
る。
に露出していることで、該塗装膜の表面に外力が作用し
たときや、物品を載置しもしくは衝突したときの耐摩耗
性及び耐傷付き性を向上させることができるとしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記後
者のビーズ入の塗料は、塗装後に焼付け温度を高くしな
ければ塗装膜として安定しないものであるところ、家具
特に木質部材表面に適用した場合、前記焼付け作業がほ
ぼ不可能であるという問題があった。
者のビーズ入の塗料は、塗装後に焼付け温度を高くしな
ければ塗装膜として安定しないものであるところ、家具
特に木質部材表面に適用した場合、前記焼付け作業がほ
ぼ不可能であるという問題があった。
【0006】他方、前記前者の樹脂シートでは、基体シ
ートがオレフィン系樹脂であるため、原材料のリサイク
ルの面で適しているといわれている。しかしながら、耐
傷性を高めるべく紫外線硬化性塗料の被膜層の厚さを厚
く形成するには、紫外線照射が多くなり、温度上昇が大
きくなる結果、耐熱性がないオレフィン系樹脂の基体シ
ートが軟化し過ぎて、仕上がりの化粧シートのハンドリ
ング(取り扱い)が困難になるという問題があった。前
記紫外線硬化性塗料の被膜層の厚さが薄い場合には、こ
の被膜層に混入されるビーズが表面に析出し易くなり、
当該ビーズが化粧シートの表面から剥がれ易くなるの
で、耐傷性を向上させることができないとう問題があっ
た。
ートがオレフィン系樹脂であるため、原材料のリサイク
ルの面で適しているといわれている。しかしながら、耐
傷性を高めるべく紫外線硬化性塗料の被膜層の厚さを厚
く形成するには、紫外線照射が多くなり、温度上昇が大
きくなる結果、耐熱性がないオレフィン系樹脂の基体シ
ートが軟化し過ぎて、仕上がりの化粧シートのハンドリ
ング(取り扱い)が困難になるという問題があった。前
記紫外線硬化性塗料の被膜層の厚さが薄い場合には、こ
の被膜層に混入されるビーズが表面に析出し易くなり、
当該ビーズが化粧シートの表面から剥がれ易くなるの
で、耐傷性を向上させることができないとう問題があっ
た。
【0007】本発明は、このような現状を改善すること
を技術的課題とするものである。
を技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1の発明の化粧シートは、オレフィン系合成樹
脂製の基体シートの表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を含
む下塗り塗装層を形成し、該下塗り塗装層の表面にガラ
ス、シリカ、ウレタン、またはナイロン製の微小粒径の
ビーズを混入した樹脂基材からなる保護膜層を形成した
ことを特徴とするものである。
の請求項1の発明の化粧シートは、オレフィン系合成樹
脂製の基体シートの表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を含
む下塗り塗装層を形成し、該下塗り塗装層の表面にガラ
ス、シリカ、ウレタン、またはナイロン製の微小粒径の
ビーズを混入した樹脂基材からなる保護膜層を形成した
ことを特徴とするものである。
【0009】そして、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の化粧シートにおいて、前記下塗り塗装層に
は、ウレタン製の微小粒径のビーズを混入したものであ
る。
1に記載の化粧シートにおいて、前記下塗り塗装層に
は、ウレタン製の微小粒径のビーズを混入したものであ
る。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は請求項2に記載の化粧シートにおいて、前記ビーズ
を混入する樹脂基材は、4フッ化エチレン樹脂または紫
外線硬化性樹脂を主成分とするディスパージョンまたエ
ナメルである。
又は請求項2に記載の化粧シートにおいて、前記ビーズ
を混入する樹脂基材は、4フッ化エチレン樹脂または紫
外線硬化性樹脂を主成分とするディスパージョンまたエ
ナメルである。
【0011】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の化粧シートにおい
て、前記基体シートは、ポリプロピレン、ポリエチレン
等のポリオレフィン系合成樹脂のシートの表面に、金属
架橋ポリエチレン製のシートを積層したものである。
1乃至請求項3のいずれかに記載の化粧シートにおい
て、前記基体シートは、ポリプロピレン、ポリエチレン
等のポリオレフィン系合成樹脂のシートの表面に、金属
架橋ポリエチレン製のシートを積層したものである。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4のいずれかに記載の前記化粧シートを家具におけ
る金属板または木質部材の表面に貼設したものである。
求項4のいずれかに記載の前記化粧シートを家具におけ
る金属板または木質部材の表面に貼設したものである。
【0013】
【発明の実施形態】次に、本発明の実施形態を図面に基
づいて説明する。図1(a)及び図1(b)は化粧シー
ト1の第1実施形態を示し、化粧シート1は、ポリプロ
ピレン(PP)等のオレフィン系合成樹脂製の基体シー
ト2の表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を含む下塗り塗装
層3を形成し、該下塗り塗装層の表面にガラス、シリ
カ、ウレタン、またはナイロン製の微小粒径のビーズ5
を混入した樹脂基材からなる保護膜層4を形成したもの
であり、基体シート2の厚さは80μm〜1200μm
程度とする。そして、下塗り塗装層3の厚さは10μm
程度、最上層の保護膜層4の膜厚さは3〜8μm程度で
ある。また、前記ビーズ5の直径は、2μm〜15μm
程度である。
づいて説明する。図1(a)及び図1(b)は化粧シー
ト1の第1実施形態を示し、化粧シート1は、ポリプロ
ピレン(PP)等のオレフィン系合成樹脂製の基体シー
ト2の表面に酸化チタン又は酸化亜鉛を含む下塗り塗装
層3を形成し、該下塗り塗装層の表面にガラス、シリ
カ、ウレタン、またはナイロン製の微小粒径のビーズ5
を混入した樹脂基材からなる保護膜層4を形成したもの
であり、基体シート2の厚さは80μm〜1200μm
程度とする。そして、下塗り塗装層3の厚さは10μm
程度、最上層の保護膜層4の膜厚さは3〜8μm程度で
ある。また、前記ビーズ5の直径は、2μm〜15μm
程度である。
【0014】そして、図1(a)に示す実施例では、下
塗り塗装層3にはビーズが混入されていないが、図1
(b)に示す実施例では、ウレタン、またはナイロン製
のビーズ6を混入する。
塗り塗装層3にはビーズが混入されていないが、図1
(b)に示す実施例では、ウレタン、またはナイロン製
のビーズ6を混入する。
【0015】また、図1(a)及び図1(b)に示す実
施例では、最上層の保護膜層4における樹脂基材は、4
フッ化エチレン樹脂のディスパージョンまたはエナメル
であり、これらにガラス、シリカ、ウレタン、またはナ
イロン製の微小粒径のビーズ5を混入してあり、この保
護膜層4が固化した状態では、多数のビーズ5が膜4の
表面を覆うように一部露出することになり、ビーズ5に
他の物が衝突した場合等に対する耐傷付き性が向上す
る。また、表面におけるビーズ5に対する光の乱反射の
ため、化粧シート1の表面は艶が少なくなる。
施例では、最上層の保護膜層4における樹脂基材は、4
フッ化エチレン樹脂のディスパージョンまたはエナメル
であり、これらにガラス、シリカ、ウレタン、またはナ
イロン製の微小粒径のビーズ5を混入してあり、この保
護膜層4が固化した状態では、多数のビーズ5が膜4の
表面を覆うように一部露出することになり、ビーズ5に
他の物が衝突した場合等に対する耐傷付き性が向上す
る。また、表面におけるビーズ5に対する光の乱反射の
ため、化粧シート1の表面は艶が少なくなる。
【0016】図1(a)に示す実施例のように、前記下
塗り塗装層3に含まれる酸化チタン又は酸化亜鉛は、無
機質の粒子であって白色顔料の主成分であるから、その
上層の保護膜層4に対してクッション性を有し、保護膜
層4の厚さが薄くても、耐引っかき傷性(鉛筆引っかき
値:JIS K 5400の塗料一般試験方法による)
が向上する。また、ビーズ5を混入した樹脂基材からな
る保護膜層4のコストが高いので、当該保護膜層4の厚
さ厚くすることなく、コストの安い下塗り塗装層3を予
め塗布することにより、保護膜層4が基体シート2から
剥がれることなく、耐引っかき傷性も向上するのであ
る。
塗り塗装層3に含まれる酸化チタン又は酸化亜鉛は、無
機質の粒子であって白色顔料の主成分であるから、その
上層の保護膜層4に対してクッション性を有し、保護膜
層4の厚さが薄くても、耐引っかき傷性(鉛筆引っかき
値:JIS K 5400の塗料一般試験方法による)
が向上する。また、ビーズ5を混入した樹脂基材からな
る保護膜層4のコストが高いので、当該保護膜層4の厚
さ厚くすることなく、コストの安い下塗り塗装層3を予
め塗布することにより、保護膜層4が基体シート2から
剥がれることなく、耐引っかき傷性も向上するのであ
る。
【0017】他方、図1(b)に示す実施例のように、
前記下塗り塗装層3にウレタン、またはナイロン製のビ
ーズ6を混入しておけば、この下塗り塗装層3のクッシ
ョン性がさらに向上し、化粧シート1の表面は柔らかい
手触りでありながら、耐引っかき傷性が損なわれないの
である。このビーズ6の直径は、2μm〜30μm程度
である。
前記下塗り塗装層3にウレタン、またはナイロン製のビ
ーズ6を混入しておけば、この下塗り塗装層3のクッシ
ョン性がさらに向上し、化粧シート1の表面は柔らかい
手触りでありながら、耐引っかき傷性が損なわれないの
である。このビーズ6の直径は、2μm〜30μm程度
である。
【0018】4フッ化エチレン樹脂のディスパージョン
の場合、4フッ化エチレン樹脂の分子量をある程度上げ
た状態で溶剤に溶解させてあるので、前記樹脂基材の塗
布後、略60℃程度の加熱(低温焼付け)により保護膜
層4の形成が完了する。
の場合、4フッ化エチレン樹脂の分子量をある程度上げ
た状態で溶剤に溶解させてあるので、前記樹脂基材の塗
布後、略60℃程度の加熱(低温焼付け)により保護膜
層4の形成が完了する。
【0019】前記第1実施形態の変形例として、保護膜
層4中のビーズ5をウレタンにて構成した場合、クッシ
ョン性及び鉛筆やボールペンの先端による押し込み圧力
に対する復元性が向上するけれども、該ビーズ5が多孔
質のため、保護膜層4の表面に露出したビーズ5に汚れ
が付き易くなるので、4フッ化エチレン樹脂のみのコー
ト(塗装膜)を前記保護膜層4の表面に施すようにして
も良い。このようにすると、化粧シート1の表面は、前
記クッション性や押し込み圧力に対する復元性を良好に
保持したまま、表面の汚れが付き難くし滑り性も良好に
できるという効果を奏する。
層4中のビーズ5をウレタンにて構成した場合、クッシ
ョン性及び鉛筆やボールペンの先端による押し込み圧力
に対する復元性が向上するけれども、該ビーズ5が多孔
質のため、保護膜層4の表面に露出したビーズ5に汚れ
が付き易くなるので、4フッ化エチレン樹脂のみのコー
ト(塗装膜)を前記保護膜層4の表面に施すようにして
も良い。このようにすると、化粧シート1の表面は、前
記クッション性や押し込み圧力に対する復元性を良好に
保持したまま、表面の汚れが付き難くし滑り性も良好に
できるという効果を奏する。
【0020】また、基材シート2として、ポリプロピレ
ン(PP)の第1シート2aの表面に金属架橋ポリエチ
レン樹脂の第2シート2bを貼設したものとしても良
い。その場合、第1シート2aの厚さを720μm〜1
000μm程度とし、第2シート2bの厚さを80μm
〜200μm程度とする。
ン(PP)の第1シート2aの表面に金属架橋ポリエチ
レン樹脂の第2シート2bを貼設したものとしても良
い。その場合、第1シート2aの厚さを720μm〜1
000μm程度とし、第2シート2bの厚さを80μm
〜200μm程度とする。
【0021】第2実施形態を示す図2(a)及び図2
(b)では、化粧シート1は、ポリプロピレン(PP)
等のオレフィン系合成樹脂製の基体シート2の表面に酸
化チタン又は酸化亜鉛を含む下塗り塗装層3を形成し、
該下塗り塗装層3の表面にガラス、シリカ、ウレタン、
またはナイロン製の微小粒径のビーズ5を混入した樹脂
基材からなる保護膜層4′を形成したものであり、この
保護膜層4′の樹脂基材は、変性アクリル樹脂系接着剤
として知られる紫外線硬化性樹脂であり、ラジカル重合
型樹脂としての、ポリエステルアクリレート、ウレタン
アクリレート等のオリゴマー、もしくはモノマーと、ベ
ンゾインエーテル系、ベンゾフェイン系、アセトン系、
チオキサントン系等の光重合開始剤を主成分とする。
(b)では、化粧シート1は、ポリプロピレン(PP)
等のオレフィン系合成樹脂製の基体シート2の表面に酸
化チタン又は酸化亜鉛を含む下塗り塗装層3を形成し、
該下塗り塗装層3の表面にガラス、シリカ、ウレタン、
またはナイロン製の微小粒径のビーズ5を混入した樹脂
基材からなる保護膜層4′を形成したものであり、この
保護膜層4′の樹脂基材は、変性アクリル樹脂系接着剤
として知られる紫外線硬化性樹脂であり、ラジカル重合
型樹脂としての、ポリエステルアクリレート、ウレタン
アクリレート等のオリゴマー、もしくはモノマーと、ベ
ンゾインエーテル系、ベンゾフェイン系、アセトン系、
チオキサントン系等の光重合開始剤を主成分とする。
【0022】図2(a)に示す実施例では、下塗り塗装
層3にはビーズが混入されていないが、図2(b)に示
す実施例では、ウレタン、またはナイロン製のビーズ6
を混入する。
層3にはビーズが混入されていないが、図2(b)に示
す実施例では、ウレタン、またはナイロン製のビーズ6
を混入する。
【0023】そして、図2(a)及び図2(b)に示す
実施例では、保護膜層4′を形成する樹脂基材は、紫外
線硬化性樹脂(UV樹脂ともいう)のディスパージョン
またはエナメルであり、これらガラス、シリカ、ウレタ
ン、またはナイロン製の微小粒径のビーズ5を混入して
あり、この保護膜層4′が固化した状態では、多数のビ
ーズ5が膜4′の表面を覆うように一部露出することに
なり、ビーズ5に他の物が衝突した場合等に対する耐傷
付き性が向上する。
実施例では、保護膜層4′を形成する樹脂基材は、紫外
線硬化性樹脂(UV樹脂ともいう)のディスパージョン
またはエナメルであり、これらガラス、シリカ、ウレタ
ン、またはナイロン製の微小粒径のビーズ5を混入して
あり、この保護膜層4′が固化した状態では、多数のビ
ーズ5が膜4′の表面を覆うように一部露出することに
なり、ビーズ5に他の物が衝突した場合等に対する耐傷
付き性が向上する。
【0024】保護膜層4′を形成する樹脂基材が紫外線
硬化性樹脂である場合には、当該樹脂を塗布した後、紫
外線を照射することにより、数秒単位で保護膜層4′を
硬化させることができる。また、この保護膜層4′は紫
外線の照射にて光重合反応のため、温度上昇が発生す
る。このため、保護膜層4′を余り厚くすると、耐熱性
のないオレフィン系樹脂である基体シート2の形状の保
持ができる無くなる。従って、これによる制約を回避
し、かつ1回の紫外線照射で均一且つ迅速に効果し得る
ものとして、保護膜層4′の厚さは略7〜8μmが適切
である。
硬化性樹脂である場合には、当該樹脂を塗布した後、紫
外線を照射することにより、数秒単位で保護膜層4′を
硬化させることができる。また、この保護膜層4′は紫
外線の照射にて光重合反応のため、温度上昇が発生す
る。このため、保護膜層4′を余り厚くすると、耐熱性
のないオレフィン系樹脂である基体シート2の形状の保
持ができる無くなる。従って、これによる制約を回避
し、かつ1回の紫外線照射で均一且つ迅速に効果し得る
ものとして、保護膜層4′の厚さは略7〜8μmが適切
である。
【0025】なお、これらの実施例で、基体シート2や
下塗り塗装層3の厚さは第1実施形態と同じに設定でき
ることはいうまでもない。
下塗り塗装層3の厚さは第1実施形態と同じに設定でき
ることはいうまでもない。
【0026】この化粧シート1を、家具としての机天板
10の木質部材のベース板11に貼着し及びその周囲の
合成樹脂製の縁部材12を包むように貼り付けする場
合、前記のように予め表面処理した化粧シート1を加熱
して軟化させた状態で真空整形法や圧空成形法、或いは
ローラを用いた曲げ加工法等によって、素材シートのベ
ース板2の周縁部に密着するように変形させる(図3参
照)。その場合、化粧シート1の端縁1aが不用意に捲
れ剥がれるのを防止するため、ベース板11と縁部材1
2との接合箇所の溝部13に前記端縁1aを挿入するこ
とが好ましい。
10の木質部材のベース板11に貼着し及びその周囲の
合成樹脂製の縁部材12を包むように貼り付けする場
合、前記のように予め表面処理した化粧シート1を加熱
して軟化させた状態で真空整形法や圧空成形法、或いは
ローラを用いた曲げ加工法等によって、素材シートのベ
ース板2の周縁部に密着するように変形させる(図3参
照)。その場合、化粧シート1の端縁1aが不用意に捲
れ剥がれるのを防止するため、ベース板11と縁部材1
2との接合箇所の溝部13に前記端縁1aを挿入するこ
とが好ましい。
【0027】机天板が金属板製であっても、前記化粧シ
ート1を迅速に張り付け固定することができることはい
うまでもない。
ート1を迅速に張り付け固定することができることはい
うまでもない。
【0028】
【発明の作用・効果】請求項1の構成によると、化粧シ
ートの最表面層である保護膜層の表面にビーズの一部が
露出しており、化粧シートの表面の耐傷付き性を保持し
つつ、保護膜層と基体シートとの間の下塗り塗装層が介
在されるため、保護膜層を薄くしながら化粧シートの表
面のクッション性や押し込み圧力に対する復元性を良好
にできるという効果を奏する。また、下塗り塗装層の上
に保護膜層を施すため、該保護膜層を薄く形成でき、コ
ストの低減もできる。
ートの最表面層である保護膜層の表面にビーズの一部が
露出しており、化粧シートの表面の耐傷付き性を保持し
つつ、保護膜層と基体シートとの間の下塗り塗装層が介
在されるため、保護膜層を薄くしながら化粧シートの表
面のクッション性や押し込み圧力に対する復元性を良好
にできるという効果を奏する。また、下塗り塗装層の上
に保護膜層を施すため、該保護膜層を薄く形成でき、コ
ストの低減もできる。
【0029】請求項2の構成によると、下塗り塗装層に
ウレタン製の微小粒径のビーズを混入したから、請求項
1に記載の発明の効果に加えて、前記クッション性や押
し込み圧力に対する復元性を向上させることができると
いう効果を奏する。
ウレタン製の微小粒径のビーズを混入したから、請求項
1に記載の発明の効果に加えて、前記クッション性や押
し込み圧力に対する復元性を向上させることができると
いう効果を奏する。
【0030】請求項3の構成に従えば、保護膜層の樹脂
基材が4フッ化エチレン樹脂の場合は、化粧シートの表
面の滑り性が良好となり、樹脂基材が紫外線硬化性樹脂
である場合には、化粧シートの表面の硬さを向上させて
耐傷付き性を向上できるという効果を奏する。
基材が4フッ化エチレン樹脂の場合は、化粧シートの表
面の滑り性が良好となり、樹脂基材が紫外線硬化性樹脂
である場合には、化粧シートの表面の硬さを向上させて
耐傷付き性を向上できるという効果を奏する。
【0031】請求項4の構成によれば、基体シートのう
ちの金属架橋ポリエチレンシートの部分の硬度がその下
層のシートより高くなり、後の張り付け作業時の形状保
持性が向上し、作業性が向上するという効果を奏する。
ちの金属架橋ポリエチレンシートの部分の硬度がその下
層のシートより高くなり、後の張り付け作業時の形状保
持性が向上し、作業性が向上するという効果を奏する。
【0032】請求項5のように前記の構成の化粧シート
を家具の金属板または木質部材の表面に貼設することに
より、家具の表面が傷付き難くなると共に手触りの感触
が良く、さらに表面の汚れも落ち易くできる家具を提供
できるという効果を奏する。
を家具の金属板または木質部材の表面に貼設することに
より、家具の表面が傷付き難くなると共に手触りの感触
が良く、さらに表面の汚れも落ち易くできる家具を提供
できるという効果を奏する。
【図1】化粧シートの保護膜層の樹脂基材が4フッ化エ
チレン樹脂とした第1実施形態を示し、(a)はビーズ
を混入させない下塗り塗装層の場合の断面図、(b)は
ビーズを混入させた下塗り塗装層の場合の断面図であ
る。
チレン樹脂とした第1実施形態を示し、(a)はビーズ
を混入させない下塗り塗装層の場合の断面図、(b)は
ビーズを混入させた下塗り塗装層の場合の断面図であ
る。
【図2】化粧シートの保護膜層の樹脂基材が紫外線硬化
性樹脂とした第2実施形態を示し、(a)はビーズを混
入させない下塗り塗装層の場合の断面図、(b)はビー
ズを混入させた下塗り塗装層の場合の断面図である。
性樹脂とした第2実施形態を示し、(a)はビーズを混
入させない下塗り塗装層の場合の断面図、(b)はビー
ズを混入させた下塗り塗装層の場合の断面図である。
【図3】机天板の縁部近傍に化粧シートを張り付けした
状態の断面図である。
状態の断面図である。
1 化粧シート 2 基体シート 2a 第1シート 2b 第2シート 3 下塗り塗装層 4、4′ 保護膜層 5、6 ビーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B053 PA03 PB01 PB03 PB05 PC03 4F100 AA20C AA21B AA21H AA25B AA25H AB01E AG00C AK03A AK04A AK04D AK07A AK18C AK48C AK51B AK51C AT00E BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10E CA23B CA23C CC00B DE04B DE04C EJ05D GB08 JK11 JK14 JK16
Claims (5)
- 【請求項1】 オレフィン系合成樹脂製の基体シートの
表面に、酸化チタン又は酸化亜鉛を含む下塗り塗装層を
形成し、該下塗り塗装層の表面にガラス、シリカ、ウレ
タン、またはナイロン製の微小粒径のビーズを混入した
樹脂基材からなる保護膜層を形成したことを特徴とする
化粧シート。 - 【請求項2】 前記下塗り塗装層には、ウレタン製の微
小粒径のビーズを混入したことを特徴とする請求項1に
記載の化粧シート。 - 【請求項3】 前記ビーズを混入する樹脂基材は、4フ
ッ化エチレン樹脂または紫外線硬化性樹脂を主成分とす
るディスパージョンまたエナメルであることを特徴とす
る請求項1または請求項2に記載の化粧シート。 - 【請求項4】 前記基体シートは、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等のポリオレフィン系合成樹脂のシートの表
面に、金属架橋ポリエチレン製のシートを積層したこと
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
化粧シート。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の前記化粧シートを家具における金属板または木質部材
の表面に貼設したことを特徴とする家具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000243694A JP2002052666A (ja) | 2000-08-11 | 2000-08-11 | 化粧シート及びこれを使用した家具 |
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ID=18734504
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2000-08-11 JP JP2000243694A patent/JP2002052666A/ja active Pending
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