JP2000119688A - 粉末油脂 - Google Patents
粉末油脂Info
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Abstract
末油脂を提供することを目的とする。 【解決手段】 油脂固化剤を含有させた油脂を原料とす
ることで上記課題を解決する。
Description
する油脂を原料とする粉末油脂に関する。更に詳しくは
油脂固化剤を添加することにより油脂の硬さが自在に調
整された油脂を含有する粉末油脂に関する。
としスプレードライ等により水分を除去して作られる。
油滴が水溶性成分、例えばカゼイン、ゼラチン、デキス
トリン、乳糖などのタンパク質、炭水化物などによって
コーティングされた粉末である。使用される油脂として
は大豆油、ナタネ油等の液体油が主である。しかし、液
状油を使用した場合、コーティングされた粉末から液状
油がしみ出しやすく、酸化劣化・流動性の低下等で商品
価値が低下する。又、天然に存在する油脂は大豆油、ナ
タネ油、コーン油、綿実油、オリーブ油等常温で液状の
ものが多い。しかし、上記液状のものをそのまま使用す
ることは困難であった。又、常温である程度硬くするこ
とにより改善が試みられているが単なる油脂の配合、水
素添加(硬化)ではその融点があがり、使用しづらく又
口解けの悪いものとなる。この点を改良する為に油脂の
エステル交換、分別等が行われているが工程が長く又充
分な効果も得られていない。
に使用される油脂を広くすべての天然油脂に求め、さら
には油脂の配合、水素添加、エステル交換、分別等を行
わずに、油脂固化剤の添加により、容易に粉末油脂用に
適した物性を有する油脂を得て粉末油脂を作ることであ
る。
素数20以上の脂肪酸のエステルを油脂固化剤として含
有させる事が上記課題を解決するのに有効であり、その
固化状態を調整する為にHLB3以下のポリグリセリン
脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを併用
すると更に有効である事を見出し本発明を完成した。す
なわち本発明は粉末油脂原料用油脂に油脂固化剤を添加
し、油脂の硬さを自在に調整した油脂を含有する粉末油
脂に関する。
を水中油型乳化液としスプレードライ等により水分を除
去して作られる。油滴が水溶性成分、例えばカゼイン、
ゼラチン、デキストリン、乳糖などのタンパク質、炭水
化物などによってコーティングされた粉末である。その
使用用途としては、パウダーホイップクリーム、コーヒ
ークリーム、スープ、畜肉加工原料等があげられる。ま
たその油脂含量は20〜80%であるが特に限定される
ものではない。
エステルとは例えば、アラキン酸、ベヘニン酸等とプロ
ピレングリコール、グリセリン、ソルビタン、ペンタエ
リスリトール、ジグリセリン等とのエステルである。具
体的には、グリセリンモノベヘニン酸エステル、グリセ
リンモノアラキン酸、ソルビタンジアラキン酸エステル
等が挙げられるがこれらに限定するものではない。炭素
数19以下の脂肪酸のエステルを使用した場合油脂は充
分固化しなかった。本発明におけるHLB3以下のポリ
グリセリン脂肪酸エステルとはトリグリセリンペンタス
テアレート、ヘキサグリセリンオクタステアレート、デ
カグリセリンデカパルミテート等をさし、HLB3以下
のショ糖脂肪酸エステルはショ糖のパルミチン酸、ステ
アリン酸エステルをさすが、これらに限定するものでは
ない。これらを併用することで油脂の固化、硬さの調整
を一層容易に行うことができる。本発明で言う油脂固化
剤は特定の上記脂肪酸エステルを含有するもので、その
含量、剤形等は適宜選択すればよく特に限定するもので
はない。
末油脂用として利用される乳化剤との併用は何らさしさ
わりなく特に限定されるものではない。その乳化剤と
は、例えば食品衛生法でいう、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等が
挙げられる。また、本発明の油脂固化剤が適用される油
脂は、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、パーム油、ご
ま油等の植物油および、魚油、乳脂等の動物油があげら
れるが、これらに限定するものではない。また、上述の
油脂を混合、分別、エステル交換、水素添加したものに
も適用可能である。本発明における油脂固化剤の添加量
は、油脂に対し、有効成分の添加量として、0.1〜2
0%好ましくは0.5〜10%である。少なすぎる場合
固化せず、多すぎる場合は硬く固化して使用しづらくな
る。尚、油脂への固化剤の添加方法については、特に限
定するものではなく、油脂中に固化剤が均一に溶解され
る方法であれば良い。以下、発明の実施の形態を実施例
に基づき説明する。
拌しながら油脂として大豆油92%にグリセリンモノベ
ヘニン酸エステル8%を添加してたものを投入し、さら
にホモジナイザー200+50kg/cm2 にて水中油
型乳化液を得た。本乳化液をスプレードライヤーにて噴
霧乾燥し、粉末油脂を得た。
モノアラキン酸エステル2%とトリグリセリンペンタス
テアレート(HLB=1)2%を添加したものを使用し
て、A:油層を均一に溶解する。B:水層を均一に溶解
したところへ攪拌しながらA:油層を添加しさらにホモ
ジナイザー100+50kg/cm2 にて水中油型乳化
液を得た。本乳化液をスプレードライヤーにて噴霧乾燥
し、粉末油脂を得た。
た。 A 油 脂 30 % A ジグリセリンモノステアレート 1 % A クエン酸モノグリセライド 0.4% A ソルビタンモノステアレート 0.3% B デキストリン 63 % B 脱脂粉乳 3 % B カゼインNa 1.5% B リン酸 2Na 0.4% B アラビアガム 0.2% B カラギーナン(安定剤) 0.2% B 水 100 % 油脂としてナタネ油60%とパーム油34%にグリセリ
ンモノヘベニン酸エステル3%とショ糖ステアリン酸エ
ステル(HLB=2)1%を添加したものを使用して、
A:油層を均一に溶解する。以下実施例2と同様に粉末
油脂を得た。
油脂を得た。 比較例2 実施例2の油脂をコーン油50%とヤシ油50%の混合
油に変えてホイップクリーム用粉末油脂を得た。 比較例3 実施例3の油脂をナタネ油60%とパーム油40%の混
合油に変えてコーヒークリーム用粉末油脂を得た。 試験例1 実施例1、比較例1の粉末油脂の経時的分散性について
評価した結果を表1に示す。
良好な機能を有する。 試験例2 実施例2、比較例2のホイップクリーム用粉末油脂を評
価した結果を表2に示す。
良好なホイップクリーム用粉末油脂が得られた。 試験例3 実施例3、比較例3のコーヒークリーム用粉末油脂を評
価した結果を表3に示す。
良好なコーヒークリーム用粉末油脂が得られた。
げれば以下のとおりになる。 (1)油脂固化剤を含有する油脂を原料とすることを特
徴とする粉末油脂。 (2)油脂固化剤が炭素数20以上の脂肪酸のエステル
であることを特徴とする前記(1)記載の粉末油脂。 (3)前記(1)記載の油脂固化剤がグリセリンモノベ
ヘニン酸エステルを含有するものである粉末油脂。 (4)前記(1)記載の油脂固化剤がグリセリンモノア
ラキン酸エステルを含有するものである粉末油脂。 (5)油脂固化剤にHLBが3以下のポリグリセリン脂
肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを含有す
る事を特徴とする前記(1)〜(4)記載の粉末油脂。 (6)炭素数20以上の脂肪酸のエステルを含有する粉
末油脂用油脂固化剤。 (7)グリセリンモノベヘニン酸エステルを含有する粉
末油脂用油脂固化剤。(8)グリセリンモノアラキン酸
エステルを含有する粉末油脂用油脂固化剤。 (9)油脂固化剤にHLBが3以下のポリグリセリン脂
肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを含有す
る事を特徴とする前記(6)〜(8)記載の粉末油脂用
油脂固化剤。
加、エステル交換、分別等を行うことなく粉末油脂に適
した物性を有し、硬さが調製された油脂を含有する粉末
油脂を得ることができ産業上極めて有益である。
Claims (3)
- 【請求項1】 油脂固化剤を含有する油脂を原料とする
ことを特徴とする粉末油脂。 - 【請求項2】 油脂固化剤が炭素数20以上の脂肪酸の
エステルであることを特徴とする請求項1記載の粉末油
脂。 - 【請求項3】 油脂固化剤にHLBが3以下のポリグリ
セリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステル
を含有する事を特徴とする請求項1または2記載の粉末
油脂。
Priority Applications (9)
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