JP2000109532A - 感熱ゲル化性ポリウレタン系エマルジョンおよびその製造方法 - Google Patents
感熱ゲル化性ポリウレタン系エマルジョンおよびその製造方法Info
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Abstract
性、機械的安定性に優れたポリウレタン系エマルジョン
およびその製造方法を提供することである。 【解決手段】 分子中にイソシアネート基を有するポリ
ウレタンプレポリマーをノニオン系界面活性剤を用いて
水中に乳化させる際に、あるいは乳化させた後に、
(a)分子中に一級および二級アミノ基から選ばれた少
なくとも一種の基を有するポリビニルアルコール系重合
体、および(b)分子中に一級アミノ基、二級アミノ
基、一級水酸基および二級水酸基から選ばれる少なくと
も一種の基を有する低分子化合物を、同時にまたは別途
に添加し、反応させ、次いで電解質を添加することを特
徴とする感熱ゲル化性ポリウレタン系エマルジョンの製
造方法。
Description
ウレタン系エマルジョンおよびそれらの製造方法に関
し、詳しくは、感熱ゲル化性、貯蔵安定性、機械的安定
性に優れたポリウレタン系エマルジョンおよびその製造
方法に関する。
性質、耐摩耗性、耐薬品性、接着性などの特性を活かし
て、ゴムとプラスチックスの境界分野を埋める樹脂とし
て、塗料、接着剤、人工皮革などの幅広い用途分野に浸
透している。その中で、環境保全、省資源、安全性とい
った社会ニーズに対応すべく、水性ポリウレタンが急激
に発展してきている。ウレタン樹脂の水中への乳化分散
技術、アイオノマー化による自己乳化分散技術、さらに
は水中での高分子量化技術等に進歩により高性能の水性
ポリウレタンが出現し、その性能は今日では溶剤系ポリ
ウレタン樹脂に匹敵するレベルになり、各種の用途分野
で実用化されるに至っている。
基材に含浸させ付与して多孔性シート材料や人工皮革等
を製造する場合、エマルジョンの乾燥固化の段階でポリ
ウレタンが繊維質基材表面に移動する、いわゆるマイグ
レーションという現象が起こり、風合いが低下する原因
となっている。マイグレーションを防止するために、水
性ポリウレタンに感熱ゲル化性を付与することが行われ
ている。例えば、特開昭63−23958では、安定剤
として水溶性ポリエーテルポリウレタンを用いたポリウ
レタンエマルジョンに電解質を添加することを提案して
いる。
開昭63−23958の方法でも、貯蔵安定性、機械的
安定性は十分でなく、また水溶性高分子を用いるために
エマルジョンの粘度が高くなる傾向にあり、繊維質基材
への浸透性が低下しやすい。
性、機械的安定性に優れたポリウレタン系エマルジョン
およびその製造方法を提供することである。
本発明者はいろいろ検討を重ねてきた。その結果、特定
の構造のポリビニルアルコール系重合体を用いてポリウ
レタン系エマルジョンを製造することにより、上記の課
題が達成されることを見出した。
ート基を有するポリウレタンプレポリマーをノニオン系
界面活性剤を用いて水中に乳化させる際に、あるいは乳
化させた後に、(a)分子中に一級および二級アミノ基
から選ばれた少なくとも一種の基を有するポリビニルア
ルコール系重合体、および(b)分子中に一級アミノ
基、二級アミノ基、一級水酸基および二級水酸基から選
ばれる少なくとも一種の基を有する低分子化合物を、同
時にまたは別途に添加し、反応させ、次いで電解質を添
加することを特徴とする感熱ゲル化性ポリウレタン系エ
マルジョンの製造方法に関する。
基を有するポリウレタンプレポリマーをノニオン系界面
活性剤を用いて水中に乳化させる際に、あるいは乳化さ
せた後に、(a)分子中に一級および二級アミノ基から
選ばれる少なくとも一種の基を有し、且つケン化度が8
5モル%以下のポリビニルアルコール系重合体、(b)
分子中に一級アミノ基、二級アミノ基、一級水酸基およ
び二級水酸基から選ばれる少なくとも一種の基を有する
低分子化合物を、同時にまたは別途に添加し、反応させ
ることを特徴とする感熱ゲル化性ポリウレタン系エマル
ジョンの製造方法に関する。
ことを特徴とする感熱ゲル化性ポリウレタン系エマルジ
ョンに関する。
する。本発明は、分子中にイソシアネート基を有するポ
リウレタンプレポリマーをノニオン系界面活性剤を用い
て水中に乳化させる際に、あるいは乳化させた後に、
(a)一級および二級アミノ基から選られる少なくとも
一種の基を有するポリビニルアルコール系重合体、およ
び(b)分子中に一級アミノ基、二級アミノ基、一級水
酸基および二級水酸基から選ばれる少なくとも一種の低
分子化合物(以下、活性水素原子含有低分子化合物と称
することがある)を、同時にまたは別途に添加し、反応
させ、次いで場合により電解質を添加して得られること
を特徴とする感熱ゲル化性ポリウレタン系エマルジョン
の製造方法、および該方法によって得られる感熱ゲル化
性ポリウレタン系エマルジョンである。
マーは、実質的に、高分子ポリオール、有機ジイソシア
ネートおよび必要に応じて鎖伸長剤を、溶媒の存在下ま
たは不存在下で反応させて得られた、分子中にイソシア
ネート基を1個以上有するポリウレタンである。
る高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカ
ーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールなどを
挙げることができ、ポリウレタンプレポリマーはこれら
の高分子ポリオールの1種または2種以上を用いて形成
されていることができる。
ポリエステルポリオールは、例えば、常法に従って、ポ
リカルボン酸、そのエステル、無水物などのエステル形
成性誘導体などのポリカルボン酸成分とポリオール成分
を直接エステル反応させるかまたはエステル交換反応さ
せることによって得られる。
れるポリエステルポリオールの製造原料であるポリカル
ボン酸成分としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−
メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチル
ペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメ
チルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの脂
肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式
ジカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸などのト
リカルボン酸;それらのエステル形成性誘導体などを挙
げることができ、これらのうち1種または2種以上を用
いることができる。そのうちでも、ポリエステルポリオ
ールは、ポリカルボン酸成分として、脂肪族カルボン酸
またはそのエステル形成性誘導体から主としてなり、場
合により少量の3官能以上のポリカルボン酸またはその
エステル形成性誘導体を含むものを用いて製造されたも
のであることが好ましい。
れるポリエステルポリオールの製造原料であるポリオー
ル成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,7−
ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9
−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオ
ール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオー
ル;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオ
ールなどの脂環式ジオール;グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ブタントリオール、ヘキサントリオール、
トリメチロールブタン、トリメチロールペンタンなどの
トリオール、ペンタエリスリトールなどのテトラオール
などを挙げることができ、これらのうち1種または2種
以上を用いることができる。そのうちでも、ポリエステ
ルポリオールは、ポリオール成分として、脂肪族ポリオ
ールからなり、場合により少量の3官能以上のポリオー
ルを含むポリオール成分を用いて製造されたものである
ことが好ましい。
るポリカーボネートポリオールとしては、例えば、例え
ば、ポリオールとジアルキルカーボネート、アルキレン
カーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネ
ート化合物との反応により得られる。ポリカーボネート
ポリオールを構成するポリオールとしては、ポリエステ
ルポリオールの構成成分として先に例示したポリオール
を用いることができる。また、ジアルキルカーボネート
としてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート
などを、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカー
ボネートなどを、ジアリールカーボネートとしてはジフ
ェニルカーボネートなどを挙げることができる。
るポリエステルポリカーボネートポリオールとしては、
例えば、ポリオール、ポリカルボン酸およびカーボネー
ト化合物を同時に反応させて得られたもの、予め製造し
ておいたポリエステルポリオールとカーボネート化合物
を反応させて得られたもの、予め製造しておいたポリカ
ーボネートポリオールとポリオールおよびポリカルボン
酸を反応させて得られたもの、予め製造しておいたポリ
エステルポリオールおよびポリカーボネートポリオール
を反応させて得られたものなどを挙げることができる。
用いうるポリエーテルポリオールの例としては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどを挙げることができ、これ
らの1種または2種以上を用いることができる。
00〜10000であることが必要であり、700〜5
000であるのが好ましく、750〜4000であるの
がさらに好ましい。数平均分子量が500〜10000
の範囲から外れる高分子ポリオールを用いて製造された
ポリウレタンプレポリマーを使用する場合は、得られる
ポリウレタン組成物の耐寒性、耐熱性、耐溶剤性などが
低下したものとなりやすい。
りの水酸基の数fが2.0≦f≦4.0の範囲であるこ
とが好ましい。より好ましくは2.0≦f≦3.0の範
囲である。1分子当たりの水酸基数fが前記した2.0
≦f≦4.0の範囲にある高分子ポリオールを用いて得
られたポリウレタンプレポリマーを本発明のポリウレタ
ン系エマルジョンで使用すると、得られるポリウレタン
組成物の耐熱性、耐溶剤性が良好になる。
のポリウレタン系エマルジョンの製造に従来から用いら
れている有機ジイソシアネートのいずれもが使用できる
が、分子量500以下の脂環式ジイソシアネート、脂肪
族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートのうち1
種または2種以上が好ましく使用される。有機ジイソシ
アネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネートなどを挙げる
ことができ、これらのうち1種または2種以上を用いる
ことができる。
には、必要に応じて鎖伸長剤成分を用いることができ
る。用いうる鎖伸長剤成分としては、通常のポリウレタ
ン系エマルジョンの製造に従来から用いられている鎖伸
長剤のいずれもが使用できるが、イソシアネート基と反
応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量
300以下の低分子化合物を用いるのが好ましい。例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4
−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレート、キシリレングリコールなどのジ
オール類;トリメチロールプロパン等のトリオール類;
ペンタエリスリトール等のペンタオール類;ヒドラジ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレ
ンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびそ
の誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キ
シレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル
酸ジヒドラジドなどのジアミン類;アミノエチルアルコ
ール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコー
ル類などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上
を用いることができる。
から公知の方法で行うことができ、30〜150℃の温
度条件下で、有機溶媒の存在下または不存在下で行うこ
とができる。この際用いることができる有機溶媒として
は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド類;トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、エマルジョン
製造後の溶媒除去の容易性を考慮すると、アセトン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル等の沸点が100℃未満
の溶媒がより好ましい。また、プレポリマー製造後に、
粘度低下等を目的として、上記の有機溶媒を添加、ある
いは追加しても良い。
は、必要に応じて反応触媒を添加することができ、この
ような触媒としては例えば、オクチル酸スズ、モノブチ
ルスズトリアセテート、モノブチルスズモノオクチレー
ト、モノブチルスズモノアセテート、モノブチルスズマ
レイン酸塩、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズ
ジオクトエート、ジブチルスズジステアレート、ジブチ
ルスズジラウレート、ジブチルスズマレイン酸塩などの
有機スズ化合物;テトライソプロピルチタネート、テト
ラ−n−ブチルチタネートなどの有機チタン化合物;ト
リエチルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ン、トリエチレンジアミンなどの3級アミンなどを挙げ
ることができる。
ては、高分子ポリオール、鎖伸長剤および後述する親水
性基を有する化合物の活性水素を有するアミノ基または
水酸基の合計量に基づいて、活性水素原子を有するアミ
ノ基または水酸基1当量当たりのイソシアネート基当量
の比(R)が、1.05≦R≦3.0の範囲で使用する
のが好ましく、1.1≦R≦2.5の範囲で使用するの
がより好ましい。Rが1.05未満である場合には、後
述するポリビニルアルコール系重合体との反応性が低下
し、耐熱性、耐溶剤性等が十分に改善されず、またプレ
ポリマーの粘度が高いために水中への乳化が困難であ
る。Rが3.0を越える場合には、後述するポリビニル
アルコール系重合体やアミノ基または水酸基を有する低
分子化合物との反応の際にエマルジョンが不安定化して
ゲル化しやすくなる。
系界面活性剤を用いて水中に乳化させる。この際、用い
ることができるノニオン界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロッ
ク共重合体等が挙げられ、この中でもHLB値が6〜2
0のものを用いるのが好ましい。ノニオン界面活性剤の
添加量は、ポリウレタンプレポリマーの重量に対して、
0.1〜15重量%が好ましく、0.3〜12重量%が
より好ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましい。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、ラウリル硫酸
ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベン
ゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエー
テルジスルフォン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシ
ル)スルホコハク酸ナトリウム等のアニオン性界面活性
剤を併用しても良い。
ために、ポリウレタンプレポリマー分子中へ親水性基を
導入してもよい。親水性基の導入は、上記プレポリマー
反応において、親水性基を有する化合物を併用すること
により達成される。親水性基を有する化合物としては、
分子内に水酸基またはアミノ基等の活性水素原子を1個
以上含有し、且つカルボン酸、スルホン酸、カルボン
酸、スルホン酸塩等のアニオン性基;ポリオキシエチレ
ン基等のノニオン性基;三級アミノ基、四級アンモニウ
ム塩等のカチオン性基から選ばれる1種以上の親水性基
を有する化合物が挙げられる。例えば、2,2−ジメチ
ロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,
2−ジメチロール吉草酸等のカルボン酸基含有化合物お
よびこれらの誘導体;1,3−フェニレンジアミン−
4,6−ジスルホン酸、2,4−ジアミノトルエン−5
−スルホン酸等のスルホン酸基含有化合物およびこれら
の誘導体;分子量200〜10,000のポリオキシエ
チレングリコールおよびそのモノアルキルエーテル等の
ノニオン性基含有化合物;3−ジメチルアミノプロパノ
ール等の三級アミノ基含有化合物およびこれらの誘導体
等が挙げられる。さらに、上記の親水性基を有する化合
物を共重合して得られるポリエステルポリオールまたは
ポリエステルポリカーボネートポリオールを用いること
もできる。この中でも、2,2−ジメチロールプロピオ
ン酸などのアニオン性基を有する化合物を用いてポリウ
レタンプレポリマーを製造し、プレポリマー反応終了後
にトリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等の塩基性物質を添加してアニオ
ン性基の少なくとも一部を塩に変換したものが好まし
い。
ミキサー、ホモジナイザー等の乳化分散装置を用いて行
われる。この際、ポリウレタンプレポリマーのイソシア
ネート基と水との反応を抑制するため、乳化温度は40
℃以下であることが好ましく、30℃以下であることが
より好ましい。
造は、ポリウレタンプレポリマーの乳化と同時に、また
は乳化後、一級または二級アミノ基を有するポリビニル
アルコール系重合体、および分子中に一級アミノ基、二
級アミノ基、一級水酸基または二級水酸基から選ばれる
活性水素原子を有する低分子化合物を添加、反応させて
行う。ポリビニルアルコール系重合体および活性水素原
子含有低分子化合物の添加は、同時に行っても良く、ま
た別途に行っても良い。
二級アミノ基から選ばれる少なくとも一種の基を有する
ポリビニルアルコール系重合体としては、分子内に一級
または二級アミノ基を含有するポリビニルアルコール系
重合体であれば特に制限はない。アミノ基を有するポリ
ビニルアルコール系重合体の製造方法としては、例え
ば、 (1)一級アミノ基または二級アミノ基を有するエチレ
ン性不飽和単量体、または加水分解等により一級アミノ
基または二級アミノ基を生成しうる官能基を有するエチ
レン性不飽和単量体と、酢酸ビニルとを共重合させた
後、ケン化する方法; (2)アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有
する単量体と酢酸ビニルとを共重合させて得られたポリ
マーの側鎖のエポキシ基に、アミノ基を有するメルカプ
タンを酢酸ナトリウム等を触媒として付加反応させた
後、ケン化する方法; (3)ポリビニルアルコールの水酸基と反応しうる官能
基を分子内に有し、且つ一級あるいは二級アミノ基を有
する化合物をポリビニルアルコール系重合体に反応させ
る方法; (4)メルカプト基を有するポリビニルアルコール系重
合体の存在下で、一級アミノ基または二級アミノ基を有
するエチレン性不飽和単量体を重合させる方法; 等が挙げられる。
に一級あるいは二級アミノ基以外の官能基を有していて
も本発明の効果を損なわない限り差し支えない。そのよ
うな官能基を与える単量体単位としては、エチレン、イ
ソブチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フマル酸、(無
水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸スル
ホプロピル、メタクリル酸スルホプロピル、およびそれ
らのアルカリ塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、
トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロ
ピル)−アンモニウムクロリド、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩
化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等が挙
げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン
酸等のチオール化合物存在下で、酢酸ビニル等のビニル
エステル系単量体を重合することによって得られる末端
に官能基を有するポリマーでも良い。
いは二級アミノ基の含有量は、特に制限はなく、重合度
等により好適な範囲が変化するが、一般に、前記アミノ
基由来の窒素原子の含有量が、該ポリビニルアルコール
系重合体の全重量に対して、0.05〜5重量%である
のが好ましく、0.1〜3重量%であるのがより好まし
い。アミノ基由来の窒素原子の含有量が0.05重量%
よりも少ない場合には、ポリウレタンプレポリマーとの
反応性が低下し、耐熱性、耐溶剤性等が十分に改善され
ない。また、アミノ基由来の窒素原子の含有量が5重量
%を越える場合には、ポリウレタンプレポリマーとの反
応の際にエマルジョンが不安定化し、系がゲル化しやす
くなる。
は、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより
好ましく、70モル%以上がさらに好ましい。ケン化度
が50モル%未満の場合には、ポリウレタン系エマルジ
ョンの貯蔵安定性、機械的安定性、得られるポリウレタ
ン組成物の耐熱性および耐溶剤性等が不十分である。ま
た、ポリビニルアルコール系重合体の分子量は、ジメチ
ルスルホキシド中の極限粘度測定(JIS)から算出し
た粘度平均分子量が、2,000〜200,000であ
るのが好ましく、4,000〜100,000であるの
がより好ましい。分子量が2,000未満の場合には、
得られるポリウレタン組成物の耐熱性、耐溶剤性等が不
十分であり、分子量が200,000を越える場合に
は、ポリウレタンプレポリマーとの反応の際にエマルジ
ョンが不安定化し、系がゲル化しやすくなり、またポリ
ウレタン系エマルジョンの繊維質基材等への浸透性が劣
る。
は、ポリウレタンプレポリマー100重量部に対し、
0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部で
ある。添加量が0.2重量部未満の場合には、得られる
ポリウレタン組成物の耐熱性、耐溶剤性等が不十分であ
り、添加量が20重量部を越える場合には、ポリウレタ
ンプレポリマーとの反応の際にエマルジョンが不安定化
し、系がゲル化しやすくなる。また、ポリビニルアルコ
ール系重合体の添加は、通常水溶液にして行うが、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン等のアミド類等の有機溶媒やこれらと水
の混合溶媒に溶解させて添加しても良い。
分子化合物としては、イソシアネート基と反応し得る活
性水素原子を分子中に有する分子量300以下の低分子
化合物を用いるのが好ましい。例えば、ジエチレントリ
アミン等のトリアミン類;ヒドラジン、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホ
ロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレ
ンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ア
ジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなど
のジアミン類;エチルアミン、プロピルアミン、ブチル
アミン、モルホリン等のモノアミン類;アミノエチルア
ルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアル
コール類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコー
ルなどのジオール類などが挙げられ、これらのうち1種
または2種以上を用いることができる。
しては、低分子化合物中の活性水素原子を有するアミノ
基または水酸基の量が、ポリウレタンプレポリマーのイ
ソシアネート基1当量あたり、0.70〜1.20当量
であるのが好ましく、0.75〜1.15当量であるの
がより好ましく、0.80〜1.10当量であるのがよ
り好ましい。この量が、0.70当量未満または1.2
0当量を越える場合には、ポリウレタン組成物の重合度
が十分に上がらず、耐熱性や耐溶剤性が不十分となる。
体のケン化度が85モル%を越える場合には、ポリウレ
タン系エマルジョンに感熱ゲル化性を付与するために、
電解質を添加することが必須である。この際用いること
ができる電解質としては、例えば、塩化カルシウム、塩
化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化ナトリウム、硫酸カル
シウム、硫酸ナトリウム、硝酸カルシウム等が挙げら
れ、これらの中でも塩化カルシウム、硫酸ナトリウムが
好ましい。電解質の添加量は、ポリウレタン系エマルジ
ョンの全重量に対して、10%以下であるのが好まし
く、7%以下であるのがより好ましい。添加量が10%
を越える場合には、エマルジョンが不安定になり、室温
でゲル化しやすくなる。下限値については0.01%以
上が好ましく、さらに0.05%以上が最適である。ポ
リビニルアルコール系重合体としてケン化度が85モル
%以下のものを用いる場合には、ポリビニルアルコール
系重合体自身が感熱ゲル化性を持つために電解質を添加
する必要はないが、感熱ゲル化温度を鋭敏にするために
電解質を添加することは何ら差し支えない。
通常、固形分濃度が約20〜65重量%に調整される
が、これに限定されるものではない。また、プレポリマ
ー製造において有機溶媒を用いた場合には、必要に応じ
て、感熱ゲル化温度以下で蒸留分離あるいはストリッピ
ングをすることにより、有機溶媒を除去することができ
る。ポリビニルアルコール系重合体のケン化度が85モ
ル%を越える場合には、電解質の添加の前に有機溶媒を
除去し、その後電解質を添加する方法が、製造の容易性
や安定性の面から有利である。
必要があれば、従来公知の各種エマルジョンを本発明の
効果を損なわない範囲で添加して用いることができる。
添加することができるエマルジョンとしては、例えば、
ポリ酢酸ビニルエマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体エマルジョン、(メタ)アクリル酸エステル
(共)重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重
合体エマルジョン、エポキシエマルジョン等が挙げられ
る。
ンは、必要に応じて、その感熱ゲル化性、乾燥性、セッ
ト性、粘度、造膜性等を調整するために、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重
合体等のノニオン系界面活性剤;N−メチルピロリド
ン、トルエン、パークレン、ジクロロベンゼン、トリク
ロロベンゼン等の各種有機溶剤;でんぷん、変性でんぷ
ん、酸化でんぷん、アルギン酸ナトリウム、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロース、無水マレイン酸/イソブチレン共重合
体、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無水マレイン
酸/メチルビニルエーテル共重合体等の水溶性高分子;
尿素/ホルマリン樹脂、尿素/メラミン/ホルマリン樹
脂、フェノール/ホルマリン樹脂等の熱硬化性樹脂;ク
レー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、木粉等の充
填剤;小麦粉等の増量剤;ホウ酸、硫酸アルミニウム等
の反応促進剤;酸化チタン等の顔料;酸化防止剤;紫外
線吸収剤;消泡剤;レベリング剤;凍結防止剤;防腐
剤;防錆剤等の各種添加剤を配合することができる。
感熱ゲル化性、貯蔵安定性、機械的安定性に優れてお
り、不織布などの繊維処理加工に用いると、風合いや耐
摩耗性、耐溶剤性、耐久性等に優れた製品を安定に製造
することができ、非常に有用である。
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。なお、実施例および比較例において、
ポリウレタン系エマルジョンの感熱ゲル化温度、貯蔵安
定性、機械的安定性の測定は以下のようにして行った。
なお、部は重量部を、濃度%は重量%をそれぞれ示す。
ジョンを試験管に10g秤取し、80℃の恒温熱水浴中
で撹拌しながら昇温し、エマルジョンが流動性を失いゲ
ル状物となるときのエマルジョンの温度を感熱ゲル化温
度とした。
ンを25℃で放置し、凝析物の生成を観察した。
ョンを不織布に含浸し、マングルで搾って凝析物の生成
を観察した。 判定 : ○ 凝析物なし(安定性良好) △ わずかに凝析物が生成(不織布表面に小さな塊が付着) × 多量に凝析物が生成(不織布表面に小さな塊が多数付着)
略号を下記の表1に示す。
造》 [参考例1]還流冷却管を備えた反応容器に、酢酸ビニ
ルモノマー 405部、アリルグリシジルエーテル 1
1部およびメタノール 30部を秤取し、内部を十分に
窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル 4.5部をメタノール15部に溶解させた開始剤溶
液を添加し、60℃で4時間重合させた後、冷却して重
合を停止させた。このときの固形分濃度は54.8%で
あった。次いで、30℃、減圧下でメタノールを時々添
加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーを除去し、ポリ
酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(固形分濃度4
4.5%)を得た。次に、前記ポリ酢酸ビニル共重合体
のメタノール溶液 100部を、還流冷却管を備えた反
応容器に秤取し、内部を十分に窒素置換した後、2−ア
ミノチオフェノール 8.0部と水酸化ナトリウム
0.03部をメタノール 48部に溶解させた溶液を添
加し、50℃で2時間反応させた。次いで、濃度10%
の水酸化ナトリウムのメタノール溶液 20部を添加
し、40℃で5時間放置することによりケン化反応を行
った。得られた反応物を粉砕し、酢酸 8部を加えて中
和した後、ソックスレー抽出器を用いてメタノールで4
8時間以上洗浄し、続いて60℃で20時間以上乾燥さ
せることにより1級アミノ基含有ポリビニルアルコール
(以下、アミノ基変性PVAと称する)を得た。アミ
ノ基変性PVAのIRおよび1H−NMR測定によ
り、エポキシ基は完全に消失しており、またアミノ基由
来の窒素原子が0.67重量%導入され、ケン化度が9
9.0モル%であることが確認された。アミノ基変性P
VAのジメチルスルホキシド中での極限粘度測定(J
IS)を実施し粘度平均分子量を算出したところ、4
0,000であった。
ルモノマーを 400部、アリルグリシジルエーテルを
19.3部として酢酸ビニル共重合体を得、2−アミ
ノチオフェノールを 20部として反応させること以外
は、参考例1と同様にして1級アミノ基含有ポリビニル
アルコール(以下、アミノ基変性PVAと称する)を
得た。アミノ基変性PVAのIRおよび1H−NMR
測定により、エポキシ基は完全に消失しており、またア
ミノ基由来の窒素原子が1.11重量%導入され、ケン
化度が97.5モル%であることが確認された。アミノ
基変性PVAのジメチルスルホキシド中での極限粘度
測定(JIS)を実施し粘度平均分子量を算出したとこ
ろ、35,000であった。
ルモノマーを 350部、アリルグリシジルエーテルを
24.4部として酢酸ビニル共重合体を得、2−アミ
ノチオフェノールを 28部として反応させ、水酸化ナ
トリウムのメタノール溶液を10部としてケン化反応を
行うこと以外は、参考例1と同様にして1級アミノ基含
有ポリビニルアルコール(以下、アミノ基変性PVA
と称する)を得た。アミノ基変性PVAのIRおよび
1H−NMR測定により、エポキシ基は完全に消失して
おり、またアミノ基由来の窒素原子が1.77重量%導
入され、ケン化度が88.5モル%であることが確認さ
れた。アミノ基変性PVAのジメチルスルホキシド中
での極限粘度測定(JIS)を実施し粘度平均分子量を
算出したところ、15,000であった。
ルモノマーを 400部、アリルグリシジルエーテルを
19.3部として酢酸ビニル共重合体を得、2−アミ
ノチオフェノールを 20部として反応させ、水酸化ナ
トリウムのメタノール溶液を5部としてケン化反応を行
うこと以外は、参考例1と同様にして1級アミノ基含有
ポリビニルアルコール(以下、アミノ基変性PVAと
称する)を得た。アミノ基変性PVAのIRおよび1
H−NMR測定により、エポキシ基は完全に消失してお
り、またアミノ基由来の窒素原子が1.11重量%導入
され、ケン化度が80.0モル%であることが確認され
た。アミノ基変性PVAのジメチルスルホキシド中で
の極限粘度測定(JIS)を実施し粘度平均分子量を算
出したところ、35,000であった。
537.5g、IPDI 111.1g、DMPA
6.71gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で2h
r撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシア
ネート末端のプレポリマーを得た。これにMEK 20
2.9gを加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ
内温度を下げ、TEA 5.06gを加えて10分間撹
拌を行った。次いで、乳化剤としてエマルゲン985
(花王製,ノニオン系界面活性剤)14.5gを蒸留水
420gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加え
ホモミキサーで1分間撹拌して乳化した後、直ちにアミ
ノ基含有PVA 34.0g、DETA7.58gお
よびIPDA 12.52gを蒸留水 652gに溶解
した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌して反応
を行った。その後、MEKをロータリーエバポレーター
により除去した後、塩化カルシウム 13.6gを加え
て固形分重量40wt%のポリウレタン系エマルジョン
(以下、PUエマルジョンと称する)を得た。PUエ
マルジョンの感熱ゲル化温度は49℃であり、貯蔵安
定性および機械的安定性は下記の表2に示すとおりであ
った。
PA3600 540.0g、IPDI 80.0g、
DMPA 6.04gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、9
0℃で2hr撹拌して系中の水酸基を定量的に反応さ
せ、イソシアネート末端のプレポリマーを得た。これに
MEK 191.4gを加えて均一に撹拌した後、40
℃にフラスコ内温度を下げ、TEA 4.55gを加え
て10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤としてエマル
ゲン930(花王製,ノニオン系界面活性剤)19.1
gを蒸留水 397gに溶解した水溶液を前記プレポリ
マーに加えホモミキサーで1分間撹拌して乳化した後、
直ちにアミノ基含有PVA 32.0gを蒸留水 3
73gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで30秒
間撹拌し、次いでDETA 10.78gを蒸留水 2
40gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1分間
撹拌しして反応を行った。その後、MEKをロータリー
エバポレーターにより除去した後、塩化ナトリウム 3
2.1gを加えて固形分重量40wt%のポリウレタン
系エマルジョン(以下、PUエマルジョンと称する)
を得た。PUエマルジョンの感熱ゲル化温度は43℃
であり、貯蔵安定性および機械的安定性は下記の表2に
示すとおりであった。
MG2000 250.0g、PCL2000250.
0g、HMDI 118.1g、DMPA 6.71g
を秤取し、乾燥窒素雰囲気下、80℃で2hr撹拌して
系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端
のプレポリマーを得た。これにMEK 188.7gを
加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下
げ、TEA 5.06gを加えて10分間撹拌を行っ
た。次いで、乳化剤としてエマルゲン985(花王製,
ノニオン系界面活性剤)6.7gおよびエマルゲン93
0(花王製,ノニオン系界面活性剤)6.7gを蒸留水
392gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加え
ホモミキサーで1分間撹拌して乳化した後、直ちにアミ
ノ基含有PVA 48.3g、DETA 6.76g
およびIPDA 5.57gを蒸留水 644gに溶解
した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌して反応
を行った。その後、MEKをロータリーエバポレーター
により除去した後、硫酸ナトリウム 16.2gを加え
て固形分重量40wt%のポリウレタン系エマルジョン
(以下、PUエマルジョンと称する)を得た。PUエ
マルジョンの感熱ゲル化温度は45℃であり、貯蔵安
定性および機械的安定性は下記の表2に示すとおりであ
った。
PA2150 537.5g、TDI 87.1g、D
MPA 6.71gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、70
℃で2hr撹拌して系中の水酸基を定量的に反応させ、
イソシアネート末端のプレポリマーを得た。これにME
K 194.6gを加えて均一に撹拌した後、40℃に
フラスコ内温度を下げ、TEA 5.06gを加えて1
0分間撹拌を行った。次いで、乳化剤としてエマルゲン
930(花王製,ノニオン系界面活性剤)16.5gお
よびアミノ基含有PVA 32.4gを蒸留水 52
0gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミ
キサーで1分間撹拌して乳化した後、直ちに、DETA
7.59gおよびEDA 4.42gを蒸留水 49
4gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹
拌して反応を行った。その後、MEKをロータリーエバ
ポレーターにより除去した後、塩化カリウム 26.0
gを加えて固形分重量40wt%のポリウレタン系エマ
ルジョン(以下、PUエマルジョンと称する)を得
た。PUエマルジョンの感熱ゲル化温度は42℃であ
り、貯蔵安定性および機械的安定性は下記の表2に示す
とおりであった。
含有PVAの代わりにアミノ基含有PVAを用い、
塩化カルシウムを用いないこと以外は、実施例1と同様
にしてポリウレタン系エマルジョン(以下、PUエマル
ジョンと称する)を得た。PUエマルジョンの感熱
ゲル化温度は48℃であり、貯蔵安定性および機械的安
定性は下記の表2に示すとおりであった。
シウムを用いないこと以外は、実施例1と同様にしてポ
リウレタン系エマルジョン(以下、PUエマルジョン
と称する)を得た。PUエマルジョンは感熱ゲル化温
度を示さず、また貯蔵安定性および機械的安定性は下記
の表2に示すとおりであった。
含有PVAを用いないこと以外は、実施例1と同様に
してポリウレタン系エマルジョンを製造しようとしたと
ころ、DETAおよびIPDAの水溶液を添加した際
に、系がゲル化して安定なエマルジョンを製造すること
ができなかった。
含有PVAを用いず、エマルゲン985を38.7g
用いること以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン
系エマルジョン(以下、PUエマルジョンと称する)
を得た。PUエマルジョンの感熱ゲル化温度は48℃
であり、貯蔵安定性および機械的安定性は下記の表2に
示すとおりであった。
含有PVAの代わりに無変性ポリビニルアルコール
(分子量40,000、ケン化度98.8モル%)を用
い、エマルゲン985を38.7g用いること以外は、
実施例1と同様にしてポリウレタン系エマルジョン(以
下、PUエマルジョンと称する)を得た。PUエマル
ジョンの感熱ゲル化温度は50℃であり、また貯蔵安
定性および機械的安定性は下記の表2に示すとおりであ
った。
エマルジョンは、感熱ゲル化性、貯蔵安定性、機械的安
定性に優れており、不織布などの繊維処理加工に用いる
と、風合いや耐摩耗性、耐溶剤性、耐久性等に優れた製
品を安定に製造することができ、非常に有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 分子中にイソシアネート基を有するポリ
ウレタンプレポリマーをノニオン系界面活性剤を用いて
水中に乳化させる際に、あるいは乳化させた後に、
(a)分子中に一級および二級アミノ基から選ばれた少
なくとも一種の基を有するポリビニルアルコール系重合
体、および(b)分子中に一級アミノ基、二級アミノ
基、一級水酸基および二級水酸基から選ばれる少なくと
も一種の基を有する低分子化合物を、同時にまたは別途
に添加し、反応させ、次いで電解質を添加することを特
徴とする感熱ゲル化性ポリウレタン系エマルジョンの製
造方法。 - 【請求項2】 分子中にイソシアネート基を有するポリ
ウレタンプレポリマーをノニオン系界面活性剤を用いて
水中に乳化させる際に、あるいは乳化させた後に、
(a)分子中に一級および二級アミノ基から選ばれる少
なくとも一種の基を有し、且つケン化度が85モル%以
下のポリビニルアルコール系重合体、(b)分子中に一
級アミノ基、二級アミノ基、一級水酸基および二級水酸
基から選ばれる少なくとも一種の基を有する低分子化合
物を、同時にまたは別途に添加し、反応させることを特
徴とする感熱性ポリウレタン系エマルジョンの製造方
法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造方法で得
られた感熱ゲル化性ポリウレタン系エマルジョン。
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WO2002002695A1 (fr) * | 2000-06-30 | 2002-01-10 | Dainippon Ink And Chemicals, Inc. | Composition de resine aqueuse, matiere pour l'enregistrement par jet d'encre et procede d'enregistrement par jet d'encre |
JP2003048940A (ja) * | 2001-06-01 | 2003-02-21 | Achilles Corp | ポリウレタン多孔質体 |
WO2004076517A1 (ja) * | 2003-02-25 | 2004-09-10 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | ポリウレタン樹脂水性分散体およびそれを用いたシート材料 |
WO2012008336A1 (ja) * | 2010-07-12 | 2012-01-19 | 株式会社クラレ | 皮膜形成方法、及び皮膜 |
-
1998
- 1998-10-06 JP JP28399498A patent/JP3961130B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4546001B2 (ja) * | 2001-06-01 | 2010-09-15 | アキレス株式会社 | ポリウレタン多孔質体 |
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