JP2000110396A - 現場打ち防火水槽の施工方法及び現場打ち防火水槽 - Google Patents

現場打ち防火水槽の施工方法及び現場打ち防火水槽

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JP2000110396A
JP2000110396A JP10288539A JP28853998A JP2000110396A JP 2000110396 A JP2000110396 A JP 2000110396A JP 10288539 A JP10288539 A JP 10288539A JP 28853998 A JP28853998 A JP 28853998A JP 2000110396 A JP2000110396 A JP 2000110396A
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JP10288539A
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English (en)
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Kazuhiro Kobayashi
一博 小林
Yasuyuki Matsunami
康行 松浪
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Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd
Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
Original Assignee
Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd
Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中、大型の車両が進入できない狭隘地に、ユ
ニット化され、施工が容易な現場打ち防火水槽を構築す
る。 【解決手段】 中、大型の車両が進入できない狭隘地に
も進入可能な小型の運搬手段に搭載できるサイズのユニ
ットを複数連結することによって現場打ち防火水槽1の
側壁部2及び底版部3、ならびに頂版部4を形成する型
枠や配筋を構築し、また頂版部4の底面を形成する頂版
捨て型枠38の中央部を、支柱用捨て型枠35を用いて
形成される支柱40によって支持し、円筒形をなす側壁
部2の側壁部型枠5の形状を、側壁部型枠5を構成する
分割側壁部型枠ユニット6に対して放射状に配されるタ
ーンバックルブレース8を操作することによって調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現場打ち防火水槽
の施工方法及び現場打ち防火水槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の防火水槽は、充分な作業領域を確
保できる場所では、予め工場で管理されて製造された水
槽用セグメントを重機により搬入し、これを組み立てる
ことで構築されていたが、中、大型の車両が進入できな
いような狭隘地では重くて嵩張る水槽用セグメントの搬
入、組立を行うことができないため、職人が手作業によ
って配筋を組み上げ、また配筋の周囲にベニヤ板等で型
枠を形成し、その型枠内にコンクリートを打設するとい
う手法で構築されていた。また、防火水槽の頂版部は、
予め頂版部の底面の型枠を形成する支保工を組み上げて
おき、その上にコンクリートを打設するという手法で構
築されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の現場打ち防火水
槽の施工方法では、型枠及び配筋がその都度手作りによ
って形成されるため、施工場所及び施工者によって型枠
の精度がまちまちになり、また配筋ピッチの管理が難し
く、現場打ち防火水槽の品質にばらつきが生じる原因と
なっていた。また、頂版部の構築のために、頂版部の底
面の型枠を形成する支保工の組み上げ作業及び撤去作業
が伴うため、構築作業に手間がかかっていた。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、狭隘地にも施工可能で、均質で高精度な防火水槽を
繰り返し施工することができ、また頂版部の形成のため
に支保工等を組み上げる必要がなく、作業工程が簡略化
された現場打ち防火水槽の施工方法を提供することを目
的とする。また、この施工方法を用いて施工される現場
打ち防火水槽を提供することも目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の現場打ち
防火水槽の施工方法において、鋼製の円弧版形状の複数
の分割側壁部型枠ユニット及び円弧版形状をなすカゴ型
に組まれた複数の分割側壁部配筋ユニットを、運搬手段
によって防火水槽を構築しようとする施工現場に搬入
し、前記分割側壁部型枠ユニット及び分割側壁部配筋ユ
ニットをそれぞれ自身の円弧形状の周方向及び軸方向に
連結させることによって、同軸で半径の異なる2つの円
筒体からなる側壁部型枠の構築と、該側壁部型枠内に形
成される円筒形状の側壁部配筋の構築を行い、前記側壁
部型枠内にコンクリートを打設することによって現場打
ち防火水槽用の円筒形状の側壁部を構築することを特徴
とする。
【0006】これにより、現場打ち防火水槽の側壁部型
枠及び側壁部配筋が、予め品質管理の容易な工場内で小
型の運搬手段に搭載できるサイズに製造された分割側壁
部型枠ユニット及び分割側壁部配筋ユニットによって構
築されるので、これら側壁部型枠及び側壁部配筋を、高
精度で一定した品質とすることができ、かつ中、大型車
両の進入できない狭隘地にも現場打ち防火水槽の側壁部
型枠及び側壁部配筋を構築することが可能になる。ま
た、分割側壁部型枠ユニットは鋼製であるために高い工
作精度と強度が確保されるので、形状が高精度で再利用
可能な側壁部型枠を構築することができ、施工現場での
側壁部型枠及び側壁部配筋の製作作業が省かれて、施工
作業が簡略化されるとともに、施工現場の状況や施工者
によらずに高品質の現場打ち防火水槽を繰り返し施工す
ることができる。
【0007】請求項2記載の現場打ち防火水槽の施工方
法において、前記現場打ち防火水槽の側壁部型枠を構築
した後、複数本のターンバックルブレースを、前記側壁
部型枠を構成する複数の前記分割側壁部型枠ユニットに
対して、前記側壁部型枠を中心とする放射状に連結し、
前記ターンックルブレースの個々の張力を加減すること
によって、前記ターンバックルブレースに連結される前
記分割側壁部型枠ユニットの前記側壁部型枠の径方向に
対する位置を調節して、前記側壁部型枠の真円度の調整
を行うことを特徴とする。これにより、位置調整を行い
たい分割側壁部型枠ユニットに接続されるターンバック
ルブレースの張力を加減するだけで、分割側壁部型枠ユ
ニットの位置を現場打ち防火水槽の径方向に移動させる
ことができ、側壁部型枠の真円度を調節することができ
る。
【0008】請求項3記載の現場打ち防火水槽の施工方
法において、複数の分割底版配筋ユニットを、前記運搬
手段によって防火水槽を構築しようとする施工現場に搬
入し、前記分割底版配筋ユニットを互いに連結すること
で円版状の底版部配筋の構築を行い、該底版部配筋を覆
うようにしてコンクリートを打設することによって、前
記現場打ち防火水槽の底版部を形成することを特徴とす
る。これにより、現場打ち防火水槽の底版部配筋を、予
め品質管理されながら製造され、小型の運搬手段に搭載
できるサイズのユニット化された複数の部材を連結する
ことで構築することができるので、底版部配筋を高精度
かつ一定した品質とすることができ、また中、大型車両
の進入できない狭隘地にも現場打ち防火水槽の底版部配
筋を構築することが可能になる。
【0009】請求項4記載の現場打ち防火水槽の施工方
法において、プレキャストコンクリート版として製造さ
れてなる、大略扇形をなす平版状の複数の分割頂版型枠
ユニットと、大略扇形をなす平版状の複数の分割頂版配
筋ユニットを、運搬手段によって防火水槽を構築しよう
とする施工現場に搬入し、予め前記側壁部及び底版部が
形成され、また該底版部の中央部上面に支柱が形成され
た前記現場打ち防火水槽の、前記支柱の上面に前記複数
の分割頂版型枠ユニットを連結して、前記側壁部の上部
に頂版捨て型枠を形成し、該頂版捨て型枠上に、前記複
数の分割頂版配筋ユニットを互いに連結して頂版部配筋
を形成し、前記頂版捨て型枠によって囲われる空間内に
コンクリートを打設することによって、前記現場打ち防
火水槽の頂版部を形成することを特徴とする。
【0010】これにより、現場打ち防火水槽の頂版部
の、頂版捨て型枠及び頂版部配筋を、予め品質管理され
ながら製造され、小型の運搬手段に搭載できるサイズに
ユニット化された複数の部材を連結することで構築でき
るので、頂版部型枠、ならびに頂版部配筋を、均質かつ
高精度に構築することができ、また中、大型車両の進入
できない狭隘地にも現場打ち防火水槽の頂版捨て型枠な
らびに頂版部配筋を構築することが可能になる。また、
頂版捨て型枠は、プレキャストコンクリート製の捨て型
枠であるので、頂版部を形成するために支保工を構築す
る作業が不要となり、施工作業が簡略化される。また、
現場打ち防火水槽の底版部の中央上面には、頂版部を支
持する支柱が配されるので、頂版部の厚みを減ずること
ができる。
【0011】請求項5記載の現場打ち防火水槽の施工方
法において、前記支柱が、前記現場打ち防火水槽内で組
まれる配筋の周囲に配される塩化ビニール管製の捨て型
枠内にコンクリートを打設することで形成されることを
特徴とする。これにより、支柱を構築する際に、支柱用
の型枠を構築する手間がなく、また支柱に防水のための
被覆を施す作業を省くことができるので、施工作業が簡
略化される。また支柱用の型枠に、塩化ビニール管とい
う安価な素材を用いることができるので、製造コストを
下げることができる。
【0012】請求項6記載の現場打ち防火水槽におい
て、請求項1〜5のうちいずれかに記載の現場打ち防火
水槽の施工方法のうち、少なくともいずれか一つの施工
方法を用いて施工されることを特徴とする。これによっ
て、狭隘地でも施工可能で、均質で高精度、かつ施工作
業が簡略化された現場打ち防火水槽とすることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下は本発明による現場打ち防火
水槽の施工方法の実施の形態についての説明である。本
発明は、予め、中、大型車が進入できない狭隘地にも進
入可能な小型の運搬手段、ここでは例として2tトラッ
クにも搭載できるサイズに製造されるユニットを複数連
結することによって、中空円柱形状をなす現場打ち防火
水槽1の側壁部2及び底版部3、及び頂版部4を形成す
るためのコンクリート用の型枠や配筋を形成し、これに
よって図1及び図2に示されるような現場打ち防火水槽
1の構築を行う現場打ち防火水槽の施工方法である。
【0014】側壁部2を構築するための部材として、図
3及び図4にも示されるように、円弧版形状に形成さ
れ、自身の円弧形状の周方向及び軸方向に連結されるこ
とによって円筒形をなす側壁部2の側壁部型枠5を形成
する鋼製の複数の分割側壁部型枠ユニット6と、図5に
示されるように、円弧版形状をなすカゴ型に組まれ、自
身の円弧形状の周方向及び軸方向に連結されることによ
って側壁部2の配筋を形成する複数の分割側壁部配筋ユ
ニット7とを用いる。なお、側壁部2の底面を形成する
ための型枠として、また側壁部2を地中に埋設するため
のエッジ部として、円弧版形状をなし、側壁部型枠5の
底部で、自身の円弧形状の周方向に複数連結されること
によって、断面が四角形のリング形状をなす刃口リング
19を形成する、刃口リングユニット19,19aが用
いられる。また、分割側壁部型枠ユニット6によって構
築される側壁部型枠5の真円度を調節する治具として、
ターンバックルブレース8を用いる(図6参照)。
【0015】分割側壁部型枠ユニット6は、図3及び図
4にも示されるように、片側の面が側壁部2のコンクリ
ートの成形面を形成するスキンプレート9と、スキンプ
レート9のもう一方の面に設けられ、縦方向に2本、横
方向に4本が配されて格子状に組まれる補強リブ10
と、スキンプレート9の周縁部に、自身の円弧形状の周
方向及び軸方向に隣り合う分割側壁部型枠ユニット6と
の接合端面をなす桁板11が設けられてなる。なお、分
割側壁部型枠ユニット6は、互いの桁板11同士をボル
ト等の締結具によって締結されることによって自身の円
弧形状の周方向および軸方向に連結される。また、分割
側壁部型枠ユニット6は、同軸で半径の異なる2つの円
筒体を形成することによって側壁部2の外面側及び内面
側の側壁部型枠5を形成するため、外面側の側壁部型枠
5に用いられる分割側壁部型枠ユニット6の周方向の長
さは、内面側の側壁部型枠5に用いられる分割側壁部型
枠ユニット6の周方向の長さよりも長く形成されてい
る。
【0016】また、分割側壁部型枠ユニット6によって
内面側の側壁部型枠5を構成する際に、隣り合う分割側
壁部型枠ユニット6同士を強固に密接させる必要があ
り、また側壁部2の脱型を行う際に、内面側の側壁部型
枠5を構成する分割側壁部型枠ユニット6を容易に取り
外しできるようにする必要がある。このため、図6に示
されるように、内面側の側壁部型枠5の一部において、
左右の接合端面を形成する桁板11の、スキンプレート
9と接続される側が閉じるように傾斜して形成される分
割側壁部型枠ユニット6,6aと、分割側壁部型枠ユニ
ット6,6aの左右側方にそれぞれ隣接して接続され、
分割側壁部型枠ユニット6,6aの桁板11と接続され
る側の桁板11が、分割側壁部型枠ユニット6,6aの
傾斜した桁板11と平行になるよう傾斜して形成される
分割側壁部型枠ユニット6,6bとを配し、分割側壁部
型枠ユニット6,6aをくさびとして用いることによっ
て上記課題に対処している。
【0017】また、外面側の側壁部型枠5を構成する分
割側壁部型枠ユニット6同士の連結は、その周方向に配
される桁板11同士をボルト等の締め付け具による締結
によってのみ行われるので、外面側の側壁部型枠5を構
成する分割側壁部型枠ユニット6の桁板11には、締め
付け具による締結力を支持するために、締結される部分
が補強板によって補強されている。分割側壁部配筋ユニ
ット7は、図5の(a)に示されるように、縦方向に長
い側辺を持つ略U字状に屈曲された複数の屈曲鉄筋12
と、これら複数の屈曲鉄筋12をそれぞれ所定距離離間
させた状態で、これら複数の屈曲鉄筋12の片側の側辺
同士を接続する横鉄筋13を、屈曲鉄筋12の両側の側
辺に、縦方向に所定距離離間して複数本接続することに
よって外面側の網状鉄筋と内面側の網状鉄筋をなし、さ
らに図5の(b)に示されるように、外面側の網状鉄筋
と内面側の網状鉄筋とが、略へ字状に屈曲された複数本
の補強筋14によって、上下方向及び左右方向にそれぞ
れ所定距離離間した箇所で接続、補強されてなる円弧板
形状をなすカゴ型の部材である。
【0018】刃口リングユニット19,19aは、外面
側の側壁部型枠5と内面側の側壁部型枠5との下端部同
士の間に挟まれるようにして接続される、円弧板形状を
なす鋼製の枠体であり、一方の面が外面側の側壁部型枠
5を形成する分割側壁部型枠ユニット6との接続面を形
成するスキンプレート9,9aと、スキンプレート9,
9aの他方の面に複数設けられる補強リブ10と、スキ
ンプレート9,9aの周縁部に設けられ、自身の円弧形
状の周方向に隣り合う刃口リングユニット19,19a
との接合端面及び側壁部2の底面の型枠を形成する桁板
11と、桁板11の、スキンプレート9,9aとの接合
部とは反対の側の端部に設けられ、内面側の側壁部型枠
5を形成する分割側壁部型枠ユニット6との接続面を形
成するスキンプレート9,9bとが設けられてなる。な
お、刃口リングユニット19,19aの桁板11のう
ち、刃口リングユニット19,19aの上面に配されて
側壁部2の底面の型枠を形成する桁板11には、側壁部
2を形成するコンクリートとの強固な結合を図るため
に、略L字形に屈曲された鋼板や、ナット等によって突
起部が設けられる。また、刃口リングユニット19,1
9a同士の連結は、その周方向に配される桁板11同士
をボルト等の締め付け具による締結によって行われる。
現場打ち防火水槽1の一段目に配される分割側壁部配筋
ユニット7は、図5の(c)に示されるように、自身の
側方及び上方に隣接する分割側壁部配筋ユニット7とオ
ーバーラップするように、上方及び両側方に鉄筋が突出
した状態に形成され、施工時にはこの飛び出した鉄筋を
隣接する分割側壁部配筋ユニット7にオーバーラップさ
せた状態で溶接することによって連結される。また、現
場打ち防火水槽1の2段目に配される分割側壁部配筋ユ
ニット7は、側方に隣接する分割側壁部配筋ユニット7
とオーバーラップするように、両側方に鉄筋が突出した
状態に形成される。
【0019】ターンバックルブレース8は、図6に示さ
れるように、側壁部2の内面側の側壁部型枠5を構成す
る分割側壁部型枠ユニット6に取り付けられる鉄筋15
と、円環状の金具16の側面に取り付けられる鉄筋17
とが、ターンバックル18によって接続されることで、
側壁部型枠5を中心とする放射状に連結配置されてなる
ものである。ターンバックル18とこれら鉄筋15、1
7との接続部分には、それぞれネジ溝が刻まれており、
一方の接続部分のネジ溝は逆ネジとなっているため、タ
ーンバックル18を回転させることによってターンバッ
クルブレース8全体の長さを調節することができる。
【0020】底版部3を形成するためのユニットとし
て、図7の(a)及び(b)に示されるように、10角
形状をなす複数の平版状の底版センター配筋20と、大
略扇形をなす複数の平版状の分割底版配筋ユニット21
とを用いる。底版センター配筋20は、図7の(a)に
示すように、10角形状に屈曲されて縁部を形成する鉄
筋20,20aと、この縁部を形成する鉄筋20,20
aに対して縦横に配される複数の鉄筋20,20bと、
これらを補強する円環形状の補強筋20,20cとによ
って10角形状に形成される2枚の網状鉄筋20,20
dが、補強筋によって上下方向に所定距離離間した状態
で接続されてなるカゴ状の部材である。
【0021】分割底版配筋ユニット21は、図7の
(b)に示すように、中心角近傍の三角形状の端部が切
り落とされた形の大略扇形をなすように組まれた縁部を
形成する鉄筋21,21aと、この鉄筋21,21a内
に、その径方向に複数本配される縦筋と、中心角側の端
部と平行にして複数本配される横筋とによって形成され
る2枚の網状鉄筋21,21bが、補強筋によって上下
方向に所定距離離間した状態で接続されてなるカゴ状の
部材である。頂版部4を形成するためのユニットとし
て、図1に示されるように10角形状をなす平版状の頂
版センター型枠22ならびに大略扇形をなす平版状の複
数の分割頂版型枠ユニット23と、円弧版形状をなし、
その周方向に複数連結されることで頂版部4の側面の型
枠を形成する分割頂版側面型枠ユニット24と、図7に
示されるように、10角形状をなす平板状の頂版センタ
ー配筋25と、大略扇形をなす平版状の複数の分割頂版
配筋ユニット26とを用いる。
【0022】頂版センター型枠22は、内部に補強用の
鉄筋が縦横に配され、縁部が10角形に形成されるプレ
キャストコンクリート版であり、その中央部には、上下
に開口した円形の貫通孔が形成されている。分割頂版型
枠ユニット23は、内部に補強用の鉄筋が縦横に配さ
れ、その中心角近傍の三角形状の端部が切り落とされた
形の大略扇形に形成されるプレキャストコンクリート版
である。分割頂版側面型枠ユニット24は、前記の分割
側壁部型枠ユニット6とほぼ同じ構成である円弧版形状
の部材で、図8に示されるように、片側の面が頂版部4
の側面のコンクリートの成形面を形成するスキンプレー
ト9と、スキンプレート9のもう一方の面の周縁部に桁
板11が設けられてなる。頂版センター配筋25及び分
割頂版配筋ユニット26は、前述の底版センター配筋2
0及び分割底版配筋ユニット21と同様の構成である。
【0023】このように構成される各ユニットを、2t
トラックによって現場打ち防火水槽1の施工現場に搬入
し、現場打ち防火水槽1の施工を行う。まず、予め一定
程度の深さの円形に掘り下げられて形成される施工空間
内で、複数の刃口リングユニット19,19aを自身の
円弧形状の周方向に連結して、現場打ち防火水槽1の円
筒形をなす側壁部2の底面の型枠を形成するための刃口
リング19を形成する。なお、刃口リング19の下には
砂等のレベル調整材が敷かれて、刃口リング19が水平
になるよう調整される。次に、刃口リング19を構成す
る刃口リングユニット19,19aの外周側のスキンプ
レート9,9aに沿って、複数の分割側壁部型枠ユニッ
ト6を自身の円弧形状の周方向に連結して、現場打ち防
火水槽1の円筒形をなす側壁部2の一段目を形成するた
めの外面側の側壁部型枠5を形成する。続いて、その外
面側の側壁部型枠5のすぐ内側で、複数の分割側壁部配
筋ユニット7を、側方から突出して配される鉄筋を互い
にオーバーラップさせた状態で周方向に連結して側壁部
2の一段目の側壁部配筋27を形成し、さらに刃口リン
グ19を構成する刃口リングユニット19,19aの内
周側のスキンプレート9,9bに沿って、複数の分割側
壁部型枠ユニット6を自身の円弧形状の周方向に連結し
て、側壁部2の一段目を形成するための内面側の側壁部
型枠5を形成する。
【0024】なお、これら外面側の側壁部型枠5と内面
側の側壁部型枠5は、図4のように、互いの上面を複数
本のセパレーター28によって連結されることで、互い
に所定間隔離間した状態に保たれる。次にこの状態で、
側壁部2の側壁部型枠5の中心軸上に、円環状の金具1
6を、その中心を側壁部型枠5の中心軸に合わせた状態
に配し、側壁部2の側壁部型枠5を形成する複数の分割
側壁部型枠ユニット6のそれぞれの上端及び下端に対し
て、6本のターンバックルブレース8を、円環状の金具
16を中心とした放射状に連結する。さらにこの状態で
ターンバックル18を操作してターンバックルブレース
8の長さを調節し、その張力を加減することによって、
ターンバックルブレース8に接続される分割側壁部型枠
ユニット6の径方向の位置を調節して、側壁部型枠5の
真円度の調整を行う。
【0025】そして、これら1段目の側壁部型枠5内に
コンクリートを打設して、一段目の側壁部2を形成す
る。なお、この状態で、1段目の分割側壁部配筋ユニッ
ト7の上端に突出した鉄筋は、一段目の側壁部2の上部
コンクリート面からも突出した状態にある。一段目の側
壁部2のコンクリートが硬化した後、一段目の外面側の
側壁部型枠5と内面側の側壁部型枠5との上面同士を連
結していたセパレーター28を取り外し、一段目の側壁
部2の上部コンクリート面の目荒らしを行う。そして、
一段目の外面側の側壁部型枠5の上に分割側壁部型枠ユ
ニット6を連結し、一段目と同様にして、側壁部2の2
段目を形成するための外面側の側壁部型枠5を組み上げ
る。
【0026】そして2段目の分割側壁部配筋ユニット7
を、一段目の側壁部2の上部コンクリート面から突出し
ている一段目の分割側壁部配筋ユニット7の上端の鉄筋
とオーバーラップさせて溶接固定し、この状態で一段目
と同様にして、2段目の側壁部配筋27を組み上げる。
次に、一段目の内面側の側壁部型枠5の上に分割側壁部
型枠ユニット6を連結し、一段目と同様にして側壁部2
の2段目を形成するための内面側の側壁部型枠5を組み
上げた後、一段目の場合と同様にして、セパレーター2
8及びターンバックルブレース8によってこれら側壁部
型枠5の形状の調整を行う。そして、これら2段目の側
壁部型枠5内にコンクリートを打設して、2段目の側壁
部2を形成する。
【0027】2段目の側壁部2のコンクリートが硬化し
た後、セパレーター28及びターンバックルブレース
8、ならびに1段目と2段目の外面側及び内面側の側壁
部型枠5を取り外し、その後、側壁部2の1段目と2段
目の継ぎ目をエポキシ樹脂等によってコーキングする。
なお、以上の工程では、分割側壁部配筋ユニット7は、
充分なコンクリートのかぶり厚を確保するため、スペー
サーによって側壁部型枠5から所定間隔離間した状態に
確保されている。続いて、このように形成される側壁部
2を、側壁部2内からさらに地面を掘り下げることによ
って地中の所定の深さまで落とし込んだ後、側壁部2に
囲まれる空間の底面に砕石基礎30を形成し、その上に
均しコンクリート31を打設する。
【0028】次に、均しコンクリート31の上面中央に
底版センター配筋20を載置し、続いて底版センター配
筋20を中心にして、その周囲に複数の分割底版配筋ユ
ニット21を敷き詰める。その後、これら底版センター
配筋20と分割底版配筋ユニット21とを、また分割底
版配筋ユニット21同士を、互いをまたぐようにして溶
接される補強筋によって相互に連結させ、図9に示され
るような円盤形状をなす底版部配筋32を形成する。さ
らにこの状態でこれら分割底版配筋ユニット21の外周
部をそれぞれ側壁部2にボルト固定する。なお、側壁部
2の内面側の、分割底版配筋ユニット21との接合部に
は、その全周にわたって止水のための水膨張ゴム(図示
略)が配されている。
【0029】また、図2に示されるように、底版センタ
ー配筋20の中央部には、底版センター配筋20を形成
する網状鉄筋20,20dに対して垂直に、かつ上方に
突出した状態に鉄筋を溶接し、円筒形状の基部配筋を形
成する。そして、これら底版部配筋32の上にコンクリ
ートを打設して、底版部3を形成する。ここで、底版部
3の中央部の、前記の突出状態に配される基部配筋の周
囲には、円形の窪みが形成される。
【0030】なお、底版部配筋32は、充分なコンクリ
ートのかぶり厚を確保するため、スペーサーによって均
しコンクリート31から所定間隔離間した状態に確保さ
れている。また、側壁部2と底版部3との継ぎ目は、前
記の水膨張ゴムによって止水が行われる。なお、砕石基
礎30及び均しコンクリート31、ならびに底版部配筋
32の一部には、予め凹部が形成されており、これによ
って底版部3には、図2に示されるように、消防用の吸
管が現場打ち防火水槽1内の水を吸い上げやすくするた
めの集水ピット33が形成される。
【0031】底版部3のコンクリートが硬化した後、底
版部3の中央部の窪みの上に、側壁部2の上端にまで達
する円筒状の支柱用配筋34を、その中心軸が側壁部2
の中心軸と一致するように組み上げる。この支柱用配筋
34を組み上げた後、支柱用配筋34の下端部を前記底
版センター配筋20から突出された基部配筋に溶接を行
い、底版部3に固定する。次に、上方から、支柱用配筋
34に円筒形状をなす塩化ビニール管製の支柱用捨て型
枠35を被せ、その中心軸を側壁部2の中心軸と一致さ
せた状態で、支柱用捨て型枠35の底部を早強無収縮モ
ルタルによって底版部3の窪みに液密に固定する。
【0032】続いて、支柱用配筋34および支柱用捨て
型枠35の上面に、頂版センター型枠22を、互いの中
心を合わせた状態にして載置し、さらに底版部3から仮
支柱36によって10角形状をなす頂版センター型枠2
2の、直線状の縁部のそれぞれの底面を支持する。な
お、頂版センター型枠22の縁部の底面は、仮支柱36
の上端に形成される支持面37の片側半分によって支持
される。次に、分割頂版型枠ユニット23を、仮支柱3
6の支持面37のもう片側半分と、側壁部2の上端との
間に懸架し、この状態で、頂版センター型枠22と分割
頂版型枠ユニット23とを、また分割頂版型枠ユニット
23同士をそれぞれ接続して、側壁部2の上端に頂版4
の底面を形成する頂版捨て型枠38を形成する。
【0033】なお、頂版センター型枠22と分割頂版型
枠ユニット23、ならびに分割頂版型枠ユニット23同
士の接続は、従来のプレキャストコンクリート版同士の
接続と同様、互いの端面をボルト等による締結固定や、
互いの端面に形成される溝や切り込み等をまたぐように
して配される棒状または板状の接続部材を用いることに
よって行われる。また、頂版捨て型枠38の、支柱用捨
て型枠35及び側壁部2の上端との接続部には、止水用
のブチルゴムが配されている。続いて、前記底版部3と
同様に、頂版捨て型枠38の上面中央に頂版センター配
筋25を載置し、さらに頂版センター配筋25を中心
に、その周囲に分割頂版配筋ユニット26を敷き詰め
る。
【0034】その後、これらを互いをまたぐようにして
溶接される補強筋によって相互に連結させて、図10に
示されるような円盤形状をなす頂版部配筋39を形成す
る。また、図2に示されるように、頂版センター配筋2
5の中央部には、頂版センター配筋25を形成する網状
鉄筋20,20aに対して垂直に、かつ下方に突出され
て支柱用配筋34に重複された状態になるように鉄筋が
溶接され、これによって頂版センター配筋25と支柱用
配筋34とが連結される。次に、前記側壁部2の上端部
外面側に、その全周にわたって分割頂版側面型枠ユニッ
ト24を連結して、頂版部4の側面を形成するための型
枠を形成し、頂版捨て型枠38と分割頂版側面型枠ユニ
ット26によって囲われる空間内及び支柱用捨て型枠3
5内にコンクリートを打設して、頂版部4及び支柱40
を形成する。
【0035】ここで、頂版部配筋39は、充分なコンク
リートのかぶり厚を確保するため、スペーサーによって
頂版捨て型枠38から所定間隔離間した状態に確保され
ている。なお、頂版捨て型枠38及び頂版部配筋39の
一部には、予め2つの貫通孔が形成されており、これに
よって頂版部4に2つの貫通孔が形成される。次に、頂
版部4を形成するコンクリートが硬化した後、分割頂版
側面型枠ユニット26を取り外し、図2に示されるよう
に、前記の頂版部4に形成される2つの貫通孔に、予め
ユニット化された部材を連結することによって、消防用
の吸管を投入するための吸管投入口41と、現場打ち防
火水槽1のメンテナンス用のマンホール42を形成す
る。
【0036】このようにして現場打ち防火水槽1の主要
部を構築した後、現場打ち防火水槽1の内部全面に防水
塗装を施し、現場打ち防火水槽1を完成させる。このよ
うに行われる現場打ち防火水槽の施工方法によれば、現
場打ち防火水槽1の側壁部2を形成する側壁部型枠5及
び側壁部配筋27、また底版部配筋32ならびに頂版部
4を形成する型枠及び配筋が、予め品質管理の容易な工
場内で小型の運搬手段に搭載できるサイズに製造された
ユニットによって構築されるので、これらの型枠及び配
筋を、高精度で安定した品質とすることができる。そし
て、これらユニットは、中、大型車両の進入できない狭
隘地にも搬入可能なので、狭隘地にも現場打ち防火水槽
1の型枠及び配筋を構築することが可能になる。
【0037】また、頂版部4の中央部が、底版部3に設
けられる支柱40によって支持されるので、頂版部4の
強度が向上し、頂版部4の厚みを薄くしてコンクリート
の使用量を減らすことができ、現場打ち防火水槽1の製
造コストを下げることができる。そして、頂版部4の底
面部分を形成する頂版捨て型枠38は、プレキャストコ
ンクリート製の捨て型枠であるので、頂版部4を形成す
るために支保工を構築する作業が不要となり、施工作業
が簡略化される。
【0038】分割側壁部型枠ユニット6及び分割頂版側
面型枠ユニット24は、鋼製であるために高い工作精度
と強度が確保されており、これによって形状が高精度で
再利用可能な側壁部型枠5を構築することができるの
で、施工現場での側壁部の型枠及び側壁部の配筋の製作
が省かれて施工作業が簡略化されるとともに、施工現場
の状況や施工者によらずに高品質の現場打ち防火水槽1
を繰り返し施工することができる。また、分割側壁部型
枠ユニット6は補強リブ10及び桁板11によって補強
されており、また分割側壁部型枠ユニット6及び分割頂
版側面型枠ユニット24は、桁板11によって分割側壁
部型枠ユニット6同士及び分割頂版側面型枠ユニット2
4同士の接合端面が形成されているので、分割側壁部型
枠ユニット6同士および分割頂版側面型枠ユニット24
同士を強固に接続することが可能となり、これらによっ
て分割側壁部型枠ユニット6及び分割頂版側面型枠ユニ
ット24、ならびにこれらによって構築される現場打ち
防火水槽1用の側壁部型枠5の強度が向上する。
【0039】また、円筒形状をなす側壁部2の側壁部型
枠5を構成する分割側壁部型枠ユニット6に、ターンバ
ックルブレース8を放射状に接続することにより、位置
調整を行いたい分割側壁部型枠ユニット6に接続される
ターンバックルブレース8の張力を加減するだけで、分
割側壁部型枠ユニット6の位置を現場打ち防火水槽1の
径方向に移動させることができ、側壁部2の側壁部型枠
5の真円度を調節することができる。頂版部4を支持す
る支柱40が、現場打ち防火水槽1内で組まれる支柱用
配筋34の周囲に配される塩化ビニール管製の支柱用捨
て型枠35内にコンクリートを打設することで形成され
るので、支柱40を構築する際に、支柱40のコンクリ
ート用の型枠を構築する手間がなく、また支柱40に防
水のための被覆を施す作業を省くことができるので、施
工作業が簡略化される。
【0040】また支柱40の型枠に、塩化ビニール管と
いう安価な素材を用いることができるので、支柱40の
製造コストを下げることができる。これによって、狭隘
地でも施工可能かつ施工作業が簡略化され、また品質の
安定した現場打ち防火水槽1とすることができる。
【0041】なお、上記実施の形態では特に示さなかっ
たが、施工作業をスムーズに行うために、分割側壁部型
枠ユニット6の補強リブ10の形成される側の面に、作
業用の足場を取り付ける足場受けを設けても構わない。
また、上記実施の形態では、現場打ち防火水槽1の側壁
部2を構築するためにコンクリート打設作業を2段階に
分けて行った例を用いたが、これに限られることなく、
側壁部2の構築を、側壁部型枠5及び側壁部2の配筋を
一段目、二段目ともに組み上げた後、高流動コンクリー
トによって一度にコンクリート打設を行い、コンクリー
ト打設作業を簡略化してもよい。また、上記実施の形態
では、現場打ち防火水槽1を上下の2段からなる防火水
槽としたが、これに限られることなく、内水圧に耐えう
る強度が確保されていれば、より多段の防火水槽として
も構わず、また1段のみからなる防火水槽としても構わ
ない。
【0042】また、上記実施の形態では、底版部配筋3
2及び頂版部配筋39を、底版センター配筋20や頂版
センター配筋25の周囲にそれぞれ分割底版配筋ユニッ
ト21や分割頂版配筋ユニット26を連結させて構築し
た例を示したが、これに限られることなく、防火水槽が
小規模である場合には、底版センター配筋20や頂版セ
ンター配筋25を省略し、略扇形に形成される分割底版
配筋ユニット21や分割頂版配筋ユニット26を複数連
結することによってこれら底版部配筋32及び頂版部配
筋39を構築しても構わない。また、同様に、上記実施
の形態では、頂版捨て型枠38を、頂版センター型枠2
2の周囲に分割頂版型枠ユニット23を連結させること
で構築した例を用いたが、これに限られることなく、防
火水槽が小規模である場合には、略扇形に形成される分
割頂版型枠ユニット23を複数連結することによって頂
版捨て型枠38を構築しても構わない。なお、上記実施
の形態では、支柱40を、塩化ビニール管からなる型枠
を用いて現場で構築する例を用いたが、これに限られる
ことなく、予め工場で複数のユニットに分割されて製造
されたコンクリート二次製品や、防蝕加工が施された鋼
管などによって構築されても構わない。
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の現場打ち防火水槽の施工
方法によれば、現場打ち防火水槽の側壁部を形成する側
壁部型枠及び側壁部配筋が、予め品質管理の容易な工場
内で小型の運搬手段に搭載できるサイズに製造された分
割側壁部型枠ユニット及び分割側壁部配筋ユニットによ
って構築されるので、これら側壁部型枠及び側壁部配筋
を、高精度で安定した品質とすることができ、かつ中、
大型車両の進入できない狭隘地にも現場打ち防火水槽の
側壁部型枠及び側壁部配筋を構築することが可能にな
る。また、分割側壁部型枠ユニットは鋼製であるために
高い工作精度と強度が確保されるので、形状が高精度で
再利用可能な側壁部型枠を構築することができる。これ
らによって、施工現場での側壁部型枠及び側壁部配筋の
製作が省かれて、施工作業が簡略化されるとともに、施
工現場の状況や施工者によらずに高品質の現場打ち防火
水槽を繰り返し施工することができる。
【0044】請求項2記載の現場打ち防火水槽の施工方
法によれば、現場打ち防火水槽の側壁部型枠を構築する
分割側壁部型枠ユニットに対して、側壁部型枠の中心軸
を中心とした放射状に連結されるターンバックルブレー
スの個々の張力を加減することによって、位置調整を行
いたい分割側壁部型枠ユニットに接続されるターンバッ
クルブレースの張力を加減するだけで、分割側壁部型枠
ユニットの位置を現場打ち防火水槽の径方向に移動させ
ることができ、側壁部型枠の真円度を調節することがで
きる。
【0045】請求項3記載の現場打ち防火水槽の施工方
法によれば、現場打ち防火水槽の底版部配筋を、予め品
質管理されながら製造され、小型の運搬手段に搭載でき
るサイズにユニット化された複数の部材を連結すること
で構築することができるので、底版部配筋を高精度かつ
一定した品質とすることができ、また中、大型車両の進
入できない狭隘地にも現場打ち防火水槽の底版部配筋を
構築することが可能になる。
【0046】請求項4記載の現場打ち防火水槽の施工方
法によれば、現場打ち防火水槽の頂版部を形成する頂版
部の型枠及び配筋を、予め品質管理されながら製造さ
れ、小型の運搬手段に搭載できるサイズにユニット化さ
れた複数の部材を連結することで構築することができる
ので、頂版部の型枠及び配筋を高精度で一定した品質と
することができ、かつ中、大型車両の進入できない狭隘
地にも現場打ち防火水槽の頂版部の型枠及び配筋を構築
することが可能になる。さらに、頂版部の型枠は、プレ
キャストコンクリート製の捨て型枠であるので、頂版部
を形成するために支保工を構築する作業が不要となり、
施工作業が簡略化される。また、現場打ち防火水槽の底
版部の中央上面部には、頂版部を支持する支柱が配さ
れ、これによって頂版部が補強されるので、頂版部の厚
みを減らしてコストダウンを図ることができる。
【0047】請求項5記載の現場打ち防火水槽の施工方
法によれば、支柱が、現場打ち防火水槽内で組まれる配
筋の周囲に配される塩化ビニール管製の捨て型枠内にコ
ンクリートを打設することで形成されるので、支柱を構
築する際に、支柱のコンクリート用の型枠を構築する手
間がなく、また支柱に防水のための被覆を施す作業を省
くことができるので、施工作業が簡略化される。また支
柱用の型枠に、塩化ビニール管という安価な素材を用い
ることができるので、製造コストを下げることができ
る。
【0048】請求項6記載の現場打ち防火水槽によれ
ば、狭隘地でも施工可能かつ施工作業が簡略化され、ま
た品質の安定した現場打ち防火水槽とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法に
よって構築される現場打ち防火水槽の構造を説明する斜
視全体図である。
【図2】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法に
よって構築される現場打ち防火水槽の構造を説明する側
断面図である。
【図3】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法に
用いられる分割側壁部型枠ユニットの構造及び構成を示
す側面図である。
【図4】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法に
おける現場打ち防火水槽の側壁部型枠の構成及び構造を
説明する上面図である。
【図5】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法に
用いられる分割側壁部配筋ユニットの構造及び構成を示
す側面図及び上面図である。
【図6】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法に
おける、ターンバックルブレースによる現場打ち防火水
槽の側壁部型枠の真円度の調整作業を説明する上面図で
ある。
【図7】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法に
用いられる底版センター配筋及び分割底版配筋ユニット
の構造及び構成を示す上面図である。
【図8】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法に
おける現場打ち防火水槽の分割頂版側面型枠ユニットの
設置の様子、及び頂版部の施工作業の様子を説明する上
面図である。
【図9】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法に
おける現場打ち防火水槽の底版部配筋の構造及び構成を
説明する上面図である。
【図10】 本発明に係る現場打ち防火水槽の施工方法
における現場打ち防火水槽の頂版部配筋の構造及び構成
を説明する上面図である。
【符号の説明】
1 現場打ち防火水槽 2 側壁部 3 底版部 4 頂版部 6 分割側壁部型枠ユニット 7 分割側壁部配
筋ユニット 8 ターンバックルブレース 19 刃口リング 20 底版センター配筋 21 分割底版配
筋ユニット 22 頂版センター型枠 23 分割頂版型
枠ユニット 24 分割頂版側面型枠ユニット 25 頂版センタ
ー配筋 26 分割頂版配筋ユニット 28 セパレータ
ー 32 底版部配筋 36 仮支柱 39 頂版部配筋 40 支柱

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製の円弧版形状の複数の分割側壁部型
    枠ユニット及び円弧版形状をなすカゴ型に組まれた複数
    の分割側壁部配筋ユニットを、運搬手段によって防火水
    槽を構築しようとする施工現場に搬入し、 前記分割側壁部型枠ユニット及び分割側壁部配筋ユニッ
    トをそれぞれ、自身の円弧形状の周方向及び軸方向に連
    結させることによって、同軸で半径の異なる2つの円筒
    体からなる側壁部型枠の構築と、該側壁部型枠内に形成
    される円筒形状の側壁部配筋の構築を行い、 前記側壁部型枠内にコンクリートを打設することによっ
    て現場打ち防火水槽用の円筒形状の側壁部を構築するこ
    とを特徴とする現場打ち防火水槽の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記現場打ち防火水槽の側壁部型枠を構
    築した後、複数本のターンバックルブレースを、前記側
    壁部型枠を構成する複数の前記分割側壁部型枠ユニット
    に対して、前記側壁部型枠を中心とする放射状に連結
    し、 前記ターンバックルブレースの個々の張力を加減するこ
    とによって、前記ターンバックルブレースに連結される
    前記分割側壁部型枠ユニットの前記側壁部型枠の径方向
    に対する位置を調節して、前記側壁部型枠の真円度の調
    整を行うことを特徴とする請求項1記載の現場打ち防火
    水槽の施工方法。
  3. 【請求項3】 複数の分割底版配筋ユニットを、前記運
    搬手段によって防火水槽を構築しようとする施工現場に
    搬入し、 前記分割底版配筋ユニットを互いに連結することで円版
    状の底版部配筋の構築を行い、 該底版部配筋を覆うようにしてコンクリートを打設する
    ことによって、前記現場打ち防火水槽の底版部を形成す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の現場打ち防
    火水槽の施工方法。
  4. 【請求項4】 プレキャストコンクリート版として製造
    されてなる、大略扇形をなす平版状の複数の分割頂版型
    枠ユニットと、 大略扇形をなす平版状の複数の分割頂版配筋ユニット
    を、運搬手段によって防火水槽を構築しようとする施工
    現場に搬入し、 予め前記側壁部及び底版部が形成され、また該底版部の
    中央部上面に支柱が形成された前記現場打ち防火水槽
    の、前記支柱の上面に前記複数の分割頂版型枠ユニット
    を連結して、前記側壁部の上部に頂版捨て型枠を形成
    し、 該頂版捨て型枠上に、前記複数の分割頂版配筋ユニット
    を互いに連結して頂版部配筋を形成し、 前記頂版捨て型枠によって囲われる空間内にコンクリー
    トを打設することによって、前記現場打ち防火水槽の頂
    版部を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の現場打ち防火水槽の施工方法。
  5. 【請求項5】 前記支柱が、前記現場打ち防火水槽内で
    組まれる配筋の周囲に配される塩化ビニール管製の捨て
    型枠内にコンクリートを打設することで形成されること
    を特徴とする請求項4記載の現場打ち防火水槽の施工方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれかに記載の現
    場打ち防火水槽の施工方法のうち、少なくともいずれか
    一つの施工方法を用いて施工されることを特徴とする現
    場打ち防火水槽。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017223055A (ja) * 2016-06-16 2017-12-21 トーヨーカネツ株式会社 型枠・鉄筋一体構造体及び鉄筋コンクリート並びに型枠・鉄筋一体施工方法
CN114941463A (zh) * 2022-05-05 2022-08-26 上海宝冶集团有限公司 一种旋流池顶盖的分段模块化施工方法

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