JP2008302633A - 転写材と成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 剥離層と図柄層との間にピンホールが生じにくくなり、美麗な修飾が可能となる転写材を提供する。
【解決手段】 離型性を有する基体シート1の上に、主材質がビニル系樹脂からなる有機高分子と金属系化合物を含有する有機無機複合体からなる剥離層2と、主材質がアクリル系樹脂および/またはビニル系樹脂からなる図柄層4と接着層5とが少なくとも順次形成される。したがって、剥離層と図柄層との間にピンホールが生じにくくなり、美麗な修飾が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、剥離層と図柄層の間にアンカー層を設けなくとも、剥離層と図柄層との間にピンホールが生じにくくなり、美麗な修飾が可能となる転写材を容易に得ることができる転写材と成形品の製造方法に関する。
携帯電話などの通信機器、自動車内部の情報機器、家電製品などにおいて、プラスチック表面に優れた耐摩擦性を与えるための方法として転写法がある。
転写法とは、基体シート上に、剥離層、図柄層、接着層などからなる転写層を形成した転写材を用い、加熱加圧して転写層を被転写物に密着させた後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層のみを転移して装飾を行う方法である。また、被転写物が樹脂成形品である場合に、転写法をより合理的に行う方法として、成形同時転写法がある。成形同時転写法とは、転写材を成形金型内に挟み込み、金型内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に転写材を接着させた後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層を転移して優れた耐摩擦性を与える方法である。
このような方法に用いる転写材において、優れた耐摩擦性を与えるために、剥離層に、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマー、多官能イソシアネート、及びビスベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を有効成分として含有する活性エネルギー線硬化性組成物を用いる転写材がある(たとえば、特許文献1参照)。
特開2000−109682号公報
しかし、上記した転写材においてアクリル樹脂とイソシアネートとからなる活性エネルギー線硬化性組成物を剥離層に形成した後、その上に図柄層を形成する場合、図柄層が弾かれピンホールが発生し美麗な修飾が行えないため、剥離層と図柄層との間にアンカー層を設けなければならないという問題点があった。すなわち、上記の方法によって得た転写材において、アクリル樹脂とイソシアネートとからなる活性エネルギー線硬化性組成物は、一般に表面の濡れ性が悪く、ピンホールが発生し美麗な修飾が行えないため、剥離層と図柄層との間に、両者の密着性を高めるためのアンカー層を設けることが必要になるというものであった。
したがって、本発明は、上記のような問題点を解消し、剥離層と図柄層との間にピンホールが生じにくくなり、美麗な修飾が可能となる転写材を提供することを目的とする。
本発明の転写材は、上記の目的を達成するために、つぎのように構成した。
すなわち、本発明の第一態様の転写材は、離型性を有する基体シートの上に、主材質がビニル系樹脂からなる有機高分子と金属系化合物を含有する有機無機複合体からなる剥離層と、主材質がアクリル系樹脂および/またはビニル系樹脂からなる図柄層と、接着層とが少なくとも順次形成されるように構成されている。
また、上記発明の第二態様として、転写材は、離型性を有する基体シートの上に、主材質がビニル系樹脂からなる有機高分子と金属系化合物を含有する有機無機複合体からなる剥離層と、主材質がアクリル系樹脂および/またはビニル系樹脂からなるアンカー層と、主材質がアクリル系樹脂および/またはビニル系樹脂からなる図柄層と、接着層とが少なくとも順次形成されるように構成することもできる。
また、上記発明の第三態様として、第一態様または/および第二態様の転写材は、剥離層が、複数の層を重複して形成したものであると共に、一部の層を全面的に形成し、その他の層を部分的な領域に形成したものからなるように構成することもできる。
また、上記発明の第四態様として、第一態様乃至第三態様の転写材を用いた成形品の製造方法は、転写材を成形品表面に接着させた後、基体シートを剥離する工程および活性エネルギー線を照射する工程を経ることからなるよう構成することもできる。
また、上記発明の第五態様として、第一態様乃至第三態様の転写材を用いた成形品の製造方法は、第一態乃至第五態様の転写材を成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面に転写材を接着させた後、基体シートを剥離する工程および活性エネルギー線を照射する工程を経ることからなるよう構成することもできる。
本発明の転写材は、離型性を有する基体シートの上に、主材質がビニル系樹脂からなる有機高分子と金属系化合物を含有する有機無機複合体からなる剥離層と、主材質がアクリル系樹脂および/またはビニル系樹脂からなる図柄層と、接着層とが少なくとも順次形成するように構成したので、剥離層と図柄層との間にピンホールが生じにくくなり、美麗な修飾が可能となる転写材を容易に得ることができるものである。
また、本発明の成形品の製造方法は、上記構成の転写材を用いるので、美麗な修飾が可能となる成形品を容易に得ることができるものである。
図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1〜4は、本発明に係る転写材の一実施例を示す断面図である。図5〜6は、本発明に係る成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。図7は、本発明に係る成形品の製造方法によって得た成形品の一実施例を示す断面図である。図中、1は基体シート、2は剥離層、3はアンカー層、4は図柄層、5は接着層、6は転写材、7は成形品、8は耐熱ゴム状弾性体、9は固定型、10は可動型、11は成形樹脂である。なお、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
本発明の第1の実施態様にかかる転写材6は、離型性を有する基体シート1の上に、主材質がビニル系樹脂からなる有機高分子と金属系化合物を含有する有機無機複合体からなる剥離層2と、主材質がアクリル系樹脂および/またはビニル系樹脂からなる図柄層4と接着層5とが少なくとも順次形成するように構成されている(図1参照)。
基体シート1の材質としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、通常の転写材6の基体シート1として用いるものを使用することができる。また、基体シート1の表面が微細な凹凸を有する場合は、転写層に凹凸が写し取られ、艶消しやヘアラインなどの表面形状を表現することができる。
基体シート1からの転写層の剥離性がよい場合には、基体シート1上に転写層を直接設ければよい。基体シート1からの転写層の剥離性を改善するためには、基体シート1上に転写層を設ける前に、離型層を全面的に形成してもよい(図示せず)。離型層は、転写後または成形同時転写後に基体シート1を剥離した際に、基体シート1とともに転写層から離型する。離型層の材質としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複合型離型剤などを用いることができる。離型層の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
剥離層2は、基体シート1上に全面的に形成する(図1参照)。剥離層2は、転写後または成形同時転写後に基体シート1を剥離した際に、基体シート1または離型層から剥離して被転写物の最外層となり、紫外線、薬品および摩擦から成形樹脂11や図柄層4を保護するための層である。剥離層2の材質として、ビニル系樹脂からなる有機高分子と金属系化合物を含有する有機無機複合体を用いることが本発明において重要である。さらに、金属系化合物が、金属元素が異なる2種以上の金属系化合物を有し、金属系化合物中の少なくとも1種が複合体の深さ方向に一定比率で分布しており、さらに、残りの金属系化合物の少なくとも1種が、複合体表面において平均元素比率以上に存在している有機無機複合体を有効成分として含有するものを用いるのが好ましい。このようにすることにより、硬化後の剥離層2の最表面は非常に硬度の高い金属系化合物が分布し、剥離層2の図柄層4またはアンカー層3と接する界面はそれらと親和性の高いビニル系樹脂からなる有機高分子が分布し、高い接着性を実現できるからである。
剥離層2に使用される金属系化合物としては、有機高分子と共有結合、配位結合、水素結合等の化学結合で相互作用可能な金属を含有するする化合物が好ましい。表面に濃縮される金属系化合物の金属元素として具体的には、Si、Ti、Zr、Al、Ta、In、Sn等の元素を例示することができ、中でもSi原子が、親水性、ハードコート性等の特性を発現させる上で好適に用いることができる。
剥離層2に使用されるもう一方の金属系化合物である複合体の深さ方向に一定比率で分布する金属系化合物としては、配位又は置換可能な金属アルコキシドおよび/またはそれらの自己もしくは他成分との加水分解縮合物であれば特に制限されないが、そのような金属としてはアルミニウム、ジルコニウム、チタニウムから選ばれる少なくとも1種の金属を好ましく用いることができる。配位又は置換が可能な有機基として、具体的には、アセチルアセトン、アセト酢酸メチルなどのβ−ジケトンまたはβ−ケトエステル、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の有機化合物がある。
また、有機基で置換および/または配位された金属アルコキシドとしては、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物等がある。
剥離層2に使用される有機無機複合体中の有機高分子は、分子内に自己または金属系化合物と結合し得る反応基を有する有機高分子および/またはそれらの自己または金属系化合物との加水分解縮合物が好ましい。自己または金属系化合物と結合し得る反応基とは、共有結合、配位結合等の化学結合を介して金属元素と相互作用を有する化合物であり、水酸基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、カルバモイル基、ジチオカルバモイル基、スルホン酸基等がある。
有機高分子は、分子内に自己または金属系化合物と結合し得る反応基を有するビニル系樹脂を選択する。とくに、シリル基含有のビニル系樹脂が特に好ましい。そのようなシリル基含有ビニル系樹脂は、主鎖がビニル系重合体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上含有するものである。なお、反応性シリル基は、共重合体の主鎖の末端に結合していてもよく、側鎖に結合していてもよく、主鎖の末端および側鎖に結合していてもよい。
シリル基含有ビニル系樹脂は、ハロゲン化シラン、アルコキシシラン、アシロキシシラン、アミノシランなどのヒドロシラン化合物をビニル系樹脂と反応させることにより製造してもよく、またシラン化合物とビニル系樹脂とを重合することにより製造してもよい。
なお、剥離層2には、必要に応じて滑剤を含有させてもよい。剥離層2の表面が粗面化されるので、シートとして巻きやすくなり、ブロッキングが生じ難くなるためである。また、擦れや引っ掻きに対する抵抗性を増すことができる。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、モンタンワックス等のワックス類、シリコーン系、フッ素系等の合成樹脂類を用いうる。滑剤は、0.5〜15重量%、好ましくは1〜6重量%の量で含有させる。滑剤の量が0.5重量%を下回るとブロッキングの防止や摩擦引っ掻き抵抗の効果が少なくなり、15重量%を上回ると剥離層2の透明性が極端に悪くなる。
剥離層2の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。一般に、剥離層2は0.5〜30μm、好ましくは1〜6μmの厚さに形成する。剥離層2の厚さが0.5μmを下回ると耐摩耗性、耐薬品性が弱く、30μmを上回るとコスト高となり、また箔切れが悪くなり不必要な部分に剥離層2が残ってバリとなる。
以上のようにして形成された剥離層2は適宜加熱することにより、熱架橋反応生成物となる。この熱架橋反応生成物はタックフリーの状態にあるため、剥離層2上にさらに剥離層2を刷り重ねたり(図3および4参照)、後述の図柄層4やアンカー層3などを刷り重ねたり、転写材6を巻き取ったりすることが容易になる。この加熱しただけの段階では、半ば架橋硬化の状態であり、剥離層2は成形品7の曲面に適応でき、クラックを生じない程度の可撓性を有する。加熱による架橋反応は、活性エネルギー線照射による架橋反応に比して制御が容易だからである。したがって、剥離層2を架橋させる程度は、用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の種類、および成形品7の曲率等に応じて適宜定めうる。
図柄層4は、全体的または部分的に形成する(図1参照)。図柄層4は、剥離層2の上に、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ビニル系樹脂またはアクリル系樹脂にする。上記図柄層4に使用するビニル系樹脂またはアクリル系樹脂としては、ポリメタクリレート、アクリル酸エステル、酸無水物、エポキシ化合物、アミノ化合物、アミド化合物、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよびそれらの混合物・共重合体の中から選ばれるものを選択するのが好ましい。剥離層2に含有されているシリル基含有ビニル系樹脂との親和性が良いからである。
印刷層の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。印刷層は、表現したい図柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。
なお、剥離層2と図柄層4との間や図柄層4と接着層5との間に、アンカー層3を印刷層として形成してもよい(図2参照)。アンカー層3は、各層間の密着性を高めたりするための樹脂層である。印刷層の材質として通常は、二液硬化性ウレタン樹脂、メラミン系やエポキシ系などの熱硬化性樹脂を用いる場合が多いが、剥離層2と図柄層4との間に設ける場合には、剥離層2との親和性を高めるため前記図柄層4に示したビニル系樹脂やアクリル系樹脂を用いるとよい。印刷層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法やスクリーン印刷法などの印刷法がある。
次いで、接着層5は、全面的または部分的に形成する。(図1〜図4参照)接着層5は、被転写物面に上記の各層を接着するものである。接着層5は、接着させたい部分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら、図柄層4上に接着層5を全面的に形成する。また、接着させたい部分が部分的なら、図柄層4上に接着層5を部分的に形成する。接着層5としては、被転写物の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、被転写物の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、被転写物の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、被転写物の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層5の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。転写層の構成は、上記した態様に限定されるものではなく、たとえば、図柄層4の材質として被転写物との接着性に優れたものを使用する場合には、接着層5を省略することができる。
以上のようにして構成される転写材6は、次のように用いることにより被転写物に対して装飾を行うことができる。
被転写物としては、樹脂成形品7など各種材質からなるものを用いることができる。被転写物は、透明、半透明、不透明のいずれでもよい。また、被転写物は、着色されていても、着色されていなくてもよい。樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
前記した層構成の転写材6を用い、転写法を利用して被転写物面に装飾を行う方法について説明する。まず、被転写物面に、転写材6の接着層5側を密着させる(図5参照)。次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状弾性体8を備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力50〜200kg/m程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体8を介して転写材6の基体シート1側から熱または/および圧力を加える。こうすることにより、接着層5が被転写物表面に接着する。最後に、冷却後に基体シート1を剥がすと、基体シート1と剥離層2との境界面で剥離が起こる。最後に、活性エネルギー線を照射することにより、成形品7に転写された剥離層2を完全に架橋硬化させる。なお、活性エネルギー線を照射する工程を、基体シート1を剥離する工程の前に行なってもよい。
活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
次に、前記した転写材6を用い、射出成形による成形同時転写法を利用する方法について説明する(図6参照)。まず、可動型9と固定型10とからなる成形用金型内に転写層を内側にして、つまり、基体シート1が固定型10に接するように、転写材6を送り込む。この際、枚葉の転写材6を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の転写材6の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の転写材6を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、転写材6の図柄層4と成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、転写材6を間欠的に送り込む際に、転写材6の位置をセンサーで検出した後に転写材6を可動型9と固定型10とで固定するようにすれば、常に同じ位置で転写材6を固定することができ、図柄層4の位置ずれが生じないので便利である。成形用金型を閉じた後、可動型9に設けたゲートより樹脂を金型内に射出充満させ、樹脂を形成するのと同時にその面に転写材6を接着させる。成形品7を冷却した後、成形用金型を開いて成形品7を取り出す。最後に、活性エネルギー線を照射することにより、成形品7に転写された剥離層2を完全に架橋硬化させる。なお、活性エネルギー線を照射する工程を、基体シート1を剥離する工程の前に行なってもよい。
活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
以下の実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下、部および%は重量基準である。
厚さ38μmのポリエステル樹脂フィルムを基体シートとして用い、基体シート上に、メラミン樹脂系離型剤をグラビア印刷法にて1μmの厚さに塗布し離型層を形成した後、その上に剥離層としてUV硬化型表面無機化ハードコート材をグラビア印刷法にて全面ベタと一部パターンの二層を積層形成した。剥離層の厚さは一層では3μm、二層では6μmであった。各層は120℃で20秒間加熱することにより半ば架橋硬化させ、図柄層としてポリメタクリレート・アクリル酸エステル混合物系インキ(混合比1:1)、接着層としてアクリル系インキをグラビア印刷法にて順次印刷形成して転写材を得た。
この転写材を用い成形同時転写法を利用して樹脂成形品の表面に転写した後、基体シートを剥がし、紫外線を照射して剥離層を完全に架橋硬化した。なお、成形条件は、樹脂温度240℃、金型温度55℃、樹脂圧力約300kg/cmとした。成形品は、材質をアクリル樹脂とし、縦95mm、横65mm、立ち上がり4.5mm、コーナー部のR2.5mmのトレー状に成形した。照射条件は、120w/cm、6灯、ランプ高さ10cm、ベルトスピード15minとした。
基体シートとして厚さ38μmのポリエステル樹脂フィルムを用い、基体シート上に、メラミン樹脂系離型剤をグラビアコート法にて1μmの厚さに塗布し離型層を形成した後、その上に剥離層としてUV硬化型表面無機化ハードコート材をリップコート法にて順次形成した。剥離層の厚さは5μmとした。150℃で20秒間加熱することにより剥離層を半ば架橋硬化させ、アンカー層として塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系インキ(共重合比1:1)、図柄層、接着層としてアクリル系インキをグラビア印刷法にて順次印刷形成して転写材を得た。
この転写材を用い成形同時転写法を利用して実施例1と同様に成形品の表面に転写した後、基体シートを剥がし、紫外線を照射して剥離層を完全に架橋硬化した。照射条件は、120w/cm、2灯、ランプ高さ10cm、ベルトスピード2.5minとした。
(比較例1)実施例1の剥離層に代えて、(メタ)アクリル当量200g/eq、水酸基価100、重量平均分子量10000のポリマーと多官能イソシアネートと紫外線吸収剤とを有効成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
(比較例2)実施例2の剥離層に代えて、(メタ)アクリル当量200g/eq、水酸基価100、重量平均分子量10000のポリマーと多官能イソシアネートと紫外線吸収剤とを有効成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
上記実施例1,2および比較例1,2について、それぞれピンホールの有無、透明性、クラックの有無、層間密着性の性能評価を行った(表1参照)。
ピンホールの有無は、コート表面の目視判定により、○発生なし、△やや発生、×大きく発生して使用不可のいずれかで評価した。透明性は、剥離層表面へのブリードの有無を透過での目視判定により、○全くなし、△やや有りのいずれかで評価した。クラックの有無は、成形品曲面の状態を観察し、目視判定により、○発生なし、△やや発生、のいずれかで評価した。層間密着性は、1mm角で100×100にクロスカットした後、ニチバンセロハンテープにより90度剥離試験をして、◎極めて良好(剥離なし)、○良好(剥離2%以下)、△やや剥離(剥離10%)、×大きく剥離(剥離30%)のいずれかで評価した。
Figure 2008302633
表1の評価結果から、次のことが明らかである。剥離層にシリル基含有ビニル系樹脂からなる有機無機複合体の一種であるUV硬化型表面無機化ハードコート材を設けて、ビニル系またはアクリル系のインキを積層した転写材を用いた実施例1および2の成形品は、透明性、層間密着性に優れ、ピンホールや成形品曲面部におけるクラックが発生しない非常に優れたものであった。これに対して、剥離層が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である転写材を用いた比較例1および2の成形品は、透明性については優れているが、クラックが発生しやすく層間剥離が発生するうえに、比較例1の成形品ではピンホールが大きく発生していて使用不可なものであった。
本発明は、携帯電話などの通信機器、自動車内部の情報機器、家電製品など、各種成形品において好適に用いることができ、産業上有用なものである。
本発明に係る転写材の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る転写材の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る転写材の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る転写材の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明に係る成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明に係る成形品の製造方法によって得た成形品の一実施例を示す断面図である。
符号の説明
1 基体シート
2 剥離層
3 アンカー層
4 図柄層
5 接着層
6 転写材
7 成形品
8 耐熱ゴム状弾性体
9 固定型
10 可動型
11 成形樹脂

Claims (5)

  1. 離型性を有する基体シートの上に、主材質がビニル系樹脂からなる有機高分子と金属系化合物を含有する有機無機複合体からなる剥離層と、主材質がアクリル系樹脂および/またはビニル系樹脂からなる図柄層と、接着層とが少なくとも順次形成されたことを特徴とする転写材。
  2. 離型性を有する基体シートの上に、主材質がビニル系樹脂からなる有機高分子と金属系化合物を含有する有機無機複合体からなる剥離層と、主材質がアクリル系樹脂および/またはビニル系樹脂からなるアンカー層と、主材質がアクリル系樹脂および/またはビニル系樹脂からなる図柄層と、接着層とが少なくとも順次形成されたことを特徴とする転写材。
  3. 剥離層が、複数の層を重複して形成したものであると共に、一部の層を全面的に形成し、その他の層を部分的な領域に形成したものである請求項1〜2のいずれかに記載の転写材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の転写材を成形品表面に接着させた後、基体シートを剥離する工程および活性エネルギー線を照射する工程を経ることを特徴とする成形品の製造方法。
  5. 請求項1〜4記載の転写材を成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面に転写材を接着させた後、基体シートを剥離する工程および活性エネルギー線を照射する工程を経ることを特徴とする成形品の製造方法。
JP2007153425A 2007-06-08 2007-06-08 転写材と成形品の製造方法 Withdrawn JP2008302633A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010216924A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Tokai Rika Co Ltd 装飾部材、レーダユニット、装飾部材製造方法
JP2013075466A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Nissha Printing Co Ltd 転写シート及び転写シートの製造方法

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