JP2000121649A - 自動分注装置 - Google Patents

自動分注装置

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JP2000121649A
JP2000121649A JP28772298A JP28772298A JP2000121649A JP 2000121649 A JP2000121649 A JP 2000121649A JP 28772298 A JP28772298 A JP 28772298A JP 28772298 A JP28772298 A JP 28772298A JP 2000121649 A JP2000121649 A JP 2000121649A
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JP
Japan
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suction
pressure
sample
suction pressure
dispensing
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JP28772298A
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English (en)
Inventor
Shinkichi Oishi
伸吉 大石
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Furuno Electric Co Ltd
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Furuno Electric Co Ltd
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L3/00Containers or dishes for laboratory use, e.g. laboratory glassware; Droppers
    • B01L3/02Burettes; Pipettes
    • B01L3/021Pipettes, i.e. with only one conduit for withdrawing and redistributing liquids
    • B01L3/0217Pipettes, i.e. with only one conduit for withdrawing and redistributing liquids of the plunger pump type
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2200/00Solutions for specific problems relating to chemical or physical laboratory apparatus
    • B01L2200/06Fluid handling related problems

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Clinical Laboratory Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸引圧力曲線データを容易且つ短時間で得
る。 【解決手段】 吸引異常を検出しながら所定量の試料1
5を分注するものである。吸引圧力の変化により試料1
5の吸引および吐出を行うノズル機構3と、吸引圧力を
検出する圧力センサ8と、吸引圧力の変化に影響する分
注パラメータを基にして、試料15の吸引開始から吸引
終了までの吸引圧力の変化状態を示す吸引圧力曲線デー
タを求める情報処理部12の吸引圧力曲線データ算出手
段と、吸引圧力と吸引圧力曲線データとを基にして吸引
異常を検出する情報処理部12内の吸引異常検出手段と
を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸引および吐出に
より試料を所定量単位で分注する自動分注装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】生化学自動分析装置や免疫自動分析装置
等の検査装置は、多数の試料を同一条件下で検査する必
要があるため、通常、試料や試薬を検査容器に所定量単
位で分注する自動分注装置を備えている。
【0003】上記の自動分注装置は、従来、ノズル機構
と、ノズル機構の後端にエアホースを介して接続された
ポンプと、ノズル機構を任意の位置に移動させる移動機
構と、分注動作を制御する制御装置とを有しており、ノ
ズル機構の先端を試料中に挿入し、ポンプを駆動してノ
ズル機構内を減圧することにより所定量の試料を吸引し
た後、ノズル機構を分注位置に移動させ、吸引した試料
を検査容器内に吐出して分注するようになっている。
【0004】また、自動分注装置は、ノズル詰まりや空
吸引等の吸引異常が発生すると、試料の分注量が大幅に
ばらついて分析精度の低下を招来するため、分注量のば
らつきを所定範囲内に抑制するように、ノズル機構内の
吸引圧力を基にして吸引異常を検出する機能を制御装置
に持たせている。
【0005】即ち、例えば特開平2−184762号公
報には、吸引圧力が試料の吸引開始から連続的に変化す
ると共に、吸引の正常時と異常時とで吸引圧力の変化の
状態が異なることに着目し、吸引圧力の変化を一次微分
により強調した後、この一次微分値を正常な吸引動作か
ら得た一次微分値のしきい値と比較することによって、
吸引異常を検出する構成が開示されている。また、特開
平7−198726号公報には、上記の一次微分値をさ
らに微分して二次微分値を算出し、この二次微分値を正
常な吸引動作から得た二次微分値のしきい値と比較する
ことによって、試料の粘性に影響されることなく吸引異
常を検出する構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の各構成では、吸引異常の検出に使用される一次微分
値や二次微分値のしきい値を設定する際に、検査対象と
なる試料と同等の物性を有した基準試料を準備し、正常
な吸引動作を実際に行って吸引圧力曲線データ(図10
参照)を取得した後、一次微分値や二次微分値を求める
必要がある。従って、このような吸引圧力曲線データを
取得する作業がオペレータにとって大きな負担になると
共に、設定作業を完了するまでに長時間を要するという
問題がある。そして、この問題は、試料の分注量や種
類、物性等が任意に切り換えられるような分析装置に適
用しようとしたときに、切り換えの内容ごとに上述の吸
引圧力曲線データの取得作業が必要になるために顕著と
なる。
【0007】従って、本発明は、吸引圧力曲線データに
基づいて異常を検出することができる自動分注装置を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、吸引異常を検出しながら所定量
の試料を分注する自動分注装置において、吸引圧力の変
化により試料の吸引および吐出を行うノズル手段と、前
記吸引圧力を検出する圧力検出手段と、前記吸引圧力の
変化に影響する分注パラメータを基にして、前記試料の
吸引開始から吸引終了までの吸引圧力の変化状態を示す
吸引圧力曲線データを求める吸引圧力曲線データ算出手
段と、前記圧力検出手段で検出された吸引圧力と、前記
吸引圧力曲線データとを基にして吸引異常を検出する吸
引異常検出手段とを有することを特徴としている。
【0009】上記の構成によれば、吸引異常の検出に使
用される吸引圧力曲線データを分注パラメータを基にし
て計算により求めることができる。従って、従来のよう
に実際に分注対象となる試料を吸引し、吸引圧力を検出
しながら吸引圧力曲線データを求める場合よりも、容易
かつ短時間で吸引圧力曲線データを得ることができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載の自動分
注装置であって、前記吸引圧力曲線データ算出手段は、
初期圧P0 、吸引された試料の重さで発生する圧力の時
間比例係数a、試料の流動抵抗で生じる圧力bを近似分
注パラメータとし、これら近似分注パラメータを −P=P0 +at+b(1−e-qt ) の吸引圧力曲線近似式に代入して時間tに対する吸引圧
力−Pの吸引圧力曲線データを算出することを特徴とし
ている。
【0011】上記の構成によれば、少ない分注パラメー
タからなる簡単な吸引曲線近似式により吸引圧力曲線デ
ータを求めることができるため、オペレータによる分注
パラメータの入力が容易になる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1記載の自動分
注装置であって、前記吸引圧力曲線データ算出手段は、
試料密度ρ、ポンプ吸引速度R、初期試料吸引量VL
(0)、試料吸引抵抗B、ノズル手段先端部の外側試料圧
PA 、初期内部エア体積V0 と初期圧P0 によって決ま
るエア圧力Pとエア体積Vとの関係であるエア状態方程
式の一次近似式P=α−βV、チップ内液量VL とチッ
プ内液面高さHとの関係であるチップ容積逆関数の一次
近似式h=m+nVL を分注パラメータとし、これら分
注パラメータを −P = βV0- α+ βVL(0)+ [(gρn/β)/(1+gρn/
β)]βRt+{[gρm+α- βV0-PA+RB/(1+ gρn/β)](1+g
ρn/β) -1- βVL(0) }×(1-e-qt ) 但し、q=(1+gρn/β)/ (B/β) 、重力加速度g の吸引圧力曲線近似式に代入して時間tに対する吸引圧
力−Pの吸引圧力曲線データを算出することを特徴とし
ている。
【0013】上記の構成によれば、吸引圧力曲線データ
を詳細な分注パラメータから直接に得ることができるた
め、吸引異常の検出精度を向上させることができる。
【0014】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載の自動分注装置であって、前記異常検出
手段は、前記吸引圧力曲線データを基にして吸引開始か
ら吸引終了までの最大差圧の上限しきい値と下限しきい
値とを求めると共に、吸引開始から吸引終了直前までの
時間しきい値を求めるしきい値設定手段と、前記圧力検
出手段で検出された吸引圧力の吸引開始から吸引終了ま
での最大差圧と、前記上限しきい値および下限しきい値
とを比較して吸引異常の判定を行うと共に、前記圧力検
出手段で検出された吸引圧力の瞬時最大差圧の発生時刻
から瞬時最小差圧の発生時刻までの時間差Twを算出
し、この時間差Twと時間しきい値とを比較して吸引異
常の判定を行う判定手段とを有することを特徴としてい
る。
【0015】上記の構成によれば、最大差圧を上限しき
い値と下限しきい値とで比較すると共に、瞬時最大差圧
の発生時刻から瞬時最小差圧の発生時刻までの時間差を
時間しきい値で比較することにより吸引異常の判定を行
うようになっているため、ノズル詰まりおよび空吸引に
起因する吸引異常の略全ての形態を検出することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図12に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係る
自動分注装置は、液状の試料15を吸引および吐出する
ことにより所定量単位で検査容器に分注する装置であ
り、自動分注装置単体で使用される場合の他、血液分析
装置や生化学自動分析装置、免疫自動分析装置等の検査
装置に組み込まれ、これら装置と連動しながら使用され
る。試料15としては、血液や尿等の生体から採取され
た体液が代表例として挙げられるが、例えば果汁や薬品
等のように比較的に短時間で凝固や固化する性質を有し
た液状物質も該当する。
【0017】上記の自動分注装置は、図1に示すよう
に、所定量の試料15を吸引および吐出する吸引吐出機
構1と、吸引吐出機構1の先端部を任意の位置に移動可
能な図示しない移動機構と、これら機構の動作を制御し
て分注すると共に吸引異常を検出する制御装置2とを有
している。吸引吐出機構1は、先端部にノズル機構3を
備えている。ノズル機構3は、先端面から後端面にかけ
て連通された円柱状のノズル4と、ノズル4の先端部に
着脱自在に設けられたディスポチップ5とを有してい
る。ディスポチップ5は、ノズル4の先端部が嵌合され
るように上端面が開口された嵌合部5aと、嵌合部5a
の下端から径を減少させるように傾斜され、先端に吸引
口5cが開口された吸引部5bとからなっている。
【0018】一方、ノズル4の後端面には、変形自在な
エアホース6が接続されている。エアホース6には、排
気動作と吸気動作とを切り換え可能なポンプ7が接続さ
れている。さらに、エアホース6には、ノズル4内の吸
引圧力を吸引圧力信号として検出する圧力センサ8が接
続されている。圧力センサ8は、分注動作等を制御する
制御装置2に接続されている。制御装置2は、圧力セン
サ8からの吸引圧力信号を増幅するアンプ部9と、増幅
された吸引圧力信号からノイズ成分を除去するフィルタ
部10と、吸引圧力信号をデジタル化して吸引圧力デー
タに変換するADコンバータ11と、吸引圧力データを
基にして吸引異常を検出しながら分注動作を制御する情
報処理部12と、情報処理部12に対して各種のデータ
を入出力する操作部13とを有している。
【0019】上記の情報処理部12は、吸引圧力データ
のノイズ成分を除去するデジタルノイズフィルタ14を
備えていると共に、図示しない演算部、記憶部および入
出力部等を備えている。そして、記憶部には、後述の分
注制御ルーチン等の制御プログラムが格納されていると
共に、制御プログラムの実行時に使用されるデータの記
憶領域が形成されている。
【0020】上記の分注制御ルーチンは、しきい値設定
処理と分注動作処理とを切り換え可能になっている。し
きい値設定処理は、時間に対する吸引圧力の変化状態を
示す吸引圧力曲線データを後述の吸引曲線近似式(9)
・(10)から算出し、これらのデータを基にして上限
しきい値Pmaxmaxと下限しきい値Pmaxminと時間しきい
値Ts とを求めるようになっている。また、分注動作処
理は、しきい値設定処理で求めた各しきい値Pmaxmax・
Pmaxmin・Ts を基にして吸引異常を検出しながら分注
動作を制御するようになっている。
【0021】ところで、上記の吸引曲線近似式(9)・
(10)は、以下のようにして導き出されている。
【0022】先ず、図2に示すように、吸引吐出機構1
をモデル化し、試料15を吸引するときの時間tに対す
る吸引圧力(負圧−P)に影響する分注パラメータを抽
出する。即ち、重力加速度g、試料密度ρ、エア体積
V、初期試料吸引量VL(0)、初期内部エア体積V0 、液
面高h、ポンプ吸引量Vp 、ポンプ吸引速度R、試料吸
引量VL 、チップ容積関数F(h)、試料15の粘性と
チップ5の先端径に依存する試料吸引抵抗B、ノズル手
段先端部の内側試料圧PB 、ノズル手段先端部の外側試
料圧PA をパラメータとして抽出する。
【0023】上記の各パラメータを基にすれば、ディス
ポチップ5先端の内外の圧力差PA−PB と液吸引速度
(dVL /dt)との関係は、ポアズの式から下記の近
似式(1)で表すことができる。 B(dVL /dt)=PA −PB ・・・(1)
【0024】また、ディスポチップ5の液吸引量VL
は、図3に示すように、液吸引高hの関数として下記の
近似式(2)で表すことができる。 h= m+n・VL ・・・(2)
【0025】また、温度変化がない場合における理想気
体状態方程式P=P0 V0 /Vは、図4に示すように、
1本の直線からなる近似式(3)で表すことができる。 P = α−βV ・・・(3)
【0026】また、チップ内部の液の運動方程式は、慣
性(加速度)項を無視すると、近似式(4)で表すこと
ができる。 PB = P+gρh ・・・(4)
【0027】また、定速駆動(dVp /dt)=Rt の
チップ内部のエア体積Vは、近似式(5)式で表すこと
ができる。 V=V0 +Rt −VL ・・・(5) 但し、0<t<Te
【0028】上記のようにして近似式(1)〜(5)を
求めると、次に、近似式(2)・(3)を近似式(4)
に用いることによって、hおよびPを消去した第1関係
式を導出し、この第1関係式を近似式(1)に用いてP
B を消去して第2関係式を求める。そして、第2関係式
を近似式(5)に用いてVを消去することにより(6)
式を得る。 0=(dVL /dt)+qVL −(βR/B)t+u ・・・(6) 但し、q=(β/B)+(gρn/B) u=(gρm+α−βV0 −PA )/B
【0029】次に、(6)式を初期条件VL (0);t
=0で解くことによって、(7)式を求める。 VL =(βR/qB)t+(u/q+(βR/q2 B))(e-qt −1) +VL (0)e-qt ・・・(7)
【0030】そして、(7)式および近似式(3)・
(5)から(8)式を求める。 P =α−β{V0 +Rt −(βR/qB)t −(u/q+(βR/q2 B))(e-qt −1) −VL (0)e-qt } ・・・(8)
【0031】この後、(8)式からqおよびuを消去し
て負圧で表すと、下記の吸引曲線近似式(9)が得られ
る。 −P = βV0- α+ βVL(0) + [(gρn/β)/(1+gρn/β)]βRt +{[gρm+α- βV0-PA+RB/(1+ gρn/β)](1+gρn/β) -1- βVL(0) } ×(1-e-qt ) ・・・(9)
【0032】そして、P0 =βV0- α+ βVL(0) 、a=
[(g ρn/β)/(1+gρn/β)]βR 、b=[gρm+α- βV0-P
A+RB/(1+ gρn/β)](1+gρn/β) -1- βVL(0) とおけ
ば、下記の吸引曲線近似式(10)が得られる。 −P=P0 +at+b(1−e-qt ) ・・・(10)
【0033】尚、P0 は初期圧、aは試料15の重さで
発生する負圧の時間比例係数、bはノズル機構3内を通
過する試料15の流動抵抗で生じる圧力を意味してい
る。尚、この吸引曲線近似式(10)を用いれば、吸引
曲線近似式(9)の多数の分注パラメータを3つの近似
分注パラメータa・b・P0 に置き換えることができる
ため、近似分注パラメータの入力や計算が容易となる。
【0034】上記の構成において、自動分注装置の動作
を説明する。図1に示すように、自動分注装置に電源が
投入されると、図5の分注制御ルーチンを実行し、操作
部13や自動分注装置を備えた図示しない検査装置から
の処理指令の入力を受け付ける(S1)。処理指令が入
力されると、処理指令がしきい値の設定を指示している
か否かを判定し(S2)、しきい値の設定を指示してい
れば(S2,YES)、しきい値設定処理を実行する
(S3)。一方、しきい値の設定を指示していなければ
(S2,NO)、分注動作処理を実行する(S4)。
【0035】S3において、しきい値設定処理を実行す
ると、図6に示すように、試料15の種類や分注量等の
分注条件の入力を受け付け、入力された分注条件を記憶
部に格納する(S11)。続いて、ポンプ吸引速度Rや
液密度ρ、ポンプ停止時刻Te等の分注パラメータの入
力を受け付け、入力された分注パラメータを記憶部に格
納する(S12)。そして、分注パラメータを上述の吸
引曲線近似式(9)に代入し、図10に示すように、ポ
ンプ起動時刻Tsからポンプ停止時刻Teまでの吸引圧
力曲線データを算出する(S13)。
【0036】この後、ポンプ停止時刻Teにおける吸引
圧力曲線データに所定値を加算することによって、ノズ
ル詰まりの検出に使用される上限しきい値Pmaxmaxを求
めると共に、上記の吸引圧力曲線データから所定値を減
算することによって、空吸引の検出に使用される下限し
きい値Pmaxminを求め、これらのしきい値Pmaxmax・P
maxminを分注条件に対応させて記憶する(S14)。さ
らに、吸引圧力の瞬時最大差圧の発生時刻から瞬時最小
差圧の発生時刻までの時間差TwがTw≦Teの場合、
ポンプ停止時刻Te以前に試料15が不足し、t=Tw
以後、エアが吸入され始めたと推定できる。従って、
(7)式にt=Twとすることによって途中から液(試
料15)が不足する場合の液吸引量が見積もれる。従っ
て、(7)式を時間軸上にプロットしたグラフ図12上
に検知不足しきい量の仕様に応じて不足検知吸引量VL
(Ts)を決め、吸引曲線VL (t)との交点より時間
しきい値Tsを求め(図12参照)、分注条件に対応さ
せて記憶する(S15)。そして、このようにして各し
きい値Pmaxmax・Pmaxmin・Ts を求めると、本ルーチ
ンを終了し、図5の分注制御ルーチンにリターンして次
の処理指令が入力されるまで待機する。
【0037】尚、図12の吸引曲線VL (t)におい
て、ポンプ停止後の最終液吸引量VL∞は、以下のよう
にして導出することができる。
【0038】即ち、先ず、液静止初期条件におけるuを
求める。(7)式を時間tで微分し、(11)式を得
る。 VL ’=(βR/qB)−{u+(βR/qB)+qVL (0)}e-qt ・・・(11)
【0039】そして、VL ’(0)=0(液静止初期条
件)を(11)式に用いて(12)式を得る。 u=−qVL (0) ・・・(12)
【0040】次に、ポンプ停止後の圧力および液吸引量
は、(5)式が(13)式、(4)式が(14)式、
(3)式が(15)式、(2)式が(16)式になる。 V =V0 +R・Te−VL ∞ ・・・(13) PA = P+gρh∞ ・・・(14) P = α−β(V0 +R・Te−VL ∞) ・・・(15) h∞= m+n・VL ∞ ・・・(16)
【0041】(13)式〜(16)式をVL ∞について
解き、上述の(12)式を用いてuを消去することによ
って、(17)式のポンプ停止後の最終液吸引量VL ∞
を得る。 VL ∞=〔R・Te+(qB/β)VL (0)〕 /(1+gρn/β) ・・・(17)
【0042】一方、S4において、分注動作処理を実行
すると、図7に示すように、分注条件の入力を受け付け
る(S21)。分注条件が入力されると、この分注条件
に対応するしきい値Pmaxmax・Pmaxmin・Ts が上述の
しきい値設定処理で求められて格納されているか否かを
判定する(S22)。分注条件に対応するしきい値Pma
xmax・Pmaxmin・Ts が格納されていない場合には(S
22,NO)、図6のしきい値設定ルーチンを実行する
ことによって、分注条件に対応するしきい値Pmaxmax・
Pmaxmin・Ts を求める(S23)。
【0043】この後、S22において、分注条件に対応
するしきい値Pmaxmax・Pmaxmin・Ts が格納されてい
ると判定した場合や(S22,YES)、S23のしき
い値設定処理でしきい値Pmaxmax・Pmaxmin・Ts を求
めると、図1に示すように、ノズル4を図示しない移動
機構により移動し、ディスポチップ5の嵌合部5aに嵌
合させることによって、ノズル4にディスポチップ5を
セットする(S24)。そして、ディスポチップ5をセ
ットした状態でノズル4を試料位置に移動させ(S2
5)、試料位置に設置された試料15中にディスポチッ
プ5の先端部を浸漬させる(S26)。
【0044】次に、異常検出用データ(最大差圧Pmax
、瞬時最大差圧PDmax 、瞬時最小差圧Pmin )およ
びサンプル回数nを初期化し(S27)、続いて、圧力
センサ8により検出されたノズル機構3内の吸引圧力を
吸引圧力データとして取り込み、このデータを初期圧P
0 として格納する(S28)。
【0045】上記のようにして初期設定が完了すると、
ポンプ7を一定速度で駆動して排気動作させることによ
って、ノズル機構3内を減圧して試料15の吸引を開始
する(S29)。そして、異常検出用データ取得処理を
実行する(S30)。即ち、図8の異常検出用データ取
得ルーチンを実行し、圧力センサ8からの吸引圧力デー
タを取り込み、この吸引圧力データを今回(n)のデー
タとする(S41)。そして、今回(n)の吸引圧力デ
ータから前回(n−1)の吸引圧力データを減算し、所
定の瞬時時間当たりの吸引圧力の差圧(瞬時差圧)を算
出する(S42)。
【0046】次に、瞬時差圧を瞬時最大差圧PDmax と
比較することによって、瞬時差圧が今までの瞬時差圧の
中で最大であるか否かを判定する(S43)。瞬時差圧
が最大である場合には(S43,YES)、瞬時差圧を
瞬時最大差圧PDmax の記憶領域に格納した後(S4
4)、瞬時最大差圧PDmax に対応して形成されたサン
プル回数記憶領域に今回(n)のサンプル回数nを格納
する(S45)。
【0047】一方、瞬時差圧が最大でない場合には(S
43,NO)、続いて瞬時差圧を瞬時最小差圧PDmin
と比較することによって、瞬時差圧が今までの瞬時差圧
の中で最小であるか否かを判定する(S46)。瞬時差
圧が最小である場合には(S46,YES)、瞬時差圧
を瞬時最小差圧PDmin の記憶領域に格納した後(S4
7)、瞬時最小差圧PDmin に対応して形成されたサン
プル回数記憶領域に今回(n)のサンプル回数nを格納
する(S48)。
【0048】この後、瞬時差圧が最小でない場合(S4
6,NO)や、上述のS45およびS48の実行する
と、瞬時時間が経過したか否かを判定し(S49)、経
過していなければ(S49,NO)、S49の判定を繰
り返し、瞬時時間が経過したときに(S49,YE
S)、本ルーチンを終了して図7の分注動作ルーチンに
リターンする。
【0049】上記のようにして瞬時時間における異常検
出用データが取得されると、ポンプ起動時刻Tsからポ
ンプ停止時刻Teまでの吸引時間が経過したか否かを判
定する(S31)。吸引時間が経過していなければ(S
31,NO)、S30の異常検出用データ取得処理を再
実行し、この処理を吸引時間が経過するまで繰り返すこ
とによって、ポンプ起動時刻Tsからポンプ停止時刻T
eまでの期間において瞬時時間ごとに異常検出用データ
を取得する。そして、吸引時間が経過すると(S31,
YES)、ポンプ7を停止することによって、試料15
の吸引を終了する(S32)。この後、上記の吸引時間
に所定時間を付加した負圧検出時間が経過したか否かを
判定し(S33)、負圧検出時間が経過していなければ
(S33,NO)、S30の異常検出用データ取得処理
を再実行し、この処理を負圧検出時間が経過するまで繰
り返すことによって、ポンプ7を停止した後の所定の期
間においても瞬時時間ごとに異常検出用データを取得す
る。
【0050】そして、負圧検出時間が経過すると(S3
3,YES)、異常検出用データを用いて異常検出処理
を行う(S34)。即ち、図9に示すように、最大差圧
Pmax を記憶領域から読み出し、この最大差圧Pmax が
上限しきい値Pmaxmaxを越えているか否かを判定する
(S51)。最大差圧Pmax が上限しきい値Pmaxmaxを
越えている場合には(S51,YES)、試料15中の
塊状片で吸引口5cが塞がれたり、吸引口5c内で試料
15が固化することによりノズル詰まりが生じることに
よって、ノズル機構3の吸引圧力が大幅に上昇したと判
断する。そして、『ノズル詰まり』である旨を操作部1
3や検査装置を介してオペレータに報知した後(S5
2)、本ルーチンを終了して図7の分注動作ルーチンに
リターンする。
【0051】一方、最大差圧Pmax が上限しきい値Pma
xmaxを越えていない場合には(S51,NO)、続いて
最大差圧Pmax が下限しきい値Pmaxminよりも小さいか
否かを判定する(S53)。最大差圧Pmax が下限しき
い値Pmaxminよりも小さい場合には(S51,YE
S)、ディスポチップ5の吸引口5cが試料15の液面
から離反したり、試料15中の気泡を吸い込むことによ
り空吸引が生じることによって、ノズル機構3の吸引圧
力が十分に上昇しなかったと判断する。そして、『空吸
引』である旨を操作部13や検査装置を介してオペレー
タに報知した後(S54)、本ルーチンを終了して図7
の分注動作ルーチンにリターンする。
【0052】一方、最大差圧Pmax が下限しきい値Pma
xminよりも小さい場合には(S53,NO)、瞬時最大
差圧PDmax に対応して形成されたサンプル回数記憶領
域からサンプル回数nを読み出し、このサンプル回数n
を基にして瞬時最大差圧PDmax となった時刻を求め
る。また、瞬時最小差圧PDmin に対応して形成された
サンプル回数記憶領域からサンプル回数nを読み出し、
このサンプル回数nを基にして瞬時最小差圧PDmin と
なった時刻を求める。そして、瞬時最大差圧PDmax の
発生時刻から瞬時最小差圧PDmin の発生時刻までの時
間差Twを算出し(S55)、この時間差Twが時間し
きい値Ts よりも大きいか否かを判定する(S56)。
時間差Twが時間しきい値Ts よりも大きくない場合に
は(S56,NO)、吸引途中で吸引圧力が急激に変化
(上昇または下降)しているため、一時的なノズル詰ま
りや空吸引が発生したと判断し、『不足吸引』である旨
を操作部13や検査装置を介してオペレータに報知した
後(S57)、本ルーチンを終了して図7の分注動作ル
ーチンにリターンする。
【0053】この後、図7に示すように、吸引した試料
15を保持しながらノズル4を分注位置の上方に移動さ
せ(S35)、ポンプ7を排気動作させることによっ
て、分注位置の検査容器(ウエル)内に試料15を吐出
する(S36)。そして、廃棄位置において、ディスポ
チップ5をノズル4から抜脱して廃棄した後(S3
7)、S21で設定した所定の分注数Mを終了したか否
かを判定し(S38)、終了していなければ(S38,
NO)、S24から再実行し、次の試料15を分注す
る。一方、分注数Mを終了していれば(S38,YE
S)、本ルーチンを終了する。
【0054】以上のように、本実施形態の自動分注装置
は、図1に示すように、吸引異常を検出しながら所定量
の試料15を分注するものであり、吸引圧力の変化によ
り試料15の吸引および吐出を行うノズル手段(ノズル
機構3)と、吸引圧力を検出する圧力検出手段(圧力セ
ンサ8)と、吸引圧力の変化に影響する分注パラメータ
を基にして、試料15の吸引開始から吸引終了までの吸
引圧力の変化状態を示す吸引圧力曲線データを求める吸
引圧力曲線データ算出手段(図6のS12・13)と、
圧力検出手段で検出された吸引圧力と、吸引圧力曲線デ
ータとを基にして吸引異常を検出する吸引異常検出手段
(図9の異常検出ルーチン)とを有した構成にされてい
る。具体的には、分注パラメータを吸引曲線近似式
(9)に代入してポンプ起動時刻Tsからポンプ停止時
刻Teまでの吸引圧力曲線データを求めるように構成さ
れている。
【0055】これにより、本実施形態の自動分注装置
は、従来のように実際に分注動作を行って吸引圧力曲線
データを求める場合よりも、吸引圧力曲線データを容易
且つ短時間で設定することができるようになっている。
【0056】尚、本実施形態においては、吸引曲線近似
式(9)を用いて吸引圧力曲線データを求めているが、
吸引曲線近似式(10)を用いて吸引圧力曲線データを
求めるようになっていても良い。そして、この場合に
は、吸引曲線近似式(10)が3つの近似分注パラメー
タa・b・P0 からなるため、吸引圧力曲線データを求
める際における近似分注パラメータの入力や計算が容易
となる。
【0057】また、本実施形態の自動分注装置は、上限
しきい値Pmaxmaxと下限しきい値Pmaxminと時間しきい
値Ts とで吸引異常を検出するようになっているため、
少ないメモリ容量および小さな演算負荷でノズル詰まり
および空吸引に起因する吸引異常の略全ての形態を検出
することが可能になっている。
【0058】即ち、図11に示すように、先行の試料1
5が残留することなく正常な吸引動作が行われた場合に
は(先行ナシ正常吸引)、吸引直後に吸引圧力(負圧−
p)が最も急激な立ち上がりを生じるため、ポンプ起動
時刻Tsが瞬時最大差圧PDmax となる。そして、吸引
圧力の上昇が徐々に緩やかとなり、ポンプ停止時刻Te
で最大の吸引圧力となった後に吸引圧力が低下するた
め、ポンプ停止時刻Teが最大差圧Pmax および瞬時最
小差圧PDmin の発生時刻になる。これにより、ポンプ
停止時刻Teでの最大差圧Pmax が上限しきい値Pmaxm
axと下限しきい値Pmaxminとの範囲に存在すると共に、
瞬時最大差圧PDmax のポンプ起動時刻Tsから瞬時最
小差圧PDmin のポンプ停止時刻Teまでの時間差Tw
が時間しきい値Ts を越えるため、正常に吸引動作が行
われたと判定することができる。
【0059】これに対し、下記の形態の場合には、少な
くとも一つのしきい値Pmaxmax・Pmaxmin・Ts により
吸引異常を検出することができる。
【0060】例えば先行する試料15が残留していない
状態で空吸引を行った場合には(開放吸引)、吸引圧力
(−P)の上昇が僅かであるため、最大差圧Pmax が下
限しきい値Pmaxmin未満となる。ノズル詰まりを生じた
状態で吸引を行った場合には(閉鎖吸引)、吸引の開始
直後から急激に吸引圧力が上昇するため、最大差圧Pma
x が上限しきい値Pmaxmaxを越えることになる。
【0061】また、先行する試料15が残留していない
状態から吸引して途中でノズル詰まりを生じた場合には
(先行ナシツマリ吸引)、吸引途中で急激に吸引圧力が
上昇することによって、瞬時最大差圧PDmax が吸引途
中に発生するため、瞬時最大差圧PDmax の発生時刻か
ら瞬時最小差圧PDmin の発生時刻までの時間差Twが
時間しきい値Ts 未満となる。
【0062】また、先行する試料15が残留した状態で
空吸引を行った場合には(先行アリ空吸引)、吸引を開
始した直後に吸引圧力が低下し、吸引途中で瞬時最小差
圧PDmin が発生するため、時間差Twが時間しきい値
Ts 未満となる。先行する試料15が残留していない状
態から吸引して途中で液切れにより空吸引を生じた場合
には(先行ナシ不足吸引)、瞬時最小差圧PDmin が吸
引途中で発生するため、時間差Twが時間しきい値Ts
未満となる。
【0063】また、先行する試料15が残留した状態か
ら正常に吸引した場合には(先行アリ正常吸引)、先行
する試料15の残留分により最大差圧Pmax が上昇する
ため、上限しきい値Pmaxmaxを越えることになる。先行
する試料15が残留した状態から吸引して途中で先行す
る試料15の層が潰れた場合には(気層崩壊正常吸
引)、瞬時最小差圧PDmin が吸引途中で発生するた
め、時間差Twが時間しきい値Ts 未満となる。先行す
る試料15が残留した状態から吸引して途中でノズル詰
まりを生じた場合には(先行アリツマリ吸引)、瞬時最
大差圧PDmax が吸引途中で発生するため、時間差Tw
が時間しきい値Ts 未満となる。そして、先行する試料
15が在留した状態から吸引して途中で空吸引を生じた
場合には(先行アリ不足吸引)、瞬時最小差圧PDmin
が吸引途中で発生するため、時間差Twが時間しきい値
Ts 未満となる。
【0064】このように、ノズル詰まりおよび空吸引に
より吸引異常が生じた場合には、瞬時最小差圧PDmin
および瞬時最小差圧PDmin の発生時刻を基にした時間
差Twや最大差圧Pmax が正常時の値から外れるため、
これらの時間差Twや最大差圧Pmax の異常を各しきい
値Pmaxmax・Pmaxmin・Ts を用いた判定手段(図9の
S51・S53・S56)の少なくとも一つで検出する
ことができる。
【0065】尚、本実施形態においては、しきい値Pma
xmax・Pmaxmin・Ts により吸引異常を検出している
が、これに限定されるものではない。即ち、吸引異常の
検出は、図10の吸引圧力曲線データを吸引曲線近似式
(9)または(10)で求めた後、この吸引圧力曲線デ
ータの曲線に沿った所定の上下幅の領域を判定領域とし
て設定し、ポンプ起動時刻Tsからポンプ起動時刻Ts
までの吸引圧力が判定領域内であれば正常であると判定
し、判定領域外であれば吸引異常を生じたと判定するよ
うになっていても良い。
【0066】
【発明の効果】請求項1の発明は、吸引異常を検出しな
がら所定量の試料を分注する自動分注装置において、吸
引圧力の変化により試料の吸引および吐出を行うノズル
手段と、前記吸引圧力を検出する圧力検出手段と、前記
吸引圧力の変化に影響する分注パラメータを基にして、
前記試料の吸引開始から吸引終了までの吸引圧力の変化
状態を示す吸引圧力曲線データを求める吸引圧力曲線デ
ータ算出手段と、前記圧力検出手段で検出された吸引圧
力と、前記吸引圧力曲線データとを基にして吸引異常を
検出する吸引異常検出手段とを有する構成である。
【0067】上記の構成によれば、吸引異常の検出に使
用される吸引圧力曲線データを分注パラメータを基にし
て計算により求めることができる。従って、従来のよう
に実際に分注対象となる試料を吸引し、吸引圧力を検出
しながら吸引圧力曲線データを求める場合よりも、容易
かつ短時間で吸引圧力曲線データを得ることができると
いう効果を奏する。
【0068】請求項2の発明は、請求項1記載の自動分
注装置であって、前記吸引圧力曲線データ算出手段は、
初期圧P0 、吸引された試料の重さで発生する圧力の時
間比例係数a、試料の流動抵抗で生じる圧力bを分注パ
ラメータとし、これら分注パラメータを −P=P0 +at+b(1−e-qt ) の吸引曲線近似式に代入して時間tに対する吸引圧力−
Pの吸引圧力曲線データを算出する構成である。
【0069】上記の構成によれば、少ない分注パラメー
タからなる簡単な吸引曲線近似式により吸引圧力曲線デ
ータを求めることができるため、オペレータによる分注
パラメータの入力が容易になるという効果を奏する。
【0070】請求項3の発明は、請求項1記載の自動分
注装置であって、前記吸引圧力曲線データ算出手段は、
試料密度ρ、ポンプ吸引速度R、初期試料吸引量VL
(0)、試料吸引抵抗B、ノズル手段先端部の外側試料圧
PA 、初期内部エア体積V0 と初期圧P0 によって決ま
るエア圧力Pとエア体積Vとの関係であるエア状態方程
式の一次近似式P=α−βV、チップ内液量VL とチッ
プ内液面高さHとの関係であるチップ容積逆関数の一次
近似式h=m+nVL を分注パラメータとし、これら分
注パラメータを −P = βV0- α+ βVL(0)+ [(gρn/β)/(1+gρn/
β)]βRt+{[gρm+α- βV0-PA+RB/(1+ gρn/β)](1+g
ρn/β) -1- βVL(0) }×(1-e-qt ) 但し、q=(1+gρn/β)/ (B/β) 、重力加速度g の吸引圧力曲線近似式に代入して時間tに対する吸引圧
力−Pの吸引圧力曲線データを算出する構成である。
【0071】上記の構成によれば、吸引圧力曲線データ
を実測値に近い状態で得ることができるため、吸引異常
の検出精度を向上させることができるという効果を奏す
る。
【0072】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載の自動分注装置であって、前記異常検出
手段は、前記吸引圧力曲線データを基にして吸引開始か
ら吸引終了までの最大差圧の上限しきい値と下限しきい
値とを求めると共に、吸引開始から吸引終了直前までの
時間しきい値を求めるしきい値設定手段と、前記圧力検
出手段で検出された吸引圧力の吸引開始から吸引終了ま
での最大差圧と、前記上限しきい値および下限しきい値
とを比較して吸引異常の判定を行うと共に、前記圧力検
出手段で検出された吸引圧力の瞬時最大差圧の発生時刻
から瞬時最小差圧の発生時刻までの時間差Twを算出
し、この時間差Twと時間しきい値とを比較して吸引異
常の判定を行う判定手段とを有する構成である。
【0073】上記の構成によれば、最大差圧を上限しき
い値と下限しきい値とで比較すると共に、瞬時最大差圧
の発生時刻から瞬時最小差圧の発生時刻までの時間差を
時間しきい値で比較することにより吸引異常の判定を行
うようになっているため、ノズル詰まりおよび空吸引に
起因する吸引異常の略全ての形態を検出することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動分注装置の要部を示すブロック図である。
【図2】吸引吐出機構をモデル化した状態を示す説明図
である。
【図3】液吸引量VL と液吸引高hとの関係を示すグラ
フである。
【図4】温度変化がない場合における理想気体状態方程
式のグラフである。
【図5】分注制御ルーチンのフローチャートである。
【図6】しきい値設定ルーチンのフローチャートであ
る。
【図7】分注動作ルーチンのフローチャートである。
【図8】異常検出用データ取得ルーチンのフローチャー
トである。
【図9】異常検出ルーチンのフローチャートである。
【図10】時間tと吸引圧力(負圧−P)との関係を示
すグラフである。
【図11】吸引異常の形態を示す説明図である。
【図12】正常吸引時のポンプ起動時刻から時刻∞まで
の液吸引量を示すグラフである。
【符号の説明】
1 吸引吐出機構 2 制御装置 3 ノズル機構 4 ノズル 5 ディスポチップ 6 エアホース 7 ポンプ 8 圧力センサ 9 アンプ部 10 フィルタ部 11 ADコンバータ 12 情報処理部 13 操作部 14 デジタルノイズフィルタ 15 試料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸引異常を検出しながら所定量の試料を分
    注する自動分注装置において、 吸引圧力の変化により試料の吸引および吐出を行うノズ
    ル手段と、 前記吸引圧力を検出する圧力検出手段と、 前記吸引圧力の変化に影響する分注パラメータを基にし
    て、前記試料の吸引開始から吸引終了までの吸引圧力の
    変化状態を示す吸引圧力曲線データを求める吸引圧力曲
    線データ算出手段と、 前記圧力検出手段で検出された吸引圧力と、前記吸引圧
    力曲線データとを基にして吸引異常を検出する吸引異常
    検出手段とを有することを特徴とする自動分注装置。
  2. 【請求項2】前記吸引圧力曲線データ算出手段は、 初期圧P0 、吸引された試料の重さで発生する圧力の時
    間比例係数a、試料の流動抵抗で生じる圧力bを近似分
    注パラメータとし、 これら近似分注パラメータを −P=P0 +at+b(1−e-qt ) の吸引圧力曲線近似式に代入して時間tに対する吸引圧
    力−Pの吸引圧力曲線データを算出することを特徴とす
    る請求項1記載の自動分注装置。
  3. 【請求項3】前記吸引圧力曲線データ算出手段は、 試料密度ρ、ポンプ吸引速度R、初期試料吸引量VL
    (0)、試料吸引抵抗B、ノズル手段先端部の外側試料圧
    PA 、 初期内部エア体積V0 と初期圧P0 によって決まるエア
    圧力Pとエア体積Vとの関係であるエア状態方程式の一
    次近似式P=α−βV、 チップ内液量VL とチップ内液面高さHとの関係である
    チップ容積逆関数の一次近似式h=m+nVL を分注パ
    ラメータとし、 これら分注パラメータを −P = βV0- α+ βVL(0)+ [(gρn/β)/(1+gρn/
    β)]βRt+{[gρm+α- βV0-PA+RB/(1+ gρn/β)](1+g
    ρn/β) -1- βVL(0) }×(1-e-qt ) 但し、q=(1+gρn/β)/ (B/β) 、重力加速度g の吸引圧力曲線近似式に代入して時間tに対する吸引圧
    力−Pの吸引圧力曲線データを算出することを特徴とす
    る請求項1記載の自動分注装置。
  4. 【請求項4】前記異常検出手段は、 前記吸引圧力曲線データを基にして吸引開始から吸引終
    了までの最大差圧の上限しきい値と下限しきい値とを求
    めると共に、吸引開始から吸引終了直前までの時間しき
    い値を求めるしきい値設定手段と、 前記圧力検出手段で検出された吸引圧力の吸引開始から
    吸引終了までの最大差圧と、前記上限しきい値および下
    限しきい値とを比較して吸引異常の判定を行うと共に、
    前記圧力検出手段で検出された吸引圧力の瞬時最大差圧
    の発生時刻から瞬時最小差圧の発生時刻までの時間差T
    wを算出し、この時間差Twと時間しきい値とを比較し
    て吸引異常の判定を行う判定手段とを有することを特徴
    とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の自動分注
    装置。
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