JP2020185693A - 射出成形品及びその成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェルドラインを有する射出成形品において、ウェルドライン形成領域の機械的強度に優れた射出成形品及びその成形方法を提供する。【解決手段】ウェルドライン20を有する射出成形品10において、ウェルドライン20は、延在方向Yと交差する方向Xに凸となるように曲がった少なくとも1つの突状ライン部22を有し、突状ライン部22の延在方向Yのウェルドライン間の幅寸法Wは、基部22aよりも先端22b側の領域で最も大きくなっている。【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形品及びその成形方法に関し、特にウェルドラインを有する射出成形品及びその成形方法に関する。
射出成形において、成形型内を流れる溶融樹脂が合流する部位にはウェルド部(以下、ウェルドラインとも称する)が形成される。ウェルドラインでは、他の領域と比べて樹脂の密着性が低くなって機械的強度が低下する。特に、直線状に形成されるウェルドラインに対し、これと直交する方向への引張力が作用した場合には、射出成形品の表面のウェルドライン上に形成されるV溝に応力が集中する等により、変形や割れ等が生じやすいという問題がある。
一般に、射出成形品において応力が集中する領域には、ウェルドラインを作らないことが肝要とされているが、製品形状によっては、ウェルドラインの形成を回避することが困難な場合がある。
それ故、ウェルドラインが形成される領域の機械的強度を向上させる技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、図10に示すように、射出成形品110に形成されるウェルドライン120を直線状ではなく波状に形成する技術が記載されている。
図11は、図10に示す従来の射出成形品110を成形する射出成形用金型130の概略図である。金型130は、キャビティ134と、キャビティ134内に樹脂を射出するゲート132と、金型130のキャビティ形成面と連続する円形面を有する回転ピン139とを有する。回転ピン139は、図11において破線で示すように、通常、直線状のウェルドライン131が生じる溶融樹脂の合流位置に設けられ、図示していないアクチュエータによって中心軸まわりに回転可能に構成されている(図11の白抜き矢印を参照)。
この射出成形装置150では、回転ピン139を回転させた状態で、ゲート132からキャビティ134内に溶融樹脂を射出する。注入された樹脂は、図11の黒矢印で示すように、キャビティ134の形状に沿って2つに分かれて流動し、回転ピン139の設置位置で合流するとともに、回転ピン139の回転力を受けて合流するそれぞれの溶融樹脂の流速が変化することにより、湾曲したウェルドライン120が形成される。回転ピン156は、その設置領域で溶融樹脂がほぼ完全に充填されると、その圧力によって回転が停止する。
このようにして完成した射出成形品110では、図10に示すように、ウェルドライン120が、ウェルドライン120の延在方向Y(すなわち、回転ピン139による回転力を付与しない場合に、直線状のウェルドライン131が延びる方向)と直交する方向Xに凹凸を有する波形状に形成される。この波形状部の延在方向Yにおける隣り合うウェルドライン120間の幅寸法は、基部122a側の幅寸法Wが最も大きく、先端122b側に向かって次第に小さくなっている。
特開2002−86506号公報
特許文献1に記載の射出成形品では、ウェルドラインを波形状にするとで、直線状のものに比べて、ウェルドラインを形成している樹脂同士の接合面積を大きくすることができる。これにより、ウェルドラインにおける接合強度が高まり、ウェルドライン形成領域の機械的強度を高めることができる。
しかしながら、ウェルドライン形成領域において特に強度低下が懸念されている、ウェルドラインの延在方向に対して直交する方向への引張応力に対する耐力については、未だ十分とは言えず、更なる強度向上が求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ウェルドラインを有する射出成形品において、ウェルドライン形成領域の機械的強度に優れた射出成形品及びその成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る射出成形品は、ウェルドラインを有する射出成形品において、前記ウェルドラインは、該ウェルドラインの延在方向と交差する方向に凸となるように曲がった少なくとも1つの突状ライン部を有し、前記突状ライン部の前記延在方向のウェルドライン間の幅寸法は、基部よりも先端側の領域で最も大きくなっていることを特徴とする。
この構成によれば、ウェルドラインが、ウェルドラインの延在方向に交差する方向へ凸となるように曲がった突状ライン部を有しているので、ウェルドラインを形成している樹脂同士の接合強度を高めることができる。また、この突状ライン部は、ウェルドラインの延在方向におけるウェルドライン間の幅寸法が、基部よりも先端側の領域で最も大きくなっているので、ウェルドラインの延在方向と直交する方向へ引張力が作用した際に、この最大幅寸法の領域がアンカー効果を発揮して、引張応力に対する耐力が向上する。これらにより、ウェルドライン形成領域の機械的強度に優れた射出成形品とすることができる。
また、本発明に係る射出成形品は、上述した射出成形品において、前記突状ライン部は、前記延在方向に複数並んで形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、複数の突状ライン部によって、ウェルドラインを形成している樹脂同士の接合強度及び引張応力が作用した際の突状ライン部によるアンカー効果をより高めることができる。
また、本発明に係る射出成形品は、上述した射出成形品において、前記突状ライン部は、前記基部から前記先端側に向かって前記幅寸法が大きくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、突状ライン部によるアンカー効果を高めて、引張応力に対する耐力をより向上させることができる。
また、本発明に係る射出成形品は、上述した射出成形品において、前記突状ライン部を形成する前記ウェルドラインは曲線状であることを特徴とする。
この構成によれば、ウェルドラインを形成している樹脂同士の接合面積を大きくしてウェルドラインにおける接合強度を高めることができる。
また、本発明に係る射出成形品の成形方法は、上述した射出成形品の成形方法であって、射出成型用の金型を開いた状態で、該金型のキャビティ形成部であってキャビティ内に射出される溶融樹脂が合流する領域に、該樹脂と同じ又はそれと近い融点を有する熱可塑性樹で形成され、前記突状ライン部と略同一の曲がり形状の壁部を有するとともに、前記キャビティ内の流路を仕切ることが可能な仕切部材を設置する工程と、型締めした前記金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出する工程と、前記仕切部材の設置位置で合流する前記溶融樹脂によって該仕切部材を融解する工程と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、射出成形において、射出成型用の金型を開いた状態で、溶融樹脂が合流する領域、すなわちウェルドラインが形成される領域に、突状ライン部と略同一の曲がり形状の壁部を有する仕切部材を設置し、この状態で型締めをして、溶融樹脂を射出することで、仕切部材の形状に沿った溶融樹脂の合流面が形成される。また、仕切部材は、射出された溶融樹脂と同じ又はそれと近い融点を有する熱可塑性樹脂で形成されているので、この溶融樹脂が接触すると融解して溶融樹脂同士が接合する。これにより、仕切部材の形状に沿った樹脂の接合面、すなわち突状ライン部を有するウェルドラインを形成することができる。
本発明に係る射出成形品及びその成形方法によれば、射出成形品においてウェルドライン形成領域の機械的強度を向上することができる。
本発明の第1の実施形態である射出成形品のウェルドラインが形成された部分の斜視図。 射出成形用金型の概略図。 仕切部材の斜視図。 射出成型用金型の要部断面図。 射出成形品の製造工程を説明する図。 射出成形品の製造工程を説明する図。 射出成型用金型の変形例を示す要部拡大断面図である。 第2の実施形態の射出成形品のウェルドラインが形成された部位の斜視図。 射出成形品のさらに別の実施形態を示す斜視図。 従来の射出成形品のウェルドラインが形成された部分の斜視図。 従来の射出成形用金型の概略図。
(第1の実施形態)
以下、図1〜図6を用いて本発明の第1の実施形態の射出成形品10について説明する。射出成形品10は、樹脂の射出成形により成形されたものであり、射出成形時に溶融樹脂が合流する部位に形成されるウェルドライン20を有する。
図1は、射出成形品10のウェルドライン20が形成された部分の斜視図である。ウェルドライン20は、ウェルドライン20の延在方向Y(ウェルドライン20の一端20aから他端20bへ向かう方向)と交差する方向に凸となるように曲がった突状ライン部22を有する。図示例の突状ライン部22は、延在方向Yと直交する方向X(以下、単に直交方向Xとも称する)に略台形状に凸となるように曲がって形成されている。また、このウェルドライン20では、複数の突状ライン部22−1,22−2,22−3,22−4,22−5が延在方向Yに並んで形成されている。なお、本実施形態において、ウェルドライン20の延在方向Yと直交方向Xとは、板状の射出成形品10の厚さ方向と直交する方向となっている。
1つの突状ライン部22は、基部22a(直交方向Xに開口している側)から、突状の先端22b側に向かって延在方向Yの幅寸法Wが大きくなるようにテーパ状に延びる第1側辺部23a及び第2側辺部23bと、第1及び第2側辺ライン部23a,23bの先端を繋ぐ頂辺部23cとを有している。頂辺部23cは延在方向Yとほぼ平行に延びている。突状ライン部22は、頂辺部23cで幅寸法Wが最も大きくなっている。
本実施形態のウェルドライン20では、凸となる方向が互い違いになるように5つの突状ライン部22−1〜22−5が並んで形成されており、さらに、隣り合う突状ライン部22の側辺部が一致している。具体的には、直交方向Xの一方側(図1の右側)に凸となる突状ライン部22−2の第1及び第2側辺部23a,23bのそれぞれは、これと隣り合って直交方向Xの他方側(図1の左側)に凸となる、突状ライン部22−1の第1側辺部23a及び突状ライン部22−3の第2側辺部23bのそれぞれと側辺部を共有している。なお、突状ライン部22の数は5つに限られず、1つ以上であればよい。
この射出成形品10では、ウェルドライン20が突状ライン部22を有することにより、ウェルドライン20を形成している樹脂同士の接合面積を大きくして、接合強度を高めることができる。
また、突状ライン部22では、延在方向Yにおけるウェルドライン間の幅寸法Wが、基部22aよりも先端22b側の領域で最も大きくなっているので、ウェルドライン20の形成領域において、直交方向Xに引張力が作用した際に、幅寸法Wが大きい先端22b側の領域が、これよりも幅寸法Wの小さい基部22aの奥に食い込んで突っ掛かる状態となり、引張力に対する耐力を発揮する(いわゆるアンカー効果)。これにより、ウェルドラインの延在方向に対して直交する方向への引張応力に対する耐力を向上させて、ウェルドライン形成領域の機械的強度を高めることができる。また、このような突状ライン部22を複数有することで、アンカー効果をより高めて機械的強度を向上させることができる。
また、各突状ライン部22は、直交方向Xの引張力が作用した際に、テーパ状に延びる第1側辺部23a及び第2側辺部23bのそれぞれが耐力を発揮するので、高いアンカー効果を得ることができる。
次に、上述した射出成形品10の成形方法について説明する。図2は、射出成形品10を成形する射出成形用金型30の概略図である。
金型30は、固定側金型と、固定側金型に対して接近・離間可能な可動側金型を有する。図2では、固定側金型の断面を記載しており、可動側金型の記載を省略している。金型30は、溶融樹脂が射出されるゲート32と、ゲート32と連通されたキャビティ34とを有する。なお、図2の矢印は、ゲート32から射出された溶融樹脂が流れる方向を示している。
金型30のキャビティ34内には、射出成形を行う際に、熱可塑性樹脂で形成された仕切部材50が設置される。仕切部材50は、金型30を型開きした状態で、金型30のキャビティ形成部に取付けられるものである。
図3は仕切部材50の斜視図である。仕切部材50は、キャビティ34内の流路を仕切ることが可能な壁状に形成されており、ウェルドライン20の突状ライン部22と略同一の曲がり形状の壁部を有している。
本実施形態の仕切部材50は、ウェルドライン20と略同一形状の壁状に形成されており、ウェルドライン20の複数の突状ライン部22−1〜22−5に対応する複数の突状壁部52−1〜52−5を有している。具体的には、1つの突状壁部52は、第1側辺部23a、第2側辺部23b及び頂辺部23cのそれぞれに対応する第1側辺壁部53a、第2側辺壁部53b及び頂辺壁部53cを有している。
次に、上述した金型30及び仕切部材50を用いた射出成形品10の成形方法について説明する。
まず、金型30を型開きした状態で、金型30のキャビティ形成部36に仕切部材50を設置する(仕切部材設置工程)。仕切部材50は、ウェルドラインが形成される領域(すなわち、射出された溶融樹脂が合流する領域)に設置される。本実施形態では、図4に示すように、金型30のキャビティ形成部36に形成された溝部38a,38bに仕切部材50の両端部50a,50bを嵌め込んで設置している。
仕切部材50を設置した後、金型を型締めし、ゲート32からキャビティ34内に溶融樹脂を射出する(溶融樹脂射出工程)。射出された溶融樹脂は、図2において矢印で示すように、金型30のキャビティ34の形状に沿って分流し、仕切部材50が設置された領域まで流れる。
図5に示すように、分流された溶融樹脂18は、仕切部材50の設置位置で合流するように流れ込み、この溶融樹脂18によって仕切部材50の周囲が充填される。仕切部材50は、その周面に接触した溶融樹脂18の熱によって融解して壁部が消滅し、これによって、仕切られていた溶融樹脂18が合流・接合され、図6に示すように、仕切部材50の形状に沿ったウェルドライン20が形成される(ウェルドライン形成工程)。
次に、金型30内で成形品を冷却し、成形品が硬化した後に金型30を型開きして射出成形品10を取り出す。なお、溝部38a,38bにより生じたバリは、金型30から取り出した後に除去される。
なお、図6に示すように、本実施形態の射出成形品10のウェルドライン20の延在方向Yは、金型30内に仕切部材50を設置せずに射出成形を行った場合に、合流した溶融樹脂によって形成される直線状のウェルドライン29が延びる方向とほぼ一致している。
上述したように、本実施形態の成形方法では、金型30を開いた状態で、溶融樹脂が合流する領域に仕切部材50を設置し、この状態で金型30を型締めして溶融樹脂を射出することで、仕切部材50の形状に沿ったウェルドライン20を容易に形成することができる。なお、仕切部材50は、固定側金型に代えて、可動側金型に設置される構成であってもよい。
次に、射出成型用金型30の変形例を説明する。図7は、射出成型用金型30の変形例を示す要部拡大断面図である。
この金型30では、溝部38a,38bに代えて、金型30に設けられた位置決め機構によって、仕切部材50をキャビティ34内に固定している。この位置決め機構は、金型30のキャビティ形成面に形成された穴部39内に挿入されたピン保持部材42と、ピン保持部材42の先端に取り付けられたピン部材40とを有する。ピン保持部材42は、図示していない移動機構によって穴部39内を移動し、これにより、ピン部材40は、図7(a)に示すようにキャビティ34内に突出した突出位置と、図7(b)に示すようにキャビティ34外に退避する退避位置とに移動可能となっている。なお、穴部39のキャビティ34側の開口部は、ピン部材40が貫通可能な貫通孔を有する蓋部材46で塞がれている。このようなピン部材40を有する位置決め機構は、必要に応じて、金型30に複数箇所設けることができる。
変形例の金型30では、金型30を開いた後、突出位置にあるピン部材40によって仕切部材50を固定する。図7(a)では、仕切部材50の一方の端部50bに形成された穴にピン部材40を差し込んで、端部50bの位置を固定した状態を示している。なお、仕切部材50の他方の端部50aも同様に、ピン部材40によって固定される。
その後、金型30を型締めし、溶融樹脂18をキャビティ内34に射出する。溶融樹脂18が仕切部材50の設置位置まで流入した後、ピン部材40を退避位置(図6(b)参照)に移動させ、溶融樹脂18によって仕切部材50を融解する。これにより、図6(b)に示すように、射出成形品10に仕切部材50の形状に沿ったウェルドライン20を形成する。
なお、図7(a)では、ピン部材40を仕切部材50に形成された穴に差し込んで固定する例を示したが、これに限らず、複数のピン部材40によって仕切部材50の周面を支えることにより、仕切部材50の位置を固定してもよい。
また、突状ライン部22を有する射出成型品10を成形するさらに別の例として、仕切部材50を溶融樹脂18によって融解しない金属材料で構成し、溶融樹脂18がその周囲を充填した際に、仕切部材50ごとキャビティ34外に退避させる構成とすることができる。
(第2の実施形態)
次に、図8を用いて射出成形品10の第2実施形態を説明する。なお、図8において、上述した第1の実施形態と同様の要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この射出成形品10では、ウェルドライン20が曲線状に形成されている。具体的には、ウェルドライン20が複数の突状ライン部22−1〜22−5を有し、各突状ライン部22は、曲線状の第1側辺部23a及び第2側辺部23bと、これらの先端を繋ぐ曲線状の頂辺部23cとを有する。
各突状ライン部22において、延在方向Yのウェルドライン20間の幅寸法Wは、基部22aよりも先端22b側の領域でもっとも大きくなるように形成されている。図8では、基部22aの幅寸法Wに対し、これよりも先端22b側の領域で最大幅寸法Wとなっている。
射出成形において、このような曲線状のウェルドライン20を形成する場合には、金型30内に、このウェルドライン20と略同一形状の壁部、すなわち、曲線状の突状ライン部22−1〜22−5と略同一形状の曲状の突状壁部を有する仕切部材を設置し、その後、型締めして溶融樹脂18を射出し、この溶融樹脂18によって熱可塑性樹脂からなる仕切部材を融解することで、容易に形成することができる。また、仕切部材の壁部を湾曲状とすることで、射出された溶融樹脂18を仕切部材の周囲に隙間なく充填しやすくすることができる。
第2の実施形態の射出成形品10では、突状ライン部22を曲線状に形成することで、突状ライン部22が直線で構成されているものよりも接合面積を大きくしてウェルドライン20における接合強度を高めることができる。また、ウェルドライン20の形成領域において、直交方向Xに引張力が作用した際に、先端22b側にある最大幅寸法Wの領域がアンカー効果を奏し、引張応力に対する耐力が高いものとなる。これにより、ウェルドライン20の機械的強度を向上させることができる。
次に、図9(a)(b)を用いて、射出成形品10のさらに他の実施形態について説明する。なお、図9(a)(b)において、上述した第1の実施形態と同様の要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9(a)に示す実施形態では、射出成形品10の円筒状の領域に、複数の突状ライン部22を有するウェルドライン20が形成されている。各突状ライン部22−1〜22−5は、基部22aの幅寸法Wよりも先端22b側の幅寸法Wが大きくなっている。このように、射出成形品10においてウェルドライン20が形成される領域は湾曲した板状の部分であってもよい。なお、突状ライン部22は少なくとも1つ形成されていればよい。
図9(b)に示す別の実施形態では、射出成形品10の円筒状の領域にウェルドライン20が形成されており、ウェルドライン20は、略ハート状に曲がった複数の突状ライン部22−1〜22−5を有する。各突状ライン部22−1〜22−5は、基部22aの幅寸法Wよりも先端22b側の幅寸法Wが大きくなっている。なお、突状ライン部22は少なくとも1つ形成されていればよい。
図9(a)(b)のそれぞれに示す射出成形品10では、ウェルドライン20の延在方向Yと直交する方向(すなわち、円筒状の射出成形品10の周方向)に引張力が作用した際に、突状ライン部22の先端側の領域がアンカー効果を発揮することにより、引張応力に対する耐力を向上させることができる。
なお、図9(a)(b)のそれぞれに示す射出成形品10の成形方法は、いずれも、射出成型用の金型と、仕切部材との形状を変更することで、第1の実施形態の成形方法と同様の方法、すなわち、金型内にそれぞれの射出成形品10のウェルドライン20の形状と略同一形状の壁部を有する仕切部材を設置し、この状態で金型を型締めして溶融樹脂を射出し、充填された溶融樹脂によって仕切部材を融解させることにより、成形することができる。図9(b)の射出成形品10を成形する場合、破線矢印で示すように、ハート状に湾曲した仕切部材の壁部に沿って溶融樹脂を充填させやすくすることができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、射出成形品10は、その内部に強化繊維を含む繊維強化樹脂射出成形品であってもよい。かかる場合、射出成型用の金型のキャビティ内に、ガラス繊維や炭素繊維等の短繊維からなる強化繊維を配置するとともに、キャビティ内のウェルドラインが形成される領域に、強化繊維の合間を縫うようにウェルドラインを形成するための仕切部材を設置する。その後、金型を型締めして、キャビティ内に溶融樹脂を射出し、この溶融樹脂によって仕切部材を融解する。
10 射出成形品
20 ウェルドライン
22 突状ライン部
30 射出成型用金型
50 仕切部材
52 突状壁部

Claims (5)

  1. ウェルドラインを有する射出成形品において、
    前記ウェルドラインは、該ウェルドラインの延在方向と直交する方向に凸となるように曲がった少なくとも1つの突状ライン部を有し、
    前記突状ライン部の前記延在方向のウェルドライン間の幅寸法は、基部よりも先端側の領域で最も大きくなっていることを特徴とする射出成形品。
  2. 前記突状ライン部は、前記延在方向に複数並んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形品。
  3. 前記突状ライン部は、前記基部から前記先端側に向かって前記幅寸法が大きくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形品。
  4. 前記突状ライン部を形成する前記ウェルドラインは曲線状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形品。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形品を形成する射出成形品の成形方法であって、
    射出成型用の金型を開いた状態で、該金型のキャビティ形成部であってキャビティ内に射出される溶融樹脂が合流する領域に、該樹脂と同じ又はそれと近い融点を有する熱可塑性樹で形成され、前記突状ライン部と略同一の曲がり形状の壁部を有し、且つ前記キャビティ内の流路を仕切ることが可能な仕切部材を設置する工程と、
    型締めした前記金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出する工程と、
    前記仕切部材の設置位置で合流する前記溶融樹脂によって該仕切部材を融解する工程と、を含むことを特徴とする射出成形品の成形方法。
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