JP2711215B2 - 自動分注装置 - Google Patents

自動分注装置

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JP2711215B2
JP2711215B2 JP29858493A JP29858493A JP2711215B2 JP 2711215 B2 JP2711215 B2 JP 2711215B2 JP 29858493 A JP29858493 A JP 29858493A JP 29858493 A JP29858493 A JP 29858493A JP 2711215 B2 JP2711215 B2 JP 2711215B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動分注装置に関し、
特に分注の際に試料の吸引・吐出状態が監視される自動
分注装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動分注装置は、液状の試料を
吸引・吐出して所望量の試料を検査用の容器に自動的に
分注する装置である。分注される試料としては、血液や
尿などの生体からの採取体液が対象となることが多く、
これらの試料には所定の試薬が混合されて血液分析機器
等による検体検査に供される。
【0003】このような自動分注装置においては、試料
すなわち検体の検査に先立って、まずポンプに接続され
たノズルの先端を試料中に挿入し、ポンプを駆動してノ
ズル内のエア圧力を変化させ試料を吸引する。次に、ノ
ズルを所定位置に移動させ吸引した試料を検査用の容器
内に吐出して、所望量の試料を自動的に分注する。
【0004】ここで、検査用の容器に分注される試料の
量が、設定量に対してばらついていると分析精度が低下
してしまう。そこで、従来から試料吸引時の異常を検出
して分注量のばらつきを防止する方法が用いられてい
た。
【0005】例えば、特開平2−184762号公報に
は、図7に示すように、試料吸引時にノズル4の微小先
端に試料2に混入している固体(例えば分離剤や血餅)
5等が付着して、ノズル4が閉塞状態となった場合にお
ける異常検出方法が示されている。
【0006】これを図5を用いて説明する。図5(a)
縦軸に配管系のエア圧力P、横軸に吸引時間Tをと
った場合のエア圧力波形を示している。ここで、エア圧
力波形40は、吸引開始後から吸引作用によって連続的
に大気圧から低下し負圧を示している。吸引途中でノズ
ル閉塞が発生すると、エア圧力波形44に示されるよう
にノズル閉塞発生時からエア圧力が急激に低下する。
【0007】この方法では、このようにノズル閉塞発生
時にエア圧力が急激に低下することに着目し、エア圧力
波形44に対して一次微分値を算出する。すると、図5
(b)に示すように、ノズル閉塞発生時から一次微分波
形44P´がノズルの閉塞しきい値32を超える。そし
て、一次微分波形44P´が閉塞しきい値32を超えた
時点でノズル閉塞が発生したことを検出する。
【0008】また、特開平2−196963号公報に
は、図8に示すように、試料吸引時において、試料2の
不足やノズル4の設置位置の誤差等によって、ノズル4
がエアを吸引して検体不足状態になった場合における異
常検出方法が示されている。
【0009】この方法は、吸引作用によって連続的な低
下(負圧)を示していたエア圧力が、検体不足発生時か
ら大気圧方向へ上昇することに着目したものである(図
5(a)の波形42参照)。
【0010】そして、図面上大気圧と検体不足の発生し
た圧力波形42とで囲まれる領域の面積を積分により求
めこれを監視する。検体不足が発生すると、この面積が
正常吸引時の面積に対して小さくなるため、両者を比較
して、求めた面積が正常吸引時の面積に対して小さくな
った時点で、検体不足の発生を検出する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エア圧
力波形に対する一次微分値又は積分値を算出して分注の
異常を検出する方法には、以下のような問題があった。
【0012】図2は、縦軸にエア圧力P、横軸に吸引時
間T(ms)をとった場合の圧力変化を、異なる粘性
(1cP,10cP,50cP)の試料について示した
ものである。図2によると、各試料とも吸引作用によっ
て連続的にそのエア圧力が低下(負圧の増大)している
が、その低下の度合いは粘性によって異なり、粘性の高
い試料ほどその傾きが大きくなっている。
【0013】このようにエア圧力波形が試料の粘性依存
性を有するので、これを積分又は一次微分した場合も、
積分値又は一次微分波形も試料の粘性依存性を有するこ
ととなる。
【0014】すなわち、図2において、積分の場合は破
線で示す大気圧と粘性の異なる各試料のエア圧力波形と
で囲まれる領域の面積は、粘性の高い試料ほど大きい。
従って、予め各試料の正常吸引時の基準となる積分値を
求めておき、分注する試料の粘性に合わせてこの基準の
積分値を変えるか、分注する試料の粘性の範囲を制限し
なければ、試料の吸引時に正確な異常検出を行うことが
難しかった。
【0015】次に、一次微分を用いた場合の問題につい
て図3を用いて説明する。ここで、図3は、図2に示し
た粘性の異なる各試料のエア圧力波形に対する一次微分
波形を示している。
【0016】例えば、図3に実線で示すように粘性1
cPの試料の一次微分波形は、ノズル閉塞不感時間の経
過直後には、その値がノズルの閉塞しきい値32を超え
ている。しかし、粘性10cP,50cPの試料の波形
は立上がりが遅く、ノズルの閉塞しきい値32をはるか
に下回っている。これは、粘性の異なる各試料におい
て、同一の閉塞しきい値32を用いて、ノズル閉塞の発
生を検出することができないことを示している。
【0017】従って、エア圧力の一次微分値を算出する
ことによってノズルの閉塞を検出する方法では、閉塞し
きい値32を分注する試料の粘性に合わせて変えるか、
分注する試料の粘性の範囲を制限しなければ、試料の吸
引時に正確な異常検出を行うことは難しかった。
【0018】また、各試料とも吸引初期においては、単
位時間当たりのエア圧力波形の変化が大きく、その一次
微分値も大きくなる。そして、これは試料の粘性が高く
なるほど顕著であった。このため、一次微分値が安定す
るまでの一定時間はしきい値の設定が難しく、異常検出
を行わない不感時間を長時間必要とした。
【0019】更に、図3から明らかなように不感時間
の経過後においても、一次微分値は完全には一定とはな
らず、吸引時間の経過に伴って徐々にその値が変化して
しまう。特に、粘性の高い試料ではその傾き(一次微分
波形の傾き)が大きい。よって、ノズル閉塞しきい値3
2を一定とする場合には、一次微分値の変化に伴って異
常検出感度が変化してしまった。
【0020】すなわち、図3の粘性1cPの試料におい
て、ノズル閉塞不感時間の経過直後では、その一次微分
値と閉塞しきい値32との差は小さく、ノズル閉塞に対
する検出感度は高い。一方、吸引時間が経過するにつれ
て一次微分値は大きくなり、閉塞しきい値32との差が
大きくなるため、ノズル閉塞に対する検出感度が低下し
てしまった。
【0021】このように、従来の一次微分による異常検
出方法では、経過時間によって異常検出感度が変化して
しまい、分注に際して安定した検出感度が得られないと
いう問題があった。
【0022】更に、従来の一次微分や積分等による異常
検出では、試料の吸引時しか監視していなかったので、
試料吐出時におけるエア吐出やノズルの閉塞、脱落など
の異常に対処することができなかった。
【0023】本発明は、これらの課題を解消するために
なされたもので、試料の粘性に左右されずに、試料の吸
引・吐出時において異常を高感度に検出可能な自動分注
装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る自動分注装置は以下のような特徴を有
する。
【0025】すなわち、エア圧力の変化によって試料の
吸引・吐出を行うノズルと、前記エア圧力を検出する圧
力検出手段と、前記圧力検出手段からの出力波形に対し
て一次微分演算を行う一次微分演算手段と、前記一次微
分演算手段による一次微分演算の結果に対して二次微分
演算を行う二次微分演算手段と、前記二次微分演算手段
による二次微分演算の結果としきい値とを比較して異常
判定を行う判定手段と、を有することを特徴とする。
【0026】また、前記判定手段は、検体不足しきい値
と閉塞しきい値とを有することを特徴とする。
【0027】
【作用】本発明に基づく自動分注装置では、圧力検出器
からの出力波形に対して一次微分演算を行い、この一次
微分演算の結果に対してに微分を行って二次微分演算
を実行し、この二次微分演算の結果と所定しきい値とを
比較して異常判定を行う。
【0028】二次微分値は、エア圧力の変化率の変化を
示し、一次微分値の変動分のみを抽出可能である。すな
わち、その二次微分波形は図4から明らかなように、
分注する試料の粘性に影響されず、波形の一部分を除い
てほぼ同一となり、ノズルの閉塞しきい値及び検体不足
しきい値を試料の粘性によって変えたり、分注する試料
の粘性の範囲を制限する必要がなくなる。
【0029】また、吸引・吐出開始後、比較的早い時期
にその二次微分波形が一定値に安定し、かつこれは時間
が経過してもほとんど変化しない。従って、ノズル閉塞
しきい値及び検体不足しきい値との差、すなわちノズル
閉塞及び検体不足の発生の検出感度はほとんど変化せ
ず、試料の吸引・吐出中常に安定した異常検出が行え
る。
【0030】更に、一定時間の経過後において二次微分
値が一定となるから、閉塞しきい値と検体不足しきい値
の範囲を二次微分波形に対して狭めることができるの
で、より高感度での異常検出が可能となる。
【0031】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図を用いて説明
する。なお、既に述べた図及び以下に説明する図におい
て、互いに対応する部分には同一符号を付して説明を省
略する。
【0032】図1は、本発明の実施例に係る自動分注装
置の要部のブロック図である。
【0033】図中、ポンプ12はシリンダ12aとピス
トン12bとから成り、このポンプ12にはエアホース
(配管)6を介して先細型のノズル4が接続されてい
る。ノズル4は、ノズル駆動回路29によって駆動さ
れ、予め試料2が注入された検体チューブ10内にその
先端が挿入されると、ポンプ12によるエア圧力の変化
によって、検体チューブ10内の血液や尿などの液状の
試料2を所定量吸引する。また、図示しない検査用の容
器ではエア圧力の変化によって、その先端から吸引した
試料2を吐出する。
【0034】試料2の分注に際して、上述のように検査
用の容器に分注される試料2の量が、設定量に対してば
らついていると分析精度が低下するため、本実施例では
以下のような構成を設けている。
【0035】まず、ノズル4及びシリンダ12a内を含
む配管系のエア圧力(以下エア圧力)を検出するため
に、圧力検出器8がエアホース6のシリンダ12a側に
設けられている。なお、この圧力検出器8は、配管系、
特にノズル4内の圧力を検出できれば、その設置場所は
エアホース6に限られず、ノズル4やシリンダ12a部
分でもよい。
【0036】圧力検出器8の出力側には、アンプ14、
A/Dコンバータ16がこの順に設けられ、圧力検出器
8から出力されたエア圧力波形が、アンプ14で増幅さ
れ、A/Dコンバータ16によってデジタル信号に変換
される。
【0037】更に、A/Dコンバータ16の出力側には
演算回路22が設けられ、A/Dコンバータ16からエ
ア圧力波形が出力される。
【0038】演算回路22は、一次微分演算回路18と
二次微分演算回路20とで構成され、これらは、圧力検
出器8から出力されたエア圧力波形に対して一次微分演
更に二次微分演算を行う。
【0039】演算回路22の出力側には、演算結果と所
定しきい値との比較を行う判定回路24が設けられ、こ
こでの判定結果は分注制御回路26に出力される。分注
制御回路26は、この判定結果に基づいて必要に応じて
ポンプ駆動回路27及びノズル駆動回路29を制御し、
またアラーム信号28を出力する回路である。
【0040】なお、ポンプ駆動回路27は、分注制御回
路26からの制御信号に応じてポンプ12のピストン1
2bを移動又は停止させる回路であり、ノズル駆動回路
29はノズル4のXYZ軸方向の位置調整を行う回路で
ある。
【0041】次に、本発明に係る実施例自動分注装置
の動作について試料吸引時を例にとって説明する。
【0042】まず、ノズル駆動回路29によってノズル
4をXYZ軸方向に移動させて、検体チューブ10内に
ノズル4の先端を挿入する。次に、ポンプ駆動回路27
によってピストン12bを移動させ、エア圧力を変化さ
せる。なお、ポンプスピードは常に一定ではなく、試料
2の吸引開始時には指定速度まで加速運転を行ってい
る。
【0043】これと同時に、圧力検出器8はエア圧力を
検出して出力する。ここで、試料吸引が正常であれば、
この出力波形(以下エア圧力波形)は後述する図2に示
すような波形となる。
【0044】圧力検出器8からエア圧力波形が出力され
ると、これはアンプ14で増幅され、A/Dコンバータ
16によってデジタル信号に変換され、演算回路22に
出力される。
【0045】演算回路22内の一次微分演算回路18で
は、図2のエア圧力波形に対して一次微分演算を行い、
後述する図3に示すような一次微分波形が二次微分演算
回路20に出力される。
【0046】次に、二次微分演算回路20では、本発明
の実施例の特徴である一次微分波形に対する二次微分演
算を行って、後述する図4に示すような二次微分波形を
判定回路24に出力する。
【0047】判定回路24は、この二次微分波形の値と
図4に示す所定しきい値とを比較する。そして、二次微
分値が所定しきい値を超えた場合には、検体不足又はノ
ズル閉塞が発生したと判定し、この判定結果を分注制御
回路26に出力する。
【0048】分注制御回路26はこの判定結果に基づい
て、必要に応じてポンプ駆動回路27及びノズル駆動回
路29を制御し、また異常であることを知らせるアラー
ム信号28を発生する。また、ポンプ駆動回路27は、
分注制御回路26からの制御信号を受けてポンプ12の
ピストン12bを移動又は停止する。一方、ノズル駆動
回路29はノズル4のXYZ軸方向の位置調整を行う。
【0049】次に、エア圧力波形、一次微分波形、二次
微分波形について図を用いて具体的に説明する。
【0050】圧力検出器8から出力される吸引時間に対
するエア圧力波形は図2に示した。なお、図2において
縦軸の1目盛は0.03125kg/ cm2 とした。
【0051】図2によると、エア圧力は、吸引が進行す
るにつれて大気圧から低下する(負圧を生ずる)。既に
述べたように、エア圧力変化は試料の粘性依存性を有し
ているので、粘性の高いものほどエア圧力値は低く、波
形の傾きは大きくなる。一方、図示しない試料吐出の場
合は、エア圧力は吐出が進行するにつれて負圧側から上
昇するが、試料吸引と同様に試料の粘性依存性を有し、
試料の粘性が高いものほどエア圧力値は高く、エア圧力
の上昇率は大きくなる。
【0052】次に、一次微分演算回路18で演算された
図2のエア圧力波形に対する一次微分波形については
図3に示した。
【0053】ここで、図3は、縦軸にエア圧力Pの一次
微分値P' 、横軸に吸引時間T(ms)をとり、正常吸
引時におけるエア圧力の一次微分波形すなわち所定時間
内の変化率を、異なる粘性(1cP,10cP,50c
P)の試料について示している。なお、一次微分値P'
P' =ΔP/Δtとして、単位時間Δt=60ms
当たりのエア圧力の変化量ΔPを求めたものである。し
かし、単位時間Δt=60msの値は迅速な演算のた
めに用いたものであって、この値に限らない。
【0054】図3から明らかなように、図2のエア圧力
波形が試料の粘性依存性を有するのと同様に、一次微分
波形も試料の粘性依存性を有する。例えば、粘性10c
P,50cPの試料の波形は、粘性1cPの試料の波形
に比べて、その立上がり及び安定に時間を要する波形と
なっている。
【0055】更に、二次微分演算回路20で前記の一次
微分波形に対して二次微分演算された二次微分波形の特
徴について図4を用いて説明する。
【0056】図4において、縦軸はエア圧力Pの二次微
分値P''、横軸は吸引時間T(ms)であって、正常吸
引時におけるエア圧力の二次微分波形すなわち圧力変化
の変化率及び変曲点を、異なる粘性(1cP,10c
P,50cP)の試料について示している。なお、二次
微分値P''はP''=ΔP' /Δtとして、単位時間Δt
=60ms当たりのエア圧力の変化量の変化量ΔP' を
求めたものである。そして、一次微分の場合と同様に、
単位時間Δt=60msの値は迅速な演算のために用い
たものであって、この値に限らない。
【0057】図4に示す二次微分波形の特徴は、図3の
一次微分波形が試料の粘性依存性を有していても、二次
微分波形は試料の粘性の違いによる波形の相違がほとん
どないことである。従って、試料の粘性によってノズル
の閉塞しきい値36及び検体不足しきい値34を変えた
り、分注する試料の粘性の範囲を制限する必要がなくな
る。
【0058】また、ノズル閉塞に対する不感時間は、例
えば粘性1cPの試料の一次微分波形では、図3に示す
ように約250ms必要であったが、二次微分波形で
図4に示すように約120msであり、そのノズ
ル閉塞の不感時間を短縮することができる。
【0059】更に、試料の不足や、ノズルの設置位置の
誤差に起因してノズルがエアを吸引した場合すなわち検
体不足に対する不感時間の経過後は、試料の粘性にかか
わらずその二次微分値が一定値となって安定するため、
時間が経過しても閉塞しきい値36及び検体不足しきい
値34との差がほとんど変化せず、吸引時間中に安定し
た閉塞及び検体不足検出感度が得られる。また、一定時
間の経過後において二次微分値が一定となるから、閉塞
しきい値36と検体不足しきい値34の範囲を二次微分
波形に対して狭めることができるので、より高感度での
異常検出が可能となる。
【0060】以上のようにして、二次微分演算回路20
で二次微分波形が算出されると、この波形は判定回路2
4に出力される。判定回路24は、二次微分波形の値と
図4に示す予め設定された閉塞しきい値36とを比較
し、又は二次微分波形の値と検体不足しきい値34とを
比較する。
【0061】そして、二次微分値が検体不足しきい値3
4又は閉塞しきい値36を超えた場合に、検体不足又は
ノズル閉塞が発生したと判定し、この判定結果を分注制
御回路26に出力する。ただし、図4に示す波形は正常
吸引時のものであるから、その二次微分値は閉塞しきい
値36及び検体不足しきい値34を超えないため、異常
は検出されない。
【0062】次に、吸引時に異常が発生した場合におけ
る、本実施例の自動分注装置の動作について図5を用い
て説明する。ここで吸引時における吸引異常は大きく分
けて2種類ある。既に説明したように、1つは図7に示
すようなノズル4の閉塞、もう1つは図8に示すような
検体不足の場合である。
【0063】図5(a)は、圧力検出器8から出力され
るエア圧力波形を示し、縦軸はエア圧力P、横軸は吸引
時間Tである。図5(b)は、エア圧力波形に対して一
次微分演算を行った場合の一次微分波形を示し、縦軸は
一次微分値P' である。また、図5(c)は(b)の一
次微分波形に対して二次微分演算を行った場合の二次微
分波形を示し、縦軸は二次微分値P''である。
【0064】まず、正常吸引が行われている場合は、図
5(a)に示すように、吸引作用によってエア圧力波形
40は大気圧から低下して連続的に負圧を示す。途中
でノズル閉塞が発生すると、エア圧力はエア圧力波形
44に示すようにノズル閉塞発生時から急激に低下す
る。これに伴い、図5(b)に示すように、エア圧力波
形44の一次微分波形44P' は、正常吸引の一次微分
波形40P' に対して閉塞発生時から急速に立ち下が
り、その後ほぼ一定の値になる。
【0065】二次微分波形44P''は、図5(c)に示
すように、塞発生後に負圧側へ急峻なピークを生じ、一
時的に図1の判定回路24内に設定された閉塞しきい値
36よりも低くなる。そして、判定回路24は、このよ
うに二次微分波形44P''が閉塞しきい値36より低く
なった時点でノズルの閉塞の発生を判定する。
【0066】一方、試料吸引中にエア吸引等によって検
体不足が発生すると、図5(a)に示すようにエア圧力
波形42は検体不足発生時から急激に大気圧方向(正圧
側)へ上昇する。この場合の一次微分波形42P' は、
図5(b)に示すように、正圧側へ比較的なだらかなピ
ークを生ずる。
【0067】二次微分演算の結果、二次微分波形42
P''は、図5(c)に示すように、正圧側へ急峻なピー
クを生じ、一時的に図1の判定回路24内に設定された
検体不足しきい値34を超える。判定回路24は、この
ように二次微分波形42P''が検体不足しきい値34を
超えた時点で検体不足の発生を判定する。
【0068】上記ノズル閉塞又は検体不足の発生が判定
回路24で判定されると、この判定結果が分注制御回路
26に出力される。分注制御回路26はこの判定結果
に基づいて、必要に応じてポンプ駆動回路27及びノズ
ル駆動回路29を制御し、また異常であることを知らせ
るアラーム信号28を発生する。
【0069】なお、既に説明したが、図5からも明らか
なように、試料吸引における二次微分に対するノズル閉
塞不感時間が、一次微分のノズル閉塞不感時間よりも極
めて短時間に短縮されている。
【0070】次に、試料吐出時に異常が発生した場合の
本実施例の自動分注装置の動作について図6を用いて説
明する。吐出時における異常も、吸引時と同様に大きく
分けて2種類ある。1つはノズルの閉塞、もう1つはエ
ア吐出すなわち検体不足の場合であり、図6では、検体
不足発生を例にとってエア圧力波形等の変化について示
している。
【0071】図6(a)は、圧力検出器8から出力され
るエア圧力波形を示し、縦軸はエア圧力P、横軸は吐出
時間Tである。図6(b)は、エア圧力波形に対する一
次微分波形を示し、縦軸はエア圧力Pの一次微分値P'
である。また、図6(c)は(b)の一次微分波形に対
する二次微分波形を示し、縦軸はエア圧力Pの二次微分
値P''である。
【0072】図6(a)に示すように、正常吐出が行わ
れている場合は、圧縮作用によってそのエア圧力波形6
0は負圧側から連続的に上昇し正圧を示す。
【0073】試料吐出初期でエア吐出が発生し、その後
正常吐出へ復帰した場合に、そのエア圧力波形62は、
エア吐出発生時からエア圧力が急激に大気圧方向へ低下
し、その後正常吐出に戻った時点から急激に上昇してエ
ア圧力波形60に一致する。
【0074】図6(b)に示すように、一次微分波形6
2P' は、正常吐出の一次微分波形60P' に対してエ
ア吐出発生後、比較的なだらかな正圧のピークを有す
る。また、正常吐出への復帰後には、再び比較的なだら
かな正圧のピークを有する。
【0075】二次微分波形62P''は、エア吐出後にま
ず正圧側へ急峻なピークを生じ、正常吐出への復帰時に
は、再び正圧側へ急峻なピークを生ずる。
【0076】図6(c)に示すように、吐出初期におけ
るエア吐出は、検体不足不感時間内に発生したため検出
できないが、その後正常吐出へ復帰すると、二次微分波
形62P''が一時的に図1の判定回路24内に設定され
たノズルの閉塞しきい値56を超えるため、この時点で
吐出異常を検出できる。
【0077】なお、図示しないが吐出時にノズル閉塞が
発生した場合も、ノズル閉塞発生時点からエア圧力Pが
急激に上昇するので、その二次微分波形は上記二次微分
波形62P''のエア吐出から正常吐出への復帰時の波形
と同様に、まず正圧側に急峻なピークを生じ、一時的に
閉塞しきい値56を超えノズル閉塞が検出される。
【0078】次に、試料吐出において検体不足不感時間
の経過後にエア吐出すなわち検体不足が発生すると、エ
ア圧力波形64のようにそのエア圧力は検体不足発生時
から急激に大気圧方向へ低下する。この場合の一次微分
波形64P' は、検体不足発生後に負圧側へピークを生
ずる。
【0079】そして、二次微分演算を行うと、二次微分
波形64P''のようにまず負圧側へ急峻なピークを生
じ、一時的に図1の判定回路24内に設定された検体不
足しきい値54よりも低下し、低下した時点で検体不足
の発生が判定回路24によって判定され、その判定結果
が分注制御回路26に出力される。
【0080】分注制御回路26は、既に述べたように、
この判定結果に基づいて必要に応じてポンプ駆動回路2
7及びノズル駆動回路29を制御し、また異常であるこ
とを知らせるアラーム信号28を発生する。
【0081】なお、図6から明らかであるように、試料
吐出においても二次微分波形に対するノズル閉塞不感時
間は、一次微分のノズル閉塞不感時間よりも極めて短時
間に短縮されている。
【0082】また、試料吸引時と同様に、一次微分波形
は検体不足に対する不感時間の経過後徐々に低下し、吐
出時間の経過によって閉塞しきい値52及び検体不足し
きい値50との差が変化する。従って、吐出時間中の閉
塞検出感度及び検体不足検出感度は安定しない。
【0083】これに対して、二次微分波形では検体不足
に対する不感時間の経過後は、試料の粘性にかかわらず
二次微分値が一定となるため、吐出時間が経過しても閉
塞しきい値56及び検体不足しきい値54との差がほと
んど変化しないので、吐出時間中安定した閉塞及び検体
不足検出感度が得られる。
【0084】また、異常検出感度が安定することによっ
て、閉塞しきい値56と検体不足しきい値54の範囲を
二次微分波形に対して狭めることができるので、吐出時
においても吸引時と同様により高感度での異常検出が可
能となる。
【0085】なお、本実施例においてはノズルの閉塞
しきい値及び検体不足しきい値は固定であったが、吸引
・吐出の初期すなわち不感時間中、正常時の二次微分波
形に基づいて閉塞しきい値及び検体不足しきい値を変動
させてもよい。しきい値を変動させると不感時間を低減
することができ、試料分注のほぼ全時間にわたって分注
異常の検出を行うことが可能となる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
分注装置によれば、エア圧力の一次微分においては試料
の粘性依存性を有していても、これに対して更に二次微
分を行えば、試料の粘性の違いによる波形の相違はほと
んどなく、分注する試料の粘性によってノズルの閉塞し
きい値及び検体不足しきい値を変えたり、分注する試料
の粘性の範囲を制限する必要がない。
【0087】また、異常発生に対する不感時間を短縮す
ることができる。
【0088】更に、一定時間の経過後は、試料の粘性に
かかわらずそのエア圧力の二次微分値が一定となるた
め、この二次微分値と閉塞しきい値及び検体不足しきい
値との差がほとんど変化しない。従って、閉塞及び検体
不足に対する検出感度が常に安定して得られる。また、
一定時間の経過後において二次微分値が一定となるか
ら、閉塞しきい値と検体不足しきい値の範囲を二次微分
波形に対して狭めることができ、より高感度での異常検
出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例自動分注装置の要部を示
すブロック図である。
【図2】本発明に係る実施例吸引時間に対するエア圧
力波形を示す図である。
【図3】図2の一次微分波形を示す図である。
【図4】図2の一次微分波形に対する二次微分波形を示
す図である。
【図5】本発明に係る実施例試料吸引の異常発生時に
おけるエア圧力波形、一次微分波形及び二次微分波形を
示す図である。
【図6】本発明に係る実施例試料吐出の異常発生時に
おけるエア圧力波形、一次微分波形及び二次微分波形を
示す図である。
【図7】試料吸引時のノズル閉塞状態を示す概念図であ
る。
【図8】試料吸引時の検体不足状態を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
2 試料 4 ノズル 6 エアホース 8 圧力検出器 18 一次微分演算回路 20 二次微分演算回路 24 判定回路 34 吸引時における検体不足しきい値 36 吸引時における閉塞しきい値 54 吐出時における検体不足しきい値 56 吐出時における閉塞しきい値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 徹 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロ カ株式会社内 (72)発明者 ブレント アラン ペリティア アメリカ合衆国 イリノイ州 マウンデ レイン サウス エメラルド ドライブ 46 (56)参考文献 特開 平2−184762(JP,A) 特開 昭62−24151(JP,A) 特開 昭56−164957(JP,A) 特開 平2−196963(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エア圧力の変化によって試料の吸引・吐
    出を行うノズルと、 前記エア圧力を検出する圧力検出手段と、 前記圧力検出手段からの出力波形に対して一次微分演算
    を行う一次微分演算手段と、 前記一次微分演算手段による一次微分演算の結果に対し
    て二次微分演算を行う二次微分演算手段と、 前記二次微分演算手段による二次微分演算の結果としき
    い値とを比較して異常判定を行う判定手段と、 を有することを特徴とする自動分注装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、検体不足しきい値と閉
    塞しきい値とを有することを特徴とする請求項1記載の
    自動分注装置。
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