JP3638677B2 - 感圧記録シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、感圧記録シートおよびその製造方法に関する。さらには、記録用支持体上に電子供与性発色剤内包マイクロカプセルを塗工してなる記録シートであり、該マイクロカプセルに内包された発色剤を有効に転移させることのできる感圧記録シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感圧記録シートは、一般には支持体に紙を用いたノーカーボン感圧複写紙として知られている。例えば、米国特許2505470号、同2505489号、同2548366号、同2550471号、同2712507号、同2730456号、同2730457号、同3418250号、同3418250号、同3672935号などの各明細書に記載されている。
【0003】
基本的には、ほぼ無色の染料前駆体である電子供与性発色剤(以下、発色剤と称す)と該発色剤と反応して発色する電子受容性顕色剤(以下、顕色剤と称す)との発色反応を利用したものであり、発色剤を高沸点溶媒に溶解して内包したマイクロカプセルの塗工層を支持体の裏面に設けた上用紙(CBとも称する)と、顕色剤を含有する塗工層を支持体の表面に設けた下用紙(CFとも称する)とを互いに重ね合わせ、印字の際の適切な圧力でマイクロカプセルを破壊することによって、上用紙の発色剤内包マイクロカプセルから発色剤が流出して下用紙に転移し、顕色剤層が発色反応によって着色することにより、印字と同時に複写像が得られるというものである。
【0004】
3枚以上の多数枚の複写を望む場合には、支持体の表面に前記顕色剤塗工層を、裏面に発色剤内包マイクロカプセル塗工層を設けた中用紙を、上用紙と下用紙の間に必要な枚数だけ挿入して用いる。
【0005】
また、発色剤内包マイクロカプセル塗工層と顕色剤塗工層を積層または発色剤内包マイクロカプセルと顕色剤とを混合して設けた塗工層として、支持体の同一表面上に形成した自己発色型感圧記録シート(セルフとも称する)、電子供与性発色剤内包マイクロカプセル、電子受容性顕色剤内包マイクロカプセル、並びにワックスを支持体の同一面に塗工層を設け、普通紙と重ね合せて印字することによって普通紙に転写複写像を得るという普通紙転写型感圧記録シート(例えば、特公平3−13994号公報に記載されている)や、支持体の片面に感熱記録層、他面に電子供与性発色剤内包マイクロカプセルを含有する感熱感圧記録シート等が、感圧記録シートの一形態として知られている。
【0006】
発色剤を内包するマイクロカプセルの製造方法としては、多くの製造方法が知られており、代表的な製造方法としては、次に掲げるような各種の製造方法を挙げることができる。
・ゼラチン−アラビヤゴムのポリイオンコンプレックスを利用したコアセルベーション法(例えば、米国特許第2800457号、同2800458号などの各明細書に記載されている)。
・分散媒となる親水性液体と内包すべき疎水性液体との界面において不溶性皮膜を形成する界面重合法(例えば、特公昭42−771号、同55−3156号、同56−47874号、同63−33474号、同63−33475号、特開平2−2057号などの各公報に開示されており、ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア・ウレタン樹脂などの合成樹脂膜によるマイクロカプセル化法が知られている)。
・メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などの初期縮合物を分散媒となる親水性液体側から添加した後、樹脂化せしめてマイクロカプセル化を行うin situ重合法(例えば、特公昭36−9168号、同47−23165号、特開昭48−57892号、同51−9079号、同54−25277号などの各公報に開示されている)。
【0007】
これらの中で、原材料が安く、安定に供給され、高濃度マイクロカプセル分散液が得られ、製造工程が簡単であるなどの理由で、界面重合法、in situ重合法などの合成樹脂マイクロカプセル化法が一般に使用されている。
【0008】
感圧記録シートの用途としては、例えば、一般伝票、配送用伝票、統一伝票、契約書類、コンピューター用紙などの複写を必要とする分野を中心に多岐にわたり使用されている。
【0009】
情報処理産業の発展に伴ってオフィス・オートメーション化が進み、伝票などの処理については、OCR、OMR装置やバーコード読み取り装置の導入によって、機械的に情報の入出力を行い、省力化による合理化を行っている。これに対応して、複写画像がOCR、OMR装置、バーコード読み取り装置などで読み取り可能な光学的読取り用感圧記録シートも開発されている。
【0010】
ところが、従来から使用されている発色剤内包マイクロカプセルを塗工した感圧記録シートや普通紙転写型感圧記録シートについては、高価なマイクロカプセルを多量に塗工しているにもかかわらず、複写の際に下用紙側に転移して発色に寄与する割合は低く、効率の悪いものとなっている。そのために、発色濃度が不足して読みにくいとか、前記のような機械的読み取り装置で用いても入力できない、誤読が多いなどのトラブルの原因となっている。また、感熱感圧記録シートにおいては、破壊されたマイクロカプセルの内相が感熱記録層側に浸透し、汚れの原因となるという不都合もあった。
【0011】
これは、マイクロカプセル含有塗液を塗工した際に、支持体が多孔性であるため、塗液中のマイクロカプセルが支持体内部に入り込み、埋もれた状態となり、加圧印字による複写時に、支持体に使われている繊維がクッション材となって、マイクロカプセルが有効に破壊されなかったり、また、マイクロカプセルが破壊しても支持体の繊維によって下用紙(普通紙転写型感圧記録シートの場合には普通紙)との接触が妨げられるため、下用紙側への転移性が不十分となり、必要な発色濃度が得られないとか、発色させた文字の線が途切れる(以下、文字切れと称す)といった問題点が発生するためと考えられる。
【0012】
従来から、感圧記録シートに於いて、マイクロカプセルに内包される物質(内相と称する)、すなわち、発色剤および高沸点溶媒を有効に転移させる技術について検討されており、例えば、特公平3−202390号、特開平3−236990号などの各公報に、ワックス内包マイクロカプセルあるいは固体蝋内包マイクロカプセルを含有した塗層を下塗り層として支持体に設け、その上に発色剤内包マイクロカプセル塗工層を設ける提案が成されている。この技術は有効であり、発色剤塗工量の削減が可能であったが、ワックスあるいは固体蝋を内包したマイクロカプセル自体が高価であり、また、マイクロカプセル含有塗液を2回塗工する必要があるために製造工程が複雑化するという問題点があった。工業化を行うためには、さらに安価で、容易に製造できる方法を検討する必要があった。
【0013】
また、特公昭47−41365号には、ラテックスを下塗りした上にマイクロカプセル塗工層を設けることが開示されており、転移性は向上するが、原紙表面を被覆するために原紙の透気性が損なわれ、ワインダー、印刷機などでの作業性が悪いとか、ラテックスを塗工した層への筆記性が不十分であるなどの問題点があった。
【0014】
その他、特公昭55−7396号、特開昭54−150210号、同57−43895号などの各公報にも類似の方法が記載されているが、転移性向上の効果、工業的な生産性、あるいは感圧記録シートとして使用する際の作業性などに問題点があって、実用化の段階には至っていない。
【0015】
さらに、特開昭61−206689号公報には、マイクロカプセルを凝集させる下塗り層の上にマイクロカプセルを主体とする塗工層を設けた感圧記録シートについて開示されている。ところが、凝集剤を多量に下塗りしてマイクロカプセルを凝集させるために、マイクロカプセルの粗大化が生じ、確かに発色性は向上するが、摩擦による発色汚れ(摩擦汚れと称する)が著しく、感圧記録シートとしては実用性の乏しいものであった。
【0016】
マイクロカプセル塗工紙に用いられる支持体の撥油効果を高めることにより、内相の転移性を向上させる方法としては、特開昭57−43895号公報のマイクロカプセル塗工層にワックス類を添加する方法、特公平3−175082号公報のマイクロカプセル塗工層にワックス内包マイクロカプセルを添加する方法などが開示されている。しかし、特公平3−202390号公報記載の方法に比べて、撥油層がマイクロカプセル塗工層の下塗り層に形成されないため、必ずしも効果的ではなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従って、安価で、容易に工業化が可能な製造方法により、記録用支持体、該支持体を用いたマイクロカプセル内相を有効に転移させることができる記録シートおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点について、鋭意研究を重ねた結果、本発明の感圧記録シートおよびその製造方法を発明するに至った。
【0019】
すなわち、本発明の感圧記録シートは、支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物が付着してなり、且つ該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量が、0.01〜0.2g/m2である記録用支持体上の該付着面に、電子供与性発色剤内包マイクロカプセルを塗工してなるものである。
【0020】
また、本発明の感圧記録シートの製造方法は、支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物の水性液を、該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量として0.01〜0.2g/m2となるように付着させた後、該付着面上に電子供与性発色剤内包マイクロカプセル分散液を塗工するものである。
【0021】
また、本発明の普通紙転写型感圧記録シートは、支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物が付着してなり、且つ該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量が、0.01〜0.2g/m2である記録用支持体上の該付着面に、電子供与性性発色剤内包マイクロカプセル、電子受容性顕色剤内包マイクロカプセル、並びにワックスを塗工してなるものである。
【0022】
さらに、本発明の光学的読取り用感圧記録シートは、支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物が付着してなり、且つ該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量が、0.01〜0.2g/m2である記録用支持体上の該付着面に、電子受容性顕色剤と反応して600〜1000nmに吸収波長を有する発色画像を生じる電子供与性発色剤内包マイクロカプセルを塗工してなるものである。
【0023】
本発明の感熱感圧記録シートは、支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物が付着してなり、且つ該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量が、0.01〜0.2g/m2である記録用支持体の該付着面に電子供与性発色剤内包マイクロカプセルを含有する感圧記録層、他面に感熱記録層を設けてなるものである。
【0024】
以下、本発明の記録用支持体、記録シートおよびその製造方法について、詳細に説明する。
【0025】
本発明の感圧記録シートに係る記録用支持体は、支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物を付着させたもので、さらに該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の付着量を片面当りの乾燥重量として0.01〜0.2g/m2とすることによって、該記録用支持体表面の撥油的効果を出現させることを見い出し、本発明の記録用支持体を発明するに至ったのである。
【0026】
パルプ繊維などからなる支持体は、通常その表面では、パルプ繊維同士の絡み合いによる微細な谷あるいは山を形成しており、一旦油性液体が接触した場合には、パルプ繊維同士の谷からなる間隙に毛細管現象によって該油性液体が紙層内部へと浸透していく。
【0027】
しかし、本発明に係る記録用支持体は、該支持体表面では、パルプ繊維同士の絡み合いによる微細な谷間が特定のアルミニウム化合物および水溶性高分子化合物によって覆われているために、感圧記録層を支持体表面に留めることができ、かつ油性液体が接触した場合に紙層内部へ油性液体が浸透していくのを防ぐことができる。即ち、該支持体表面における撥油的効果としての機能を出現させることができるのである。さらには、この記録用支持体を用いた場合、該アルミニウム化合物と水溶性高分子化合物との付着面に油性液体が接触したときに紙層内部に浸透して該支持体の非付着面側に到達することを防ぐことができ、これを必要とする用途においては有用なものである。
【0028】
本発明に係る記録用支持体は、上記のとおり該支持体表面の撥油的効果あるいは紙層内部への浸透防止効果を具備するものであることから、本発明者らは、該支持体を用い、これらの効果を十分に発揮させることのできる感圧記録シートへと進展させていった。
【0029】
本発明に係る記録用支持体において、カチオン性化合物としては、一般に無機化合物あるいは有機化合物の両方が知られているが、支持体への付着量が少量でも効果を発揮できるのはカチオン性が大きい化合物であり、また、工業的には安価に入手が可能な化合物であることが必要である。具体的には、カチオン性を有するアルミニウム化合物が適当であり、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸アルミニウムシリケート、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウムなどを好ましい素材として挙げることができる。
【0030】
本発明に係る記録用支持体は、支持体の少なくとも一方の面に対して、カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の付着量が、片面当りの乾燥重量として0.01〜0.2g/m2の範囲である。この範囲よりも少なければ発色剤の転移性向上の効果が得られないし、また、過剰に塗工しても発色性向上の効果は得られるが、極端に摩擦汚れが発生しやすくなるため、感圧記録シートとしては不適当である。さらには、硫酸イオン、塩素イオンなどの支持体への付着量が増すために、支持体が紙の場合には長期保存時の強度が低下するため、感圧記録シートとしては不適当である。
【0031】
本発明で使用される支持体としては、パルプ繊維を主体とする紙、合成紙、不織布などが挙げられる。一般的に用いられている感圧記録シートの支持体は紙であり、酸性紙、中性紙のどちらも使用することができる。
【0032】
酸性紙としては、一般的に、内添填料としてタルク、クレー、カオリンなどが用いられ、内添サイズ剤としては、ロジン、石油樹脂、アクリル樹脂などのエマルジョンタイプまたは水溶液タイプが用いられる。
【0033】
また、中性紙としては、内添填料として軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどが、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、脂肪酸無水物などが用いられる。
【0034】
パルプ繊維を主体とする紙を支持体として用いる場合、カチオン性化合物としての機能が十分に発揮されるためには、酸性紙を用いることが好ましい。カチオン性アルミニウム化合物を含有する水性液を、内添填料が炭酸カルシウムである中性紙に表面処理すると、炭酸カルシウムとの中和によってアルミニウム化合物のカチオン性が弱められるため、酸性紙の場合に比べると転移性向上の効果が減少する傾向にあるが、塩基性を示さないカオリン、タルク、クレーなどを内添填料とする中性紙を支持体とする場合には、十分な効果を得ることができる。
【0035】
支持体にカチオン性アルミニウム化合物などを含有する水性液を表面処理する方法としては、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーターなどの一般的な表面処理方法の中から適宜選択して用いられるが、少量で均一に表面付着させることのできる処理方法が好ましい。カチオン性アルミニウム化合物は、マイクロカプセルを塗工する側の支持体の表面に付着しておればよく、マイクロカプセルを塗工しない支持体の他の面には、カチオン性アルミニウム化合物が表面付着されてもよく、またされていなくてもよい。支持体が紙の場合には、抄紙機で支持体を製造する際に、サイズプレス法により抄紙機上で表面処理されることが、製造の容易性、製造工程の簡略化などの点で好ましい。ゲートロール、サイズプレスなどにより、表裏の付着量を変えたり、表裏で異なった種類の表面処理液を用いることも可能である。
【0036】
カチオン性アルミニウム化合物と共に用いる水溶性高分子化合物としては、各種澱粉あるいはその誘導体、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド系、ポリアミド系などの天然あるいは合成の各種高分子化合物が用いられる。
【0037】
支持体がセルロース繊維を主体とする紙の場合には、紙の表面強度の向上、サイズ性の調整などを目的として、表面サイズ処理を行うことが一般的であり、本発明においても、表面サイズ処理を行う際に、表面サイズ液にカチオン性化合物を添加して表面処理を行うことが可能である。表面サイズ剤としては、前記の水溶性高分子化合物を用いることができる。これらの中で好ましい例としては、澱粉、あるいは酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン澱粉などの変性澱粉(これらを澱粉変性体と総称する)などであり、最も好ましい素材としては酸化澱粉を挙げることができる。表面サイズ剤の付着量は、一般的には、片面当り乾燥固形重量で0.1〜2.0g/m2である。
【0038】
本発明における第1の記録シートとして、感圧記録シートについて以下に説明する。
【0039】
本発明の感圧記録シートは、上記記録用支持体を使用し、該支持体上に電子供与性発色剤内包マイクロカプセルを塗工してなるものであるが、マイクロカプセルに内包する電子供与性発色剤としては、当業界で公知の下記の如き化合物を使用することができる。
(1)トリアリールメタン系化合物として、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタル・バイオレット・ラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル−6−ジメチル−アミノフタリドなど、
【0040】
(2)ジフェニルメタン系化合物として、4,4′−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなど、
【0041】
(3)キサンテン系化合物として、ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−p−ニトロアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−3,4−ジクロルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−フェニチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオランなど、
【0042】
(4)チアジン系化合物として、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなど、
【0043】
(5)スピロ系化合物として、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3′−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなど、
【0044】
加えて、特開昭63−230387号公報および「感圧,感熱記録紙用色素」(色材,61[5]P292−302.1988年)に記載されている発色剤を挙げることができ、これらの発色剤を混合して使用することもできる。使用する発色剤の種類については、用途および希望する特性により決定される。
【0045】
これらの発色剤は、通常疎水性媒体に溶解した状態でマイクロカプセル化されるが、疎水性媒体としては、一般の感圧記録シートに用いられるものであれば特に制限されない。具体的な例を挙げれば、
(a)芳香族炭化水素として、ジアリールエタン、アルキルビフェニル、アルキルターフェニル、アルキルナフタレン、トリアリールメタン、ジフェニルアルカン、ヒドロアントラセン、ヒドロフェナントレン、ジベンジルトルエンなど、
(b)鉱物油として、灯油、パラフィン、ナフテン油、塩素化パラフィンなど、
(c)植物油として、綿実油、コーン油、やし油など、
(d)アルコールとして、オレイルアルコール、トリデシルアルコール、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、グリセリンなど、
(e)有機酸として、オレイン酸など、
(f)エステル化合物として、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート、ジオクチルフタレート、アジピン酸ジエチル、アジピン酸プロピル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジオクチルなど、
(g)有機燐酸化合物として、トリクレジルホスフェート、トリブチルホスファイト、トリブチルホスファイトオキサイドなど、
(h)エーテル化合物として、フェニルセロソルブ、ベンジルカービトール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなど、
(i)アミド化合物として、N,N−ジメチルラウラミド、N,N−ジメチルステアラミド、N,N−ジヘキシルオクチルアミドなど、
(j)ケトン化合物として、ジイソブチルケトン、メチルヘキシルケトンなど、
(k)アルキルカーボネートとして、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。これらは用途および希望する特性により決定される。
【0046】
本発明で用いられるマイクロカプセル化法としては、特に限定されないが、ゼラチン、アラビアゴムなどを用いたコアセルベーション法によるマイクロカプセルは、ラテックス類と混合すると皮膜が破壊されてしまう場合があるため、界面重合法、in situ重合法、微生物マイクロカプセル化法を用いることが望ましい。
【0047】
in situ重合法カプセル化に用いる乳化剤としては、高分子電解物質が好ましい。具体的には、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ベンジルメタクリレート−無水マレイン酸共重合体、α−アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、核モノアルキル置換スチレン−無水マレイン酸共重体、核ジアルキル置換スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸モノアルキルエステル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などの水溶液、あるいはこれらの混合水溶液が用いられる。
【0048】
界面重合カプセル化に用いる乳化剤としては、上記のin situ重合法カプセル化に用いられる乳化剤や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースの水溶液、あるいはこれらの混合水溶液を挙げることができる。
【0049】
本発明に用いる発色剤内包マイクロカプセルの大きさ(平均直径)は、1〜20μmの範囲が好ましく、特には3〜10μmの範囲が好ましい。
【0050】
発色剤の塗工量としては、特に限定されるものではないが、発色性能の面から、5〜1000mg/m2、特に好ましくは20〜200mg/m2の範囲である。
【0051】
マイクロカプセル層の塗工には、通常水性塗液が用いられ、前記方法によって得られた発色剤内包マイクロカプセル分散液に、必要に応じてラテックス系バインダー、水溶性バインダー、カプセル保護剤(スチルト)、白色顔料、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤、着色剤など、当業界で公知の各種助剤が添加され調整される。
【0052】
また、マイクロカプセル層の中にワックス類を添加することによって、より一層の撥油的効果を得ることができる。ワックス類としては、例えば、みつろう、鯨ろう、中国ろう、ラノリン等の動物系ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、ライスワックス等の植物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス、カスターワックス、オパールワックス等の水素化ワックス、低分子量ポリエチレンワックス及びその誘導体、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等の飽和脂肪酸アマイド系ワックス、オレイン酸アマイド、リノール酸アマイド、リシノール酸アマイド、リノレン酸アマイド等の不飽和脂肪酸アマイド系ワックス等を挙げることができる。
【0053】
マイクロカプセル層の中にワックス類を添加する場合の好ましい添加量としては、マイクロカプセル層の固形分重量に対し3〜15重量%配合するのが適当である。
【0054】
マイクロカプセル塗液中のマイクロカプセル含有量は、通常、塗液100重量部(固形部)に対して10〜300重量部の範囲で調整される。
【0055】
本発明で用いられるラテックス系バインダーの具体例としては、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体、酢酸ビニル系、アクリル系などのラテックスが挙げられる。
【0056】
水溶性バインダーとしては、例えばゼラチン、アルブミン、カゼイン、澱粉、α化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、アルギン酸ソーダ、アラビヤゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、メチルセルロースなどの天然あるいは合成あるいは半合成の高分子化合物などが挙げられる。これらを混合して使用することもできる。
【0057】
通常、上記バインダーの使用量は、マイクロカプセル乾燥固形重量100部に対して、5〜100固形重量部の範囲が好ましい。特に好ましくは、5〜50固形重量部の範囲である。
【0058】
本発明で用いられるカプセル保護剤(スチルト)としては、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、えんどう豆澱粉、馬鈴薯澱粉などの粒子、各種プラスチックピグメント、パルプパウダーなどを挙げることができる。その大きさ(平均直径)は、10〜100μmの範囲が好ましい。特に好ましくは、15〜30μmの範囲である。
【0059】
マイクロカプセル塗工層に白色顔料を添加する場合には、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、カオリン、タルクなどが使用できる。
【0060】
マイクロカプセル含有塗液の塗工方法としては、通常の塗工機(コーター)で塗工乾燥される。具体的な塗工機としては、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、ロールコーター、サイズプレスコーター、カーテンコーターなどが用いられる。
【0061】
本発明の感圧記録シートと重ね合せて用いられる下用紙としては、顕色剤を含む水性塗液を支持体に塗工して得られ、その塗工液は、顕色剤の他に、バインダー、顔料、必要に応じて分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、増粘剤、消泡剤など公知の各種助剤が添加されて調製され、前記の如き塗工機を用いて支持体に塗工される。
【0062】
顕色剤の例としては、特に限定されないが、フェノール性水酸基を有する化合物、無機固体酸系化合物、有機固体酸系化合物など、感圧複写シートおよび感熱シートの分野で使用されるものが挙げられる。例えば、ノボラック型フェノール樹脂およびその多価金属塩、サリチル酸誘導体およびその多価金属塩、サリチル酸樹脂およびその多価金属塩などが挙げられる。
【0063】
サリチル酸誘導体としては、芳香族置換基を少なくとも1個有する化合物で、具体的には3−フェニルサリチル酸、5−フェニルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、5−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジフェニルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジベンジルサリチル酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(4−メチルベンジル)サリチル酸などが挙げられ、その多価金属塩化合物が一般的には使用されている。
【0064】
サリチル酸樹脂およびその多価金属塩としては、前記のサリチル酸誘導体とスチレン、o.m.p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレンなどのスチレン誘導体をモル比1:0.5〜10で強酸触媒下にフリーデルクラフツ反応させて得られるサリチル酸樹脂を多価金属塩化したものを挙げることができる。多価金属の種類としては、Ca、Mg、Al、Zn、Mnなどが挙げられるが、亜鉛塩として用いるのが最も好ましい。これらの顕色剤は2種以上併用して用いても良い。
【0065】
顕色剤塗液の支持体への塗工量および顕色剤の顕色剤塗液への配合比率については、特に限定されるものではないが、通常、発色性能および経済性の面から、塗工量としては2〜15g/m2、より好ましくは、3〜8g/m2であり、配合比率としては、塗液固形重量中の2〜80重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
【0066】
また、顕色剤塗液に用いられる顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、活性白土、微粉珪酸、酸化チタン、珪酸カルシウム、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などの無機系あるいは有機系の白色顔料が挙げられる。これらの顕色剤および顔料は、必要に応じて接着剤と共に支持体の上に塗工される。支持体に顔料、接着剤などよりなる中間塗層を形成して顕色剤層を設けても良い。
【0067】
本発明における第2の記録シートとして、普通紙転写型感圧記録シートについて以下に説明する。
【0068】
普通紙転写型感圧記録シートは、電子供与性発色剤内包マイクロカプセル、電子受容性顕色剤内包マイクロカプセル、並びにワックス、必要によりその他の添加剤を用いて塗工層を形成したものであり、既にこれらの素材については公知である。
【0069】
従来の普通紙転写型感圧記録シートには、感圧記録層にワックス類を多量に使用することにより普通紙への転写性を良くしているが、それのみにては転写性はやや不十分であった。本発明では、カチオン性アルミニウム化合物を付着させた本発明の記録用支持体の上に、普通紙転写型感圧記録層を設けることにより、転写性を十分に向上させることができた。
【0070】
電子供与性発色剤マイクロカプセルについては、前述の素材、方法により得ることができる。電子受容性顕色剤内包マイクロカプセルについては、前述の顕色剤を通常の方法によりマイクロカプセル化して得ることができる。発色性、マイクロカプセル化の容易性の点で、ノボラック型フェノール樹脂、サリチル酸誘導体、サリチル酸樹脂、あるいはこれらの多価金属塩が好ましい。
【0071】
ワックス類としては、前述のものが使用できる。また、ポリビニルエーテル系化合物を必要により添加することができる。添加量は感圧記録層全体に対し、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。これにより、加圧印字後に生じる感圧記録層面の不必要な発色汚れを軽減することが可能である。
【0072】
本発明における第3の記録シートとして、光学的読み取り用感圧記録シートについて以下に説明する。
【0073】
本発明による支持体を用いた光学的読み取り用感圧記録シートは、従来のものと比較し、内相の転移性が向上することにより発色性が良化すること、マイクロカプセル層が支持体の表面に形成されることにより、内相の転移が均一化し文字切れが解消され、OCR文字あるいはバーコード等の読み取り性が格段に向上したものである。
【0074】
光学的読み取り用感圧記録シートに用いられるマイクロカプセルは、前述の発色剤、疎水性媒体を用い、必要により添加剤を加えて通常の方法によりマイクロカプセル化を行うことにより得られる。マイクロカプセル層に用いられるバインダー、スチルト、その他の添加剤については、一般的な感圧記録シートに使用されるものを用いることができる。
【0075】
光学的読み取り用感圧記録シートとしては、マイクロカプセルの内相に使用される電子供与性発色剤が、顕色剤と反応して発色した際に、光学的読み取り装置の光源に対し吸収波長を有することが必要である。光学読み取り装置の光源としては、半導体レーザー、発光ダイオード等が使われており、その波長は600〜1000nmである。
【0076】
光学的読み取り用感圧記録シートに使用される600〜1000nmに吸収波長を有する発色画像を生ずる発色剤としては、例えば、特公昭58−5940号、同58−27825号、同49−17489号、同63−51113号、特公平4−5064号、同4−5065号、同4−5066号、同4−5068号、特開昭51−90608号、同62−243652号、同62−257970号、同62−288078号、同63−102975号、同63−37158号、同63−154389号、同63−185674号、特開平2−188291号、同2−231190号、同4−173288号、同4−212882号、同4−224991号、同4−251785号、同4−272889号、同5−32040号などの各公報に記載の如き下記化合物が挙げられる。
【0077】
3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(2−メトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−5−ピロリジノフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−5−アザフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−5−エトキシフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−5−ピロリジノフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピペリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
【0078】
3,3−ビス〔1,1−ビス(4−モルホリノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(2−メチル−4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(ジュロリジン−5−イル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−〔2−(P−ジメチルアミノフェニル)−2−(P−メトキシフェニル)エテニル〕3−〔2−(P−ピロリジノフェニル)−2−(P−メトキシフェニル)エテニル〕フタリド、3,3−ビス〔2−(P−ジメチルアミノフェニル)−2−(P−メトキシフェニル)エテニル〕フタリド、3,3−ビス〔2−(P−ピロリジノフェニル)−2−(P−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔2−(P−ピロリジノフェニル)−2−(P−メチルフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔2−P−ジメチルアミノフェニル)−2−(P−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔2−(P−ジメチルアミノフェニル)−2−(P−メチルフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
【0079】
3,6,6′−トリスジメチルアミノ−スピロ(フルオレン−9,3′−フタリド)、3,6,6′−トリスジエチルアミノ−スピロ(フルオレン−9,3′−フタリド)、3,6,6′−トリスジ−n−プロピルアミノ−スピロ(フルオレン−9,3′−フタリド)、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−ジメチルアミノ−6′−ジエチルアミノ−スピロ(フルオレン−9,3′−フタリド)、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エチル]4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス[2−2−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル]4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス[2−2−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル]5−ピロリジノフタリド、3,3−ビス[2−2−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル]5−アザフタリド、3,3−ビス[2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−ピロリジノフェニル)エテニル]4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス[2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−ジメチルアミノフェニル)エテニル]4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
【0080】
6′−[{4−(4−アニリノ)アニリノ}アニリノ]−2′−クロル−3′−メチルスピロ[フタリド−3,9−キサンテン]3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチル)フルオラン、6′−{4−(4−アニリノ)アニリノ}−2′−フェニルアミノ−3′−メチルスピロ[フタリド−3,9−キサンテン、6′−ジエチルアミノ−2−{4−(4−アニリノ)アニリノ}−2′−フェニルアミノ−3′−メチルスピロ[フタリド−3,9−キサンテン]、3−3−ビス(4′−ジメチルアミノ−2−メトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−3−ビス(4′−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,6−ジ(N−ジメチルアミノ)−フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ〔a〕(2,2−ジメチル−4−メチル)−ピリジノ−フルオランなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、前記の一般に感圧記録シートに用いられる発色剤と併用してマイクロカプセル化することも可能である。
【0081】
本発明における第4の記録シートとして、感熱感圧記録シートについて以下に説明する。
【0082】
感熱感圧記録シートに用いられる感熱記録層としては、既に公知の感熱記録層に用いられる素材は全て用いることができ、電子供与性発色剤、電子受容性顕色剤、増感剤としての低融点物質、バインダー、顔料等を混合して塗工液を作成し、通常の塗工法により塗工、乾燥して製造することができる。また、一般の感熱紙で行われているように、感熱記録層に下塗り層、上塗り層を必要により設けることができる。
【0083】
電子供与性発色剤、電子受容性顕色剤としては、感圧記録シートに用いられるものを使用することができる。低融点物質としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、みつろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、カスターワックス、オパールワックス等のワックス類、ステアリン酸アマイド、メチロールステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイドなどのアマイド類等が挙げられる。
【0084】
バインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン系ラテックス、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
【0085】
顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化珪素、水酸化アルミニウム、尿素ーホルマリン樹脂などが挙げられる。
【0086】
本発明の感熱感圧記録シートにおいては、顕色剤層を有する下用紙あるいは中用紙と重ね合わせて筆記することにより、内相の転移性が向上し良好な発色像が得られることはもちろんであるが、内相の油性液体が支持体側に浸透するのが防止されるために、従来の感熱感圧記録シートでは発生しがちであった感熱層側の滲み汚れを抑えることができた。
【0087】
【作用】
従来の支持体にマイクロカプセル含有塗液を塗工した場合、塗液中のマイクロカプセルが支持体内部に入り込み、埋もれた状態となり、加圧印字による複写の際に、支持体に使われている繊維がクッション材となって、マイクロカプセルが有効に破壊されなかったり、また、マイクロカプセルが破壊しても支持体の繊維によって下用紙との接触が妨げられるため、下用紙側への転移性が不十分であった。
【0088】
本発明においては、支持体の表面にカチオン性アルミニウム化合物を表面処理することによって、マイクロカプセル含有塗液中のマイクロカプセル、ラテックスなどのマイナス荷電粒子が支持体の表面で電気的に吸引され、支持体の内部に入り込むのを防止することができるため、支持体表面に均一にマイクロカプセル層が形成される。これにより、内相の転移性が向上し、発色濃度が高く、文字切れの少ない複写画像が得られると考えられる。
【0089】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を詳細に説明するが、実施例のみに限定されることはなく、従って、使用される物質、製造条件なども実施例中の記載に限定されることはない。実施例および比較例中、特に規定した場合を除き、乾燥固形重量部で表示する。
【0090】
<発色剤内包マイクロカプセル分散液−1の作製>
電子供与性発色剤として、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(CVL)4部をジアリールエタン系溶媒(ハイゾールSAS N−296:日本石油化学社製)96部に溶解した溶液を用意した。スチレン−無水マレイン酸共重合体5%水溶液100部に、上記疎水性液体100部を強攪拌下で徐々に添加し、コールター・カウンターでの50%体積平均直径が5μmになるまで攪拌を続け乳化液を得た。メラミン6部、37%ホルムアルデヒド水溶液12部、水32部を加熱溶解して得たメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を、乳化液中に添加し、70℃の温度下で2時間攪拌して発色剤内包マイクロカプセル分散液−1を得た。
【0091】
<発色剤内包マイクロカプセル分散液−2の作製>
電子供与性発色剤として、3,3−ビス−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド4部と、3−[1,1−ジ(1−エチル−2−メチルインドール)エチレン]−3−(P−ジエチルアミノフェニル)フタリド4部をジアリールエタン系溶媒(ハイゾールSAS N−296:日本石油化学社製)92部に溶解した溶液を用いる以外は<発色剤内包マイクロカプセル分散液−1の作製>と同様にして、発色剤内包マイクロカプセル分散液−2を得た。
【0092】
<顕色剤内包マイクロカプセル分散液−3の作製>
電子受容性顕色剤として、P−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂60部を用い、ジイソプロピルナフタレン140部に溶解し顕色剤溶液とした。エチレン−無水マレイン酸共重合体の10%水溶液100部、尿素10部、レゾルシン1部および水200部を混合溶液とし、これに上記顕色剤溶液を乳化分散し、油滴が3〜5μmとした後、37%ホルマリン水溶液25部を加え攪拌しながら系の温度を55℃とし、2時間反応させて顕色剤内包マイクロカプセル分散液−3を得た。
【0093】
<マイクロカプセル含有塗工液−1の作製>
前記の発色剤内包マイクロカプセル−1の100部に小麦澱粉50部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本合成ゴム社製)を35部添加し、全体の固形分濃度を20%とし、液pHを6に調整してマイクロカプセル含有塗工液−1を得た。
【0094】
<マイクロカプセル含有塗工液−2の作製>
前記の発色剤内包マイクロカプセル−2の100部に小麦澱粉40部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本合成ゴム社製)を30部添加し、全体の固形分濃度を20%とし、液pHを6に調整してマイクロカプセル含有塗工液−2を得た。
【0095】
<マイクロカプセル含有塗工液−3の作製>
前記の発色剤内包マイクロカプセル−1の100部に小麦澱粉50部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本合成ゴム社製)35部、パラフィンワックスエマルジョン(商品名:モービルサーC、モービル石油製)15部を混合し、全体の固形分濃度を20%とし、液pHを6に調整してマイクロカプセル含有塗工液−3を得た。
【0096】
<マイクロカプセル含有塗工液−4の作製>
前記の発色剤内包マイクロカプセル−1を100部、顕色剤内包マイクロカプセル−3を180部、パラフィンワックスエマルジョン120部、小麦澱粉100部、SBRラテックス80部を混合し、全体の固形分濃度を20%とし、液pHを6に調整して、普通紙転写型感圧記録シート用のマイクロカプセル含有塗工液−4を得た。
【0097】
<感熱記録用塗工液−5の作製>
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部を2%ポリビニルアルコール水溶液30部と共にボールミルで24時間分散した。一方、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン25部を2%ポリビニルアルコール水溶液75部と共にボールミルで24時間分散し、さらに、2,3−ジメトキシナフタレン10部を2%ポリビニルアルコール水溶液30部と共にボールミルで24時間分散した。これら3種の分散液を混合した後、炭酸カルシウムの50%分散液80部を加え、さらにステアリン酸亜鉛の20%分散液25部、10%ポリビニルアルコール水溶液180部、水75部を加えて十分攪拌して、感熱記録用塗工液−5を得た。
【0098】
実施例1
パルプとしてLBKPを100部、タルク6部、ロジン系サイズ剤0.5部、硫酸バンド2部の組成で、坪量が45g/m2の酸性上質紙の抄造を行い、同時に抄紙機上でサイズプレス法による表面サイズ処理を行って、表面サイズ処理酸性紙−1を得た。表面サイズ液は、酸化澱粉(MS−3800、日本食品加工製)と硫酸バンド(浅田化学製)との混合水溶液(5%濃度)であり、表面付着量は、片面当たり酸化澱粉として0.6g/m2、硫酸アルミニウムはAl2O3換算で0.05g/m2であった。
【0099】
実施例2
実施例1において、酸化澱粉と硫酸バンドの比率を代えた混合水溶液(5%濃度)を用いた以外は同様にして、表面付着量が、片面当たり酸化澱粉として0.4g/m2、硫酸アルミニウムがAl2O3換算で0.01g/m2の表面サイズ処理酸性紙−2を作製した。
【0100】
実施例3
表面サイズ剤として、酸化澱粉とポリ硫酸アルミニウムシリケート(エコフロック、日本軽金属製)との混合水溶液(5%濃度)を用いる以外は実施例1と同様にして、片面当たりの表面付着量が、酸化澱粉として0.5g/m2、ポリ硫酸アルミニウムシリケートはAl2O3換算で0.04g/m2の表面処理酸性紙−3を作製した。
【0101】
実施例4
実施例3と同様の方法により、片面当たりの表面付着量が、酸化澱粉として0.5g/m2、ポリ硫酸アルミニウムシリケートがAl2O3換算で0.1g/m2の表面処理酸性紙−4を作製した。
【0102】
実施例5
実施例3と同様の方法により、片面当たりの表面付着量が、酸化澱粉として0.5g/m2、ポリ硫酸アルミニウムシリケートがAl2O3換算で0.2g/m2の表面処理酸性紙−5を作製した。
【0103】
実施例6
表面サイズ剤として、酸化澱粉とポリ水酸化アルミニウム(Paho#2S、浅田化学製)との混合水溶液(5%濃度)を用いる以外は実施例1と同様にして、片面当たりの表面付着量が、酸化澱粉として0.5g/m2、ポリ水酸化アルミニウムがAl2O3換算で0.05g/m2の表面処理酸性紙−6を作製した。
【0104】
実施例7
表面サイズ剤として、酸化澱粉とポリ塩化アルミニウム(多木化学製)との混合水溶液(5%濃度)を用いる以外は実施例1と同様にして、片面当たりの表面付着量が、酸化澱粉として0.6g/m2、ポリ塩化アルミニウムがAl2O3換算で0.03g/m2の表面処理酸性紙−7を作製した。
【0105】
実施例8
表面サイズ剤として、カチオン澱粉(Cato Size 20、王子ナショナル製)とポリ水酸化アルミニウムとの混合水溶液(6%濃度)を用いる以外は実施例1と同様にして、片面当たりの表面付着量が、カチオン澱粉として0.8g/m2、ポリ水酸化アルミニウムがAl2O3換算で0.03g/m2の表面処理酸性紙−8を作製した。
【0106】
実施例9
パルプとしてLBKPを100部、軽質炭酸カルシウム6部、AKDタイプ中性サイズ剤2.5部、カチオン澱粉10部の組成で、坪量が45g/m2の中性上質紙の抄造を行い、同時に抄紙機上でサイズプレス法による表面サイズ処理を行って、表面サイズ処理中性紙−1を得た。表面サイズ液は、酸化澱粉(MS−3800、日本食品加工製)とポリ塩化アルミニウムとの混合水溶液(5%濃度)であり、片面当たりの表面付着量が、酸化澱粉として0.5g/m2、ポリ塩化アルミニウムがAl2O3換算で0.06g/m2であった。
【0107】
比較例1
表面サイズ液を酸化澱粉単独とし、片面当たりの酸化澱粉表面付着量を0.6g/m2とする以外は、実施例1と同様にして、表面サイズ処理酸性紙−9を得た。
【0108】
比較例2
表面サイズ液を酸化澱粉単独とし、片面当たりの酸化澱粉表面付着量を0.6g/m2とする以外は、実施例9と同様にして、表面サイズ処理中性紙−2を得た。
【0109】
比較例3
実施例1と同様の方法により、片面当たりの表面付着量が、酸化澱粉として0.6g/m2、硫酸アルミニウムがAl2O3換算で0.3g/m2の表面サイズ処理酸性紙−10を作製した。
【0110】
比較例4
表面サイズ剤として、カチオン澱粉(Cato Size 20)の混合水溶液(6%濃度)を用いる以外は実施例1と同様にして、片面当たりの表面付着量が、カチオン澱粉として0.6g/m2の表面サイズ処理酸性紙−11を作製した。
【0111】
実施例10
実施例1〜9および比較例1〜4で得られた表面サイズ処理酸性紙および中性紙に、マイクロカプセル含有塗工液−1を、発色剤塗工量として50mg/m2となるように塗工して、酸性紙支持体の感圧記録シート上用紙−1〜11、中性紙支持体の感圧記録シート上用紙−1および2を得た。
【0112】
実施例11
マイクロカプセル含有塗工液−1の液pHを8とする以外は実施例10と同様にして、表面サイズ処理酸性紙−3および表面サイズ処理中性紙−1にマイクロカプセル液の塗工を行い、酸性紙支持体の感圧記録シート上用紙−12、中性紙支持体の感圧記録シート上用紙−3を得た。
【0113】
実施例12
表面サイズ処理酸性紙−3および9、表面サイズ処理中性紙−1および2にマイクロカプセル含有塗工液−2を、発色剤塗工量が120mg/m2となるように塗工して、酸性紙支持体の感圧記録シート上用紙−13および14、中性紙支持体の感圧記録シート上用紙−4および5を得た。
【0114】
実施例13
マイクロカプセル含有塗工液−3を用いる以外は実施例10と同様にして、表面サイズ処理酸性紙−3にマイクロカプセル液の塗工を行い、酸性紙支持体の感圧記録シート上用紙−15を得た。
【0115】
実施例14
マイクロカプセル含有塗工液−4を用いて、表面サイズ処理酸性紙−3にマイクロカプセル含有塗工液の乾燥塗工量が6g/m2となるように塗工を行い、酸性紙支持体の普通紙転写型感圧記録シート−16を得た。
【0116】
比較例5
表面サイズ処理酸性紙−9を用いる以外は実施例14と同様にして、酸性紙支持体の普通紙転写型感圧記録シート−17を得た。
【0117】
実施例15
感熱記録用塗工液−5を用いて、表面サイズ処理酸性紙−3に乾燥塗工量が6g/m2となるように塗工を行い、裏面にマイクロカプセル塗工液−1を発色剤塗工量が50mg/m2となるように塗工を行い、酸性紙支持体の感熱感圧記録シート−18を得た。
【0118】
比較例6
表面サイズ処理酸性紙−9を用いる以外は実施例15と同様にして、酸性紙支持体の感熱感圧記録シート−19を得た。
【0119】
<発色試験による内相の転移性>
実施例10、実施例11および実施例13で得られた酸性紙支持体の感圧記録シート上用紙1〜12、15および中性紙支持体の感圧記録シート上用紙1〜3を、市販の感圧記録シート下用紙(三菱NCR紙スーパー下用紙N40、三菱製紙製)に重ね合わせ、ニップ圧が20kg/cmのロール間を通すことによって発色させ、下用紙側の発色部の発色剤量を測定して、転移性の程度を判断した。評価は5段階で、数値の大きい方が良好であることを示す。試験結果を下記表1に示した。
【0120】
<発色汚れ試験>
実施例10および実施例11で得られた酸性紙支持体の感圧記録シート上用紙1〜12および中性紙支持体の感圧記録シート上用紙1〜3を、市販の感圧記録シート下用紙(三菱NCR紙スーパー下用紙N40、三菱製紙製)に重ね合わせ、ニップ圧が5kg/cmのロール間を通すことによって発色させ、下用紙側の発色汚れを目視により判定した。評価は、○:良好、△:実用上の支障なし、×:使用不可の3段階とした。試験結果を下記表1に示した。
【0121】
<普通紙転写型感圧記録シートの発色試験による転写性>
実施例14および比較例5で得られた酸性紙支持体の普通紙転写型感圧記録シート16および17を、市販の上質紙に重ね合わせ、タイプライターで印字を行い、目視により転写発色文字の濃度を比較した。試験結果を下記表2に示した。
【0122】
<バーコード印字試験>
実施例12で得られた、酸性紙支持体の感圧記録シート上用紙−13、14および中性紙支持体の感圧記録シート上用紙−4、5と市販の感圧記録シート下用紙(三菱NCR紙N−40下、三菱製紙製)を組み合わせ、ドットプリンターYL−5545(サンワテクノス社製)でCODE−39のバーコードを印字した。
【0123】
<複写バーコードの性能試験>
バーコード印字試験で下用紙側に得られた複写バーコードについて、バーコード解析率、PCS濃度をバーコード検証機LASERCHEKII(OLYMPUS−SYMBOL社製)で測定した。データは、バー印字部分の10箇所を測定し平均化した。バーコード解析率は、LASERCHEKIIが独自に検証する値であり、その値が高い程バーコード読み取り性能は良い。尚、読み取り波長は670nmであり、PCS濃度は、PCS濃度=(A−B)/A{A:スペース部分の反射率の最大値(%)、B:バー部分の反射率の最小値(%)}で表される0〜1の値であり、一般的には、PCS値が高い程、画像の識別が鮮明となり、読み取り性能は高くなる。また、目視でバーコードの文字切れ状態を○:良好、△:実用上支障なし、×:使用不可の3段階評価を行った。試験結果を下記表3に示した。
【0124】
<感熱印字及び内相の転移性>
実施例15および比較例6で得られた酸性紙支持体の感熱感圧記録シートの感熱記録層に高速ファクシミリ(松下電送、UF920)を用いて記録を行った後、市販の感圧記録シート下用紙に重ね合わせ、感熱印字を行っていない余白部にタイプライター印字を行い、目視により下用紙の発色濃度を比較により内相の下用紙への転移性を判定した。○:良好、△:実用上支障なし、×:使用不可の3段階評価とした。また、余白部に印字した部分の感熱記録層側から見て、白紙部の滲み汚れの有無を目視により判定した。これらの試験結果を下記表4に示した。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】
【表4】
【0129】
表1から明かなように、カチオン性アルミニウム化合物を表面処理した記録用支持体にマイクロカプセル塗工層を設けた感圧記録シート(上用紙)を作製することによって、上用紙側のマイクロカプセルから下用紙側へ転移する発色剤量が増加することが判る。これによって、上用紙側に使用されたマイクロカプセル量、すなわち発色剤は同等であっても、カチオン性アルミニウム化合物を表面処理しなかったものに比べて、下用紙側の発色濃度が著しく向上することが確認された。また、カチオン性アルミニウム化合物の表面処理量の極端に多い場合には、発色汚れが発生しやすいことが判る。
【0130】
表2から、普通紙転写型感圧記録シートの支持体として、カチオン性アルミニウム化合物を表面処理した記録用支持体を用いると、カチオン性アルミニウム化合物を表面処理しない場合に比べ、明らかに転移性が向上することが分かった。
【0131】
表3から、本発明の光学読み取り用感圧記録シートは、マイクロカプセル内相の転移性が向上することにより、PCS濃度の向上、文字切れの減少の効果が得られ、結果として、バーコードの解析率が向上することが確認された。
【0132】
表4から、感熱感圧記録シートの支持体として、カチオン性アルミニウム化合物を表面処理した記録用支持体を用いると、カチオン性アルミニウム化合物を表面処理しない場合に比べ、明らかに転移性が向上することが分かった。また、感熱記録層側から見た場合に、カチオン性アルミニウム化合物を表面処理しない支持体を用いた感熱感圧記録シートでは滲み汚れが見られ、一方、本発明による表面処理支持体を用いた場合には汚れが見られなかった。これは、本発明による表面処理支持体を用いると、マイクロカプセルの内相油が反対面の感熱記録層側に浸透しにくいことを示している。
【0133】
【発明の効果】
本発明により、感圧記録シート、普通紙転写型感圧記録シートにおいて、マイクロカプセルに内包された発色剤を有効に転移させることができ、発色濃度の向上、文字切れ減少などの効果が得られた。また、光学的読み取り装置での読み取り性が良く、誤読の少ない光学読み取り用感圧記録シートが得られ、感熱記録層側の滲み汚れの少ない感熱感圧記録シートが得られた。
Claims (5)
- 支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物が付着してなり、且つ該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量が、0.01〜0.2g/m2である記録用支持体の該付着面に、電子供与性発色剤内包マイクロカプセルを塗工してなることを特徴とする感圧記録シート。
- 支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物の水性液を、該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量として0.01〜0.2g/m2となるように付着させた後、該付着面上に電子供与性発色剤内包マイクロカプセル分散液を塗工することを特徴とする感圧記録シートの製造方法。
- 支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物が付着してなり、且つ該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量が、0.01〜0.2g/m2である記録用支持体の該付着面上に、電子供与性発色剤内包マイクロカプセル、電子受容性顕色剤内包マイクロカプセル、並びにワックスを塗工してなることを特徴とする普通紙転写型感圧記録シート。
- 支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物が付着してなり、且つ該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量が、0.01〜0.2g/m2である記録用支持体上の該付着面に、電子受容性顕色剤と反応して600〜1000nmに吸収波長を生じる電子供与性発色剤内包マイクロカプセルを塗工してなることを特徴とする光学的読取り用感圧記録シート。
- 支持体の少なくとも一方の面に、水溶性のカチオン性アルミニウム化合物および高分子化合物が付着してなり、且つ該カチオン性アルミニウム化合物(Al2O3に換算して)の片面当りの乾燥重量が、0.01〜0.2g/m2である記録用支持体の該付着面に電子供与性発色剤内包マイクロカプセルを含有する感圧記録層、他面に感熱記録層を設けてなることを特徴とする感熱感圧記録シート。
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