JP6094096B2 - 複合繊維およびそれを用いてなる人工皮革用基体 - Google Patents

複合繊維およびそれを用いてなる人工皮革用基体 Download PDF

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本発明は、高い緻密感と品位を有する人工皮革用基体からなる人工皮革を作製するために好適な複合繊維およびそれを用いてなる人工皮革用基体に関するものである。
人工皮革の製造方法としては、極細繊維発生型複合繊維を絡合処理することにより得られた不織布に、弾性重合体を付与し、極細繊維を発現させることにより得る方法が一般的である。極細繊維発生型複合繊維を絡合させる方法としては、ニードルパンチやウォータジェットパンチ等が挙げられるが、一般的に、ニードルパンチによる絡合は、ニードル素材と繊維の摩擦や、原綿の剛性、強度および捲縮等が影響し複雑な挙動を示すことが知られている。
人工皮革の品位や摩耗特性のような物性は、極細繊維の強度が高く、かつシートの繊維密度が高いほど良好となる傾向がある。よって、高強力の極細繊維を高絡合させ高密度化したシートを得ることが、一般的に求められている。
このような要求に対するひとつの解決策としては、ニードルパンチの本数を多くし、繊維を厚み方向に配向させることが挙げられる。そこで、繰り返しのニードルパンチに耐えうるように、繊維の剛性を高くすることができるポリマーが好ましく用いられてきた。例えば、極細繊維発生型複合繊維として知られている海島型複合繊維の海成分に、高い剛性を有する特定のポリスチレンを用いることにより、ニードルパンチ工程において高絡合させることに成功している(特許文献1参照。)。しかしながら、この方法では、ポリスチレンが非晶性でありもろいことにより、ニードルパンチの処理回数には限界があり、一定の処理回数を超えると繊維損傷により物性が低下する傾向があり、十分に満足できる高密度でかつ高絡合を有する人工皮革およびそれを前駆体となる人工皮革用基体を得るには至っていない。
特公昭55−20011号公報
このような背景から、本発明者らは、繰り返しのニードルパンチに耐え、かつ高強力の極細繊維を得る方法について検討を重ねた結果、海成分が易溶出性ポリマー、島成分が難溶出性ポリマーで構成される複合繊維であって、荷重−伸度曲線が、前記の海成分の破断による降伏点を有さない複合繊維を用いることにより、かかる課題を一挙に解決できることを見出したものである。
具体的には、本発明の複合繊維の荷重−伸度曲線が、海成分の破断による降伏点を有しない、換言すると、易溶出性ポリマーと難溶出性ポリマーが荷重−伸度曲線において区別なく一体となって挙動するものである。具体的手段としては、海成分の溶融粘度を島成分の溶融粘度よりも低くすることにより、紡糸・延伸工程において、海成分に応力がかからず、島成分にかかりやすくなることにより、島成分の配向結晶化が進むために、高強力の極細繊維を得ることが可能となる複合繊維が得られる。また、さらに、ニードルパンチにおいて、ニードルにより海成分が損傷を受けにくいことから、高絡合化が可能となるのである。
また、本発明の他の目的は、前記の複合繊維を用いた、高い緻密感と品位を有する人工皮革用基体を提供することにある。
すなわち、本発明は、上記課題を解決せんとするものであり、本発明の複合繊維は、海成分が易溶出性ポリマー、島成分が難溶出性ポリマーで構成される複合繊維であって、荷重−伸度曲線が、前記海成分の破断による降伏点を有さず、かつ、易溶出性ポリマーと難溶出性ポリマーの285℃の温度におけるMFR(メルトフローレイト)の比(易溶出性ポリマー/難溶出性ポリマー)が、1.1〜6.0の範囲であることを特徴とする複合繊維である。
本発明の複合繊維の好ましい様態によれば、易溶出性ポリマーが、ポリエステルである。
本発明の複合繊維の好ましい様態によれば、前記の易溶出性ポリマー中にポリアルキレングリコールが含まれていることである。
本発明の複合繊維の好ましい態様によれば、前記の複合繊維の98℃における収縮率は10〜40%の範囲である。
また、本発明においては、前記の複合繊維を用いて人工皮革用基体を製造することができ、その人工皮革用基体を用いて人工皮革を製造することができる。
本発明の複合繊維によれば、海成分が易溶出性ポリマー、島成分が難溶出性ポリマーで構成される複合繊維であって、荷重−伸度曲線が、前記の海成分の破断による降伏点を有さないことにより、高絡合でかつ高強力な人工皮革用基体を得ることが可能であり、緻密な表面品位と良好な耐摩耗性を有する人工皮革に好適に用いることができる複合繊維が得られる。
本発明の複合繊維は、海成分が易溶出性ポリマー、島成分が難溶出性ポリマーで構成される複合繊維であって、荷重−伸度曲線が、前記の海成分の破断による降伏点を有さないことが重要である。荷重−伸度曲線が、海成分の破断による降伏点を有さない、すなわち、海成分と島成分の強伸度における区別がなく複合繊維を形成することが重要である。
海成分の破断による降伏点を有する複合繊維とは、海成分が島成分対比優先的に配向結晶化していることを示しており、結果として、島成分の配向結晶化が進んでいないことが示唆されるためである。これに対し、本発明の複合繊維は、島成分に十分な配向を与えるために、島成分が海成分よりも優先的に引伸ばされていることが重要である。
上記のような関係の配向を達成する具体的手段としては、海成分の溶融粘度を島成分の溶融粘度よりも低くすることにより、達成することができる。それにより、島成分の高配向・結晶化が得られるだけでなく、さらに後工程のニードルパンチにおいて、ニードルにより複合繊維の外側に位置する海成分が損傷を受けにくいことから、ニードルパンチ回数を多くすることができるため、高絡合化が可能となるのである。海成分の溶融粘度としては、後述するMFRの値として、40〜400の範囲が好ましく、より好ましくは、50〜350の範囲である。島成分のMFRの値としては、20〜300の範囲が好ましく、より好ましくは、30〜250の範囲である。
本発明の複合繊維は、前述のように、海成分の破断による降伏点を有さないことが重要であるが、本特性を達成するためには、易溶出性ポリマーと難溶出性ポリマーの285℃の温度におけるMFRの比(易溶出性ポリマー/難溶出性ポリマー)が、1.1〜6.0の範囲である。これにより、紡糸・延伸工程において、海成分に応力がかからず、島成分にかかりやすくなることにより、島成分の配向結晶化が進むために、高強力の極細繊維を得ることが可能となる。MFRの比を1.1以上(易溶出性ポリマーの粘度が低い)とすることにより、海成分の破断による降伏点を発現することなく、島成分との一体化を達成することが可能となる。一方、MFRの比を6.0以下とすることで海成分の粘度が低すぎることにより、島合流の発生を抑制でき、さらに、紡糸安定性を確保することができる。MFRの比としてより好ましくは、1.2〜5.0の範囲である。
本特性により、ニードルパンチ等の絡合処理において、同じニードルパンチ回数でもニードルにより海成分が損傷を受けにくく、また、ニードルパンンチ回数を増やすことができるため、結果として高絡合化が可能となるのである。
本発明の複合繊維を構成する易溶出性ポリマーとしては、ポリエステル系易溶出成分が好ましく用いられ、一成分にエチレンテレフタレート単位を主とした繰り返し単位とするポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを含んでいることが好ましい。また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボン酸成分で置き換えたポリエステルであってもよい。同様にしてエチレングリコール成分の一部を他のポリオール成分で置き換えたポリエステルであってもよい。
本発明で使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の芳香族、脂肪族、および脂環族の二官能性カルボン酸が好ましく用いられる。また、エチレングリコール以外のポリオール化合物としては、例えば、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の脂肪族、脂環族、および芳香族のポリオール化合物が好ましく用いられる。
本発明の複合繊維で用いられる易溶出ポリマーとしては、このように、ポリエステル系易溶出成分が好ましく用いられる。中でも、共重合ポリエステルが好ましく用いられる。共重合成分としては、5−ナトリウムイソフタル酸成分が好ましく用いられ、ポリエステル中に5〜10モル%の割合で共重合されていることが好ましい。共重合成分の割合は、より好ましくは6〜9モル%の範囲である。共重合成分として、5−ナトリウムイソフタル酸成分を5モル%以上共重合させることにより、十分なアルカリ減量性を得ることができる。
また、後述するように、易溶出ポリマーにポリアルキレングリコールをブレンドすることにより、複合繊維を割れやすくすることができ、溶解性の向上効果も得られる。また、共重合成分として、5−ナトリウムイソフタル酸成分を10モル%以下共重合させることにより、溶融粘度の上昇が抑えられ、複合繊維紡糸時の糸切れが発生しにくいという効果を奏する。
本発明の複合繊維を構成する易溶出性ポリマーには、ポリアルキレングリコールが含まれていることが好ましい。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリブチレングリコール等が挙げられるが、使用の容易性やアルカリ等への減量性等からポリエチレングリコールが好ましく用いられる。
ポリアルキレングリコールの数平均分子量は、5,000〜50,000の範囲であることが好ましい。数平均分子量は、より好ましくは10,000〜30,000の範囲である。数平均分子量を上記範囲とすることにより、紡糸時の混合が容易となるだけでなく、易溶出性ポリマーに割れ(クラック)を形成させることで、十分なアルカリ減量速度が得られる。
ポリエステル系易溶出成分におけるポリアルキレングリコールの含有量は、1〜10質量%の範囲が好ましく、より好ましくは2〜8質量%の範囲である。ポリアルキレングリコールの含有量を1質量%以上とすることにより、易溶出性を得ることが可能である。また、ポリアルキレングリコールの含有量を10質量%以下とすることにより、複合紡糸時の糸切れに影響することが少ないという効果を奏する。
本発明の複合繊維においては、複合繊維縦断面中にポリアルキレングリコールが繊維の長手方向にのびる筋状に存在することが好ましい。複合繊維のポリエステル系易溶出成分である海成分中に、ポリアルキレングリコールが繊維の長手方向にのびる筋状に存在することにより、複合繊維に座屈捲縮処理を施した際、捲縮部分に割れおよび/または亀裂を生じやすくなる。
本発明の複合繊維において、筋状のポリアルキレングリコールの繊維長手方向の長さとしては、10μm以上のものが存在することが好ましい。繊維に長手方向に筋状にのびる、長さ10μm以上、より好ましくは15μm以上、さらに好ましくは20μm以上のポリアルキレングリコールが存在することにより、座屈捲縮付与時に効果的に割れを生じやすくなる。一方、筋状のポリアルキレングリコールの長さを200μm以下、より好ましくは180μm以下、さらに好ましくは160μm以下とすることにより、紡糸時やニードルパンチ時等、捲縮付与時以外における割れが生じにくくなる。
本発明でいう繊維の長手方向にのびる筋状に存在している状態とは、環状を形成していない状態を指すが、具体的には、1本のポリアルキレングリコール鎖の両末端が互いに接触しておらず、かつ両末端を結んだ直線距離と、実測されるアルキレン鎖長の差が20%以内となることが好ましい(完全な直線であれば0%の差となる)。
ポリエステル系易溶出成分とは、有機溶剤等の溶剤やアルカリ等の水溶液に対し、難溶出成分に対する溶解度が、好ましくは100倍以上であることをいい、より好ましくは200倍以上のものをいう。溶解度の差が100倍以上であることにより、溶出工程において、難溶出成分にダメージを与えにくく、難溶出成分の分散状態が良好なる。
また、本発明の複合繊維を構成する難溶出成分としては、例えば、上述のポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンおよびポリフェニレンスルフィド等を挙げることができる。ポリエステルやポリアミドに代表される重縮合系ポリマーは、融点が高いものが多く、例えば、人工皮革等とした場合に、良好な性能を示すことから、本発明で好ましく用いられる。ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポチトリメチレンテレフタレート等を挙げることができる。また、ポリアミドの具体例としては、ナイロン6、ナイロン66およびナイロン12等を挙げることができる。
本発明の複合繊維を構成する易溶性ポリマーと難溶出性ポリマーの比率は、難溶出成分の複合繊維に対する質量比で、0.1〜0.8であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.7である。難溶出成分の複合繊維に対する質量比を0.1以上とすることにより、ポリエステル系易溶出成分の除去率が少なくなり、生産性が向上する。また、難溶出成分の複合繊維に対する質量比を0.8以下とすることにより、難溶出成分からなる繊維の開繊性が向上され、難溶出成分の合流を防止することができる。
本発明でいう複合繊維としては、特公昭48−2216号公報等による、繊維軸方向に連続的に配列された難溶出成分の多数本が相接して集合し、易溶出成分により包括されて一本の繊維を形成した、高分子相互配列体繊維、繊維軸方向に不連続的(繊維長が有限)に配列された細繊維成分の多数本が相接して集合し一本の繊維を形成した、特公昭51−21041号公報等による混合紡糸繊維、および繊維の横断面において、易溶出成分により難溶出成分が複数個に分割された特開平9−310230号公報による分割型複合繊維等を好ましく用いることができる。このようにして得られた複合繊維の易溶出成分を、溶剤等を用いて除去することにより、複合繊維よりも繊度の細い難溶出繊維のみを取り出すことが可能となる。
本発明の複合繊維の単繊維繊度は、ニードルパンチ工程等の絡合性の観点から、2〜10dtexの範囲が好ましく、より好ましくは、3〜9dtexの範囲である。
また、本発明の複合繊維の種類については、後述するように、人工皮革用とした場合の高級感、品位およびタッチ等の観点から、海島型複合繊維または混合紡糸繊維を好ましく用いることができる。
人工皮革として適用可能な物性を得るためには、本発明の複合繊維は、高配向、高結晶性であることが好ましく、本特性を達成するための延伸倍率としては、2.0〜6.0倍が好ましく、より好ましくは、2.5〜5.0倍である。
複合繊維から得られる極細繊維の平均単繊維径は、0.1〜10μmの範囲とすることが好ましい。平均単繊維径を10μm以下、好ましくは5μm以下とすることにより、例えば、スエード調の人工皮革とした場合に良好なタッチを得ることが可能となる。一方、平均単繊維径を0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上とすることによって、優れた繊維強度および剛性を維持することができる。
本発明で用いられる複合繊維を構成するポリエステル系易溶出成分(易溶性ポリマー)と難溶出成分(難溶出性ポリマー)の各成分(ポリマー)には、粒子、難燃剤および帯電防止剤等の添加剤を含有させても良い。
本発明の複合繊維を用い、繊維絡合体を形成することができる。繊維絡合体としては、織編物や不織布等を挙げることができる。繊維絡合体としては、中でも、極細繊維の束(極細繊維束)が絡合してなる不織布が、表面の均一性と強力等の観点から好ましく用いられる。このようにして得られた不織布に、弾性重合体等を付与することにより、人工皮革用基体が得られる。
本発明の複合繊維から、ポリエステル系易溶解出成分のポリマーを除去した後に得られる極細繊維束の形態としては、極細繊維同士が多少離れていてもよいし、部分的に結合していてもよいし、凝集していてもよい。
本発明の複合繊維を用いて得られる繊維絡合体の不織布としては、短繊維をカードやクロスラッパーを用いて積層繊維ウェブを形成させた後に、ニードルパンチやウォータジェットパンチを施して得られる短繊維不織布、スパンボンド法やメルトブロー法などから得られる長繊維不織布、および抄紙法で得られる不織布などを採用することができる。中でも、短繊維不織布やスパンボンド不織布は、厚み均一性等が良好なものが得られるため、好ましく用いられる。
本発明の複合繊維を用いて得られる不織布は、ニードルパンチ等の絡合処理前の状態で、JIS L1097(1982)「合成繊維ふとんわた試験方法」で測定される圧縮回復率が、80〜100%であることが好ましい。圧縮回復率は、より好ましくは85〜100%の範囲である。圧縮回復率を80%以上とすることにより、ニードルパンチによる絡合処理において、繊維がヘタリにくく、高い効率で絡合処理が可能となり、人工皮革用基体の高密度化と高強度化が可能となる。
本発明の複合繊維を用いて得られる不織布は、強度を向上させるなどの目的で、織物や編物を積層し、裏張りしてもよい。不織布と織編物をニードルパンチで積層一体化する場合、織編物を構成する繊維のニードルパンチによる損傷を防ぐため、織編物の糸条を強撚糸とすることが好ましい。織編物を構成する糸条の撚数は、700T/m〜4500T/mが好ましい範囲である。また、織編物の繊維径は、極細繊維不織布の繊維径と同じ、もしくはさらに細いものを用いても良い。
本発明の複合繊維を用いて得られる不織布に弾性重合体を付与してもよい。弾性重合体のバインダー効果により複合繊維が人工皮革から抜け落ちるのを防止することができるだけでなく、適度なクッション性を付与することが可能となる。
本発明の複合繊維を用いて得られる不織布に付与される弾性重合体としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマーおよびスチレン・ブタジエンエラストマーなどを用いることができるが、柔軟性とクッション性の観点からポリウレタンが好ましく用いられる。
ポリウレタンとしては、例えば、平均分子量500〜3000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、あるいはポリエステルポリエーテルジオール等のポリマージオール等から選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系およびヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系のジイソシアネート等から選ばれた少なくとも1種類のジイソシアネートと、エチレングリコール、ブタンジオール、エチレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の2個以上の活性水素原子を有する少なくとも1種類の低分子化合物を、所定のモル比で反応させて得られたポリウレタンおよびその変性物が挙げられる。
ポリウレタン系エラストマーの質量平均分子量は、好ましくは50,000〜300,000である。質量平均分子量を50,000以上、より好ましくは100,000以上、さらに好ましくは150,000以上とすることにより、人工皮革の強度を保持し、また複合繊維の脱落を防ぐことができる。また、質量平均分子量を300,000以下、より好ましくは250,000以下とすることにより、ポリウレタン溶液の粘度の増大を抑えて不織布への含浸を行いやすくすることができる。
また、弾性重合体には、ポリエステル系、ポリアミド系およびポリオレフィン系などのエラストマー樹脂、アクリル樹脂およびエチレン−酢酸ビニル樹脂などが含まれていても良い。
また、本発明で用いられる弾性重合体には、必要に応じてカーボンブラック等の顔料、染料酸化防止剤、酸化防止剤、耐光剤、帯電防止剤、分散剤、柔軟剤、凝固調整剤、難燃剤、抗菌剤および防臭剤などの添加剤が配合されていてもよい。
また、弾性重合体は、有機溶剤中に溶解していても、水中に分散していてもどちらでもよい。
弾性重合体の含有率は、極細繊維束が絡合してなる不織布に対し、5〜200質量%であることが好ましい。弾性重合体の含有量によって、人工皮革の表面状態、クッション性、硬度および強度などを調節することができる。含有量が5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上とすることにより、繊維脱落を少なくすることができる。一方、含有量を200質量%以下、より好ましくは100質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下とすることにより、極細繊維がシート表面上に均一分散した状態を得ることができる。
極細繊維束からなる人工皮革用基体の目付は、100〜500g/mであることが好ましい。目付が100g/m以上、より好ましくは150g/m以上とすることにより、人工皮革用基体に十分な形態安定性と寸法安定性が得られる。一方、目付を500g/m以下、より好ましくは300g/m以下とすることにより、人工皮革用基体に十分な柔軟性が得られる。
本発明の人工皮革用基体の厚さは、0.1〜10mmであることが好ましい。厚さを0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上とすることにより、十分な形態安定性と寸法安定性が得られる。一方、厚さを10mm以下、より好ましくは5mm以下とすることにより十分な柔軟性が得られる。
本発明の人工皮革用基体は、少なくとも片面に立毛処理が施されていることが好ましい。このようにすることにより、スエード調人工皮革としたときに、緻密なタッチが得られる。
次に、本発明の複合繊維、人工皮革用基体および人工皮革を製造する方法について説明する。
本発明の複合繊維は、溶剤等への溶解性の異なる2成分の熱可塑性樹脂を海成分と島成分に用い、後工程で、海成分を溶剤等により溶解除去することによって島成分を極細繊維とする海島型繊維や、2成分の熱可塑性樹脂を繊維断面に放射状または多層状に交互に配置し、各成分を剥離分割することによって極細繊維に割繊する剥離型複合繊維などを採用することができる。
本発明の複合繊維を用い、複合繊維ウェブを作成する工程、その複合繊維ウェブに絡合処理を施して繊維絡合体(不織布)を得ることができる。得られた不織布から複合繊維の易溶性成分(海成分)のポリマーを溶解除去あるいは物理的または化学的作用により剥離・分割し、極細繊維化する前および/または後/または起毛処理の後に、ポリウレタンを主成分とした弾性重合体を不織布に付与し、弾性重合体を実質的に凝固し固化させる工程、および起毛処理を施し表面に立毛を形成し厚みを均一化することにより人工皮革用基体を得ることができ、さらに染色加工により仕上げを行う工程を経て人工皮革を得る。
海島型繊維の場合は、海島型複合用口金を用い海成分と島成分の2成分を相互配列して紡糸する海島型複合繊維や、海成分と島成分の2成分を混合して紡糸する混合紡糸繊維などがあるが、均一な繊度の極細繊維が得られる点、また十分な長さの極細繊維が得られ人工皮革用基体の強度にも資する点から、海島型複合繊維が特に好ましく用いられる。
海島型繊維の海成分としては、ポリエステル系易溶出成分(易溶出性ポリマー)が好ましく、さらに、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を5〜10モル%共重合してなる共重合ポリエステルにポリアルキレングリコールを含んでいることが好ましい。5−ナトリウムスルホイソフタル酸は、ポリマー重合反応時に添加し共重合させ、ポリアルキレングリコールは紡糸時に添加することが好ましい。
ポリエステル系易溶出成分(易溶出性ポリマー)へのポリアルキレングリコールの混合方法としては、ポリマー重合反応が終了した後に添加する方法も用いられるが、ポリアルキレングリコールの熱劣化や分子鎖構造の制御の観点から、溶融紡糸時に混合することが好ましい。また、ポリアルキレングリコールの分子鎖は、複合繊維(ポリエステル系易溶出成分)の長手方向にのびる筋状に存在することが必要である。ポリアルキレングリコールが繊維の長さ方向の筋状に存在することにより、座屈捲縮時に複合繊維表面に割れを付与しやすい。一方、ポリアルキレングリコールを重合反応後に混合した場合は、ポリアルキレングリコールの分子鎖が安定構造をとるため、丸または楕円構造となり、紡糸時に長手方向にのびる筋状に変形しにくいのである。
本発明の複合繊維は、98℃の温度における収縮率が、10〜40%であることが好ましく、より好ましくは12〜35%である。収縮率を上記の範囲とすることにより、人工皮革用基体として用いた場合、不織布の緻密性が向上し、それにより製品の品位が向上する。収縮率を上記の範囲に制御するためには、例えば、延伸加工時の温度を、収縮挙動が抑制されない、低温度条件とすることにより達成することが可能である。本発明の複合繊維においては、85℃以下の温度条件で延伸することにより達成可能である。本発明の複合繊維は、延伸が施されていることが重要であり、荷重−伸度曲線が、前記海成分の破断による降伏点を有さない特徴とは、延伸糸の特性である。
本発明の複合繊維は、座屈捲縮が付与されていることが好ましい。座屈捲縮により、短繊維不織布を形成した場合の繊維間の絡合性が向上し、高密度と高絡合化が可能となるためである。複合繊維に座屈捲縮を付与するためには、通常のスタッフィングボックス型のクリンパーが好ましく用いられるが、本発明において好ましい捲縮保持係数を得るためには、一度に加工に処する繊度(処理繊度)、クリンパー温度、クリンパー加重および押込み圧力等を適宜調整することが好ましい。これらのうち重要なのが、クリンパー温度(捲縮付与時の温度)であり、好ましいクリンパー温度は40〜80℃の範囲である。複合繊維の表面に、ポリエステル系易溶出成分のポリアルキレングリコールが存在することにより、捲縮付与時に複合繊維表面のポリアルキレングリコール存在部分が座屈しやすくなる。捲縮付与時のクリンパー温度を40℃以上とすることにより、ポリアルキレングリコール成分の溶解および、繊維表面の破壊が起こりやすくなる。また、捲縮付与時のクリンパー温度を80℃以下とすることにより、複合繊維が熱セットされすぎ、次工程での収縮挙動が抑制されることを防ぐことができる。このように、捲縮付与時のクリンパー温度を上記温度範囲とすることにより、その効果が顕著に現れるものである。
本発明の複合繊維の海成分の溶解除去は、人工皮革用基体とした場合、弾性重合体を付与する前、付与した後、起毛処理後のいずれの段階で行ってもよい。
複合繊維からなる不織布を得る方法としては、前述のとおり、繊維ウェブをニードルパンチやウォータジェットパンチにより絡合させる方法、スパンボンド法、メルトブロー法、および抄紙法などを採用することができ、なかでも、前述のような極細繊維束の態様とする上で、ニードルパンチやウォータジェットパンチなどの処理を経る方法が好ましい。
不織布は、織編物を積層一体化させてもよく、ニードルパンチやウォータジェットパンチ等により一体化する方法が好ましく用いられる。
ニードルパンチ処理に用いられるニードルにおいて、ニードルバーブ(切りかき)の数は好ましくは1〜9本である。ニードルバーブを1本以上とすることにより、効率的な繊維の絡合が可能となる。一方、ニードルバーブを9本以下とすることにより、繊維損傷を抑えることができる。
ニードルバーブに引っかかる極細繊維発生型繊維等の複合繊維の本数は、ニードルバーブの形状と複合繊維の直径によって決定される。そのため、ニードルパンチ工程で用いられる針のニードルバーブ形状は、キックアップ0〜50μm、アンダーカットアングル0〜40°、スロートデプス40〜80μm、およびスロートレングス0.5〜1.0mmのものが好ましく用いられる。
ニードルパンチ工程におけるパンチング本数は、1000〜8000本/cmであることが好ましい。パンチング本数を1000本/cm以上とすることにより、緻密性が得られ高精度の仕上げを得ることができる。一方、パンチング本数を8000本/cm以下とすることにより、加工性の悪化、繊維損傷および強度低下を防ぐことができる。
また、織編物と極細繊維発生型繊維不織布を積層一体化する場合、積層時のニードルパンチのニードルのバーブ方向は、シートの進行方向に対して直行する90±15°とすることにより、損傷しやすい緯糸を引掛けにくくなる。
また、ウォータジェットパンチ処理を行う場合には、水は柱状流の状態で行うことが好ましい。具体的には、直径0.05〜1.0mmのノズルから圧力1〜60MPaで水を噴出させると良い。
ニードルパンチ処理あるいはウォータジェットパンチ処理後の複合繊維からなる不織布の見掛け密度は、0.15〜0.45g/cmであることが好ましい。見掛け密度を0.15g/cm以上とすることにより、人工皮革用基体が十分な形態安定性と寸法安定性が得られる。一方、見掛け密度を0.45g/cm以下とすることにより、弾性重合体を付与するための十分な空間を維持することができる。
このようにして得られた極細繊維発生型繊維不織布は、緻密化の観点から、乾熱もしくは湿熱またはその両者によって収縮させ、さらに高密度化することが好ましい態様である。
複合繊維の極細繊維発生型繊維からポリエステル系易溶解性成分(海成分)を溶解する溶剤としては、海成分がポリ乳酸や共重合ポリエステルであれば水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いることができる。また、極細繊維発生加工(脱海処理)は、溶剤中に極細繊維発生型繊維からなる不織布を浸漬し、窄液することによって行うことができる。
また、極細繊維発生加工には、連続染色機、バイブロウォッシャー型脱海機、液流染色機、ウィンス染色機およびジッガー染色機等の公知の装置を用いることができる。また、極細繊維発生加工は、立毛処理前に行ってもよいし立毛処理後に行ってもよい。
弾性重合体は、極細繊維発生加工の前に付与してもよいし、極細繊維発生加工の後に付与してもよい。
弾性重合体としてポリウレタンを付与させる際に用いられる溶媒としては、N,N’−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等が好ましく用いられるが、ポリウレタンを水中にエマルジョンとして分散させた水分散型ポリウレタン液としてもよい。
溶媒に溶解した弾性重合体溶液に、不織布を浸漬する等して弾性重合体を不織布に付与し、その後、乾燥することによって弾性重合体を実質的に凝固し固化させる。溶剤系のポリウレタン溶液の場合は、非溶解性の溶剤に浸漬することにより凝固させることができ、ゲル化性を有する水分散型ポリウレタン液の場合は、ゲル化させた後乾燥する乾式凝固方法等で凝固させることができる。乾燥にあたっては、不織布および弾性重合体の性能が損なわない程度の温度で加熱してもよい。
本発明の人工皮革用基体は、少なくとも片面が立毛されていても良い。立毛処理は、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて行うことができる。特に、サンドペーパーを用いることにより、均一かつ緻密な立毛を形成することができる。さらに、人工皮革用基体の表面に均一な立毛を形成させるためには、研削負荷を小さくすることが好ましい。研削負荷を小さくするためには、例えば、バフ段数を3段以上の多段バッフィングとし、各段に使用するサンドペーパーの番手を、JIS規定の120番〜600番の範囲とすることがより好ましい態様である。
本発明の複合繊維から得られた極細繊維らなる人工皮革用基体は、例えば、染料、顔料、柔軟剤、ピリング防止剤、抗菌剤、消臭剤、撥水剤、耐光剤および耐候剤等の機能性薬剤を含んでいてもよい。
本発明の複合繊維から得られた極細繊維からなる人工皮革用基体は、染色を施すことが好ましい。染色手段としては、人工皮革用基体を染色すると同時に揉み効果を加えて柔軟化できることから、液流染色機が好ましく用いられる。染色温度は、70〜120℃の温度が好ましい。染料は、難溶出成分がポリエステルの場合は、分散染料が好ましく用いられる。また、染色後に還元洗浄を行っても良い。
また、染色の均一性を向上させる目的で、染色時に染色助剤を用いることが好ましい。さらにシリコーンなどの柔軟剤、帯電防止剤、撥水剤、難燃剤および耐光剤等の仕上げ処理を行ってもよい。仕上げ処理は、染色後でも染色と同浴で行ってもよい。
このようにして、人工皮革用基体を染色することによって、人工皮革が得られる。
本発明の複合繊維を用いて得られる人工皮革用基体およびそれを用いてなる人工皮革は、良好な品位を有しており、特に耐摩擦性に優れるため、衣料用途、雑貨用途、CD、DVDカーテン、研磨パッド用基材、各種研磨布およびワイピングクロス等の工業資材用途等として好適に用いられる。
[測定方法および評価用加工方法]
(1)融点
パーキンエルマー社(Perkin Elmaer)製DSC−7を用いて、2nd runでポリマーの溶融を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は、16℃/分で、サンプル量は10mgとした。測定は2回行い、その平均値を融点とした。
(2)メルトフローレイト(MFR)
試料ペレット4〜5gを、MFR計電気炉のシリンダーに入れ、東洋精機製メルトインデクサー(S101)を用いて、荷重2160gf、温度285℃の条件で、10分間に押し出される樹脂の量(g)を測定した。同様の測定を3回繰り返し、平均値をMFRとした。
(3)複合繊維の荷重−伸度曲線
複合繊維をランダムに10本引き抜き、テンシロンを用いて、初期荷重0.044cN/dtexとして、次の条件で荷重−伸度曲線を求めた。測定は5回実施し、その平均値を求めた。
・試料長:50mm、引張速度:50mm/分。
(4)複合繊維の収縮率
複合繊維の束に50mg/dtexの荷重をかけ、30.0cmをマーキングした(L)。その後、98℃の温度の熱水で10分間処理し、処理前後の長さ(L)を測定し、(L−L)/L×100を算出した。測定は3回実施し、その平均値を収縮率とした。
(5)人工皮革用基体中の極細繊維の平均単繊維径
極細繊維を含む不織布の厚み方向に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡(SEM キーエンス社製VE−7800型)で、3000倍で観察し、30μm×30μmの視野内で無作為に抽出した50本の単繊維直径を測定した。ただし、これを3ヶ所で行い、合計150本の単繊維の直径を測定し、小数点以下を四捨五入して平均値を算出した。極細繊維が異形断面の場合、まず単繊維の断面積を測定し、当該断面を円形と見立てた場合の直径を算出することによって単繊維の直径を求めた。
(6)製品摩耗評価(マーチンデール摩耗評価)
マーチンデール摩耗試験機として、James H.Heal&Co.製のModel 406を用い、標準摩擦布として同社のABRASTIVE CLOTH SM25を用い、試料(人工皮革/製品)に12kPa相当の荷重をかけ、摩耗回数20,000回の条件で摩擦させた後の試料の外観を目視で観察し、評価した。評価基準は、試料の外観が摩擦前と全く変化が無かったものを5級、毛玉が多数発生したものを1級とし、その間を0.5級ずつ区切った。4.0級以上を摩耗性良好とした。
[実施例1]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマー)
島成分として、融点260℃、MFR48.0のポリエチレンテレフタレート(PET−1)を用いた。
(海成分:易溶出性ポリマー)
海成分として、融点240℃、MFR100の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8モル%共重合したPET(共重合PET−1)を用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用い、16島/ホールの海島型複合紡糸口金を用いて、紡糸温度285℃、島/海質量比率55/45、吐出量1.8g/分・ホール、紡糸速度1200m/分の条件で溶融紡糸した。
次いで、68℃の温度の液浴中でトータル倍率が3.7倍となるように2段延伸し、スタッフィングボックス型のクリンパーを用いて、クリンパー温度65℃で捲縮を付与した。得られた複合繊維は、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率は18.8%であった。この複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有さなかった。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成した。次いで、トータルバーブデプス0.075mmのニードル1本を植込んだニードルパンチ機を用いて、針深度7mm、パンチ本数4500本/cmでニードルパンチし、目付が779g/mの不織布を作製した。ニードルパンチ時のシートの長さ方向の寸法変化がほとんどなく、高密度化が可能であった。
<水分散型ポリウレタン液>
非イオン系強制乳化型ポリウレタンエマルジョン(ポリカーボネート系)に、感熱ゲル化剤として硫酸ナトリウムをポリウレタン固形分対比3質量%添加し、ポリウレタン液濃度が10質量%となるように<水分散型ポリウレタン液>を調整した。
<人工皮革用基体>
上記の不織布を98℃の温度で3分間熱水収縮、100℃の温度で5分間乾燥させた。その後、得られた不織布に上記の水分散型ポリウレタン液を付与し、乾燥温度125℃で5分間熱風乾燥して、ポリウレタンの付着量が不織布の島成分に対して35質量%であるポリウレタン付不織布を得た。
上記のポリウレタン付不織布を90℃の温度に加熱した濃度20g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、30分間処理し、海島型複合繊維から海成分を溶解除去した。その後、エンドレスのバンドナイフを有する半裁機により厚み方向に半裁し、非半裁面をJIS#180番のサンドペーパーを用いて3段研削し、立毛を形成させて人工皮革用基体を作製した。
<人工皮革>
上記の人工皮革用基体を、サーキュラー乾燥機を用いて分散染料により染色を行い、人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は、緻密で良好であった。製品摩耗は、4.0級と良好であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマーと海成分:易溶出性ポリマー)
島成分と海成分は、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用い、海成分に分子量20,000のPEG(ポリエチレングリコール)2.0質量%をメルトブレンドしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が19.0%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有さなかった。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層ウェブを形成し、目付が790g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長さ方向の寸法変化がほとんどなく、高密度化が可能であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体と人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は良好であった。製品摩耗は、4.5級と良好であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマー)
島成分として、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(海成分:易溶出性ポリマー)
海成分として、融点241℃、MFR58.2の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8モル%共重合したPET(共重合PET−2)を用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が19.1%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有さなかった。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成し、目付が779g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長さ方向の寸法変化がほとんどなく、高密度化が可能であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体と人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は緻密で良好であった。製品摩耗は、4.5級と良好であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマーと海成分:易溶出性ポリマー)
島成分と海成分は、実施例3で用いたものと同じものを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用い、海成分に分子量20,000のPEG(ポリエチレングリコール)を3.0質量%メルトブレンドしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が19.2%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有さなかった。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層ウェブを形成し、目付が793g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長さ方向の寸法変化がほとんどなく、高密度化が可能であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体と人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は良好であった。製品摩耗は、4.5級と良好であった。結果を表1に示す。
[実施例5]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマー)
島成分として、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(海成分:易溶出性ポリマー)
海成分として、融点240℃、MFR168.5の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8モル%共重合したPET(共重合PET−3)を用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が18.7%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有さなかった。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成し、目付が799g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長さ方向の寸法変化がほとんどなく、高密度化が可能であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体と人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は緻密で良好であった。製品摩耗は、4.0級と良好であった。結果を表1に示す。
[実施例6]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマー)
島成分として、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(海成分:易溶出性ポリマー)
海成分として、融点240℃、MFR230の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを6モル%共重合したPET(共重合PET−4)を用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が18.9%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有さなかった。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成し、目付が802g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長さ方向の寸法変化がほとんどなく、高密度化が可能であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体と人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は緻密で良好であった。製品摩耗は、4.0級と良好であった。結果を表1に示す。
[実施例7]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマー)
島成分として、融点230℃、MFR58.0のポリプロピレンテレフタレート(PPT−1)を用いた。
(海成分:易溶出性ポリマー)
海成分として、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が21.0%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有さなかった。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成し、目付が788g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長さ方向の寸法変化がほとんどなく、高密度化が可能であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体と人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は緻密で良好であった。製品摩耗は、4.0級と良好であった。結果を表1に示す。
[実施例8]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマー)
島成分として、融点220℃、MFR60.5のナイロン6(N6−1)を用いた。
(海成分:易溶出性ポリマー)
海成分として、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が17.2%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有さなかった。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成し、目付が796g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長さ方向の寸法変化がほとんどなく、高密度化が可能であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体を得、含金染料を用いて染色を行い、人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は緻密で良好であった。製品摩耗は、4.0級と良好であった。結果を表1に示す。
[実施例9]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマー)
島成分として、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(海成分:易溶出性ポリマー)
海成分として、融点54℃、MFR270のポリスチレン(PSt−1)を用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が24.2%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有さなかった。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成し、目付が792g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長さ方向の寸法変化がほとんどなく、高密度化が可能であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体と人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は緻密で良好であった。製品摩耗は、4.0級と良好であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマー)
島成分として、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(海成分:易溶出性ポリマー)
海成分として、融点241℃、MFR40.3の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8モル%共重合したPET(共重合PET5)を用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が19.3%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有していた。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成し、目付が779g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長変化が大きい結果であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体と人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は緻密性に欠けるものであった。また、製品摩耗は、3.0級と実用に耐えるものではなかった。結果を表1に示す。
[比較例2]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマーと海成分:易溶出性ポリマー)
島成分と海成分は、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用い、海成分に分子量20,000のポリエチレングリコール3.0質量%をメルトブレンドしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、単繊維繊度が4.2dtex、98℃における収縮率が19.4%の複合繊維を得た。得られた複合繊維の荷重−伸度曲線は、海成分の破断による降伏点を有していた。得られた複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用いて、実施例1と同様にして、加工を実施した。カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成し、目付が798g/mの不織布を得た。ニードルパンチ時のシートの長変化が大きい結果であった。
<人工皮革>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして人工皮革用基体と人工皮革を得た。得られた人工皮革の品位は緻密性に欠けるものであった。また、製品摩耗は、3.5級と実用に耐えるものではなかった。結果を表1に示す。
[比較例3]
<原綿>
(島成分:難溶出性ポリマー)
島成分として、実施例1で用いたものと同じものを用いた。
(海成分:易溶出性ポリマー)
海成分として、融点241℃、MFR256の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5モル%共重合したPET(共重合PET6)を用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分と島成分を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で溶融紡糸を行ったところ、海成分の溶融粘度が低いことにより、島合流が発生した。さらに、紡糸時の糸切れが多発したため、延伸加工を行うことはできなかった。結果を表1に示す。
Figure 0006094096

Claims (6)

  1. 海成分が易溶出性ポリマー、島成分が難溶出性ポリマーで構成される複合繊維であって、荷重−伸度曲線が、前記海成分の破断による降伏点を有さず、かつ、易溶出性ポリマーと難溶出性ポリマーの285℃の温度におけるMFR(メルトフローレイト)の比(易溶出性ポリマー/難溶出性ポリマー)が、1.1〜6.0の範囲であることを特徴とする複合繊維。
  2. 易溶出性ポリマーがポリエステルであることを特徴とする請求項1記載の複合繊維。
  3. 易溶出性ポリマー中にポリアルキレングリコールが含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の複合繊維。
  4. 98℃の温度における収縮率が10〜40%の範囲であることを特徴とする1〜のいずれかに記載の複合繊維。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の複合繊維を用いてなる人工皮革用基体。
  6. 請求項記載の人工皮革用基体を用いてなる人工皮革。
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