JP3111703B2 - 射出成形金型 - Google Patents

射出成形金型

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JP3111703B2 JP04290165A JP29016592A JP3111703B2 JP 3111703 B2 JP3111703 B2 JP 3111703B2 JP 04290165 A JP04290165 A JP 04290165A JP 29016592 A JP29016592 A JP 29016592A JP 3111703 B2 JP3111703 B2 JP 3111703B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品を形成する射出
成形金型に関し、とくに金型内に設けられた成形物を形
成するキャビティ内の構造に関するものであり、例えば
樹脂成形品を形成するのに最適なものである。
【0002】
【従来の技術】この種の金型を使用し、孔を備えた射出
成形品を得る従来技術の一例として、実開平4−222
10号公報に開示された技術がある。これは、射出成形
品を形成する金型のキャビティ内に、予め突起部を形成
して、該突起部により成形物に孔を形成する技術におい
て、孔周縁に発生するウエルド部と応力集中部が同じ位
置に重ならないように孔開口形状つまり突起形状を、略
四角形としたものである。ここでウエルド部とは、キャ
ビティ内における樹脂材料の流れにおいて、樹脂材料が
突起部によって二手に分かれた後、突起部の下流側で合
流する該合流部に設定される領域のことであり、一旦分
断された溶融樹脂が完全に分断前の状態に戻らないこと
から、機械的強度が小さくなる。つまり前記ウエルド部
と応力集中部が重なるように配置された場合、その位置
でクラックが発生する可能性が大きくなる。たとえば、
樹脂の流れを表す図5(イ)に示すように、孔6の開口
形状が真円形状の場合、前記ウエルド部2と前記応力集
中部4が重なるように配置され、機械的強度が弱いウエ
ルド部2に応力が集中して、クラックが発生し易くな
る。
【0003】そこで、上記実開平4−22210号公報
に開示された技術では、孔の形状と該孔の周縁に発生す
る応力との間には、孔の半径が大きいほど最大応力が小
さいという相関関係があり、孔の周縁に局部的に曲率
(半径)の小さな部分を設けると該部分の縁辺に応力集
中部を移動させることが可能であるという知見に基づ
き、ウエルド部と応力集中部とを互いに異なる位置に配
置するようにされている。つまり、図5(ロ)に示すよ
うに、孔8のウエルド部10に近い部分に円弧状周縁
12が設けられ、該円弧状周縁部12の両脇に前記円弧
状周縁部12より小さな曲率に設定されてその縁辺に応
力集中部14を生じさせる円弧状の側部周縁部16が設
けられ、ウエルド部10と応力集中部14とが互いに異
なる位置に設定されるようにしている。
【0004】また、前記金型において、キャビティ内に
設けられた突起部は、挿入物を含む成形品を得る場合
の、挿入物保持材としても使用可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術に示すような、孔開口形状を略四角形にし、ウエ
ルド部と応力集中部とを互いに異なる位置に設定するだ
けでは、依然ウエルド部からクラックが生じる恐れがあ
り、クラック防止の効果は少ない。
【0006】たとえば、図6に示すような従来の突起に
おける孔18の開口形状の場合、突起下流側に異なるタ
イプのウエルド部が発生することになる。ここでウエル
ド部はその生成挙動から、2種類のタイプに大別できる
が、第1タイプは、複数の樹脂流動先端が互いに反対方
向から合流し流動停止して生じる、流動方向に直角な流
れをもつ第1ウエルド部20であり、第2タイプは、樹
脂流動先端が合流後もさらに並走しながら生成する流動
方向に平行な流れをもつ第2ウエルド部22である。前
記第2ウエルド部22は、前記第1ウエルド部20と比
較して応力に対する強度が勝ることは明らかになってい
る。
【0007】つまり従来の突起形状によれば、強度の低
い第1タイプのウエルド部20が応力の高い突起部材に
おける孔に接するように生じるため、クラックが発生す
る可能性が非常に大きい。
【0008】そこで本発明は、樹脂成形品においてクラ
ックが発生しないような孔開口形状つまり射出成形金型
における突起形状を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】本発明は、溶融材料が
流入されて射出成形品を形成する金型内に設けられたキ
ャビティと、前記金型のキャビティ内に突出して設けら
れた突起部材とを備えた射出成形金型において、前記突
起部材の溶融材料流入下流側の面に、溶融材料が流入す
る流入溝を形成し、その流入溝の深さ方向が前記突起部
材の溶融材料流入下流側の面から溶融材料流入上流側の
面に向かう方向であることを特徴とする射出成形金型を
提供する。
【0010】
【作用】本発明によれば、溶融樹脂の流れは突起部材に
より分流され、突起部材に沿って流れた後、突起部材の
下流側で合流し、ウエルド部が形成される。この時、突
起部材の溶融材料流入下流側に設けられた溶融材料流入
溝へと流れ込む流動が発生する。前記流動部では、前記
第2ウエルド部を形成することになる。さらにその下流
側の突起部材から離れた位置に、第1ウエルド部が形成
され、該第1ウエルド部の下流側に別の第2ウエルド部
が形成されることになる。
【0011】
【実施例】次に本発明の、突起部を有する射出成形金型
を、図に示す一実施例に基づき説明する。本実施例で
は、成形品内に挿入物を有する場合の、該挿入物の保持
部材として前記突起部が用いられている。 〔第1実施例〕図1ないし図2(イ)、(ロ)は、本発
明の第1実施例を示すもので、図1は突起部の上面図と
溶融樹脂の流れを示す説明図、図2(イ)は射出成形に
おける金型全体を示す構成断面図、図2(ロ)は成形品
を得る型部内(キャビティ)の一部拡大断面図を示した
ものである。
【0012】図2(イ)は、射出成形金型の全体を示し
ており、図示しない成形機のノズルから射出された溶融
樹脂は、金型上板24に設けられた金型23内へ溶融樹
脂を導入するスプル−26を通過して、金型下板28に
設けられたランナ−30およびゲ−ト32を介して、製
品に目的の形を与えるキャビティ34内へ流入する。該
キャビティ34内で溶融樹脂は冷却硬化され、製品が形
成される。
【0013】また図2(ロ)において、36は製品の中
に挿入される挿入物を示しており、挿入物36は、金型
上板24および金型下板28の相対する位置に突出して
設けられた突起部材38により支持されている。
【0014】さらに、前記突起部材38は、溶融樹脂流
入下流側の側面に溶融材料流入溝40を厚さ方向(溶融
樹脂流入下流側の側面から溶融樹脂流入上流側の側面に
向かう方向)に形成した断面略U字形状を備えた図1に
示すような柱状形状を有している。
【0015】本第1実施例によれば、溶融樹脂の流れは
矢印44に示すように、突起部材38上流側から流れ込
み、この突起部材38により分流され、突起部材38に
沿って流れた後、突起部材38の下流側で合流し、上述
したウエルド部を形成することになる。この時、突起部
材38の溶融樹脂流入下流側に設けられた溶融材料流入
溝40へと流れ込む流動が発生する。該流動は、前記比
較的強度の高い第2ウエルド部22を形成することにな
る。さらにその下流側の突起部材38から離れた位置に
比較的強度の低い第1ウエルド20部を形成し、該第1
ウエルド部20の下流側に別の第2ウエルド部22が形
成されることになる。
【0016】挿入物を有する成形品では、挿入物とそれ
を囲む成形品との線膨張率のちがいから、成形品に引張
り応力が発生し、応力が高い応力集中部やウエルド部な
どの構造強度の弱い部位から割れが生じる。
【0017】しかしながら、本実施例によれば、比較的
強度の高い第2ウエルド部22が応力の高い突起部材3
8における孔に接するように生じ、また、強度の低い第
1ウエルド部20は突起部材38における孔から離れ
た、応力緩和された領域に生じることになり、成形品の
割れを防止するとともに、強度の向上を図ることができ
る。 〔第2実施例〕次に、図3は本発明の第2実施例に係わ
る、樹脂成形品を得る型部内の一部拡大断面図を示した
ものである。
【0018】第2実施例においても、突起部材38の形
状等は同一であるが、本実施例では、図3に示すよう
に、第1実施例よりさらに溶融樹脂流入下流側に突起部
材38が金型上板24および金型下板28の相対する位
置に突出して設けられている。
【0019】本構成によれば、上述したウエルド部が挿
入物から離れた下流側に配置されるため、挿入物とそれ
を囲む成形品との線膨張率の違いから、成形品に発生す
る引張り応力の影響を受けにくくなり、さらに強度の向
上を図ることができる。
【0020】尚、突起部材38形状はこれに限られるも
のではなく、図4(イ)の上面図に示すように、前記溶
融樹脂流入下流側の側面に、溶融材料流入溝40を厚さ
方向に刻設し、断面略U字型の凹部の溶融樹脂流入側に
突出した円弧部42を設けた柱状形状の場合においても
同様な効果が得られる。
【0021】また、突起部材38形状を、図4(ロ)、
(ハ)に示すように、断面真円形状を有する円筒形状と
し、前記溶融樹脂流入下流側側面に溶融材料流入溝40
を厚さ方向に形成し、前記溶融材料流入溝40の断面形
状を略四角形状ないし略半円形状とした場合においても
同様な効果が得られる。
【0022】また溶融材料流入溝40の断面形状は、こ
れらに限られるものではなく、突起部材38の溶融樹脂
流入下流側に設けられた凹部に第2ウエルド部22を形
成できる形状であればよい。
【0023】また上記実施例では、突起部材38は、樹
脂成形品内に挿入物36を有する場合の保持部材として
用いられているが、たとえば、孔を有する樹脂成形品を
得る場合等にも適用することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、比較的強度の高い第2
ウエルド部が応力の高い突起部材における孔に接するよ
うに生じ、また、強度の低い第1ウエルド部は突起部材
における孔から離れた、応力緩和された領域に生じるこ
とになり、成形品の割れを効果的に防止できるととも
に、強度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す、突起部の断面図お
よび溶融樹脂の流れを示す説明図
【図2】図(イ)は金型における全体を示す断面構成
図、図(ロ)は金型における型部内の一部拡大断面図
【図3】本発明の第2実施例を示す、金型におけるキャ
ビティ内の一部拡大断面図
【図4】図(イ)、(ロ)、(ハ)は突起部形状のバリ
エ−ションを示す上面図
【図5】図(イ)、(ロ)は従来の突起部における孔開
口形状および溶融樹脂の流れを示す説明図
【図6】従来の突起部における孔開口形状および溶融樹
脂の流れを示す説明図
【符号の説明】
22 溶融材料流入溝 23 金型 34 キャビティ 38 突起部材
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 - 45/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融材料が流入されて射出成形品を形成
    する金型内に設けられたキャビティと、前記金型のキャ
    ビティ内に突出して設けられた突起部材とを備えた射出
    成形金型において、 前記突起部材の溶融材料流入下流側の面に、溶融材料が
    流入する流入溝を形成し、その流入溝の深さ方向が前記
    突起部材の溶融材料流入下流側の面から溶融材料流入上
    流側の面に向かう方向であることを特徴とする射出成形
    金型。
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JP6825995B2 (ja) 2017-06-02 2021-02-03 株式会社ブリヂストン 射出成形金型、樹脂部材、及び、樹脂製品の製造方法

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