JP3029388B2 - 漏れ検出機能を備えた自動分注装置及び該装置における漏れ検出方法 - Google Patents

漏れ検出機能を備えた自動分注装置及び該装置における漏れ検出方法

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JP3029388B2
JP3029388B2 JP14085895A JP14085895A JP3029388B2 JP 3029388 B2 JP3029388 B2 JP 3029388B2 JP 14085895 A JP14085895 A JP 14085895A JP 14085895 A JP14085895 A JP 14085895A JP 3029388 B2 JP3029388 B2 JP 3029388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、漏れ検出機能を備えた
自動分注装置及び該装置における漏れ検出方法に関し、
特に、配管系内圧の圧力変動を監視することにより、配
管系における空気漏れ(リーク)を自動的に検出するこ
とができる自動分注装置及びその漏れ検出方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】分注装置は、液体試料を複数の容器に分
注する装置であり、例えば人体から採取された血液を複
数の容器に分配する場合などに用いられる。
【0003】このような分注装置では、試料の吸引は、
エアホースを介してポンプに接続されたノズル部によっ
て行われる。このノズル部は、例えばディスポーザブル
化されたノズルチップ(以下、単にチップという)をノ
ズルベースに装着して構成される。このような分注装置
により試料の分注を予め設定された所定量ずつ正確に行
うためには、まず吸引時の試料の吸引量が適正でなけれ
ばならない。しかし、ノズル部からエアホースを介して
ポンプに至る試料の吸引経路、すなわち配管系のいずれ
かの部分、主に、配管系を構成する各部材間の接合部分
で空気漏れ(以下、単に「漏れ」とする。)が生じる
と、適正量の試料を吸引できなくなる。特に、ノズルベ
ースとチップとの嵌合部分では、ノズルベース等に汚れ
が付着してその嵌合部分で漏れが生じることがある。ま
た、チップを頻繁に付け替えるために、ノズルベースの
先端部分が磨耗し、このためノズルベースとチップとの
嵌合部分で漏れが生じることもある。さらに、エアホー
スの接続部分でも漏れが生じることもある。
【0004】このような配管系の漏れが生じると、適正
な試料の吸引が行えないばかりか、吸引した試料が液漏
れにより減少してしまい、試料の吐出量が不足し、分注
精度が低下するという問題がある。
【0005】そこで、現在用いられている分注装置にお
いては、分注作業開始時又は分注作業終了時に、このよ
うな配管系の漏れの有無を点検するために、チップから
の液漏れの有無を一定時間監視するようにしている。す
なわち、吸引した試料がチップから漏れるということ
は、前述したような配管系の漏れが生じていることを意
味するので、チップからの液漏れを検出することによ
り、配管系における漏れの有無を点検している。
【0006】この従来の漏れ検出方法では、まずノズル
部から血液試料等のサンプルを吸引した後、該ノズル部
をサンプルの液面より上昇させて、所定位置で一時停止
させる。そして、一定時間内にサンプルが重力によりチ
ップ先端から落下しないかどうか、すなわち、液漏れが
生じているかどうかを肉眼で監視することにより、前述
したような配管系の漏れの有無を判断している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな目視による漏れ検出方法では、操作者が30秒から
2分程度の間継続してノズル部を監視しなければならな
い。そのため、その間、操作者は装置の前に拘束され、
他の作業を行うことができないので、操作者にとっては
大きな負担であった。また、この目視による漏れ検出方
法は、操作者の経験に頼るところが大きく、漏れ検出の
定量性に欠けるという問題があった。特に、配管系の漏
れが僅かな場合、サンプルを吸引して直ちに容器に吐出
するのであれば、サンプルを吸引してから吐出するまで
の間にチップからの液漏れは生じないので、分注精度に
はほとんで影響がない。従って、操作者にとっては、ど
の程度の漏れを許容すべきかを客観的に判断することも
難しかった。
【0008】このため、配管系の漏れを自動的に検出す
るとともに、その程度を客観的に検出する方法が切望さ
れている。その一方で、従来の自動分注装置における配
管系の漏れ検出は、上述したような目視により漏れ検出
が主流であり、経験上、所定時間内に液漏れがあった場
合に、配管系に漏れがあると判断している。すなわち、
例えば30秒間に液滴の落下があった場合には配管系に
許容できない漏れがあるということを経験上から修得
し、その判断基準に従って配管系の漏れの検出が行われ
ている。このため、漏れ検出の自動化を図るに当たって
は、この目視による漏れ検出の場合における経験上の判
断基準と相関性がある漏れ検出方法が望まれている。
【0009】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、ノズルチップを液面より上昇
させて、配管系の内圧を測定することにより、分注作業
前等の点検において、配管系における漏れの有無を自動
的に検出でき、しかもその程度を客観的に判定可能な自
動分注装置及びその漏れ検出方法を提供することにあ
る。
【0010】また、本発明の他の目的は、ソウトウエア
の変更だけで正確な漏れ検出が可能であり、製造コスト
もかからない自動分注装置及びその漏れ検出方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る自動分注装置は、先端部を有し、エア
圧力の変化によって該先端部で液体試料の吸引及び吐出
を行うノズル部と、前記ノズル部と、該ノズル部に前記
エア圧力を供給するポンプとを含む配管系と、前記配管
系の内圧を測定する圧力センサと、液体試料を吸引した
前記ノズル部を液体試料の液面から離脱させた状態で、
前記配管系の内圧を前記圧力センサによって測定し、該
測定結果に基づいて該配管系における漏れを検出する漏
れ検出手段と、を有することを特徴とする。
【0012】また、本発明は、前記漏れ検出手段は、前
記配管系に漏れがあった場合に起きる前記ノズル部の先
端部からの液漏れによって生じる該配管系の内圧の圧力
変動に基づいて、配管系の漏れの有無及びその程度を検
出することを特徴とする。
【0013】また、本発明は、前記漏れ検出手段は、前
記配管系内圧の圧力変動に基づいて、配管系の漏れの有
無を判定する第1漏れ判定手段と、前記第1漏れ判定手
段において配管系の漏れがあると判定された場合に、前
記配管系内圧の圧力変動に基づいて、配管系の漏れの程
度を判定する第2漏れ判定手段と、を有することを特徴
とする。
【0014】また、本発明は、前記第1漏れ判定手段
は、所定時間内に前記ノズル部の先端部からの液漏れに
よって第1液滴が落下したことを検出したか否かに基づ
いて、前記配管系の漏れの有無を判定することを特徴と
する。
【0015】また、本発明は、前記第2漏れ判定手段
は、前記ノズル部を静止させてから第1液滴の落下が検
出されるまでの時間に基づいて前記配管系の漏れの程度
を判定することを特徴とする。
【0016】また、本発明は、前記第2漏れ判定手段
は、前記配管系内圧が前記ノズル部の先端部からの液漏
れによって生じる液滴の落下に伴って周期的に変動する
場合に、該配管系内圧の周期的な圧力変動の周期に基づ
いて、該配管系の漏れの程度を判定することを特徴とす
る。
【0017】また、本発明は、前記第2の漏れ判定手段
は、前記配管系内圧が前記ノズル部の先端部からの液漏
れによって生じる液滴の落下に伴って周期的に変動する
場合に、一定時間内における該配管系内圧の周期的圧力
変動の回数に基づいて、該配管系の漏れの程度を判定す
ることを特徴とする。
【0018】
【0019】本発明に係る漏れ検出方法は、エア圧力の
変化によって先端部で液体試料の吸引及び吐出を行うノ
ズル部と、前記ノズル部と、該ノズル部に前記エア圧力
を供給するポンプとを含む配管系と、前記配管系の内圧
を測定する圧力センサと、を備えた自動分注装置におけ
る前記配管系の漏れ検出方法であって、前記ノズル部に
より液体試料を吸引する吸引工程と、前記ノズル部の先
端部が液体試料の液面から離脱するようにノズル部を上
昇させる上昇工程と、前記配管系の内圧の圧力変動に基
づいて、該配管系の漏れを検出する漏れ検出工程と、を
有することを特徴とする。
【0020】また、本発明は、前記漏れ検出工程は、前
記配管系に漏れがあった場合に起きる前記ノズル部の先
端部からの液漏れによって生じる該配管系内圧の圧力変
動を前記圧力センサにより監視する工程と、所定時間内
に、予め設定された所定値以上の圧力変動が生じたか否
かに基づいて、前記配管系の漏れの有無を判定する第1
漏れ判定工程、を有することを特徴とする。
【0021】また、本発明は、前記漏れ検出工程は、さ
らに、前記第1漏れ判定工程において、配管系の漏れが
あると判定された場合に、前記ノズル部上昇後から前記
所定値以上の圧力変動が生じるまでの時間に基づいて、
前記配管系の漏れの程度を判定する第2漏れ判定工程、
を有することを特徴とする。
【0022】
【0023】また、本発明は、前記ノズル部により吸引
及び吐出される前記液体試料は、蒸留水であることを特
徴とする。
【0024】
【作用】上記構成によれば、配管系の漏れの有無を自動
的に検出でき、しかもその漏れの程度を客観的に判定す
ることができる。また、従来主流であった目視による配
管系の漏れ検出と相関性のある判定結果を得ることがで
きる。さらに、液面検出を行う圧力センサを備えた装置
であれば、容易に本発明の漏れ検出方法を適用でき、製
造コストがかからず、経済性に優れている。
【0025】すなわち、上記本発明に係る分注装置によ
れば、配管系の圧力が圧力センサによって測定され、漏
れ検出手段は、液体試料吸引後にノズル部を液体試料の
液面から離脱させた状態において測定される配管系内圧
に基づいて漏れを検出する。つまり、ノズル部に液体試
料が吸引された状態において、配管系に漏れ(リーク)
があると、配管系内に大気が進入し、またノズル部から
液体試料が次第に流れ出ることになり、その流出量が多
ければ液体試料が液滴として落下する。このような大気
の進入及び液体試料の流出等に起因する配管系内圧の変
動に基づいて、漏れ検出手段が漏れを検出する。
【0026】よって、本発明の好適な態様においては、
漏れ検出手段は、ノズル部の先端からの液漏れによって
生じる配管系の内圧の圧力変動に基づいて配管系の漏れ
及びその程度を検出する。
【0027】また、本発明の好適な態様においては、漏
れ判定手段は、第1漏れ判定手段及び第2漏れ判定手段
を有する。ここで、第1漏れ判定手段は、配管系内圧の
圧力変動に基づいて、配管系の漏れの有無を判定し、第
2漏れ判定手段は、第1漏れ判定手段で漏れ判定がなさ
れた場合に、その漏れの程度を判定する。すなわち、本
発明によれば、漏れの有無に加えてその程度も判定で
き、漏れの定量化を図ることができる。
【0028】また、本発明の好適な態様においては、第
2漏れ判定手段は、ノズル部の先端部からの液漏れによ
って生じる液滴の落下に伴って配管系の内圧が周期的に
変動する場合に、その圧力変動の周期に基づいて、漏れ
の程度を判定する。この場合、液滴が落下する時の配管
系内の圧力変動の周期が短ければ、より漏れの程度が大
きいと判定でき、圧力変動周期が長ければ、漏れの程度
が小さいと判断できる。
【0029】また、本発明の好適な態様においては、第
2漏れ判定手段は、ノズル部の先端部からの液漏れによ
って生じる液滴の落下に伴って配管系内圧が周期的に変
動する場合に、一定時間内におけるその変動回数に基づ
いて配管系の漏れの程度を判定する。すなわち、液滴が
一定の周期で落下するような場合には、配管系内圧のそ
の周期で変動することになるので、その変動回数から漏
れの程度を判定するものである。変動回数が多ければよ
り漏れの程度が大きいと判断でき、変動回数が少なけれ
ば漏れの程度が小さいと判断できる。
【0030】
【0031】また、本発明に係る漏れ検出方法において
は、吸引工程においてノズル部によって液体試料が吸引
され、その後、上昇工程においてノズル部の先端が液体
試料の液面から離脱するまで当該ノズル部が上方へ引き
上げられる。そして、漏れ検出工程において、配管系内
圧の圧力変動に基づいて配管系の漏れが判定される。よ
って、圧力センサを備えた分注装置であれば、本発明に
係る漏れ検出方法を容易に適用でき、製造コストの削減
を図ることができる。
【0032】また、本発明の好適な態様においては、漏
れ検出工程において、配管系内圧の圧力変動を監視し、
第1漏れ判定工程では、所定時間内に所定値以上の圧力
変動が生じたか否かに基づいて配管系の漏れの有無が検
出される。
【0033】
【0034】また、本発明の好適な態様においては、前
記液体試料は蒸留水であり、その蒸留水を利用して作業
開始時等に上記の漏れ検出が実行される。
【0035】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。
【0036】図1は、本発明に係る自動分注装置30の
全体構成を示す外観斜視図である。この分注装置30
は、例えば病院の生体検査部門において検体(例えば血
漿、血清)の大分け分注や生化学分析などの前処理分
注、あるいはラジオイムノアッセイ(RIA:radioimm
unoassay)、エンザイムイムノアッセイ(EIA:enzy
me immunoasssy)等の検査前分注を行う装置である。
【0037】図1のほぼ中央に図示される血液試料の吸
引を行うノズル部32は、XYZロボット34によって
保持され、三次元的に自在に移動可能に構成されてい
る。
【0038】図2には、ノズル部32の要部断面図が示
されている。このノズル部32は、ノズルベース35と
ノズルチップを成すディスポーザブルチップ(以下、チ
ップという)36とで構成されている。すなわち、本実
施例の分注装置においては、ノズルチップとしてディス
ポーザブルなものが用いられている。なお、このチップ
36の上部開口には、ノズルベース35の先端部が加圧
挿入される。このように、チップ36の上部開口にノズ
ルベース35の先端部が嵌合することによって、チップ
36がノズルベース35に確実に固定される。チップ3
6の下方先端には、小孔36aが形成され、この小孔3
6aから血液試料が吸引され、あるいは吐出されること
になる。なお、チップ36は例えば硬質プラスチック等
で構成され、ノズルベース35は金属等で構成されてい
る。
【0039】図1において、前記XYZロボット34
は、X駆動部34x、Y駆動部34y、及びZ駆動部3
4zで構成されている。Z駆動部34zには、ノズル部
32を備えたエレベータ部38が連結されており、この
エレベータ部38はZ軸方向に昇降自在に構成されてい
る。このエレベータ部38はジャミングセンサ等の機能
をなすリミットスイッチ40を有している。このリミッ
トスイッチ40は、ノズル部32が一定以上上昇した場
合、ノズル部32に作用する上方への一定以上の力を検
出する。このような一定以上の力が検出されると、リミ
ットスイッチ40から信号が発せられる。この信号は信
号ケーブル56を介して装置本体に送られる。
【0040】また、Z駆動部34zには、希釈液(試
薬)の吐出を行う希釈液ピペット42が固定配置されて
いる。ノズル部32には、エアホース44の一端が接続
され、エアホース44の他端は試料の吸引・吐出のため
に作用するポンプ47のシリンダ46に接続されてい
る。また、希釈液ピペット42には、希釈液ホース48
の一端が接続され、その他端は電磁バルブ50を介して
シリンダ52に接続されている。
【0041】以上の構成において、ノズル部32からエ
アホース44を介してポンプの作用を成すシリンダ46
までを配管系という。配管系の漏れ検出は、圧力センサ
54によりその配管系の圧力変動を検出することにより
行われる。この圧力センサ54は、吸引・吐出を行うノ
ズル部32付近に配置することも可能である。しかしな
がら、ノズル部32は可動部分であるため、圧力センサ
54をノズル部32付近に配置すると可動部分全体の重
量がかさんで、ノズル部32が可動し難くなる。その一
方で、ノズル部からエアホース44を介してシリンダ4
6に至る配管系内では、いずれの部分でも圧力が等しく
なるため、あえてノズル部32付近に圧力センサ54を
設ける必要はない。すなわち、圧力センサ54は、配管
系内のいずれかの部分の内圧を測定可能な位置に配置に
すればよい。そこで、本実施例では、便宜上エアホース
44の内圧を測定することにより、配管系内圧を測定し
ている。このため、エアホース44の途中に分岐路が設
けられており、この分岐路に圧力センサ54が配置され
ている。
【0042】分注台58に載置される試験管ラック60
には、通常の血液型判定の場合には、遠心分離処理が行
われた後の血液試料を入れた複数の試験管62が起立保
持される。すなわち、この試験管62には、血漿成分と
赤血球成分とが上下分離している血液試料が入れられて
いる。また、分注台58上には水平台64が設けられて
おり、この水平台64には、複数の希釈容器66を備え
た希釈トレイ68と、マイクロプレート70とが載置さ
れる。マイクロプレート70には、分注される血漿成分
又は希釈された赤血球成分等を入れる容器を構成する複
数のウェルが形成されている。すべての血液試料の分注
後には、このマイクロプレート70が血液型判定のため
の装置へ移され、そこで光学的に凝集判定等が行われ
る。
【0043】上述したように、本実施例の自動分注装置
30では、ディスポーザブル、すなわち使い捨て型のノ
ズルチップが用いられている。このため、チップ立て7
2には複数の新品のチップが用意され、順次新しいチッ
プ36と交換できるようになっている。また、分注装置
30には、チップ廃棄トレイ74が設けられており、使
用済みのチップ36はチップ廃棄トレイ74上に廃棄さ
れる。
【0044】以上の構成を有する自動分注装置によれ
ば、ノズル部32のチップ36によって吸引した血清等
のサンプルを、自在に他の容器に移すことができる。も
ちろん、この分注装置を血液試料の分注以外に用いるこ
とも可能であり、種々の応用が可能である。
【0045】図3は、本実施例の分注装置の概略構成を
示すブロック図である。ポンプ47は、ピストン76と
シリンダ46とからなる。ピストン76を進退させると
シリンダ46内の容積が変化する。この変化による吸引
圧力あるいは吐出圧力がエアホース44を介してノズル
部32のチップ36へ伝達され、血液等の試料の吸引や
吐出が行われる。エアホース44で接続されたポンプ4
7とノズル部32の間、すなわち配管系の内圧は、圧力
センサ54によって検出される。
【0046】圧力センサ54で検出されたセンサ信号は
DCアンプ78に送られる。センサ信号はDCアンプ7
8で増幅された後、リミッタ回路80を介してA/D変
換器82へ送られる。このリミッタ回路80はセンサ信
号の過大入力を抑制する保護回路である。A/D変換器
82は、アナログのセンサ信号をデジタル信号に変換し
て、そのデジタル信号を漏れ検出部86に送出する。漏
れ検出部86は、配管系の内圧の変動を監視し、配管系
の漏れ検出を行う。なお、配管系の内圧は適宜メモリ8
7に格納される。表示部88は、漏れ検出部86で検出
された漏れ判定結果を表示するものである。この表示部
88は、モニタ等の画面又はプリンタ等によって構成す
ることができる。大気圧検出部90は、大気圧を検出す
るためのセンサ等で構成され、ここで測定された大気圧
は、メモリ91に格納される。なお、大気圧として固定
値を格納しておき、その値を使用することもでき、また
圧力センサ54を大気圧検出部として併用することもで
きる。
【0047】制御部84は、例えばコンピュータ等で構
成されており、漏れ検出部86の制御を行うと共に、シ
リンダ46の内容積の制御やXYZロボット34、メモ
リ87、表示部88、大気圧検出部90、メモリ91等
の制御を行うものである。
【0048】本実施例では、分注作業の開始前に、蒸留
水を吸引したチップ36を蒸留水の液面から上昇させ、
チップ36を静止させた状態で、配管系内圧の変動を漏
れ検出部86で監視している。
【0049】前述したように、配管系に漏れがあると、
チップから液漏れが生じる。液滴が断続的に落下するよ
うな液漏れが生じると、配管系内圧は周期的に変動す
る。本発明は、このような周期的な配管系内圧の変動を
監視することにより漏れの有無及びその程度を判定して
いる。配管系の漏れの程度の判定では、具体的には、配
管系内の圧力変動の周期(一周期の時間)又はそれを指
標する所定の時間を測定することによって行っている。
なお、配管系の漏れの程度の判定は、一定時間内に生じ
る配管系内圧の周期的変動の回数に基づいて行ってもよ
い。
【0050】次に、上記分注装置において採用される漏
れ検出方法の具体的な実施例について説明する。
【0051】図4は、本実施例における漏れ検出工程を
示す図である。図5は、蒸留水を吸引してから吐出する
までの配管系内圧の変化を示す図である。図6は、図5
に示す圧力変動のうち、配管系に漏れがある場合の配管
系内圧の変化を拡大して示した図である。図7は、本実
施例において、配管系に漏れがある場合の配管系内圧の
変化を示す図である。図8は、図7に示すように配管系
内圧が変化した場合において、チップ36の先端から液
滴が落下する過程を示す図である。図9及び図10は、
自動分注装置における漏れ検出方法の一実施例を説明す
るフローチャートである。
【0052】特に、図4から図10を用いて、本実施例
の漏れ検出工程を説明する。
【0053】まず、ステップ101(以下「ステップ」
を「S」と略す)では、チップ36をノズルベース35
に装着する。
【0054】次に、大気圧検出部90によって、大気圧
0 を検出し、この値p0 をメモリ91に格納する(S
102) 次に、XYZロボット34によって、チップ36が漏れ
検出用の蒸留水92が入った試験管62の上方に位置す
るようにノズル部32を移動し、チップ36を位置決め
する(S103)。
【0055】本実施例では、吸引する液体として、前述
したように、特定温度の蒸留水92を基準液体サンプル
として用いている。液漏れの状態は、液体の粘度や表面
張力によって異なるが、特定温度の蒸留水であればこれ
らの条件を一定に保つことができる。従って、特定温度
の蒸留水を用いれば常に一定条件下で配管系の漏れ検出
を行うことができる。また、従来のように、始業前の配
管系の漏れの有無の点検のために血液試料等を用いる必
要がなくなる。なお、蒸留水は血液よりも表面張力が大
きいので、血液試料を用いた場合と相関性を持たせるた
めには、血液を用いて漏れ検出を行なう場合よりも、液
漏れの検出時間を長く設定する必要がある。
【0056】次に、チップ36を下降させ、いわゆる液
面検出を行なう(S104)。この液面検出は、圧力セ
ンサ54によって配管系の内圧を監視することにより行
われる。すなわち、チップ36の先端が液面に達する
と、配管系の内圧が急激に正圧方向に変化する。そのよ
うな変化に基づいて、チップ36の先端が液面に達した
ことを検出する。
【0057】なお、本実施例では、この配管系の内圧の
監視は、5msec毎に配管系の内圧を測定することに
よって行っているが、この間隔は、特に上記時間に限定
されるわけではない。
【0058】次に、試験管62内の蒸留水92を吸引す
る(S105)。すなわち、ポンプ47のピストン76
を引き出し、シリンダ46の内容積を増大させる。これ
によって、シリンダ46の内圧が負圧になり、配管系内
圧も負圧となる。そして、チップ36内に蒸留水92が
取り込まれる。例えば、蒸留水510μlが吸引され、
チップ36内にそれが取り込まれる。この場合、液面の
低下に合わせて、ノズル部32を下降させながら蒸留水
92を吸引する。
【0059】吸引終了の一定時間後、例えばポンプ停止
から500ms後の配管系内圧P1を測定し、この圧力
値P1 を初期圧力値としてメモリ87に記憶する(S1
06)。そして、漏れ検出部86において、この内圧P
1 と大気圧p0 との差を求める(S107)。内圧P1
と大気圧p0 との差圧が基準値A以下の場合、すなわ
ち、 |P1 −p0 |≦A の関係を満たす場合には、配管系で「大程度の漏れ」
(LK1)が生じたと判断する(S108)。この場合
には、S119に進み、チップ36内に残留した蒸留水
92を試験管62内へ吐き戻す。
【0060】一方、この内圧P1 と大気圧P0 との差圧
が基準値Aより大きい場合、すなわち、 |P1 −p0 |>A の関係を満たす場合には、ノズル部32の位置を2cm
上昇させ、チップ36を所定時間t1 (t1 :例えば4
5秒)静止させる(S109)。すなわち、チップ36
の先端を試験管62内の蒸留水92の液面から離脱させ
た状態で、該チップ36を静止させる。
【0061】ここで、上記基準値Aは、チップ36の容
量や分注精度の要求等を勘案して分注の種類によって予
め設定されている。
【0062】また、吸引終了後例えば500msの時点
とするのは、以下の理由がある。すなわち、配管系の内
圧は、液体吸引直後では安定しておらず、変動してしま
う。従って、この変動中の圧力を初期圧力値として用い
ると、漏れ検出の精度に影響がある。そこで、前記蒸留
水吸引直後の内圧ではなく、配管系の内圧が安定する所
定時間後の圧力を初期圧力値P1 として用いることによ
り、漏れ検出のための基準を適正化している。
【0063】S110では、漏れ検出部86において、
チップ36の静止状態において、配管系内圧P2 の変動
を監視し、以下に詳述するように、配管系内圧の圧力波
形のピーク又は平坦部分を検出する。
【0064】すなわち、配管系に漏れがなく正常な場合
には、図5の実線(完全吸引波形)で示すように、配管
系内圧P2 は変化しない。その一方で、配管系に漏れが
生じている場合には、チップ先端からの液滴の落下を伴
うような液漏れによって、配管系内圧P2 は図6の破線
で示したように周期的に変動する。
【0065】さらに詳しくは、図7に示すように、配管
系に漏れがあると、配管系内圧P2は大気圧に近付く方
向に上昇する。それに伴い、チップ先端からじわじわ液
が漏れ始める。そして、配管系の内圧P2 の変化を示す
圧力波形はピークに達し、その後、内圧P2 は低下す
る。その後、該圧力波形は平坦になる。そして、液滴が
落下すると、内圧P2 は急激に大気圧に向く方向に増大
する。配管系内圧の圧力変動を示す圧力波形では、液滴
落下時点は立ち上がり点となる。圧力波形を解析する際
に、このような立ち上がり点はピークと同様に自動的に
認識しやすい。
【0066】配管系に漏れがあり、液漏れが生じた場合
には、配管系内圧P2 にこのような周期的な圧力変動が
生じる。そのため、圧力波形の立ち上がり点から次の立
ち上がり点までの一周期(以下、液滴形成時間という)
あるいはピークから次のピークまでの一周期の時間に基
づいて漏れの程度を判断をすることができる。
【0067】しかしながら、第1液滴が形成される際の
配管系内圧P2 の圧力波形は、ピークが明確に検出され
ないことが多い。そこで、第1液滴落下までの時間を検
出するために、第1液滴の落下直前の平坦部分(図7の
b点〜c点)の内圧P2 の最小値を基準値とする。そし
て、この液滴落下直前の基準値として用いられる最小値
を検出するために、トリガーの役目となる液滴形成時の
圧力波形のピーク(図7のa点)又は平坦部分を検出す
る。すなわち、まず、第1液滴が形成される際の配管系
内圧P2 の圧力変動を示す圧力波形におけるピーク又は
平坦部分を検出しておき、次いで、内圧P2 の最小値を
更新していく。
【0068】よって、図9のS110では、チップを静
止させておく所定時間t1 内に、上述した第1液滴形成
時間における配管系内圧P2 の圧力変動を示す圧力波形
におけるピーク又は平坦部分を検出する。
【0069】具体的には、配管系内の圧力P2 を所定時
間t0 (t0 :例えば、5msec)毎に監視する。そ
して、以前に測定したP2 と現時点で測定したP2 とを
比較して大きい方を最大値として更新していき、第1液
滴が形成される際の配管系内圧P2 の圧力波形のピーク
を検出する。
【0070】所定時間t2 (t2 :例えば13秒)以内
に最大値の更新がなされなかった時は、その時点で平坦
部分と判断する。S110において、所定時間t1 以内
にピークも平坦部分もいずれも検出されない場合には漏
れはないものと判断し、「正常」(LK0)と判定する
(S114)。
【0071】なお、S110のピーク又は平坦部分の検
出機能は、所定時間t1 であれば働いているので、第1
液滴形成時の圧力波形のピーク又は平坦部分のいずれも
検出されなければ、第2液滴形成時の圧力波形のピーク
又は平坦部分を検出し、第2液滴の落下から第3液滴の
出現直前の圧力変化に基づいて漏れを検出することも可
能である。さらに、第2液滴形成時の圧力波形のピーク
も平坦部分も検出されなかった場合、第3液滴形成時の
ピーク又は平坦部分を検出し、第3液滴落下から第4液
滴出現直前の圧力変化に基づいて漏れを検出することも
できる(S111)。
【0072】このように、配管系に漏れがあり、その結
果、液滴が連続的に落下するような液漏れが生じている
場合には、配管系内圧は液滴落下に伴って周期的に変動
する。従って、このような周期的な圧力変動の周期に基
づいて、配管系の漏れの程度を判定することができる。
【0073】例えば、図7に示したような圧力波形の場
合、第1液滴のピーク(a´点)が明確でないため見つ
けられず、また第1液滴形成時間Tが所定時間t2 (t
2 :例えば13秒)よりも短いため平坦部分も見つけら
れなければ、第2液滴のピーク(e点)を検出して、最
小値を得た後、第2液滴の落下から第3液滴の出現直前
の圧力変化(g点〜i点)に基づいて漏れを検出する場
合もある。
【0074】このようにしてピーク又は平坦部分が検出
されると、S112に進む。S112では、S111で
検出されたピーク又は平坦部分の後の内圧P2 を監視
し、最小値を更新していく。この最小値は、以前に測定
された配管系内圧P2 と現時点の配管系内圧P2 とを比
較して小さい方の値をいう。この最小値を用いて、後述
のように、圧力波形の立ち上がり点(第1液滴の落下
時)を検出することができる。
【0075】ここで、図7及び図8を用いて、配管系の
漏れがある場合における配管系内圧P2 の圧力変動につ
いて説明する。
【0076】まず、蒸留水を吸引した直後は、配管系の
内圧P2 は負圧になっており、チップ36の先端開口部
36aから液漏れは生じていない。しかし、配管系の漏
れにより、チップ36の内圧が徐々に上昇していくと、
チップ36の先端開口部(小孔)36aから液漏れが生
じ始める。この液漏れ開始時には、先端開口部36aに
おける液体の表面張力との関係で、配管系の内圧P2
大気圧に近付き、圧力波形はピークに達する(a点)。
その後、液滴の出現と共に圧力は下降する(b点)。更
に、時間の経過とともに液が漏れ出し、液滴が成長し、
この間の圧力波形はほぼ平坦になる(b点〜c点)。そ
して、チップ36の先端から液滴が自重により落下する
(c点)。以上、蒸留水の吸引直後から第1液滴が落下
するまでの時間Tを第1液滴形成時間という。
【0077】同様に、第1液滴が落下した後、また徐々
に配管系に漏れが生じ、チップ36の先端開口36aか
ら液がじわじわと漏れ始め、配管系の内圧P2 は第1液
滴落下時(c点)に比べ、急激に大気圧に近付く方向に
上昇する(d点)。さらに、配管系の漏れによって配管
系内圧P2 が増大し、配管系の内圧とチップ36の先端
開口部36aから出現した液体の表面張力との均衡が限
界点に至ると、内圧P2 の圧力波形はピークに達する
(e点)。その後、チップ36の先端開口部36aから
第2液滴が出現する(f点)。さらに、配管系の漏れと
ともにチップ36内の蒸留水が押し出され、第2液滴が
成長していく(f点〜g点)。この間の配管系内圧P2
の圧力波形はほぼ平坦になる。その後、チップ36先端
の第2液滴は自重で落下する(g点)。第3液滴につい
ても同様に、h点(漏れ始め)→i点(ピーク)→j点
(液滴出現)のように圧力変動が繰り返される。
【0078】以上説明したように、配管系内圧P2 の圧
力波形の1サイクルは、c点(第1液滴落下)→d点
(漏れ始め)→e点(ピーク)→f点(液滴出現)→g
点(第2液滴落下)となっている。そして、液滴の落下
とともにこのような周期が繰り返される。そして、液滴
の落下が繰り返される度に、配管系内圧P2 は徐々に大
気圧に近付いていく。
【0079】次に、S113では、最小値を基準とし
て、液滴落下から次の液滴の出現直前に見られる急激な
圧力変化を検出する。具体的には、所定時間t1 以内に
予め設定された所定値B以上の圧力変化があったか否か
に基づいて漏れの有無を判定する。所定時間t1 以内の
配管系内圧P2 の変化が所定値Bよりも小さい場合、
「正常」(LK0)と判定する(S114)。一方、所
定時間t1 以内に配管系内圧P2 が所定値B以上変化し
た場合には、S115に進む。
【0080】S115では、S114で検出された所定
値B以上の圧力変化が、S109でノズル部32を上昇
させた時点(t1 の開始時)から4秒以内に検出された
か否かによって、配管系の漏れの程度を判定する。この
圧力変化が検出されるまでの時間が4秒以下の場合に
は、S116に進み、「中程度の漏れ」(LK2)と判
定される。一方、この圧力変化が検出されるまでの時間
が4秒より長い場合には、S117に進み、「小程度の
漏れ」(LK3)と判定される。
【0081】なお、S111で第2液滴形成時の圧力波
形におけるピークを検出した場合、S115では、例え
ば、第2液滴形成時のピークから第3液滴形成時のピー
クまでの一周期の時間が4秒以内か否かによって、中程
度の漏れ(LK2)か小程度の漏れ(LK3)かを判定
してもよい。また、S111で第2液滴形成時の圧力波
形における平坦部分を検出した場合には、S115で
は、例えば第2液滴の落下時(最小値)から第3液滴の
落下時(最小値)までの一周期の時間が4秒以下か否か
によって、中程度の漏れ(LK2)か小程度の漏れ(L
K3)かを判定してもよい。
【0082】同様にして、S111で第n液滴形成時の
ピークを検出した場合、S115では、例えば、n番目
の液滴形成時のピークからn+1番目の液滴形成時のピ
ークまでの一周期の時間が4秒以内か否かによって、中
程度の漏れ(LK2)か小程度の漏れ(LK3)かを判
定してもよい。また、S111で第n液滴形成時の圧力
波形における第n番目の液滴落下時(最小値)からn+
1番目の液滴落下時(最小値)までの一周期の時間が4
秒以内か否かによって、中程度の漏れ(LK2)か小程
度の漏れ(LK3)かを判定してもよい。
【0083】配管系の漏れの程度が「正常」(LK
0)、「中程度の漏れ」(LK2)又は「小程度の漏
れ」(LK3)と判定された場合、S118では、ノズ
ル部32を2cm下降させる。
【0084】ノズル部32を下降させた後に、チップ3
6内の蒸留水92を元の試験管62に吐き戻す(S11
9)。また、「大程度の漏れ」(LK1)と判定された
場合には、ノズル部32を上昇させていないので、チッ
プ36内の蒸留水92をその場で試験管62に吐き戻せ
ばよい(S119)。
【0085】S120では、ノズル部32をZ軸原点ま
で上昇させる。
【0086】使用済みのチップ36は、ノズルベースか
ら取り外され、チップ廃棄トレイ74上に廃棄される
(S121).S122では、配管系の漏れに関する検
査結果、すなわち漏れの有無及び程度を「正常」(LK
0)、「大程度の漏れ」(LK1)、「中程度の漏れ」
(LK2)、又は、「小程度の漏れ」(LK3)のよう
に表示部88に表示し、測定を終了する。
【0087】なお、漏れの有無及びその程度の判定結果
は、上述のLK0〜LK3のような表示方法の他、例え
ば所定値B以上の圧力変化が検出されるまでの時間を漏
れの程度を示す値として表示するようにしてもよい。
【0088】また、本実施例における基準値A、所定値
B等は、必要に応じて可変設定できるようにしてもよ
い。
【0089】また、本実施例では液滴形成時間に応じて
2段階、すなわち、「中程度の漏れ」と「小程度の漏
れ」に分けて漏れの程度を判定したが、これに限るもの
ではない。例えば、本実施例では、漏れの程度を判定す
るための時間を4秒と設定していたが、この判定時間を
可変設定できるようにしてもよく、また複数の判定時間
を設定し、多段階に分けて配管系の漏れの程度を判定す
るようにしてもよい。
【0090】また、本実施例では、所定値以上の配管系
内の圧力変化を検出するまでの時間に基づいて、配管系
の漏れの程度を判定していたが、例えば、配管系内圧が
周期的に変動する場合には、一定時間内における変動の
回数から配管系の漏れの程度を判定するようにしてもよ
い。
【0091】また、本実施例では、配管系内の圧力変動
を検出しながら、リアルタイムで漏れ判定を行うように
しているが、例えば、一定時間内の配管系の圧力変動を
すべてメモリに格納した後に、その圧力波形から配管系
の漏れの程度を検出するようにしてもよい。
【0092】また、この漏れ検出は、分注毎に行うこと
もできるが、作業効率を上げるならば、1日に1回、例
えば分注作業前等に行えばよい。これによって、配管系
の漏れによる分注精度の低下を予め防止することがで
き、一定の分注精度が保証されていることを分注開始前
に確認することができる。
【0093】本発明の配管系の漏れ検出は、液面検出等
を行う圧力センサを備えた装置であれば、容易に適用す
ることができ、経済性に優れている。例えばノズルチッ
プを近赤外光のビームと交差させて移動させてノズルチ
ップの先端の液滴を検出する方法のように光検出器を新
たに設ける必要がないので、装置の製造コストを大幅に
削減することができる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノズルチップを液面より上昇させて、配管系の内圧を測
定することにより、分注作業前等の点検時において、配
管系における漏れの有無を自動的に検出でき、しかもそ
の程度を客観的に判定可能である。また、ソウトウエア
の変更だけで正確な漏れ検出が可能であり、製造コスト
を削減できる。さらに、本発明によれば、漏れの有無に
加えてその程度も判定でき、漏れの定量化を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動分注装置の実施例を示す外
観図である。
【図2】 ノズル部32の要部断面を示す断面図であ
る。
【図3】 図1に示した自動分注装置の概略構成を示す
ブロック図である。
【図4】 図1に示した自動分注装置の漏れ検出工程を
示す説明図である。
【図5】 吸引から吐出までの配管系内圧の変動を示す
図である。
【図6】 図5に示す圧力変動のうち、配管系に漏れが
ある場合の配管系内圧の変化を拡大して示した図であ
る。
【図7】 本発明の一実施例において、配管系に漏れが
ある場合の配管系内圧の変化を示す図である。
【図8】 図7に示すように配管系内圧が変化する場合
におけるチップ先端からの液漏れの状態を示す図であ
る。
【図9】 本発明に係る自動分注装置における漏れ検出
の一実施例を説明するフローチャートである。
【図10】 本発明に係る自動分注装置における漏れ検
出の一実施例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
30 分注装置、32 ノズル部、34 XYZロボッ
ト、35 ノズルベース、36 ディスポーザブルチッ
プ、54 圧力センサ、62 試験管、84制御部、8
6 漏れ検出部、92 蒸留水。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 有子 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロ カ株式会社内 (72)発明者 ブレント アラン ペレタイア アメリカ合衆国 イリノイ州 60060 マンデリン サウス エメラルド ドラ イブ 46 (56)参考文献 特開 平6−82463(JP,A) 特開 平7−27663(JP,A) 特開 平2−243962(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/00 - 35/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部を有し、エア圧力の変化によって
    該先端部で液体試料の吸引及び吐出を行うノズル部と、 前記ノズル部と、該ノズル部に前記エア圧力を供給する
    ポンプとを含む配管系と、 前記配管系の内圧を測定する圧力センサと、 液体試料を吸引した前記ノズル部を液体試料の液面から
    離脱させた状態で、前記配管系の内圧を前記圧力センサ
    によって測定し、該測定結果に基づいて該配管系におけ
    る漏れを検出する漏れ検出手段と、を含み、 前記漏れ検出手段は、 前記配管系内圧の圧力変動に基づいて、配管系の漏れの
    有無を判定する第1漏れ判定手段と、 前記第1漏れ判定手段において配管系の漏れがあると判
    定された場合に、前記配管系内圧の圧力変動に基づい
    て、配管系の漏れの程度を判定する第2漏れ判定手段
    と、 を有することを特徴とする自動分注装置。
  2. 【請求項2】 請求項記載の装置において、 前記第1漏れ判定手段は、所定時間内に前記ノズル部の
    先端部からの液漏れによって第1液滴が落下したことを
    検出したか否かに基づいて、前記配管系の漏れの有無を
    判定することを特徴とする自動分注装置。
  3. 【請求項3】 請求項記載の装置において、 前記第2漏れ判定手段は、前記ノズル部を上昇静止させ
    てから第1液滴の落下が検出されるまでの時間に基づい
    て前記配管系の漏れの程度を判定することを特徴とする
    自動分注装置。
  4. 【請求項4】 請求項記載の装置において、 前記第2漏れ判定手段は、前記配管系内圧が前記ノズル
    部の先端部からの液漏れによって生じる液滴の落下に伴
    って周期的に変動する場合に、該配管系内圧の周期的な
    圧力変動の周期に基づいて、該配管系の漏れの程度を判
    定することを特徴とする自動分注装置。
  5. 【請求項5】 請求項記載の装置において、 前記第2漏れ判定手段は、前記配管系内圧が前記ノズル
    部の先端部からの液漏れによって生じる液滴の落下に伴
    って周期的に変動する場合に、一定時間内における該配
    管系内圧の周期的圧力変動の回数に基づいて、該配管系
    の漏れの程度を判定することを特徴とする自動分注装
    置。
  6. 【請求項6】 エア圧力の変化によって先端部で液体試
    料の吸引及び吐出を行うノズル部と、 前記ノズル部と、該ノズル部に前記エア圧力を供給する
    ポンプとを含む配管系と、 前記配管系の内圧を測定する圧力センサと、 を備えた自動分注装置における前記配管系の漏れ検出方
    法であって、 前記ノズル部により液体試料を吸引する吸引工程と、 前記ノズル部の先端部が液体試料の液面から離脱するよ
    うにノズル部を上昇させる上昇工程と、 前記配管系の内圧の圧力変動に基づいて、該配管系の漏
    れを検出する漏れ検出工程と、を含み、 前記漏れ検出工程は、 前記配管系に漏れがあった場合に起きる前記ノズル部の
    先端部からの液漏れによって生じる該配管系内圧の圧力
    変動を前記圧力センサにより監視する工程と、 所定時間内に、予め設定された所定値以上の圧力変動が
    生じたか否かに基づいて、前記配管系の漏れの有無を判
    定する第1漏れ判定工程と、 前記第1漏れ判定工程において、配管系の漏れがあると
    判定された場合に、前記ノズル部上昇後から前記所定値
    以上の圧力変動が生じるまでの時間に基づいて、前記配
    管系の漏れの程度を判定する第2漏れ判定工程と、 を有することを特徴とする自動分注装置における漏れ検
    出方法。
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