JP3599410B2 - 樹脂成形品の補強構造 - Google Patents
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Description
【従来の技術】
従来も、相対する平板状側壁部と両側壁部の端縁を連結する平板状連結壁部とからなる略コ字状断面を有する合成樹脂成形品にあって、前記両側壁部の相対する内壁面間を単に棒材からなる連結片をもって連結する成形品の補強構造は知られている。一方、かかる形態をもつ成形品としては例えば自動車のライセンスプレートに対する照明反射部材や各種バンパ等が挙げられるが、これらの成形品にはそれぞれボス部やクリップ等からなる固着部が一体に成形されている場合が多い。
【0002】
しかるに、これらの固着部や上述の連結片を断面コ字状をなす上記成形品の裏面に直接突設すると、その突設部の表面側が局部的に陥没した所謂「ヒケ」といわれる現象が発生する。こうしたヒケの発生を防止するため、例えば実開昭62−142517号公報に開示されているように支持板上に上記ボスを突設すると共に、同支持板の裏面と成形品の裏面とを2枚の支持片をもって連結し、成形品の裏面にボスを直接成形しないようにしている。
【0003】
かかる構成によれば、確かにヒケが局部的に集中して発生することはなくなるが、上記支持片と成形品との接続部の表面側には相変わらず直線的なヒケが僅かではあるが発生する。こうした僅かなヒケであっても、例えば成形品の表面に金属メッキや反射率の高い塗装がなされる場合には、表面に直線的な凹陥面が表出し、製品価値を失わせることになる。この僅かなヒケの発生をも回避するには、例えば実開昭57−69743号公報に開示されているように、前記支持片の成形品との接続部を肉薄に構成すると効果的であることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、断面がコ字状をなす合成樹脂成形品、特に軟質の合成樹脂材料から成形される細長い成形品にあっては極めて変形しやすいものであり、その形態を維持するには、上述の如く成形品の内部を連結片により連結することが好ましい。また、硬質の合成樹脂材料により成形される上記形態を有する成形品にあっても、脆性のため長尺であればあるほど衝撃に対して破損しやすいことから、やはり上記連結片により連結することが望ましい。
【0005】
しかるに、前記連結片が円形、4角径等の単純な断面形状を有する場合は、その断面積が大きくなるため上述のごとく成形品の表面に局部的に深い凹陥部を生じやすく、同時に成形品の変形や破損を確実に防止することは難しい。
【0006】
本発明はかかる課題を解決すべくなされたものであり、その目的は従来知られている手段を効果的に組み合わせることで、この種の成形品にあって予想以上の効果が期待できる補強構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の主要な構成をなしている相対する平板状側壁部と、両側壁部の端縁を連結する平板状連結壁部とからなる略コ字状断面を有する合成樹脂成形品にあって、前記両側壁部の相対する内壁面間を前記連結壁部と略平行な平面を有する座板をもって連結すると共に、同座板、前記両側壁部及び前記連結壁部により囲まれる空間が平板状仕切片により仕切られ、前記座板及び平板状仕切片の前記両側壁部及び連結壁部との接続縁を肉薄に形成してなり、前記座板、平板状仕切片、両側壁部及び連結壁部の接続部に形成される隅角部の一部を除肉してなることを特徴とする樹脂成形品の補強構造により達成される。
【0008】
なお、本発明の成形品は厳密な意味で断面がコ字状をなしていることを要せず、連結壁部の反対側の相対する側壁部の開放端が拡がっている場合や、或いは前記側壁部が外側に膨出して湾曲している場合もある。また、通常は前記座板にボス、ボルト、クリップ等の他部材に対する固着部を有している。
【0009】
【作用】
前記補強構造の構成部である座板及び仕切り片の周縁が成形品本体の側壁部及び連結壁部の接続部において肉薄に形成されているため、既述したように成形時のヒケの発生を防止するばかりでなく、かかる肉薄構造としても成形品本体に対する補強機能の低下を全くもたらされない。これは、予測し得ない機能であり、この補強機能の低下をもたらさない理由の一つに、補強構造として座板と仕切り片とを交差状態で結合して、前記側壁間を連結していることによる。
【0010】
また、前記座板、平板状仕切片、両側壁部及び連結壁部の接続部に形成される隅角部の一部を除肉しているため、以後の液体処理時における処理液がその隅角部から円滑に排出される。更に、前記座板に他物品に対する固着部を形成する場合には同固着部を必要最小限の大きさ形状に設定することを可能にする。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を図示実施例に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実施例を示している。同図において、符号1は相対する長尺の側壁部2,3の一側端同士が連結壁部4をもって一体に連結された成形品本体であり、同成形品本体1の一対の前記側壁部2,3間に本発明の補強構造を有している。
【0012】
本実施例による前記補強構造は、相対する側壁部2,3の間に架設された座板5と、同座板5、前記側壁部2,3及び前記連結壁部4によって形成される仕切り空間を仕切る仕切り片6とを備えており、同仕切り片6の周端面は前記座板5の長さ方向に沿った一端縁の裏面と前記側壁部2,3及び前記連結壁部4の内壁面に連続して接続されている。即ち、本実施例における前記補強構造は断面が略L字状をなしている。また、前記座板5の表面の中央には、その長さ方向に所定の間隔を隔てて2本の図示せぬボスを垂直に突設してもよく、同ボスの端面は成形品本体1の側壁端を結ぶ平面と同一平面内に位置する。
【0013】
本発明にあって、最も重要な点は前記補強構造をなす座板5及び仕切り片6の周縁が前記側壁部2,3及び連結壁部4の接続部において肉薄部5a,6aとされている点にある。図1から明らかな如く、本実施例においても座板5の接続端縁は本体部分に較べて略1/2の肉厚を有しているに過ぎない。図示は省略しているが、勿論、上記仕切り片6の接続周縁も同様に肉薄に形成されている。
【0014】
このように、成形品本体1との接続端縁を肉薄部5a,6aとして形成することは、既述したように成形時のヒケの発生を防止することを目的としてなされたものであるが、ここで注目すべきことは、かかる肉薄構造としても成形品本体1に対する補強機能の低下が全くもたらされないことである。このことは、発明者等にとっても予測し得ないことであった。この補強機能の低下をもたらさない理由の一つは、補強構造として座板5と仕切り片6とを交差状態で結合していることによるものと考えられる。従って、本発明にとって他の重要な点は、補強構造が上述の如く座板5と仕切り片6を交差状態で接続している点にある。
【0015】
同実施例によれば成形後の上記成形品の表面に金属メッキや塗装等の液体処理を行うにあたって、上記補強構造に基づき液体の滞留が生じないように配慮されたものである。この種の成形品に表面処理を行う場合は成形品の長手方向の端部を図示せぬ搬送チェーン等に所定の間隔をおいてぶら下げ、表面処理部を連続的に搬送しながら上記処理を行う。そのため、上述の補強構造では座板5と仕切り片6との接続縁に処理液が滞留しやすくなり、処理時間や処理液の管理に大きな影響を与えかねない。
【0016】
そこで、本実施例では図2に示すように前記座板5と仕切り片6との成形品本体1に対する接続部に形成される隅角部の仕切り片6の角端を3角形状に切り欠いて、処理液の逃し孔6cを形成している。この逃し孔6bの大きさ及び形状は補強構造の機能を失わないかぎり任意に決定できる。図3及び図4は本実施例における変形例を示しており、同変形例によれば上記仕切り片6を上記連結壁部4に対して傾倒させて接続しており、上記液体処理時において液体が滞留する側の連結壁部4又は座板5との接続部の上記側壁部2,3により形成される隅角部の仕切り片6の一部を切除して逃し孔6bを形成している。こうすることで、仕切り片6と前記連結壁部4又は座板5との接続部に処理液を流動させることが容易になるばかりでなく、同接続部を流れて前記逃し孔6bから同液体が流出する。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本発明の成形品における補強構造によれば、成形品の表面にヒケが発生しないばかりでなく、同補強構造により成形品の強度が向上して変形や破損がなくなり、しかも座板を介して固着部を成形するため、その大きさが必要最小限に設定できる。更に、成形品の表面に金属メッキや塗装などの液体処理を行う場合には、同補強構造部に処理液体が滞留しにくく構成すると共に、同液体の逃し孔を形成して積極的に処理液体を排除するため、処理時間及び処理液の管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例を示す部分斜視図である。
【図2】同実施例の逃し孔形状の1例を示す部分拡大図である。
【図3】前記実施例の変形例を示す部分断面図である。
【図4】前記実施例の他の変形例を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 成形品本体
2,3 側壁部
4 連結壁部
5 座板
6 仕切り片
6a 肉薄部
6b 逃し孔
Claims (2)
- 相対する平板状側壁部と、両側壁部の端縁を連結する平板状連結壁部とからなる略コ字状断面を有する合成樹脂成形品にあって、
前記両側壁部の相対する内壁面間を前記連結壁部と略平行な平面を有する座板をもって連結すると共に、同座板、前記両側壁部及び前記連結壁部により囲まれる空間が平板状仕切片により仕切られ、
前記座板及び平板状仕切片の前記両側壁部及び連結壁部との接続縁を肉薄に形成してなり、
前記座板、平板状仕切片、両側壁部及び連結壁部の接続部に形成される隅角部の一部を除肉してなる、
ことを特徴とする樹脂成形品の補強構造。 - 前記座板には他部材に対する固着部を有してなる請求項1記載の補強構造。
Priority Applications (1)
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JP6547195A JP3599410B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 樹脂成形品の補強構造 |
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JPH08258178A JPH08258178A (ja) | 1996-10-08 |
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Family Applications (1)
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1995
- 1995-03-24 JP JP6547195A patent/JP3599410B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08258178A (ja) | 1996-10-08 |
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