JPH09268461A - 不織布及びこの製造方法 - Google Patents

不織布及びこの製造方法

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JPH09268461A
JPH09268461A JP8103188A JP10318896A JPH09268461A JP H09268461 A JPH09268461 A JP H09268461A JP 8103188 A JP8103188 A JP 8103188A JP 10318896 A JP10318896 A JP 10318896A JP H09268461 A JPH09268461 A JP H09268461A
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JP
Japan
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fibers
splittable
fiber
ultrafine
removable
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JP8103188A
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English (en)
Inventor
Toshio Aikawa
登志夫 相川
Yoshiaki Miyakoshi
慶聡 宮腰
Yoshiko Shibano
佳子 柴野
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形態安定性、表面耐性、及び風合や濾過性能
などに優れた不織布、及びこの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 1種類以上の樹脂成分を除去して、平均
繊維径3μm以下の極細繊維Aを発生可能な分割性繊維
(以下、「除去型分割性繊維」という)から発生した極
細繊維Aが、主として束の状態で、物理的作用により分
割して、極細繊維Bを発生可能な分割性繊維(以下、
「物理的分割性繊維」という)、及びこの物理的分割性
繊維から発生した極細繊維Bと絡合一体化した不織布で
ある。この不織布の製造方法は、除去型分割性繊維と物
理的分割性繊維とを含む繊維ウエブに、流体流を作用さ
せることにより、この物理的分割性繊維を分割して極細
繊維Bを発生させると共に絡合した後、この除去型分割
性繊維の1種類以上の樹脂成分を除去して、極細繊維A
を発生させる方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不織布及びこの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一樹脂成分(海成分)中に、この樹脂成
分を溶解除去できる溶剤に難溶性の樹脂成分(島成分)
を島状に分散させた、いわゆる海島型繊維が知られてい
る。この海島型繊維を含む繊維ウエブを形成し、絡合し
た後に、この海島型繊維の海成分を溶解除去して、島成
分からなる極細繊維を発生させた不織布が知られている
が、この不織布は極細繊維を含んでいるため、風合や濾
過性能などに優れ、また、ウレタン樹脂を含浸するなど
して、人工皮革を形成できるため、利用価値の高いもの
である。
【0003】しかしながら、海島型繊維の海成分を除去
すると、その海成分が除去された分だけ粗な構造となる
ため、形態安定性や表面耐性の悪いものであった。その
ため、実用的ではなく、更なる処理をするにしても、処
理工程に耐えるだけの形態安定性のないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、形態安定性、表
面耐性、及び風合や濾過性能などに優れた不織布、及び
この製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の不織布は、極細
繊維Aを発生可能な除去型分割性繊維90〜25mass%
と、極細繊維Bを発生可能な物理的分割性繊維及びこの
物理的分割性繊維から発生した極細繊維B10〜75ma
ss%(物理的分割性繊維と極細繊維Bの総mass%)と
が、絡合一体化したものである。このように極細繊維B
が発生して絡合しているため、形態安定性、表面耐性、
及び風合や濾過性能などに優れた不織布である。また、
この不織布の除去型分割性繊維の1種類以上の樹脂成分
を除去して極細繊維Aを発生させた、除去型分割性繊維
から発生した極細繊維Aが、主として束の状態で、物理
的分割性繊維及びこの物理的分割性繊維から発生した極
細繊維Bと絡合一体化した不織布は、極細繊維Aと極細
繊維Bとを含んでいるため、より風合や濾過性能などの
優れたものである。
【0006】本発明の不織布の製造方法は、除去型分割
性繊維90〜25mass%と、物理的分割性繊維10〜7
5mass%とを含む繊維ウエブに、流体流を作用させるこ
とにより、この物理的分割性繊維を分割して極細繊維B
を発生させると共に絡合した後、この除去型分割性繊維
の1種類以上の樹脂成分を除去して、極細繊維Aを発生
させる方法である。そのため、形態安定性、表面耐性、
及び風合や濾過性能などの優れた不織布を安定して製造
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、1種類以上の
樹脂成分を除去して、平均繊維径3μm以下の極細繊維
Aを発生可能な除去型分割性繊維を使用することによ
り、風合や濾過性能などに優れた不織布を形成可能にし
ている。平均繊維径が3μmを越えると、風合や濾過性
能などがあまり向上しないためで、風合や濾過性能など
により優れるように、平均繊維径2μmであるのが好ま
しく、平均繊維径1μmであるのがより好ましい。な
お、極細繊維Aの平均繊維径が1μm以下であると、不
織布の表面摩擦抵抗を高くできるので、グリップ性を必
要とする用途(例えば、スポーツ手袋)に使用する場合
に好適である。また、極細繊維Aが異形断面形状を有す
る場合には、円形断面形状に換算した値を極細繊維Aの
繊維径とし、無作為に選んだ50本の極細繊維Aの平均
を平均繊維径という。
【0008】この除去型分割性繊維としては、例えば、
図1に繊維断面模式図を示すように、除去剤で除去可能
なX成分中に、このX成分の除去剤に難除去性のY成分
を島状に分散及び/又は配置した海島型繊維があり、こ
の海島型繊維のX成分を除去することにより、Y成分か
らなる極細繊維Aを発生可能である。
【0009】この除去型分割性繊維の1種類以上の樹脂
成分を除去できる除去剤としては、例えば、溶剤、酵
素、微生物などがあり、これらの中でも、溶剤は除去速
度が速く、取り扱いやすいので好適に使用できる。この
溶剤の中でも、水系のものはより取り扱いやすく、処理
しやすいので、好適に使用できる。本発明における除去
可能とは、樹脂成分の95mass%以上除去できることを
いい、難除去性とは、除去可能な樹脂成分の除去条件下
において、樹脂成分の5mass%以下しか除去できないこ
とをいう。
【0010】別の除去型分割性繊維としては、図2に繊
維断面模式図を示すように、X成分と、X成分の除去剤
に難除去性のY成分、又は、Y成分と、Y成分の除去剤
に難除去性のX成分とを交互に層状に積層した多重バイ
メタル型繊維があり、この多重バイメタル型繊維のX成
分又はY成分を除去することにより、Y成分又はX成分
からなる、略台形断面形状を有する極細繊維Aを、主と
して発生可能である。
【0011】また、別の除去型分割性繊維としては、図
3(a)、(b)に繊維断面模式図を示すように、X成
分を、繊維の内部(好適には繊維軸)から繊維表面に伸
びるX成分の除去剤に難除去性のY成分、或いは、Y成
分の除去剤に難除去性のX成分をY成分で分割した菊花
型繊維があり、この菊花型繊維のX成分又はY成分を除
去することにより、Y成分又はX成分からなる、米字形
状又は扇形形状の断面を有する極細繊維Aを発生可能で
ある。
【0012】なお、いずれの場合も除去型分割性繊維が
2種類の樹脂成分からなる場合について説明したが、3
種類以上の樹脂成分からなっていても良く、3種類の樹
脂成分からなれば2種類以下の極細繊維Aを発生可能で
あり、4種類の樹脂成分からなれば、3種類以下の極細
繊維Aを発生可能である。
【0013】除去型分割性繊維が3種類以上の樹脂成分
からなる場合としては、海島型繊維の少なくとも1つの
島成分が、海島型、多重バイメタル型、菊花型、芯鞘
型、偏芯型、或はサイドバイサイド型になっているも
の、多重バイメタル型繊維の少なくとも1つの樹脂成分
が海島型、多重バイメタル型、菊花型、芯鞘型、偏芯
型、或はサイドバイサイド型になっているもの、或は、
菊花型繊維の少なくとも1つの樹脂成分が海島型、多重
バイメタル型、菊花型、芯鞘型、偏芯型、或はサイドバ
イサイド型になっているもの、などがある。このような
除去型分割性繊維から極細繊維Aを発生させ、更に物理
的処理及び/又は化学的処理により、超極細繊維A’を
発生させれば、より風合や濾過性能などに優れた不織布
とすることができ、このような除去型分割性繊維から発
生した極細繊維A又は超極細繊維A’が融着可能であれ
ば、融着することにより、より形態安定性に優れた不織
布とすることができ、或は、極細繊維A又は超極細繊維
A’が2成分以上からなり、樹脂成分の収縮性が異なれ
ば、巻縮を発現させて、伸縮性や柔軟性に優れた不織布
とすることができる。
【0014】以上のような除去型分割性繊維の中でも、
海島型繊維又は海島型の断面形状を有する部分を有する
除去型分割性繊維は、平均繊維径3μm以下の極細繊維
Aを容易に発生させることができるので、好適に使用で
きる。
【0015】このような除去型分割性繊維から発生可能
な極細繊維Aは、単一の繊維径を有している必要はな
く、大小様々な繊維径を有していても良い。また、除去
型分割性繊維から発生可能な極細繊維Aの本数は、特に
限定するものではないが、5〜10,000本程度が適
当である。
【0016】この除去型分割性繊維を構成する樹脂成分
としては、繊維形成能のあるものであれば良く、例え
ば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン系共重合体な
どのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート系共重合体、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート系共重合体など
のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
メチルペンテンなどのポリオレフィン、ポリウレタン、
ポリアクリロニトリル、ポリスチレンなどのビニル重合
体、或いは、ポリグリコール酸、グリコール酸共重合
体、ポリ乳酸、乳酸共重合体などの脂肪族ポリエステル
系重合体、この脂肪族ポリエステル系重合体にカプラミ
ド、テトラメチレンアジパミド、ウンデカナミド、ラウ
ロラクタミド、ヘキサメチレンアジパミドなどの脂肪族
アミドが共重合した脂肪族ポリエステルアミド系共重合
体などの中から、ある除去剤に対して除去可能な樹脂と
難除去性の樹脂とを、少なくとも1種類づつ含むように
組み合わせれば良い。除去可能な樹脂と難除去性の樹脂
とを1種類づつ含む場合、例えば、パークレンの除去剤
に対して、除去可能なポリスチレンと難除去性のポリア
ミド、トルエンの除去剤に対して、除去可能なポリエチ
レンと難除去性のポリアミド、アルカリ水溶液の除去剤
に対して、除去可能なポリエステルと難除去性のポリプ
ロピレン、などを組み合わせれば良い。これらの中で
も、取り扱いやすいアルカリ水溶液を除去剤として使用
できる、ポリエステルとポリプロピレンとの組み合わせ
が好適である。
【0017】他方、物理的作用により分割して極細繊維
Bを発生可能な物理的分割性繊維を使用し、極細繊維B
を発生させているため、除去型分割性繊維から発生した
極細繊維Aによる風合、濾過性能などの特性を損なうこ
となく、形態安定性や表面耐性を向上させることができ
る。
【0018】この物理的分割性繊維としては、例えば、
図1に繊維断面模式図を示すように、物理的作用により
分割可能なX成分中に、X成分とは貧相溶性のY成分を
島状に分散及び/又は配置した海島型繊維があり、この
海島型繊維を分割することにより、X成分からなる極細
繊維B1、Y成分からなる極細繊維B2、及びX成分とY
成分とを含む極細繊維B3とを発生可能である。なお、
大小様々な大きさの島成分からなると、物理的作用によ
り分割しやすいので、好適な海島型繊維である。特に、
海島型繊維の繊維径に対して、0.06〜0.2倍(好適
には、0.08〜0.18倍)の径を有する島成分が存在
すると、より分割しやすく、しかも絡合しやすいので好
適に使用できる。
【0019】本発明における物理的作用としては、例え
ば、ニードルパンチの作用、水流などの流体流の作用、
カレンダーの作用、或は平板プレスの作用などがある。
これらの中でも、物理的分割性繊維の分割と同時に絡合
することのできる、ニードルパンチの作用や水流などの
流体流の作用が好適であり、より均一に分割し、絡合で
きる水流などの流体流の作用がより好適である。
【0020】また、本発明の貧相溶性とは、対象となる
樹脂成分でサイドバイサイド型複合繊維を紡糸した後、
このサイドバイサイド型複合繊維を指で剪断力を加える
ことによって、2つの樹脂成分に分割できる場合をい
う。
【0021】本発明の別の物理的分割性繊維としては、
図2に繊維断面模式図を示すように、X成分と、X成分
とは貧相溶性のY成分とを交互に層状に積層した多重バ
イメタル型繊維があり、この多重バイメタル型繊維に物
理的作用を施せば、X成分からなる極細繊維B1と、Y
成分からなる極細繊維B2とを発生可能である。
【0022】別の物理的分割性繊維としては、図3
(a)、(b)に繊維断面模式図を示すように、X成分
を繊維の内部(好適には繊維軸)から繊維表面に伸び
る、X成分とは貧相溶性のY成分で分割した菊花型繊維
があり、この菊花型繊維に物理的作用を施せば、X成分
からなる極細繊維B1と、Y成分からなる極細繊維B2
を発生可能である。
【0023】なお、いずれの場合も、2種類の樹脂成分
からなる場合について説明したが、物理的分割性繊維が
3種類以上の樹脂成分からなっていても良く、物理的分
割性繊維が3種類の樹脂成分からなれば、3種類の極細
繊維Bを発生可能であり、4種類の樹脂成分からなれ
ば、4種類の極細繊維Bを発生可能である。
【0024】この3種類以上の樹脂成分からなる物理的
分割性繊維としては、例えば、物理的作用により分割可
能な海島型繊維の少なくとも1つの島成分が海島型、多
重バイメタル型、菊花型、芯鞘型、偏芯型、或はサイド
バイサイド型のもの、物理的作用により分割可能な多重
バイメタル型繊維の少なくとも1つの樹脂成分が海島
型、多重バイメタル型、菊花型、芯鞘型、偏芯型、或は
サイドバイサイド型のもの、或は、物理的作用により分
割可能な菊花型繊維の少なくとも1つの樹脂成分が海島
型(図4)、多重バイメタル型、菊花型、芯鞘型、偏芯
型、或はサイドバイサイド型のものを使用できる。この
ように、分割して発生した極細繊維Bが2種類以上の樹
脂成分からなり、1種類以上の樹脂成分を除去して、超
極細繊維B’(図4のZ成分)を発生可能、又は物理的
作用により超極細繊維B’を発生可能であれば、超極細
繊維B’を発生させることにより、風合や濾過性能など
のより優れた不織布を形成できるので、好適に使用でき
る。また、極細繊維B又は超極細繊維B’が融着可能で
あれば、融着することにより、形態安定性のより優れた
不織布とすることができ、或は、極細繊維B又は超極細
繊維B’が2種類以上の樹脂成分からなり、その樹脂成
分の収縮性が異なれば、巻縮を発現させて、伸縮性や柔
軟性に優れた不織布とすることができる。
【0025】本発明の物理的分割性繊維を構成する樹脂
成分としては、前述の除去型分割性繊維と同様の繊維形
成能のある樹脂成分の中から、2種類以上の互いに貧相
溶性のものを組み合わせれば良く、2種類の場合、例え
ば、ポリエステル系樹脂とポリアミド系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂
とポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂とポリア
クリロニトリル系樹脂などの組み合わせがある。
【0026】なお、物理型分割性繊維から発生可能な極
細繊維Bを構成する樹脂成分として、除去型分割性繊維
の樹脂成分の除去剤によって一部が除去可能なものを含
んでいると、除去型分割性繊維の樹脂成分を除去するの
と同時に、極細繊維Bの樹脂成分の一部を除去でき、よ
り風合の優れた不織布を形成できるので好適である。こ
の極細繊維Bを構成する樹脂成分は、除去型分割性繊維
の樹脂成分の除去速度を1としたら、この除去型分割性
繊維の樹脂成分を除去する除去剤により、0.2〜0.7
の除去速度であるのが好ましい。この極細繊維Bの樹脂
成分としては、例えば、除去剤が好適であるアルカリ水
溶液である場合に、ポリエステル、ポリブチレンサクシ
ネートなどのジオールとジカルボン酸との縮重合体があ
る。
【0027】また、前述のように、極細繊維Bが2種類
以上の樹脂成分からなり、1種類以上の樹脂成分を除去
して超極細繊維B’を発生可能であると、より風合の優
れた不織布を形成できるので好適な態様である。なお、
超極細繊維B’を発生させると、より不織布の表面摩擦
抵抗を高くすることができるので、グリップ性を必要と
する用途(例えば、スポーツ手袋)に使用する場合に好
適である。
【0028】この超極細繊維B’を発生可能な極細繊維
Bを構成する樹脂成分としては、除去型分割性繊維の樹
脂成分の除去と同時に極細繊維Bの樹脂成分も除去する
場合には、除去型分割性繊維の除去する樹脂成分と極細
繊維Bの除去する樹脂成分とが同じであったり、除去型
分割性繊維の除去する樹脂成分と極細繊維Bの除去する
樹脂成分の組み合わせが、例えば、共重合ポリエステル
とポリ乳酸で、除去剤が好適であるアルカリ水溶液の場
合に、同時に除去できる。
【0029】なお、除去型分割性繊維の樹脂成分の除去
とは別に、極細繊維Bの樹脂成分を除去しても良い。除
去型分割性繊維の除去する樹脂成分と極細繊維Bの除去
する樹脂成分との組み合わせが、例えば、低密度ポリエ
チレンと共重合ポリエステルの場合、低密度ポリエチレ
ンをトルエンで、共重合ポリエステルをアルカリ水溶液
で別々に除去し、ポリスチレンと共重合ポリエステルの
場合、ポリスチレンをパークレンで除去し、共重合ポリ
エステルをアルカリ水溶液で別々に除去する必要があ
る。
【0030】このような物理的分割性繊維から発生可能
な極細繊維Bも、単一の繊維径を有している必要はな
く、大小様々な繊維径を有していても良いが、不織布の
風合や濾過性能などを損なわないように、極細繊維Bの
平均繊維径は6μm以下であるのが好ましく、5μm以下
であるのがより好ましい。他方、この極細繊維Bの平均
繊維径が0.1μmよりも小さくなると、物理的作用によ
り極細繊維Bが脱落しやすくなるので、0.1μm以上で
あるのが好ましい。なお、極細繊維Bが異形断面形状を
有する場合には、円形断面形状に換算した値を極細繊維
Bの繊維径といい、無作為に選んだ50本の極細繊維B
の平均を平均繊維径という。また、物理的分割性繊維か
ら発生可能な極細繊維Bの本数も、特に限定するもので
はないが、2〜600本程度が適当である。
【0031】また、超極細繊維B’も単一の繊維径を有
している必要はなく、大小様々な繊維径を有していても
良いが、不織布の風合や濾過性能などにより優れるよう
に、超極細繊維B’の平均繊維径は2μm以下であるの
が好ましく、1μm以下であるのがより好ましい。他
方、この超極細繊維B’の平均繊維径が0.01μmより
も小さくなると、超極細繊維Bが脱落しやすくなるの
で、0.01μm以上であるのが好ましい。なお、超極細
繊維B’が異形断面形状を有する場合には、円形断面形
状に換算した値を超極細繊維B’の繊維径といい、無作
為に選んだ50本の超極細繊維B’の平均を平均繊維径
という。また、極細繊維Bから発生可能な超極細繊維
B’の本数も、特に限定するものではないが、1〜6,
000本程度が適当である。
【0032】このような、本発明で使用する除去型分割
性繊維及び物理的分割性繊維は、常法の複合紡糸法、混
合紡糸法、或はこれらを適宜組み合わせることにより、
容易に紡糸することができる。なお、紡糸性や繊維強度
を低下させない範囲内で、難燃剤、帯電防止剤、吸湿
剤、着色剤、染色剤、導電剤、親水化剤などを混合して
も良い。また、除去型分割性繊維及び物理的分割性繊維
の繊度は、89〜560μg/m程度であるのが好まし
い。
【0033】本発明の不織布は上述のような除去型分割
性繊維90〜25mass%と、物理的分割性繊維10〜7
5mass%とを含むものである。除去型分割性繊維が90
mass%を越えたり、物理的分割性繊維10mass%未満で
あると、形態安定性や表面耐性のない不織布となってし
まい、他方、除去型分割性繊維が25mass%未満であっ
たり、物理的分割性繊維75mass%を越えると、風合や
濾過性能などの特性の悪い不織布となるためで、除去型
分割性繊維90〜40mass%と、物理的分割性繊維10
〜60mass%とを含むのが好ましく、除去型分割性繊維
90〜50mass%と、物理的分割性繊維10〜50mass
%とを含むのが最も好ましい。
【0034】本発明においては、用途によって、上述の
ような除去型分割性繊維や物理的分割性繊維以外の繊維
を含んでいても良く、例えば、絹、羊毛、綿、麻などの
天然繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊
維などの半合成繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアル
コール繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩
化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタ
ン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、芳香
族ポリアミド繊維などの合成繊維を含んでいても良い。
【0035】本発明の不織布の1つは、除去型分割性繊
維90〜25mass%と、物理的分割性繊維及び物理的分
割性繊維から発生した極細繊維B10〜75mass%(物
理的分割性繊維と極細繊維Bの総mass%)とが、絡合一
体化したものである。このように極細繊維Bが発生し、
絡合しているため、形態安定性、表面耐性、及び風合や
濾過性能などが優れている。また、この不織布は形態安
定性に優れているため、除去型分割性繊維の樹脂成分を
除去し、極細繊維Aを発生させる作業を安定して行うこ
とができ、風合や濾過性能などのより優れた不織布を容
易に形成することができる。
【0036】この不織布を構成する除去型分割性繊維の
樹脂成分を除去して形成した不織布は、極細繊維Aが主
として束の状態で、物理的分割性繊維及び極細繊維Bと
絡合一体化している。そのため、この不織布は風合や濾
過性能などがより優れたものである。なお、極細繊維B
が、除去型分割性繊維の樹脂成分を除去する除去剤で、
除去型分割性繊維の樹脂成分を除去する速度よりも遅い
速度で除去可能な樹脂成分を含んでいると、除去型分割
性繊維の樹脂成分を除去する際に、極細繊維Bの一部が
同時に除去されるため、より風合の優れた不織布とな
る。
【0037】また、極細繊維Bが2種類以上の樹脂成分
からなり、1種類以上の樹脂成分を除去して、超極細繊
維B’を発生可能である場合には、極細繊維Bの1種類
以上の樹脂成分を除去することにより、極細繊維Aが主
として束の状態で、主として、物理的分割性繊維及び/
又は超極細繊維B’束と絡合一体化した不織布を得るこ
とができる。この不織布も風合などがより優れている。
【0038】次に、本発明の不織布の製造方法につい
て、簡単に述べる。まず、上述のような除去型分割性繊
維90〜25mass%と、物理的分割性繊維10〜75ma
ss%とを含む繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブの
形成方法としては、例えば、カード法、エアレイ法など
の乾式法や、湿式法がある。なお、繊維ウエブの形成方
法によって繊維長が異なり、前者の乾式法により形成す
る場合には、20〜110mm程度の繊維を使用し、後者
の湿式法により形成する場合には、1〜30mm程度の繊
維を使用する。また、製法の異なる繊維ウエブを積層す
るなど、異種の繊維ウエブを積層しても良い。
【0039】次いで、この繊維ウエブに流体流を作用さ
せることにより、物理的分割性繊維を分割して極細繊維
Bを発生させると同時に絡合する。この流体流による絡
合条件としては、例えば、ノズル径0.05〜0.3mm、
好適には0.08〜0.2mm、ピッチ0.2〜3mm、好適
には0.4〜2mmで、一列以上に配列したノズルプレー
トを使用し、圧力0.98〜29MPa、好適には4.9
〜25MPaの流体流を噴出する。なお、流体流の圧力
は変化させたり、ノズルプレートを揺動又は振動させて
も良い。
【0040】このようにして得られる不織布は、未だ分
割していない除去型分割性繊維と、物理的分割性繊維
と、物理的分割性繊維から発生した極細繊維Bとが絡合
一体化したものである。この不織布は、更に除去型分割
性繊維の1種類以上の樹脂成分を除去し、極細繊維Aを
発生させて、風合や濾過性能などがより優れた不織布と
することができる。この除去型分割性繊維の1種類以上
の樹脂成分を除去して極細繊維Aを発生させる方法とし
ては、例えば、除去剤で満たした浴中に浸漬することに
より行うことができる。
【0041】なお、極細繊維Bを構成する樹脂成分とし
て、除去型分割性繊維の1種類以上の樹脂成分の除去速
度を1とした時に、除去型分割性繊維の樹脂成分を除去
するために使用する除去剤により、0.2〜0.7の除去
速度で除去可能なものを含んでいると、除去型分割性繊
維の1種類以上の樹脂成分を除去して極細繊維Aを発生
させる際に、極細繊維Bの樹脂成分の一部も同時に除去
されるため、風合のより優れた不織布となる。
【0042】また、極細繊維Bが2種類以上の樹脂成分
からなり、1種類以上の樹脂成分を除去して超極細繊維
B’を発生可能である場合には、除去型分割性繊維の1
種類以上の樹脂成分を除去して極細繊維Aを発生させる
と同時に、又は、除去型分割性繊維の1種類以上の樹脂
成分を除去して極細繊維Aを発生させた後に、極細繊維
Bの1種類以上の樹脂成分を除去することにより、超極
細繊維B’を発生させて、風合などがより優れた不織布
を形成できる。除去型分割性繊維の樹脂成分の除去とは
別に、極細繊維Bの1種類以上の樹脂成分を除去して、
超極細繊維B’を発生させる方法としては、除去型分割
性繊維の1種類以上の樹脂成分を除去する方法と同様の
方法により行うことができる。
【0043】以上のようにして得られる本発明の不織布
は、形態安定性、表面耐性、及び風合や濾過性能などの
特性に優れている。そのため、例えば、手袋、外衣、か
ばんなどの人工皮革用基材、衣料用芯地、中入綿、防漏
シーツ、マスク、電池用セパレータ、空気又は液体フィ
ルタ、壁紙、自動車用内装材、パーティション用基材、
などの各種用途に使用できるものである。なお、本発明
の不織布は形態安定性に優れているため、各種用途によ
り適合させるための加工処理、例えば、揉み加工、撥水
加工、樹脂加工、バフィングなどの起毛加工、染色加
工、顔料による着色加工、柔軟剤、帯電防止剤、抗菌剤
加工などを、効率的に行うことができる。
【0044】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。
【0045】
【実施例】
(実施例1〜4、比較例1〜3)ポリプロピレン40部
と、5−スルホイソフタル酸及びポリエチレングリコー
ルを共重合したポリエチレンテレフタレート60部とを
ペレット状態で混合し、280℃で混合紡糸して、繊度
660μg/mとなるように巻き取り、未延伸糸を得
た。次いで、この未延伸糸を90℃で3.3倍延伸し、
裁断して、ポリプロピレンからなる平均繊維径0.28
μmの島成分が約1,600個分散した、繊度220μg
/m、繊維長51mm、断面円形の除去型分割性繊維を形
成した。
【0046】他方、物理的分割性繊維として、繊度12
0μg/m、繊維長38mmで、図3(a)に断面形状を
示すように、ポリエステル成分を繊維軸から放射状に伸
びる6ナイロン成分で分割した断面形状を有する、菊花
型分割性繊維(鐘紡(株)製、商品名:ベリーマX、ポ
リエステル成分からなる断面扇形状の、繊維径3.1μm
の極細繊維B18本と、6ナイロン成分からなる断面十
字形状の、繊維径4.5μmの極細繊維B21本と、6ナ
イロン成分からなる断面一字形状の、繊維径3.2μmの
極細繊維B34本とを発生可能)を用意した。
【0047】この除去型分割性繊維と物理的分割性繊維
とを表1に示すような、各種割合で混綿し、カード機に
より形成した一方向性繊維ウエブを、クロスレイヤーに
より繊維ウエブの進行方向に対して交差させて、交差繊
維ウエブを形成した。次いで、この交差繊維ウエブを目
開き0.147mmのネット上に載置した後、径0.13m
m、ピッチ0.6mmのノズルプレートから、両面交互に、
圧力7.8、12、12MPaの水流を噴出することに
より、菊花型分割性繊維を分割すると同時に交差繊維ウ
エブを絡合して、不織布Aを形成した。次いで、この不
織布Aを温度80℃、12mass%の水酸化ナトリウム水
溶液に30分間浸漬することにより、除去型分割性繊維
の共重合ポリエチレンテレフタレートを分解抽出すると
同時に、極細繊維Bのポリエステル成分の一部も抽出
し、不織布Bを形成した。
【0048】
【表1】
【0049】(実施例5)物理的分割性繊維として、繊
度330μg/m、繊維長45mmで、図3(b)に断面
形状を示すように、ポリプロピレン成分とポリメチルペ
ンテン成分とが互いに分割した断面形状を有する、菊花
型分割性繊維(大和紡(株)製、商品名:DF−3、ポ
リプロピレン成分からなる断面扇形状の、繊維径5.4
μmの極細繊維B18本と、ポリメチルペンテン成分から
なる断面扇形状の、繊維径5.4μmの極細繊維B28本
とを発生可能)を用意した。この物理的分割性繊維を5
0mass%使用したこと以外は、実施例3と全く同様にし
て、不織布A及び不織布Bを形成した。この不織布B
は、除去型分割性繊維の共重合ポリエチレンテレフタレ
ートを分解抽出する際に、菊花型分割性繊維のいずれの
成分も抽出されないため、実施例3の不織布Bよりも硬
い感じのするものであった。
【0050】(実施例6)海島型繊維の複合紡糸装置に
おいて、島成分となるノズルからポリプロピレンを押し
出し、一方、海成分となるノズルから5−スルホイソフ
タル酸及びポリエチレングリコールを共重合したポリエ
チレンテレフタレート60部と、ポリプロピレン40部
とをペレット状態で混合したものをギヤポンプ比8:1
5.8で押し出し、280℃で複合紡糸して、繊度83
0μg/mとなるように巻き取り、未延伸糸を得た。次
いで、この未延伸糸を90℃で3.3倍延伸し、裁断し
て、ポリプロピレンからなる繊維径2.6μm(物理的分
割性繊維の直径に対する比率0.11)の大きい島成分
21個が配置し、ポリプロピレンからなる平均繊維径
0.17μmの小さい島成分約5,000個が分散した、
繊度280μg/m、繊維長51mm、断面円形の物理的
分割性繊維を形成した。この物理的分割性繊維を50ma
ss%使用したこと以外は、実施例3と全く同様にして、
不織布A及び不織布Bを形成した。この不織布Bは、除
去型分割性繊維の共重合ポリエチレンテレフタレートを
分解抽出する際に、物理的分割性繊維の共重合ポリエチ
レンテレフタレートも分解抽出されるため、実施例3の
不織布Bよりも更に柔らかい感じのする、風合の優れた
ものであった。
【0051】(実施例7)海島型複合紡糸装置におい
て、島成分となるノズルからポリプロピレンを、他方、
海成分となるノズルからポリ乳酸を、ギヤポンプ比7.
8:7.3で押し出し、240℃で複合紡糸して、繊度
640μg/mとなるように巻き取り、未延伸糸を得
た。次いで、この未延伸糸を90℃で4.8倍延伸し、
裁断して、ポリプロピレンからなる繊維径1.9μmの島
成分が25個配置した、繊度160μg/m、繊維長3
8mm、断面円形の除去型分割性繊維を形成した。この除
去型分割性繊維を50mass%使用したこと以外は、実施
例3と全く同様にして、不織布A及び不織布Bを形成し
た。この不織布Bは、除去型分割性繊維のポリ乳酸を分
解抽出する際に、物理的分割性繊維のポリエステルの一
部も抽出されるが、発生する極細繊維Aの繊維径が実施
例3の除去型分割性繊維から発生する極細繊維Aよりも
大きいために、実施例3の不織布Bよりも硬い感じのす
るものであった。
【0052】(実施例8)菊花型繊維の複合紡糸装置に
おいて、ポリ乳酸60部とポリプロピレン40部とをペ
レット状態で混合したもの、ポリブチレンサクシネート
60部とポリプロピレン40部とをペレット状態で混合
したものを、ギヤポンプ比1:1で、隣接するノズル間
で交互に押し出し、240℃で複合紡糸して、繊度88
0μg/mとなるように巻き取り、未延伸糸を得た。次
いで、この未延伸糸を90℃で3.3倍延伸し、裁断し
て、ポリプロピレンからなる平均繊維径0.28μmの島
成分が約120個分散した、断面扇形の樹脂成分8個
と、ポリプロピレンからなる平均繊維径0.23μmの島
成分が約180個分散した、断面扇形の樹脂成分8個と
を有する、繊度280μg/m、繊維長51mm、断面円
形の物理的分割性繊維を形成した。この物理的分割性繊
維を50mass%使用したこと以外は、実施例3と全く同
様にして、不織布A及び不織布Bを形成した。この不織
布Bは、除去型分割性繊維の共重合ポリエチレンテレフ
タレートを分解抽出する際に、物理的分割性繊維のポリ
乳酸及びポリブチレンサクシネートも分解抽出されるた
め、実施例3の不織布Bよりも、更に柔らかい感じのす
る風合の優れたものであった。
【0053】(比較例4)実施例7と同様に形成した除
去型分割性繊維を100%使用したこと以外は、比較例
1と全く同様にして、不織布A及び不織布Bを形成し
た。この不織布Aは抽出工程の際の形態安定性が悪く、
非常に取り扱いにくいものであった。
【0054】(形態安定性)実施例1〜8及び比較例1
〜4の不織布Aから不織布Bを製造する際の抽出作業
性、及び得られた不織布Bの形態安定性について、表1
にまとめた。
【0055】(風合)実施例1〜8及び比較例1〜4の
不織布Bの風合を、10人のパネラーにより評価した。
この評価は、比較例1の不織布Bの風合を最高点の「5
点」とし、実施例1で用いた物理的分割性繊維を100
%使用し、実施例1と同様にして形成した、面密度60
g/m2の不織布の風合を最低点の「1点」とした、5段階
で評価した。この結果も表1に示すが、この値は10人
のパネラーの平均値の小数点以下を四捨五入したもので
ある。
【0056】(表面耐性)実施例1〜8及び比較例1〜
4の不織布Bの表面耐性を、JIS L 1076(A
法、ICI型試験機)により評価した。この結果も表1
に示す。
【0057】(表面摩擦抵抗)実施例1〜8及び比較例
1〜4の不織布A及び不織布Bの表面摩擦係数を、表面
試験機(カトーテック(株)製、KES−FB4)によ
り測定した。この結果も表1に示す。
【0058】
【発明の効果】本発明の不織布は、極細繊維Aを発生可
能な除去型分割性繊維90〜25mass%と、極細繊維B
を発生可能な物理的分割性繊維及びこの物理的分割性繊
維から発生した極細繊維B10〜75mass%(物理的分
割性繊維と極細繊維Bの総mass%)とが、絡合一体化し
たものである。このように極細繊維Bが発生して絡合し
ているため、形態安定性、表面耐性、及び風合や濾過性
能などに優れた不織布である。また、この不織布の除去
型分割性繊維の1種類以上の樹脂成分を除去して極細繊
維Aを発生させた、除去型分割性繊維から発生した極細
繊維Aが、主として束の状態で、物理的分割性繊維及び
この物理的分割性繊維から発生した極細繊維Bと絡合一
体化した不織布は、極細繊維Aと極細繊維Bとを含んで
いるため、より風合や濾過性能などの優れたものであ
る。
【0059】本発明の不織布の製造方法は、除去型分割
性繊維90〜25mass%と、物理的分割性繊維10〜7
5mass%とを含む繊維ウエブに、流体流を作用させるこ
とにより、この物理的分割性繊維を分割して極細繊維B
を発生させると共に絡合した後、この除去型分割性繊維
の1種類以上の樹脂成分を除去して、極細繊維Aを発生
させる方法である。そのため、形態安定性、表面耐性、
及び風合や濾過性能などの優れた不織布を安定して製造
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の除去型又は物理的分割性繊維の断面
形状の一例
【図2】 本発明の除去型又は物理的分割性繊維の断面
形状の他例
【図3】(a) 本発明の除去型又は物理的分割性繊維
の断面形状の他例 (b) 本発明の除去型又は物理的分割性繊維の断面形
状の他例
【図4】 本発明の除去型又は物理的分割性繊維の断面
形状の他例
【符号の説明】 X 樹脂成分 Y 樹脂成分 Z 樹脂成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 11/38 D06M 5/02 L

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種類以上の樹脂成分を除去して、平均
    繊維径3μm以下の極細繊維Aを発生可能な分割性繊維
    (以下、「除去型分割性繊維」という)90〜25mass
    %と、物理的作用により分割して、極細繊維Bを発生可
    能な分割性繊維(以下、「物理的分割性繊維」とい
    う)、及び該物理的分割性繊維から発生した極細繊維B
    10〜75mass%(物理的分割性繊維と極細繊維Bの総
    mass%)とが、絡合一体化していることを特徴とする不
    織布。
  2. 【請求項2】 極細繊維Bを構成する樹脂成分として、
    除去型分割性繊維の樹脂成分の除去速度を1とした時
    に、該除去型分割性繊維の樹脂成分を除去するために使
    用する除去剤により、0.2〜0.7の除去速度で除去可
    能なものを含んでいることを特徴とする、請求項1記載
    の不織布。
  3. 【請求項3】 極細繊維Bが2種類以上の樹脂成分から
    なり、1種類以上の樹脂成分を除去して、超極細繊維
    B’を発生可能であることを特徴とする、請求項1記載
    の不織布。
  4. 【請求項4】 除去型分割性繊維から発生した極細繊維
    Aが、主として束の状態で、物理的分割性繊維及び該物
    理的分割性繊維から発生した極細繊維Bと絡合一体化し
    ていることを特徴とする不織布。
  5. 【請求項5】 除去型分割性繊維から発生した極細繊維
    Aが、主として束の状態で、主として、物理的分割性繊
    維及び該物理的分割性繊維から発生した超極細繊維B’
    束と絡合一体化していることを特徴とする不織布。
  6. 【請求項6】 除去型分割性繊維90〜25mass%と、
    物理的分割性繊維10〜75mass%とを含む繊維ウエブ
    に、流体流を作用させることにより、該物理的分割性繊
    維を分割して極細繊維Bを発生させると共に絡合した
    後、該除去型分割性繊維の1種類以上の樹脂成分を除去
    して、極細繊維Aを発生させることを特徴とする、不織
    布の製造方法。
  7. 【請求項7】 除去型分割性繊維の樹脂成分の除去速度
    を1とした時に、該除去型分割性繊維の樹脂成分を除去
    するために使用する除去剤により、0.2〜0.7の除去
    速度で除去可能な樹脂成分を含む極細繊維Bを発生可能
    な物理的分割性繊維を使用し、除去型分割性繊維の1種
    類以上の樹脂成分を除去して、極細繊維Aを発生させる
    と同時に、極細繊維Bの樹脂成分の一部も除去すること
    を特徴とする、請求項6記載の不織布の製造方法。
  8. 【請求項8】 除去型分割性繊維90〜25mass%と、
    2種類以上の樹脂成分からなり、1種類以上の樹脂成分
    を除去して超極細繊維B’を発生可能な極細繊維Bを、
    発生可能な物理的分割性繊維10〜75mass%とからな
    る繊維ウエブに、流体流を作用させることにより、該物
    理的分割性繊維を分割して極細繊維Bを発生させると共
    に絡合した後、該除去型分割性繊維の1種類以上の樹脂
    成分を除去して極細繊維Aを発生させると同時に、又
    は、該除去型分割性繊維の1種類以上の樹脂成分を除去
    して極細繊維Aを発生させた後に、該極細繊維Bの1種
    類以上の樹脂成分を除去して、超極細繊維B’を発生さ
    せることを特徴とする、不織布の製造方法。
JP8103188A 1996-03-28 1996-03-28 不織布及びこの製造方法 Pending JPH09268461A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010535294A (ja) * 2007-08-02 2010-11-18 ノース・キャロライナ・ステイト・ユニヴァーシティ 混合繊維およびそれから作製した不織布

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