JP2561132Y2 - 柱・梁の混合構造 - Google Patents

柱・梁の混合構造

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JP2561132Y2
JP2561132Y2 JP1604292U JP1604292U JP2561132Y2 JP 2561132 Y2 JP2561132 Y2 JP 2561132Y2 JP 1604292 U JP1604292 U JP 1604292U JP 1604292 U JP1604292 U JP 1604292U JP 2561132 Y2 JP2561132 Y2 JP 2561132Y2
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悦徳 田村
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、中空筒体状PC柱型枠
を用いた鉄筋コンクリート構造の柱と、鉄骨構造の梁と
を備えた柱・梁の混合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の躯体構造としては、例えば
実公昭61−34404号公報(E04B 1/30)
に開示されるようにRC(鉄筋コンクリート)柱とS
(鉄骨)梁とを用いた混合構造がある。前記S梁は上下
にフランジが形成されたI形鋼が用いられ、このI形鋼
はRC柱内に埋設された角型鋼管に接合されるようにな
っている。
【0003】ところで、前記RC柱を構築するに、近年
では特開平2−80205号公報(B28B 21/5
6)に開示されるように、コンクリートを中空筒体状に
プレキャストした柱型枠(以下、PC柱型枠と略称す
る。)を用いるようになったものがある。即ち、前記P
C柱型枠は工場等で製作したものを現場に搬入して建込
み、そして、この建込んだPC柱型枠内に配筋してコン
クリートを打設することにより、簡単にRC柱を構築す
ることができるようになっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の柱・梁の混合構造にあっては、RC柱がPC柱型
枠を用いて構築される場合、このPC柱型枠は肉厚がそ
の全周に亘って略一定に形成され、しかも、PC柱型枠
の軽量化を目的としてその薄肉化が図られる。
【0005】従って、前記PC柱型枠を用いたRC柱と
S梁との混合構造では、PC柱型枠自体の強度が大きく
ないことから、仮設時に前記柱と梁とを建込んで行く際
にRC構造と同様に一層単位の施工となり、梁が鉄骨で
あるにも係わらず鉄骨並の建方、つまり、複数層単位に
施工することができない。一方、前記PC柱型枠の強度
を確保するために単に肉厚を増大することは、柱配筋の
有効性を減ずることになるため好ましくないという課題
があった。また、殊に上記特開平2−80205号公報
に開示されている中空な内・外断面矩形状の柱体を得る
ことに着目すると、そのためには、内側の4隅に対応す
る位置に棒状等の何らかの型枠を設置して製作する必要
があった。
【0006】そこで、本考案はかかる従来の課題に鑑み
て、PC柱型枠の断面形状を工夫することにより、仮設
時の重量をこのPC柱型枠により安定的に支え、もって
鉄骨構造に近い建方を可能とする柱・梁の混合構造を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本考案は、中空筒体状PC柱型枠を用いた鉄筋コン
クリート構造の柱と、フランジが形成された鉄骨構造の
梁とを備えた柱・梁の混合構造において、前記PC柱型
枠の断面形状を外側で四角形状とし、内側で円形状とす
ると共に、このPC柱型枠の前記梁が接合される部分
に、PC柱型枠の外周を囲繞する補強鋼材を取り付け、
かつ、この補強鋼材の前記フランジに対応した位置に、
前記PC柱型枠の断面形状に沿って外側が四角形状とな
り、内側が円形状となるダイヤフラムを設けることによ
り構成する。
【0008】
【作用】以上の構成により本考案の柱・梁の混合構造に
あっては、中空筒体状PC柱型枠は断面形状が外側で四
角形状となり、内側で円形状となっているため、このP
C柱型枠の四隅に肉厚の大きな部分を形成することがで
きる。従って、PC柱型枠の重量を大幅に増大すること
なく四隅の肉厚増大部分によってこのPC柱型枠の強度
を著しく増大することができる。このため、PC柱型枠
と梁とを組み立てるのに、このPC柱型枠によって仮設
時の大きな重量を安定的に支持することができる。
【0009】また、前記PC柱型枠と梁とを組み立てる
のに、このPC柱型枠の外周を囲繞する補強鋼材に鉄骨
梁を結合することができる。すなわち、前記補強鋼材に
設けられたダイヤフラムに前記梁のフランジを溶着する
ことにより、梁の結合を確実に行うことができる。この
とき、前記ダイヤフラムを前記PC柱型枠の断面形状に
沿って外側を四角形状、内側を円形状に形成したので、
このダイヤフラムの強度を著しく増大し、延いてはPC
柱型枠と鉄骨梁との結合を確実に行うことができる。
【0010】従って、本考案では前記PC柱型枠自体の
強度を確保すると共に、鉄骨梁との結合を確実に行うこ
とができるため、PC柱型枠と鉄骨梁とを用いて建築物
を構築する際に、一度に複数層の建込みが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本考案の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。図1から図3は本考案にかかる柱・梁の混合
構造の一実施例を示し、図1は要部の側面断面図、図2
は図1中A−A線からの断面図、図3は図1中B−B線
断面図である。
【0012】即ち、本実施例の柱・梁の混合構造は、図
1に示したように柱10が、中空筒体状PC柱型枠12
を用いた鉄筋コンクリート構造として構成される。前記
PC柱型枠12は柱10を構築しようとする部位に建込
んで、このPC柱型枠12の中空部内に配筋14を行っ
た後、コンクリートを打設することによりRC柱10が
構築される。前記PC柱型枠12は、横に寝かせて配置
した成形型内にコンクリートを打設しつつ、この成形型
を回転させることで遠心力の作用で形成されるものであ
るため、ダイヤフラム20の下端にもコンクリートを確
実に充填することができ、柱軸力を十分に伝達すること
ができる。
【0013】また、前記RC柱10の高さ方向に所要
(一層階分)間隔をもって梁16が結合される。前記梁
16は上下両端に平行なフランジ16aを形成したI形
鋼により鉄骨構造として構成される。
【0014】前記PC柱型枠12には、前記梁16が接
合される部分に柱10の外周を囲繞する補強鋼材として
の鋼管18が取り付けられる。鋼管18は前記梁16の
高さと略等しい長さに形成され、この鋼管18の両端に
は前記フランジ16aに対応してダイヤフラム20が固
設される。そして、前記梁16を柱10に結合する際、
この梁16のフランジ16a端は前記ダイヤフラム20
の外周部に溶着される。また、前記鋼管18の外側には
接続ガセットプレート22が溶着されており、この接続
ガセットプレート22が梁16のウエブ16bに図外の
ボルト,ナットを介して固定される。
【0015】ここで、本実施例にあっては図2に示した
ように、前記PC柱型枠12の断面形状を外側で正方形
の四角形状に形成すると共に、内側で円形状に形成す
る。尚、前記PC柱型枠12内には、配筋24が予め埋
設されている。また、図3に示したように前記ダイヤフ
ラム20を、前記PC柱型枠12の断面形状に沿って外
側を四角形状に形成すると共に、内側を円形状に形成す
る。
【0016】以上の構成により本実施例の柱・梁の複合
構造にあっては、PC柱型枠12を用いてRC柱10が
構築されるため、このRC柱10の構築作業が単純化さ
れ、工費の削減を達成しつつ工期の短縮を図ることがで
きる。ところで、前記PC柱型枠12は断面形状が外側
で四角形状となり、内側で円形状となっているため、こ
のPC柱型枠12の四隅に肉厚の大きな部分12aを形
成することができ、従来例とは異なり内側の型枠が不要
となって、この型枠の取付け、取外しを省略することが
できる。そして、前記PC柱型枠12は前記四隅の肉厚
増大部分12aによって、このPC柱型枠12の強度を
著しく増大できることになり、このPC柱型枠12の強
度に対する重量の増大量を小さく設定することができ
る。従って、前記PC柱型枠12を用いて梁16を組み
立てる際に、このPC柱型枠12自体の重量増大を抑制
しつつ仮設時の大きな重量を安定的に支持することがで
きる。
【0017】ところで、I形鋼で形成された前記梁16
は、前記PC柱型枠12の外周を囲繞する鋼管18に取
り付けられて、柱10,梁16の組立が行われる。この
梁16の取り付けは、前記鋼管18の両端に固設された
ダイヤフラム20の外周に溶着されると共に、接続ガセ
ットプレート22を介して梁16のウエブ16bにボル
ト,ナット固定される。このとき、前記ダイヤフラム2
0が前記PC柱型枠12の断面形状に沿って外側が四角
形状、内側が円形状に形成したので、このダイヤフラム
20の強度を著しく増大し、延いてはPC柱型枠12と
梁16との結合を確実に行うことができる。
【0018】このように、本実施例では前記PC柱型枠
12自体の強度が増大されることと、S梁16が鋼管1
8を介してPC柱型枠12に確実に取り付けることがで
きるため、PC柱型枠12により組立時の重量を安定的
に支持できようになる。このため、PC柱型枠12とS
梁16とを用いて建築物を構築する際に、一度に複数層
の建込みが可能となり、鉄骨構造と略同様の建方が可能
となる。
【0019】
【考案の効果】以上説明したように本考案の柱・梁の混
合構造にあっては、中空筒体状PC柱型枠を用いて鉄筋
コンクリート柱を構築するようになっており、このPC
柱型枠の断面形状を外側で四角形状とし、内側で円形状
としたので、PC柱型枠の四隅に肉厚増大部分を形成し
て強度を著しく増大することができ、また内側の型枠も
不要となる。また、鉄骨構造の梁はPC柱型枠の外周を
囲繞する補強鋼材に結合されるようになっており、この
梁のフランジを溶着するダイヤフラムをPC柱型枠の断
面形状に沿って外側を四角形状、内側を円形状に形成し
たので、このダイヤフラムの強度を著しく増大してPC
柱型枠と鉄骨梁との結合を確実に行うことができる。従
って、PC柱型枠自体の強度を確保して構築時の大きな
重量を安定的に支持することができると共に、鉄骨梁と
の結合を確実に行うことができるため、鉄筋コンクリー
ト柱でありながら鉄骨構造と略同様に建築物の構築時に
一度に複数層の建込みが可能となる。このため、建築工
事の進行が能率的になり工期の短縮化を達成することが
できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す要部側面断面図であ
る。
【図2】本考案の一実施例を示す図1中A−A線断面図
である。
【図3】本考案の一実施例を示す図1中B−B線断面図
である。
【符号の説明】
10 柱 12 中空筒体状
PC柱型枠 16 梁 16a フランジ 18 鋼管(補強鋼材) 20 ダイヤフラ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空筒体状PC柱型枠を用いた鉄筋コン
    クリート構造の柱と、フランジが形成された鉄骨構造の
    梁とを備えた柱・梁の混合構造において、 前記PC柱型枠の断面形状を外側で四角形状とし、内側
    で円形状とすると共に、このPC柱型枠の前記梁が接合
    される部分に、PC柱型枠の外周を囲繞する補強鋼材を
    取り付け、かつ、この補強鋼材の前記フランジに対応し
    た位置に、前記PC柱型枠の断面形状に沿って外側が四
    角形状となり、内側が円形状となるダイヤフラムを設け
    たことを特徴とする柱・梁の混合構造。
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