JP2000110030A - 分割型複合繊維およびこれからなる不織布 - Google Patents

分割型複合繊維およびこれからなる不織布

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JP2000110030A JP10277363A JP27736398A JP2000110030A JP 2000110030 A JP2000110030 A JP 2000110030A JP 10277363 A JP10277363 A JP 10277363A JP 27736398 A JP27736398 A JP 27736398A JP 2000110030 A JP2000110030 A JP 2000110030A
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splitting
splittable conjugate
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繁満 村瀬
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた柔軟性と風合いを有する不織布を得る
ことができる分割型複合繊維およびそれからなる不織布
を提供する。 【解決手段】 主たる繰り返し単位がトリメチレンテレ
フタレートとするポリエステル成分と、ポリアミドまた
はポリオレフィンからなる他成分とから構成され、ポリ
エステル成分と他成分とが繊維横断面において放射状に
合計8以上のセグメントに交互配列し、各セグメントの
繊度が0.4デニール以下であり、ヤング率が30g/
d以下の分割型複合繊維および該分割型複合繊維の分割
により発現した極細繊維からなる不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維断面形態を有
する分割性に優れた複合繊維に関するものである。ま
た、この分割型複合繊維の分割により発現した極細繊維
からなり、柔軟な風合いを有し、医療衛生材用途や拭取
用途等に好適に使用可能な不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリエチレンテレフタレート
(以下、PETと略する。)と、PETと非相溶性であ
るポリマーとからなる分割型複合繊維で構成される不織
布や織編物等の布帛は、ソフト感やドレープ性に富むた
め、医療衛生材料やワイピングクロス等に好適に用いら
れている。例えば、特開平7−126922号公報や特
開平9−111536号公報等には、PET/ポリアミ
ドあるいはPET/ポリオレフィン等の互いに相溶性の
ないポリマーからなる分割型複合繊維が提案されてい
る。
【0003】近年、さらに高い柔軟性が求められている
中、これらの分割型複合繊維の分割数を多くすることに
よって、また、分割型複合繊維の単糸繊度を小さくする
ことによって、分割型複合繊維の分割により発現する極
細繊維の単糸繊度を小さくして、柔軟性をさらに向上さ
せることは容易に考えられる。しかし、この方法では、
製糸性が悪化する、紡糸装置としてより煩雑なものが必
要である等の問題が発生する。
【0004】また、分割型複合繊維の成分としてPET
を用いた場合、分割により発現するPETからなる極細
繊維自体のヤング率が高いため、前記問題が発生しない
程度にPETからなる極細繊維の単糸繊度を小さく設定
しても、布帛に十分な柔軟性を付与するには限界があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであって、より優れた柔軟性と風合いを
有し、ワイピング性能が向上した不織布を得ることので
きる分割型複合繊維、およびそれからなる不織布を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討を行った結果、分割型複合繊維の
構成成分として、主たる繰り返し単位がトリメチレンテ
レフタレートからなるポリエステル成分と、ポリアミド
またはポリオレフィンとを用いることにより課題を達成
できることを見出し本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、主たる繰り返し単位
がトリメチレンテレフタレートであるポリエステル成分
と、ポリアミドまたはポリオレフィンからなる他成分と
から構成され、かつヤング率が30g/d以下である分
割型複合繊維であり、前記ポリエステル成分と前記他成
分とが繊維横断面において放射状に合計8以上のセグメ
ントに交互配列し、各セグメントの繊度が0.4デニー
ル以下であることを特徴とする分割型複合繊維を要旨と
するものである。
【0008】また、本発明は、前記分割型複合繊維の分
割により発現した0.4デニール以下のポリエステル成
分および/または他成分からなる極細繊維で構成されて
いることを特徴とする不織布を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の分割型複合繊維は、トリメチレンテレフ
タレート単位あるいはこれを主たる繰り返し単位とする
ポリエステル成分と、ポリアミドまたはポリオレフィン
からなる他成分とから構成される。
【0010】ポリエステル成分は、主たる繰り返し単位
をトリメチレンテレフタレートであることが必須要件で
あり、好ましくはポリトリメチレンテレフタレート(以
下、PTTと略する。)とする。ポリメチレンテレフタ
レートは、1,3−プロパンジオールとテレフタル酸の
縮合により得られる。このポリエステル成分には、本発
明の効果を損なわない範囲であれば、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール成
分、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体などの
芳香族ジオール成分、アジピン酸、セバシン酸などの脂
肪族ジカルボン酸成分、イソフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸成分等を共重合したものでもよく、また、安定
剤、蛍光剤、顔料、抗菌剤、消臭剤、強化剤等を添加し
たものでもよい。
【0011】他成分として用いるポリアミドとしては、
ナイロン4、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン
7、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、
ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンと1,10−
デカメチレンジカルボン酸または1,9−ノナメチレン
ジカルボン酸からのポリアミド、および前記ポリアミド
に15モル%未満の第3成分を共重合したもの、および
これらのうち2種以上の共重合物または混合物が挙げら
れる。
【0012】また、他成分として用いるポリオレフィン
としては、炭素原子の数が2〜18の脂肪族α−モノオ
レフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1,3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、
オクテン−1、ドデセン−1、オクタデセン−1のホモ
ポリオレフィンまたは共重合ポリオレフィンがある。脂
肪族αモノオレフィンは他のオレフィン、または少量
(重合体重量の約10重量%)の他のエチレン系不飽和
ポリマー、例えばブタジエン、イソプレン、ペンタジエ
ン−1,3、スチレン、α−メチルスチレンの如き類似
のエチレン系不飽和モノマーが共重合されていても良
い。特にポリエチレンの場合、重合体重量の約10重量
%までのプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1または類似の高級α−オレフィンと共重合させ
たものが好ましい。
【0013】分割型複合繊維の横断面は、前記ポリエス
テル成分と他成分とが放射状に合計8以上のセグメント
に交互配列したものである。図1は、本発明に用いる分
割型複合繊維の一例を示す断面図であり、ポリエステル
成分と他成分とが放射状に交互配列しており、セグメン
ト数の合計が20の例である。セグメント数が8未満の
複合繊維であると、分割後に発現する極細繊維の繊度を
小さくするために分割型複合繊維の繊度を小さくしなけ
ればならず、これを小さくすると、目的とする断面形態
が得られにくく、また、紡糸操業上、問題が発生しやす
いため好ましくない。セグメント数の上限に関しては、
多ければ多いほど分割後の繊度が小さくなるという利点
があるが、実用上は、セグメント合計は8〜30セグメ
ント程度とすることが好ましい。
【0014】分割型複合繊維を構成するポリエステル成
分および他成分からなる各セグメントの繊度は、0.4
デニール以下、好ましくは0.3デニール以下とする。
分割型複合繊維は衝撃により各成分からなるセグメント
の境界面で分割し、各セグメントからなる極細繊維を少
なくとも発現するが、このセグメントの繊度が0.4デ
ニールを超えると、発現する極細繊維のヤング率が大き
くなり、本発明の分割型複合繊維の分割により発現する
極細繊維で構成した不織布に本発明が目的とする柔軟
性、風合いを付与することができないため好ましくな
い。
【0015】分割型複合繊維の単糸繊度は、1〜12デ
ニールであることが好ましい。単糸繊度が1デニール未
満では、目的とする断面形態が得られにくく、また、溶
融紡糸する際の紡糸口金の単孔当たりの吐出量が低下
し、生産量が低下する傾向にあり、一方、生産量を向上
させるために、紡糸口金の孔数を増加させると、紡糸工
程が不安定になる。単糸繊度が12デニールを超える
と、溶融紡糸された糸条の冷却やエアーサッカーによる
引き取りが困難になる傾向にあり、また、糸条の冷却を
促進させるため、紡糸口金の孔数を減らすと、生産量が
低下する。さらには、30を超えるセグメントを有した
断面形態にしなければならないため、煩雑な紡糸装置が
必要となる。
【0016】分割型複合繊維のヤング率は30g/d以
下であることが必要であり、25g/d以下であること
が好ましい。ヤング率が30g/dを超えると、繊維自
体の剛性が高くなり、柔軟性に劣る傾向となるため、こ
の分割型複合繊維の分割により発現した極細繊維もまた
ヤング率が大きくなり、本発明が目的とする柔軟性と風
合いがさらに向上した不織布が得られない。
【0017】本発明の分割型複合繊維は、一般に以下の
如き方法で製造される。すなわち、従来公知の溶融複合
紡糸法で紡糸され、横吹付や環状吹付等の従来公知の冷
却装置を用いて、吹付風により冷却された後、油剤を付
与し引き取りロ−ラ−を介して未延伸糸として巻取機に
巻取られる。引き取りロ−ラ−速度は500m/分〜2
000m/分である。巻取られた未延伸糸を複数本引き
揃え、公知の延伸機にて周速の異なるロ−ラ−群間で延
伸される。次いで、前記延伸トウを押し込み式捲縮付与
装置にて捲縮を付与した後、所定の繊維長に切断して短
繊維を得ることができる。尚、要求される用途により延
伸トウを構成ポリマーの融点以下の温度で熱セットを行
ってもよい。
【0018】次に、本発明の分割型複合繊維を用いて得
られる不織布について説明する。まず、分割型複合繊維
をカード工程で開繊して、ウエブを形成する。得られた
ウエブに分割割繊処理を施して、分割型複合繊維を構成
する成分同士の境界面で分割させ、0.4デニール以下
のポリエステル成分および/または他成分からなる極細
繊維を発現させる。 分割型複合繊維からなるウエブに
衝撃を与えて極細繊維を発現させる方法としては、ウエ
ブを機械的に加工処理して分割割繊する方法、ウエブに
高圧液体流処理を施し衝撃を与えて分割割繊する方法、
ウェブにニードルパンチ処理を施し衝撃を与えて分割割
繊する方法が適用される。
【0019】機械的な加工処理にて割繊する方法として
は、例えば、座屈加工機すなわち一対のロールを通じて
ウエブを押し込み式クリンパー内へ押し込み、ウエブを
座屈させて分割割繊する方法、ウエブを一対のギアロー
ルに通して屈曲させることにより分割割繊する方法、ウ
エブを複数のガイド間に通し擦過屈曲させて分割割繊す
る方法、ウエブを液体中に浸漬して液流により分割割繊
する方法等が挙げられる。なお、機械的な加工処理にて
割繊する場合は、ウエブに部分的熱圧着処理等を施すこ
とにより構成繊維同士を一体化させて布帛化しておく必
要がある。
【0020】高圧液体流処理を施し衝撃を与えて分割割
繊する方法とは、水を噴射孔から高圧力で噴射させて得
られる水流(高圧液体流)により分割割繊することをい
う。具体的には、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔
が、噴射孔間隔0.05〜10mmで一列ないし複数列
に配置した装置を用い、噴射孔から液体を20〜200
kg/cm2Gの圧力で噴射して、支持板に載置したウ
エブに衝突させる。水流の圧力、噴射孔の列数、処理速
度、処理回数等の処理条件は、不織布の用途等に応じて
適宜選択すればよい。支持板としては、ウエブと支持板
とを高圧液体流が貫通する構成のものであればよく、メ
ッシュユスクリーンや有孔板を用いるとよい。メッシュ
スクリーンの組織やメッシュの大きさ等を適宜選択する
ことによって、不織布の表面形態を平滑とする他、孔形
状や模様等を付与することができる。また、高圧液体流
の作用により、分割型複合繊維を分割すると同時に、分
割により発現した極細繊維同士が緻密に三次元的に交絡
一体化するため、不織布化も同時に行うことができる。
【0021】高圧液体流処理を施した不織布において、
メッシュスクリーンとして細かい目のもの(100メッ
シュ程度)を用いて得られたものは、0.4デニール以
下の極細繊維が緻密に交絡したものであるので、表面平
滑で、嵩密度と通気度が共に低く、フィルター性能の高
いものが得られる。このような不織布において通気度
は、40cm3/cm2・sec以下であることが好まし
く、さらには30cm3/cm2・sec以下であること
が好ましい。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、測定法等は次のとおりである。 (1)単糸繊度(デニール) JIS L−1015の方法により測定した。 (2)ポリエステル成分または他成分からなるセグメン
トの繊度(デニール) JIS L−1015の方法により単糸繊度を測定し、
セグメント数と繊維を構成するポリマーの密度と比率よ
り各セグメントの繊度を算出した。 (3)ヤング率(g/d) JIS L−1073の方法により測定した。 (4)分割率(%) 水流交絡処理後の不織布の断面を電子顕微鏡で観察し、
次式で算出した。分割率が80%以上を合格とした。 分割率(%)=(a/b)×100 a:セグメント数の約90%以上が分割した繊維の本数 b:分割前の繊維の本数 (5)不織布の目付(g/m2) JIS P−8142の方法により測定した。 (6)不織布の剛軟度(g) JIS L−1096の試料幅10cm、試料長10c
mの試料片を3枚準備し、DAIEI KEIKI製風
合メータ(MODEL FM−2)を使用した。15m
m幅のスリット上に試料片を置いて、アームが試料をス
リット間に押し込む時に、最高何gの力が必要かを試料
の表裏について、縦横方向、4箇所で測定し、その合計
値を求めた。試料片3枚の平均値を不織布の剛軟度とし
て表した。剛軟度が50g未満を合格とした。 (7)不織布の風合い 10人のパネラーが手触り評価を行い、一人につき10
点を満点として採点し、その合計点で評価した。なお、
合計点評価は、60点以上(◎及び○)を合格とした。 10点評価 10〜8点 : 非常に肌触りがよく柔らかい。 6〜7点 : 肌触りがよく柔らかい。 4〜6点 : やや硬い。 3点未満 : 硬い。 合計点評価 ◎ : 80点以上 ○ : 60〜79点 △ : 40〜59点 × : 39点以下 (8)不織布の通気度(cm3/cm2・sec) カトーテック社製、通気性測定装置KESF−8型を用
い、JIS L−1096の方法により測定した。
【0023】実施例1 分割型複合繊維を構成するポリマーのポリエステル成分
として極限粘度0.92のPTT、他成分としてポリプ
ロピレン(日本ポリオレフィン社製 PL802C)を
使用した。そして、繊維断面形状が図1に示す如き形態
でセグメント数が20個になる複合紡糸口金を用い、P
TTとポリプロピレンの溶融容積比を50:50の割合
で溶融紡糸し、延伸、捲縮付与を行い、裁断し、単糸繊
度3デニール(PTTセグメントが0.18デニール、
ポリプロピレンセグメントが0.12デニール)、繊維
長51mmの分割型複合繊維を得た。得られた分割型複
合繊維をカード工程で開繊し、目付80g/m2のウエ
ブを作成した。このウエブを100メッシュのメッシュ
スクリーンからなるネットコンベアー上に載置し、孔径
0.12mm、孔間隔1.0mmの噴射孔を複数個有する
噴射ノズルを3段階に設け、前段20kg/cm2、中
段40kg/cm2、後段100kg/cm2の水圧でウ
エブの表裏に水流交絡処理を施し、ウエブの構成繊維の
分割と交絡を行い、目付80g/m2の不織布を得た。
噴射ノズルとネットコンベアーの間隔は50mmで、ネ
ットコンベアーの速度は100m/分とした。
【0024】実施例2〜3、従来例1 ポリエステル成分と他成分のポリマーを表1に記載のご
とく変更した以外は、実施例1と同様の方法で分割型複
合繊維および不織布を得た。
【0025】得られた結果も併せて表1に示す。なお、
表中のPPはポリプロピレン、PEはポリエチレン、N
6はナイロン6を示す。
【0026】
【表1】 実施例1〜3は、ポリエステル成分にPTTを用いたた
め繊維のヤング率が低く、また分割率も高いものであ
り、これを用いた不織布は、優れた柔軟性と風合いを有
するものであり、通気度の低いものであった。他成分に
ポリプロピレン、ポリエステル成分にPETを用いた従
来例1と、他成分をして同じポリプロピレンを用いた実
施例1とを比較すると、剛軟度評価においては、従来例
の約60%の値となるほど柔軟性の向上が見られる。
【0027】実施例4〜6、比較例1〜3 分割型複合繊維のセグメント数と分割後の繊度を表2に
示すごとく変更した以外は、実施例1と同様の方法で分
割型複合繊維、および不織布を得た。
【0028】得られた結果も併せて表2に示す。
【0029】
【表2】 実施例4〜6は、ポリエステル成分にPTTを用いたた
め繊維のヤング率が低く、また分割率も高いものであ
り、これを用いた不織布は、優れた柔軟性と風合いを有
するものであり、通気度の低いものであった。
【0030】一方、比較例1〜2は、分割型複合繊維の
セグメント数が少ないため、分割性は高いものの、分割
後の繊度が大きいため、不織布の繊維同士の間隙が大き
くなり、嵩高で通気度の高いものとなった。また、不織
布は、単糸繊度が0.4デニールを超える極細繊維で構
成されるため、本発明が目的とする柔軟性と風合いを向
上させたものを得ることはできなかった。
【0031】分割型複合繊維のセグメント数を図1に示
す如き形態でセグメント合計を6とし、単糸繊度を0.
9デニール(PTTセグメント0.18デニール、ポリ
プロピレンセグメントが0.12デニール)とした比較
例3は、紡糸時に糸条切断が多発し、操業性が著しく劣
り、分割型複合繊維を連続生産することができなかっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、分割型複合繊維および
これからなる不織布において、主たる繰り返し単位がト
リメチレンテレフタレートからなるポリエステルと、ポ
リアミドまたはポリオレフィンからなる他成分を用い、
セグメント数とセグメントの繊度を特定範囲として分割
後の繊度を細くすることで、従来の分割型複合繊維より
もさらに優れた柔軟性と風合いを有し、ワイピング性能
の高い不織布を得ることができたものである。
【0033】PETやポリブチレンテレフタレートから
なる繊維はヤング率が大きいため、分割型複合繊維の構
成ポリマーとしてこのようなポリエステルを用いた従来
の分割型複合繊維の場合、このポリエステルからなる極
細繊維もまたヤング率が高いため、この複合繊維では、
本発明が目的とする柔軟性が向上した不織布を得ること
ができなかった。
【0034】本発明においてポリエステル成分として用
いたポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタレー
トの間に偶数のメチレン基をもつPETやポリブチレン
テレフタレートと異なり、奇数個のメチレン基を持って
おり、また、繊維軸に沿った分子鎖の屈曲度が高いと考
えられる。したがって、このようなPTTは、外部から
のひずみに応じて、繊維軸に沿った分子鎖が、ほとんど
変形され、優れた弾性回復力を有すると考えられる。し
たがって、トリメチレンテレフタレート単位を主たる構
成単位とするポリエステルを採用した本発明によると、
分割型複合繊維のヤング率を低くすることが可能とな
り、またこの分割型複合繊維が割繊した極細繊維により
構成される不織布は、優れた柔軟性を有するものとな
る。さらに、高圧液流処理による不織布化の際には、ヤ
ング率が低い、すなわち屈曲性に優れた本発明による極
細繊維は、水流の作用によって、より緻密に交絡するた
め、嵩が低く、低通気性であって、ドレープ性に優れた
不織布を得ることができたものである。
【0035】このように、柔軟性、風合い、ドレープ
性、肌触り等において、さらに向上させることができた
本発明の不織布は、化粧材料、衛生材料および医療材料
等の肌に接する用途に好適に用いることができ、また、
ガラス、鏡、眼鏡、宝石、家具、OA機器、車等のミク
ロの汚れを拭き取るワイパーとして、家庭用や産業用の
フィルターとして、おしぼりやお尻拭き等の日用品等、
その他様々な分野に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分割型複合繊維の一例を示す断面図であり、セ
グメント数の合計が20の例を示す。
【符号の説明】
1 ポリエステル成分(または他成分) 2 他成分(またはポリエステル成分)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L041 AA07 BA04 BA05 BA12 BA14 BA49 BA59 BC20 BD07 BD11 BD20 CA08 CA21 CA36 CA38 DD01 DD06 DD14 EE06 EE20 4L045 AA05 BA03 BA06 BA21 BA34 BA36 BA39 BA49 BA50 BA60 BB15 DA42 4L047 AA14 AA21 AA23 AA27 AB02 AB08 BA04 CA19 CB01 CB08 CC00 CC03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位がトリメチレンテレ
    フタレートであるポリエステル成分と、ポリアミドまた
    はポリオレフィンからなる他成分とから構成され、かつ
    ヤング率が30g/d以下である分割型複合繊維であ
    り、前記ポリエステル成分と前記他成分とが繊維横断面
    において放射状に合計8以上のセグメントに交互配列
    し、各セグメントの繊度が0.4デニール以下であるこ
    とを特徴とする分割型複合繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の分割型複合繊維の分割に
    より発現した0.4デニール以下のポリエステル成分お
    よび/または他成分からなる極細繊維で構成されている
    ことを特徴とする不織布。
  3. 【請求項3】 構成繊維同士が三次元的に交絡一体化
    し、通気度が40cm3/cm2・sec以下であること
    を特徴とする請求項3記載の不織布。
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