JP2000108509A - ノーカーボン感圧複写紙 - Google Patents

ノーカーボン感圧複写紙

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JP2000108509A
JP2000108509A JP10284677A JP28467798A JP2000108509A JP 2000108509 A JP2000108509 A JP 2000108509A JP 10284677 A JP10284677 A JP 10284677A JP 28467798 A JP28467798 A JP 28467798A JP 2000108509 A JP2000108509 A JP 2000108509A
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aliphatic
microcapsule
solvent
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maleic anhydride
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Nobuhiro Kagota
信博 籠田
Hiromune Wada
浩宗 和田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不快臭が無く、マイクロカプセルの膜緻密性に
優れ、環境面において高い安全性を有するノーカーボン
感圧複写紙を提供する。 【解決手段】発色剤、脂肪族エステル溶剤、脂肪族多価
イソシアネートを含む疎水性液体を、脂肪族ビニル化合
物と無水マレイン酸との共重合体の水溶液中に乳化分散
して界面重合法マイクロカプセルを得る。このマイクロ
カプセルを含む塗工層を支持体表面に設けてノーカーボ
ン感圧複写紙を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性発色剤
と電子受容性顕色剤との発色反応を利用したノーカーボ
ン感圧複写紙に関する。更には、環境面において高い安
全性を有するノーカーボン感圧複写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】ノーカーボン感圧複写紙は、基本的に
は、電子供与性発色剤(以下、発色剤と称す)を高沸点
溶媒に溶解しマイクロカプセルに内包して、これを含有
する塗層を支持体の裏面に塗布した上用紙と、前記発色
剤と反応して発色する電子受容性顕色剤(以下、顕色剤
と称す)を含有する塗層を支持体の表面に塗布した下用
紙とを互いに重ね合わせ、加圧することによりマイクロ
カプセルが破壊し、マイクロカプセルから発色剤が流出
して下用紙に転移し、発色剤と顕色剤との反応により顕
色剤層が着色して加圧印字と同時に複写像が得られるも
のである。
【0003】多数枚の複写を望む場合には、支持体の表
面に前記顕色剤含有層を塗布し、裏面に発色剤内包マイ
クロカプセル含有層を塗布した中用紙を、上用紙と下用
紙の間に必要な枚数だけ挿入して使用される。また、発
色剤内包マイクロカプセル含有層と顕色剤含有層を積層
又は混合層として、支持体の同一表面上に形成した自己
発色型感圧複写紙や、発色剤内包マイクロカプセル、顕
色剤内包マイクロカプセル及びワックスを含む塗層を支
持体の裏面に設けた普通紙転写型感圧複写紙もノーカー
ボン感圧複写紙の一形態として知られている。
【0004】発色剤を内包するマイクロカプセルの製造
方法としては、ゼラチン−アラビヤゴムのポリイオンコ
ンプレックスを利用したコアセルベーション法、分散媒
となる親水性液体と内包すべき疎水性液体の界面におい
て不溶性合成樹脂皮膜を形成する界面重合法、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂
等の初期縮合物を分散媒となる親水性液体側から添加し
た後、樹脂化せしめて不溶性皮膜を形成するin si
tu重合法等が知られているが、原材料が安く安定して
供給される、高濃度マイクロカプセル分散液が得られ
る、マイクロカプセルの連続製造に適している等の理由
で界面重合法によるマイクロカプセルが広く用いられて
いる。
【0005】界面重合法マイクロカプセルの製造方法に
ついては、特開昭56−15836号、特開昭57−1
40638号、特開昭58−3898号、特開昭62−
105686号、特開平4−63128号、特開平4−
290538号、特開平5−57178号等の各公報に
開示されており、多価イソシアネートモノマーあるいは
多価イソシアネートプレポリマーを含む疎水性液体を多
価アミンもしくは多価アルコールなどの多価ヒドロキシ
化合物等の活性水素を有する化合物を含有する親水性液
体中に分散させて両液体の界面でポリウレアあるいはポ
リウレタンの樹脂膜を生成する方法がよく知られてお
り、工業的にも用いられている。
【0006】マイクロカプセルに内包される発色剤とし
ては、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラ
ン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタ
リド系化合物、インドリルアザフタリド系化合物、リュ
ーコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合
物、トリフェニルメタン系化合物、スピロピラン系化合
物等が知られている。
【0007】発色剤を溶解する疎水性溶剤としては、ア
ルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化
パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリールアルカ
ン、フタル酸エステル等が主溶剤として用いられている
が、これらの溶剤は、芳香族系化合物あるいはハロゲン
元素含有化合物であり、不快臭を有するものが多く、ま
た、環境に対し好ましくない化学構造も含まれており、
より安全で環境に適合した化合物を使用することが望ま
れている。
【0008】非芳香族系で、ハロゲン元素を含まない化
合物をマイクロカプセルの溶剤として用いる検討が行わ
れてきたが、発色剤が十分に溶解しない、従来通りの界
面重合法によりマイクロカプセル化を行うと凝集が発生
して不十分なマイクロカプセルしか得られないといった
問題点があった。
【0009】マイクロカプセルを製造する際には、発色
剤を溶解した疎水性液体を乳化剤水溶液中に乳化分散す
ることが必要であり、特開昭56−15836号公報に
は、界面重合法マイクロカプセル化において、乳化剤と
して無水マレイン酸共重合体が適しているとの開示があ
る。しかしながら、疎水性溶剤として芳香族系溶剤を用
いた場合には乳化剤として広範な無水マレイン酸共重合
体が使用可能であるが、疎水性溶剤として脂肪族系溶剤
を用いた場合には、乳化系が安定せずに系全体が凝集し
てマイクロカプセルが得られなかったり、膜緻密性の不
十分なマイクロカプセルしか得られないというのが現状
である。
【0010】以上のような理由から、脂肪族系溶剤を用
いた実用性のあるマイクロカプセルは得られておらず、
現在市販のノーカーボン感圧複写紙では芳香族系の溶剤
を用いたマイクロカプセルが使用されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不快臭が無く、環境に対し適合性のある溶剤を用
い、膜緻密性の優れた界面重合法マイクロカプセルを作
製し、これを用いて発色性能が優れ、環境面において高
い安全性を有するノーカーボン感圧複写紙を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み鋭意研究した結果、以下の特徴を備えたノーカーボン
感圧複写紙用マイクロカプセルを用いることにより、上
記問題点を解決したノーカーボン感圧複写紙を得ること
ができた。
【0013】即ち、電子供与性発色剤、疎水性溶剤及び
多価イソシアネートを含有する疎水性液体を、水溶性高
分子重合体の水溶液中に乳化分散し、疎水性液体の液滴
表面に合成高分子膜を生成して得られるマイクロカプセ
ルを含有する塗工層を支持体上に設けたノーカーボン感
圧複写紙に於いて、疎水性溶剤として脂肪族エステル溶
剤、多価イソシアネートとして脂肪族多価イソシアネー
トを、且つ水溶性高分子重合体として脂肪族ビニル化合
物と無水マレイン酸との共重合体を用いて得られる界面
重合法マイクロカプセルを支持体上の塗工層として設け
ることにより、目的のノーカーボン感圧複写紙を得るこ
とができた。
【0014】また、水溶性高分子化合物としては、イソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体が最も好ましい化合
物であった。
【0015】この界面重合カプセル化に際し、脂肪族エ
ステル溶剤として、中鎖脂肪酸トリグリセリド(以下、
MCTと略す)を用いることにより、脂肪族系の溶剤で
ありながら発色剤の溶解性が良く、良好な発色特性を有
するマイクロカプセルが得られ、これを用いることによ
り良好なノーカーボン感圧複写紙を得ることができた。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のノーカーボン感圧
複写紙について、詳細に説明する。
【0017】本発明において、疎水性液体を水中に乳化
する際の乳化安定剤的役割を果たす水溶性高分子重合体
として脂肪族ビニル化合物と無水マレイン酸との共重合
体が用いられるが、脂肪族ビニル化合物としては、エチ
レン、プロピレン、(イソ)ブチレン、メチルビニルエ
ーテル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸等が挙げら
れ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。最も好ましい水溶性高分子重合体は、イソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体であり、疎水性溶剤
を乳化した際の乳化安定性が優れ、得られるマイクロカ
プセルの膜緻密性は非常に優れている。
【0018】水溶性高分子重合体は、通常、水酸化ナト
リウム水溶液やアンモニア水等を用いて溶解し、乳化剤
水溶液として用いられる。その際のpHは通常1〜7の
酸性領域で調製され、特にpH3〜5の範囲が好まし
い。
【0019】従来の芳香族系の疎水性溶剤を界面重合法
やin situ法でマイクロカプセル化する場合に
は、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ベ
ンジルメタクリレート−無水マレイン酸共重合体、α−
アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、核モノア
ルキル置換スチレン−無水マレイン酸共重体、核ジアル
キル置換スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン
−無水マレイン酸モノアルキルエステル共重合体等の多
種多様な無水マレイン酸系共重合体の水溶液が使用可能
であったが、疎水性溶剤として脂肪族エステル溶剤を用
いる場合においては、これらの化合物を用いると疎水性
溶剤中に加えた多価イソシアネートの異常な反応により
乳化系全体が凝集傾向となり、膜緻密性の良いマイクロ
カプセルを得ることはできなかった。
【0020】本発明において用いられる脂肪族エステル
溶剤としては、低級アルコールと飽和あるいは不飽和の
高級脂肪酸とからなる合成脂肪酸エステル、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の多価アルコールと飽和あるいは不飽和の高級脂肪酸と
からなる合成脂肪酸エステル、大豆油、コーン油、綿実
油、菜種油、オリーブ油、ヤシ油、ひまし油、魚油等の
天然動植物油等を適宜用いることができるが、発色剤の
溶解安定性、常温での流動性等の点で、以下に述べる中
鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)が最も好ましい。
【0021】MCTとは、一般的には、ヤシ油などの天
然油脂を加水分解して得られる高純度の混合脂肪酸とグ
リセリンとのエステル化により得られる液状油である。
MCTは分子内に不飽和結合を含まない液状油であり、
良好な流動性、染料溶解性を有し、不快臭もなく、且
つ、食品、化粧品、医療品等の分野にも用いられる安全
性の高い素材である。特に、25℃における粘度が10
〜40センチポイズの液状で、不飽和結合を含まず、炭
素数が6〜10の脂肪酸とグリセリンとからなる組成の
化合物であることが好ましい。
【0022】一般的な動植物油の組成は長鎖脂肪酸トリ
グリセリドの混合物であり、主要脂肪酸は、パルミチン
酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)等の飽
和脂肪酸やオレイン酸(炭素数18)のような不飽和脂
肪酸である。本発明で最も好ましい化合物として使用さ
れるMCTとしては、炭素数が6〜10の中鎖脂肪酸で
あり、主としてカプリル酸(炭素数8)、カプリン酸
(炭素数10)からなり、これらを単独或いは混合して
なるものである。一部に炭素数4の低級脂肪酸、炭素数
12、14等の脂肪酸からなるトリグリセリドを含むこ
とも可能だが、溶剤の主体は炭素数6〜10の中鎖脂肪
酸からなるトリグリセリドである。これらの単独或いは
混合されたトリグリセリドは、一般の動植物油に比べ、
表面張力や粘度が小さく、また、溶解性、酸化安定性、
浸透性等の優れた特性を有することが、脂肪族化合物で
ありながらノーカーボン感圧複写紙用溶剤として、従来
の芳香族系溶剤に対抗し得る能力を発揮する理由と考え
られる。
【0023】発色剤を溶解するための疎水性溶剤として
は、従来からノーカーボン感圧複写紙用として用いられ
るものを、ノーカーボン感圧複写紙としての特性或いは
環境面での安全性等を損なわない範囲で使用することが
できる。
【0024】本発明で用いられる脂肪族多価イソシアネ
ートとしては、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイ
ソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、
エチリジンジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,
2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジ
イソシアネート等や、エチレンジイソネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート等の三量体構造の化合物を挙げ
ることができる。三量体構造としては、ビューレット型
やイソシアヌレート型が知られている。
【0025】従来、界面重合法マイクロカプセルの製造
に用いられる多価イソシアネートとして芳香族多価イソ
シアネートの使用がよく知られており、代表的化合物と
してトリフェニルジメチレンイソシアネート、テトラフ
ェニルトリメチレンテトライソシアネート、フェニレン
ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソ
シアネート等が挙げられるが、これらを脂肪族系の疎水
性溶剤に溶解することはできず、疎水性溶剤中に分散し
て用いたとしても十分な膜緻密性のマイクロカプセルは
得られなかった。
【0026】ただし、脂肪族多価イソシアネートと共
に、マイクロカプセルの性能を阻害しない程度に芳香族
多価イソシアネートを併用することは可能である。
【0027】本発明の脂肪族多価イソシアネートと反応
して皮膜を形成する活性水素を有する化合物として、多
価アミン類では、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミン、トリエチレンテトラ
ミン、ジエチレントリアミンエポキシ樹脂のアミン付加
物等が挙げられる。
【0028】多価アルコール類としては、エチレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチ
レングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,1,
1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペ
ンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等が挙
げられる。
【0029】本発明で用いられる発色剤としては、従来
のノーカーボン感圧複写紙用として知られている化合物
を用いることができ、代表例としてトリフェニルメタン
フタリド系、フルオラン系、フェノチアジン系、インド
リルフタリド系、インドリルアザフタリド系、リューコ
オーラミン系、スピロピラン系、ローダミンラクタム
系、トリフェニルメタン系等を挙げることができ、青発
色系の発色剤としては、特にインドリルフタリド系、イ
ンドリルアザフタリド系の化合物が溶剤への溶解安定性
という点で好ましい。
【0030】また、黒発色系発色剤としてはフルオラン
系化合物が好ましく、特に、3−ジメチルアミノ−7−
(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリ
ノ)フルオラン等のトリフルオロメチルアニリノ基を有
するフルオラン化合物が溶剤への溶解安定性という点で
好ましい。
【0031】発色剤を溶解した疎水性溶液をマイクロカ
プセル化する場合には、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸
化防止剤等を内相油中に溶解して用いる事も可能であ
り、一般のノーカーボン感圧複写紙に用いられる物質で
あれば特に制限されない。
【0032】発色剤内包マイクロカプセルの大きさ(体
積平均直径)は、1〜20μmの範囲が好ましく、特に
は3〜10μmの範囲が好ましい。発色剤の塗工量とし
ては、選択する発色剤の種類によって多少異なり、特に
限定されるものではないが、発色性能の面から、5〜1
000mg/m2、特に好ましくは20〜 200mg/
2の範囲である。
【0033】マイクロカプセルを含有する塗層の塗布に
は、通常水性系塗液が用いられる。上記方法によって得
られた発色剤内包マイクロカプセル分散液に、必要に応
じてラテックス系のバインダー、水溶性バインダー、カ
プセル保護剤(スチルト)、白色顔料、界面活性剤、消
泡剤、増粘剤、防腐剤、着色剤等、当業界で公知の各種
助剤が添加され調整される。カプセル塗液中のカプセル
含有量は、通常塗液100重量部(固形部)に対して5
〜80重量部の範囲に調整される。
【0034】本発明で用いるラテックス系のバインダー
の具体例としては、スチレン−ブタジエン系共重合体ラ
テックス、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ラ
テックス、酢酸ビニル系、アクリル系ラテックス等や、
それらのアルカリ増粘型ラテックス等が挙げられる。水
溶性バインダーとしては、例えばゼラチン、アルブミ
ン、カゼイン、澱粉、α化澱粉、酸化澱粉、エーテル化
澱粉、エステル化澱粉、アルギン酸ソーダ、アラビヤゴ
ム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、メチルセルロース等の天然或いは合成の高
分子化合物等が用いられる。これらを混合して使用する
事も出来る。通常、これらの使用量はマイクロカプセル
乾燥固形重量100部に対して、5〜100固形重量部
の範囲が好ましい。特に好ましくは、5〜50固形重量
部の範囲である。
【0035】カプセル保護剤(スチルト)としては、小
麦澱粉粒、とうもろこし澱粉粒、えんどう豆澱粉粒、各
種プラスチックピグメント、パルプパウダー等、公知の
ものが好ましく、その大きさ(平均直径)は、1〜10
0μmの範囲が好ましい。特に好ましくは、5〜30μ
mの範囲が好ましい。マイクロカプセル塗液中に白色顔
料を添加する場合には、例えば、炭酸カルシウム、水酸
化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、カオリン、タ
ルク等が使用できる。
【0036】塗工方法としては、通常の塗工機(コータ
ー)を用いて塗布乾燥する。具体的な塗工機としては、
エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコー
ター、バーコーター、ロールコーター、サイズプレスコ
ーター、カーテンコーター等を挙げることができる。
【0037】
【実施例】次に実施例及び比較例によって本発明の特徴
を詳細に示すが、もちろん本発明は実施例のみに限定さ
れる事はなく、従って使用される物質、製造条件等も実
施例中の記載に限定される事はない。実施例及び比較例
中、特に規定した場合を除き乾燥固形重量部で表示す
る。
【0038】実施例1 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>3−(4−ジ
エチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オ
クチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザ
フタリド3部を、カプリル酸、カプリン酸を原料とする
トリグリセリド(パナセート810、日本油脂(株)
製)72部に加熱溶解し、30℃に冷却した後、ヘキサ
メチレンジイソシアネート三量体(スミジュールN−3
200,住友バイエルウレタン(株)製)5部を加え疎
水性発色剤溶液を得た。イソブチレン−無水マレイン酸
共重合体(イソバン18:クラレ(株)製)の5%水溶
液(pH=5)100部に疎水性発色剤溶液を強撹拌下
添加し、コールターカウンターでの50%体積平均直径
が6μmになるまで攪拌を行い乳化液を得た。この乳化
液にジエチレントリアミンの5%水溶液40部を加え
て、80℃で2時間撹拌を行って発色剤内包マイクロカ
プセル液を得た。
【0039】実施例2 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>カプリル酸、
カプリン酸を原料とするトリグリセリドの36部をミリ
スチン酸イソプロピル36部に替える以外は実施例1と
同様にして、発色剤内包マイクロカプセル液を得た。
【0040】実施例3 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>3−(4−ジ
エチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オ
クチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザ
フタリド3部を3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部に、カプリル
酸、カプリン酸を原料とするトリグリセリド72部をひ
まし油72部に替える以外は実施例1と同様にして、発
色剤内包マイクロカプセル液を得た。
【0041】実施例4 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体の5%水溶液100部を、メ
チルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(VEM
A、ダイセル(株)製)の5%水溶液100部に替える
以外は実施例1と同様にして、発色剤内包マイクロカプ
セル液を得た。
【0042】比較例1 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体の5%水溶液100部を、ポ
リビニルアルコール(ゴーセノールT−330、日本合
成化学(株)製)の5%水溶液100部に替える以外は
実施例1と同様にして、発色剤内包マイクロカプセル液
を得ようとしたが、乳化系全体を凝集し、マイクロカプ
セル化はできなかった。
【0043】比較例2 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体の5%水溶液100部を、α
−メチルスチレン−無水マレイン酸共重合体(DS−4
0K、住友化学工業(株)製)の5%水溶液100部に
替える以外は実施例1と同様にして、発色剤内包マイク
ロカプセル液を得ようとしたが、乳化系全体を凝集し、
マイクロカプセル化はできなかった。
【0044】比較例3 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>カプリル酸、
カプリン酸を原料とするトリグリセリド(パナセート8
10、日本油脂(株)製)72部をフェニルキシリルエ
タン(SASN−296、日本石油化学(株)製)72
部に、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体の5%水
溶液100部を、α−メチルスチレン−無水マレイン酸
共重合体(DS−40K、住友化学工業(株)製)の5
%水溶液100部に替える以外は実施例1と同様にし
て、発色剤内包マイクロカプセル液を得た。
【0045】比較例4 <発色剤内包マイクロカプセル液の作製>カプリル酸、
カプリン酸を原料とするトリグリセリド(パナセート8
10、日本油脂(株)製)72部をフェニルキシリルエ
タン(SASN−296、日本石油化学(株)製)72
部に、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体の5%水
溶液100部を、ポリビニルアルコール(ゴーセノール
T−330、日本合成化学(株)製)の5%水溶液10
0部に替える以外は実施例1と同様にして、発色剤内包
マイクロカプセル液を得た。
【0046】<発色剤塗液及び上用紙の作製方法>実施
例1〜4及び比較例3、4で得られた発色剤内包マイク
ロカプセル液100部に小麦澱粉70部、スチレン−ブ
タジエン共重合体ラテックス(日本合成ゴム社製)35
部を添加し、発色剤塗液を作製し、坪量が50g/m2
の上質紙に塗工量が5g/m2となるように塗工して、
実施例1〜4及び比較例3、4のノーカーボン感圧複写
紙上用紙を得た。
【0047】実施例、比較例で得られた上用紙のマイク
ロカプセル塗工面にt−ブチルサリチル酸のメチルエチ
ルケトン1%溶液を滴下し、乾燥後の着色状態を観察し
てマイクロカプセルの膜緻密性を判断した。また、マイ
クロカプセルの作製において、発色剤を疎水性溶剤で加
熱溶解した発色剤溶液のにおい、冷却後の発色剤の溶解
安定性についても観察を行い、それらの結果を表1に示
した。評価は5段階評価で評点が大きい程、優れている
ことを表す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例及び比較例から以下のことが分か
る。すなわち、疎水性溶剤が脂肪族エステル溶剤の場合
に乳化剤として脂肪族ビニル化合物と無水マレイン酸と
の共重合体を用いると良好なマイクロカプセルが得ら
れ、特にイソブチレン−無水マレイン酸共重合体を用い
ることにより膜の緻密なマイクロカプセルが得られる。
一方、ポリビニルアルコールや芳香族ビニル化合物であ
るα−メチルスチレンと無水マレイン酸との共重合体を
乳化剤として用いた時にはマイクロカプセルを得ること
はできなかった。疎水性溶剤が芳香族系溶剤の場合に
は、乳化剤がポリビニルアルコールや芳香族ビニル化合
物であるα−メチルスチレンと無水マレイン酸との共重
合体であっても良好なマイクロカプセルを得ることがで
きた。
【0050】表1の結果からは以下のことが判る。すな
わち、脂肪族エステル溶剤を用いることによりにおいの
発生の少ないマイクロカプセルが得られ、MCTを用い
ることで比較的発色剤の溶解安定性も優れている。
【0051】
【発明の効果】発色剤、疎水性溶剤及び多価イソシアネ
ートを含有する疎水性液体を、水溶性高分子重合体の水
溶液中に乳化分散し、疎水性液体の液滴表面に合成高分
子膜を生成して得られるマイクロカプセルを含有する塗
工層を支持体上に設けたノーカーボン感圧複写紙に於い
て、疎水性溶剤として脂肪族エステル溶剤、多価イソシ
アネートとして脂肪族多価イソシアネート、且つ、水溶
性高分子重合体として脂肪族ビニル化合物と無水マレイ
ン酸の共重合体を用いることにより、不快臭の発生が少
なく、膜緻密性の高いマイクロカプセルが得られ、これ
を用いることにより、環境に対し安全性の高いノーカー
ボン感圧複写紙を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H085 AA16 BB00 CC07 CD07 CD09 DD03 DD36 FE02 HH05 4G005 AA01 AB14 AB27 BA02 BB06 BB12 DB01X DB27X DC32X DC41X DC42X DC42Y DC46Y DD04W DD04Z DD08W DD08Z DD12W DD39Z DD56W DD60W EA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性発色剤、疎水性溶剤及び多価
    イソシアネートを含有する疎水性液体を、水溶性高分子
    重合体の水溶液中に乳化分散し、疎水性液体の液滴表面
    に合成高分子膜を生成して得られるマイクロカプセルを
    含有する塗工層を支持体上に設けたノーカーボン感圧複
    写紙に於いて、疎水性溶剤が脂肪族エステル溶剤で、多
    価イソシアネートが脂肪族多価イソシアネートであり、
    且つ、水溶性高分子重合体が脂肪族ビニル化合物と無水
    マレイン酸の共重合体であることを特徴とするノーカー
    ボン感圧複写紙。
  2. 【請求項2】 脂肪族ビニル化合物がイソブチレンであ
    る請求項1に記載のノーカーボン感圧複写紙。
  3. 【請求項3】 脂肪族エステル溶剤が、中鎖脂肪酸トリ
    グリセリドである請求項1に記載のノーカーボン感圧複
    写紙。
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