JP2000104484A - 地中掘削機 - Google Patents

地中掘削機

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JP2000104484A
JP2000104484A JP27305198A JP27305198A JP2000104484A JP 2000104484 A JP2000104484 A JP 2000104484A JP 27305198 A JP27305198 A JP 27305198A JP 27305198 A JP27305198 A JP 27305198A JP 2000104484 A JP2000104484 A JP 2000104484A
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excavation
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豊 加島
Norio Kondo
紀夫 近藤
Takaharu Kobayashi
隆治 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大断面トンネルと小断面トンネルとも、鉛直
方向または水平方向に偏心可能で、離隔距離も自由に設
定でき、大断面トンネルと小断面トンネルとも、円形断
面のほかに異形の断面形状のトンネルを掘削でき、掘削
断面に適したカッタトルクで、しかも掘削土質に適する
カッタ回転数で掘削を行うことができ、小断面トンネル
を大断面トンネルに対して、7割以下の掘削断面に自由
に設定可能な地中掘削機を提供すること。 【解決手段】 外側に、環状の偏心多軸または環状の単
軸の第1カッタ43を設置し、この第1カッタ43の内
側に、偏心多軸または単軸の第2カッタ66を設置し、
第1カッタ43にはカッタ駆動装置38を、第2カッタ
66にはカッタ駆動装置63をそれぞれ独立に取り付け
て構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中掘削機に係
り、特に掘進途中から異なる大きさの断面のトンネルを
掘削するための地中掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】掘進途中から異なる大きさの断面のトン
ネルを掘削するために、いわゆる親子シールドが開発さ
れている。
【0003】図11は従来の親子シールドの正面図、図
12は図11の縦断側面図である。
【0004】これら図11,図12に示す従来の親子シ
ールド1は、親シールド外筒2と、親フードプレート3
と、親テールプレート4と、親隔壁5と、親シールド内
筒6と、反力受け7と、後端板9を有する子フードプレ
ート8と、子隔壁10と、後端板12を有する子シール
ド前部11と、子シールド固定部材13と、親シールド
と子シールドとに兼用のカッタ駆動装置14と、同じく
親シールドと子シールドとに兼用のカッタ17と、排土
装置25と、親推進ジャッキ26と、親テールプレート
4に設けられた親テールシール27と、親セグメント2
8と、子シールド鋼殻部材(図示せず)と、子シールド
鋼殻部材の後端部に設けられた子テールシール(図示せ
ず)と、子セグメント(図示せず)等を装備している。
【0005】前記カッタ駆動装置14は、駆動モータ1
5と、これに連結された駆動軸16とを備えている。
【0006】前記カッタ17は、前記駆動軸16の前端
部に設けられたボス18と、これの前部に設けられたセ
ンタカッタ19と、ボス18の周りに所定の間隔をおい
て固定され複数本のカッタスポーク20と、各カッタス
ポーク20にスライド可能に装着されたスライドスポー
ク21と、各スライドスポーク21の前面に植設された
多数のカッタビット22とを有して構成されている。な
お、各スライドスポーク21の後面には攪拌翼23が複
数本ずつ取り付けられている。
【0007】前記親フードプレート3と、親隔壁5と、
子隔壁10と、カッタ17とに囲まれた空間には、親チ
ャンバ24が形成されている。
【0008】なお、この親子シールド1では親シールド
の掘削中心と、子シールドの掘削中心とは同一であり、
図11,図12中にその親子掘削中心を符号29で示
す。
【0009】しかして、親子シールド1全体で掘進する
ときは、図12に示すように、親シールド内筒6と子シ
ールド前部11間に子フードプレート8を格納し、反力
受け7と子シールド前部11間に子シールド固定部材1
3を介装し、この子シールド固定部材13と反力受け7
間に子フードプレート8の後端板9をはさみ込み、子シ
ールド前部11と子シールド固定部材13と反力受け7
とを溶接等により固定し、子フードプレート8と子シー
ルド前部11とが親チャンバ24内に出ないように、親
シールドの鋼殻部材側に固定しておく。
【0010】さらに、カッタ17のカッタスポーク20
に沿ってスライドスポーク21をスライドさせ、各スラ
イドスポーク21を掘削すべき大断面トンネルに合わせ
て調整し、その位置に固定する。
【0011】この状態で、カッタ駆動装置14を駆動さ
せ、カッタ17にカッタトルクを与える。一方、親セグ
メント28に反力を取って親推進ジャッキ26を伸長さ
せ、カッタ17に推力を与える。
【0012】前述のごとく、カッタ17にカッタトルク
と推力とを与えて地山30を掘削する。掘削された土砂
を親チャンバ24に取り込み、掘削土砂に作泥土材を添
加し、攪拌翼23で攪拌し、親チャンバ24の泥土圧を
保ちながら、排土装置25により排出する。
【0013】このようにして、次の親セグメント28を
組み上げ得る程度の距離掘進後、親推進ジャッキ26を
縮小させ、親テールプレート4内で親セグメント28を
組み上げ、この親セグメント28に反力を取って再び親
子シールド1を推進させる。
【0014】以上の動作を繰り返して行い、親子シール
ド1により大断面トンネルを掘進する。
【0015】次に、親子シールド1から子シールドを分
離,発進させるときは、親セグメント28を親シールド
に固定し、親推進ジャッキ26を撤去する。
【0016】また、子シールド固定部材13を撤去し、
子フードプレート8を前方にスライドさせた後、子シー
ルド前部11に溶接等で固定する。次に、子シールド前
部11に子シールド鋼殻部材と子推進ジャッキ(いずれ
も図示せず)とを溶接等で固定する。
【0017】さらに、カッタ17のカッタスポーク20
に沿ってスライドスポーク21を縮め、各スライドスポ
ーク21を掘削すべき小断面のトンネルに合わせて位置
を調整し、その位置に固定する。
【0018】前述のごとく縮小されたカッタ17と、子
フードプレート8と、子隔壁10とに囲まれた空間に子
チャンバ(図示せず)を形成する。
【0019】各部材をこのようにセットした後、カッタ
駆動装置14を駆動させ、反力受け7に反力を取って子
推進ジャッキにより推進させ、子シールドを発進させ
る。
【0020】そして、カッタ17により地山を掘削し、
その掘削土砂を子チャンバに取り込み、前記大断面のト
ンネルの掘削時と同様、掘削土砂に作泥土材を添加し、
攪拌翼23で攪拌し、子チャンバ内の泥土圧を保持しな
がら排土装置25により掘削土砂を排出する。
【0021】このようにして、子セグメント(図示せ
ず)を組み上げ得る程度の距離掘進後、子推進ジャッキ
を縮小させ、子シールド鋼殻部材の子テールプレート内
で子セグメントを組み上げる。ついで、この子セグメン
トに反力を取り、再び子推進ジャッキにより子シールド
を推進させる。
【0022】以上の動作を繰り返して行い、子シールド
により小断面トンネルを掘進する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
親子シールド1では構築するトンネルの掘削断面が掘進
方向に同心状になっている。このため、トンネルの掘削
中心を偏心させることができないという問題がある。
【0024】また、従来技術では掘削断面が円形にしか
できないという問題もある。
【0025】さらに、大断面トンネルを掘削する親子シ
ールド1と、小断面トンネルを掘削する子シールドとに
カッタ駆動装置14を兼用しているため、掘削断面に適
したカッタトルクを与えにくいという問題もある。
【0026】さらには、従来技術では親シールドに必要
とされるトルクを持たせるために構造上、子シールドの
外径は親シールドの外径に対して、約7割〜8割程度に
制約される。
【0027】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、大断面トンネルと小断面
トンネルとも、鉛直方向または水平方向に偏心可能で、
離隔距離も自由に設定でき、大断面トンネルと小断面ト
ンネルとも、円形断面のほかに異形の断面形状のトンネ
ルを掘削でき、掘削断面に適したカッタトルクで、しか
も掘削土質に適するカッタ回転数で掘削を行うことがで
き、小断面トンネルを大断面トンネルに対して、7割以
下の掘削断面に自由に設定可能な地中掘削機を提供する
ことにある。
【0028】また、本発明の他の目的は、一つの大断面
トンネルから複数の小断面トンネルを分岐,掘削し得る
地中掘削機を提供することにある。
【0029】さらに、本発明の他の目的は、掘削断面の
大きさが異なる複数のトンネルを連続的に掘削可能な地
中掘削機を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では外側に、環状の偏心多軸または環状の単
軸の第1カッタを設置し、この第1カッタの内側に、偏
心多軸または単軸の第2カッタを設置し、前記第1カッ
タと第2カッタとに、それぞれ独立のカッタ駆動装置を
取り付けている。
【0031】また、前記目的を達成するため、本発明で
は前記第2カッタを複数台、並列に設置している。
【0032】さらに、前記目的を達成するため、本発明
では外側に、環状の偏心多軸または環状の単軸の第1カ
ッタを設置し、この第1カッタの内側に、環状の偏心多
軸または環状の単軸の第2カッタを設置し、さらに第2
カッタの内側に、偏心多軸または単軸の第3カッタを設
置し、第1カッタと第2カッタと第3カッタとに、それ
ぞれ独立のカッタ駆動装置を取り付けている。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0034】図1〜図3は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は第1,第2シールドである親子シールドに
よるトンネル掘進時の正面図、図2は図1の縦断側面
図、図3は第2シールドである子シールドの発進状態を
示す縦断側面図である。
【0035】これら図1〜図3に示す第1実施例では、
第1シールドである親シールド31と、第2シールドで
ある子シールド56とを具備している。
【0036】前記親シールド31は、親シールド外筒3
2と、親フードプレート33と、親テールプレート34
と、親隔壁35と、親シールド内筒36と、反力受け3
7と、親カッタ駆動装置38と、第1カッタである親カ
ッタ43と、親排土装置取り付け部49と、これに取り
付けられた親排土装置51と、親推進ジャッキ53と、
親テールシール54と、親セグメント55等を備えてい
る。これらの部材のほかには、作泥土材注入装置や、エ
レクタ(いずれも図示せず)等を装備している。
【0037】前記親シールド31の鋼殻部材を構成して
いる親シールド外筒32と、親フードプレート33と、
親テールプレート34や親シールド内筒36は、この実
施例では正面から見て円形に形成されている。
【0038】前記親カッタ駆動装置38は、円周方向に
所定の間隔をおいて配置されかつ親隔壁35に支持され
た複数台の駆動モータ39と、各駆動モータ39に連結
された駆動軸40と、各駆動軸40に連結された回転子
であるクランク41と、各クランク41に設けられた支
持軸42とを有して構成されている。クランク軸である
駆動軸40とクランクピンである支持軸42とは、図2
に示すように、偏心距離e、偏心している。前記各クラ
ンク41には、図2に示すように、親攪拌翼46が設け
られている。
【0039】前記親カッタ43は、図1に示すように、
円形の環状に形成されかつ前記カッタ駆動装置38の複
数本の支持軸42に共通に取り付けられたカッタフレー
ム44と、これの前面に植設された多数のカッタビット
とを有して構成されている。前記カッタフレーム44の
内周47は、後述の子カッタ66と干渉しない大きさに
形成されている。しかして、この親カッタ43は円形で
環状の偏心多軸カッタである。
【0040】前記親フードプレート33と、親隔壁35
と、後述の子隔壁59と、親カッタ43と、後述の子カ
ッタ66とに囲まれた空間には、親チャンバ48が形成
されている。
【0041】前記親排土装置取り付け部49には、土砂
入口側に親ゲート50が設けられている。また、この親
排土装置取り付け部49の土砂出口には、親子シールド
による掘進時には図2に示すように、親排土装置51が
取り付けられ、子シールド56による掘進時には図3に
示すように、蓋体52を取り付け、閉鎖するようになっ
ている。
【0042】他方、子シールド56は、後端板58を有
する子フードプレート57と、子隔壁59と、これと一
体に形成されかつ後端板61を有する子シールド前部6
0と、子シールド固定部材62と、子カッタ駆動装置6
3と、第2カッタである子カッタ66と、子排土装置取
り付け部73と、この子排土装置取り付け部73に取り
付けられる子排土装置75と、前端板78を有する子シ
ールド後筒77と、これに設けられた子テールプレート
79と、子推進ジャッキ80と、子シールド発進反力架
台81と、子テールシール82と、子セグメント83等
を装備している。
【0043】前記子フードプレート57は、親子シール
ドによる掘進時には親シールド内筒36と、子シールド
前部60および子シールド固定部材62ならびに反力受
け37間に格納され、親チャンバ48内に出ないように
固定されている。
【0044】前記子カッタ駆動装置63は、親子シール
ドの中心部に配置されかつ子隔壁59に支持された駆動
モータ64と、これに連結された駆動軸65とを有して
構成されている。
【0045】前記子カッタ66は、前記子カッタ駆動装
置63の駆動軸65に設けられたボス67と、このボス
67の前面に設けられたセンタカッタ68と、前記ボス
67の周りに所定の間隔をおいて取り付けられた複数本
のカッタスポーク69と、各カッタスポーク69の前面
に植設された多数のカッタビット70と、各カッタスポ
ーク69の後面に取り付けられた子攪拌翼71とを有し
て構成されている。前記子カッタ66は、円形で単軸回
転カッタである。
【0046】前記子隔壁59と、子シールド56による
掘進時に突出された子フードプレート57と、子カッタ
66とに囲まれた空間には、図3に示すように、子チャ
ンバ72が形成される。
【0047】前記子排土装置取り付け部73の土砂入口
側には、子ゲート74が設けられており、親子シールド
による掘進時には図2に示すように、土砂出口に蓋体7
6が取り付けられていて、閉鎖されている。
【0048】前記子排土装置75と、子シールド後筒7
7と、子推進ジャッキ80と、子シールド発進反力架台
81と、子セグメント83は、子シールド56の発進時
または掘進時に配備されるものである。
【0049】前記構成にかかる地中掘削機である親子シ
ールドにより、異なる大きさの断面トンネルを掘削する
には、次のようにして行う。
【0050】まず、親子シールドの発進時には図2に示
すように、親子シールド内筒36と子シールド前部60
間に子フードプレート57を格納する。そして、子シー
ルド前部60と反力受け37間に子シールド固定部材6
2を介在させ、この子シールド固定部材62と反力受け
37間に子フードプレート57の後端板58をはさみ込
む。ついで、子シールド前部60と子シールド固定部材
62と、反力受け37の三つの部材を溶接等により固定
し、これらの部材を親シールド31の鋼殻部材に固定
し、親子シールドによる掘進時に子フードプレート57
が親チャンバ48内に出ないように固定しておく。
【0051】また、子排土装置取り付け部73に設けら
れた子ゲート74を閉じ、同じく子排土装置取り付け部
73の土砂出口に蓋体76を取り付け、閉じておく。
【0052】この状態で、親カッタ駆動装置38の複数
台の駆動モータ39を一斉に駆動させ、各駆動軸40、
各クランク41、各支持軸42を介して親カッタ43に
平行リンク運動を与える。また、子カッタ駆動装置63
の駆動モータ64を駆動させ、駆動軸65を介して子カ
ッタ66に単軸回転運動を与える。さらに、親推進ジャ
ッキ53により親セグメント55に反力を取って親子シ
ールドを発進させる。
【0053】前述のごとく、親カッタ43を平行リンク
運動させると、カッタフレーム44に設けられたカッタ
ビット45により、親シールド31の外周部の地山30
を切削する。
【0054】また、子カッタ66を回転させると、セン
タカッタ68と、複数本のカッタスポーク69に設けら
れたカッタビット70とにより、親シールド31の内周
部の地山30を切削する。
【0055】親カッタ43と子カッタ66とにより掘削
した土砂を親チャンバ48に取り込み、この掘削土砂に
作泥土材注入装置(図示せず)により作泥土材を添加
し、親攪拌翼46と子攪拌翼71とにより混練し、掘削
土砂を塑性流動化させ、親チャンバ48内に充満させ
る。そして、親チャンバ48内の泥土圧を保持しつつ、
親排土装置51により掘削土砂を排出する。
【0056】ついで、親推進ジャッキ53を伸長させ、
地山30を親セグメント55を組み上げ得る距離掘進
後、親推進ジャッキ53を縮小させ、親テールプレート
34内で新たに親セグメント55を組み上げる。そし
て、再び親セグメント55に反力を取って親推進ジャッ
キ53により親子シールドを推進させ、親カッタ43と
子カッタ66とを絶えず地山30に押し付けながら掘削
する。
【0057】この実施例では、親カッタ43のカッタフ
レーム44と、子カッタ66のカッタスポーク69とが
干渉しない離隔距離を設けることにより、親カッタ43
と子カッタ66とを回転動作させるための同期装置は不
要である。このため、親シールド31と子シールド56
とで異なる地盤土質を掘削するとき、親カッタ43と子
カッタ66の回転を、それぞれの掘削土質に適した回転
数とすることが可能である。また、親カッタ43と子カ
ッタ66の回転方向も、互いに反対方向に回転させても
よい。
【0058】次に、子シールド56を単体で発進させる
ときは、次のように行う。
【0059】すなわち、子シールド56の発進位置で、
親シールド31と子シールド56の掘進を停止させる。
【0060】ついで、親セグメント55を親シールド3
1に溶接等により固定し、親カッタ駆動装置38の駆動
モータ39等、子シールド56による掘進に不要な部材
を解体撤去する。
【0061】安全のため親ゲート50を閉じ、親排土装
置取り付け部49から親排土装置51を解体撤去し、図
3に示すように、親排土装置取り付け部49の土砂出口
に蓋体52を取り付け、閉鎖する。
【0062】仮設の子シールド固定部材62を撤去し、
その空いたスペースまで子シールド前部60を掘進方向
の後方にスライドさせ、反力受け37に密着させ、子シ
ールド前部60と子フードプレート57を溶接等で固定
する。そして、後方にスライドさせると同時にチャンバ
ー内に作泥土材等を注入し、停止時の泥土圧を保持す
る。これにより、子フードプレート57と、子隔壁59
と、子カッタ66とに囲まれた空間に子チャンバ72を
形成する。
【0063】さらに、子シールド発進反力架台81を仮
設し、反力受け37を一時撤去する。ついで、子シール
ド後胴77のガーダ部、テール部を子シールド前部60
に溶接等により固定し、子シールド56の鋼殻部材を形
成する。
【0064】前記子シールド56には、作泥土材注入装
置(図示せず)を取り付ける。子シールド56の鋼殻部
材には、子推進ジャッキ80を取り付け、さらにはエレ
クタや真円保持装置(いずれも図示せず)も取り付けて
おく。さらに、子シールド後胴77の子テールプレート
79には、あらかじめ子テールシール82を取り付けて
おく。
【0065】そして、子排土装置取り付け部73の土砂
出口を閉鎖していた蓋体76を撤去し、子排土装置75
を取り付け、閉じていた子ゲート74を開放する。
【0066】さらに、一時撤去していた反力受け37を
再度親シールド31に固定する。
【0067】以上のように子シールド56の構成部材を
取り付けた後、子カッタ駆動装置63の駆動モータ64
を駆動させ、駆動軸65を介して子カッタ66に単軸回
転運動を与える。また、反力受け37に反力を取って子
推進ジャッキ80を伸長させ、子シールド56を推進さ
せ、発進させる。
【0068】前述のごとく、子カッタ66を単軸回転さ
せ、子推進ジャッキ80により子シールド56を推進さ
せ、子カッタ66を地山30に押し付けると、子カッタ
66のセンタカッタ68とカッタビット70とにより、
子掘削断面の地山30を切削する。
【0069】子シールド56により掘削した土砂を子チ
ャンバ72に取り込み、その掘削土砂に作泥土材注入装
置により作泥土材を添加し、子攪拌翼71で混練し、塑
性流動化させ、子チャンバ72内に充満させる。つい
で、子チャンバ72内の泥土圧を保持しながら、子排土
装置75により掘削土砂を排出する。
【0070】さらに子推進ジャッキ80を伸長させ、子
セグメント83を組み上げ得る距離掘進した後、子推進
ジャッキ80を縮小させ、子セグメント83を新たに組
み上げ、これに反力を取って子推進ジャッキ80により
子シールド56を再び推進させる。
【0071】以上の動作を繰り返して行い、円形の小断
面トンネルを掘進する。
【0072】なお、この実施例では親シールド31の掘
削中心と子シールド56の掘削中心とは同一であり、親
子シールドの掘削中心を図1に符号84で示す。
【0073】以上説明したように、この第1実施例によ
れば、一台の親子シールドにより異なる大きさの断面ト
ンネルを掘削することができる。
【0074】また、この第1実施例では親カッタ駆動装
置38と子カッタ駆動装置63とをそれぞれ独立に設置
しているので、親シールド31と子シールド56とに断
面形状に適したカッタトルクを与えて掘削することがで
きる。この場合、子シールド56の外径を親シールド3
1の外径に対して、7割以下にすることも可能である。
【0075】さらに、この第1実施例では親カッタ43
のカッタフレーム44と、子カッタ66のカッタスポー
ク69とがそれぞれ干渉しない離隔距離をおくことで、
親カッタ43と子カッタ66を回転動作させるための同
期装置を省略することができる。
【0076】しかも、この第1実施例では親シールド3
1と子シールド56とで異なる地盤土質を掘進すると
き、親カッタ43と子カッタ66の回転を、それぞれ掘
削土質に適した回転数とすることができる。また、回転
方向も親カッタ43と子カッタ66とで反対方向に回転
させて掘進することもできる。
【0077】この第1実施例において、親隔壁35と子
隔壁59とを掘進方向のほぼ同一面に設置しているが、
必ずしも同一面上に設置する必要がない。
【0078】また、この第1実施例において、子カッタ
66のカッタビット70の掘削面を親カッタ43のカッ
タビット45の掘削面に対して、掘進方向に前進させて
取り付けてもよい。このようにすれば、親子シールドに
よるトンネル掘進時に、中央部分を先行して掘削でき、
親カッタ43のカッタビット45の負荷を軽減すること
ができる。なお、この実施例では、小シールドの組立て
に際し、小シールドの前部を後方にスライドさせて、接
合しているが、フード部を前方に押し出した後、小シー
ルドの前部と固定することもできる。
【0079】次に、図4は本発明の第2実施例を示す正
面図、図5は図4の縦断側面図である。
【0080】これら図4および図5に示す第2実施例で
は、第1カッタである環状の親カッタ86の内側に、第
2カッタである子カッタ66が設置されている。
【0081】前記親カッタ86は、正面から見て円形
で、外周87に対して内周88が偏心した形状に形成さ
れている。
【0082】前記親カッタ86は、前記第1実施例と同
様に構成された親カッタ駆動装置38に取り付けられて
いる。したがって、この親カッタ86は環状で偏心多軸
カッタであり、平行リンク運動する。
【0083】前記子カッタ66は、前記第1実施例と同
様に構成されており、また前記第1実施例と同じ子カッ
タ駆動装置63に取り付けられている。したがって、こ
の子カッタ66は単軸回転カッタである。
【0084】そして、前記子カッタ66と親カッタ86
とは掘削面はほぼ同一面に取り付けられているが、子掘
削中心85と親掘削中心89とは鉛直方向に偏心させて
設置されている。
【0085】この第2実施例の親子シールドは、親カッ
タ86が親掘削中心89で、また子カッタ66が子掘削
中心85で地山30を掘削するようになっている外は、
構成および作用とも前記第1実施例と同様である。
【0086】なお、この第2実施例において、子掘削中
心85と親掘削中心89とを鉛直方向に偏心させる場合
に限らず、水平方向に偏心させてもよい。また、偏心距
離も親カッタ86のカッタフレームに子カッタ66のカ
ッタスポーク69が干渉しない範囲で自由に設定するこ
とができる。
【0087】ついで、図6は本発明の第3実施例を示す
正面図である。
【0088】この図6に示す第3実施例では、単軸回転
型の親カッタ駆動装置(図示せず)と、親シールド90
と、偏心多軸型の子カッタ駆動装置95と、子カッタ9
9とを備えている。
【0089】前記親シールド90は、正面から見て八角
形に骨組みされたカッタフレーム91と、これの前面の
要所に植設された多数のカッタビット92と、正面から
見て円形のカッタフレーム支持板93とを有して構成さ
れている。この親シールド90は、単軸回転カッタであ
る。
【0090】前記子カッタ駆動装置95は、円周方向に
所定の間隔をおいて配置されかつ子隔壁59に支持され
た複数台の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モータに
連結された駆動軸96と、各駆動軸96に連結されたク
ランク97と、各クランク97に設けられた支持軸98
とを有して構成されている。
【0091】前記子カッタ99は、正面から見て実質的
に円形に形成されたカッタフレーム100と、このカッ
タフレーム100の前面に設けられた多数のカッタビッ
ト101とを有して構成されている。そして、この子カ
ッタ99は親シールド90の内側94に配置され、前記
偏心多軸型の子カッタ駆動装置95に取り付けられてい
る。したがって、この子カッタ99は偏心多軸カッタで
あり、平行リンク運動する。
【0092】前述のごとく構成された第3実施例では、
トンネルの掘進時、親カッタ駆動装置を駆動すると、親
シールド90に単軸回転運動が与えられ、カッタビット
92により地山を切削する。
【0093】一方、子カッタ駆動装置95の複数台の駆
動モータを一斉に駆動させると、各駆動軸96、各クラ
ンク97および各支持軸98を通じて子カッタ99に平
行リンク運動が与えられ、子カッタ95のカッタビット
101により地山を切削する。
【0094】このときの親シールド90の掘削中心と子
カッタ99の掘削中心とは同じであり、図6に親子掘削
中心を符号102で示す。
【0095】しかして、この第3実施例では親子シール
ドにより掘進することによって、大断面で円形断面のト
ンネルを掘削することができ、子シールドにより掘進す
ることによって、小断面で円形断面のトンネルを掘削す
ることができる。
【0096】なお、この第3実施例の他の構成,作用に
ついては、前記第1実施例と同様であり、親シールドか
ら子シールドを分離,発進させる方法も第1実施例と同
様である。
【0097】続いて、図7および図8は本発明の第4実
施例を示すもので、図7は正面図、図8は図7の縦断側
面図である。
【0098】これら図7および図8に示す第4実施例で
は、親シールド31の鋼殻部材103は鉛直方向に膨ら
みを持ったほぼ矩形に形成され、子シールド56の鋼殻
部材115は矩形に形成されている。
【0099】そして、この実施例では親カッタ駆動装置
104と、第1カッタである親カッタ109と、子カッ
タ駆動装置116と、第2カッタである子カッタ121
とを装備している。
【0100】前記親カッタ駆動装置104は、円周方向
に所定の間隔をおいて配置されかつ親隔壁35に支持さ
れた駆動モータ105と、各駆動モータ105に連結さ
れた駆動軸106と、各駆動軸106に連結されたクラ
ンク107と、各クランク107に設けられた支持軸1
08とを有して構成されている。
【0101】前記親カッタ109は、鉛直方向に台形の
部分を有するほぼ矩形に形成されたカッタフレーム11
0と、これの前面に設けられた多数のカッタビット11
1とを備えて構成されている。そして、この親カッタ1
09は前記親カッタ駆動装置104の複数本の支持軸1
08に共通に取り付けられており、偏心多軸カッタであ
る。
【0102】前記親カッタ駆動装置104の各クランク
107には、親攪拌翼112が設けられている。
【0103】前記子カッタ駆動装置116も、円周方向
に所定の間隔をおいて配置されかつ子隔壁59に支持さ
れた複数台の駆動モータ117と、各駆動モータ117
に連結された駆動軸118と、各駆動軸118に連結さ
れたクランク119と、各クランク119に設けられた
支持軸120とを有して構成されている。
【0104】前記子カッタ121は、矩形に形成された
カッタフレーム122と、これの前面に設けられた多数
のカッタビット123とを有して構成されている。この
子カッタ121は、前記親カッタ109の内側114に
配置されかつ前記子カッタ駆動装置116の複数本の支
持軸120に共通に取り付けられており、偏心多軸カッ
タである。
【0105】前記子カッタ駆動装置116の各クランク
119には、子攪拌翼124が設けられている。
【0106】しかして、この実施例では親カッタ109
における親掘削中心113と、子カッタ121における
子掘削中心125とを水平方向に偏心させて設定されて
いる。
【0107】この第4実施例では、親カッタ駆動装置1
04の複数台の駆動モータ105を一斉に駆動させる
と、各駆動軸106、各クランク107および各支持軸
108を通じて親カッタ109に平行リンク運動を与え
る。これにより、親カッタ109は親シールド31の外
周付近の地山30を掘削する。
【0108】一方、子カッタ駆動装置116の複数台の
駆動モータ117を一斉に駆動させると、この子カッタ
駆動装置116の場合も各駆動軸118、各クランク1
19および各支持軸120を通じて子カッタ121に平
行リンク運動を与える。これにより、子カッタ121は
親子シールドの中央部、つまり子シールド56の外周付
近の地山30を掘削する。
【0109】したがって、この実施例によれば、親子シ
ールドにより掘進することによって、大断面でほぼ矩形
断面のトンネルを掘削することができるし、子シールド
56により掘進することによって、小断面で矩形断面の
トンネルを掘削することができる。
【0110】一般に、カッタ駆動装置に偏心多軸機構を
採用すれば、単軸回転機構を採用した場合に比べてカッ
タトルクを小さくすることができ、カッタビットの摩耗
を小さく抑えることができる。
【0111】そこで、この第4実施例では親カッタ駆動
装置104と子カッタ駆動装置116にそれぞれ偏心多
軸機構を採用しているので、カッタビットの摩耗を小さ
くできるため、親カッタ109および子カッタ121と
も長距離掘削に有利である。
【0112】なお、この実施例において矩形断面以外の
断面形状の掘削にも適用することができる。
【0113】また、親掘削中心113と子掘削中心12
5の偏心方向は水平方向に限らず、鉛直方向であっても
よい。さらには、親掘削中心113と子掘削中心125
の離隔距離も自由に設定することができる。
【0114】この第4実施例の他の構成,作用について
は、前記第1実施例と同様であり、子シールド56の分
離,発進方法についても前記第1実施例と同様である。
【0115】進んで、図9は本発明の第5実施例を示す
正面図である。
【0116】この図9に示す第5実施例では、第1シー
ルドである親シールド31の鋼殻部材126は、鉛直方
向に膨らみを持ったほぼ矩形部分を水平方向に二連に設
けた形状に形成されている。前記親シールド31には、
第2シールドとして第1,第2子シールド138,13
9が並列に設置されている。
【0117】前記親シールド31は、親カッタ駆動装置
127と、第1カッタである親カッタ131と、親排土
装置136,137とを備えている。
【0118】前記親カッタ駆動装置127は、互いに所
定の間隔をおいて配置されかつ親隔壁35に支持された
複数台の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モータに連
結された駆動軸128と、各駆動軸128に連結された
クランク129と、各クランク129に設けられた支持
軸130とを有して構成されている。
【0119】前記親カッタ131は、矩形部分を水平方
向に二連に連結した形状のカッタフレーム132と、こ
のカッタフレーム132に設けられた多数のカッタビッ
ト133とを有して構成されている。また、この親カッ
タ131は前記親カッタ駆動装置127の複数本の支持
軸130に共通に取り付けられており、偏心多軸カッタ
である。さらに、この親カッタ131には二つの内側空
間134,135が設けられている。
【0120】前記排土装置136,137は、水平方向
に互いに所定の間隔をおいて設置されている。
【0121】前記第1,第2子シールド138,139
は、水平方向に互いに所定の間隔をおいて設置され、か
つ親シールド31に分離,発進可能に組み込まれてい
る。これら第1,第2子シールド138,139は、そ
れぞれ鋼殻部材140と、子カッタ駆動装置141と、
第2カッタである子カッタ145と、子排土装置148
とを装備している。
【0122】前記第1,第2子シールド138,139
の鋼殻部材140は、矩形に形成されている。
【0123】前記子カッタ駆動装置141は、それぞれ
円周方向に所定の間隔をおいて配置されかつ子隔壁に支
持された複数台の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モ
ータに連結された駆動軸142と、各駆動軸142に連
結されたクランク143と、各クランク143に設けら
れた支持軸144とを備えて構成されている。
【0124】前記子カッタ145は、それぞれ矩形に形
成されたカッタフレーム146と、これの前面に植設さ
れた多数のカッタビット147とを有して構成されてい
る。そして、これらの子カッタ145は当該親カッタ1
31に形成された当該内側134,135に配置され、
かつ当該子カッタ駆動装置141の複数本の支持軸14
4に共通に取り付けられている。したがって、各子カッ
タ145は偏心多軸カッタである。
【0125】前記子排土装置148は、当該第1,第2
子シールド138,139に1台宛設置されている。
【0126】前記親シールド31の他の構成について
は、前記第1実施例と同様である。また、前記第1,第
2子シールド138,139の他の構成については、前
記第4実施例と同様である。
【0127】そして、この第5実施例では親シールド3
1と第1,第2子シールド138,139とにより掘進
することによって、水平方向に長いほぼ矩形断面で、し
かも大断面のトンネルを掘削することができる。
【0128】また、トンネルの掘進途中で、第1子シー
ルド138と第2子シールド139とを親シールド31
から分離,発進させることによって、小断面で矩形断面
の二つのトンネルを並列に掘削することができる。
【0129】これら第1,第2子シールド138,13
9の分離,発進方法については、前記第1実施例の子シ
ールド56の分離,発進方法と同様である。
【0130】この第5実施例では、子シールドは第1,
第2子シールド138,139に限らず、3台以上であ
ってもよい。
【0131】さらに、親シールドおよび子シールドは矩
形に限らず、他の断面形状でもよい。
【0132】さらには、子シールドは水平方向に並列に
設置する場合に限らず、仕様によっては鉛直方向、また
は水平方向と鉛直方向とに偏心させて設置してもよい。
【0133】ついで、図10は本発明の第6実施例を示
す正面図である。
【0134】この図10に示す第6実施例では、第1シ
ールドである親シールド151と、第2シールドである
子シールド162と、第3シールドである孫シールド1
73とを備えている。
【0135】前記親シールド151は、鋼殻部材152
と、親カッタ駆動装置153と、第1カッタである親カ
ッタ157と、親排土装置161とを装備している。
【0136】前記親シールド151の鋼殻部材152
は、断面円形に形成されている。
【0137】前記親カッタ駆動装置153は、円周方向
に所定の間隔をおいて配置されかつ親隔壁に支持された
複数台の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モータに連
結された駆動軸154と、各駆動軸154に連結された
クランク155と、各クランク155に設けられた支持
軸156とを有して構成されている。
【0138】前記親カッタ157は、円形で環状に形成
されたカッタフレーム158と、これの前面に植設され
た多数のカッタビット159とを有して構成されてい
る。この親カッタ157は、前記親カッタ駆動装置15
3の複数本の支持軸156に取り付けられていて、環状
の偏心多軸カッタである。
【0139】前記親シールド151の他の構成は、前記
第1実施例における親シールド31と同じである。
【0140】前記子シールド162は、鋼殻部材163
と、子カッタ駆動装置164と、第2カッタである子カ
ッタ168と、子排土装置172とを備えている。
【0141】前記子シールド162の鋼殻部材163
も、断面円形に形成されている。
【0142】前記子カッタ駆動装置164も、円周方向
に所定の間隔をおいて配置されかつ子隔壁に支持された
複数台の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モータに連
結された駆動軸165と、各駆動軸165に連結された
クランク166と、各クランク166に設けられた支持
軸167とを有して構成されている。
【0143】前記子カッタ168も、円形で環状に形成
されたカッタフレーム169と、これの前面に植設され
た多数のカッタビット170とを有して構成されてい
る。この子カッタ168は、前記親カッタ157の内側
160に配置され、子カッタ駆動装置164の複数本の
支持軸167に共通に取り付けられている。したがっ
て、この子カッタ168も環状の偏心多軸カッタであ
る。
【0144】前記子シールド162の他の構成は、前記
第1実施例における親シールド31と同様である。
【0145】前記孫シールド173は、鋼殻部材174
と、孫カッタ駆動装置175と、第3カッタである孫カ
ッタ177と、孫排土装置182とを備えている。
【0146】前記孫シールド173の鋼殻部材174
も、断面円形に形成されている。
【0147】前記孫カッタ駆動装置175は、孫シール
ド173のほぼ中央部に配置されかつ孫隔壁に支持され
た駆動モータ176と、これに連結された駆動軸(図示
せず)とを有して構成されている。
【0148】前記孫カッタ177は、前記孫カッタ駆動
装置175の駆動軸の前端部に設けられたボス178
と、このボス178の前面に設けられたセンタカッタ1
79と、前記ボス178の周りに所定の間隔をおいて固
定された複数本のカッタスポーク180と、各カッタス
ポーク180の前面に設けられた多数のカッタビット1
81とを有して構成されている。そして、この孫カッタ
177は前記子カッタ168の内側171に配置されか
つ孫カッタ駆動装置175の単一の駆動軸に取り付けら
れており、単軸回転カッタである。
【0149】前記孫シールド173の他の構成について
は、前記第1実施例における子シールド56と同様であ
る。
【0150】ところで、この第6実施例では親,子,孫
シールド151,162,173を発進させ、地山を掘
進することによって、円形断面で最も大きい断面のトン
ネルを掘削することができる。
【0151】次に、掘進途中で子,孫シールド162,
173を発進させ、地山を掘進することによって、円形
断面で次に大きい断面のトンネルを掘削することができ
る。
【0152】ついで、子シールド162から孫シールド
173を分離,発進させ、地山を掘進することによっ
て、円形断面で最も小さい断面のトンネルを掘削するこ
とができる。
【0153】したがって、この第6実施例によれば、大
きさの異なる三つのトンネルを連続的に掘削することが
できる。
【0154】なお、この第6実施例において、必要に応
じて四つ以上の異なる大きさのトンネルを掘削するよう
に構成することも可能である。
【0155】また、親,子,孫シールド151,16
2,173とも円形断面のトンネルに限らず、異形断面
のトンネルを掘削するように構成してもよく、円形断面
と異形断面のトンネルを組み合わせて掘削するようにし
てもよい。
【0156】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では外側
に、環状の偏心多軸または環状の単軸の第1カッタを設
置し、この第1カッタの内側に、偏心多軸または単軸の
第2カッタを設置し、第1カッタと第2カッタとに、そ
れぞれ独立のカッタ駆動装置を取り付けているので、大
断面トンネルと小断面トンネルとを鉛直方向または水平
方向に偏心させて掘削できる効果があり、第1カッタと
第2カッタとの離隔距離を自由に設定できる効果があ
り、大断面トンネルと小断面トンネルとも円形断面の他
に、異なる断面形状のトンネルを掘削できる効果があ
り、大断面トンネルと小断面トンネルとも適切なカッタ
トルクで、しかも掘削土質に適したカッタ回転数で掘削
できる効果もあり、小断面トンネルを大断面トンネルに
対して、7割以下の大きさに設定し、掘削できる効果を
も有する。
【0157】また、本発明では前記第1カッタの内側
に、第2カッタを複数台、並列に設置しているので、一
つの大断面トンネルから複数の小断面トンネルを分岐さ
せて掘削できる効果がある。
【0158】さらに、本発明では外側に、環状の偏心多
軸または環状の単軸の第1カッタを設置し、その内側
に、環状の偏心多軸または環状の単軸の第2カッタを設
置し、さらにその内側に、偏心多軸または単軸の第3カ
ッタを設置し、これら第1,第2,第3カッタに、それ
ぞれ独立のカッタ駆動装置を取り付けているので、大き
さの異なる三つのトンネルを連続的に掘削できる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す正面図である。
【図2】図1の縦断側面図である。
【図3】第1実施例において、大断面トンネルの掘削
後、小断面シールドを発進させる状態を示す縦断側面図
である。
【図4】本発明の第2実施例を示す正面図である。
【図5】図4の縦断側面図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す正面図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す正面図である。
【図8】図7の縦断側面図である。
【図9】本発明の第5実施例を示す正面図である。
【図10】本発明の第6実施例を示す正面図である。
【図11】従来の親子シールドを示す正面図である。
【図12】図11の縦断側面図である。
【符号の説明】
31 第1シールドである親シールド 38 親カッタ駆動装置 43 第1カッタである親カッタ 47 親カッタの内側 56 第2シールドである子シールド 63 子カッタ駆動装置 66 第2カッタである子カッタ 86 第1カッタである親カッタ 90 親シールド 94 親カッタの内側 95 子カッタ駆動装置 99 第2カッタである子カッタ 104 親カッタ駆動装置 109 第1カッタである親カッタ 114 親カッタの内側 116 子カッタ駆動装置 121 第2カッタである子カッタ 127 親カッタ駆動装置 131 第1カッタである親カッタ 134 親カッタの内側 138,139 第1,第2子シールド 141 子カッタ駆動装置 145 第2カッタである子カッタ 151 第1シールドである親シールド 153 親カッタ駆動装置 157 第1カッタである親カッタ 160 親カッタの内側 162 第2シールドである子シールド 164 子カッタ駆動装置 168 第2カッタである子カッタ 171 子カッタの内側 173 第3シールドである孫シールド 175 孫カッタ駆動装置 177 第3カッタである孫カッタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月27日(1999.9.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 地中掘削機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中掘削機に係
り、特に掘進途中から異なる大きさの断面のトンネルを
掘削するための地中掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】掘進途中から異なる大きさの断面のトン
ネルを掘削するために、いわゆる親子シールドが開発さ
れている。
【0003】図10は従来の親子シールドの正面図、図
11は図10の縦断側面図である。
【0004】これら図10,図11に示す従来の親子シ
ールド1は、親シールド外筒2と、親フードプレート3
と、親テールプレート4と、親隔壁5と、親シールド内
筒6と、反力受け7と、後端板9を有する子フードプレ
ート8と、子隔壁10と、後端板12を有する子シール
ド前部11と、子シールド固定部材13と、親シールド
と子シールドとに兼用のカッタ駆動装置14と、同じく
親シールドと子シールドとに兼用のカッタ17と、排土
装置25と、親推進ジャッキ26と、親テールプレート
4に設けられた親テールシール27と、親セグメント2
8と、子シールド鋼殻部材(図示せず)と、子シールド
鋼殻部材の後端部に設けられた子テールシール(図示せ
ず)と、子セグメント(図示せず)等を装備している。
【0005】前記カッタ駆動装置14は、駆動モータ1
5と、これに連結された駆動軸16とを備えている。
【0006】前記カッタ17は、前記駆動軸16の前端
部に設けられたボス18と、これの前部に設けられたセ
ンタカッタ19と、ボス18の周りに所定の間隔をおい
て固定され複数本のカッタスポーク20と、各カッタス
ポーク20にスライド可能に装着されたスライドスポー
ク21と、各スライドスポーク21の前面に植設された
多数のカッタビット22とを有して構成されている。な
お、各スライドスポーク21の後面には攪拌翼23が複
数本ずつ取り付けられている。
【0007】前記親フードプレート3と、親隔壁5と、
子隔壁10と、カッタ17とに囲まれた空間には、親チ
ャンバ24が形成されている。
【0008】なお、この親子シールド1では親シールド
の掘削中心と、子シールドの掘削中心とは同一であり、
図10,図11中にその親子掘削中心を符号29で示
す。
【0009】しかして、親子シールド1全体で掘進する
ときは、図11に示すように、親シールド内筒6と子シ
ールド前部11間に子フードプレート8を格納し、反力
受け7と子シールド前部11間に子シールド固定部材1
3を介装し、この子シールド固定部材13と反力受け7
間に子フードプレート8の後端板9をはさみ込み、子シ
ールド前部11と子シールド固定部材13と反力受け7
とを溶接等により固定し、子フードプレート8と子シー
ルド前部11とが親チャンバ24内に出ないように、親
シールドの鋼殻部材側に固定しておく。
【0010】さらに、カッタ17のカッタスポーク20
に沿ってスライドスポーク21をスライドさせ、各スラ
イドスポーク21を掘削すべき大断面トンネルに合わせ
て調整し、その位置に固定する。
【0011】この状態で、カッタ駆動装置14を駆動さ
せ、カッタ17にカッタトルクを与える。一方、親セグ
メント28に反力を取って親推進ジャッキ26を伸長さ
せ、カッタ17に推力を与える。
【0012】前述のごとく、カッタ17にカッタトルク
と推力とを与えて地山30を掘削する。掘削された土砂
を親チャンバ24に取り込み、掘削土砂に作泥土材を添
加し、攪拌翼23で攪拌し、親チャンバ24の泥土圧を
保ちながら、排土装置25により排出する。
【0013】このようにして、次の親セグメント28を
組み上げ得る程度の距離掘進後、親推進ジャッキ26を
縮小させ、親テールプレート4内で親セグメント28を
組み上げ、この親セグメント28に反力を取って再び親
子シールド1を推進させる。
【0014】以上の動作を繰り返して行い、親子シール
ド1により大断面トンネルを掘進する。
【0015】次に、親子シールド1から子シールドを分
離,発進させるときは、親セグメント28を親シールド
に固定し、親推進ジャッキ26を撤去する。
【0016】また、子シールド固定部材13を撤去し、
子フードプレート8を前方にスライドさせた後、子シー
ルド前部11に溶接等で固定する。次に、子シールド前
部11に子シールド鋼殻部材と子推進ジャッキ(いずれ
も図示せず)とを溶接等で固定する。
【0017】さらに、カッタ17のカッタスポーク20
に沿ってスライドスポーク21を縮め、各スライドスポ
ーク21を掘削すべき小断面のトンネルに合わせて位置
を調整し、その位置に固定する。
【0018】前述のごとく縮小されたカッタ17と、子
フードプレート8と、子隔壁10とに囲まれた空間に子
チャンバ(図示せず)を形成する。
【0019】各部材をこのようにセットした後、カッタ
駆動装置14を駆動させ、反力受け7に反力を取って子
推進ジャッキにより推進させ、子シールドを発進させ
る。
【0020】そして、カッタ17により地山を掘削し、
その掘削土砂を子チャンバに取り込み、前記大断面のト
ンネルの掘削時と同様、掘削土砂に作泥土材を添加し、
攪拌翼23で攪拌し、子チャンバ内の泥土圧を保持しな
がら排土装置25により掘削土砂を排出する。
【0021】このようにして、子セグメント(図示せ
ず)を組み上げ得る程度の距離掘進後、子推進ジャッキ
を縮小させ、子シールド鋼殻部材の子テールプレート内
で子セグメントを組み上げる。ついで、この子セグメン
トに反力を取り、再び子推進ジャッキにより子シールド
を推進させる。
【0022】以上の動作を繰り返して行い、子シールド
により小断面トンネルを掘進する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
親子シールド1では構築するトンネルの掘削断面が掘進
方向に同心状になっている。このため、トンネルの掘削
中心を偏心させることができないという問題がある。
【0024】また、従来技術では掘削断面が円形にしか
できないという問題もある。
【0025】さらに、大断面トンネルを掘削する親子シ
ールド1と、小断面トンネルを掘削する子シールドとに
カッタ駆動装置14を兼用しているため、掘削断面に適
したカッタトルクを与えにくいという問題もある。
【0026】さらには、従来技術では親シールドに必要
とされるトルクを持たせるために構造上、子シールドの
外径は親シールドの外径に対して、約7割〜8割程度に
制約される。
【0027】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、大断面トンネルと小断面
トンネルとも、鉛直方向または水平方向に偏心可能で、
離隔距離も自由に設定でき、大断面トンネルと小断面ト
ンネルとも、円形断面のほかに異形の断面形状のトンネ
ルを掘削でき、掘削断面に適したカッタトルクで、しか
も掘削土質に適するカッタ回転数で掘削を行うことがで
き、小断面トンネルを大断面トンネルに対して、7割以
下の掘削断面に自由に設定可能な地中掘削機を提供する
ことにある。
【0028】また、本発明の他の目的は、一つの大断面
トンネルから複数の小断面トンネルを分岐,掘削し得る
地中掘削機を提供することにある。
【0029】さらに、本発明の他の目的は、掘削断面の
大きさが異なる複数のトンネルを連続的に掘削可能な地
中掘削機を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では外側に、環状の偏心多軸の第1カッタを
設置し、この第1カッタの内側に、偏心多軸または単軸
の第2カッタを設置し、前記第1カッタと第2カッタと
に、それぞれ独立のカッタ駆動装置を取り付け、前記第
1、第2カッタの隔壁の下部にそれぞれ独立の排土装置
を取り付け可能としている。
【0031】また、前記目的を達成するため、本発明で
は前記第2カッタを複数台、並列に設置している。
【0032】さらに、前記目的を達成するため、本発明
では外側に、環状の偏心多軸の第1カッタを設置し、こ
の第1カッタの内側に、環状の偏心多軸または環状の単
軸の第2カッタを設置し、さらに第2カッタの内側に、
偏心多軸または単軸の第3カッタを設置し、第1カッタ
と第2カッタと第3カッタとに、それぞれ独立のカッタ
駆動装置を取り付け、かつ各カッタの隔壁の下部にそれ
ぞれ独立の排土装置を取り付け可能としている。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0034】図1〜図3は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は第1,第2シールドである親子シールドに
よるトンネル掘進時の正面図、図2は図1の縦断側面
図、図3は第2シールドである子シールドの発進状態を
示す縦断側面図である。
【0035】これら図1〜図3に示す第1実施例では、
第1シールドである親シールド31と、第2シールドで
ある子シールド56とを具備している。
【0036】前記親シールド31は、親シールド外筒3
2と、親フードプレート33と、親テールプレート34
と、親隔壁35と、親シールド内筒36と、反力受け3
7と、親カッタ駆動装置38と、第1カッタである親カ
ッタ43と、親の隔壁35の下部に設けられた親排土装
置取り付け部49と、これに取り付けられた親排土装置
51と、親推進ジャッキ53と、親テールシール54
と、親セグメント55等を備えている。これらの部材の
ほかには、作泥土材注入装置や、エレクタ(いずれも図
示せず)等を装備している。
【0037】前記親シールド31の鋼殻部材を構成して
いる親シールド外筒32と、親フードプレート33と、
親テールプレート34や親シールド内筒36は、この実
施例では正面から見て円形に形成されている。
【0038】前記親カッタ駆動装置38は、円周方向に
所定の間隔をおいて配置されかつ親隔壁35に支持され
た複数台の駆動モータ39と、各駆動モータ39に連結
された駆動軸40と、各駆動軸40に連結された回転子
であるクランク41と、各クランク41に設けられた支
持軸42とを有して構成されている。クランク軸である
駆動軸40とクランクピンである支持軸42とは、図2
に示すように、偏心距離e、偏心している。前記各クラ
ンク41には、図2に示すように、親攪拌翼46が設け
られている。
【0039】前記親カッタ43は、図1に示すように、
円形の環状に形成されかつ前記カッタ駆動装置38の複
数本の支持軸42に共通に取り付けられたカッタフレー
ム44と、これの前面に植設された多数のカッタビット
とを有して構成されている。前記カッタフレーム44の
内周47は、後述の子カッタ66と干渉しない大きさに
形成されている。しかして、この親カッタ43は円形で
環状の偏心多軸カッタである。
【0040】前記親フードプレート33と、親隔壁35
と、後述の子隔壁59と、親カッタ43と、後述の子カ
ッタ66とに囲まれた空間には、親チャンバ48が形成
されている。
【0041】前記親排土装置取り付け部49には、土砂
入口側に親ゲート50が設けられている。また、この親
排土装置取り付け部49の土砂出口には、親子シールド
による掘進時には図2に示すように、親排土装置51が
取り付けられ、子シールド56による掘進時には図3に
示すように、蓋体52を取り付け、閉鎖するようになっ
ている。
【0042】他方、子シールド56は、後端板58を有
する子フードプレート57と、子隔壁59と、これと一
体に形成されかつ後端板61を有する子シールド前部6
0と、子シールド固定部材62と、子カッタ駆動装置6
3と、第2カッタである子カッタ66と、子隔壁59の
下部に設けられた子排土装置取り付け部73と、この子
排土装置取り付け部73に取り付けられる子排土装置7
5と、前端板78を有する子シールド後筒77と、これ
に設けられた子テールプレート79と、子推進ジャッキ
80と、子シールド発進反力架台81と、子テールシー
ル82と、子セグメント83等を装備している。
【0043】前記子フードプレート57は、親子シール
ドによる掘進時には親シールド内筒36と、子シールド
前部60および子シールド固定部材62ならびに反力受
け37間に格納され、親チャンバ48内に出ないように
固定されている。
【0044】前記子カッタ駆動装置63は、親子シール
ドの中心部に配置されかつ子隔壁59に支持された駆動
モータ64と、これに連結された駆動軸65とを有して
構成されている。
【0045】前記子カッタ66は、前記子カッタ駆動装
置63の駆動軸65に設けられたボス67と、このボス
67の前面に設けられたセンタカッタ68と、前記ボス
67の周りに所定の間隔をおいて取り付けられた複数本
のカッタスポーク69と、各カッタスポーク69の前面
に植設された多数のカッタビット70と、各カッタスポ
ーク69の後面に取り付けられた子攪拌翼71とを有し
て構成されている。前記子カッタ66は、円形で単軸回
転カッタである。
【0046】前記子隔壁59と、子シールド56による
掘進時に突出された子フードプレート57と、子カッタ
66とに囲まれた空間には、図3に示すように、子チャ
ンバ72が形成される。
【0047】前記子排土装置取り付け部73の土砂入口
側には、子ゲート74が設けられており、親子シールド
による掘進時には図2に示すように、土砂出口に蓋体7
6が取り付けられていて、閉鎖されている。
【0048】前記子排土装置75と、子シールド後筒7
7と、子推進ジャッキ80と、子シールド発進反力架台
81と、子セグメント83は、子シールド56の発進時
または掘進時に配備されるものである。
【0049】前記構成にかかる地中掘削機である親子シ
ールドにより、異なる大きさの断面トンネルを掘削する
には、次のようにして行う。
【0050】まず、親子シールドの発進時には図2に示
すように、親子シールド内筒36と子シールド前部60
間に子フードプレート57を格納する。そして、子シー
ルド前部60と反力受け37間に子シールド固定部材6
2を介在させ、この子シールド固定部材62と反力受け
37間に子フードプレート57の後端板58をはさみ込
む。ついで、子シールド前部60と子シールド固定部材
62と、反力受け37の三つの部材を溶接等により固定
し、これらの部材を親シールド31の鋼殻部材に固定
し、親子シールドによる掘進時に子フードプレート57
が親チャンバ48内に出ないように固定しておく。
【0051】また、子排土装置取り付け部73に設けら
れた子ゲート74を閉じ、同じく子排土装置取り付け部
73の土砂出口に蓋体76を取り付け、閉じておく。
【0052】この状態で、親カッタ駆動装置38の複数
台の駆動モータ39を一斉に駆動させ、各駆動軸40、
各クランク41、各支持軸42を介して親カッタ43に
平行リンク運動を与える。また、子カッタ駆動装置63
の駆動モータ64を駆動させ、駆動軸65を介して子カ
ッタ66に単軸回転運動を与える。さらに、親推進ジャ
ッキ53により親セグメント55に反力を取って親子シ
ールドを発進させる。
【0053】前述のごとく、親カッタ43を平行リンク
運動させると、カッタフレーム44に設けられたカッタ
ビット45により、親シールド31の外周部の地山30
を切削する。
【0054】また、子カッタ66を回転させると、セン
タカッタ68と、複数本のカッタスポーク69に設けら
れたカッタビット70とにより、親シールド31の内周
部の地山30を切削する。
【0055】親カッタ43と子カッタ66とにより掘削
した土砂を親チャンバ48に取り込み、この掘削土砂に
作泥土材注入装置(図示せず)により作泥土材を添加
し、親攪拌翼46と子攪拌翼71とにより混練し、掘削
土砂を塑性流動化させ、親チャンバ48内に充満させ
る。そして、親チャンバ48内の泥土圧を保持しつつ、
親排土装置51により掘削土砂を排出する。
【0056】ついで、親推進ジャッキ53を伸長させ、
地山30を親セグメント55を組み上げ得る距離掘進
後、親推進ジャッキ53を縮小させ、親テールプレート
34内で新たに親セグメント55を組み上げる。そし
て、再び親セグメント55に反力を取って親推進ジャッ
キ53により親子シールドを推進させ、親カッタ43と
子カッタ66とを絶えず地山30に押し付けながら掘削
する。
【0057】この実施例では、親カッタ43のカッタフ
レーム44と、子カッタ66のカッタスポーク69とが
干渉しない離隔距離を設けることにより、親カッタ43
と子カッタ66とを回転動作させるための同期装置は不
要である。このため、親シールド31と子シールド56
とで異なる地盤土質を掘削するとき、親カッタ43と子
カッタ66の回転を、それぞれの掘削土質に適した回転
数とすることが可能である。また、親カッタ43と子カ
ッタ66の回転方向も、互いに反対方向に回転させても
よい。
【0058】次に、子シールド56を単体で発進させる
ときは、次のように行う。
【0059】すなわち、子シールド56の発進位置で、
親シールド31と子シールド56の掘進を停止させる。
【0060】ついで、親セグメント55を親シールド3
1に溶接等により固定し、親カッタ駆動装置38の駆動
モータ39等、子シールド56による掘進に不要な部材
を解体撤去する。
【0061】安全のため親ゲート50を閉じ、親排土装
置取り付け部49から親排土装置51を解体撤去し、図
3に示すように、親排土装置取り付け部49の土砂出口
に蓋体52を取り付け、閉鎖する。
【0062】仮設の子シールド固定部材62を撤去し、
その空いたスペースまで子シールド前部60を掘進方向
の後方にスライドさせ、反力受け37に密着させ、子シ
ールド前部60と子フードプレート57を溶接等で固定
する。そして、後方にスライドさせると同時にチャンバ
ー内に作泥土材等を注入し、停止時の泥土圧を保持す
る。これにより、子フードプレート57と、子隔壁59
と、子カッタ66とに囲まれた空間に子チャンバ72を
形成する。
【0063】さらに、子シールド発進反力架台81を仮
設し、反力受け37を一時撤去する。ついで、子シール
ド後胴77のガーダ部、テール部を子シールド前部60
に溶接等により固定し、子シールド56の鋼殻部材を形
成する。
【0064】前記子シールド56には、作泥土材注入装
置(図示せず)を取り付ける。子シールド56の鋼殻部
材には、子推進ジャッキ80を取り付け、さらにはエレ
クタや真円保持装置(いずれも図示せず)も取り付けて
おく。さらに、子シールド後胴77の子テールプレート
79には、あらかじめ子テールシール82を取り付けて
おく。
【0065】そして、子排土装置取り付け部73の土砂
出口を閉鎖していた蓋体76を撤去し、子排土装置75
を取り付け、閉じていた子ゲート74を開放する。
【0066】さらに、一時撤去していた反力受け37を
再度親シールド31に固定する。
【0067】以上のように子シールド56の構成部材を
取り付けた後、子カッタ駆動装置63の駆動モータ64
を駆動させ、駆動軸65を介して子カッタ66に単軸回
転運動を与える。また、反力受け37に反力を取って子
推進ジャッキ80を伸長させ、子シールド56を推進さ
せ、発進させる。
【0068】前述のごとく、子カッタ66を単軸回転さ
せ、子推進ジャッキ80により子シールド56を推進さ
せ、子カッタ66を地山30に押し付けると、子カッタ
66のセンタカッタ68とカッタビット70とにより、
子掘削断面の地山30を切削する。
【0069】子シールド56により掘削した土砂を子チ
ャンバ72に取り込み、その掘削土砂に作泥土材注入装
置により作泥土材を添加し、子攪拌翼71で混練し、塑
性流動化させ、子チャンバ72内に充満させる。つい
で、子チャンバ72内の泥土圧を保持しながら、子排土
装置75により掘削土砂を排出する。
【0070】さらに子推進ジャッキ80を伸長させ、子
セグメント83を組み上げ得る距離掘進した後、子推進
ジャッキ80を縮小させ、子セグメント83を新たに組
み上げ、これに反力を取って子推進ジャッキ80により
子シールド56を再び推進させる。
【0071】以上の動作を繰り返して行い、円形の小断
面トンネルを掘進する。
【0072】なお、この実施例では親シールド31の掘
削中心と子シールド56の掘削中心とは同一であり、親
子シールドの掘削中心を図1に符号84で示す。
【0073】以上説明したように、この第1実施例によ
れば、一台の親子シールドにより異なる大きさの断面ト
ンネルを掘削することができる。
【0074】また、この第1実施例では親カッタ駆動装
置38と子カッタ駆動装置63とをそれぞれ独立に設置
しているので、親シールド31と子シールド56とに断
面形状に適したカッタトルクを与えて掘削することがで
きる。この場合、子シールド56の外径を親シールド3
1の外径に対して、7割以下にすることも可能である。
【0075】さらに、この第1実施例では親カッタ43
のカッタフレーム44と、子カッタ66のカッタスポー
ク69とがそれぞれ干渉しない離隔距離をおくことで、
親カッタ43と子カッタ66を回転動作させるための同
期装置を省略することができる。
【0076】しかも、この第1実施例では親シールド3
1と子シールド56とで異なる地盤土質を掘進すると
き、親カッタ43と子カッタ66の回転を、それぞれ掘
削土質に適した回転数とすることができる。また、回転
方向も親カッタ43と子カッタ66とで反対方向に回転
させて掘進することもできる。
【0077】この第1実施例において、親隔壁35と子
隔壁59とを掘進方向のほぼ同一面に設置しているが、
必ずしも同一面上に設置する必要がない。
【0078】また、この第1実施例において、子カッタ
66のカッタビット70の掘削面を親カッタ43のカッ
タビット45の掘削面に対して、掘進方向に前進させて
取り付けてもよい。このようにすれば、親子シールドに
よるトンネル掘進時に、中央部分を先行して掘削でき、
親カッタ43のカッタビット45の負荷を軽減すること
ができる。なお、この実施例では、小シールドの組立て
に際し、小シールドの前部を後方にスライドさせて、接
合しているが、フード部を前方に押し出した後、小シー
ルドの前部と固定することもできる。
【0079】次に、図4は本発明の第2実施例を示す正
面図、図5は図4の縦断側面図である。
【0080】これら図4および図5に示す第2実施例で
は、第1カッタである環状の親カッタ86の内側に、第
2カッタである子カッタ66が設置されている。
【0081】前記親カッタ86は、正面から見て円形
で、外周87に対して内周88が偏心した形状に形成さ
れている。
【0082】前記親カッタ86は、前記第1実施例と同
様に構成された親カッタ駆動装置38に取り付けられて
いる。したがって、この親カッタ86は環状で偏心多軸
カッタであり、平行リンク運動する。
【0083】前記子カッタ66は、前記第1実施例と同
様に構成されており、また前記第1実施例と同じ子カッ
タ駆動装置63に取り付けられている。したがって、こ
の子カッタ66は単軸回転カッタである。
【0084】そして、前記子カッタ66と親カッタ86
とは掘削面はほぼ同一面に取り付けられているが、子掘
削中心85と親掘削中心89とは鉛直方向に偏心させて
設置されている。
【0085】この第2実施例の親子シールドは、親カッ
タ86が親掘削中心89で、また子カッタ66が子掘削
中心85で地山30を掘削するようになっている外は、
構成および作用とも前記第1実施例と同様である。
【0086】なお、この第2実施例において、子掘削中
心85と親掘削中心89とを鉛直方向に偏心させる場合
に限らず、水平方向に偏心させてもよい。また、偏心距
離も親カッタ86のカッタフレームに子カッタ66のカ
ッタスポーク69が干渉しない範囲で自由に設定するこ
とができる。
【0087】続いて、図6および図7は本発明の第3実
施例を示すもので、図6は正面図、図7は図6の縦断側
面図である。
【0088】これら図6および図7に示す第3実施例で
は、親シールド31の鋼殻部材103は鉛直方向に膨ら
みを持ったほぼ矩形に形成され、子シールド56の鋼殻
部材115は矩形に形成されている。
【0089】そして、この実施例では親カッタ駆動装置
104と、第1カッタである親カッタ109と、子カッ
タ駆動装置116と、第2カッタである子カッタ121
とを装備している。
【0090】前記親カッタ駆動装置104は、円周方向
に所定の間隔をおいて配置されかつ親隔壁35に支持さ
れた駆動モータ105と、各駆動モータ105に連結さ
れた駆動軸106と、各駆動軸106に連結されたクラ
ンク107と、各クランク107に設けられた支持軸1
08とを有して構成されている。
【0091】前記親カッタ109は、鉛直方向に台形の
部分を有するほぼ矩形に形成されたカッタフレーム11
0と、これの前面に設けられた多数のカッタビット11
1とを備えて構成されている。そして、この親カッタ1
09は前記親カッタ駆動装置104の複数本の支持軸1
08に共通に取り付けられており、偏心多軸カッタであ
る。
【0092】前記親カッタ駆動装置104の各クランク
107には、親攪拌翼112が設けられている。
【0093】前記子カッタ駆動装置116も、円周方向
に所定の間隔をおいて配置されかつ子隔壁59に支持さ
れた複数台の駆動モータ117と、各駆動モータ117
に連結された駆動軸118と、各駆動軸118に連結さ
れたクランク119と、各クランク119に設けられた
支持軸120とを有して構成されている。
【0094】前記子カッタ121は、矩形に形成された
カッタフレーム122と、これの前面に設けられた多数
のカッタビット123とを有して構成されている。この
子カッタ121は、前記親カッタ109の内側114に
配置されかつ前記子カッタ駆動装置116の複数本の支
持軸120に共通に取り付けられており、偏心多軸カッ
タである。
【0095】前記子カッタ駆動装置116の各クランク
119には、子攪拌翼124が設けられている。
【0096】しかして、この実施例では親カッタ109
における親掘削中心113と、子カッタ121における
子掘削中心125とを水平方向に偏心させて設定されて
いる。
【0097】この第3実施例では、親カッタ駆動装置1
04の複数台の駆動モータ105を一斉に駆動させる
と、各駆動軸106、各クランク107および各支持軸
108を通じて親カッタ109に平行リンク運動を与え
る。これにより、親カッタ109は親シールド31の外
周付近の地山30を掘削する。
【0098】一方、子カッタ駆動装置116の複数台の
駆動モータ117を一斉に駆動させると、この子カッタ
駆動装置116の場合も各駆動軸118、各クランク1
19および各支持軸120を通じて子カッタ121に平
行リンク運動を与える。これにより、子カッタ121は
親子シールドの中央部、つまり子シールド56の外周付
近の地山30を掘削する。
【0099】したがって、この実施例によれば、親子シ
ールドにより掘進することによって、大断面でほぼ矩形
断面のトンネルを掘削することができるし、子シールド
56により掘進することによって、小断面で矩形断面の
トンネルを掘削することができる。
【0100】一般に、カッタ駆動装置に偏心多軸機構を
採用すれば、単軸回転機構を採用した場合に比べてカッ
タトルクを小さくすることができ、カッタビットの摩耗
を小さく抑えることができる。
【0101】そこで、この第3実施例では親カッタ駆動
装置104と子カッタ駆動装置116にそれぞれ偏心多
軸機構を採用しているので、カッタビットの摩耗を小さ
くできるため、親カッタ109および子カッタ121と
も長距離掘削に有利である。
【0102】なお、この実施例において矩形断面以外の
断面形状の掘削にも適用することができる。
【0103】また、親掘削中心113と子掘削中心12
5の偏心方向は水平方向に限らず、鉛直方向であっても
よい。さらには、親掘削中心113と子掘削中心125
の離隔距離も自由に設定することができる。
【0104】この第3実施例の他の構成,作用について
は、前記第1実施例と同様であり、子シールド56の分
離,発進方法についても前記第1実施例と同様である。
【0105】進んで、図8は本発明の第4実施例を示す
正面図である。
【0106】この図8に示す第4実施例では、第1シー
ルドである親シールド31の鋼殻部材126は、鉛直方
向に膨らみを持ったほぼ矩形部分を水平方向に二連に設
けた形状に形成されている。前記親シールド31には、
第2シールドとして第1,第2子シールド138,13
9が並列に設置されている。
【0107】前記親シールド31は、親カッタ駆動装置
127と、第1カッタである親カッタ131と、隔壁の
下部に設けられた親排土装置136,137とを備えて
いる。
【0108】前記親カッタ駆動装置127は、互いに所
定の間隔をおいて配置されかつ親隔壁35に支持された
複数台の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モータに連
結された駆動軸128と、各駆動軸128に連結された
クランク129と、各クランク129に設けられた支持
軸130とを有して構成されている。
【0109】前記親カッタ131は、矩形部分を水平方
向に二連に連結した形状のカッタフレーム132と、こ
のカッタフレーム132に設けられた多数のカッタビッ
ト133とを有して構成されている。また、この親カッ
タ131は前記親カッタ駆動装置127の複数本の支持
軸130に共通に取り付けられており、偏心多軸カッタ
である。さらに、この親カッタ131には二つの内側空
間134,135が設けられている。
【0110】前記排土装置136,137は、水平方向
に互いに所定の間隔をおいて設置されている。
【0111】前記第1,第2子シールド138,139
は、水平方向に互いに所定の間隔をおいて設置され、か
つ親シールド31に分離,発進可能に組み込まれてい
る。これら第1,第2子シールド138,139は、そ
れぞれ鋼殻部材140と、子カッタ駆動装置141と、
第2カッタである子カッタ145と、子排土装置148
とを装備している。
【0112】前記第1,第2子シールド138,139
の鋼殻部材140は、矩形に形成されている。
【0113】前記子カッタ駆動装置141は、それぞれ
円周方向に所定の間隔をおいて配置されかつ子隔壁に支
持された複数台の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モ
ータに連結された駆動軸142と、各駆動軸142に連
結されたクランク143と、各クランク143に設けら
れた支持軸144とを備えて構成されている。
【0114】前記子カッタ145は、それぞれ矩形に形
成されたカッタフレーム146と、これの前面に植設さ
れた多数のカッタビット147とを有して構成されてい
る。そして、これらの子カッタ145は当該親カッタ1
31に形成された当該内側134,135に配置され、
かつ当該子カッタ駆動装置141の複数本の支持軸14
4に共通に取り付けられている。したがって、各子カッ
タ145は偏心多軸カッタである。
【0115】前記子排土装置148は、当該第1,第2
子シールド138,139に1台宛設置されている。
【0116】前記親シールド31の他の構成について
は、前記第1実施例と同様である。また、前記第1,第
2子シールド138,139の他の構成については、前
記第3実施例と同様である。
【0117】そして、この第4実施例では親シールド3
1と第1,第2子シールド138,139とにより掘進
することによって、水平方向に長いほぼ矩形断面で、し
かも大断面のトンネルを掘削することができる。
【0118】また、トンネルの掘進途中で、第1子シー
ルド138と第2子シールド139とを親シールド31
から分離,発進させることによって、小断面で矩形断面
の二つのトンネルを並列に掘削することができる。
【0119】これら第1,第2子シールド138,13
9の分離,発進方法については、前記第1実施例の子シ
ールド56の分離,発進方法と同様である。
【0120】この第4実施例では、子シールドは第1,
第2子シールド138,139に限らず、3台以上であ
ってもよい。
【0121】さらに、親シールドおよび子シールドは矩
形に限らず、他の断面形状でもよい。
【0122】さらには、子シールドは水平方向に並列に
設置する場合に限らず、仕様によっては鉛直方向、また
は水平方向と鉛直方向とに偏心させて設置してもよい。
【0123】ついで、図9は本発明の第5実施例を示す
正面図である。
【0124】この図9に示す第5実施例では、第1シー
ルドである親シールド151と、第2シールドである子
シールド162と、第3シールドである孫シールド17
3とを備えている。
【0125】前記親シールド151は、鋼殻部材152
と、親カッタ駆動装置153と、第1カッタである親カ
ッタ157と、隔壁の下部に設けられた親排土装置16
1とを装備している。
【0126】前記親シールド151の鋼殻部材152
は、断面円形に形成されている。
【0127】前記親カッタ駆動装置153は、円周方向
に所定の間隔をおいて配置されかつ親隔壁に支持された
複数台の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モータに連
結された駆動軸154と、各駆動軸154に連結された
クランク155と、各クランク155に設けられた支持
軸156とを有して構成されている。
【0128】前記親カッタ157は、円形で環状に形成
されたカッタフレーム158と、これの前面に植設され
た多数のカッタビット159とを有して構成されてい
る。この親カッタ157は、前記親カッタ駆動装置15
3の複数本の支持軸156に取り付けられていて、環状
の偏心多軸カッタである。
【0129】前記親シールド151の他の構成は、前記
第1実施例における親シールド31と同じである。
【0130】前記子シールド162は、鋼殻部材163
と、子カッタ駆動装置164と、第2カッタである子カ
ッタ168と、隔壁の下部に設けられた子排土装置17
2とを備えている。
【0131】前記子シールド162の鋼殻部材163
も、断面円形に形成されている。
【0132】前記子カッタ駆動装置164も、円周方向
に所定の間隔をおいて配置されかつ子隔壁に支持された
複数台の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モータに連
結された駆動軸165と、各駆動軸165に連結された
クランク166と、各クランク166に設けられた支持
軸167とを有して構成されている。
【0133】前記子カッタ168も、円形で環状に形成
されたカッタフレーム169と、これの前面に植設され
た多数のカッタビット170とを有して構成されてい
る。この子カッタ168は、前記親カッタ157の内側
160に配置され、子カッタ駆動装置164の複数本の
支持軸167に共通に取り付けられている。したがっ
て、この子カッタ168も環状の偏心多軸カッタであ
る。
【0134】前記子シールド162の他の構成は、前記
第1実施例における親シールド31と同様である。
【0135】前記孫シールド173は、鋼殻部材174
と、孫カッタ駆動装置175と、第3カッタである孫カ
ッタ177と、隔壁の下部に設けられた孫排土装置18
2とを備えている。
【0136】前記孫シールド173の鋼殻部材174
も、断面円形に形成されている。
【0137】前記孫カッタ駆動装置175は、孫シール
ド173のほぼ中央部に配置されかつ孫隔壁に支持され
た駆動モータ176と、これに連結された駆動軸(図示
せず)とを有して構成されている。
【0138】前記孫カッタ177は、前記孫カッタ駆動
装置175の駆動軸の前端部に設けられたボス178
と、このボス178の前面に設けられたセンタカッタ1
79と、前記ボス178の周りに所定の間隔をおいて固
定された複数本のカッタスポーク180と、各カッタス
ポーク180の前面に設けられた多数のカッタビット1
81とを有して構成されている。そして、この孫カッタ
177は前記子カッタ168の内側171に配置されか
つ孫カッタ駆動装置175の単一の駆動軸に取り付けら
れており、単軸回転カッタである。
【0139】前記孫シールド173の他の構成について
は、前記第1実施例における子シールド56と同様であ
る。
【0140】ところで、この第5実施例では親,子,孫
シールド151,162,173を発進させ、地山を掘
進することによって、円形断面で最も大きい断面のトン
ネルを掘削することができる。
【0141】次に、掘進途中で子,孫シールド162,
173を発進させ、地山を掘進することによって、円形
断面で次に大きい断面のトンネルを掘削することができ
る。
【0142】ついで、子シールド162から孫シールド
173を分離,発進させ、地山を掘進することによっ
て、円形断面で最も小さい断面のトンネルを掘削するこ
とができる。
【0143】したがって、この第5実施例によれば、大
きさの異なる三つのトンネルを連続的に掘削することが
できる。
【0144】なお、この第5実施例において、必要に応
じて四つ以上の異なる大きさのトンネルを掘削するよう
に構成することも可能である。
【0145】また、親,子,孫シールド151,16
2,173とも円形断面のトンネルに限らず、異形断面
のトンネルを掘削するように構成してもよく、円形断面
と異形断面のトンネルを組み合わせて掘削するようにし
てもよい。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では外側
に、環状の偏心多軸の第1カッタを設置し、この第1カ
ッタの内側に、偏心多軸または単軸の第2カッタを設置
し、第1カッタと第2カッタとに、それぞれ独立のカッ
タ駆動装置を取り付け、前記第1、第2カッタの隔壁の
下部にそれぞれ独立の排土装置を取り付け可能としてい
るので、大断面トンネルと小断面トンネルとを鉛直方向
または水平方向に偏心させて掘削できる効果があり、第
1カッタと第2カッタとの離隔距離を自由に設定できる
効果があり、大断面トンネルと小断面トンネルとも円形
断面の他に、異なる断面形状のトンネルを掘削できる効
果があり、大断面トンネルと小断面トンネルとも適切な
カッタトルクで、しかも掘削土質に適したカッタ回転数
で掘削できる効果もあり、小断面トンネルを大断面トン
ネルに対して、7割以下の大きさに設定し、掘削できる
効果をも有する。
【0147】また、本発明では前記第1カッタの内側
に、第2カッタを複数台、並列に設置しているので、一
つの大断面トンネルから複数の小断面トンネルを分岐さ
せて掘削できる効果がある。
【0148】さらに、本発明では外側に、環状の偏心多
軸の第1カッタを設置し、その内側に、環状の偏心多軸
または環状の単軸の第2カッタを設置し、さらにその内
側に、偏心多軸または単軸の第3カッタを設置し、これ
ら第1,第2,第3カッタに、それぞれ独立のカッタ駆
動装置を取り付け、かつ各カッタの隔壁の下部にそれぞ
れ独立の排土装置を取り付け可能としているので、大き
さの異なる三つのトンネルを連続的に掘削できる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す正面図である。
【図2】図1の縦断側面図である。
【図3】第1実施例において、大断面トンネルの掘削
後、小断面シールドを発進させる状態を示す縦断側面図
である。
【図4】本発明の第2実施例を示す正面図である。
【図5】図4の縦断側面図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す正面図である。
【図7】図7の縦断側面図である。
【図8】本発明の第4実施例を示す正面図である。
【図9】本発明の第5実施例を示す正面図である。
【図10】従来の親子シールドを示す正面図である。
【図11】図10の縦断側面図である。
【符号の説明】 31 第1シールドである親シールド 38 親カッタ駆動装置 43 第1カッタである親カッタ 47 親カッタの内側 56 第2シールドである子シールド 63 子カッタ駆動装置 66 第2カッタである子カッタ 86 第1カッタである親カッタ 104 親カッタ駆動装置 109 第1カッタである親カッタ 114 親カッタの内側 116 子カッタ駆動装置 121 第2カッタである子カッタ 127 親カッタ駆動装置 131 第1カッタである親カッタ 134 親カッタの内側 138,139 第1,第2子シールド 141 子カッタ駆動装置 145 第2カッタである子カッタ 151 第1シールドである親シールド 153 親カッタ駆動装置 157 第1カッタである親カッタ 160 親カッタの内側 162 第2シールドである子シールド 164 子カッタ駆動装置 168 第2カッタである子カッタ 171 子カッタの内側 173 第3シールドである孫シールド 175 孫カッタ駆動装置 177 第3カッタである孫カッタ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】削除
フロントページの続き (72)発明者 小林 隆治 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内 Fターム(参考) 2D054 AB01 AB05 AD07 BB09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側に、環状の偏心多軸または環状の単
    軸の第1カッタを設置し、この第1カッタの内側に、偏
    心多軸または単軸の第2カッタを設置し、前記第1カッ
    タと第2カッタとに、それぞれ独立のカッタ駆動装置を
    取り付けたことを特徴とする地中掘削機。
  2. 【請求項2】 前記第2カッタを複数台、並列に設置し
    たことを特徴とする請求項1記載の地中掘削機。
  3. 【請求項3】 外側に、環状の偏心多軸または環状の単
    軸の第1カッタを設置し、この第1カッタの内側に、環
    状の偏心多軸または環状の単軸の第2カッタを設置し、
    さらに第2カッタの内側に、偏心多軸または単軸の第3
    カッタを設置し、第1カッタと第2カッタと第3カッタ
    とに、それぞれ独立のカッタ駆動装置を取り付けたこと
    を特徴とする地中掘削機。
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