JPH1077560A - 不織布およびその製造方法 - Google Patents

不織布およびその製造方法

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JPH1077560A
JPH1077560A JP8229480A JP22948096A JPH1077560A JP H1077560 A JPH1077560 A JP H1077560A JP 8229480 A JP8229480 A JP 8229480A JP 22948096 A JP22948096 A JP 22948096A JP H1077560 A JPH1077560 A JP H1077560A
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fiber
fibers
weight
web
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JP8229480A
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Nobuo Noguchi
信夫 野口
Atsushi Matsunaga
篤 松永
Michiyo Iimi
美智代 飯見
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥時、湿潤時のいずれにおいても良好な嵩
高性を有し、かつ適度な水分保持性を具備する不織布お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 天然繊維および/または再生繊維と合成
短繊維とが、(天然繊維および/または再生繊維)/
(合成短繊維)=50/50〜90/10(重量%)の
割合で混繊されてなり、構成繊維間が相互に三次元交絡
を有することで形態保持されており、不織布の比容積が
13cc/g以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥状態、湿潤状
態のいずれにおいても良好な嵩高性を有する不織布およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば拭き取り用ワイパーや紙
おむつ等の吸水性が要求される用途においては、天然繊
維を素材としたいわゆるスパンレース不織布が用いられ
てきた。
【0003】しかし、天然繊維、特に木綿繊維が三次元
交絡されてなるスパンレース不織布は、木綿繊維の有す
る剛性(ヤング率)のため、その製造工程における高圧
処理、たとえば液体流処理後の余剰な水分を除去する際
のマングルロールによる加圧や捲き取りの際の加圧等に
より厚みが減じられ、嵩高性の乏しいものとなるのが現
状であった。
【0004】そこで、吸水性と同時に嵩高性をも要求さ
れる前述のような用途においては、これらの特性を兼ね
備えた不織布が要望されている。天然繊維からなるスパ
ンレース不織布における嵩高性低下の問題を解決する手
段として、製造工程における加圧を回避する方法が考え
られる。たとえば、脱水処理については、液体流処理の
施されたウエブにエア吸引方式を適用することにより嵩
高性の低下を避けることができる。しかし、この方法は
生産量が多大になると、生産効率およびコストの面で対
応し難いという問題がある。一方、捲き取り工程におい
ては、乾燥処理の施された不織布を容器に受けることに
より、張力および圧力を印加することなく嵩高性の低減
を回避することが可能である。しかし、この方法も、生
産量が多大になると、容器の個数の増加、保管場所等に
広い面積が必要となる等の問題がある。また、捲き取り
工程における加圧を減少させて不織布の嵩高性の低下を
抑制することも可能であるが、捲き取り工程での不織布
の蛇行、捲き取り製品の径の変動等が発生し易く、機器
の自動化、省力化に逆行してコストが高騰することとな
る。
【0005】また、特にウエットワイパー等のように湿
潤状態で使用される場合には、適度な水分を保有させ得
る水分保持性と湿潤状態における嵩高性とが必要となる
のであるが、これらを満足する不織布は得られていない
のが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
を解決し、乾燥時、湿潤時のいずれにおいても良好な嵩
高性を有し、かつ適度な水分保持性を具備する不織布お
よびその製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記問題を解決するた
め、本発明は以下の構成を要旨とするものである。 (1)天然繊維および/または再生繊維と合成短繊維と
が、(天然繊維および/または再生繊維)/(合成短繊
維)=50/50〜90/10(重量%)の割合で混繊
されてなり、構成繊維間が相互に三次元交絡を有するこ
とで形態保持されており、比容積が13cc/g以上で
あることを要旨とする不織布。 (2)(天然繊維および/または再生繊維)/(合成短
繊維)=50/50〜90/10(重量%)の割合で、
天然繊維および/または再生繊維と合成短繊維とを混合
して解繊することにより不織ウエブを形成し、次いで、
この不織ウエブを移動する多孔性支持板上に載置して高
圧液体流処理を施すことにより構成繊維相互間に三次元
交絡を施して形態を保持させ、その後余剰の水分を除去
し、乾燥処理を施して、乾燥状態の比容積が13cc/
g以上である不織布を得ることを要旨とする不織布の製
造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の不織布は、天然繊維およ
び/または再生繊維と合成短繊維とが、(天然繊維およ
び/または再生繊維)/(合成短繊維)=50/50〜
90/10(重量%)の割合で混繊されてなる不織布で
あり、不織布を構成する短繊維同士が柱状の高圧液体流
の作用により、三次元交絡を有し緻密に一体化した構造
を有する不織布である。
【0009】本発明の不織布は、不織布重量に対して5
0〜90重量%の天然繊維および/または再生繊維を含
むものである。これにより、不織布の吸水性、保水性が
向上するとともに、湿潤状態において天然繊維および/
または再生繊維が膨潤することにより不織布の厚みが増
加し、結果的に本発明の不織布は比容積が大きい嵩高性
に富むものとなる。天然繊維および/または再生繊維が
不織布重量に対して50重量%未満であると、吸水性を
有する繊維の量が減少し、不織布を湿潤状態とした時、
不織布の保有しうる水分の絶対量が不足するのみでな
く、湿潤時における繊維の膨潤が起こらず、結果的に嵩
高性を有する不織布が得られないこととなる。逆に、9
0重量%を超えると、湿潤時の嵩高性は優れたものとな
るものの、脱水工程、捲き取り工程の加圧処理の製造工
程を経て得られた乾燥状態の不織布の嵩高性が損なわれ
る結果となる。
【0010】本発明に適用される天然繊維としては、木
綿繊維、ラミー、羊毛、短繊維状に裁断された絹繊維が
好適に用いられ、再生繊維としては、ビスコースレーヨ
ン、銅アンモニアレーヨン、および溶剤紡糸されたレー
ヨン繊維であるリヨセルが好適に用いられる。
【0011】ここで、木綿繊維としては、晒し加工され
た晒し綿、また、織物・編物から得られた反毛繊維であ
っても良い。本発明で効果的に用いることができる反毛
繊維を得ることができる反毛機は、ラツグ・マシン、ノ
ツト・ブレーカー、ガーネツト・マシン、廻切機等であ
る。用いる反毛機の種類や組合せは、反毛される布帛の
形状や構成する糸の太さ、撚の強さにもよるが、同一の
反毛機を複数台直列に連結したり、2種以上の反毛機を
組み合わせて用いたりすると効率的で好ましい。また、
下式で示される反毛機による解繊率は30〜95%が好
ましい。
【0012】解繊率(%)=(反毛繊維重量−未解繊繊
維重量)/反毛繊維重量×100 解繊率が30%未満であると、カードウエブ中に未解繊
繊維が存在し、不織布表面のザラツキが生じるのみでな
く、未解繊繊維部分を柱状液体流が十分貫通しないこと
となる。逆に、解繊率が95%を超えると、十分な表面
摩擦強度が得られない。
【0013】本発明の不織布は、不織布重量に対して5
0〜10重量%の合成短繊維を含むものである。これに
より、スパンレース不織布の製造工程において、液体流
処理の施された不織ウエブからの余剰な水分の除去をマ
ングルロールによる加圧にて行ったり、捲き取りに際し
て加圧条件下にて捲き取っても、得られた不織布の嵩
(厚み)の減少を防止することができる。
【0014】本発明の合成短繊維を構成する重合体とし
ては、繊維形成性を有するポリエステル系重合体、ポリ
オレフィン系重合体、ポリアミド系重合体、アクリル系
重合体、ポリビニルアルコール系重合体およびこれらを
主成分とした共重合体やブレンド重合体が挙げられる。
また、本発明の合成短繊維は、これらの重合体を組み合
わせて複合繊維とすることができる。
【0015】ポリエステル系重合体としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸等
の脂肪族ジカルボン酸、またはこれらのエステル類を酸
成分とし、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−ブタジオール、ネオペンチルグリコール、
シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等のジオール化
合物をアルコール成分とするホモポリエステル重合体あ
るいは共重合体が挙げられる。なお、これらのポリエス
テル系重合体には、パラオキシ安息香酸、5−ソジウム
スルホイソフタール酸、ポリアリキレングリコール、ペ
ンタエリスリトール、ビスフェノールA等が添加あるい
は共重合されていても良い。
【0016】ポリオレフィン系重合体としては、炭素数
2〜18の脂肪族α−モノオレフィン、例えばエチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチ
ル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−オ
クタデセンが挙げられる。これらの脂肪族α−モノオレ
フィンは多くのエチレン系不飽和モノマー、例えばブタ
ジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、スチレ
ン、α−メチルスチレンのような類似のエチレン系不飽
和モノマーが共重合されたポリオレフィン系重合体であ
っても良い。また、ポリエチレン系重合体の場合には、
エチレンに対してプロピレン、1−ブテン、1−オクテ
ン、1−ヘキセン、または類似の高級α−オレフィンが
10重量%以下共重合されたものであっても良く、ポリ
プロピレン系重合体の場合には、プロピレンに対して、
エチレンまたは類似の高級α−オレフィンが10重量%
以下共重合されたものであっても良い。但し、これらの
共重合体の共重合率が10重量%を超えると、共重合体
の融点が低下するため、これらの共重合体からなる短繊
維を用いて構成される不織布を高温下で用いた場合、不
織布が容易に熱硬化するため柔軟性が損なわれやすい。
【0017】ポリアミド系重合体としては、ポリイミノ
−1−オキソテトラメチレン(ナイロン4)、ポリテト
ラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプラミ
ド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナ
イロン66)、ポリウンデカナミド(ナイロン11)、
ポリラウロラクタミド(ナイロン12)、ポリメタキシ
レンアジパミド、ポリパラキシリレンデカナミド、ポリ
ビスシクロヘキシルメタンデカナミド、またはこれらの
モノマーを構成単位とするポリアミド系共重合体が挙げ
られる。特に、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロ
ン46)の場合、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイ
ロン46)にポリカプラミドやポリヘキサメチレンアジ
パミド、ポリウンデカメチレンテレフタラミド等のポリ
アミド成分が30モル%以下共重合されたポリテトラメ
チレンアジパミド共重合体であっても良い。但し、ポリ
アミド成分の共重合率が30モル%を超えると、共重合
体の融点が低下するため、これらの共重合体からなる短
繊維を用いて構成される不織布を高温下で用いた場合、
不織布が容易に熱硬化して柔軟性が損なわれやすくな
る。
【0018】本発明における合成短繊維の繊維横断面形
状としては、図1に示すように繊維形成部1の中央部に
中空部2を有する中空断面が好ましい。図1のように繊
維内部に中空部2を有する断面形状の場合、繊維当たり
の比容積を上げ、結果として嵩高性を向上させることが
できる。
【0019】前記の中空部2を有する合成短繊維を用い
る場合、中空率は10〜30%であることが好ましい。
ここで、中空率とは、図1に示すように、繊維横断面に
おける糸の直径を(A)、中空部2の直径を(a)とし
たとき、次式で示される値である。
【0020】中空率(%)=(a2 /A2 )×100 中空部分を有する繊維は、単糸繊度が同一であれば、そ
の中空部分の断面積に対応して繊維の径が大きくなるの
で、不織布の嵩高性に効果的に寄与するものとなる。中
空率が10%未満であると、紡出糸条の冷却性が向上せ
ず、嵩高性の促進には不十分であり、逆に、中空率が3
0%を超えると、製糸段階において中空部2がパンクし
たり、製糸性に劣ることとなる。
【0021】本発明に適用される合成短繊維の単糸繊度
は、2〜6デニールであることが好ましい。単糸繊度が
2デニール未満では、不織布を構成する合成短繊維の単
糸繊度が細かいものとなり、得られる不織布の嵩高性が
損なわれ、逆に、単糸繊度が6デニールを超えると、不
織布の嵩高性は得られるものの、合成短繊維の交絡性が
損なわれて不織布強力の弱いものとなるのみでなく、太
い単糸の存在により不織布表面に存在する繊維の先端部
分がワイパー等として用いた際に肌を刺激することとな
り好ましくない。
【0022】本発明の不織布は、乾燥状態における比容
積、すなわちスパンレース不織布の製造工程において脱
水工程におけるマングルロールによる加圧あるいは捲き
取り工程における加圧を経た乾燥状態での比容積が13
cc/g以上である。乾燥状態の比容積が13cc/g
未満であると、加圧加工の施された不織布が厚みのない
紙状のものとなり、また柔軟性にも乏しい不織布となり
好ましくない。乾燥状態の比容積の上限は特に規定する
ものではないが、20cc/g以下であることが好まし
い。乾燥状態の比容積が20cc/gを超えると、不織
布を構成する短繊維相互の交絡性が乏しいものである可
能性があり、寸法安定性、不織布強力の低い実用性に乏
しい不織布となる傾向があり好ましくない。
【0023】また、本発明の不織布は、湿潤状態におけ
る比容積が15cc/g以上である。本発明の不織布を
構成する吸水性を有する天然繊維および/または再生繊
維は不織布が水分を含むことにより膨潤するため、湿潤
状態における不織布は、厚みが増大し、ソフト感がさら
に優れたものとなる。また、湿潤状態の比容積の上限も
特に規定するものではないが、20cc/g以下である
ことが好ましい。湿潤状態において20cc/gを超え
る比容積を構成するには、不織布に付与する水分量を3
00重量%以上とすることが必要であるが、膨潤が多大
となり繊維間の交絡性が弱いものとなって、実用性の乏
しい不織布となる傾向にある。
【0024】ここで、本発明において湿潤状態とは、不
織布の乾燥時の重量に対し100〜300重量%の水分
が付与された状態をいう。付与される水分量が100重
量%未満であると、不織布を構成する天然繊維および/
または再生繊維の膨潤が不足し、嵩高性を有する不織布
にならないのみでなく、ウエットワイパー等として用い
た場合、含有する水分量が少ないため、拭き取り性能の
低下を招き好ましくない。逆に、付与される水分が30
0重量%を超えると、膨潤性は発揮されるが、ウエット
ワイパー等として用いた場合、不織布の水分が対象物に
移行し易く好ましくない。以上の理由により、湿潤状態
の水分量はさらに好ましくは150〜250重量%の範
囲が良い。本発明においては、前記範囲の水分を不織布
を構成する天然繊維および/または再生繊維に保持させ
ることにより、不織布からの水分の脱落性・移行性のな
い湿潤状態の不織布を構成することができるのである。
【0025】本発明の不織布の目付は、20〜150g
/m2 であることが好ましい。目付が20g/m2 未満
であると、高圧液体流処理を施して得られる不織布の機
械的強度が不充分であり、実用性の乏しいものとなるた
め好ましくない。逆に、目付が150g/m2 を超える
と、高圧液体流処理を施す際の加工エネルギーが大きく
なり、場合によっては不織ウエブの内層において繊維相
互に充分な交絡がなされず機械的強度の低い不織布とな
るので好ましくない。
【0026】次に、本発明の不織布の製造方法について
説明する。まず、(天然繊維および/または再生繊維)
/(合成短繊維)=50/50〜90/10(重量%)
の割合で天然繊維および/または再生繊維と合成短繊維
とを混合し、例えばカード機によるカーディングにて解
繊して所定目付の不織ウエブを作成する。この不織ウエ
ブは、構成繊維の配列度合によってカード機の進行方向
に配列したパラレルウエブ、パラレルウエブがクロスレ
イドされたウエブ、ランダムに配列したランダムウエ
ブ、あるいは両者の中程度に配列したセミランダムウエ
ブのいずれであっても良く、用途等によって適宜選択す
れば良い。例えば、衣料用として用いる場合には、不織
布としての強力において縦/横の強力比が概ね1/1と
なる不織ウエブを用いると良い。
【0027】ここで、本発明に適用される天然繊維およ
び/または再生繊維は常法にて得ることができ、一方、
本発明に適用される合成短繊維は以下の方法により効率
よく製造することができる。すなわち、前述の繊維横断
面形状を形成する紡糸口金を好適に用い、前述の重合体
より選択された単一または複数の重合体を好適材料とし
て用い、紡糸する重合体の融点に応じた溶融紡糸温度に
て溶融紡糸を行う。次いで、口金から吐出されたポリマ
ー流を800〜1200m/分の速度で引取り未延伸糸
条を得、得られた未延伸糸条を合糸し、延伸処理を施し
て延伸糸とする。そして、延伸処理の施された延伸糸束
に押し込みクリンパーにて捲縮を付与し、紡績用油脂成
分を付与し、さらに乾燥を施した後、所定の繊維長に裁
断し短繊維とする。延伸糸に捲縮を施すに際しては、1
0〜25山/25mmの捲縮数とすることが好ましい。
10山/25mm未満である場合、25山/25mmを
超える場合のいずれも、カード工程における解繊性が損
なわれるため好ましくない。
【0028】次いで、得られた不織ウエブを移動する多
孔性支持板上に載置して高圧液体流処理を施すことによ
り構成繊維相互間に三次元交絡を施して形態を保持さ
せ、その後余剰の水分を除去し、乾燥処理を施して、本
発明の不織布を得る。ここで、三次元交絡とは、不織ウ
エブを形成している繊維相互間が不織布の縦/横の方向
のみでなく不織布の厚み方向に対しても交絡し、一体化
した構造を有していることをいう。
【0029】本発明において高圧液体流処理とは、例え
ば孔径が0.05〜1.5mmの噴射孔を噴射孔間隔
0.05〜5mmで1列ないしは複数列に複数個配設さ
れたオリフィスヘッドから高圧で柱状に噴射される流体
を、多孔性支持板上に載置した不織ウエブに衝突させる
ものである。このようにして、不織ウエブを構成してい
る繊維を引き込む力により、繊維の周りの他の繊維をね
じり、曲げ、回して繊維相互を緻密に交絡せしめ一体化
させることができる。
【0030】本発明において高圧液体流を施すに際して
は、以下のようにして行うと良い。すなわち、流体とし
ては、常温の水あるいは熱水が通常用いられる。流体噴
射を不織ウエブに衝突させるに際しては、前記噴射孔が
配設されたオリフィスヘッドを、多孔性支持板上に載置
させた不織ウエブの進行方向に対し直角をなす方向に噴
射孔間隔と同一間隔で振幅させ、柱状液体噴射を均一に
衝突させると良い。多孔性支持板の材質としては、不織
ウエブと支持板との積層された部分を柱状液体流が通過
しうる構成のものであれば、金属製、ポリエステル製あ
るいはその他の材質のいずれでも良い。また、このとき
の多孔性支持板の網目としては、柱状液体流の噴射によ
り交絡処理の施された不織ウエブに網目跡が明確に残ら
ない程度の網目状が好ましく、具体的には、30本〜2
00本/25mm(30〜200メッシュ)の範囲が好
ましく、さらに好ましくは、50〜150本/25mm
(50〜150メッシュ)の範囲が良い。網目の範囲が
30本/25mm未満であると、柱状液体噴射が不織ウ
エブに衝突後不織ウエブを貫き、鮮明な開孔径状が付与
された孔あき状態の不織ウエブを形成し、得られた不織
布にはザラツキ感があり手触りの粗いものとなる傾向に
ある。逆に、網目の範囲が200本/25mmを超える
と、不織ウエブと支持板とが積層された部分を高圧柱状
液体流が通過するのに要するエネルギー量が多大にな
り、生産コストが増大する。
【0031】本発明において、高圧液体流処理は、まず
第1段階の処理において40kg/cm2 G以下の圧力
の高圧液体流を作用させて不織ウエブの構成繊維相互間
に予備的交絡を形成し、その後、第2段階の処理におい
て第1段階の処理の圧力よりも高い圧力の高圧液体流を
作用させて三次元交絡を形成することが好ましい。予備
交絡における柱状液体流の圧力が40kg/cm2 G以
上では、柱状液体噴射により発生する随伴気流によりウ
エブの乱れが生じて目付ムラとなり、得られる不織布の
品位上好ましくない。次いで、第2段階の処理として、
第1段階の処理の水圧より高い圧力の高圧液体流の噴射
にて交絡処理を行うことによって、前記予備交絡処理の
施された不織ウエブを構成する短繊維を相互に三次元的
に交絡させ一体化せしめることができる。そして、さら
に、交絡の施された不織布を反転し、第3段階の交絡処
理として、第2段階と同様に交絡処理を施すことによ
り、表裏ともに交絡せしめ強固に一体化することができ
る。
【0032】本発明において乾燥処理を行うに際して
は、たとえば以下のようにして行うと良い。すなわち、
まず、マングル等の公知の水分除去装置にて交絡処理の
施された不織ウエブから余分な水を除去し、その後たと
えばサクションバンド方式の熱風循環式乾燥機等により
乾燥処理を行ない、捲き取り機にてロール製品とする。
捲き取りを行うに際しては、捲き形状、不織布の蛇行を
防止するため、一般に、張力を付与するとともに加圧状
態で捲き取られる。
【0033】以上の方法により得られた不織布は、三次
元交絡を有し緻密に一体化した不織布であり、合成短繊
維により、乾燥状態において比容積が13cc/g以上
の嵩高性を有し、かつ吸水性および膨潤性を有する天然
繊維および/または再生繊維により、適度な水分保持性
を有するとともに、湿潤状態においても嵩高性を有する
不織布となる。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明するが、
本発明は本実施例によって何ら限定されるものではな
い。また、本発明における不織布の性能の測定は、以下
の方法により実施した。
【0035】(1)重合体の融点(℃);示差走査型熱
量計(パーキンエルマ社製;DSC−2型)を用い、試
料重量を5mg、昇温速度を20℃/分として測定して
得た融解吸熱曲線の最大値を与える温度を融点(℃)と
した。
【0036】(2)ポリエステル重合体の相対粘度;フ
ェノールと四塩化エタンの等重量比の混合溶媒100ミ
リリットルに0.5gの試料を溶解し、20℃の温度条
件で常法により測定した。
【0037】(3)ポリプロピレン重合体のメルトフロ
ーレート(g/10分);ASTM−D−1238
(E)に記載の方法に準じて温度190℃で測定した
(以降、MFRと記す)。
【0038】(4)不織布の目付(g/m2 );標準状
態の試料から試料長が10cm、試料幅が10cmの試
料片10点を作成し平衡水分にした後、各試料片の重量
(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当たり
に換算し、目付(g/m2 )とした。
【0039】(5)不織布の引張強力(kg/5cm
幅);試料長が15cm、試料幅が5cmの試料片10
点を作成し、各試料片毎に定速伸張型引張り試験機(東
洋ボールドウイン社製;テンシロンUTM−4−1−1
00)を用いて、掴み間隔10cm、引張り速度10c
m/分の条件で最大引張強力を個々に測定し、その平均
値(kg/5cm幅)を不織布の引張強力とした。な
お、不織布の引張強力については、乾燥状態の不織布
と、この不織布に200重量%の水分を付与した湿潤状
態の双方について、不織布の機械方向(以下、MD方向
と記す)および機械方向に直交する方向(以下、CD方
向と記す)について測定した。
【0040】(6)不織布の比容積(cc/g);不織
布の嵩密度を算出し、嵩密度の値より比容積を求めた。
すなわち、まず、試料幅10cm、試料長10cmの試
料片を5個作成し、厚み測定器(大栄科学精機製作所
(株)製)にて、4.5g/cm2 Ggの荷重の印可に
より個々の不織布の厚み(mm)を測定して平均値を厚
み(mm)とし、下式により得られる値を不織布の嵩密
度とした。
【0041】嵩密度(g/cc)=[目付(g/m2
/厚み(mm)]×1000 次いで、求められた嵩密度の測定値から下式により比容
積を算出した。 比容積(cc/g)=1/嵩密度(g/cc) なお、比容積については、乾燥状態の不織布および水分
を200重量%付与した湿潤状態の不織布の双方につい
て求めた。
【0042】(7)不織布の圧縮剛軟度(柔軟性)
(g);試料長5cm、試料幅5cmの試料片を5個作
成し、各試料片を長手方向に曲げ、その両端を接着して
円筒状にしたものを測定用試料とし、この試料を軸方向
について、定速伸長型引張・圧縮試験機(東洋ボールド
ウイン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用
い、圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大荷重
(g)を求め、その平均値を圧縮剛軟度(g)とした。
なお、この圧縮剛軟度の値が小さいほど、柔軟性に優れ
ることを意味する。
【0043】(8)不織布の水分保持性(%);乾燥状
態の不織布重量に対して250重量%水分を付与した2
5cm角の不織布を測定試料とし、この測定試料を30
cm角の木綿晒し綿100%の目付60g/m2 のスパ
ンレース不織布上に載置し、試料上に重量250gで2
5cm角のアクリル製の板を載せ、5分間放置した後の
不織布重量を測定し、水分の残存量(重量%)を測定し
た。そして、水分の残存量が200重量%以上の不織布
を良好な水分保持性を有する不織布と評価した。
【0044】実施例1 1.5デニールの平均繊度、平均繊維長25mmの木綿
晒し綿を70重量%と、融点258℃、相対粘度1.3
8のポリエチレンテレフタレートよりなる、単糸繊度2
デニール、繊維長38mm、中空率15%の図1に示す
中空断面の合成短繊維を30重量%とを用い、スパンレ
ース不織布を製造した。
【0045】詳しくは、前記木綿晒し綿とポリエチレン
テレフタレート繊維とを均一に混繊し、ランダムカード
機にて繊維の配列が一様でない目付85g/m2 の不織
ウエブを得た。そして、この不織ウエブを20m/分で
移動する70メッシュのネット上に載置し、不織ウエブ
の上方50mmの位置より、噴射孔径0.1mm、噴射
孔間隔0.6mmで一列に配置された噴射孔から、第1
段階の処理として、水圧30kg/cm2 Gの常温の水
により予備交絡を施し、引き続き、第2段階の処理とし
て、前記と同一ネットおよび噴射孔を用いて70kg/
cm2 Gの水圧により高圧液体流による交絡処理を4回
施した。さらに、第3段階の交絡処理として、前記と同
一のネットおよび噴射孔を用い、交絡処理の施された不
織ウエブを反転し、第2段階と同一の水圧条件にて5回
の交絡処理を施し、表裏ともに緻密に交絡の施された不
織ウエブを得た。
【0046】次いで、マングルにて得られた不織ウエブ
から余剰の水分を除去した後、100℃の乾燥機により
乾燥処理を行った。そして、乾燥の施された不織布を、
ロールを介して張力を付与しながら加圧状態で捲き取
り、ロール状の不織布とした。
【0047】得られた不織布は、乾燥状態において、比
容積が14.8cc/gであり、不織布強力が、MD方
向6.8kg/5cm幅、CD方向5.7kg/5cm
幅であり、実用性を有し、かつ柔軟性に優れた不織布で
あった。
【0048】一方、乾燥時の不織布重量に対して200
重量%の水分をスプレーにより得られた不織布に付与し
た湿潤状態において、比容積が18.4cc/gであり
柔軟性、嵩高性を有しており、湿潤状態の不織布強力
が、MD方向6.7kg/5cm幅、CD方向5.4k
g/5cm幅であり、湿潤時における強力低下のない実
用性に優れた不織布であった。
【0049】さらに、250重量%の水分を付与した時
の不織布の水分保持性は、水分の残存量が230重量%
と良好なものであった。
【0050】実施例2 実施例1における木綿晒し綿とポリエチレンテレフタレ
ート繊維との混繊比率を木綿晒し綿/ポリエチレンテレ
フタレート繊維=50/50(重量%)としたこと以外
は実施例1と同様にしてスパンレース不織布を製造し
た。
【0051】得られた不織布は、乾燥状態において、比
容積が15.6cc/gであり、不織布強力が、MD方
向7.7kg/5cm幅、CD方向6.4kg/5cm
幅であり、実用性を有するものであった。また、圧縮剛
軟度が54gと柔軟性に優れた不織布であった。
【0052】一方、乾燥時の不織布重量に対して200
重量%の水分をスプレーにより得られた不織布に付与し
た湿潤状態において、比容積が19.4cc/gであり
柔軟性、嵩高性を有しており、湿潤状態の不織布強力
が、MD方向7.5kg/5cm幅、CD方向6.5k
g/5cm幅であり、湿潤時における強力低下のない実
用性に優れた不織布であった。
【0053】さらに、250重量%の水分を付与した時
の不織布の水分保持性は、水分の残存量が220重量%
と良好なものであった。
【0054】実施例3 実施例1で用いた木綿晒し綿を50重量%と、合成繊維
として2種類のポリエステル系重合体からなる中空のサ
イドバイサイド型複合繊維を50重量%とを用い、不織
ウエブの目付を45g/m2 とした。それ以外は実施例
1と同一条件で不織布を作成した。
【0055】すなわち、合成繊維として、重合体の融点
はともに258℃であるが、相対粘度1.38のポリエ
チレンテレフタレート重合体と、相対粘度1.28のポ
リエチレンテレフタレート重合体とを用い、両成分が繊
維の糸条方向に並列に配され、かつ両成分が繊維の外周
に露出し、18%の中空率を有し、単糸繊度4デニー
ル、繊維長38mmの複合繊維を製造し、この繊維によ
って不織布を作成した。
【0056】得られた不織布は、乾燥状態において、比
容積が15.2cc/gであり、不織布強力が、MD方
向8.4kg/5cm幅、CD方向7.3kg/5cm
幅であり、実用性を有するものであった。また、圧縮剛
軟度が40gと柔軟性に優れた不織布であった。
【0057】一方、乾燥時の不織布重量に対して300
重量%の水分をスプレーにより得られた不織布に付与し
た湿潤状態において、比容積が16.3cc/gであり
柔軟性、嵩高性を有しており、湿潤状態の不織布強力
が、MD方向8.6kg/5cm幅、CD方向7.1k
g/5cm幅であり、湿潤時における強力低下のない実
用性に優れた不織布であった。
【0058】さらに、250重量%の水分を付与した時
の不織布の水分保持性は、水分の残存量が205重量%
と良好なものであった。
【0059】実施例4 実施例1におけるポリエチレンテレフタレートよりなる
合成短繊維を、単糸繊度6デニール、繊維長44mm、
中空率20%とした以外は実施例1と同様にして、スパ
ンレース不織布を製造した。
【0060】得られた不織布は、乾燥状態において、比
容積が16.7cc/gであり、不織布強力が、MD方
向6.4kg/5cm幅、CD方向5.2kg/5cm
幅であり、実用性を有するものであった。また、圧縮剛
軟度が55gと柔軟性に優れた不織布であった。
【0061】一方、乾燥時の不織布重量に対して150
重量%の水分をスプレーにより得られた不織布に付与し
た湿潤状態において、比容積が19.8cc/gであり
柔軟性、嵩高性を有しており、湿潤状態の不織布強力
が、MD方向6.5kg/5cm幅、CD方向5.1k
g/5cm幅であり、湿潤時における強力低下のない実
用性に優れた不織布であった。
【0062】さらに、250重量%の水分を付与した時
の不織布の水分保持性は、水分の残存量が225重量%
と良好なものであった。
【0063】実施例5 実施例1における木綿晒し綿とポリエチレンテレフタレ
ート重合体からなる合成繊維との配合比率を90/10
とした以外は実施例1と同一条件により不織布を作成し
た。得られた不織布は乾燥状態における比容積が13.
2cc/gであり、その強力は、MD方向で6.8kg
/5cm幅、CD方向で6.6kg/5cm幅であり、
実用に耐え得る性能を有し、圧縮剛軟度の測定値が59
gの柔軟性に優れた不織布であった。
【0064】一方、湿潤時として、乾燥時の不織布重量
に対し200重量%となる水分を付与した。この湿潤状
態において、比容積は15.8cc/gであり、不織布
強力もMD方向が6.7kg/5cm幅、CD方向6.
4kg/5cm幅と、乾燥状態の不織布の強力と同等の
ものであり、強力の低下のない実用性に優れた不織布で
あった。
【0065】さらに、250重量%の水分を付与した時
の不織布の水分保持性は、水分の残存量が215重量%
と良好なものであった。
【0066】実施例6 実施例1における木綿晒し綿にかえ、溶剤紡糸されたレ
ーヨン繊維であるリヨセル繊維を用いた。リヨセル繊維
としては、レンツィング社のリヨセル繊維、商品名「ソ
リュージョン」、単糸繊度1.5デニール、繊維長40
mmのものを用いた。それ以外は実施例1と同一条件で
不織布を作成した。得られた不織布は、乾燥状態の嵩密
度が14.6cc/gで、MD方向強力が8.4kg/
5cm幅、CD方向強力が7.1kg/5cm幅の優れ
た機械的性能を有していた。
【0067】また200重量%の水分を付与した湿潤状
態では、比容積が16.4cc/gであり、強力はMD
方向8.1kg/5cm幅、CD方向7.0kg/5c
m幅と、強力の低下のない良好な不織布であった。
【0068】さらに、250重量%の水分を付与した時
の水分保持性は、水分の残存量が210重量%と良好で
あった。 比較例1 実施例1で用いたポリエチレンテレフタレート繊維のみ
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、スパンレー
ス不織布を製造した。
【0069】得られた不織布は、乾燥状態において、比
容積が26.5cc/gであり、不織布強力が、MD方
向11.4kg/5cm幅、CD方向9.4kg/5c
m幅であり、極めて優れた嵩高性および機械的強力を有
するものであった。
【0070】一方、乾燥時の不織布重量に対して250
重量%の水分をスプレーにより得られた不織布に付与し
た湿潤状態において、比容積が24.3cc/gであり
柔軟性、嵩高性を有しており、湿潤状態の不織布強力
が、MD方向10.2kg/5cm幅、CD方向9.1
kg/5cm幅であり、実用性に優れた不織布であっ
た。
【0071】しかし、水分は交絡した繊維間に存在する
状態であり、250重量%の水分を付与した時の不織布
の水分保持性は、水分の残存量が150重量%であり、
ウエットワイパーとして用いた際、水分の脱落性・移行
性を示す不織布であり実用性を損なうものであった。
【0072】比較例2 実施例1における木綿晒し綿とポリエチレンテレフタレ
ート繊維との混繊比率を木綿晒し綿/ポリエチレンテレ
フタレート繊維=40/60(重量%)とした以外は実
施例1と同様にして、スパンレース不織布を製造した。
【0073】得られた不織布は、乾燥状態において、比
容積が12.4cc/gであり、不織布強力が、MD方
向7.6kg/5cm幅、CD方向6.4kg/5cm
幅であり、機械的強力に優れるものの、嵩高性に乏しい
ものであった。
【0074】一方、乾燥時の不織布重量に対して250
重量%の水分をスプレーにより得られた不織布に付与し
た湿潤状態において、比容積が14.5cc/gであり
嵩高性はやや向上するものの、水分保持性は、水分の残
存量が185重量%であり、ウエットワイパーとして用
いた際、水分の脱落性・移行性を示す不織布であり実用
性を損なうものであった。
【0075】比較例3 実施例1で用いた木綿晒し綿のみを用いたこと、および
不織ウエブの目付を100g/m2 としたこと以外は実
施例1と同様にして、スパンレース不織布を製造した。
【0076】得られた不織布は、乾燥状態において、比
容積が11.4cc/gであり、不織布強力が、MD方
向6.1kg/5cm幅、CD方向5.6kg/5cm
幅であり、機械的強力に優れるものの、嵩高性に乏しい
ものであった。
【0077】一方、乾燥時の不織布重量に対して250
重量%の水分をスプレーにより得られた不織布に付与し
た湿潤状態において、比容積が13.2cc/gであ
り、水分保持性は水分の残存量が230重量%と良好で
あったものの、充分な嵩高性を有さず、実用性に乏しい
ものであった。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、合成短繊維が10〜5
0重量%含まれているので嵩高性を発揮するとともに、
天然繊維および/または再生繊維が50〜90重量%含
まれているので、適度な吸水性および水分保持性を有す
る不織布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な合成短繊維の一例の繊維横断面
モデル図である。
【符号の説明】
1 繊維形成部 2 中空部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然繊維および/または再生繊維と合成
    短繊維とが、(天然繊維および/または再生繊維)/
    (合成短繊維)=50/50〜90/10(重量%)の
    割合で混繊されてなり、構成繊維間が相互に三次元交絡
    を有することで形態保持されており、比容積が13cc
    /g以上であることを特徴とする不織布。
  2. 【請求項2】 合成短繊維の繊維横断面形状が、中空部
    を有する中空断面であり、かつ前記合成短繊維の単糸繊
    度が2〜6デニールであることを特徴とする請求項1記
    載の不織布。
  3. 【請求項3】 天然繊維が、木綿繊維、ラミー、羊毛、
    短繊維状に裁断された絹繊維から選択されるいずれかで
    あり、また再生繊維が、ビスコースレーヨン、銅アンモ
    ニアレーヨン、溶剤紡糸されたレーヨン繊維であるリヨ
    セルから選択されるいずれかであることを特徴とする請
    求項1または2記載の不織布。
  4. 【請求項4】 (天然繊維および/または再生繊維)/
    (合成短繊維)=50/50〜90/10(重量%)の
    割合で、天然繊維および/または再生繊維と合成短繊維
    とを混合して解繊することにより不織ウエブを形成し、
    次いで、この不織ウエブを移動する多孔性支持板上に載
    置して高圧液体流処理を施すことにより構成繊維相互間
    に三次元交絡を施して形態を保持させ、その後余剰の水
    分を除去し、乾燥処理を施して、乾燥状態の比容積が1
    3cc/g以上である不織布を得ることを特徴とする不
    織布の製造方法。
  5. 【請求項5】 高圧液体流処理を、第1段階の処理にお
    いて40kg/cm 2 G以下の圧力の高圧液体流を作用
    させて不織ウエブの構成繊維相互間に予備的交絡を形成
    させ、その後、第2段階の処理において第1段階の処理
    の圧力よりも高い圧力の高圧液体流を作用させて三次元
    交絡を形成させるように行うことを特徴とする請求項4
    記載の不織布の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006056875A (ja) * 2004-07-09 2006-03-02 Johnson & Johnson Gmbh 少なくとも1つの吸収シートを含む美容用及び/または皮膚科用のパーソナルケア及び/またはクレンジング吸収製品
JP2006207069A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Yuuhou:Kk 絹不織布
JP2016175879A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 旭化成株式会社 ウェットワイパー及びその製造方法

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KR101434927B1 (ko) * 2004-07-09 2014-08-27 죤슨 앤드 죤슨 게엠베하 하나 이상의 흡수 시트를 포함하는 화장용 및/또는 피부과용 퍼스널 케어 및/또는 클렌징 흡수 제품
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