JP4025890B2 - カプセル封入レンズ再帰反射性シーティング - Google Patents

カプセル封入レンズ再帰反射性シーティング Download PDF

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    • G02B5/128Reflex reflectors including curved refracting surface transparent spheres being embedded in matrix

Description

技術分野
本発明は、強固な耐衝撃性と再帰反射性シーティングのその他所望の特性を維持したまま、防縮性および熱が加えられた際の寸法安定性の改善されたカプセル封入レンズ再帰反射性シーティングに関する。
背景技術
再帰反射性シーティングは、一般に、夜間の視程を改善するために、標識、バリケード、ガードレール等に用いられている。
密閉レンズ再帰反射性シーティングとしては、埋込レンズ再帰反射性シーティング(特開平5−131589号公報に記載されている)およびカプセル封入レンズ再帰反射性シーティング(特開平3−9837号公報に記載されている)が例示される。
米国特許第3,190,178号(McKenzie)に開示されているカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングは、再帰反射性要素の単層と、封止セル中で、1つのセルの再帰反射性要素が他のセルの再帰反射性要素から分離されているような封止セルを形成する狭い分割接着の熱成形網によりその単層から離れた関係で支持されている透明なカバーフィルムとを含むものである。この透明カバーフィルムは再帰反射層を保護して、濡れた状態でもシーティングの再帰反射性能を維持することを可能にする。米国特許第4,025,159号(McGrath)は、カバーフィルムのバインダー層への接着を改善するために熱成形した狭い分割接着をさらに硬化することを教示している。これらの参照文献に開示されたシーティングは、カプセル封入レンズ再帰反射性シーティングと呼ばれることもある。
米国特許第4,896,943号(Tolliver)は、ポリエチレンおよびポリプロピレンカバーフィルムをカプセル封入レンズ再帰反射性シーティング上に用いて、再帰反射性シーティングの耐衝撃性を改善し、靭性を高めることを教示している。いくつかの実施形態において、カバーフィルムは多層から成っている。
特公昭40−7870号公報、特開昭52−21793号公報、特開昭52−110592号公報、特開昭60−194405号公報および特開平2−196653号公報には、このようなカバーフィルムをアクリルポリマー、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムのようなポリエステルフィルム、酢酸セルロースのようなセルロースベースのポリマーを含むフィルム、ポリ塩化ビニルベース樹脂を含むフィルムまたはポリウレタン樹脂を含むフィルムを含むフィルムとした再帰反射性シーティングが開示されている。
アクリルポリマーカバーフィルムは、通常、良好な耐候性を示し、再帰反射性シーティングを屋外で用いるときに有用と考えられている。しかし、アクリルポリマーフィルムは、比較的剛性で脆性なため、耐衝撃性が所望とされるものより低い。アクリルカバーフィルムはまた、通常、耐溶剤性が低いため、カバー層にしわや亀裂が生じたり、カバー層が白化したりして、反射性シートの外観が損なわれる。二軸延伸アクリルフィルムは、特に高温での寸法安定性に劣る。
ポリエステルカバーフィルムは、通常、アクリルフィルムより、耐衝撃性に優れている。しかし、ポリエステルカバーフィルムは、下のバインダー層に強固に接着させるのが難しい。従って、このようなポリエステルカバーフィルムでは、下のバインダー層からカバーフィルムが剥離する傾向があるため耐久性が不十分となることがある。
ポリ塩化ビニルベースのカバーフィルムも、通常、アクリルカバーフィルムより耐衝撃性が優れている。しかし、これらも同様に、下のバインダー層に強固に接着させるのが難しい。
特開昭61−255846号公報には、アクリル多相ポリマーブレンド含有のアクリルポリマーを含むフィルムを耐衝撃性を改善するためのカバーフィルムとして用いる再帰反射性シーティングが開示されている。しかし、かかるフィルムも所望の用途において、十分な耐衝撃性を与えるものではない。これらのフィルムはまた、耐溶剤性も低い。
特開昭63−370940号公報には、エチレン−アクリル酸コポリマーのようなエチレンコポリマーを含むフィルムをカバー層として用いる再帰反射性シーティングが記載されている。このようなカバーフィルムは、下のバインダー層への接着を高めることができ、多くの用途を満足させる。しかし、かかるカバーフィルムは、引っかき試験において鉛筆引っかきに対する耐摩耗性が不十分であるため、多くの用途において耐久性が不十分である。さらに、かかるカバーフィルムは縮みやすく、再帰反射性シーティング全体を収縮させたりカールさせたりする。
特開平6−138312号には、フッ化ビニリデンのようなフルオロポリマーを含むフィルムを、再帰反射性シーティングにおいてカバーフィルムとして用いることが開示されている。かかるフィルムは、良好な耐衝撃性および耐しみ性を有しているものの、かかるフィルムは、下のバインダー層に強固に接着しない。従って、生成する再帰反射性シーティングは剥離しやすい。
特開昭62−121043号公報および特開昭62−121047号公報には、アクリルコポリマーを含む外層とポリウレタン樹脂を含む内層とを積層させることにより形成された2層カバーフィルムを用いることが開示されている。かかる2層カバーフィルムにおいて、内部ポリウレタン樹脂層を比較的厚くし、アクリルコポリマー層を比較的薄くすることによって耐衝撃性が改善される。しかし、アクリルコポリマーを外層に用いるため、かかる2層カバーフィルムの耐溶剤性は低い。
以上をまとめると、カプセル封入レンズ再帰反射性シーティングにおいて、舗装標識の以下の特性を維持または改善するような新しいカバーフィルムに対する要望および必要性がある。
(1)耐衝撃性、
(2)熱に対する寸法安定性、
(3)バインダー層に対する接着特性(カバー層の剥離抵抗性)、
(4)引っかきに対する耐摩耗性、
(5)防縮性、および
(6)耐溶剤性。
また、「耐エッジチッピング性」は、カプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングにとってとりわけ重要な特性である。カプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングは、再帰反射性要素の密閉された、空気界面を有する気密密閉セルのせいで、特にエッジチッピングを受けやすい。上述した従来のカバーフィルムの耐エッジチッピング性は、用途によっては不適当である。
カプセル封入レンズ再帰反射性シーティングの全体の可撓性および伸びは、実際のところ、カバーフィルムの性質により影響を受ける。通常使われるカバーフィルムには、高い可撓性と靭性が望ましいとされ、必要とされる交通標識のような用途には可撓性が不十分であり、時には靭性も不十分である。
耐衝撃性と舗装標識のその他所望の特性を維持したまま、熱が加えられた際の寸法安定性および防縮性の改善されたカバーフィルムを備えたカプセル封入レンズ再帰反射性シーティングに対する要望がある。
発明の概要
本発明は、耐衝撃性とその他の所望の特性を維持したまま、防縮性および熱が加えられた際の寸法安定性が改善された、カバーフィルムを有するカプセル封入レンズ再帰反射性シーティングを提供する。さらに、かかるカバーフィルムは、通常、従来の多くのカバーフィルム材料に比べて安価である。本発明のカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングはまた、所定の形状に切断または打ち抜く際に、改善された耐エッジチッピング性を示す。再帰反射性シーティングは、通常、所定の大きさおよび形状に切断され、処理されて、道路標識板のような物品に付けられる。従って、シーティングの処理済みエッジ部分がチッピングや破損に対して抵抗力があることが重要である。
短くまとめると、本発明のカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングは、ガラスやセラミックマイクロスフェアのような再帰反射性要素の単層が部分的に埋め込まれたバインダー層と、光学的な関係でマイクロスフェアの下にある鏡面反射層と、気密密封セルを形成している相互接続ライン網であって、前記気密密閉セル中に再起反射性要素が密封され、かつ、前記再帰反射性要素が空気界面を有する相互接続ライン網に沿ってバインダー層に接合された光透過性カバーフィルムとを含む。
本発明の再帰反射性シーティングは、耐衝撃性と他の所望の特性を維持したまま、防縮性および熱が加えられた際の寸法安定性が改善されることからも明らかなように、ポリエステルカバーフィルムが、バインダー層に対する接着性を高めるという点で既知のカプセル封入レンズシーティングとは異なる。カバーフィルムのバインダー層への接着力は、バインダー層と接触するカバー層表面の接着接合界面によって高められる。カバーフィルムの内面をコロナ処理や放射線処理、または機械的な荒削りのようなプロセスで物理処理してもよいが、材料をカバーフィルムの内面にコーティングすることにより、一般に、接着接合界面が形成される。
本発明によれば、カプセル封入レンズ再帰反射性シーティングを、ここに記載したカバーフィルムおよび様々なバインダー材料を用いて作製してもよい。
【図面の簡単な説明】
本発明を、図を参照してさらに説明する。
図1は、本発明のカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングを説明するための部分断面図である。
図2は、本発明の他のカプセル封入タイプの再帰反射性シーティングを説明するための部分断面図である。
これらの図は、理想化されたものであって、計測されたものではなく、単なる例示にすぎず、これらに限定されるものではない。
実施の形態の説明
本発明のカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングは、再帰反射性要素の単層が部分的に埋め込まれているバインダー層と、再帰反射性要素と光学的な関係でその下にある鏡面反射層と、バインダー層に接合されたカバーフィルムとを含む。本発明のカプセル封入レインズタイプの再帰反射性シーティングにおいて、カバー層は、米国特許第4,025,159号に開示されているように、気密密閉セルを形成している相互接続ライン網であって、前記気密密閉セル中に再帰反射性要素が密封され、かつ、前記再帰反射性要素が空気界面を有する相互接続ライン網に沿ってバインダー層に接合されている。
本発明によれば、カプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングは、ここに開示されているカバーフィルムおよび様々なバインダー材料で作製してもよい。バインダー層へのカバーフィルムの接着は、カバー層の表面の接着接合界面をバインダー層と接触させることで高められる。カバーフィルムの内面をコロナ処理や放射線処理のようなプロセスでカバーフィルムの内面を物理的に処理してもよいが、材料をカバーフィルムの内面上にコーティングすることにより、一般に、接着接合界面が形成される。しかし、ある実施形態においては、表面を荒削りしてもよい。バインダー層、接着接合界面およびカバーシートの成分を選択すれば、バインダー層のカバーシートへの接着が高められる。
生成するカプセル封入レンズ再帰反射性シーティングが、シーティングに付けたグラフィックスを除いて一色(solid color)となるように、カバーフィルムを着色してもよい。例えば、着色した脂肪族ポリウレタン樹脂をカバーフィルムの接着接合界面上にコーティングしてもよい。接着接合界面が別の層である場合、すなわち、着色した層がバインダー層と少なくとも部分的に接触する層である場合、着色した層は、カバーフィルム上にコーティングされる第2の層を含む。着色した層もまた、バインダー層に良好な接着を示す。
図1に示したカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングの一部100には、再帰反射性要素3の単層、鏡面反射層4、バインダー層2および外面1とコーティング層を含む内面12とを有するカバーフィルム11がある。コーティング層を含む内面12は、接着接合界面である。バインダー材料2の狭結合部21が、気密密閉された個々のセル7を定義する網パターン中にある。接着層5に、任意で剥離ライナー6を重ねてもよい。
図2に示したカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングの一部200には、再帰反射性要素3の単層、鏡面反射層4、バインダー層2および外面1と内面13とを有するカバーフィルム11がある。内面13は、接着接合界面である。バインダー材料2の狭結合部21が、気密密閉された個々のセル7を定義する網パターン中にある。接着層5に、任意で剥離ライナー6を重ねてもよい。
再帰反射性要素は、通常、屈折率約1.4〜2.7のガラスマイクロスフェアである。ただし、他の組成物および屈折率のマイクロスフェアを用いてもよい。マイクロスフェアの前面が、本発明のカプセル封入レンズタイプのシーティングとして露出されているときは、屈折率約1.7〜2.1が好ましい。
マイクロスフェアは、通常、平均直径10〜200マイクロメートル、好ましくは平均直径約40〜90マイクロメートルである。マイクロスフェアは、着色剤で着色して、入射光とは異なる色の反射光とさせてもよい。しかし、マイクロスフェアは、それでも光透過性でなければならない。
マイクロスフェアは、互いに屈折率が異なる、または互いに直径が異なる等、2種以上のタイプのマイクロスフェアの混合物であってもよい。
鏡面反射層は、通常、約0.01〜10マイクロメートル、好ましくは約0.05〜5マイクロメートルの蒸気コーティング金属層を通常含む。鏡面反射層は、通常、アルミニウム、銅、銀、金または亜鉛のような金属、またはCeO2、Bi23、ZnS、TiO2、CaF2、Na3AlF6、SiO2またはMgF2のような化合物から、真空蒸着のような薄膜形成手段により形成される。
この代わりに、さらに、真珠顔料、アルミニウムフレークのような拡散または鏡面反射顔料を含む樹脂層を用いて、鏡面反射を与えてもよい。この場合、顔料は、マイクロスフェア上にコーティングされる個別の層として存在するのではなく、樹脂層に組み込まれる。代表的な真珠顔料としては、BiOC14とPbCO3が挙げられる。
バインダー層は、透明マイクロスフェアのようなレンズ要素の単層を支持し、カバー層またはフィルムを再帰反射性シーティングの他の部分に接合する。
バインダー層は、通常、再帰反射性要素に対する良好な接着、ならびに本発明のカバーフィルムに対する良好な接着を提供する柔軟で耐久性のあるポリマー材を含む。一般に、バインダー層の厚さは、少なくともマイクロスフェアの平均直径にほぼ等しく、マイクロスフェアの平均直径の2または3倍までであるのが好ましい。バインダー層が薄すぎると、再帰反射性要素を固定するのが難しくなり、バインダー層が厚すぎると、再帰反射性シーティングの可撓性が全体として減少してしまうおそれがある。可撓性が減少すると、再帰反射性シーティングを曲面に付けるとき、エッジ部分で再帰反射性シーティングが剥離する原因となる。さらに、バインダー層が厚すぎると、所望の気密密閉されたセルを形成するのが難しくなる。
上述した樹脂(類)に加えて、バインダー層には、所望であれば、ルチル形二酸化チタン等の顔料、重合開始剤、架橋剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、抗真菌剤、帯電防止剤および高級脂肪酸のような添加剤を1種またはそれ以上含有させてもよい。
本発明の第1の実施形態において、カバー層は、ポリエステルフィルムを含み、バインダー層と接触する側に接着接合界面を有しており、バインダー層には、アクリル樹脂またはポリウレタン樹脂が含有されている。ポリエステルは、その二軸配向能力のため、特に好ましいカバーフィルムである。かかる二軸配向により、一般に、寸法安定性および耐引っかき性が改善される。
アクリル樹脂類を含有するバインダー層は、一般に、ポリエステルフィルムの接着接合界面に良好な接着を示すため、シーティングの残部からのカバー層の耐剥離性を改善することができる。かかるアクリルバインダー層は、熱成形されて、カバーフィルムを封止する。さらに、アクリル樹脂類は、良好な耐候性を示し、再帰反射の輝度を減少させることになる紫外光による再帰反射層の脱色を防ぐことができる。
ここで用いるのに適した好ましいアクリル樹脂類としては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートを主成分として含有するモノマー類を重合することにより得られるポリマー類を含むものが例示される。アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートは、アルキル基がメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、イソオクチル、2−メチルブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル、シクロヘキシル、イソボルニル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ヒドロキシエトキシエチル、メトキシエチル、エトキシエチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチルまたはグリシジルのうちの少なくとも1つ、またはこれらの2種以上の組み合わせであるアルキルアクリレート類またはアルキルメタクリレート類から選択されるものである。上述のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、θ−ヒドロキシエチルカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、スチレン、クロロスチレン、(x−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアミド、N−メトキシメチル−アクリルアミド、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリルまたはビニルピリジンのような共重合性モノマーを追加成分として含んでいてもよい。
好ましいアクリルポリマー類として、メチルメタクリレート、イソオクチルアクリレートおよびエチルアクリレートを主成分として含有するモノマー類を重合することにより得られるコポリマー類が具体的に例示される。
アクリルポリマーは、熱可塑性、熱硬化性または放射線硬化性であってもよい。好ましくはアクリルポリマーは硬化性ポリマーである。硬化性ポリマーを用いると、バインダー層の耐溶剤性を改善することができる。硬化性ポリマーは、好ましくは放射線硬化性ポリマーである。放射線硬化性ポリマーを用いるときは、アクリルモノマーのような反応性希釈剤を添加してもよい。かかる希釈剤の添加は、硬化前の
バインダー層の流動性の制御を促進する。従って、バインダー層は、カバーフィルムと接触して形成されて、カプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングを形成する。その結果、均一な高い再帰反射輝度をシーティング表面に有する再帰反射性シーティングを作成することができる。特開昭52−110592号公報(特公昭61−13561号公報)には、かかる放射線硬化性ポリマーをバインダー層に用いた再帰反射性シーティングおよびその製品が詳細に説明されている。
ポリウレタン樹脂を含有するバインダー層は、一般に、ポリエステルカバーフィルムの接着接合界面に良好な接着を示し、マイクロスフェアにしっかりと接合され、本発明のカプセル封入レンズ再帰反射性シーティングを形成するのに用いることができる。
ポリウレタン樹脂は、熱可塑性、熱硬化性または放射線硬化性であってもよい。熱可塑性ポリウレタン樹脂が好ましい。熱可塑性ポリウレタン樹脂は、ポリエステルフィルムに特に良好に接着する。熱可塑性ポリウレタン樹脂は、好ましくは70℃〜180℃、より好ましくは80℃〜160℃の軟化点を有する。軟化点が低すぎると、樹脂の凝集力が低くなり、バインダー層とカバー層の間の接着が弱くなる場合がある。軟化点が高すぎると、バインダー層とカバー層とを密に接合するのが難しくなる。バインダー層とカバー層の間の接着が弱くなると、層剥離してしまう。さらに、バインダー層の軟化点が70℃未満であると、再帰反射性シーティングに加わる外力により気密密閉セルが変形して、再帰反射輝度が減少する恐れがある。バインダー層の軟化点が180℃を超えると、気密密閉セルの形成が困難になりがちである。
ポリウレタン樹脂は、芳香族ポリウレタン樹脂または脂肪族ポリウレタン樹脂であってもよい。脂肪族ポリウレタン樹脂は、良好な耐候性を示すが、芳香族ポリウレタン樹脂が一般に好ましい。
本発明の第2の実施形態において、カバー層はポリエステルフィルムを含み、接着接合界面は、バインダー層と接触する側にエチレン樹脂を含み、バインダー層はエチレンコポリマーを含有している。
バインダー層のエチレンコポリマーは、エチレン樹脂を含む接着接合界面に良好な接着を示し、再帰反射性要素を固着支持することができ、気密密閉セルの形成を促進し、外力によるセルの変形を防ぐことができる。
バインダー層として適したエチレンコポリマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のようなα,β−不飽和カルボン酸を含むモノマー類の重合により得られるコポリマー類が例示される。これらの好ましい例として、(1)エチレン/(メト)アクリル酸コポリマーまたは(2)エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマーまたはエチレン−アクリル酸/メタクリル酸コポリマーを、Zn+またはNa+のような金属イオンで架橋することにより得られるイオノマー樹脂が挙げられる。
バインダー層で用いることのできるエチレンコポリマーの例は、特開昭62−121043号公報に詳細に記載されている。
エチレンコポリマーの軟化点は、上述したポリウレタン樹脂と同様の理由で、好ましくは70℃〜180℃、より好ましくは80℃〜160℃である。
本発明の第3の実施形態において、カバー層は、ポリエステルフィルムを含み、バインダー層はポリエステル樹脂を含む。
バインダー層中のポリエステル樹脂は、ポリエステルカバーフィルムに良好な接着を示し、再帰反射性要素を固着支持することができる。ポリエステル樹脂バインダー層はまた、気密密閉セルの形成を促進し、外力によるセルの変形を防ぐ。
適したポリエステル樹脂類の例としては、ジカルボン酸(アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テルフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸)とアルキレンジオール(エチレングリコール、ブタンジオール、またはヘキサンジオール)含有反応物質の濃縮生成物としてのポリエステル樹脂、または上述の2種以上のジカルボン酸含有反応物質および/または上述の2種以上のアルキレンジオール類の濃縮生成物としてのコポリマーポリエステル樹脂が挙げられる。トリメチロールのようなトリオール、プロパンまたはグリセリンおよび/またはトリメリト酸のようなトリカルボン酸を含む上述の反応物質から得られる分岐ポリエステル樹脂を使ってもよい。
ポリエステル樹脂は、芳香族ポリエステル樹脂または脂肪族ポリエステル樹脂であってもよい。脂肪族ポリエステル樹脂類は、一般に、その耐候性が良好であるため好ましい。
ポリエステル樹脂は、熱可塑性、熱硬化性または放射線硬化性であってよい。好ましくは、ポリエステル樹脂は、熱可塑性ポリエステル樹脂である。かかる熱可塑性ポリエステル樹脂は、ポリエステルフィルムに対して特に良好な接着を示す。熱可塑性ポリエステル樹脂の軟化点は、上述したポリウレタン樹脂と同様の理由で、好ましくは70℃〜180℃、より好ましくは80℃〜160℃である。
本発明の第4の実施形態において、カバー層は、ポリエステルフィルムを含み、接着接合界面は、非結晶ポリエステル樹脂を含む。
ポリエステルフィルムが、非結晶ポリエステル樹脂を含む接着接合界面を有する本実施形態において、バインダー層の樹脂は、好ましくは1種またはそれ以上のポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂またはポリオレフィン樹脂を含む。かかる樹脂(類)があると、非結晶ポリエステル樹脂を含む接着接合界面に良好に接着し、再帰反射性要素を固着支持することができる。これらの中でも好ましいのはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂である。これらの樹脂類は、接着接合界面に特に良好に接着させるのに好ましい。さらに、気密セルの形成が促進され、外力によるセルの変形を防ぐことができる。
このような樹脂は、熱可塑性、熱硬化性または放射線硬化性であってもよい。熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、上述の接着界面に特に良好に接着する。かかる熱可塑性ポリエステル樹脂の軟化点は、上述したポリウレタン樹脂と同様の理由で、好ましくは70℃〜180℃、より好ましくは80℃〜160℃である。
ポリエステルカバーフィルムは、再帰反射性シーティングの耐衝撃性、熱を加えた際の寸法安定性、耐摩耗性、防縮性および耐溶剤性を改善することができる。ポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリ(1,2−プロピレングリコール−2,6−ナフタレート)、ポリ[−4,4’−ビス(ヒドロキシフェニル)2,2−プロパン]イソ/テレフタレート(ジカルボン酸成分は、イソフタル酸とテレフタル酸の混合比90:10〜30:70の混合物を含む)のようなポリエステルを含むフィルムであってもよい。ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)が好ましい。かかるポリエステルを含むフィルムは、再帰反射性シーティングの耐衝撃性、熱を加えた際の寸法安定性、耐摩耗性、防縮性および耐溶剤性を改善することができ、また、カプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングの耐エッジチッピング性も改善することができる。
カバーフィルムの例としては、上述のポリエステルを含み、再帰反射性シーティングの外面として機能する前面層と、上述のポリエステルを含み、バインダー層または接着接合界面または後述する層と接触する背面層と、他の樹脂を含み、良好な耐衝撃性を有する中間層とからなる3層フィルムが挙げられる。
低結晶化度を有するように形成された非結晶ポリエステルフィルムは、非結晶ポリエステル樹脂を含む接着接合界面を有し、上述のバインダー層の樹脂または後述する接着接合界面の樹脂に対する接着を改善する。カプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングにおいて、バインダー層は、再帰反射性要素が密封されている気密密閉セルを形成する相互接続ラインの網でのみカバー層を接合する。バインダー層(再帰反射効果には実質的に寄与していない)とカバー層の間の接合面積が、他のカバーフィルムに比べて減少しているため、かかるポリエステルフィルムをカバー層として用いるのが特に好ましい。この場合、フィルム形成時の温度を下げ、延伸の度合いを下げ、ポリエステルの分子量を増やし、2種以上の種類のポリエステル類を配合するか、または2種以上のジカルボン酸および/またはジオール類を含む反応物質の重合により得られるポリエステルを用いることによって、フィルムの結晶化度を制御することができる。2種以上の種類のポリエステル類を含む配合物は、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンイソフタレートを含む。
かかるカバーフィルムは、上述のポリエステルを含み、再帰反射性シーティングの外面として機能する前面層と、上述のポリエステルを含み、バインダー層または接着接合界面または後述する層と接触する背面層と、他の樹脂を含み、良好な耐衝撃性を有する中間層とからなる3層フィルムであってもよい。
上述のポリエステルフィルムは、フィルムの退色や、熱または放射線により強度が失われるのを防ぐために、紫外線吸収剤および抗酸化剤のような安定化剤を含有していてもよい。
本発明の第5の実施形態において、カバーフィルムは、ポリ塩化ビニルベースのフィルムとバインダー層に接触する側にアクリル樹脂またはポリウレタン樹脂を含む接着接合界面とを含む。
ポリ塩化ビニルカバーフィルムは、再帰反射性シーティングの耐衝撃性、熱に対する寸法安定性、引っかきに対する耐摩耗性、防縮性、および耐溶剤性を改善することができる。ポリ塩化ビニルベースのカバーフィルムは、好ましくは、ポリ塩化ビニルホモポリマーまたはポリ塩化ビニルコポリマーを含む。かかるポリ塩化ビニルコポリマーは、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニルアセタール、マレイン酸およびスチレンモノマーのような1種またはそれ以上の重合性モノマー類を含む反応物質と塩化ビニルを重合することにより得られるコポリマーである。
ポリ塩化ビニルフィルムは、可塑剤を含むのが好ましい。可塑剤としては、フタレートベースの可塑剤、ポリエステルベースの可塑剤、アジピン酸ベースの可塑剤、脂肪酸ベースの可塑剤、トリメリト酸ベースの可塑剤およびエポキシベースの可塑剤が例示される。ポリエステルベースの可塑剤が好ましい。ポリエステルベースの可塑剤は、特に、本発明のカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングの耐衝撃性および耐エッジチッピング性を改善することができる。可塑剤は、樹脂100重量部当たり約1〜約50重量部で存在させる。
かかるフィルムは、上述のポリ塩化ビニルポリマーを含み、再帰反射性シーティングの外面として機能する前面層と、上述のポリ塩化ビニルを含み、バインダー層または接着接合界面と接触する背面層と、良好な耐衝撃性を有する他の樹脂類を含む中間層とからなる3層フィルムとしてもよい。
上述のポリ塩化ビニルフィルムは、フィルムの退色や、熱または放射線により靭性が失われるのを防ぐために、紫外線吸収剤および/または抗酸化剤のような安定化剤を含有していてもよい。
上述のカバーフィルムには、上述のバインダー層と接触させるフィルム表面に、カバー層のバインダー層への接着を向上するための処理を施すことにより形成される接着接合界面が含まれる。接着接合界面処理は、化学処理であっても、または物理化学処理(コロナ放電処理、プラズマ処理、プラズマ重合処理、プラズマジェット処理、フレーム処理、紫外線照射処理、電子ビーム照射処理、電磁波照射処理)であってもよい。
物理化学処理の中では、コロナ放電処理が好ましい。コロナ放電処理により形成される接着接合界面は、カバー層のバインダー層への接着を大いに改善することができる。コロナ放電処理において、例えば、高周波数および高圧(通常、1〜6,000kHzおよび5〜30kV)をフィルム表面にかける。コロナ放電処理は、空気雰囲気中で行ってもかまわないが、窒素、酸素、水素、二酸化炭素、塩素、アルゴン、ヘリウム、三フッ化ホウ素、ブチンジオール、またはアクリロニトリルを含む雰囲気中で行って、樹脂のバインダー層への接触を改善するのが好ましい。最も好ましくは、窒素雰囲気中でコロナ放電処理を行う。
ポリエステルカバーフィルム表面にまた、フラッシュランプを用いて電磁波照射処理を行ってもよい。かかる処理をすると、表面が非結晶となり、非結晶ポリエステル樹脂接着接合界面となる。厚さ約0.02マイクロメートルから約0.25マイクロメートルの非結晶層がフィルム表面周辺に形成される。かかる電磁波照射処理は、米国特許第4,810,434号、第4,822,451号および4,824,899号に記載されている。
ポリエステルカバーフィルム表面にまた、表面処理を行ってもよい。処理は、(1)酸、アルカリまたはアミンの水溶液、または(2)トリクロロ酢酸またはフェノール化合物含有水溶液で行ってもよい。ポリエステルフィルム表面は、表面を非結晶にする処理により、膨潤または部分的に溶解し、それによって、非結晶ポリエステル樹脂を含む接着接合界面が形成される。
接着接合界面は、バインダー層およびカバーフィルムに良好に接着する樹脂またはケイ素ベースの組成物を含む層としてもよい。
接着接合界面の樹脂は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびエチレン樹脂を主成分として含むのが好ましい。さらに、添加樹脂として、1種またはそれ以上のポリビニルアルコール樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ヒドロキシメチルセルロール樹脂、カルボキシル酸スチレンブタジエンコポリマーを含む樹脂、カルボキシル酸アクリロニトリル−ブタジエンコポリマーを含む樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニレンアクリロニトリルコポリマーを含む樹脂および塩化ビニル樹脂が含まれていてもよい。この場合、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびポリエチレン樹脂のうちいずれか1つが、樹脂総量に対して好ましくは80重量パーセント以上、より好ましくは90重量パーセント以上の量で含まれている。
カバー層がポリエステルフィルムでバインダー層の樹脂がポリウレタン樹脂またはアクリル樹脂のときは、接着接合界面の樹脂が、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂またはアクリル樹脂であるのが好ましい。これらの樹脂類は、さらにカバー層とバインダー層間の接着を改善することができる。接着接合界面の樹脂と、バインダー層の樹脂の好ましい組み合わせは、(1)接着接合界面:ポリウレタン樹脂またはポリエステル樹脂、およびバインダー層:ポリウレタン樹脂、そして(2)接着接合界面:アクリル樹脂、およびバインダー層:アクリル樹脂である。
接着接合界面のアクリル樹脂は、メチルメタクリレートベースのコポリマーを含む樹脂であるのが好ましい。コポリマーは、メチルメタクリレート−ブチルメタクリレートコポリマーであるのが最も好ましい。かかるコポリマーはさらに、フィルムとバインダー層間の接着を改善する。
接着接合界面のポリウレタン樹脂は、脂肪族ポリウレタン樹脂であるのが好ましい。脂肪族ポリウレタン樹脂は、紫外光または熱による黄変を伴う劣化を減少し、日中の輝度を保てるように再帰反射性シーティングの白色度の減少を制限する。
カバー層がポリエステルフィルムで、バインダー層の樹脂がポリエチレンコポリマーのときは、接着接合界面の樹脂はエチレン樹脂であるのが好ましい。かかる樹脂は、カバー層とバインダー層間の接着を改善する。
好ましいエチレン樹脂は、ポリエチレンまたはエチレンを含むモノマー類を重合することにより得られるコポリマーを含む。このコポリマーは、エチレンを、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、ビニルアルコール、θ−ヒドロキシアルキル(メト)アクリレート、モノ(ヒドロキシアルキル(メト)アクリレート)酸ホスフェートベースモノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレンベースモノマーまたはアクリロニトリル含有反応物質のようなエチレンと共重合性のモノマーと共重合することにより得られる。コポリマーは、エチレン−(メト)アクリル酸コポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチル(メト)アクリレートコポリマー、エチレン−エチル(メト)アクリレートコポリマーまたはイオノマー樹脂であるのが好ましい。
カバー層がポリ塩化ビニルフィルムであるとき、接着接合界面の樹脂は、ポリウレタン樹脂またはアクリル樹脂であるのが好ましい。これらの樹脂類は、カバー層とバインダー層間の接着を改善する。接着接合界面の樹脂と、バインダー層の樹脂の好ましい組み合わせは、(1)接着接合界面:ポリウレタン樹脂、およびバインダー層:ポリウレタン樹脂、そして(2)接着接合界面:アクリル樹脂、およびバインダー層:アクリル樹脂である。これらの組み合わせによれば、カバー層とバインダー層間の接着をさらに改善することができる。
接着接合界面の樹脂が熱可塑性樹脂のときは、その軟化点は好ましくは50℃〜150℃、より好ましくは60℃〜130℃である。軟化点が50℃未満であると、ロール形の再帰反射性シーティングは層間で固着、すなわち「ブロッキング」してしまう恐れがある。フィルムを巻き戻す際、接着界面層が、完全性を失う恐れがある。逆に、軟化点が150℃を超えると、接着接合界面のバインダー層への接着が減じる恐れがある。
接着接合界面の樹脂は、好ましくは10,000〜200,000、より好ましくは20,000〜50,000の重量平均分子量を有している。
上述の接着接合界面には、接着接合界面接合層の透明度が損なわれない限りは、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物またはメラミン化合物のような架橋剤が含まれていてもよい。架橋剤は、バインダー層とフィルムの両方に対する接着を大幅に改善することができる。アクリル樹脂と用いるのに適した架橋剤は、メラミン化合物である。メラミン化合物により架橋させたアクリル樹脂を含む接着接合界面によれば、カバー層とバインダー層との間の接着が特に改善される。架橋剤の比率は、樹脂100重量部当たり0.5〜35重量部が好ましい。
接着接合界面には、接着接合界面の透明度が損なわれない限りは、さらに紫外線吸収剤、抗酸化剤、表面活性剤または接着助剤(シランカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド)のような添加剤が含まれていてもよい。
接着接合界面の樹脂は、バインダー層に用いるものと同じ特性を有するものでもよい。接着接合界面の樹脂は、バインダー層のものと同一または異なるものでもよい。
接着接合界面のケイ素ベースの組成物は、シランカップリング剤のような有機ケイ素化合物および二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、フッ化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛または酸化アンチモンのような無機粒子を含む。かかる組成物があると、接着接合界面は、細かく分散した無機粒子の連続ゲル化網目構造を有する。無機粒子は、接着接合界面が透明のままとなるように、平均粒径0.5マイクロメートル未満であるのが好ましい。平均粒径は、より好ましくは0.05マイクロメートル未満、最も好ましくは0.02マイクロメートル未満である。
有機ケイ素化合物は、アミノアルキルトリエトキシシランカップリング剤のような二官能シランカップリング剤であるのが好ましい。二官能シランカップリング剤は、フィルムおよびバインダー層の樹脂への接着を増大することができる。
上述のケイ素ベースの組成物にもまた、接着接合界面の透明度が損なわれない限りは、紫外線吸収剤、抗酸化剤、表面活性剤、架橋剤、高級脂肪酸または高級脂肪酸アミドのような添加剤が含まれていてもよい。
上述の樹脂またはケイ素ベースの組成物を含む接着接合界面の厚さは、好ましくは0.01〜20マイクロメートル、より好ましくは0.03〜10マイクロメートルである。
上述の樹脂またはケイ素ベースの組成物を含む接着接合界面は、通常のコーティング手段でフィルム上に提供することができる。熱可塑性樹脂を含む接着接合層は、フィルム形成時に共押し出しすることにより提供してもよい。さらに、接着接合界面を提供する前に、カバーフィルム表面に、上述の物理化学処理または化学処理を施してもよい。
上述の樹脂またはケイ素ベースの組成物を含む接着接合界面は、結合部分、すなわち、シールレッグの間、バインダー層とカバー層の間の接着を改善する。従って、かかる接着接合界面を有するカバー層が特に好ましい。
本発明の再帰反射性シーティングにおいて、印刷層を、カバー層表面に接着してもよい。実例の印刷層は、顔料または染料を含む着色剤と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および放射線硬化性樹脂のうち少なくとも1つとを含む印刷インクを含有している。かかる印刷層は、グラビアコーティングのようなコーティング手段またはスクリーン印刷のような印刷手段によって上述の表面に提供することができる。印刷インクの接着を増大するために、印刷するカバー層表面に、接着接合界面を提供する前に上述の物理化学処理または化学処理を施してもよい。
本発明の再帰反射性シーティングは、適した接着手段によって、道路標識の標識板や情報表示器の表示板のような物品に付けて用いてもよい。再帰反射性シーティングは、対象物に付ける前に、所定の大きさおよび所定の形状に切断または打ち抜いてもよい。
かかる切断または打ち抜きのような処理工程後、従来の再帰反射性シーティングのカバー層のエッジには、一般に、細かい亀裂が生じる。これらの細かい、ほどんど目に見えない亀裂は、エッジチッピングとしても知られている。本発明の再帰反射性シーティングは、かかるエッジチッピングに対する抵抗性が改善されている。
本発明の再帰反射性シーティングは、再帰反射性シーティングに通常に用いられる、感圧接着剤接着または感熱接着のような手段によって対象物に付けてもよい。好ましいのはアクリルポリマーを含む感圧接着剤または感熱接着剤である。接着層は、再帰反射性シーティングの作製中に付けてもよい。
再帰反射性シーティングの全体の強度を改善するために、プラスチックフィルムを接着層と再帰反射層との間に入れてもよい。さらに、再帰反射性シーティングを、大量の可塑剤を含むプラスチックに付けるときは、プラスチックから再帰反射層への可塑剤の浸透を防ぐために、かかるフィルムを用いてもよい。
本発明の再帰反射性シーティングの典型的な生成プロセスを下記に記す。
一般に、透明ガラスマイクロスフェアを、クラフト紙のようなキャリアフィルム状材料(carrier web)上のポリマーコーティングに一時的に接合する。この一時接着を行うには、コーティング側を表面にしたキャリアフィルム状材料を、十分に加熱しながらドラム表面を通過させて、ポリマーを粘着性にする。同時に、ポリマーの熱により粘着性となったコーティングを、十分に加熱して、ポリマーを軟化させ、マイクロスフェアの直径の約40〜60%までマイクロスフェアの圧縮単層に部分延伸する。
構造体に室温の空気を吹き付ける等して冷却した後、例えば、ポリウレタンのようなビード接着コーティングを、ポリマー層の突出マイクロスフェア上にスクイーズロールコーティングする。このビード接着コーティングを磨いて、マイクロスフェアの最も外側の領域からビード接着を除去する。通常、次に、構造体の露出面にアルミニウムまたはその他鏡面反射金属を蒸気コーティングする。
次に、バインダー層を鏡面反射コーティングに付ける。このようにして形成された全構造体をキャリアフィルム状材料から剥がして、選択したカバーフィルムと軽く接触するように露出マイクロスフェア表面に置く。
バインダー層に有用な材料は、一般に、約25℃〜150℃の温度まで加熱すると流動状態まで軟化する室温で固体のものである。熱硬化性成分を、バインダー層に用いてもよいが、熱により粘性流動または可動状態に変換できるように、層は全体として熱可塑性または熱接着相を示すものでなくてはならない。従って、ダイ要素に用いる温度およびバインダー材料に対して圧力をかける時間は大いに異なり、カバーフィルムに接触して封止するのにバインダー材料が十分に流動化する温度と、初期のダイへの接触後、かかる状態になるまでに必要な時間とに支配される。
カプセル封入レンズタイプのシーティングでは、加熱されたエンボシングプラテンの圧力のもとで、バインダー材料は十分に流れて、カバーフィルムを濡らし、圧力のかかった領域にマイクロスフェアをフラッドさせるが、圧力のかかっていない領域には大して流れないため、再帰反射性要素の露出した気密密閉セルとなる。シールのライン領域以外の構造体領域へのバインダー材料からのフラッディングは制御される。マイクロスフェアの単層において、近接のマイクロスフェアをフラッディングしたりのみこまずに微細なラインに沿ってマイクロスフェアのバインダー材料へのフラッディングを制御するこの方法によれば、カプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングの再帰反射に必要な空気界面が維持される。シーティングの最大領域に再帰反射性を保ちながら、網目パターンにおけるシーティングの再帰反射表面に、透明フィルムが永続的に気密付着される。
カバーフィルムおよびベースシートのアセンブリを1組のプラテンの間に2枚のシートを挿入して一緒に接合してもよい。1つのプラテンは十分に加熱し、バインダー材料のカバーフィルムに対する熱流動化および粘性置換を起こすのに十分な間、ラミネートの背面に圧力をかける。カプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングにおいて、1つのプラテンが、うね付きのパターンを有するエンボシングプラテンであってもよい。エンボシングプラテンのうねが、ベースシート材料に圧力をかけて、バインダー層を所望の構造に変形する。バインダー層を、圧力をかけた領域のマイクロスフェアがフラッドして、カバーフィルムと接触するよう十分に加熱して、もう1つのプラテンに対して圧力をかける。この第2のプラテンは、ダイ要素のパターンに応じた気密加熱シーリングに必要な中圧を失わずに得られるよう加熱せず、ゴムで適切にカバーするのが好ましい。エンボシングプラテンのうね状パターンは、狭い接合網を形成するためのものである。カプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングにおけるエンボシング操作後、カバーフィルムは、再帰反射性要素と離れた関係を保っておく。シート材料は、カバーフィルムによりカバーされ、ポリマーベースの接合によりすべての縁が囲われた所望の気密シールを有している。
必要であれば、エンボシングプラテンをバインダー層から分離するために、エンボシング操作の前、またはその最中にバインダー層に支持フィルムをラミネートしてもよい。さらに、シーティングは、接着層および剥離ライナーを含んでいてもよい。
実施例
本発明を、以下の実施例によりさらに説明する。が、これに限られるものではない。特に指定しない限り、全ての量は重量部である。
再帰反射シーティング試料を作成するのに用いる材料
*再帰反射性要素:屈折率約1.9および平均直径約50マイクロメートル〜約80マイクロメートルの透明ガラスマイクロスフェア
*接着:イソオクチルアクリレートアクリル酸コポリマー(モノマー重量比94:6)を含む感圧接着層
*バインダー層:様々な組成物(各実施例に記載)
*カバー層:様々な組成物(各実施例に記載)
再帰反射シーティング試料を作成するのに用いるプロセス
実施例のカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングの試料を次のようにして作成した。文中の数字は、図1または図2に示した各構成要素の数字に対応している。
(1)透明マイクロスフェア3を(平均直径の約40%の深さまで)、約25マイクロメートルの厚さのポリエチレン層に部分的に埋め込んで、透明マイクロスフェア3の単層とした。ポリエチレン層をキャリアフィルム状材料で支持した。
(2)鏡面反射要素4、アルミニウムを、約0.1マイクロメートルの厚さでマイクロスフェア3の露出面に蒸気コーティングした。透明マイクロスフェア3の焦点は、実質的に透明マイクロスフェア3と鏡面反射要素4との間の界面にある。
(3)次に、厚さ約60マイクロメートルのバインダー層2と剥離フィルム(図示せず)をマイクロスフェアのコーティングした露出面上に積層した。そしてキャリアフィルム状材料を除去した。適切な手段により形成させた熱可塑性バインダー成分のフィルムのラミネーションに加え、バインダー層用の成分を含む溶液をマイクロスフェアの露出面にコーティングすることにより、バインダー層2を付けてもよい。
(4)次に、キャリアフィルム状材料を除去した表面に、接着接合界面13(接着接合層12の場合も含む)を有するフィルム11を、以下に示したようにカバー層1に積層した。バインダー層2をラインの網目パターン(図示せず)と少なくとも1個の加熱プラテンを有する鋳型を用いて剥離フィルムを通じてエンボス加工した。すると、バインダー層2がカバー層1に部分的に接合している網目パターンの狭結合部21が数多く得られた。バインダー層2を狭結合部21に沿ってカバー層1に接合させて、透明マイクロスフェア3を含む気密密閉セルを形成する。
(5)カバー層に接触する表面の逆のバインダー層表面から剥離フィルムを取り除いた。剥離ライナー6の付いた接着層5を付けて再帰反射性シーティング100を生成した。接着層5は、再帰反射性シーティング100を物品(図示せず)に付ける手段を提供する。
試験方法
特に指定しない限り、以下の試験方法を用いた。
耐衝撃性
150ミリメートル(「mm」)×70mm×1mmのアルミニウム板被着剤よりも大きな再帰反射性シーティングを、ハンドスクイーズローラーアプリケーターを用いてアルミニウム板に付けた。再帰反射性シーティングのエッジ部を、縁取りして再帰反射性シーティングのエッジ部とアルミニウム板のエッジ部が同一面となるようにして、評価用試料を形成した。異なる量の重り(dead-weight)を、ガードナー衝撃テスターを用いて温度20℃で、試料の再帰反射性シーティング上に落とした。重りを落とした高さを順次変えて、試料の損傷状態を観察した。耐衝撃性の値は、カバー層とバインダー層間の剥離またはセルのカバー層部分の亀裂またはひびの生じなかった重さと高さの積の最大値(単位:インチ−ポンド)として測定された。本試験における重さと高さの積の上限は、80インチ−ポンドに設定された。従って、破損の生じなかった試料の評価値の上限は、>80として示された。
熱に対する寸法安定性
アルミニウム板の大きさを152mm×152mm×1.6mmとした以外は、「耐衝撃性」の評価と同様の方法で試料を作成した。試料を120℃のオーブンに30分間入れた。取り出した後、試料を室温で冷やした。再帰反射性シーティングの収縮した面積を測った。収縮面積対元の面積(152mm×152mm)の比を、熱に対する寸法安定性とした。
耐エッジチッピング性
上記の「耐衝撃性」の評価と同様の方法で試料を作成した。しかし、試料は、試料のエッジで最大量のセルが露出するように切断して付着させた。このようにして作成した試料を用いて、エッジ部の同じ部分を、エッジ部から中心部の方向にカバー層を剥がすように指先で5回こすった。カバー層が破損または剥離して、透明マイクロスフェアが露出したときの評価はNG、透明マイクロスフェアが露出しなかったときの評価はOKとした。
防縮性
接着層に剥離紙の付いた再帰反射性シーティングを、280mm×215mmの大きさに切断して、評価用試料を作成した。試料を温度20℃および相対湿度50%で10日間放置した。再帰反射性シーティングの収縮長(単位:mm)を、剥離紙の縦方向(280mm)と比べて測り、防縮性の評価値とした。
鉛筆引っかき摩耗値
アルミニウム板の大きさを150mm×70mm×1mmとした以外は、「耐衝撃性」の評価と同様の方法で試料を作成した。生成した試料の再帰反射性シーティングのカバー層を鉛筆で引っかいた。カバー層の破損点での鉛筆の濃さの最も薄いマークを鉛筆引っかき値の評価値とした。この項目における評価は、塗料一般試験方法JIS K5400の試験方法に従って行った。9H(最も硬い)〜6B(最も柔らかい)の濃さのマークの鉛筆を揃えた。柔らかい濃さは、下位と定義した。本試験方法において、9Hに近い評価値は、引っかきに対する抵抗性が大きいことを示していた。9H鉛筆でもカバー層に破損のない試料の評価値は、「>9H」と示した。
カバー層の耐剥離性
イソプロピルアルコールで洗浄にしたアルミニウム板に付けて、室温で24時間以上放置した再帰反射性シーティングを、25mm×150mmの大きさに切断して、評価用試料を作成した。洗浄は、JIS Z 0237項目8に記載された方法に従って行った。ポリエステル基材と感圧接着剤を含む感圧接着テープを試料に固定して、再帰反射シーティング表面を覆った。カッターを使ってポリエステル基材にスリットを形成して引き部を形成した後、カバー層の剥離力をインストロン(株)製の「引き剥がし試験装置」を用いて測定した。剥離速度は300mm/分および剥離角度は90°であった。3回の測定の平均値を、カバー層の耐剥離性の評価値とした。
耐溶剤性
上記の「鉛筆引っかき摩耗値」の評価と同様の方法で試料を作成した。試料をケロセン中に浸した。室温で乾燥後、再帰反射性シーティング試料の外観を観察した。4個の個別の試料を同様の方法で作成し、テレピン油、メタノール、トルエンおよびキシレンにそれぞれ浸し(前者の2種の溶剤への浸漬時間は10分、後者の2種の溶剤への浸漬時間は1分であった)、ケロシンの場合と同様に乾燥させた。溶剤のいずれか1つにおいて、カバー層に白化、しわまたは亀裂が観察されたら評価はNGとした。すべての溶剤において、カバー層に白化、しわまたは亀裂が生じなかったら評価はOKとした。
印刷層の接着
上記の「耐衝撃性」の評価と同様の方法で試料を作成した。生成した試料の再帰反射性シーティングのカバー層表面に、道路標識用の印刷インク(アクリルポリマー含有)を用いて、スクリーン印刷法により印刷層を与えて、以下の剥離試験を行った。まず、3M(株)製感圧接着セロハンテープ#610を、スキージを用いて印刷層表面にきつく付け、次にその感圧接着テープを素早く剥がした。印刷層がカバー層表面から剥離したら評価はNGとした。印刷層が剥離しなかったら評価はOKとした。
実施例1
全体の厚さが50マイクロメートルの二軸延伸ポリエステルフィルムを作成した。このフィルムは、フィルムの生成工程において、脂肪族ポリウレタン樹脂を含有する水性分散液をポリエチレンテレフタレートフィルムの一表面にコーティングして提供された接着接合界面を有していた。用いた脂肪族ポリウレタン樹脂は、ICI Resins(株)製NEOTACTM R-9316で、軟化点は約120℃であった。
生成したポリエステルフィルムをカバー層として用い、上述の試料作成工程に従って本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。バインダー層は、軟化点約110℃の熱可塑性芳香族ポリウレタン樹脂、ルチル形二酸化チタンおよびステアリン酸を含んでいた。
本実施例で作成した再帰反射性シーティングの様々な試験の評価結果を表1に示す。以下の実施例の評価も同様の方法で行った。
実施例2
厚さ50マイクロメートルの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製HBテトロンフィルム)の一表面にコロナ放電処理を施した。接着接合界面を、脂肪族ポリエステル樹脂(ICI Resins(株)製NEOREZTM R-972、軟化点:約120℃)を含有する水性分散液をコーティングして提供し、接着界面層を有するポリエステルフィルムを提供した。生成したポリエステルフィルムをカバー層として用いた以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表1に示す。
実施例3
水性分散液として、メチルメタクリレート−ブチルメタクリレートコポリマー(ICI Resins(株)製NEOCRYLTM A-5045)、メラミン化合物(モンサント(株)製RESIMENETM 750)および酸触媒を含む水性分散液とバインダー層の樹脂としてエチルアクリレート−メチルメタクリレート−イソオクチルアクリレートコポリマーおよびポリエチレングリコール(200)ジアクリレートを含む電子ビーム硬化性樹脂を用いた以外は、実施例2と同様の方法で再帰反射性シーティングを作成した。本実施例のバインダー層は、特公昭61−13561号公報記載の方法に従って形成した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表1に示す。
実施例4
水性分散液としてコロイドシリカ、アミノプロピルトリエトキシシランおよび表面活性剤を用いた以外は実施例2と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。本実施例で用いた水性分散液を、特開平2−200476号公報記載の方法に従って調整した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表1に示す。
実施例5
ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンを含む接着接合界面の二軸延伸フィルムをポリエステルフィルムとして用いた以外は実施例1と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。ポリエチレン酢酸ビニルコポリマーおよびポリエチレン−メタクリル酸コポリマーを含む樹脂を含有する熱可塑性組成物は、バインダー層を含有していた。本実施例において、バインダー層は、特開昭62−121043号公報記載の方法に従って作成した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表1に示す。
実施例6
ポリエステルフィルム表面に窒素ガス中でコロナ放電処理を施して、接着接合界面を作成した以外は、実施例2と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表1に示す。
実施例7
厚さ50マイクロメートルの非結晶ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製A-PET FLL)をポリエステルカバーフィルムとして用いた以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表1に示す。
実施例8
ポリエステル樹脂(Bostik(株)製ホットメルトポリエステル4101)100重量部およびルチル形二酸化チタン20重量部を含む組成物をバインダー層の樹脂として用いた以外は、実施例2と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表1に示す。
実施例9
ポリエチレンテレフタレートおよび実施例1と同様の組成物(ポリウレタン樹脂)を有する接着接合界面を有するフィルムの代わりにポリエステルベースの可塑剤およびポリ塩化ビニルホモポリマーを含むフィルムをカバー層として用いた以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表1に示す。
実施例10
実施例9のカバーフィルムを用いた以外は、実施例3と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表1に示す。
実施例11
接着接合界面を、ポリエステル樹脂(ビニロンシリーズ、東洋紡(株))を含む溶剤ベースの溶液を厚さ50マイクロメートルの二軸延伸ポリエステルフィルムにコーティングして提供した以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。実施例1と同様に、バインダー層は、軟化点約110℃の芳香族ポリウレタン樹脂、ルチル形二酸化チタンおよびステアリン酸を含んでいた。
実施例12
着色した脂肪族ポリウレタン樹脂の追加の層を、ポリエステル樹脂接着接合界面にコーティングした以外は、実施例11と同様の方法で本実施例の再帰反射性シーティングを作成した。着色した層はまた、バインダー層に対して接着接合面としても作用する。着色した層のコーティング溶液は、脂肪族ポリウレタン水溶液(大日精化(株)、Resamine NE-308)100g、VAGHビニル樹脂(30%固体)中に予備分散させた50%顔料レッド168を3.1gおよびVAGHビニル樹脂(26%固体)中に予備分散させた50%顔料イエロー110を1.5g含有していた。
比較例A
厚さ50マイクロメートルの二軸延伸ポリメチルメタクリレートフィルムをカバー層として用いた以外は、実施例3と同様の方法で本比較例の再帰反射性シーティングを作成した。本実施例の再帰反射性シーティングの評価結果を表2に示す。
比較例B
厚さ50マイクロメートルの二軸延伸耐衝撃性ポリメチルメタクリレートフィルムをカバー層として用いた以外は、実施例3と同様の方法で本比較例の再帰反射性シーティングを作成した。本比較例のフィルムは、特開昭61−255846号公報に開示されたポリメチルメタクリレートおよびアクリルポリ相ポリマーの配合樹脂を含有していた。本比較例の再帰反射性シーティングの評価結果を表2に示す。
比較例C
ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりにエチレン−アクリル酸コポリマーを含む厚さ50マイクロメートルのフィルムを用いた以外は、実施例1と同様の方法で本比較例の再帰反射性シーティングを作成した。本比較例のフィルムは、特開昭63370940号公報に開示されたフィルムであった。本比較例の再帰反射性シーティングの評価結果を表2に示す。
比較例D
市販のカプセル封入レンズタイプの再帰反射性シーティングに、他の試料と同様の評価を行った。市販の再帰反射性シーティングは、非延伸耐衝撃性アクリル樹脂を含むカバー層とアクリル樹脂を含むバインダー層とを含有していた。本比較例の再帰反射性シーティングの評価結果を表2に示す。
比較例E
厚さ50マイクロメートルの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製HBテトロンフィルム)をカバーフィルムとして用い、接着接合界面を追加しない以外は、実施例3と同様の方法で本比較例の再帰反射性シーティングを作成した。本比較例の再帰反射性シーティングの評価結果を表2に示す。
比較例F
脂肪族ポリウレタン樹脂を含む厚さ50マイクロメートルのフィルムをカバーフィルムとして用い、接着接合界面を追加しない以外は、実施例1と同様の方法で本比較例の再帰反射性シーティングを作成した。本比較例の再帰反射性シーティングの評価結果を表2に示す。
比較例G
厚さ50マイクロメートルのフッ化ポリビニリデンフィルム(電気化学工業(株)製DXフィルム)をカバーフィルムとして用い、接着接合界面を追加しない以外は、実施例3と同様の方法で再帰反射性シーティングを作成した。本比較例の再帰反射性シーティングの評価結果を表2に示す。
Figure 0004025890
Figure 0004025890
本発明の様々な修正および変形は、本発明の範囲および技術思想から逸脱することなく、当業者に明白である。

Claims (2)

  1. バインダー層(2)に部分的に埋め込まれたレンズ(3)の単層と、
    光学的な関係で前記レンズの下にある鏡面反射層(4)と、
    気密密閉セルを形成している相互接続ライン網であって、前記気密密閉セル中に再帰反射性要素が密封され、かつ、前記再帰反射性要素が空気界面を有する相互接続ライン網(21)によって前記バインダー層に接合されたカバーフィルム(11)と、
    を含むカプセル封入レンズ再帰反射性シーティングであって、
    前記カバーフィルムはポリエステルフィルムから成り、前記カバーフィルムは外面と内面を有し、前記内面は前記バインダー層と少なくとも部分的に接触しており、前記内面はその上に接着接合界面(12)を有し、前記バインダー層はアクリル樹脂またはポリウレタン樹脂を含むカプセル封入レンズ再帰反射性シーティング。
  2. 前記接着接合界面が前記カバーフィルムの前記内面上に非結晶ポリエステル樹脂を含む請求項1記載の再帰反射性シーティング。
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