JP2000119039A - 電極被覆用低融点ガラス粉末およびプラズマディスプレイ装置 - Google Patents
電極被覆用低融点ガラス粉末およびプラズマディスプレイ装置Info
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Abstract
電極を保護するために形成される透明性の高いガラス被
覆層を提供する。 【解決手段】積算ふるい下10%径が1.0μm以下、
50%径が0.3〜5.0μm、積算ふるい下90%径
が10.0μm以下、である粒度を有し、軟化点が48
0〜620℃である電極被覆用低融点ガラス粉末。
Description
ープされた酸化インジウム)または酸化スズ(フッ素、
アンチモン、等がドープされた酸化スズを含む)等の透
明電極を絶縁被覆するのに適した低融点ガラス粉末、お
よびプラズマディスプレイ装置に関する。
目を集めている。このような表示装置においては、画像
を形成する画素における表示状態を制御するために各画
素に電極を形成しなくてはならない。画像の質の低下を
防ぐために、このような電極として透明電極が用いられ
ている。透明電極としては、板ガラス表面上に形成され
たITOまたは酸化スズの薄膜が多く用いられる。
においては、精細な画像を実現するために細い線状に加
工される。そして各画素を独自に制御するためには、こ
のような微細に加工された透明電極相互の絶縁性を確保
する必要がある。ところが、板ガラスの表面に水分が存
在したり板ガラス中にアルカリ成分が存在したりする場
合、透明電極間に板ガラス表面を介して若干の電流が流
れてしまう場合がある。このような電流を防止するに
は、透明電極間に絶縁層を形成することが有効である。
画像の質の低下を防ぐためには、この絶縁層は透明であ
ることが好ましい。
ては種々のものが知られているが、なかでも、透明であ
り信頼性の高い絶縁材料であるガラスが広く用いられて
いる。ガラスを用いて被覆する方法としては、スパッタ
法等高真空下で被膜する方法もあるが、ガラス粉末と有
機ビヒクルを混練したペースト状インク(以下ガラスペ
ーストという。)を塗布し焼成する方法が経済的に好ま
しい。
して期待されているプラズマディスプレイ装置(典型的
には、前面基板、背面基板および隔壁によりセルが区画
形成されており、セル中でプラズマ放電を発生させるこ
とにより画像を形成する表示装置)の前面基板において
は、前記透明電極をプラズマから保護するプラズマ耐久
性に優れたガラス被覆層が必須である。
23530号)には、ガス・パネル表示装置の製造に用
いられる誘電体ガラス組成物として、62.4〜69.
6重量%のPbO、13.6〜20.0重量%のB
2O3、5.8〜13.6重量%のSiO2、0.2〜
1.0重量%のAl2O3、を必須とする誘電体ガラス組
成物が開示されている。
ラズマディスプレイパネル)の背面基板の導体上にオー
バーコートした際に結晶化することなく下の導体が見え
るガラス組成物として、室温〜300℃の熱膨張係数が
62×10-7〜76×10-7/℃であり、60〜70重
量%のPbO、12〜17重量%のSiO2、8〜15
重量%のB2O3、5〜12重量%のZnO、0.1〜5
重量%のAl2O3、からなるガラス組成物が開示されて
いる。そして、ガラス粉末の粒径が0.5μmより小さ
いとペースト化が困難になり、5μmより大きいと焼成
時充分流動して緻密な厚膜を形成することが困難になっ
て厚膜中にボイドを生じやすくなり、いずれも好ましく
ない、と記載されている。
Pの製造に用いられる透明性・透視性に優れた被膜形成
用低融点ガラスとして、2〜7重量%のSiO2、15
〜25重量%のB2O3、0〜8重量%のAl2O3、3〜
15重量%のZnO、60〜75重量%のPbOを含有
し、CaO+MgO+SrO+BaOが0〜6重量%で
あり、軟化点が450〜480℃、熱膨張係数が77×
10-7〜90×10-7/℃である被膜形成用低融点ガラ
スが開示されている。
開平7−105855に開示されているように、一般に
2層構造とされる。前記透明電極に直接接触する下層の
ガラス層はより高い軟化点Θ11(たとえば580℃)を
有する低融点ガラスを主成分とし、より高い焼成温度Θ
21(たとえば550〜560℃)で焼成される。下層の
ガラス層を被覆する上層のガラス層はより低い軟化点Θ
12(たとえば470℃)を有する低融点ガラスを主成分
とし、下層のガラス層形成後、より低い焼成温度Θ
22(たとえば530℃)で焼成される。
ることにより、焼成時のガラス層と電極材料との反応に
よる泡発生を防止できる、とされる。また、焼成温度Θ
22を軟化点Θ12より高く設定することにより、上層のガ
ラス層表面をより平坦にできる、とされる。なお、本発
明者らは、2層構造の上層のガラス層形成に際し焼成温
度を該上層のガラス層の軟化点より高くすることによ
り、該上層のガラス層中の泡の浮上もあわせて促進しそ
の除去を図っている、と推定している。
いたガラスペーストをガラス基板上に塗布し、これを焼
成してガラス被覆層を形成した前面基板は、透明性が低
かった。また、従来のような2層構造のガラス被覆層に
あっては、単層構造のガラス被覆層の場合に比べ、工程
が増加する、等の問題があった。本発明は、以上のよう
な問題を解決する、電極被覆に適した低融点ガラス粉末
およびプラズマディスプレイ装置の提供を目的とする。
10%径が1.0μm以下、50%径が0.3〜5.0
μm、積算ふるい下90%径が10.0μm以下、であ
る粒度を有し、かつ軟化点が480〜620℃である低
融点ガラスの粉末を含有する、電極被覆用低融点ガラス
粉末、を提供する。
れており、軟化点が480〜620℃である低融点ガラ
スからなるガラス層により該透明電極が被覆されている
前面基板を有するプラズマディスプレイ装置であって、
前記前面基板は、波長550nmの光の透過率が70%
以上、濁度が20%以下、であるプラズマディスプレイ
装置(本発明のプラズマディスプレイ装置の第1の態
様)、および、ガラス基板上の透明電極が、軟化点が4
80〜620℃である低融点ガラスからなるガラス層に
より被覆されているプラズマディスプレイ装置であっ
て、該ガラス層に存在する直径10μm以上の泡の泡密
度が5×103個/mm3以下であるプラズマディスプレ
イ装置(本発明のプラズマディスプレイ装置の第2の態
様)、を提供する。
ラス被覆層について鋭意研究を重ねた結果、ガラス被覆
層の透明性がガラス被覆層中の泡に大きく左右されるこ
とを見出した。さらに、ガラス被覆層中の泡が、ガラス
ペースト焼成時にガラスから発生するものではなく、焼
成前のガラスペースト塗布層中に存在するガラス粒子間
の空隙が、焼成時にガラス粒子が軟化流動にともない球
形になったものであることを見出し、本発明に至った。
時に起る透明電極の電気特性劣化が、透明電極を焼成工
程の早い段階でガラスにより完全に被覆することにより
防止できる、すなわち軟化点の低いガラスの粉末を含有
するガラスペーストを塗布し、焼成して透明電極を被覆
することにより防止できることを見出し、本発明に至っ
た。
0%径D10とは、粒度分布を表わす体積基準・積算分布
曲線の10%に相当する粒子径であり、50%径D50と
は、粒度分布を表わす体積基準・積算分布曲線の50%
に相当する粒子径であり、積算ふるい下90%径D90と
は、粒度分布を表わす体積基準・積算分布曲線の90%
に相当する粒子径である。
80〜620℃のガラスである。本発明でいう低融点ガ
ラス粉末は、このような低融点ガラスの粉末であり、6
20℃以下の焼成温度で透明電極を緻密に被覆できる。
620℃を超えるような焼成温度で透明電極の被覆を行
なうと透明電極が低融点ガラスによって著しく侵食さ
れ、透明電極の電気特性が劣化する問題が生じる。
の電極被覆用低融点ガラス粉末(以下単に低融点ガラス
粉末という。)、印刷性を付与するための有機ビヒク
ル、等からなる。
0μm以下、D50が0.3〜5.0μm、D90が10.
0μm以下、である。D10が1.0μmより大、または
D50が5.0μmより大、またはD90が10.0μmよ
り大、である場合、ガラスペーストを塗布して形成した
塗布層中の、低融点ガラス粉末のガラス粒子間の空隙が
増加し、その結果焼成によって形成されたガラス被覆層
中の泡が増加する。D 50は、好ましくは3.4μm以
下、より好ましくは2.5μm以下、特に好ましくは
1.6μm以下、である。
原因は、ガラス粒子径の増大およびガラス粒子の充填率
の低下である。また、D50が0.3μmより小である場
合、低融点ガラスの粉砕に要する時間が過大となり、コ
ストが増加する。好ましくは0.5μm以上、より好ま
しくは0.8μm以上、である。また、D90は、好まし
くは9.5μm以下である。
点が480〜620℃であるガラスの粉末を用いる。理
由は以下のとおりである。
ラス基板上にITOまたは酸化スズ等の薄膜を透明電極
として形成する場合、そのようなガラス基板に用いられ
るガラスとしてはガラス転移点が550〜620℃のも
のが広く用いられている。この場合、ガラス基板の熱変
形を避けるために、透明電極被覆のためのガラスペース
トの焼成は焼成温度620℃以下で行なわれる。この場
合、ガラスペースト中の低融点ガラス粉末の軟化点は、
該低融点ガラスが充分軟化流動するためには、620℃
以下でなければならない。また、焼成工程の早い段階で
透明電極を低融点ガラスにより完全に被覆し透明電極の
電気特性劣化を防止するためにも、ガラスペースト中の
低融点ガラス粉末の軟化点は620℃以下でなければな
らない。前記軟化点は、好ましくは600℃以下、より
好ましくは590℃以下である。
て、ITOまたは酸化スズ等の透明電極のみでは電気抵
抗が高すぎる場合、これら透明電極上にAgやAlや3
層構造のCr−Cu−Cr等の金属層(以下金属電極と
いう。)を形成する場合がある。このような金属電極が
形成されている場合、軟化点が480℃未満のガラスの
粉末を含有するガラスペーストを焼成して金属電極を被
覆すると、これら金属電極が侵食されたり、金属電極の
存在を介してITOや酸化スズ等の透明電極の侵食が促
進されたりするおそれがある。前記軟化点は、好ましく
は500℃以上、より好ましくは530℃以上、特に好
ましくは550℃以上である。
の平均線膨張係数(以下単に膨張係数という。)が80
×10-7〜90×10-7/℃であるガラス基板が広く用
いられている。このような場合、ガラス基板との膨張特
性をマッチングさせガラス基板のそりや強度の低下を防
止するために、膨張係数が60×10-7〜90×10 -7
/℃の低融点ガラスの粉末を用いることが好ましい。
ラス基板に過大な引張応力が、またガラス被覆層に過大
な圧縮応力がそれぞれはたらき、前面基板が破損するお
それがある。より好ましくは65×10-7/℃以上、特
に好ましくは70×10-7/℃以上である。90×10
-7/℃超では、ガラス基板に過大な圧縮応力が、またガ
ラス被覆層に過大な引張応力がはたらき、やはり前面基
板が破損するおそれがある。より好ましくは85×10
-7/℃以下、特に好ましくは80×10-7/℃以下であ
る。
物基準の重量%表示で、PbO:40〜80%、B
2O3:0〜25%、SiO2:10〜60%、MgO:
0〜15%、CaO:0〜15%、ZnO:0〜25
%、Al2O3:0〜15%、から実質的になる低融点ガ
ラスの粉末を用いることが好ましい。
は、PbO:50〜75%、B2O3:0〜13%、Si
O2:17〜40%、MgO:0〜10%、CaO:0
〜10%、ZnO:0〜10%、Al2O3:0〜10
%、からなり、特に好ましくは、PbO:55〜70
%、B2O3:0〜7.5%、SiO2:20〜35%、
MgO:0〜5%、CaO:0〜5%、ZnO:0〜5
%、Al2O3:0〜9%、からなる。
に%と表記して説明する。PbOは軟化点を下げるため
の必須成分である。40%に満たない場合は、軟化点が
620℃を超え焼成温度620℃以下での透明で緻密な
被覆の形成が困難となる。好ましくは50%以上、より
好ましくは55%以上である。80%を超える場合は、
ガラス被覆層が黄色に着色するおそれがある。好ましく
は、75%以下、より好ましくは70%以下である。
する成分であり、25%以下の範囲で含有できる。25
%を超えて含有すると、ガラスの流動性が増大し、IT
Oや酸化スズ等の透明電極を被覆する際の低融点ガラス
の侵食性が著しく増大する。好ましくは13%以下、よ
り好ましくは7.5%以下である。
成分であるが、60%を超えるとガラスの軟化点が62
0℃を超える。好ましくは40%以下、より好ましくは
35%以下である。10%に満たないとPbO量が多く
なりすぎ、低融点ガラスが黄色に着色するおそれがあ
る。好ましくは17%以上、より好ましくは20%以上
である。
する成分であり、15%以下の範囲で含有できる。15
%を超えて含有すると、ガラスが失透しやすくなり、製
造が困難となるおそれがある。好ましくは10%以下、
より好ましくは5%以下である。
する成分であり、15%以下の範囲で含有できる。15
%を超えて含有すると、ガラスが失透しやすくなり、製
造が困難となるおそれがある。好ましくは10%以下、
より好ましくは5%以下である。
ために25%以下の範囲で含有できる。25%を超える
と、ガラス中に結晶が析出し低融点ガラスの透明性が低
下するおそれがある。好ましくは10%以下、より好ま
しくは5%以下である。
化する成分であり、15%以下の範囲で含有できる。1
5%を超えて含有すると、ガラスが失透しやすくなり、
製造が困難になるおそれがある。好ましくは10%以
下、より好ましくは9%以下である。
に上記成分からなるが、この他にも、膨張係数、軟化
点、の調整、化学的耐久性、透明性、ガラス安定性の向
上、のために、SrO、BaO、La2O3、TiO2、
SnO2、ZrO2、CeO2、を合量で5%を超えない
範囲で適宜含有させうる。また、Li2O、Na2O、K
2O等のアルカリ金属酸化物やF等のハロゲン成分も、
ガラスの軟化点を低下させる成分として、絶縁性等を阻
害しない範囲で、合量で5%まで含有させ得る。
の態様においては、前面基板の透明電極は、本発明の低
融点ガラス粉末に関連して先に述べた理由により、軟化
点が480〜620℃である低融点ガラスにより被覆さ
れている。
が70%未満では、プラズマディスプレイ装置の画質が
低下する。好ましくは75%以上、より好ましくは78
%以上、特に好ましくは80%以上である。また、前面
基板の濁度が20%超でも、プラズマディスプレイ装置
の画質が低下する。好ましくは18%以下、より好まし
くは16%以下、特に好ましくは15%以下である。な
お、前面基板に使用されるガラス基板自体の前記透過率
および濁度の代表的な値は、ガラス基板厚さ2.8mm
の場合、それぞれ90%、0.4%である。
の帯状であり、それぞれの帯状電極が平行するように形
成される。各帯状電極中心線間の距離は、たとえば0.
83〜1.0mmであり、この場合、透明電極がガラス
基板表面を占める割合は50〜60%である。
の態様においても、前面基板の透明電極は、同じく先に
述べた理由により、軟化点が480〜620℃である低
融点ガラスにより被覆されている。
する直径10μm以上の泡の泡密度が5×103個/m
m3超では、ガラス層の光透過率が低下し、プラズマデ
ィスプレイ装置の画質が低下する。また、ガラス層中に
存在する泡は絶縁破壊の大きな要因であり、ガラス層の
耐電圧特性が低下する。好ましくは、3×103個/m
m3以下である。ここで泡密度とは、ガラス層1mm3当
りの泡の個数である。
の態様または第2の態様において透明電極を被覆するガ
ラス層は、本発明の低融点ガラス粉末を含有するガラス
ペーストを塗布して焼成することにより形成することが
好ましい。
ある低融点ガラスを用いて透明電極を被覆するため、低
融点ガラス被覆層による透明電極侵食のおそれが少な
く、したがって透明電極の被覆層を単層構造とすること
ができる。なお、従来の2層構造の下層を、軟化点が4
80〜620℃である低融点ガラスにより形成し、か
つ、前面基板の、波長550nmの光の透過率が70%
以上、濁度が20%以下、となるようにしてもよい。ま
た、前記下層を、軟化点が480〜620℃である低融
点ガラスにより形成し、かつ、該下層に存在する直径1
0μm以上の泡の泡密度が5×103個/mm3以下とし
てもよい。
とえば交流方式のものであれば次のようにして製造され
る。図1に示すように、ガラス基板1aの表面にパター
ニングされた透明電極2およびバス線(図示せず)を形
成したのち、本発明の低融点ガラス粉末を塗布・焼成し
てガラス層3を形成し、最後に保護膜として酸化マグネ
シウムの層(図示せず)を形成し、前面基板10とす
る。一方、ガラス基板1bの上には、パターニングされ
たアドレス用電極5を形成したのち、ストライプ状に隔
壁6を形成し、さらに蛍光体層4を印刷・焼成して背面
基板20とする。
ル材(図示せず)をディスペンサで塗布し、透明電極2
とアドレス用電極5が対向するように組み立ててパネル
化し、焼成してプラズマディスプレイ装置とする。そし
てプラズマディスプレイ装置内部を排気して、放電空間
7にNeやHe−Xeなどの放電ガスを封入する。な
お、上記の例は交流方式のものであるが、本発明は直流
方式のものにも適用できる。
に、酸化鉛、無水ホウ酸、ケイ砂、酸化亜鉛、炭酸カル
シウム、酸化マグネシウム、アルミナを混合し、130
0℃の白金ルツボ中で1時間溶融し、薄板状ガラスに成
形した後、ボールミルで粉砕し、低融点ガラス粉末を得
た。その粒度D10、D50、D90(単位:いずれもμ
m)、軟化点(単位:℃)、膨張係数(単位:10-7/
℃)、を表に示す。
ラック製のマイクロトラック(商品名)を用いてJIS
R1629に則りレーザ光回折法で測定した。 軟化点:示差熱分析計を用いてを測定した。 膨張係数:低融点ガラス粉末を成形後、530〜580
℃で10分間焼成して得た焼成体を直径5mm、長さ2
cmの円柱状に加工し、熱膨張計で50〜350℃の平
均線膨張係数を測定した。
レングリコールモノブチルエーテルアセテートまたはα
−テルピネオールにエチルセルロースを7〜12重量%
溶解した有機ビヒクル25gと混練し、ガラスペースト
を作製した。
のITO透明電極を、各ITO透明電極の中心線間距離
が1.0mmとなるように平行に多数形成した、大きさ
10cm×10cm、厚さ2.8mmのソーダライムシ
リカガラスのガラス基板を用意した。ITO透明電極が
形成されている30mm×30mmの部分に該ガラスペ
ーストを均一にスクリーン印刷後、120℃で10分間
乾燥した。このガラス基板を昇温速度10℃/分で、表
に示す焼成温度(単位:℃)に加熱し、さらにその温度
に10分間維持して、焼成した。透明電極を被覆するガ
ラス層の厚さは約10μmであった。
%)、濁度(単位:%)および泡数(単位:個/m
m2)を測定した。以下に定義する泡密度(単位:103
個/mm3)を含めて、結果を表に示す。
光光度計U−3500(積分球型)を用いて波長550
nmの光の透過率を測定した。サンプルのない状態を1
00%とし、ガラス基板上に低融点ガラス粉末を焼成し
たサンプルの透過率を測定した。70%以上あれば合格
とした。
(ハロゲン球を用いたC光源)を使用。ハロゲン球から
の光をレンズを通して平行光線とし、サンプルに入射さ
せ、積分球により全光線透過率Ttと拡散透過率Tdを測
定した。濁度は、 濁度(%)=(Td/Tt)×100 により算出した。20%以下であれば合格とした。
層を光学顕微鏡(透過光)を用いて倍率500で写真撮
影し、得られた写真中の泡をカウントし、ガラス層の表
面1mm×1mmあたりの泡数N(個/mm2)を求め
た。泡密度は、膜厚を10μmとして、 泡密度(×103個/mm3)=N/10 により算出した。泡密度は5×103個/mm3以下であ
れば合格とした。
5a、6a、7a、8〜18は実施例、例1b、2b、
3b、4b、5b、6b、7b、19は比較例である。
すべての比較例の粒度は、本発明の電極被覆用低融点ガ
ラス組成物の低融点ガラス粉末の粒度の範囲外である。
により、ITO等の透明電極または金属電極等各種電極
の特性を低下させることなく絶縁被覆できる。また、本
発明の低融点ガラス粉末により得られる絶縁被覆ガラス
層は透明性・透視性に優れ、平面ディスプレイ用途に好
適である。また、本発明のプラズマディスプレイ装置に
おいては、透明電極または金属電極を被覆するガラス層
による画質の低下はなく、また耐電圧特性の低下もな
い。
図。
Claims (5)
- 【請求項1】積算ふるい下10%径が1.0μm以下、
50%径が0.3〜5.0μm、積算ふるい下90%径
が10.0μm以下、である粒度を有し、かつ軟化点が
480〜620℃である電極被覆用低融点ガラス粉末。 - 【請求項2】酸化物基準の重量%表示で、PbO:40
〜80%、B2O3:0〜25%、SiO2:10〜60
%、、MgO:0〜15%、CaO:0〜15%、Zn
O:0〜25%、Al2O3:0〜15%、から実質的に
なる請求項1、2または3に記載の電極被覆用低融点ガ
ラス粉末。 - 【請求項3】ガラス基板表面に透明電極が形成されてお
り、軟化点が480〜620℃である低融点ガラスから
なるガラス層により該透明電極が被覆されている前面基
板を有するプラズマディスプレイ装置であって、前記前
面基板は、波長550nmの光の透過率が70%以上、
濁度が20%以下、であるプラズマディスプレイ装置。 - 【請求項4】ガラス基板上の透明電極が、軟化点が48
0〜620℃である低融点ガラスからなるガラス層によ
り被覆されているプラズマディスプレイ装置であって、
該ガラス層に存在する直径10μm以上の泡の泡密度が
5×103個/mm3以下であるプラズマディスプレイ装
置。 - 【請求項5】請求項1または2に記載の電極被覆用低融
点ガラス粉末を焼成して得られる低融点ガラスにより、
ガラス基板表面の50〜60%の部分に形成された透明
電極が被覆されている前面基板を有し、該前面基板は、
波長550nmの光の透過率が70%以上、濁度が20
%以下、であるプラズマディスプレイ装置。
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JP10-31705 | 1998-08-10 | ||
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JP10-226241 | 1998-08-10 | ||
JP2123099A JP4151143B2 (ja) | 1998-02-13 | 1999-01-29 | 電極被覆用低融点ガラス粉末およびプラズマディスプレイ装置 |
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