JP3477333B2 - 酸化還元電位センサの洗浄方法 - Google Patents

酸化還元電位センサの洗浄方法

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JP3477333B2 JP33158396A JP33158396A JP3477333B2 JP 3477333 B2 JP3477333 B2 JP 3477333B2 JP 33158396 A JP33158396 A JP 33158396A JP 33158396 A JP33158396 A JP 33158396A JP 3477333 B2 JP3477333 B2 JP 3477333B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水や電気分解
水等の酸化還元電位を測定するために用いられる酸化還
元電位センサの洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化還元電位を測定する酸化還元電位セ
ンサは従来から市販されている。一般的な酸化還元電位
センサは、白金等の不溶性金属電極を作用電極とすると
共に銀−塩化銀電極を内部電極とする比較電極を対極と
して、両電極を被検液に浸漬し、両電極間で発生する相
対電位差を酸化還元電位として表示するようになってい
る。
【0003】ここで、酸化還元電位は強度を示すもので
容量を示すものではない。それゆえ酸化還元電位はpo
ising effect(酸化還元系の変化に対する
抵抗性)とは無関係である。このことは酸化還元電位が
酸化性物質の活量(濃度)と還元性物質の活量(濃度)
の比によって左右され、それぞれの絶対量によるもので
はないことに由来する。例えば酸化還元系の総濃度が
0.01%の場合と10%の場合、90%が酸化された
ときには同じ酸化還元電位を示すが、poising
effectは前者よりも後者の方が1000倍も大き
い。従って排水や土壌や培養液を酸化還元電位の測定の
対象とする場合には、これらの酸化還元電位物質の総濃
度は比較的高いので、ばらつきがあってもその割合が小
さくなって安定した測定を行なうことができるが、水道
水やそれを電気分解した電解水のような酸化還元電位物
質の総濃度が低いものでは、ばらつきの割合が大きくな
り、また応答性が緩慢になって安定した測定がし難くな
るという問題がある。
【0004】このように酸化還元電位物質の総濃度が低
い水道水やその電解水などの酸化還元電位を測定するに
は測定の精度が問題となるが、測定の精度を低下させる
原因として、使用中での作用電極の表面状態の変化、例
えば白金を作用電極として用いる場合、白金の表面への
空気による表面酸化や被検液による表面酸化に伴う酸化
膜の形成や、被検液中の酸化還元物質や不純物などの物
理的吸着等によって生じる変化が関与していると考えら
れる。
【0005】従って、酸化還元電位の測定を安定して精
度良く行なうためには、白金の作用電極の表面の酸化膜
や吸着物質を除去する洗浄をして電極表面を更新させる
必要があり、その洗浄の方法としていくつかの提案が従
来からなされている。例えば、洗浄薬剤としてクロム硫
酸、熱濃硝酸、高塩酸溶液などを用い、これらの洗浄薬
剤に作用電極を浸漬等することによって、作用電極の表
面を洗浄する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水道水やその
電解水など飲料水を測定する酸化還元電位センサをこの
ような毒性を有する薬剤で洗浄することは安全性の上で
問題がある。例えば、実用新案登録第3009299号
公報等で提供されているような、水を電解槽で電解して
アルカリイオン水と酸性イオン水とを生成させると共に
これらのイオン水を各別に吐水供給するようにした電解
水生成装置に酸化還元電位センサを設け、酸化還元電位
センサで検出したイオン水の酸化還元電位を表示するよ
うにしたものにあっては、イオン水は飲料に供されるの
で、上記のような毒性を有する薬剤で酸化還元電位セン
サを洗浄することはできない。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、安全性高く洗浄を行なうことができる酸化還元電
位センサの洗浄方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
酸化還元電位センサの洗浄方法は、酸化還元電位センサ
1の不溶性金属電極で形成される作用電極2を、溶存塩
素を含む強酸性水と、溶存酸素を含む弱酸性水と、溶存
水素を含む強アルカリ水とを用いてこの順に処理するこ
とによって、作用電極2の表面を洗浄することを特徴と
するものである。
【0009】上記の溶存塩素を含む強酸性水としては、
強電解質の無機塩素化合物を添加した水を電解して得ら
れる酸化還元電位が900mV以上でpHが3.5以下
の強酸性イオン水を、溶存酸素を含む弱酸性水として
は、水を電解して得られる酸化還元電位が500mV〜
1000mVでpHが4〜6の酸性イオン水を、溶存水
素を含む強アルカリ水としては、水を電解して得られる
酸化還元電位が−200mV以下でpHが9.5以上の
アルカリイオン水を、それぞれ用いることができる。
【0010】また本発明の請求項3に係る酸化還元電位
センサの洗浄方法は、酸化還元電位センサ1の不溶性金
属電極で形成される作用電極2を、pH2以下の強酸性
水とpH12以上の強アルカリ水の少なくとも一方で処
理することによって、作用電極2の表面を洗浄すること
を特徴とするものである。さらに本発明の請求項4に係
る酸化還元電位センサの洗浄方法は、酸化還元電位セン
サ1の不溶性金属電極で形成される作用電極2を、清浄
な水で煮沸処理することによって、作用電極2の表面を
洗浄することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図2は本発明において使用する酸化還元電位セン
サ1の一例を示すものである。この酸化還元電位センサ
1は連続通水系に接続し、この通水系に通される水等の
被検液の酸化還元電位を測定するために使用されるもの
であり、流入口18から流出口19へと被検液が流れる
ようにしてあって、被検液の流れの経路中にガラスに封
入された白金電極が配置してある。この白金電極を流入
口18から流出口19へ流れる被検液に浸漬される作用
電極2とし、また飽和塩化カリウム溶液を内部液11と
する銀塩化銀電極を比較電極12として、被検液の酸化
還元電位を測定することができるのである。尚、流入口
18から流出口19へ流れる被検液に内部液11が溶出
して影響を及ぼすことを防ぐために、多孔質のアルミナ
セラミックによって液絡部16を形成するようにしてあ
る。また作用電極2と比較電極12の間で測定された電
位差は、アンプ10によって増幅され、酸化還元電位と
して表示されるようになっている。アンプ10によって
増幅された信号をAD変換してデジタル表示することも
可能である。
【0012】ここで、酸化還元電位センサ1の白金等の
不溶性金属電極で形成される作用電極2は、棒状であっ
ても板状であっても特に規制されるものではなく、形状
や面積も可逆電池を形成し電位を確実に測定できればよ
く、特に規制されるものではないが、表面は酸化還元電
位物質等の不純物による皮膜が形成されないようなもの
が好ましい。しかし、使用の初期の段階では白金等の作
用電極2の表面は一部のみが酸化状態であるが、長期間
空気中に放置すると表面の原子状酸素の量が増大し、ま
た被検液の酸化還元電位測定を繰り返して行なうと酸化
還元物質が表面から完全に脱離せず一部が吸着したまま
になり、作用電極2の表面に皮膜が形成される。このよ
うに作用電極2の表面に皮膜が形成されると測定のずれ
が発生したり応答性が緩慢になったりし、特に水道水レ
ベルのイオン強度の低い被検液の測定の場合には測定の
安定性が大きく低下する。
【0013】そこで本発明では酸化還元電位センサ1の
白金等の不溶性金属電極で形成される作用電極2を安全
に洗浄することによって、作用電極2の表面を更新し、
測定精度及び応答性、測定の安定性を回復させるように
したものである。すなわち請求項1及び請求項2の発明
では、まず第1のステップとして溶存塩素を含む強酸性
水L1 を用い、図1(a)のように、この強酸性水L1
に作用電極2を浸漬するかあるいは作用電極2にこの強
酸性水L1 を通水させ、作用電極2をこの溶存塩素を含
む強酸性水L1 で処理する。溶存塩素を含む強酸性水L
1は食塩のような強電解の無機塩素化合物を0.03〜
0.3重量%程度添加した水を隔膜を有する電解槽(後
述の図6参照)に通水し、一定の電圧を印加して電解す
ることによって陽極側から得ることができるものであ
り、酸化還元電位が900mV以上(上限は特に設定さ
れないが1300mV以下であることが好ましい)でp
Hが3.5以下(下限は特に設定されないがpH2以上
であることが好ましい)の強酸性イオン水であることが
望ましい。このように溶存塩素を含む強酸性水L1 で作
用電極2を1〜10分間程度処理することによって、白
金等の不溶性金属電極で形成される作用電極2の表面に
形成された吸着不純物を酸化分解して除去することがで
きる。
【0014】しかしこの第1のステップで作用電極2に
塩素の表面吸着が生じるので表面は完全には更新されて
いない。そこで第2のステップとして溶存酸素を含む弱
酸性水L2 を用い、図1(b)のように、この弱酸性水
2 に作用電極2を浸漬するかあるいは作用電極2にこ
の弱酸性水L2 を通水させ、作用電極2をこの溶存酸素
を含む弱酸性水L2 で処理する。溶存酸素を含む弱酸性
水L2 は水道水の水質レベルの水を上記と同様に水を隔
膜を有する電解槽に通水し、一定の電圧を印加して電解
することによって陽極側から得ることができるものであ
り、酸化還元電位が500mV〜1000mVでpHが
4〜6の酸性イオン水であることが望ましい。この酸性
イオン水は溶存酸素濃度が高く酸化力が比較的高い水で
あり、溶存酸素を含む弱酸性水L2 で作用電極2を1〜
10分間程度処理することによって、作用電極2に表面
吸着した塩素が酸素に置き換わり、白金等の作用電極2
の表面が更新状態に近づく。
【0015】しかし作用電極2の表面に原子状酸素の吸
着が起こる場合もあり、まだ完全な初期表面状態に更新
されているとはいえない。そこで第3のステップとして
溶存水素を含む強アルカリ水L3 を用い、図1(c)の
ように、この強アルカリ水L3 に作用電極2を浸漬する
かあるいは作用電極2にこの強アルカリ水L3 を通水さ
せ、作用電極2をこの溶存水素を含む強アルカリ水L3
で処理する。溶存水素を含む強アルカリ水L3 は水道水
の水質レベルの水を上記と同様に水を隔膜を有する電解
槽に通水し、一定の電圧を印加して電解することによっ
て陰極側から得ることができるものであり、酸化還元電
位が−200mV以下(下限は特に設定されないが−8
00mV以上であることが好ましい)でpHが9.5以
上(上限は特に設定されないがpH12以下であること
が好ましい)のアルカリイオン水であることが望まし
い。溶存水素を含む強アルカリ水L3 は還元性が高く、
溶存水素を含む強アルカリ水L3 で作用電極2を1〜1
0分間程度処理することによって、白金等の作用電極2
の表面の原子状酸素の量を減少させ、作用電極2の表面
をほぼ完全に更新状態にすることができるものである。
【0016】このようにして作用電極2の表面を洗浄更
新することによって、作用電極2と被検液の酸化還元系
との平衡の速度を増加させることができ、測定精度及び
応答性、測定の安定性を回復させることができるもので
ある。図3は請求項3の発明の洗浄方法を示すものであ
り、酸化還元電位センサ1の白金等の不溶性金属電極で
形成される作用電極2を、まず第1のステップとして図
3(a)のように、pH2以下(下限は特に設定されな
いがpH1以上であることが好ましい)の強酸性水L4
に作用電極2を浸漬するかあるいは作用電極2にこの強
酸性水L4 を通水させ、作用電極2をこの強酸性水L4
で処理する。硬度が高い水質の被検液を測定する場合、
炭酸カルシウム等のスケール分が白金等の作用電極2の
表面に付着して測定精度を低下させる原因となるが、こ
のようにpH2以下の強酸性水L4 で作用電極2を30
分〜3時間処理することによって、炭酸カルシウム等の
スケール分を剥離して表面を回復させることができる。
次に第2のステップとして図3(b)のように、pH1
2以上の強アルカリ水L5に作用電極2を浸漬するかあ
るいは作用電極2にこの強アルカリ水L5 を通水させ、
作用電極2をこの強アルカリ水L5 で30分〜3時間処
理することによって、作用電極2の表面に付着した有機
物のような不純物を分解除去することができる。このよ
うな処理で作用電極2の表面を洗浄更新することによっ
て、作用電極2と被検液の酸化還元系との平衡の速度を
増加させることができ、測定精度及び応答性、測定の安
定性を回復させることができるものである。
【0017】図4は請求項4の発明の洗浄方法を示すも
のであり、酸化還元電位センサ1の白金等の不溶性金属
電極で形成される作用電極2を、90℃以上の温度で沸
騰させた純水など清浄な水L6 で煮沸処理することによ
って、不純物の溶解度向上による不純物の作用電極2の
表面からの離脱と煮沸時のバブリングの物理的な作用
で、作用電極2の表面を洗浄更新することができるもの
である。処理時間は特に限定されず、長時間程効果を高
く得ることができるが、30〜60分程度が一般的であ
る。
【0018】次に、洗浄効果を実証する実施例を図2に
示す酸化還元電位センサ1を用いて説明する。被検液と
しては、一定の電気伝導率に調整すると共に曝気処理し
た純水を溶媒とする0.001mMクロム酸カリウム−
0.015mM硫酸鉄アンモニウム溶液(酸化還元電位
仮基準液)を用いた。この被検液の理論的な酸化還元電
位は310mVである。そしてまず作用電極2の表面が
清浄な酸化還元電位センサ1を用いて被検液の酸化還元
電位を測定し、これを初期測定値として表1に示すよう
に記録した。この初期測定値の酸化還元電位は309〜
312mVであるが、これは誤差の範囲内である。次
に、大阪市の市水を図2の矢印のように間欠的に1トン
通水した後、上記被検液の酸化還元電位を再度測定し、
これを洗浄前測定値として表1に示すように記録した。
この洗浄前測定値の酸化還元電位は189〜382mV
であり、理論値より大きく乖離した値を示している。こ
の現象は、作用電極2である白金の表面の酸化還元物質
等の不純物による測定ずれであると考えられる。そこ
で、酸化還元電位センサ1の作用電極2に対して請求項
1,2、請求項3、請求項4の各発明による洗浄方法を
実施した。
【0019】請求項1,2の方法による洗浄は、第1ス
テップの溶存塩素を含む強酸性水L1 として、電解電圧
8V、電解電流14A、食塩濃度0.1重量%の条件で
水を電解して得られる酸化還元電位が1130mV、p
H2.6の強酸性イオン水を用い、第2ステップの溶存
酸素を含む弱酸性水L2 として、電解電圧25V、電解
電流5Aの条件で水を電解して得られる酸化還元電位が
700mV、pH5.5の酸性イオン水を用い、第3ス
テップの溶存水素を含む強アルカリ水L3 として、電解
電圧35V、電解電流7Aの条件で水を電解して得られ
る酸化還元電位が−720mV、pH10.5のアルカ
リイオン水をそれぞれ用い、各ステップでこれらの洗浄
水をそれぞれ2リットル/minの通水量で2分間通水
することによって行なった。
【0020】請求項3の方法による洗浄は、第1ステッ
プの強酸性水L4 としてpH1.6の塩酸水溶液を、第
2ステップの強アルカリ水L5 としてpH12.4の水
酸化カリウム水溶液をそれぞれ用い、各ステップでこれ
らの洗浄水にそれぞれ2時間浸漬することによって行な
った。請求項4の方法による洗浄は、95℃に煮沸した
純水L6 を用い、これに60分間浸漬することによって
行なった。
【0021】このようにして酸化還元電位センサ1の作
用電極2を洗浄処理した後、上記被検液の酸化還元電位
を再度測定し、これを洗浄後測定値として表1に示すよ
うに記録した。この洗浄後測定値の酸化還元電位は30
8〜311mVであり、初期の状態に作用電極2の表面
が回復していることが確認される。
【0022】
【表1】
【0023】次に、酸化還元電位センサ1の洗浄の必要
な時期を知ることができる手段を設けた酸化還元電位セ
ンサ1について説明する。酸化還元電位センサ1には制
御回路系23が設けてあり、図5に示すように、制御回
路系23には酸化還元電位センサ1で測定した酸化還元
電位の値を記憶するようにEPROM等からなる記憶手
段24と、酸化還元電位の値を比較する比較演算回路か
らなる比較手段25とが設けてある。記憶手段24と比
較手段25にはそれぞれ酸化還元電位センサ1で測定さ
れた酸化還元電位の測定値のデータ信号が入力されるよ
うになっており、また比較手段25から出力される信号
に基づいてランプ等で形成される表示手段26を作動さ
せるようにしてある。
【0024】そしてこのものにあって酸化還元電位セン
サ1の作用電極2を洗浄した後、先述の酸化還元電位仮
基準液など既知の被検液を用いてその酸化還元電位を測
定する。記憶手段24はスイッチ27の操作で制御され
るようにしてあり、このように洗浄した後の酸化還元電
位センサ1で酸化還元電位を測定する際にスイッチ27
をONさせると、この測定値が初期測定値として記憶手
段24にメモリーされるようになっている。次に、酸化
還元電位センサ1が使用されると経時的に作用電極2の
表面に不純物が吸着等され、測定値にズレが生じてく
る。そこで酸化還元電位センサ1を所定期間使用した後
に、上記と同じ被検液を用いてその酸化還元電位を測定
する。酸化還元電位センサ1で測定したこの測定値は比
較手段25に入力され、記憶手段24に記憶されている
初期測定値と比較演算される。そして比較手段25で比
較演算された初期測定値と測定値の差が予め設定されて
いる所定値を超えると、比較手段25から信号が出力さ
れ、例えば表示手段26のランプを点灯させるなどして
酸化還元電位センサ1の洗浄を促すようになっている。
このようにして、酸化還元電位センサ1の作用電極2の
表面に不純物が吸着等されていて測定異常が発生する
と、それを検知して洗浄を告知することができるもので
あり、精度が狂ったまま酸化還元電位センサ1を使い続
けるというようなことを未然に防ぐことができるもので
ある。
【0025】次に、上記のような酸化還元電位センサ1
を組み込んだ電解水生成装置について説明する。図6は
電解水生成装置の一例を示すものであり、電解槽3、逆
洗ユニット31、切換弁32,33、カルシウム剤添加
用カートリッジ4、浄水用カートリッジ7、そして酸化
還元電位センサ1等をハウジング100に納めたものと
して構成されている。
【0026】電解槽3は陰極と陽極になる各一枚以上の
電極44,45とこの両者を仕切る電解隔膜30とを備
えたもので、底部側に流入口37,38を、上部側に吐
出口39,40を備えており、これら吐出口39,40
は、切換弁33を介して吐出管41,42に接続されて
いる。ここにおいて、流入口37と吐出口39は一方の
電極44を囲む電解隔膜30の空間に連通し、流入口3
8と吐出口40とは他方の電極45を囲む空間に連通し
ているのであるが、流入口37は流入口38よりも細く
されていて、電極44側に流れ込む流量が電極45側に
流れ込む流量より1:3乃至1:4位の比率で少なくな
るようにされている。また上記切換弁33は、吐出口3
9と吐出管41とを連通させる時、吐出口40と吐出管
42とを連通させ、吐出口39と吐出管42とを連通さ
せる時、吐出口40と吐出管41とを連通させるように
電磁ロータリー弁もしくはモータ式切換弁で構成されて
いる。
【0027】浄水用カートリッジ7は、活性炭からなる
濾過材6aと中空糸膜からなる濾過材6bとを収容して
形成されるものであり、逆洗ユニット31に取り外し自
在に接続して、取り替えができるようにしてある。逆洗
ユニット31は浄水用カートリッジ7内の濾過材6a,
6bの目詰まりを、いったん浄水用カートリッジ7に通
した水を切換弁32から供給される水圧によって浄水用
カートリッジ7に逆流させることで解消するためのもの
であり、切換弁32は電解槽3への水の供給状態とこの
逆流状態とを切り換えるためのものである。
【0028】また逆洗ユニット31から電解槽3の流入
口37,38の間に流量計46、電磁弁47、逆止弁4
8が設けられており、電磁弁47から流入口37に至る
配管の途中にカルシウム添加用カートリッジ4が設けて
ある。カルシウム添加用カートリッジ4はカルシウム製
剤を収容して形成されるものであり、配管に通水される
水にカルシウムを溶解させて水中のカルシウム分を増量
させるためのものである。このカルシウム添加用カート
リッジ4は配管に接続して、取り替えができるようにし
てある。そして上記逆止弁48は排水口49につながっ
ており、上流側の原水圧がかかっている時は閉じている
ものの、水圧がかからなくなった時に開いて、電解槽3
内の水及び配管内の残水を排水口49から排出するよう
になっている。
【0029】さらに、電解槽3と吐出管42との間の配
管の途中に酸化還元電位センサ1が接続してある。酸化
還元電位センサ1としてはセンサの作用系の構造などを
図2に示すものと同様に形成したものが使用されるもの
であり、電解槽3で生成されたイオン水が酸化還元電位
センサ1を通過する際に、イオン水の酸化還元電位物質
の濃度比に応じて白金等の作用電極2で半電池反応が起
こり、これを比較電極12との電位差として出力してア
ンプ10で増幅し、そして増幅された出力値に基づいて
制御回路でAD変換されて、酸化還元電位をデジタル表
示するようになっている。
【0030】次に、水道水から電解イオン水を取り出す
ときの水の流れについて説明する。切り換え弁ユニット
93で水道蛇口94の水を切換弁32側へ切り換える
と、水は切換弁32を介して浄水用カートリッジ7を通
過し、流入口37,38から電解槽3に入り、電解槽3
内で電解される。電解槽3の各電極44,45への通電
は流量計46から得られる水の流れの情報に基づいて開
始される。
【0031】そしてアルカリイオン水を得たい旨の指示
がなされているならば、電解槽3の電極45が陰極に、
電極44が陽極になるように電解電圧の極性が決められ
る。これにより、吐出口40からアルカリイオン水が、
吐出口39から酸性イオン水が得られ、吐出管42から
アルカリイオン水が、吐出管41から酸性イオン水が吐
出される。逆に、酸性イオン水を得たい旨の指示がなさ
れているならば、電解槽3の電極45が陽極に、電極4
4が陰極になるように電解電圧の極性が決められる。こ
れにより、吐出口40から酸性イオン水が、吐出口39
からアルカリイオン水が得られ、吐出管42から酸性イ
オン水が、吐出管41からアルカリイオン水が吐出され
る。吐出管42から吐出されるこれらのイオン水の酸化
還元電位は、酸化還元電位センサ1で測定され、表示さ
れる。
【0032】また、食塩などの強電解質の無機塩素化合
物を添加した水の電解イオン水を得るには、カルシウム
添加用カートリッジ4の代わりに、このカルシウム添加
用カートリッジ4と同じハウジングで形成したカートリ
ッジ5に食塩などの無機塩素化合物等を充填したものを
用いて配管に接続し、電解槽3の電極45が陰極に、電
極44が陽極になるように電解電圧の極性を決定する。
また切換弁33は吐出口40が吐出管41に、吐出口3
9が吐出管42に接続されるように切り換えられてお
り、吐出管42から強酸性イオン水が、吐出管41から
アルカリイオン水が吐出される。カートリッジ5から添
加する食塩などの無機塩素化合物の添加量は、水中の食
塩などの無機塩素化合物の濃度が0.03〜0.3重量
%になるようにするのが好ましく、添加量がこのように
なる構造にカートリッジ5を形成してある。
【0033】食塩などの強電解質の無機塩素化合物を添
加した水を電気分解するには、このようにカルシウム添
加用カートリッジ4の代わりにカートリッジ5に食塩な
どの無機塩素化合物を充填したものを用いる他に、浄水
用カートリッジ7の代わりに、この浄水用カートリッジ
7と同じハウジングで形成したカートリッジ5に食塩な
どの無機塩素化合物とクエン酸などの有機酸を混合して
充填したものを用いて逆洗ユニット31に接続すること
によって行なうこともできる。
【0034】そして電解水生成装置は、図示を省略する
操作パネルの操作部を操作してpH切り換えスイッチを
切り換えることによって、pHレベルが異なるアルカリ
イオン水や酸性イオン水を電解槽3で生成することがで
きるように電解電圧を制御して、複数のモードで運転で
きるようになっている。例えば、アルカリイオン水がレ
ベル1でpH8.5、レベル2でpH9.0、レベル3
でpH9.5、レベル4でpH10.5の4段階のpH
レベルの各モードによって、酸性イオン水がレベル1で
pH5.5、レベル2でpH2.9の2段階のpHレベ
ルの各モードによって運転できるようにしてあり、さら
に電解槽3に電解電圧を印加しない浄水モードによって
も運転できるようにしてある。これらのpHの異なる各
イオン水(浄水も含む、以下同じ)はそれぞれ酸化還元
電位も当然異なるが、pHが高い程、酸化還元電位は低
い値を示し、pHが低い程、酸化還元電位は高い値を示
す。
【0035】ここで、酸化還元電位センサ1には既述の
ように、洗浄した後の酸化還元電位センサ1で測定した
被検液の酸化還元電位を初期測定値としてメモリーする
記憶手段24と、使用した後の酸化還元電位センサ1で
測定した被検液の酸化還元電位と記憶手段24にメモリ
ーした初期測定値とを比較する比較手段25と、この比
較手段25による比較値が所定値以上のとき酸化還元電
位センサ1の洗浄を促す表示手段26とが具備されてい
る。そして電解水生成装置を同一水質で使用するときに
は、同じpHのイオン水は同じ酸化還元電位を示すの
で、pHレベルの異なるアルカリイオン水やpHレベル
の異なる酸性オイン水や浄水を生成する各モードにおい
てそれぞれ、洗浄した後の酸化還元電位センサ1で測定
したイオン水の酸化還元電位を初期測定値として記憶手
段24にメモリーし、電解水生成装置を運転している際
に酸化還元電位センサ1で測定したイオン水の酸化還元
電位と記憶手段24にメモリーした初期測定値とを比較
手段25で比較するようにしてあり、この比較の差が例
えば100mV以上となれば、酸化還元電位センサ1の
作用電極2の表面に不純物が付着等して測定の精度異常
が生じたものと判断することができ、このときには酸化
還元電位センサ1の洗浄を促すように表示手段26のラ
ンプを点灯させるようにしてある。従って、電解水生成
装置をどのモードで使用していても、酸化還元電位セン
サ1の洗浄が必要なことを知って酸化還元電位センサ1
を洗浄することができ、常に正しい酸化還元電位の測定
値を表示させながら電解水生成装置を使用することがで
きるものである。
【0036】このように、各モードにおいて酸化還元電
位の初期測定値を記憶手段24にメモリーさせるにあた
って、酸化還元電位のこの初期の測定を精度良く行なう
ためには次のモードの順に測定を行なう必要がある。す
なわち、アルカリイオン水のように溶存水素が多い水の
場合は、酸化還元電位センサ1の白金等の作用電極2の
表面に水素が吸着し易いが、水素は容易に表面から離脱
し易いために、この後に他のモードの水の酸化還元電位
を測定する際に与える影響は小さい。これに対して酸性
イオン水のような溶存酸素や溶存塩素が多い水の場合
は、酸化還元電位センサ1の白金等の作用電極2の表面
に酸素や塩素が吸着すると水素よりも脱離し難いため
に、この後に他のモードの水の酸化還元電位を測定する
際に与える影響が大きくなる。そこで、まずアルカリイ
オン水を生成する運転モードで酸化還元電位を測定し、
しかも測定の前液の影響を出来る限り避けるためにアル
カリイオン水のなかでもpHレベルの高いものから順に
低いものへと移行して酸化還元電位を測定し、各モード
でのこの初期測定値を順に記憶手段24にメモリーさ
せ、次に浄水モードで測定して酸化還元電位の初期測定
値を順に記憶手段24にメモリーさせ、この後、酸性イ
オン水を生成する運転モードで酸化還元電位を測定し、
しかもここでも測定の前液の影響を出来る限り避けるた
めに酸性イオン水のなかでもpHレベルの高いものから
順に低いものへと移行して酸化還元電位を測定し、各モ
ードでのこの初期測定値を順に記憶手段24にメモリー
させる。このようにして各モードでの酸化還元電位の初
期測定値を精度良く測定して記憶手段24にメモリーさ
せることができ、以降の電解水生成装置の使用時の酸化
還元電位の実測値と比較手段25で比較して、酸化還元
電位センサ1の洗浄の必要性を精度高く検知することが
できるものである。
【0037】前記の例の場合では、まずアルカリイオン
水のレベル4のpH10.5の運転モードで酸化還元電
位の初期測定値を測定し、以下、レベル3のpH9.
5、レベル2のpH9.0、レベル1のpH8.5の各
運転モードの順に酸化還元電位の初期測定値の測定を行
ない、次に浄水モードで酸化還元電位の初期測定値を測
定した後、酸性イオン水のレベル1のpH5.5、レベ
ル2のpH2.9の各運転モードの順に酸化還元電位の
初期測定値の測定を行ない、これらの初期測定値をそれ
ぞれ記憶手段24に個別にファイルしてメモリーするよ
うにしてある。ここで、酸化還元電位センサ1で測定す
るにあたって、2秒以上安定した酸化還元電位の値を各
モードでの初期測定値として判断してメモリーするよう
に記憶手段24を形成するのが好ましい。
【0038】そして記憶手段24にメモリーされた各モ
ードの酸化還元電位の初期測定値と、電解水生成装置を
各モードで運転している際の酸化還元電位の測定値とを
比較手段25の演算回路で常時比較できるようになって
おり、上記のように初期測定値に対してこの測定値が1
00mV以上ずれると異常と判断するが、その測定の際
の水の水質や水の流量の影響で初期測定値とのズレが一
過性で生じることがあるリスクを避けるために、連続1
0回同じモードの運転で100mV以上のずれが発生し
た場合にのみ、表示手段26を作動させるようにしてあ
る。
【0039】上記のようにして酸化還元電位センサ1の
洗浄の必要を検知することができるが、電解水生成装置
には図1に示す洗浄方法を自動であるいは手動で行なわ
せる手段が設けられている。すなわち、まず第1ステッ
プの洗浄を行なうにあたっては、食塩等の無機塩素化合
物を充填したカートリッジ5をカルシウム添加用カート
リッジ4と交換するか、あるいは食塩等の無機塩素化合
物を充填したカートリッジ8を浄水用カートリッジ7と
交換して、電解槽3に通水される水に無機塩素化合物を
濃度が0.03〜0.3重量%となるように添加する。
そして電解槽3の電極45が陰極に、電極44が陽極に
なるように電解電圧の極性を決定して10〜20Vの直
流電圧を印加することによって、陽極の電極44側から
酸化還元電位が900mV以上でpHが3.5以下の強
酸性イオン水を得ることができる。このとき切換弁33
は吐出口40が吐出管41に、吐出口39が吐出管42
に接続されるように切り換えられており、吐出管42か
ら強酸性イオン水が、吐出管41からアルカリイオン水
が吐出されるようになっている。従って、この強酸性イ
オン水は酸化還元電位センサ1に連続通水され、作用電
極2を溶存塩素を含む強酸性イオン水で第1ステップの
洗浄を行なうことができる。この第1ステップの際の酸
化還元電位センサ1への強酸性イオン水の通水時間は1
〜5分程度が好ましい。
【0040】次に第2ステップの洗浄を行なうにあたっ
ては、カルシウム添加用カートリッジ4や浄水用カート
リッジ7を戻し、水道水の水質レベルを有する水を通水
し、電解槽3の電極45が陽極に、電極44が陰極にな
るように電解電圧の極性を決定して10〜40Vの直流
電圧を印加することによって、陽極の電極45側から酸
化還元電位が500mV〜100mV以上でpHが4〜
6の酸性イオン水を得ることができる。このとき切換弁
33は、吐出管42から酸性イオン水が、吐出管41か
らアルカリイオン水が吐出されるように切り換えられて
いる。従って、この酸性イオン水は酸化還元電位センサ
1に連続通水され、作用電極2を溶存酸素濃度が高く酸
化力が比較的高い酸性イオン水で第2ステップの洗浄を
行なうことができる。この第2ステップの際の酸化還元
電位センサ1への酸性イオン水の通水時間は1〜5分程
度が好ましい。
【0041】次に第3ステップの洗浄を行なうにあたっ
ては、引き続いて水道水の水質レベルを有する水を通水
し、電解槽3の電極45が陰極に、電極44が陽極にな
るように電解電圧の極性を決定して20〜40Vの直流
電圧を印加することによって、陰極の電極45側から酸
化還元電位が−200mV以下でpHが9.5以上の強
アルカリイオン水を得ることができる。このとき切換弁
33は、吐出管42から強アルカリイオン水が、吐出管
41から酸性イオン水が吐出されるように切り換えられ
ている。従って、この強アルカリイオン水は酸化還元電
位センサ1に連続通水され、作用電極2を溶存水素濃度
が高く還元力が高い強アルカリイオン水で第3ステップ
の洗浄を行なうことができる。この第3ステップの際の
酸化還元電位センサ1への強アルカリイオン水の通水時
間は1〜5分程度が好ましい。
【0042】このように酸化還元電位センサ1の白金等
の作用電極2を洗浄することによって、作用電極2の表
面を更新することができるものであり、作用電極2と被
検液の酸化還元系との平衡の速度を増加させることがで
き、電解槽3で生成されるイオン水の酸化還元電位の安
定した測定が可能になるものである。次に、上記の洗浄
効果を実証する実施例を説明する。河川の水を原水とす
る電気伝導率12mS/mの水道水を使用し、まず洗浄
直後の酸化還元電位センサ1を用いて各モードでイオン
水の酸化還元電位を測定し、これを各モードの初期測定
値として記憶手段24に記憶させた(この初期測定値を
表2に示す)。次に、同じ水道水を1500リットル通
水した後の、アルカリイオン水のpH9.5のモードの
運転の際に酸化還元電位を測定したところ、初期測定値
が−150mVであったものが連続10回20mVの測
定値(これを洗浄前測定値として表2に示す)となり、
初期測定値との差が基準の100mVを上回ったため
に、表示手段26の洗浄ランプが点灯した。洗浄を行な
う前に、他の各モードでも同様に酸化還元電位を測定し
たところ、いずれのモードでも測定値(これを洗浄前測
定値として表2に示す)は初期測定値と基準以上にずれ
ており、よってどのモードで使用していても酸化還元電
位センサ1の測定異常を検知できることが確認される。
【0043】このようにして酸化還元電位センサ1の測
定異常が表示手段26で表示された後、酸化還元電位セ
ンサ1の作用電極を既述の第1ステップ〜第3ステップ
の3段階の電解処理による方法で洗浄した。すなわち、
まず食塩を充填したカートリッジ5をカルシウム添加用
カートリッジ4と交換して、電解槽3に通水される水に
食塩を濃度が0.1重量%となるように添加すると共
に、電解槽3の電極45が陰極に、電極44が陽極にな
るように電解電圧の極性を決定して電解電圧10V、電
解電流15Aの条件で電解し、陽極の電極44側から生
成される酸化還元電位が1150mV、pHが2.5の
強酸性イオン水を酸化還元電位センサ1に2リットル/
minの通水量で5分間通水することによって、第1ス
テップの洗浄を行なった。次に、カルシウム添加用カー
トリッジ4を戻し、電解槽3の電極45が陽極に、電極
44が陰極になるように電解電圧の極性を決定して電解
電圧22V、電解電流4Aの条件で電解し、陽極の電極
45側から生成される酸化還元電位が650mVでpH
5.7の弱酸性イオン水を酸化還元電位センサ1に2リ
ットル/minの通水量で5分間通水することによっ
て、第2ステップの洗浄を行なった。次に、電解槽3の
電極45が陰極に、電極44が陽極になるように電解電
圧の極性を決定して電解電圧40V、電解電流8Aの条
件で電解し、陰極の電極45側から生成される酸化還元
電位が−760mVでpH10.7の強アルカリイオン
水を酸化還元電位センサ1に2リットル/minの通水
量で5分間通水することによって、第3ステップの洗浄
を行なった。
【0044】このようにして洗浄を行なった後の酸化還
元電位センサ1を用いて各モードでイオン水の酸化還元
電位を測定し、この測定値を洗浄後測定値として表2に
示した。表2にみられるように、各モードにおいて洗浄
後測定値は初期測定値に殆ど誤差の範囲内で近くなって
おり、洗浄による効果が確認される。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る酸
化還元電位センサの洗浄方法は、酸化還元電位センサの
不溶性金属電極で形成される作用電極を、溶存塩素を含
む強酸性水と、溶存酸素を含む弱酸性水と、溶存水素を
含む強アルカリ水とを用いてこの順に処理することによ
って、作用電極の表面を洗浄するようにしたので、毒性
を有する薬剤を用いる必要なく、安全に作用電極の表面
を洗浄して更新させることができ、酸化還元電位センサ
による測定精度を高く保つことができるものである。
【0047】また、上記の溶存塩素を含む強酸性水とし
て、強電解質の無機塩素化合物を添加した水を電解して
得られる酸化還元電位が900mV以上でpHが3.5
以下の強酸性イオン水を、溶存酸素を含む弱酸性水とし
て、水を電解して得られる酸化還元電位が500mV〜
1000mVでpHが4〜6の酸性イオン水を、溶存水
素を含む強アルカリ水として、水を電解して得られる酸
化還元電位が−200mV以下でpHが9.5以上のア
ルカリイオン水を、それぞれ用いるようにしたので、電
気分解して得た水を洗浄に使用して、酸化還元電位セン
サの作用電極の表面を高いレベルで洗浄することができ
るものである。また本発明の請求項3に係る酸化還元電
位センサの洗浄方法は、酸化還元電位センサの不溶性金
属電極で形成される作用電極を、pH2以下の強酸性水
とpH12以上の強アルカリ水の少なくとも一方で処理
することによって、作用電極の表面を洗浄するようにし
たので、比較的安全に作用電極の表面を洗浄して更新さ
せることができるものである。
【0048】さらに本発明の請求項4に係る酸化還元電
位センサの洗浄方法は、酸化還元電位センサの不溶性金
属電極で形成される作用電極を、清浄な水で煮沸処理す
ることによって、作用電極の表面を洗浄するようにした
ので、毒性を有する薬剤を用いる必要なく、安全に作用
電極の表面を洗浄して更新させることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化還元電位センサの洗浄方法の実施
の形態の一例を示すものであり、(a),(b),
(c)はそれぞれ概略断面図である。
【図2】同上に用いる酸化還元電位センサの実施の形態
の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の酸化還元電位センサの洗浄方法の実施
の形態の他の一例を示すものであり、(a),(b)は
それぞれ概略断面図である。
【図4】本発明の酸化還元電位センサの洗浄方法の実施
の形態のさらに他の一例を示す概略断面図である。
【図5】本発明に用いる酸化還元電位センサの制御の一
例を示すブロック図である。
【図6】酸化還元電位センサを用いた電解水生成装置の
実施の形態の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 酸化還元電位センサ 2 作用電極 L1 強酸性水 L2 弱酸性水 L3 強アルカリ水 L4 強酸性水 L5 強アルカリ水 L6 沸騰水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 才原 康弘 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 西川 壽一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 野口 弘之 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 中野 源喜 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−38650(JP,A) 特開 平9−210950(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 - 27/49 C02F 1/46 - 1/48 G01N 27/416

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化還元電位センサの不溶性金属電極で
    形成される作用電極を、溶存塩素を含む強酸性水と、溶
    存酸素を含む弱酸性水と、溶存水素を含む強アルカリ水
    とを用いてこの順に処理することによって、作用電極の
    表面を洗浄することを特徴とする酸化還元電位センサの
    洗浄方法。
  2. 【請求項2】 溶存塩素を含む強酸性水として、強電解
    質の無機塩素化合物を添加した水を電解して得られる酸
    化還元電位が900mV以上でpHが3.5以下の強酸
    性イオン水を、溶存酸素を含む弱酸性水として、水を電
    解して得られる酸化還元電位が500mV〜1000m
    VでpHが4〜6の酸性イオン水を、溶存水素を含む強
    アルカリ水として、水を電解して得られる酸化還元電位
    が−200mV以下でpHが9.5以上のアルカリイオ
    ン水を、それぞれ用いることを特徴とする請求項1に記
    載の酸化還元電位センサの洗浄方法。
  3. 【請求項3】 酸化還元電位センサの不溶性金属電極で
    形成される作用電極を、pH2以下の強酸性水とpH1
    2以上の強アルカリ水の少なくとも一方で処理すること
    によって、作用電極の表面を洗浄することを特徴とする
    酸化還元電位センサの洗浄方法。
  4. 【請求項4】 酸化還元電位センサの不溶性金属電極で
    形成される作用電極を、清浄な水で煮沸処理することに
    よって、作用電極の表面を洗浄することを特徴とする酸
    化還元電位センサの洗浄方法。
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