JP2000117785A - 樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
する。 【解決手段】樹脂成形体1に開口部2を設けるととも
に、樹脂成形体1の裏面で開口部2よりも注入溶融樹脂
の流れ方向Cにおける下流側に第1凹部3及びそのさら
に下流側に模様部5を設ける。模様部5を構成する複数
の第2凹部4はそれぞれ流れ方向Cに対して直交する方
向に形成された縦溝状であり、かつ第1凹部3及び第2
凹部4によって、開口部2の下流側の樹脂成形体1に薄
肉部を形成する。注入溶融樹脂は開口部2で分流後、そ
の下流側で合流するが、ここで第1凹部3及び模様部5
により流れを乱されるためウェルド6を生じにくくな
る。
Description
形され樹脂成形体であって、ウェルドの発生を少なくし
たものに関する。
トの射出形成に際して、金型のゲート近傍に周辺の肉厚
よりも薄い肉厚の堰を設けることにより、ゲート近傍に
発生するウェルドを少なくすることが開示されている。
しない樹脂成形体の一例であり、自動2輪車の外装部品
とし全体が均一な肉厚をなす薄板状に射出成形されてい
る。なお、図中のaはその表面側、bは裏面側をそれぞ
れ示す。b中に誇張して示すゲートGは、ほぼ成形品裏
側中央部の最も外観されにくい位置に設けられ、この樹
脂成形体1はゲートGから十分に離れた位置に複数の開
口部2を備え、この開口部2から注入溶融樹脂の流れ方
向に沿って下流側へウエルド6が形成されている。この
ウエルド6は強く明瞭であり、かつ外観性を損なってし
まうので、このままでは使用できず塗装が必要になる。
特に、外観性を重視される車両用の着色樹脂成形体にお
いては、ウエルドが目立ちやすいため塗装が必須とな
る。
入された溶融樹脂が何らかの原因で分流し、その後合流
することにより、この合流部分に発生する流線状の模様
であり、上記多点ゲート式の射出成形の場合にはゲート
の近傍に発生し易い。
近傍に限らず、上記図2のように開口部がある場合、こ
れのための金型の成形部が注入溶融樹脂の流れを分流さ
せる原因となるため、開口部の下流側にもウエルドが発
生する。しかもゲートより遠くなるほど樹脂の温度低下
や流動速度が遅くなるのでさらにウェルドの現れ方が顕
著になる。なお、このような分流発生は開口部に限らず
リブやボス等の突起部でも生じる。
位置する分流部に対しては前記堰によるウェルド防止は
あまり効果が無く、他の何らかの有効なウェルド抑止手
段が望まれている。本願は係る要請を充足するものであ
る。
本願の樹脂成形体に係る第1の発明は、樹脂注入部と離
間した部分にウエルド発生原因となる注入溶融樹脂の分
流部が存在する樹脂成形体において、前記分流部に近接
するとともにこの分流部から注入溶融樹脂の流れ方向下
流側に、注入溶融樹脂の流れ方向に沿って肉厚が変化す
る肉厚変化部を設けたことを特徴とする。このとき、分
流部を樹脂成形体の開口部とすることができる。また、
肉厚変化部を裏面に形成させることができる。
化部として、薄板状をなす成形体の一部肉厚を減じて形
成されるとともに分流部に最も近接して位置する凹部で
ある第1凹部にすることができる。さらに、この第1凹
部の肉厚を一般肉厚の略半分程度にすることができる。
化部が、第2の発明における第1凹部と、これに続く注
入溶融樹脂の流れ方向下流側に形成された模様部とを備
え、この模様部が上記第1凹部から一般肉厚部に至る肉
厚変化を伴う過渡的部分であるようにしたことを特徴と
する。この場合、第1凹部と模様部との間に所定間隔を
設けるようにすることができる。
を、上記第1凹部に続いて注入溶融樹脂の流れ方向下流
側に形成された段部又は傾斜部としたことを特徴とす
る。
を、波状形状にするとともに、その凹凸部が注入溶融樹
脂の流れ方向と略直交する方向へ延びるように形成した
ことを特徴とする。
を、不規則形状の溝を有するように形成したことを特徴
とする請。
して分流部が存在しても、この分流部から注入溶融樹脂
の流れ方向下流側に、注入溶融樹脂の流れ方向に沿って
肉厚が変化する肉厚変化部を設けたので、分流した注入
溶融樹脂はこの肉厚変化部上で合流し、その際、注入溶
融樹脂の流れ方向にランダムな変化をもたらせ、その結
果、ウェルドの発生を分断させて外観に目立たせなくす
ることができる。なお、本願発明においてウエルドの抑
制とは、数の削減のみならず、このような目立たなくす
ることも含むものとする。
すれば、開口部を形成してもウエルドの発生を抑制でき
る。また、肉厚変化部を裏面に形成させることができ、
これにより肉厚変化部を設けても外観性を損なわないよ
うにできる。
分流部に最も近接して位置する第1凹部を形成したの
で、注入溶融樹脂はこの第1凹部上で合流することによ
り、ウェルドの発生を抑制できる。しかも、この第1凹
部を樹脂成形体の一部肉厚を減じて形成することによ
り、薄板状をなす樹脂成形体に対して容易に形成でき
る。また、第1凹部の肉厚を一般肉厚の略半分程度にす
ればウエルドの発生をより効果的に抑制できる。
凹部と模様部で構成し、この模様部が上記第1凹部から
一般肉厚部に至る肉厚変化を伴う過渡的部分であるの
で、第1凹部から一般肉厚部へ至る間に模様部によって
さらに注入溶融樹脂の流れをランダムに変化させてウエ
ルドを抑制できる。この場合、第1凹部と模様部との間
に所定間隔を設けるようにすれば、より効果的にウエル
ドの発生を抑止できる。
は傾斜部としたので、第1凹部から一般肉厚部へ向かっ
て徐々に肉厚を復活させるとともに、注入溶融樹脂の流
れをランダムにすることができる。
することにより、注入溶融樹脂の流れ方向へ凹凸を反復
形成でき、しかもその凹凸部が注入溶融樹脂の流れ方向
と略直交する方向へ延びるため、ウエルドを細かく細分
化して目立たないようにできる。
形成したので、模様部上における注入溶融樹脂の流れを
さらにランダム化できる。
説明する。図1は本実施例に係る自動2輪車用外装部品
として構成された樹脂成形体を示し、aはその表側、b
はその裏側を示す。図3は図1の3−3線断面図、図4
乃至図6はそれぞれウェルド抑止手段の変形例を示す。
なお、図2と共通する部分は共通符号を用いる。
体1は射出成形で形成された薄板状をなし、図2のbに
示したものと同様のゲートGから十分に離れて位置する
複数の開口部2を備え、その裏側で注入溶融樹脂の流れ
方向Cにおける開口部2の下流側部分に縦縞状の第1凹
部3と、さらにその後方に複数の第2凹部4からなる模
様部5が形成されている。
形成されている部分は薄肉部Aをなし、模様部5を構成
する複数の第2凹部4のうち、第1凹部3に隣接する第
2凹部4部分の形成部分が薄肉部Bをなしている。
あり、他の部分の平均的な肉厚である一般肉厚Tに対し
て、略1/2程度になっている。この程度の肉厚変化が
樹脂成形体1の成形性とウエルド抑制を効果的にバラン
スさせることができる。但し、これより大きくても小さ
くてもよい。
の間隔Dに対する第1凹部3の流れ方向の幅Wは同程度
以上が好ましく、本例では約2倍となっている。ちなみ
に、本実施例ではDが5〜10mm程度、Wが10mm
以上である。但し、この数値は使用樹脂や種々の成形条
件により適宜変更される。なお、模様部5における第2
凹部4の幅並びに注入溶融樹脂の流れ方向における模様
部5の長さには特に制限がない。
に配列された互いに平行な第2凹部4からなり、各第2
凹部4は注入溶融樹脂の流れ方向Cに対して直交する方
向へ延びている。図1のbに示すように裏面側には各第
2凹部4を横断するように切れ切れの横線としてウェル
ド6が生じている。また、図1のaに示すように表面側
にも短く弱い線としてウエルド6が現れているが、ほぼ
外観上支障のない程度になっている。
示すようにゲートから射出により金型内へ注入された注
入溶融樹脂は矢印Cの方向へ流れ、開口部2に相当する
金型の成形部部分で分流し、その後、下流側で再び合流
する。
し、ここで合流部の流れが大きく乱れるため、ウェルド
が生じにくくなる。さらに第1凹部3の下流には、複数
の第2凹部4からなる模様部5が存在し、ここでも十分
に乱され、その結果、開口部2の下流側におけるウェル
ドの発生を抑制する。したがって、開口部2を有する樹
脂成形体1を外観良好に成形できる。
入溶融樹脂の流れ方向Cと略直交するため、注入溶融樹
脂の流れを乱しやすくなるので、ウエルド抑制に対して
さらに効果的である。
少なく、かつ弱く短いものにできるので、目立ちにくく
させることができ、着色樹脂であっても塗装を省略でき
るか、又は軽く簡単に塗装する程度で済むことになる。
但し、無彩色の非着色樹脂であってもよいことは当然で
ある。
それぞれtであり、かつ一般肉厚Tの略1/2となるよ
うに、第1凹部3が樹脂成形体1の一部肉厚を減じて形
成されることにより、薄板状をなす樹脂成形体1に対し
て容易に形成でき、ウエルド6の発生をより効果的に抑
制できる。
が抑制される現象を、コンピュータシミュレーションに
基づき、さらに詳細に説明する。図9は、このシミュレ
ーションに使用する樹脂成形体のテストピース20につ
き、aにその表側、bにその裏側を示す図である。
をなす平板状であり、その注入溶融樹脂は長手方向一端
側から他端側へ向かって流れ、中間部には開口部2が表
裏を貫通し、かつ裏側に第1凹部3及び第2凹部4が設
けられ、第1凹部3及び第2凹部4部分は薄肉部A及び
薄肉部Bになっている。
部3及び第2凹部4を欠く点でのみ相違し他の点は同一
にした比較例を射出形成する際における注入溶融樹脂の
流速ベクトルを示す図であり、図11は、その開口部2
下流側中央部における11−11線断面の流速ベクトル
を示す。
示し、かつ長さは流速を示す。この図に明らかなよう
に、開口部2の下流側で開口部2を回り込んで互いに反
対側より合流した注入溶融樹脂は、ほぼ均一な層流にな
って中央部を整然と流れ、この流れが、温度が低下する
に従って流れ方向へ延びるウェルドラインとなって出現
することになる。
0の成形シミュレーションであり、それぞれ図10及び
図11に対応している。これらの図に示すように、開口
部2の下流側中央部における合流部の流れが大きく乱れ
る。
A、薄肉部Bの存在により、肉厚変化に伴って流速変化
が生じ、この変化により縦渦(肉厚と平行な平面内にお
ける渦巻き)が発生することによる。
び温度の低下した部分でも、注入溶融樹脂の流れがラン
ダムになり、注入溶融樹脂が十分に撹拌されるため、ウ
ェルドの発生を抑制する。
状及び構造が可能である。図4は断面形状が例えば正弦
波のような規則的な波形をなし、各谷間が第2凹部4と
なっている。但し、第2凹部4の深さは第1凹部3の深
さとほぼ同じであり、薄肉部A及び薄肉部Bの肉厚はそ
れぞれtであり、かつ一般肉厚Tの略1/2となってい
る。
各凹部は同じであるが、そのうちの開口部2に近い凹部
を第1凹部3とし、他の凹部を第凹部4とするものであ
る。また、模様部5の波形の振幅方向及び凹凸部の長さ
方向それぞれは注入溶融樹脂の流れ方向Cに対して直交
している。
凹部4によって構成され、第2凹部4は注入溶融樹脂の
流れ方向下流側へ向かって次第に浅くなるように形成さ
れている。この場合、第2凹部4の底部の幅はそれぞれ
一定であっても、逆に不規則であってもよい。
よい。このようにすると、第1凹部3から一般肉厚部へ
向かって徐々に肉厚を復活させるとともに、注入溶融樹
脂の流れをランダム化できる。また、薄肉部Aと薄肉部
Bの肉厚はtであり、一般肉厚Tの略1/2であること
は同じである。
これに囲まれたブロック状の凹部で形成した例であり、
このうち開口部2に近い凹部を第1凹部3とし、他の凹
部を第2凹部4とする(本図において第1凹部3及び第
2凹部4は各一部を指示している)。これらの凹部の各
肉厚は略等しく、すなわち薄肉部A,Bが略等しい肉厚
tをなし、一般肉厚Tの略1/2である。
及び第2凹部4は種々な形状が可能であり、例えば三角
や多角形にもできる。また、凹凸を逆にして凹部を連続
させ、突部をブロック状にすることもできる。さらに、
模様部5全体を格子状の溝やアヤメ状の溝で形成しても
よい。このようにブロック状の凹凸形状や分布密度等を
変更することにより注入溶融樹脂の流れをランダム化で
きる。
4の形状及び隣接間隔が不規則に形成されている例であ
る。このようにすればさらに注入溶融樹脂の流れをラン
ダム化できる。
例であり、第2凹部4が一種の皮シボ状に形成されてい
る。このようにすると注入溶融樹脂の流れを著しくラン
ダム化できる。
種々可能であり、例えば、分流部は、リブやボス等の突
起部であってもよい。
示す図
裏側を示す図
ベクトルを示す図
凹部、5:模様部、6:ウェルド
示す図
裏側を示す図
ベクトルを示す図
凹部、5:模様部、6:ウェルド
Claims (11)
- 【請求項1】樹脂注入部と離間した部分にウエルド発生
原因となる注入溶融樹脂の分流部が存在する樹脂成形体
において、前記分流部に近接するとともにこの分流部か
ら注入溶融樹脂の流れ方向下流側に、注入溶融樹脂の流
れ方向に沿って肉厚が変化する肉厚変化部を設けたこと
を特徴とする樹脂成形体。 - 【請求項2】上記分流部が開口部であることを特徴とす
る請求項1に記載の樹脂成形体。 - 【請求項3】上記肉厚変化部が裏面に形成されているこ
とを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形体。 - 【請求項4】上記肉厚変化部は、薄板状をなす成形体の
一部肉厚を減じて形成されるとともに分流部に最も近接
して位置する凹部である第1凹部を有することを特徴と
する請求項2に記載の樹脂成形体。 - 【請求項5】上記第1凹部の肉厚が一般肉厚の略半分程
度であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂成形
体。 - 【請求項6】上記肉厚変化部は、上記肉厚を減じた第1
凹部と、これに続く注入溶融樹脂の流れ方向下流側に形
成された模様部とを備え、この模様部は上記第1凹部か
ら一般肉厚部に至る肉厚変化を伴う過渡的部分であるこ
とを特徴とする請求項4に記載の樹脂成形体。 - 【請求項7】上記第1凹部と模様部との間に所定間隔を
設けたことを特徴とする請求項6に記載の樹脂成形体。 - 【請求項8】上記模様部は、上記第1凹部に続いて注入
溶融樹脂の流れ方向下流側に形成された段部であること
を特徴とする請求項6に記載の樹脂成形体。 - 【請求項9】上記模様部は、上記第1凹部に続いて注入
溶融樹脂の流れ方向下流側に形成された傾斜部であるこ
とを特徴とする請求項6に記載の樹脂成形体。 - 【請求項10】上記模様部は、波状形状をなすととも
に、その凹凸部は注入溶融樹脂の流れ方向と略直交する
方向へ延びていることを特徴とする請求項6に記載の樹
脂成形体。 - 【請求項11】上記模様部は、不規則形状の溝を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の樹脂成形体。
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