JP2000126770A - 電解水生成装置 - Google Patents

電解水生成装置

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JP2000126770A
JP2000126770A JP10306114A JP30611498A JP2000126770A JP 2000126770 A JP2000126770 A JP 2000126770A JP 10306114 A JP10306114 A JP 10306114A JP 30611498 A JP30611498 A JP 30611498A JP 2000126770 A JP2000126770 A JP 2000126770A
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water quality
measuring device
alkaline
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JP10306114A
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English (en)
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Hiroyuki Noguchi
弘之 野口
Kozo Hayashi
浩三 林
Akira Shimizu
亮 清水
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水質測定器へのスケールの付着を防止する。 【解決手段】電解槽2により水が電解され、アルカリ性
水と酸性水とが生成される。切換弁6はアルカリ性水と
酸性水とを選択的に水質測定器5に流入するように流路
を切り換えるものであり、アルカリ性水の水質(pH値
など)の実測を行わないときには、酸性水を水質測定器
5に流入させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、市水のような原水
ないし原水に電解質を添加した水を電解することによっ
てアルカリ性水と酸性水との電解水を生成する電解水生
成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、図17に示す構成の電解水生
成装置が知られている。図示例は、主として弱アルカリ
性のアルカリ性水を生成する目的で用いられるものであ
って、一般にアルカリイオン整水器と呼ばれている。こ
の電解水生成装置は、市水のような原水から有機物、無
機物のような不純物や次亜塩素酸のような臭気成分を除
去する浄水装置1と、浄水装置1を通った水を電解して
陰極水(アルカリ性水、アルカリイオン水とも呼ぶ)と
陽極水(酸性水、酸性イオン水とも呼ぶ)とを生成する
電解槽2とを備える。
【0003】浄水装置1は、市水に含まれる有機物や無
機物の不純物を除去するための中空糸膜などのマイクロ
フィルタと、次亜塩素酸などの臭気成分を除去するため
の抗菌処理を施した活性炭フィルタとにより構成され
る。
【0004】電解槽2の内部は電解隔膜21により2つ
の電極室23A,23Bに分割されており、各電極室2
3A,23Bにはそれぞれ電極22A,22Bが配置さ
れる。ここに、アルカリ性水を生成する電極室23Aに
配置した電極22Aは通常は陰極、酸性水を生成する電
極室23Bに設けた電極22Bは通常は陽極となる。ま
た、電極室23Aは電極室23Bよりも容積が大きく設
定されている。各電極室23A,23Bにはそれぞれ流
入口24A,24Bと流出口25B,25Aとが設けら
れ、電極室23Bへの流入口24Bには電解質供給装置
3が設けられる。電解質供給装置3は必要に応じて水に
電解質を添加するものであり、電解質としては、乳酸カ
ルシウム、グリセロリン酸カルシウムなどの有機カルシ
ウム塩が一般に使用される。
【0005】上述の構成によって、浄水装置1を通った
水は、流入口24Aを通して電極室23Aに導入される
水と、流入口24Bを通して電解質が添加された後に電
極室23Bに導入される水とに分流される。電解槽2で
は電極22A,22B間に直流電流を流して電解が行わ
れ、電極室23Aに陰極水、電極室23Bに陽極水が生
成される。陰極水は流出口25Aを通して外部に取り出
され、陽極水は流出口25Bを通して外部に取り出され
るのであって、陰極水と陽極水とは別経路を通って外部
に取り出される。
【0006】このように、流入口24Aを通って電極室
23Aに導入された水は流出口25Aから陰極水として
吐出され、流入口24Bを通って電極室23Bに導入さ
れた水は流出口25Bから陽極水として吐出されるので
あって、電解質供給装置3によって流入口24Aに導入
される水に電解質を添加すると飲用等に使用する陰極水
に電解質が混入することになるから、電解質供給装置3
は一般に飲用には使用することのない陽極水を生成する
電極室23Bに連通した流入口24Bにのみ設けてあ
る。つまり、陰極水には電解隔膜21を通過したカルシ
ウムイオンが添加されるが、乳酸イオンは陽極水ととも
に排出されることになる。このように、陰極水中にはカ
ルシウムイオンが含有され、必要以上に多くの電解質を
使用することなくカルシウムイオンを添加した陰極水を
得ることができる。このような陽極側の水にのみ電解質
を添加する技術を、「陽極添加方式」と呼ぶことにす
る。「陽極添加方式」は電気伝導率が100〜300μ
S/cmである一般の市水では、電解促進の目的を十分
に達成することができる。
【0007】しかしながら、市水においても電気伝導率
が100μS/cm以下の場合があり、また電気伝導率
が100μS/cm以上であっても緩衝作用を有するイ
オン(重炭酸イオンなど)を多く含む市水(主として涌
き水、地下水等を取水源とする市水)もある。このよう
な場合には「陽極添加方式」では電解促進の目的を十分
に達成できないことがある。
【0008】そこで、この種の水を原水とする場合に
は、図18に示すように、2つの電極室23A,23B
に導入される水の両方に電解質を添加するように、浄水
装置1の直後に電解質供給装置3を設け、2つの流入口
24あ、24Bに分流される前に電解質を添加すること
で、両電極室23A,23Bに流入する水のどちらにも
電解質を添加することが考えられている。つまり、電解
が行われる水の電気伝導率を「陽極添加方式」よりもさ
らに高めることによって電解効率を高め、「陽極添加方
式」では十分に電解を促進することができないような原
水を用いる場合でも効率よく電解を行うことができるよ
うにしているのである。この種の電解水生成装置は「両
極添加方式」と呼ばれている。
【0009】「陽極添加方式」と「両極添加方式」との
いずれの構成においても陰極水と同時に生成される陽極
水は乳酸イオンなどを含む酸性水であって、アストリン
ゼント効果(収斂効果)を有しているから、飲用以外の
目的で必要に応じて用いられる。また、陰極水および陽
極水を取り出すための流出口25A,25Bにはそれぞ
れ水質測定器5A,5Bが配置され、陰極水や陽極水の
水質が検出される。水質測定器5A,5Bは、電気化学
的に水質を測定するものであり、たとえば、pH値、酸
化還元電位、カルシウム濃度、電気伝導率などを必要に
応じて測定するものが用いられる。このように水質を常
時測定することによって、吐出する水質を安定させるよ
うに、電解時の電圧や流量などの電解条件を制御するこ
とが可能になる。
【0010】水質測定器5A,5Bについてさらに詳し
く説明する。電解水生成装置では主として陰極水を飲用
に供するから、陰極水と陽極水との水質を評価する値と
しては一般にpH値を用いている。また、従来の電解水
生成装置では、析出する物質の量は電解のために供給し
た電気量に比例するというファラデーの法則に基づい
て、電解のために供給した電気量からpH値を算出する
ようにしたものが多い。しかしながら、電解水生成装置
では電解水を連続的に生成しているから、pH値は、電
解のために供給する電気量のみで決まるのではなく、電
解槽2への水の流量、電解槽2での滞水時間、電解槽2
への水の流量と電解槽2の容積との比などもpH値に影
響を与える。つまり、これらの要素は電解効率に影響す
るのであって、一般に電解槽2での滞水時間が長いほど
電解効率は高くなる。したがって、電気量からpH値を
求めるには電解効率を考慮しなければならない。
【0011】一般に電解水を連続して生成する電解水生
成装置では、電解効率が数十%程度であって100%で
あることはなく、電解により生成された水と電解されて
いない水との存在比率により電解水の水質が変化する。
また、電解水の水質は、電解槽2に流入した水に含まれ
る溶存成分、とくに各種のイオン(電解効率を高めるイ
オンや緩衝作用を有するイオン)によっても変化する。
このように、電解水の水質は、電解槽2に設けた電極2
2A,22Bに印加する電圧だけではなく、電解槽2に
流入する水量や水質にも大きな影響を受ける。そこで、
上述したように、水質測定器5A,5Bを電解槽の流出
口25B,25Aにそれぞれ設け、陰極水と陽極水との
水質を直接測定するようにすることが考えられている。
【0012】電解槽2から流出する電解水の流速は、数
cm/s〜数十cm/s程度であり、電解水の水質を実
時間で連続的に測定しようとすれば、測定に要する時間
がタイムラグにならないような測定原理を用いた水質の
測定が必要になる。上述した電気化学的に水質を測定す
る水質測定器5A、5Bはこの条件を満たすものであ
り、作用電極(検知電極ともいう)と比較電極とを備
え、測定対象となる水(以下、検水という)を作用電極
に直接接触させて、作用電極に接触する水の水質変化に
よる電位ないし電流の変化を検出することにより水質を
測定するのである。このように、水質変化を電位ないし
電流の変化に変換しているから、実時間で水質を測定す
ることが可能である。つまり、上述した水質測定器5
A,5Bは電解水生成装置における水質測定器に適した
測定原理で動作するから、この種の電解水生成装置で広
く用いられるようになってきている。たとえば、実開昭
56−172391号公報に記載されたイオン水生成装
置にはpHセンサを設け、生成した電解水のpH値を表
示することが記載され、特開平5−64785号公報に
記載のイオン水生成装置では、電解水のpH値が設定し
た目標値に対して所定の偏差内となるように、pHセン
サの出力信号に基づいて電解時に電極に印加する電圧と
流量との少なくとも一方を増減させるようなフィードバ
ック制御を行うことが記載されている。なお、水質測定
器5A,5Bは形態を変えることによって、pH値だけ
ではなく酸化還元電位や各種イオンのイオン濃度も測定
可能である。
【0013】水質測定器5A,5B(以下、水質測定器
5とする)には各種のものがあるが、図19にはpH値
を測定するものを示し、図20にはpH値に加えて酸化
還元電位も測定することができる複合型のものを示して
いる。
【0014】図19に示すものは、筒状のセンサボディ
50を備え、センサボディ50の下端部に検水が通過す
るポット51が結合され、センサボディ50の下部内に
配置された保持部材52によりセンサボディ50とポッ
ト51との内部空間が仕切られた構造を有している。セ
ンサボディ50には内部液53が蓄えられる。内部液5
3は、通常は、塩化カリウム飽和水溶液ないしモル濃度
が3.3M(=mol/l)である塩化カリウム水溶液
が用いられる。ただし、内部液53は塩化カリウムを安
定に溶出させかつ結晶の析出を防止するために、粘度を
4000cps以上(10000cps以上が望まし
い)に調整してあり、この目的でカルボキシメチルセル
ロースやヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース
系の増粘剤を内部液53に添加することもある。センサ
ボディ50の側面には内部液53を補充するための補充
口54が設けられる。保持部材51はアルミナ系セラミ
ックスなどの多孔質素材よりなる液絡部(塩橋)55を
保持する。この液絡部55は、センサボディ50の内部
の内部液53をポット51内の検水に溶出させることに
よって、ポット51に導入される検水とセンサボディ5
0内の内部液53とを電気的に導通させるために設けら
れている。
【0015】作用電極56は、ガラス感能膜56aの中
に内部電極56bを配置したものであり、作用電極56
の下端部はポット51内に挿入されている。さらに、セ
ンサボディ50内には比較電極57が配置される。比較
電極57には一般に銀/酸化銀電極を用いる。作用電極
56と比較電極57との電位差は増幅器59により増幅
され、pH値に対応した電気信号が外部に出力される。
ここに、増幅器59はセンサ部分と一体化され、増幅器
59の電源は電解水生成装置から得られる。
【0016】図20に示す複合型のものでは、図19に
示した構成に加えて、ポット51内に挿入される作用電
極58を備えている。作用電極58は白金のような耐腐
食性の高い金属であって、増幅部59から基準電極58
までの接続線は熱収縮性テフロンチューブあるいはガラ
スよりなる絶縁被覆58aにより絶縁される。なお、図
20に示すものは、pH値と酸化還元電位とを測定する
ための比較電極57を共通に用いている。
【0017】図示していないが、ポット51内に作用電
極としてクラウンエーテルなどの有機高分子素材を用い
たイオン感応膜電極を配置すれば、カルシウムイオンの
濃度を測定するように構成することも可能である。
【0018】ここで、図20に示した水質測定器5を用
いる場合を想定して使用方法を説明する。水質測定器5
には図21に示すように、電源として±12Vの電圧が
与えられ、pH値に対応する電圧信号と酸化還元電位に
対応する電圧信号とを出力する。両電圧信号は一般には
0〜5Vの範囲の信号になる。これらの電圧信号は後述
するマイクロコンピュータを主構成とした制御回路71
に設けたA/D変換器71aによりデジタル信号に変換
され、制御回路71により処理される。また、水質測定
器5で検出されたpH値や酸化還元電位などの水質は表
示操作部72に表示される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電解水生成
装置において、電解槽2から流出した電解水の水質を測
定するために上述した水質測定器5A,5Bを用いると
きに以下の問題がある。すなわち、電解水生成装置にお
いて生成される電解水のうち、使用者が主として利用に
供するのは陰極水(アルカリ性水)であって、陽極水
(酸性水)の利用頻度はアルカリ性水よりも少ない。つ
まり、水質測定器5A,5Bのうち主として陰極水が接
触する水質測定器5Aでは、ポット51の内部や作用電
極56,58にカルシウムのスケールが付着しやすくな
る。とくに、アルカリ性度の高いアルカリ性水では、ア
ルカリ性水に含まれるカルシウムイオンと炭酸成分とが
結合してアルカリ性水に不溶な物質(炭酸カルシウムな
ど)が形成され結晶が析出するから、カルシウム化合物
のスケールが徐々に堆積し、作用電極56,58の電位
が変化する場合がある。また、原水としてカルシウムの
ようなミネラル成分や炭酸成分を比較的多く含む地下水
などを用いていると、スケールの付着量が多くなる。
【0020】スケールが作用電極56に付着したときの
pH値の測定結果への影響について実験したところ図2
2に示すような結果が得られた。図22の横軸は別の方
法で測定した検水のpH値であり、縦軸は水質測定器5
によるpH値の測定値である。また、図22のAは水質
測定器5の使用開始直後での測定結果、Bは地下水を原
水として陰極水のみを長期にわたって使用した後の測定
結果である。図22から明らかなように、長期にわたっ
て使用すると測定誤差が大きくなり、とくに酸性側での
誤差が大きくなる。
【0021】上述のように、使用条件や原水の水質によ
って水質測定器5の測定精度が経年的に低下するという
問題がある。また、測定精度はスケールの付着によって
低下するのであるから、水質測定器5Aだけではなく、
その周辺の流路にもスケールが付着すると考えられ、場
合によってはスケールの付着によって流路が狭くなり流
量が低下する場合も考えられる。
【0022】このように、スケールは付着すると種々の
問題が生じるから、スケールは適宜に除去する必要があ
る。そこで、従来より水質測定器5における測定精度の
低下の程度を自己判断させ、別途に用意したクエン酸や
塩酸のような酸性液を用いて洗浄することが考えられて
いるが、洗浄に要する操作が面倒であるとともに、洗浄
時間が長く使用不能になる期間が長くなるという問題が
ある。
【0023】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、スケールの付着を防止して洗浄の手
間を省いた電解水生成装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電解
隔膜により分割された2つの電極室内にそれぞれ電極を
配置し通水するとともに両電極間に電圧を印加すること
により各電極室において生成されたアルカリ性水と酸性
水との電解水を各電極室にそれぞれ設けた流出口から各
別に外部に取り出す電解槽と、電解槽から取り出した電
解水の水質を電気化学的に測定する水質測定器と、アル
カリ性水の水質の実測期間にのみアルカリ性水を水質測
定器に流入させ他の期間には酸性水を水質測定器に流入
させる流路変更手段とを備えるものである。この構成に
よれば、アルカリ性水を主として利用に供する場合であ
っても水質測定器には適宜に酸性水が流入されるから、
アルカリ性水に含まれるカルシウムイオンに炭酸成分が
結合することにより結晶固化して(つまりアルカリ性水
に対して不溶になり)スケールが水質測定器に付着して
も、スケールの付着量が少ない状態で酸性水を水質測定
器に流入させることによってスケールを除去することが
でき、水質測定器の測定精度が経時的に劣化するのを防
止することができる。
【0025】また、水質測定器に酸性水を適宜に流入さ
せることによってスケールを除去するから、水質測定器
に酸性水を流入させるのに必要な流路においてもスケー
ルの付着が防止され、全体としてのスケールの付着量が
少量であって、流量の低下がほとんど生じないのであっ
て、従来構成に比較すると全体を洗浄する頻度を低減す
ることができる。つまり、酸を用いて全体を洗浄する操
作がほとんど不要になる。
【0026】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記流路変更手段が、少なくとも1回の通水毎に水
質測定器にアルカリ性水と酸性水とを交互に流入させる
ように流路を切り換えるものである。
【0027】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記流路変更手段が、通水開始から水質測定器にア
ルカリ性水を一定時間流入させた後に酸性水を流入させ
るものである。
【0028】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、水質測定器により測定された水質をほぼ目標値に保
つように両電極間に印加する電圧をフィードバック制御
して水質を調整する制御回路を備え、前記流路変更手段
が、通水開始から水質測定器にアルカリ性水を流入させ
た状態で水質の測定と水質の調整との少なくとも一方が
終了した後に酸性水を流入させるものである。
【0029】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、通水されている流量を検出する流量
検知センサと、両電極に印加する電圧を調節する制御回
路と、外部に取り出している電解水の水質を表示する表
示部とを備え、アルカリ性水を外部に取り出しかつ水質
測定器に酸性水を流入させている期間には前記流量と前
記電圧との少なくとも一方から得られる水質の推定値を
表示部に表示するものである。
【0030】請求項6の発明は、請求項3または請求項
4の発明において、通水されている流量を検出する流量
検知センサと、両電極に印加する電圧を調節する制御回
路と、外部に取り出している電解水の水質を表示する表
示部とを備え、アルカリ性水を外部に取り出しかつ水質
測定器に酸性水を流入させている期間には、水質測定器
に酸性水を流入させる直前に水質測定器で測定された水
質を表示部に表示させるものである。
【0031】請求項7の発明は、請求項5または請求項
6の発明において、アルカリ性水を外部に取り出しかつ
水質測定器に酸性水を流入させている期間において両電
極間に印加する電圧と前記流量との少なくとも一方が酸
性水の流入を開始した時点から所定値以上変化すると、
前記流路変更手段がアルカリ性水を水質測定器に流入さ
せる状態に切り換えるものである。
【0032】請求項8の発明は、請求項2の発明におい
て、前記流路変更手段が、止水時に流路を切り換えるも
のである。
【0033】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記流路変更手段が、前記電解槽か
ら前記水質測定器に至る流路上に配置された切換弁であ
ることを特徴とするものである。
【0034】請求項10の発明は、請求項1ないし請求
項4の発明において、前記流路変更手段を前記水質測定
器と一体化したものである。
【0035】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、前記水質測定器を取り付けた架台を備え、架台
が電解槽の各一方の電極室に選択的に連通させる2位置
の間でスライド自在であるものである。
【0036】請求項12の発明は、請求項10の発明に
おいて、前記水質測定器を電解槽の各一方の電極室にそ
れぞれ連通した接続管を備えるポットに結合し、各一方
の接続管に選択的に連通する2位置の間でポットに対し
て回転自在としたものである。
【0037】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1、図2
に示すように、ハウジング10内には、浄水装置1、電
解槽2、電解質供給装置3、流路切換弁4、水質測定器
5などが収納される。なお、図1、図2の中の矢印は水
の流れを示している。
【0038】浄水装置1は、従来構成と同様に、市水の
ような原水から次亜塩素酸のような臭気成分を除去する
ための抗菌処理された活性炭フィルタからなる濾過材1
1と、有機物、無機物などの異物を除去するための中空
糸膜からなる濾過材12とを備える。なお、両濾過材1
1,12は単一のカートリッジに収められており、カー
トリッジごと交換可能になっている。
【0039】電解槽2は、電極22Aを備える電極室2
3Aと電極22Bを備える電極室23Bとに電解隔膜2
1を介して区画されている。電解槽2の下部には各電極
室23A,23Bにそれぞれ水を導入するための流入口
24A,24Bが形成され、電解槽2の上部には各電極
室23A,23Bからそれぞれ水を吐出させるための流
出口25A,25Bが設けられている。流出口25A,
25Bには流路切換弁4を介して吐出管41,42が接
続され、吐出管41,42はそれぞれ途中で分岐し、各
吐出管41,42からそれぞれ分岐した分岐管43,4
4は切換弁6に接続される。切換弁6は両分岐管43,
44の一方を水質測定器5に選択的に接続し、水質測定
器5を通った水は排水管45を通してハウジング10の
外部に排出される。
【0040】流路切換弁4は流出口25A,25Bと吐
出管41,42との接続関係を切換可能な電磁ロータリ
弁ないしモータ式切換弁であって、流出口25Aと吐出
管41とを連通させるとともに流出口25Bと吐出管4
2とを連通させる図1の実線の状態と、流出口25Aと
吐出管42とを連通させるとともに流出口25Bと吐出
管41とを連通させる図1の破線の状態との2状態を切
り換えることができる。また、流入口24Bの流量は流
入口24Aの流量に対して3分の1ないし4分の1の比
率になるように設定されている。
【0041】市水のような原水は、たとえば水道のカラ
ン7に設けた切換レバーユニット8を通して導入され
る。切換レバーユニット8は原水を電解水生成装置に導
入する状態と、原水をそのまま吐出させる状態とを切り
換えるものである。切換レバーユニット8と浄水装置1
との間の流路上には、原水の温度を検出するサーミスタ
13と流量を一定化する定流量弁14とが配置される。
また、浄水装置1から電解槽2に至る流路上には、流量
を検出する流量検知センサ15が配置される。流量検知
センサ15から電解槽2に至る流路には排水管45が接
続され、排水管45は電磁弁よりなる排水弁40により
開閉されるようにしてある。上述した水質測定器5から
の配管は排水弁40を通さずに排水管45に直結され
る。
【0042】排水弁40は流量検知センサ15により通
水が検知されると閉じ、流量検知センサ15により通水
停止が検知されるとその後一定時間が経過した後に開く
ようになっている。したがって、通水の停止後に排水弁
40を開放して排水管45を通して残留水を外部に排出
するのである。ここにおいて、電解槽2では通水停止後
に陰極水の採取時とは逆極性の電圧を電極22A,22
Bに印加して、電極22A,22Bに付着したカルシウ
ムなどのスケールを除去する逆電洗浄という処理が行わ
れる。逆電洗浄には電解槽2内に水が必要であるから、
排水弁40を一定時間閉じた状態として電解槽2に水を
残しているのである。逆電洗浄後に排水弁40が開放さ
れると、逆電洗浄により生じた排水は排水弁40の開放
によって排水管45から外部に排出される。したがっ
て、電解槽2は排水弁40および排水管45よりも上方
に配置されている。
【0043】排水管45を分岐する部位よりも電解槽2
に近い部位で配管は流入口24Aに向かう流路と流入口
24Bに向かう流路とに2分岐されており、分岐点と流
入口24Bとの間には電解質供給装置3が挿入される。
電解質供給装置3は、ペレット状の電解質(乳酸カルシ
ウムなど)31が内部に投入されるものであって、導入
された水に電解質31の一部を溶解させて電解質溶液を
生成し電解槽2の電極室23Bに導入するようになって
いる。
【0044】上述のように、水質検査器5は、切換弁6
と排水管45との間に配置されている。水質検査器5の
構成は従来の技術として説明したものと同様であり、p
H値のみもしくはpH値と酸化還元電位との両方を測定
するものを用いる。従来の技術としても説明したよう
に、水質測定器5で測定されたpH値や酸化還元電位は
表示操作部72に表示される。
【0045】表示操作部72は、図3、図4に示すよう
に、文字表示が可能なセグメント式の液晶表示器よりな
る第1の表示部72aと、複数個の発光ダイオードLd
1〜Ld7を配列した第2の表示部72bとを備え、さ
らに押操作される各種スイッチSW1〜SW5,SW1
0〜W12を備える。この表示操作部72は電解水生成
装置のハウジング1の前面に設けられる。
【0046】スイッチSW1〜SW3は、吐出管41か
ら吐出させる水をアルカリ性水(陰極水)とするか、電
解していない浄水とするか、酸性水(陽極水)とするか
を選択するものである。また、スイッチSW4はpH値
の微調整用、スイッチSW5は電解水の生成をメロディ
で放置するかブザー音で報知するかを選択するメロディ
入切用、スイッチSW10はカートリッジ交換時などに
操作される積算使用流量のリセット用、スイッチSW1
1はカルシウムイオンの濃度を増加させるときの操作
用、スイッチSW12は水質測定器5の洗浄の開始の指
示用に設けられている。
【0047】ところで、スイッチSW12が押操作され
ると、排水弁40が閉じられ、別途用意したクエン酸を
ハウジング10内の流路に充満させることができるよう
にしてある。クエン酸は洗浄用カートリッジに封入され
ており、必要に応じて装着することで、流路内にクエン
酸を充満させ、流路内に付着したカルシウムのスケール
を溶解させて排出させることができる。ただし、本実施
形態では少なくとも水質測定器5にはスケールがほとん
ど付着しないから、このスイッチSW12の使用頻度は
従来構成よりも大幅に少なくなる。
【0048】第1の表示部72aは水質測定器5による
水質測定結果を表示するものであり、pH値と酸化還元
電位とが数値で表示される。ただし、水質測定器5がp
H値のみを検出するものであれば、pH値のみが表示さ
れる。また、第2の表示部72bはスイッチSW1〜S
W3により選択された選択状態を表示する。つまり、ス
イッチSW1〜SW3を押操作すれば、アルカリ性水、
浄水、酸性水に大別して選択することができ、アルカリ
性水では押回数に応じて4段階のpH値を選択すること
ができ、酸性水では押回数に応じて2段階のpH値を選
択することができるようにしてある。このようにしてス
イッチSW1〜SW3により選択された状態が第2の表
示部72bに表示される。
【0049】表示操作部72は図5に示すように構成さ
れた制御部に接続されている。この制御部は、図5と図
6との対応する符号イ〜トで示すように、流量検知セン
サ15、電極22A,22B、流路切換弁4、水質測定
器5、切換弁6に接続されている。制御回路71は、マ
イクロコンピュータ(以下、マイコンと略称する)7
1’を主構成とする。表示操作部72はマイコン71’
に接続され、マイコン71’はスイッチSWi(SW1
〜SW5,SW10〜SW12を含む)からの指示を受
け、水質測定器5や流量検知センサ15での検出結果に
基づいて、電極22A,22Bへの印加電圧の大きさや
極性の制御、流路切換弁4の切換の制御、切換弁6の制
御、排水弁40の開閉の制御を行う。
【0050】電極22A,22Bの印加電圧の制御は、
PWM制御されている電源回路73により行われる。こ
のように電極22A,22Bに印加する電圧を制御すれ
ば、吐出管41から吐出される水のpH値を制御するこ
とができるのであって、水質測定器5により測定された
pH値がほぼ一定になるように印加電圧がフィードバッ
ク制御される。このフィードバック制御によって、2秒
間のpH値の変化が±0.1以内になるように制御され
る。
【0051】電極22A,22Bに印加する電圧の極性
を切り換える制御は、リレー接点r1、r2により行わ
れる。流量検知センサ15により検出される流量の積算
値はメモリ74に格納され、この積算値があらかじめ設
定した規定値に達すると浄水装置1のカートリッジの交
換時期であることが表示操作部72により報知される。
【0052】しかして、表示操作部72のスイッチSW
1の押操作によってアルカリ性水の吐出が指示される
と、電解槽2に設けた電極22Aを陰極とし、電極22
Bを陽極とするように電圧が印加される。また、このと
きに流路切換弁4は流出口25Aを吐出管41に接続す
る。つまり、流路切換弁4は図1に実線で示す状態にな
り、アルカリ性水(陰極水)を吐出管41から取り出す
ことができる。このとき同時に酸性水(陽極水)が吐出
管42から吐出される。
【0053】一方、スイッチSW3の押操作により酸性
水の吐出が指示されたときには、酸性度に応じて異なる
動作になる。弱酸性の酸性水(以下、弱酸性水とい
う)、たとえばpH値が5.5程度の酸性水を吐出させ
る場合には、電解槽2に設けた電極22Aを陽極とし、
電極22Bを陰極にする。つまり、アルカリ性水を取り
出す場合とは逆極性の電圧を電極22A,22Bに印加
する。また、流路切換弁4はアルカリ性水を取り出す場
合と同じ位置にしておく。この状態では弱酸性水(陽極
水)が吐出管41から取り出され、アルカリ性水が吐出
管42から取り出されることになる。
【0054】また、強酸性の酸性水(以下、強酸性水と
いう)、たとえばpH値が3程度の酸性水を吐出させる
場合には、電極22A,22Bに印加する電圧の極性は
アルカリ性水を得る場合と同じになる。つまり、電極2
2Aを陰極、電極22Bを陽極とする。ただし、流路切
換弁4を図1に破線で示す位置に切り換える。この状態
では、強酸性水が吐出管41から取り出され、アルカリ
性水が吐出管42から取り出されることになる。
【0055】弱酸性水を得る場合と強酸性水を得る場合
とで電極22A,22Bに印加する電圧の極性を切り換
えているのは、電極22Aを配置した電極室23Aに比
べて電極22Bを配置した電極室23Bの容積のほうが
小さく、電極室23Bに流入する水量も電極室23Aに
流入水量よりも小さいから、電極室23Bで陽極水を得
る場合のほうが酸性度を高めやすいという理由による。
要するに、電極室23Aで酸性水を生成するよりも、電
極室23Bで酸性水を生成するほうが酸性度を容易に高
めることができるからである。
【0056】しかして、カラン7に接続した切換レバー
ユニット8を切り換えて電解水生成装置に水を導入する
と、流量検知センサ15により通水が検知され電解槽2
での電解が開始される。このとき、表示操作部72によ
り設定されたpH値が維持されるように、水質測定器5
での検出値に基づいて電極22A,22Bの印加電圧が
調節されるのである。
【0057】ところで、本実施形態は、主として水質測
定器5へのスケールの付着を低減させるものであって、
電解槽2に切換弁6を介して水質測定器5を接続した構
成を採用している。この切換弁6は、図7に示す構造を
有し、吐出管41から分岐した分岐管43と、吐出管4
2から分岐した分岐管44と、水質測定器5につながる
接続管46とに連通した弁ケース61を備える。弁ケー
ス61には軸62に沿って図7の上下方向に移動する弁
体63が配置され、弁体63はばね64により上向きに
付勢されている。また、図示しない電磁石装置を備え、
電磁石装置を励磁するとばね64の弾性に抗して弁体6
3が下向きに移動するようになっている。弁ケース61
の中には上下に離間した2枚の弁受け板65a,65b
が配置され、弁体63の移動範囲は両弁受け板65a,
65bで規制されている。弁体63が下側の弁受け板6
5aに当接するときには接続管46に分岐管43が連通
し、弁体3が上側の弁受け板65bに当接するときには
接続管46に分岐管44が連通する。要するに、アルカ
リ性水を吐出管41から吐出している状態では、弁体6
3が下位置のときに水質測定器5にアルカリ性水が流入
し、弁体63を上位置に切り換えると水質測定器5には
酸性水が流入することになる。
【0058】そこで、アルカリ性水を飲用などに利用す
るために吐出管41から吐出させている状態でフィード
バック制御を行っている期間には弁体63を下位置とし
てアルカリ性水のpH値や酸化還元電位を水質測定器5
により測定可能とし、フィードバック制御を行っていな
い期間には弁体63を上位置に移動させることにより酸
性水を水質測定器5に流入させてカルシウムを含むスケ
ールを溶解させることが可能になる。フィードバック制
御を行っていない期間であってもアルカリ性水を吐出さ
せている間にはpH値などを第1の表示部72aに表示
させる必要があるから、フィードバック制御を行ってい
ない期間では、以下のようにして第1の表示部72aに
pH値を表示させる。
【0059】すなわち、制御回路71に設けたメモリ7
4に表1のようなテーブルを作成しておき、このテーブ
ルを用いてpH値を算出する。メモリ74にはRAMを
用いている。テーブルは、設定された流量範囲と電極2
2A,22Bへの印加電圧Vjとの組み合わせに対する
水質測定器5の出力電圧Vsijの対応関係を示したも
のであり、水質測定器5の出力電圧VsijはpH値な
どに対応するから、フィードバック制御を行っていない
期間(つまり水質測定器5でpH値などを検出していな
い期間)であってアルカリ性水を吐出管41から吐出さ
せている期間には、流量検知センサ15により検出され
ている流量と電極22A,22Bへの印加電圧jアルカ
リ性水はとに対応する出力電圧Vsjiをテーブルから
読み出して、pH値などを第1の表示部72aに表示さ
せる。
【0060】上述したテーブルは、フィードバック制御
が行われている期間に自動的に作成される。つまり、通
水を開始してから流量検知センサ15により検出された
流量が所定流量に達した後に(つまり安定的に通水され
ている状態で)、電極22A,22Bへの印加電圧Vj
が一定時間(たとえば30秒)ほぼ一定に保たれている
と、その時点の流量と電極22A,22Bへの印加電圧
Vjとに対応するテーブルの各欄に空きがあれば、水質
測定器5の出力電圧Vijをテーブルに書き込むのであ
る。このようにして、条件が満たされた順にテーブルの
各欄に水質測定器5の出力電圧Vijを書き込むように
すれば、テーブルを自動的に作成することができる。
【0061】
【表1】 なお、切換弁6にアルカリ性水が流入している状態から
酸性水が流入する状態との選択には以下の2通りの方法
があり、いずれか一方または両方を採用する。
【0062】第1の方法は、通水回数が所定回数になる
たびにアルカリ性水を流入させる状態と酸性水を流入さ
せる状態とを切り換える方法である。たとえば、図8
(a)では通水毎に、水質測定器5にアルカリ性水を流
入させる状態と酸性水を流入させる状態とを切り換えて
いる。また、図8(b)のように2回の通水毎に切換弁
6を切り換えるようにしたり、切換弁6を切り換えるタ
イミングを3回以上の通水毎にしてもよい。いずれにし
ても、水質測定器5にアルカリ性水を流入させる状態と
酸性水を流入させる状態とを同じ通水回数ごとに切り換
えるのである。ここにおいて、切換弁6の切換時点は止
水時とする。
【0063】第2の方法は、テーブルが作成された後に
は、流量検知センサ15により検出する流量に変動が少
ない期間は切換弁6に酸性水を流入させる方法である。
つまり、流量検知センサ15により検出される流量が図
9(a)のように変動するものとすると、通水開始から
流量が安定するまでの一定時間は、図9(b)のように
アルカリ性水を切換弁6を通して水質測定器5に流入さ
せることによって、フィードバック制御を行う。この間
にテーブルにデータが書き込まれる。テーブルにデータ
が書き込まれた後には切換弁6を切り換えて水質測定器
5に酸性水を流入させる。つまり、テーブルに書き込ん
だデータを読み出して第1の表示部72aに表示させ
る。
【0064】このように酸性水を水質測定器5に流入さ
せている期間において流量検知センサ15により検出さ
れる流量が切換弁6を切り換えた時点から所定値(Δ
w)以上変動すると、切換弁6を切り換えて水質測定器
5にアルカリ性水を導入させ、フィードバック制御を行
う状態に戻すようにする。このような動作を繰り返すこ
とによって、流量が安定しているときにはフィードバッ
ク制御を行わず、流量が変動したときにのみフィードバ
ック制御を行うのである。このようにして、水質測定器
5にはフィードバック制御時にのみアルカリ性水を導入
することになる。なお、吐出管41から酸性水を吐出さ
せているときには、切換弁6に酸性水が常時導入される
ようにしておく。なお、切換弁6の切換は流量の変動に
よらず電極22A,22Bへの印加電圧の変動によって
もよく、また両方でもよい。
【0065】以上のようにしてアルカリ性水を利用に供
する際には水質測定器5に適宜に酸性水を流入させ、酸
性水の通水時にはフィードバック制御を行わずにテーブ
ルによってpH値などを表示させるようにし、酸性水を
利用に供する際には水質測定器5に酸性水を通水するか
ら、主としてカルシウムからなるスケールが水質測定器
5に付着するのを防止することができる。その結果、図
10に示すように、初期状態(A)と長期使用後(B)
とで水質測定器5の測定値にほとんど差がなく、測定精
度を長期にわたって維持することができる。
【0066】(第2の実施の形態)ところで、水質測定
器5と切換弁6とは図11に示すように一体化すること
も可能である。つまり、水質測定器5は図12(a)の
ように検水の導入側と導出側とをポット51の両端の一
直線上に備え、図12(b)に示すようにポット51を
架台67に取り付けてある。架台67はポット51を挟
んで2本の通水管68a,68bが平行に配置され、図
12(b)の上下方向にスライド可能に配置されてい
る。各通水管68a,68bとポット51との間隔は等
間隔であって、図13に示すように、この間隔で架台6
7の両側に各一対の接続管69a〜69dが配置され
る。つまり、架台67をスライドさせると、図13
(a)に示すように、接続管69a,69b間に通水管
68aが接続されるとともに接続管69c、69d間に
ポット51が接続される状態と、接続管69a,69b
間にポット51が接続されるとともに接続管69c、6
9d間に通水管68bが接続される状態とを選択するこ
とができる。
【0067】本実施形態では、図11に模式的に示して
いるように、電極室23Bにおいてアルカリ性水を生成
して吐出管41から吐出させ、電極室23Aにおいて酸
性水を生成して吐出管42から吐出させている状態にお
いて、フィードバック制御を行うときには、図11に実
線で示すように水質測定器5を接続し、フィードバック
制御を行わないときには、図11に破線で示すように水
質測定器5を接続するのである。
【0068】さらに具体的に説明する。図13において
接続管69aは流路切換弁3を介して電極室23Aに接
続され、接続管69cは流路切換弁3を介して電極室2
3Bに接続されているのであって、接続管69bは吐出
管42、接続管69dは吐出管41にそれぞれ接続され
ている。フィードバック制御の際には図13(a)の状
態に接続しておけば、電極室23Bで生成したアルカリ
性水が水質測定器5に導入される。一方、フィードバッ
ク制御を行わないときには、図13(b)の状態に接続
することによって、電極室23Aで生成された酸性水が
水質測定器5に導入される。いずれの場合もアルカリ性
水は吐出管41から吐出され、酸性水は吐出管42から
吐出される。したがって、第1の実施の形態のように水
質測定器5を通った検水が排水管45から流出すること
がなく、吐出管41から吐出される水量を確保しやすく
なる。
【0069】本実施形態では電極室23Bにおいてアル
カリ性水を生成する状態で説明しているが、飲用に供す
るためのアルカリ性水を生成する場合のように電極室2
3Aでアルカリ性水を生成する場合についても同様の構
成を適用することができる。他の構成および動作は第1
の実施の形態と同様である。
【0070】(第3の実施の形態)本実施形態は、第1
の実施の形態における水質測定器5の機能と切換弁6の
機能とを水質測定器5により実現するものである。本実
施形態では図14に示す構造の水質測定器5を用いてい
る。
【0071】すなわち、図14に示す水質測定器5は、
円筒状のセンサボディ50を左右に2分するとともにセ
ンサボディ50の底面から外部に突出する仕切板50a
を備える。内部液53は仕切板50aにより2分された
センサボディ50の内部空間のうちの一方に封入され、
内部液53が封入された側に作用電極56、比較電極5
7、作用電極58が配置される。また、図15に示すよ
うに、ポット51はセンサボディ50の下部が挿着され
る円筒状に形成され、ポット51の底壁には左右2本の
接続管69a,69cが設けられ、ポット51の側壁に
も左右2本の接続管69b,69dが設けられる。ポッ
ト51の内部空間は仕切板50aにより2分される。
【0072】センサボディ50はポット51に対して回
転自在であって、モータあるいはロータリソレノイドか
らなるアクチュエータ50bにより回転位置が制御され
る。つまり、センサボディ50が回転すると、ポット5
1内で仕切板50aが回転するが、ポット51に対する
センサボディ50の停止位置は、図15と図16とに示
すように180度回転させた2つの位置に規定されてお
り、どちらの位置でも接続管69aと接続管69bとを
連通させるとともに接続管69cと接続管69dとを連
通させるようになっている。ただし、図15に示す位置
では接続管69c,69dに連通する空間内に作用電極
56、比較電極57、作用電極58が配置され、図16
に示す位置では接続管69a,68bに連通する空間内
に作用電極56、比較電極57、作用電極58が配置さ
れる。
【0073】しかして、本実施形態における水質測定器
5は第2の実施の形態と同様に図11に示す形で用いら
れる。つまり、電極室23Bにおいてアルカリ性水を生
成して吐出管41から吐出させ、電極室23Aにおいて
酸性水を生成して吐出管42から吐出させている状態に
おいて、フィードバック制御を行うときには、図11に
実線で示すように水質測定器5を接続し、フィードバッ
ク制御を行わないときには、図11に破線で示すように
水質測定器5を接続するのである。
【0074】したがって、本実施形態においても第2の
実施の形態と同様に、接続管69aは流路切換弁3を介
して電極室23Aに接続され、接続管69cは流路切換
弁3を介して電極室23Bに接続されるのであって、接
続管69bは吐出管42、接続管69dは吐出管41に
それぞれ接続される。フィードバック制御の際には図1
5の状態に接続しておけば、電極室23Bで生成したア
ルカリ性水が水質測定器5に導入される。一方、フィー
ドバック制御を行わないときには、図16の状態に接続
することによって、電極室23Aで生成された酸性水が
水質測定器5に導入される。いずれの場合もアルカリ性
水は吐出管41から吐出され、酸性水は吐出管42から
吐出される。したがって、第1の実施の形態のように水
質測定器5を通った検水が排水管45から流出すること
がなく、吐出管41から吐出される水量を確保しやすく
なる。
【0075】なお、本実施形態では電極室23Bにおい
てアルカリ性水を生成する状態で説明しているが、飲用
に供するためのアルカリ性水を生成する場合のように電
極室23Aでアルカリ性水を生成する場合についても同
様の構成を適用することができる。他の構成および動作
は第1の実施の形態と同様である。
【0076】
【発明の効果】請求項1の発明は、電解隔膜により分割
された2つの電極室内にそれぞれ電極を配置し通水する
とともに両電極間に電圧を印加することにより各電極室
において生成されたアルカリ性水と酸性水との電解水を
各電極室にそれぞれ設けた流出口から各別に外部に取り
出す電解槽と、電解槽から取り出した電解水の水質を電
気化学的に測定する水質測定器と、アルカリ性水の水質
の実測期間にのみアルカリ性水を水質測定器に流入させ
他の期間には酸性水を水質測定器に流入させる流路変更
手段とを備えるものであり、アルカリ性水を主として利
用に供する場合であっても水質測定器には適宜に酸性水
が流入されるから、アルカリ性水に含まれるカルシウム
イオンに炭酸成分が結合することにより結晶固化して
(つまりアルカリ性水に対して不溶になり)スケールが
水質測定器に付着しても、スケールの付着量が少ない状
態で酸性水を水質測定器に流入させることによってスケ
ールを除去することができ、水質測定器の測定精度が経
時的に劣化するのを防止することができるという利点が
ある。また、水質測定器に酸性水を適宜に流入させるこ
とによってスケールを除去するから、水質測定器に酸性
水を流入させるのに必要な流路においてもスケールの付
着が防止され、全体としてのスケールの付着量が少量で
あって、流量の低下がほとんど生じないのであって、従
来構成に比較すると全体を洗浄する頻度を低減すること
ができる。つまり、酸を用いて全体を洗浄する操作がほ
とんど不要になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す全体構成図で
ある。
【図2】同上において水質測定器に酸性水が流入する状
態を示す全体構成図である。
【図3】同上の外観を示し、(a)は正面図、(b)は
平面図である。
【図4】同上の外観を示す斜視図である。
【図5】同上の制御部を示すブロック図である。
【図6】同上に用いる制御部との接続関係を示す概略構
成図である。
【図7】同上に用いる切換弁を示す動作説明図である。
【図8】同上に用いる切換弁の動作説明図である。
【図9】同上に用いる切換弁の他の動作例を示す動作説
明図である。
【図10】本実施形態の効果を示す動作説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態を示す全体構成図
である。
【図12】同上に用いる水質測定器を示し、(a)は断
面図、(b)は下面図である。
【図13】同上に用いる水質測定器の動作説明図であ
る。
【図14】本発明の第3の実施の形態に用いる水質測定
器を示し、(a)は断面図、(b)は下面図である。
【図15】同上に用いる水質測定器にアルカリ性水を流
入する状態を示し、(a)は断面図、(b)は下面図で
ある。
【図16】同上に用いる水質測定器に酸性水を流入する
状態を示し、(a)は断面図、(b)は下面図である。
【図17】「陽極添加方式」の従来例を示す要部構成図
である。
【図18】「両極添加方式」の従来例を示す要部構成図
である。
【図19】水質測定器を示す断面図である。
【図20】他の水質測定器を示す断面図である。
【図21】水質測定器と制御部との関係を示すブロック
図である。
【図22】従来の問題点を示す動作説明図である。
【符号の説明】
2 電解槽 5 水質測定器 6 切換弁 15 流量検知センサ 21 電解隔膜 22A,22B 電極 23A,23B 電極室 24A,24B 流入口 25A,25B 流出口 51 ポット 67 架台 68a,68b 通水管 69a〜69d 接続管 71 制御回路 72a 第1の表示部 74 メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 亮 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4D061 DA03 DB07 EA04 EB12 FA11 GA02 GA07 GA14 GA22 GA23 GC02 GC14 GC20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解隔膜により分割された2つの電極室
    内にそれぞれ電極を配置し通水するとともに両電極間に
    電圧を印加することにより各電極室において生成された
    アルカリ性水と酸性水との電解水を各電極室にそれぞれ
    設けた流出口から各別に外部に取り出す電解槽と、電解
    槽から取り出した電解水の水質を電気化学的に測定する
    水質測定器と、アルカリ性水の水質の実測期間にのみア
    ルカリ性水を水質測定器に流入させ他の期間には酸性水
    を水質測定器に流入させる流路変更手段とを備えること
    を特徴とする電解水生成装置。
  2. 【請求項2】 前記流路変更手段は、少なくとも1回の
    通水毎に水質測定器にアルカリ性水と酸性水とを交互に
    流入させるように流路を切り換えることを特徴とする請
    求項1記載の電解水生成装置。
  3. 【請求項3】 前記流路変更手段は、通水開始から水質
    測定器にアルカリ性水を一定時間流入させた後に酸性水
    を流入させることを特徴とする請求項1記載の電解水生
    成装置。
  4. 【請求項4】 水質測定器により測定された水質をほぼ
    目標値に保つように両電極間に印加する電圧をフィード
    バック制御して水質を調整する制御回路を備え、前記流
    路変更手段は、通水開始から水質測定器にアルカリ性水
    を流入させた状態で水質の測定と水質の調整との少なく
    とも一方が終了した後に酸性水を流入させることを特徴
    とする請求項1記載の電解水生成装置。
  5. 【請求項5】 通水されている流量を検出する流量検知
    センサと、両電極に印加する電圧を調節する制御回路
    と、外部に取り出している電解水の水質を表示する表示
    部とを備え、アルカリ性水を外部に取り出しかつ水質測
    定器に酸性水を流入させている期間には前記流量と前記
    電圧との少なくとも一方から得られる水質の推定値を表
    示部に表示することを特徴とする請求項1ないし請求項
    4のいずれかに記載の電解水生成装置。
  6. 【請求項6】 通水されている流量を検出する流量検知
    センサと、両電極に印加する電圧を調節する制御回路
    と、外部に取り出している電解水の水質を表示する表示
    部とを備え、アルカリ性水を外部に取り出しかつ水質測
    定器に酸性水を流入させている期間には、水質測定器に
    酸性水を流入させる直前に水質測定器で測定された水質
    を表示部に表示させることを特徴とする請求項3または
    請求項4記載の電解水生成装置。
  7. 【請求項7】 アルカリ性水を外部に取り出しかつ水質
    測定器に酸性水を流入させている期間において両電極間
    に印加する電圧と前記流量との少なくとも一方が酸性水
    の流入を開始した時点から所定値以上変化すると、前記
    流路変更手段がアルカリ性水を水質測定器に流入させる
    状態に切り換えることを特徴とする請求項5または請求
    項6記載の電解水生成装置。
  8. 【請求項8】 前記流路変更手段は、止水時に流路を切
    り換えることを特徴とする請求項2記載の電解水生成装
    置。
  9. 【請求項9】 前記流路変更手段は、前記電解槽から前
    記水質測定器に至る流路上に配置された切換弁であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の電解水生
    成装置。
  10. 【請求項10】 前記流路変更手段は、前記水質測定器
    と一体化されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項4記載の電解水生成装置。
  11. 【請求項11】 前記水質測定器を取り付けた架台を備
    え、架台は電解槽の各一方の電極室に選択的に連通させ
    る2位置の間でスライド自在であることを特徴とする請
    求項10記載の電解水生成装置。
  12. 【請求項12】 前記水質測定器は電解槽の各一方の電
    極室にそれぞれ連通した接続管を備えるポットが結合さ
    れ、各一方の接続管に選択的に連通する2位置の間でポ
    ットに対して回転自在であることを特徴とする請求項1
    0記載の電解水生成装置。
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