JP3897437B2 - マーガリン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油脂固化剤を含有する油脂を原料とするマーガリンに関する。更に詳しくは油脂固化剤を添加することにより油脂の硬さが自在に調整された油脂を含有するマーガリンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マーガリンは油脂と水を必要に応じて無脂乳固形分、糖類、塩類、乳化剤、安定剤等を使用してW/O乳化液とし更に急冷・捏和することに作られる。用途としては、バター代替用、製菓・製パン用、バタークリーム用及び一般家庭用等があげられ、油脂含量によってはファットスプレッドと呼ばれる。使用される油脂としては、乳脂、大豆硬化油、パーム油等で常温である程度硬く固化したものが必要であった。しかし、単なる油脂の配合、水素添加(硬化)ではその融点が上がり、使用しづらく又口解けの悪いものとなる。この点を改良する為に油脂のエステル交換、分別等が行われているが工程が長く、又充分な効果も得られていない。(特開平8−242765、特開平8−332093)一方、乳化剤の添加についても提案されているがその効果は充分とは言えない。(特開平8−187222)
天然に存在する油脂は大豆油、ナタネ油、コーン油、綿実油、オリーブ油等常温で液状の物が多い。しかし、上記液状の物をそのまま使用することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
本発明はマーガリンに使用される油脂を広くすべての天然油脂に求め、さらには配合、水素添加、エステル交換、分別等を行わずに、油脂固化剤の添加により、容易にマーガリン用に適した物性を有する油脂を得てマーガリンを作ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
マーガリン原料用油脂に炭素数20以上の脂肪酸のエステルを油脂固化剤として含有させる事が上記課題を解決するのに有効であり、その固化状態を調整する為にHLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを併用すると更に有効である事を見出し本発明を完成した。すなわち本発明はマーガリン原料用油脂に油脂固化剤を添加し、油脂の硬さを自在に調整した油脂を含有するマーガリンに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明におけるマーガリンとは油脂のW/O乳化物で用途としては、バター代替用、製菓・製パン用、バタークリーム用及び一般家庭用等があげられる。又、その油脂含量は40〜90%ぐらいであるが特に限定されるものではない。
【0006】
本発明における炭素数20以上の脂肪酸のエステルとは例えば、アラキン酸、ベヘニン酸等とプロピレングリコール、グリセリン、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等とのエステルである。具体的には、グリセリンモノベヘニン酸エステル、ソルビタンジアラキン酸エステル等が挙げられるがこれらに限定するものではない。
炭素数19以下の脂肪酸のエステルを使用した場合油脂は充分固化しなかった。
本発明におけるHLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとはトリグリセリンペンタステアレート、ヘキサグリセリンオクタステアレート、デカグリセリンデカパルミテート等をさし、HLB3以下のショ糖脂肪酸エステルはショ糖のパルミチン酸、ステアリン酸エステルをさすが、これらに限定するものではない。これらを併用することで油脂の固化、硬さの調整を一層容易に行うことができる。本発明で言う油脂固化剤は特定の上記脂肪酸エステルを含有するもので、その含量、剤形等は適宜選択すればよく特に限定するものではない。
【0007】
本発明品のマーガリンを製造する際、通常マーガリン用として利用される乳化剤との併用は何らさしさわりなく特に限定されるものではない。その乳化剤とは、例えば食品衛生法でいう、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。
また、本発明の油脂固化剤が適用される油脂は、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、パーム油、ごま油等の植物油および、魚油、乳脂等の動物油があげられるが、これらに限定するものではない。また、上述の油脂を混合、分別、エステル交換、水素添加したものにも適用可能である。
本発明における油脂固化剤の添加量は、油脂に対し、有効成分の添加量として、0.1〜20%好ましくは0.5〜10%である。少なすぎる場合固化せず、多すぎる場合は硬く固化して使用しづらくなる。尚、油脂への固化剤の添加方法については、特に限定するものではなく、油脂中に固化剤が均一に溶解される方法であれば良い。
以下、発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
【0008】
【実施例】
実施例1
下記の配合にてマーガリンを調製した。
油 脂 81.2 %
水 15 %
食 塩 1.5 %
脱脂粉乳 2 %
レシチン 0.3 %
香料,着色料 適 量 %
油脂として、菜種油95%にグリセリンモノベヘニン酸エステル5%を添加したものを使用して、乳化、急冷、捏和を行った。良好な外観・口どけのマーガリンを得た。
【0009】
実施例2
実施例1の油脂をコーン油94%にグリセリンモノベヘニン酸エステル3%とトリグリセリンペンタステアレート3%を添加したものを使用して同様に調製した。良好な外観・口どけのマーガリンを得た。
実施例3
下記の配合にてマーガリン(スプレッド)を調製した。
油 脂 70 %
水 9.5 %
脱脂乳 20 %
レシチン 0.2 %
ソルビタンジステアレート 0.3 %
香料,着色料 適 量 %
油脂として、大豆油50%と乳脂46%にグリセリンモノベヘニン酸エステル2%とヘキサグリセリンオクタステアレート2%添加して、乳化、急冷、捏和を行い良好な外観・口どけのマーガリンを得た。
【0010】
比較例1
実施例1の油脂をコーン油100%に変えて、同様にマーガリンを調製したが固化せず又油脂分離が発生し良好なものは得られなかった。
比較例2
実施例3の油脂をヤシ油50%と乳脂50%を配合したものに変えて同様にマーガリンを得た。
試験例
実施例3、比較例2で得られたバタークリーム用マーガリン(スプレッド)を原料とし下記処方にてバタークリームを調製した。
マーガリン 100 部
砂 糖 100 部
水アメ 20 部
水 30 部
香料,ブランデー 適 量
ホバートミキサーを使用して、マーガリンにその他原料を徐々に添加、混練を行いバタークリームを得た。その評価結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
表1の結果から明らかなように本発明品(実施例3)は口どけ、保型性にすぐれたバタークリーム用マーガリンであった。
本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙げれば以下のとおりになる。
(1)油脂固化剤を含有する油脂を原料とすることを特徴とするマーガリン。
(2)油脂固化剤が炭素数20以上の脂肪酸のエステルであることを特徴とする前記(1)記載のマーガリン。
(3)前記(1)記載の油脂固化剤がグリセリンモノベヘニン酸エステルを含有するものであるマーガリン。
(4)前記(1)記載の油脂固化剤がソルビタンジアラキン酸エステルを含有するものであるマーガリン。
(5)油脂固化剤にHLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを含有する事を特徴とする前記(1)〜(5)いずれか記載のマーガリン。
(6)炭素数20以上の脂肪酸のエステルを含有するマーガリン油脂固化剤。
(7)グリセリンモノベヘニン酸エステルを含有するマーガリン用油脂固化剤。
(8)ソルビタンジアラキン酸エステルを含有するマーガリン用油脂固化剤。
(9)前記(1)〜(5)いずれか記載のマーガリンを含有するパン。
(10)前記(1)〜(5)いずれか記載のマーガリンを含有する菓子。
【0013】
【発明の効果】
本発明による配合、水素添加、エステル交換、分別等を行うことなくマーガリンに適した物性を有し、硬さが調整された油脂を含有するマーガリンを得ることができ産業上極めて有益である。
Claims (2)
- アラキン酸、ベヘニン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種と、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリンからなる群より選ばれた少なくとも1種とから選ばれるエステル化合物である油脂固化剤と常温で液体である油脂を含有するマーガリン。
- 油脂固化剤が、HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを含有するものであることを特徴とする請求項1記載のマーガリン。
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