JP2000125524A - 固定子鉄心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、並びに固定子鉄心 - Google Patents
固定子鉄心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、並びに固定子鉄心Info
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Abstract
できること。 【解決手段】 金型20にティース4の中央付近を支持
する支持部25を設けたので、固定子鉄心1を金型20
にセットした状態で樹脂を注入しても、ティース4が支
持部25により支持されているから、たわむことがな
い。
Description
どの固定子鉄心に関し、さらに詳しくは、簡単にティー
ス付近の絶縁層の肉厚を均一化できる固定子鉄心の製造
方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型、並
びに固定子鉄心に関する。
有する中空円盤形状の磁性金属板(コア材)を積層加圧
し、カシメや溶接により嵌合することにより製造してい
る。これらコア材は、プレス加工による打ち抜きにより
形成する。このコア材を加圧した状態で、固定子鉄心内
に前記突起部によりからなるティースが形成される。こ
のティースを含む固定子鉄心の表面およびスロット内に
は、薄膜の絶縁層が形成される。巻線作業は、薄膜形成
後に行う。
ていたが、その後、絶縁樹脂材料を射出成形することに
より前記絶縁層を形成する方法が提案され(特開昭55
−13258号公報参照)、手作業中心であった絶縁処
理が容易に行うことができるようになっている。
m程度の磁性金属板を積層したものであるため、合成樹
脂の注入圧力によって変形を来たし、薄く均一な肉厚を
得られず、射出成形毎の肉厚の再現性が悪いという問題
が生じていた。
通り従来から多く提案されている。特開昭59−968
50号公報には、金型ジグに同心円状の押し部を設けた
金型ジグを用い、インジェクションモールドする技術が
記載されている。図13は、従来の固定子鉄心のモール
ドに用いる金型ジグを示す断面図である。この金型ジグ
50は、同心円状に形成した押し部51を有する固定金
型52と、前記押し部51に対向して設けた同心円状の
押し部53を有する可動金型54と、固定子鉄心の内径
面をガイドする内径金型55とから構成されている。こ
の発明では、前記押し部51、53による加圧でコア材
を密着させ、合成樹脂の注入圧力による固定子鉄心の変
形を防止しようとしている。
に記載の技術でも、図14に示すように、移動金型60
側に固定子鉄心61の内外周縁を支持する鉄心当たり部
62が設けられている。この鉄心当たり部62によっ
て、構成樹脂注入時における固定子鉄心61の変形を結
果的に抑制することができる。
来の固定子鉄心のモールドにおいては、ティース中央部
の支持がないため又は不十分であるために当該ティース
がたわみ、絶縁層の肉厚がティースの中央付近とその周
辺とで不均一になるという問題点があった。
一を緩和できるが、コア材の積層枚数が多い場合、合成
樹脂の流動距離が長くなって注入圧力が上昇し、固定子
鉄心が変形しやすくなる。このため、肉厚の不均一を解
消しにくいという問題点があった。一方、絶縁層の肉厚
を均一にしようとすると、その分、肉厚を厚くしなけれ
ばならないという問題点があった。また、合成樹脂の案
内通路を設けるのも面倒で構成が複雑になる。
あって、簡単にティース付近の絶縁層の肉厚を均一化で
きる固定子鉄心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被
覆用モールド金型、並びに固定子鉄心を得ることを目的
とする。
めに、この発明による固定子鉄心の製造方法は、内周に
突起部を有する薄板のコア材を積層することで内側にテ
ィースを持つ仮固定子鉄心を形成し、この仮固定子鉄心
を金型内にセットすると共に当該金型に設けた支持部に
より前記ティースの中央付近を支持しておき、この状態
で金型内に樹脂を注入することで仮固定子鉄心の表面に
薄肉の絶縁層を形成するものである。
は、上記固定子鉄心の製造方法において、さらに、前記
支持部に溝その他の凹部を設け、仮固定子鉄心の露出部
中の一部に絶縁部を形成したものである。
用モールド金型は、絶縁に用いる樹脂を型内に注入する
樹脂注入孔を有する分割構造であり、薄板のコア材を積
層した構造の仮固定子鉄心をセットする固定子鉄心の絶
縁層被覆用モールド金型において、前記分割した金型ブ
ロックの一方または双方に、前記仮固定子鉄心のティー
ス中央付近を支持する支持部を設けたものである。
用モールド金型は、上記固定子鉄心の絶縁層被覆用モー
ルド金型において、さらに、前記支持部に溝その他の凹
部を設けたものである。
起部を有する薄板のコア材を積層することで内側にティ
ースを持つ仮固定子鉄心を形成し、この仮固定子鉄心の
表面に薄肉の絶縁層を形成すると共にティースの中央付
近に絶縁層からコア材が露出した露出部を設けたもので
ある。
子鉄心において、さらに、前記露出部中の一部に絶縁部
を形成したものである。
子鉄心において、さらに、前記露出部に斜め架橋形状の
絶縁部を形成したものである。
は、内周に突起部を有する薄板のコア材を積層すること
で内側にティースを持つ仮固定子鉄心を形成し、この仮
固定子鉄心を金型内にセットすると共に当該金型内面と
仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙を、前記金
型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大
きくし、この状態で金型内に樹脂を注入することによ
り、前記端面における肉厚がスロット内の肉厚よりも厚
くなるように前記仮固定子鉄心の表面に薄肉の絶縁層を
形成するものである。
用モールド金型は、絶縁に用いる樹脂を型内に注入する
樹脂注入孔を有する分割構造であり、薄板のコア材を積
層した構造の仮固定子鉄心をセットする固定子鉄心の絶
縁層被覆用モールド金型において、金型内面と仮固定子
鉄心のティースを含む端面との空隙が、前記金型内面と
仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくなる
寸法に金型ブロックを作成したものである。
は、上記固定子鉄心の製造方法において、さらに、金型
内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙を、
金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも
大きくし、当該端面における絶縁層の肉厚をスロット内
の肉厚よりも厚くしたものである。
用モールド金型は、上記固定子鉄心の絶縁層被覆用モー
ルド金型において、さらに、金型内面と仮固定子鉄心の
ティースを含む端面との空隙が、前記金型内面と仮固定
子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくなる寸法に
金型ブロックを作成したものである。
子鉄心において、さらに、仮固定子鉄心のティースを含
む端面における絶縁層の肉厚を、スロット内の肉厚より
も厚くしたものである。
心の製造方法および固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド
金型、並びに固定子鉄心につき図面を参照しつつ詳細に
説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定
されるものではない。
形態1にかかる固定子鉄心の製造方法を示すフローチャ
ートである。ステップS101では、仮固定子鉄心(単
に固定子鉄心という)を製造する。図2は、固定子鉄心
を示す斜視図である。この固定子鉄心1は、例えば外径
92mm、厚さ0.5mmのケイ素鋼板2を積層した構
造である。ケイ素鋼板どうしは、かしめ接合により一体
化する。一体化したときの軸方向厚さは、例えば15m
mである。また、ケイ素鋼板2は、プレス加工により打
ち抜き成形され、その内周には、複数の突起部3が等間
隔に設けられている。ケイ素鋼板2を積層することによ
り突起部3が積層してティース4を構成し、隣接するテ
ィース間に例えば24個のスロット5が形成される。
縁層被覆用の金型にセットする。図3は、絶縁層被覆用
の金型を示す組立図である。この金型20は、スロット
形状に沿った外形を持ちスロット内の絶縁層を形成する
中子金型ブロック21と、固定子鉄心1を下側から挿入
し、固定子鉄心1の下端面の絶縁層を形成する可動金型
ブロック22と、中子金型ブロック21と可動金型ブロ
ック22との軸を固定して相対位置決めを行う金型ブロ
ック軸23と、固定子鉄心1の上側を挿入し、固定子鉄
心1の上端面の絶縁層の形成を行う固定金型ブロック2
4とから構成されている。固定金型ブロック24には、
射出ゲートが備えてある。
のクリアランスを精度良く確保するため、また、絶縁不
要部に樹脂が漏れださないようにするため、部分的に固
定子鉄心1と当接する構造になっている。図4は、図3
に示す可動金型ブロックの一部拡大図である。可動金型
ブロック22のうち固定子鉄心1のティース中央付近に
対向する位置に、ティース4を支持する突起部25を設
ける。固定子鉄心1を金型20内にセットした状態で、
この支持部25がティース4と当接する。また、可動金
型ブロック22および固定金型ブロック24の内外周に
は、固定子鉄心1の内外周縁を締め付ける当接部26、
27が設けられている。また、外周側の当接部26の幅
は、0.5mm、内周側の当接部27の幅は1mmとす
る。
型を示す断面図である。固定子鉄心1は、ティース中央
付近にて支持部25により支持される。この支持部25
のサイズは、幅1.2mm、長さ7mmとなる。この支
持部25によって、注入圧力によるティース4のたわみ
が防止され、絶縁層の肉厚を精度よく確保することがで
きる。支持部25は、射出ゲート28側には設けない。
射出ゲート28側は、樹脂の注入圧力が実質的に支持部
25と同様の機能を奏するからである。なお、必ず設け
ないというわけではないので、必要によって射出ゲート
28側に支持部を設けても良い。
あるため、層間に隙間が存在し、樹脂の注入圧力により
厚さが容易に減少する。このため、金型20を閉じたと
きの上下当接部26、26(27、27)間の距離Dを
固定子鉄心1の厚さより小さくすることで、固定子鉄心
1を締め付けるような構造にした。この締め付け量は、
固定子鉄心1の厚さのバラツキを考慮して調整する。具
体的には、ケイ素鋼板2の弾性変形の範囲内で、注入圧
力により金型20と固定子鉄心1の間に隙間が生じ、そ
こから樹脂が漏れ出さないような寸法に調整する。
を注入して絶縁層を形成する。樹脂には、66ナイロン
を用いる。射出成形は、樹脂温度290〜300℃、金
型温度60〜80℃の条件により行う。樹脂は、金型2
0と固定子鉄心1との隙間を流動して、当該固定子鉄心
1の表面を被覆する。樹脂を注入する際、ティース4に
注入圧力が加わるが、当該ティース4は支持部25によ
り支持されているからたわみむことはない。また、支持
部25によりティース4を支持しているから、可動金型
ブロック22と固定子鉄心1とのクリアランスが均一に
確保される。このため、樹脂の肉厚が均一化すると共に
未充填部分がなくなる。また、絶縁層10を薄くでき
る。
定子鉄心1を取り出す。樹脂注入から所定の時間が経過
すると、樹脂が固化する。金型20からの取り出しは、
樹脂が固化してから行う。移動金型ブロック22にはス
トリッパ(図示省略)が設けてあり、移動金型ブロック
22を下方に移動させた後、前記ストリッパを用いて固
定子鉄心1を金型内から押し出す。固定子鉄心1に被覆
した絶縁層10の肉厚は、スロット5内で0.3mm、
端面6で0.3mmである。
鉄心を示す斜視図である。支持部25により固定子鉄心
1を支持していた部分には樹脂が侵入しないから、かか
る部分にケイ素鋼板2の露出部7ができる。露出部7
は、支持部25を転写した形状になる。また、当接部2
6、27が当接していた部分も、同様に樹脂の流動が遮
断されていたから、かかる部分にケイ素鋼板2の露出部
8、9ができる。
いから巻線との接触に関して特別な配慮をする必要がな
い。しかし、前記ティース4にできた露出部9は、後工
程で巻線に供する部分であるから、当該露出部9に巻線
が垂れ下がるなどして固定子鉄心1と接触しないよう、
巻線の寸法を調整する必要がある。また、露出部7〜9
の分だけ、絶縁層10に用いる樹脂を節約できる。
して巻線を施す。続いて、その巻線が好ましい形状と位
置を備えるように整形し(ステップS106)、さらに
必要な結線を行った後、外殻を熱硬化性の樹脂31でモ
ールドし(ステップS107)、固定子30を得る。図
7に、得られた固定子の断面図を示す。この工程におい
て、絶縁層形成時に生じた固定子鉄心1の露出部7〜9
と巻線32との間隙に熱硬化性樹脂が充填される。ステ
ップS108では、得た固定子30を回転子など必要部
品と共に組み立て、モータを得る。
と、ティースの支持なしに絶縁層を被覆した固定子鉄心
とをそれぞれ外観目視により評価してみたところ、図8
のような結果が出た。すなわち、軸方向厚さ、スロット
内肉厚および端面肉厚の条件を同一にして、ティースの
支持の有無により樹脂の充填圧力、樹脂の未充填部の有
無、固定子鉄心の変形の有無を調べたところ、ティース
4の支持を行った固定子鉄心1の方がそうでない固定子
鉄心に比べて良い結果になることが判った。
がたわんで未充填部が生じてしまった。これは、ティー
スの支持をしていないため、樹脂の射出成形時に生じる
注入圧力によってティースがたわみ、樹脂の充填に必要
なクリアランスが狭くなったためと考えられる。また、
このときの充填圧力は、実施の形態1にかかる固定子鉄
心1に比べて高いものとなっている。
では、固定子鉄心1が変形することなく、未充填部分も
生じなかった。また、樹脂の充填圧力も、ティースの支
持を行わない固定子鉄心に比べて低いものになった。こ
れは支持部25によるティース4の支持が有効に作用し
たからと考えられる。つまり、ティース4のたわみを防
止することによって、固定子鉄心1が変形することな
く、また、金型20と固定子鉄心1との間に所定のクリ
アランスが確保され、樹脂が流動しやすくかったためと
考えられる。
設けた支持部25によりティース中央付近を支持するよ
うにしたので、樹脂の注入圧力によってティース4がた
わみにくくなる。また、ケイ素鋼板2の枚数が多い場合
でも、当該支持部25によりティース4を支持していれ
ば、ティース4のたわみを抑制できる。ティース4のた
わみを抑制すると、ティース4の中央付近とその周囲と
の間において金型内面と固定子鉄心1とのクリアランス
が均一になるから、絶縁層41の肉厚が均一化すると共
に未充填部分の発生を防止できる。さらに、従来は、肉
厚を均一化するために絶縁層を厚めに形成していたが
(ティース4の変形を考慮して)、この製造方法によれ
ば、このような方策が不要となるから絶縁層を薄肉にで
きる。
形態2にかかる固定子鉄心を示す一部斜視図である。こ
の実施の形態2の固定子鉄心40の製造方法は、実施の
形態1の固定子鉄心1の製造方法と略同一であるが、金
型20の支持部25に斜めの溝を形成した点に特徴があ
る。上記したように、固定子鉄心1に絶縁層10を被覆
した後、巻線32を巻回して外殻モールドを施すが(ス
テップS105〜ステップS107)、このときの樹脂
圧力で露出部7から露出した固定子鉄心1と巻線32と
が接触する可能性がある。
た場合、当該巻線32はティース4の両端縁にて支持さ
れることになる。このとき、露出部7の周方向の幅があ
まりに大きいと、巻線32が垂れ下がってケイ素鋼板2
と接触することになる。従って、巻線32が直径0.3
mmの電線の場合、露出部7の周方向の幅は3mm以下
であることが好ましく、1.2mm以下ならさらに好ま
しい。
限を設けないが、固定子鉄心1の局部的変形により磁性
特性を低下させないようにするため、一つのティース4
あたりの露出部総面積は、6mm2 以上が好ましく、3
0mm2以上ならさらに好ましい。
架橋形状の絶縁部41が二つ形成されるように、絶縁層
10を被覆している。この絶縁部41、41を形成する
には、図10に示すように、支持部25に斜めの溝29
を設ければよい。この溝29が転写されると、露出部7
に斜め架橋形状の絶縁部41が形成される。絶縁部41
の寸法は、例えば露出部7の周方向の幅が1.5mm、
径方向の長さが10mmの場合、幅を0.5mm、厚さ
を0.3mmとする。
支持できるから(露出部7の寸法が小さくなるのと同効
果)、当該巻線32がケイ素鋼板2と接触するのを防止
できる。なお、絶縁部41の形状は、斜め架橋形状に限
定されず、露出部7が上記したような巻線32と接触し
ない好ましい寸法になれば、どのような形状でも構わな
い。例えば図11の(a)に示すように、絶縁部42を
十字形状にしてもよい。また、同図(b)に示すよう
に、絶縁部43を桟橋形状にしてもよい。
2に巻線32が接触する可能性があるため、支持部25
に溝29を設けることで、前記露出部7中に絶縁部41
を一部形成するようにしている。この結果、前記絶縁部
41が、巻線32を支持してケイ素鋼板2との接触を防
止してくれる。
定子鉄心の端面における絶縁層の肉厚を、スロット内の
肉厚よりも厚くするようにしたものである(図示省
略)。それ以外の構成は実施の形態1と略同一であるか
ら説明を省略する。端面の肉厚を厚くする場合、金型と
固定子鉄心との空隙もその分広くする必要がある。
外径92mm、スロット数24個、軸方向厚さ約30m
mのものを用い、実施の形態1と同様の方法でスロット
内に肉厚0.3mmの絶縁層を形成し、端面に肉厚0.
4mmの絶縁層を形成した。絶縁層の材質は、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂を用いた。
り出し、外観目視により評価してみた。この結果を図1
2に示す。なお、実施の形態1の固定子鉄心と共に、比
較例2として、端面における絶縁層の肉厚を0.3m
m、スロット内の肉厚を0.4mmに形成した固定子鉄
心を用いた。
子鉄心および実施の形態1にかかる固定子鉄心について
は、ティースのたわみが認められず、また、樹脂の未充
填部分が存在しなかった。これに対して、比較例2の固
定子鉄心では、高い充填圧力を加えたにもかかわらず、
樹脂の未充填部分が発生してしまった。
仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙を、金型内
面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きく
することで、樹脂の注入圧力を低下させるようにしたの
で、ティースの変形を防止でき、絶縁層を均一にするこ
とができる。
定子端面およびスロット内の絶縁に用いる薄肉樹脂層の
製造方法について説明したが、この発明はこれに限定さ
れるものではなく、その他の薄肉のインサート成形用途
への代替え使用も可能であり、その要旨を脱し得ない範
囲で種々変形して実施することができる。
に記載の固定子鉄心の製造方法、固定子鉄心の絶縁層被
覆用モールド金型、および固定子鉄心をそれぞれ組み合
わせることにより、さらに、ティースの変形をさらに防
止できるから、絶縁層を均一に形成することができる。
固定子鉄心の製造方法によれば、金型に固定子鉄心のテ
ィースを支持する支持部を設けたので、ティースのたわ
みを抑制できる。このため、簡単に絶縁層の肉厚を均一
化できると共に未充填部分の発生を防止できる。また、
絶縁層を薄肉化できる。
では、支持部に溝その他の凹部を設け、仮固定子鉄心の
露出部中の一部に絶縁部を形成したので、この絶縁部に
より巻線を支持できる。このため、巻線とコア材との接
触を防止できる。
覆用モールド金型では、分割した金型ブロックの一方ま
たは双方に、前記仮固定子鉄心のティース中央付近を支
持する支持部を設けたので、ティースのたわみを抑制す
ることができる。このため、簡単に絶縁層の肉厚を均一
化できると共に未充填部分の発生を防止できる。さら
に、ティースの変形を防止できるので絶縁層を薄肉にで
きる。
覆用モールド金型では、支持部に溝その他の凹部を設け
たので、絶縁層の露出部中に絶縁部を転写形成できる。
このため、絶縁部により巻線を支持することで当該巻線
とコア材との接触を防止できる。
ースの中央付近に絶縁層からコア材が露出した露出部を
設けたので、絶縁層に用いる樹脂材料の量を少なくする
ことができる。
部中の一部に絶縁部を形成したので、巻線とコア材との
接触を防止できる。
部に斜め架橋形状の絶縁部を形成したので、巻線を確実
に支持できる。このため、巻線とコア材との接触を有効
に防止することができる。
では、金型内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面と
の空隙を、前記金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分
との空隙よりも大きくしたので、樹脂の注入圧力を低下
させることができる。このため、ティースの変形を防止
でき、簡単に絶縁層を均一化することができる。
覆用モールド金型では、金型ブロックを、金型内面と仮
固定子鉄心のティースを含む端面との空隙が前記金型内
面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きく
なる寸法にしたので、樹脂の注入圧力を低下させること
ができる。このため、ティースの変形を防止でき、簡単
に絶縁層を均一化することができる。
では、金型内面と固定子鉄心の端面との空隙を、金型内
面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大きく
したので、樹脂の注入圧力を低下させることができる。
また、金型に支持部を設け、樹脂注入時にティースを支
持するようにしており、これらの相乗効果によって絶縁
層をさらに均一にすることができる。
覆用モールド金型では、金型ブロックを、金型内面と仮
固定子鉄心のティースを含む端面との空隙が、前記金型
内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空隙よりも大き
くなる寸法にしたので、樹脂の注入圧力を低下させるこ
とができる。また、金型に支持部を設け、樹脂注入時に
ティースを支持するようにしており、これらの相乗効果
によって絶縁層をさらに均一にすることができる。
における絶縁層の肉厚をスロット内の肉厚よりも厚くす
るので、製造時の注入圧力を低下させることができる。
また、金型の支持部によりティースを支持しつつ製造す
ることとの相乗効果により、ティースの変形をさらに防
止できるから、絶縁層を均一に形成することができる。
の製造方法を示すフローチャートである。
ある。
面図である。
斜視図である。
ある。
を示す一部斜視図である。
形状を示す斜視図である。
図である。
視評価した結果を示す図表である。
る金型ジグを示す断面図である。
動金型を示す断面図である。
ィース、5 スロット、6 端面、7〜9 露出部、1
0 絶縁層。
Claims (12)
- 【請求項1】 内周に突起部を有する薄板のコア材を積
層することで内側にティースを持つ仮固定子鉄心を形成
し、この仮固定子鉄心を金型内にセットすると共に当該
金型に設けた支持部により前記ティースの中央付近を支
持しておき、この状態で金型内に樹脂を注入することで
仮固定子鉄心の表面に薄肉の絶縁層を形成することを特
徴とする固定子鉄心の製造方法。 - 【請求項2】 さらに、前記支持部に溝その他の凹部を
設け、仮固定子鉄心の露出部中の一部に絶縁部を形成し
たことを特徴とする請求項1に記載の固定子鉄心の製造
方法。 - 【請求項3】 絶縁に用いる樹脂を型内に注入する樹脂
注入孔を有する分割構造であり、薄板のコア材を積層し
た構造の仮固定子鉄心をセットする固定子鉄心の絶縁層
被覆用モールド金型において、 前記分割した金型ブロックの一方または双方に、前記仮
固定子鉄心のティース中央付近を支持する支持部を設け
たことを特徴とする固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド
金型。 - 【請求項4】 さらに、前記支持部に溝その他の凹部を
設けたことを特徴とする請求項3に記載の固定子鉄心の
絶縁層被覆用モールド金型。 - 【請求項5】 内周に突起部を有する薄板のコア材を積
層することで内側にティースを持つ仮固定子鉄心を形成
し、この仮固定子鉄心の表面に薄肉の絶縁層を形成する
と共にティースの中央付近に絶縁層からコア材が露出し
た露出部を設けたことを特徴とする固定子鉄心。 - 【請求項6】 さらに、前記露出部中の一部に絶縁部を
形成したことを特徴とする請求項5に記載の固定子鉄
心。 - 【請求項7】 さらに、前記露出部に斜め架橋形状の絶
縁部を形成したことを特徴とする請求項5に記載の固定
子鉄心。 - 【請求項8】 内周に突起部を有する薄板のコア材を積
層することで内側にティースを持つ仮固定子鉄心を形成
し、この仮固定子鉄心を金型内にセットすると共に当該
金型内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙
を、前記金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空
隙よりも大きくし、この状態で金型内に樹脂を注入する
ことにより、前記端面における肉厚がスロット内の肉厚
よりも厚くなるように前記仮固定子鉄心の表面に薄肉の
絶縁層を形成することを特徴とする固定子鉄心の製造方
法。 - 【請求項9】 絶縁に用いる樹脂を型内に注入する樹脂
注入孔を有する分割構造であり、薄板のコア材を積層し
た構造の仮固定子鉄心をセットする固定子鉄心の絶縁層
被覆用モールド金型において、 金型内面と仮固定子鉄心のティースを含む端面との空隙
が、前記金型内面と仮固定子鉄心のスロット部分との空
隙よりも大きくなる寸法に金型ブロックを作成したこと
を特徴とする固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型。 - 【請求項10】 さらに、金型内面と仮固定子鉄心のテ
ィースを含む端面との空隙を、金型内面と仮固定子鉄心
のスロット部分との空隙よりも大きくし、当該端面にお
ける絶縁層の肉厚をスロット内の肉厚よりも厚くしたこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の固定子鉄心の
製造方法。 - 【請求項11】 さらに、金型内面と仮固定子鉄心のテ
ィースを含む端面との空隙が、前記金型内面と仮固定子
鉄心のスロット部分との空隙よりも大きくなる寸法に金
型ブロックを作成したことを特徴とする請求項3または
4に記載の固定子鉄心の絶縁層被覆用モールド金型。 - 【請求項12】 さらに、仮固定子鉄心のティースを含
む端面における絶縁層の肉厚を、スロット内の肉厚より
も厚くしたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一
つに記載の固定子鉄心。
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