JP2000096842A - 住 宅 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 他の居住スペースを削ることなしに玄関正面
に奥行き，広がりを持たせた個性的な玄関を有する住宅
に関する。 【解決手段】 建物２の壁面の一部分を、平面視くの字
型に建物２内側に凹ませて形成し、建物２内側に凹んだ
二つの壁面のうちの一方に玄関ドア６ａを設け、玄関ド
ア６ａの建物２内側に、玄関ドア６ａが設けられた壁面
を長辺とする平面視三角形の玄関土間６ｂを配置した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は住宅に関し、とく
に、玄関を建物の壁面に対して斜めに配置することによ
って、他の居住スペースを削ることなしに玄関正面に奥
行き，広がりを持たせた個性的な玄関を有する住宅に関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に戸建て住宅は、住居部分の建物
と、駐車場、庭などの空地部分を有して構成され、駐車
場、庭が敷地の道路側に配置され、住居部分の建物が敷
地の奥側に配置されている。そして、玄関は建物の道路
側に配置され、アプローチが道路から玄関までの間に配
置された構成となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
玄関は、建物の正面を向いて配置された画一的なもので
あった。そして、このような玄関は、建物正面、ひいて
は住宅全体の雰囲気を堅苦しいものとしていた。また、
玄関の外観意匠性を向上させるために、玄関を建物内に
配置して奥行きを出したり、玄関のスペースを大きくす
ると、建物内の他の居住スペースが削られてしまうとい
う問題があった。本発明は、上述の問題点を解決するた
めになされたものであって、その目的とするところは、
玄関を建物の壁面に対して斜めに配置することによっ
て、他の居住スペースを削ることなしに玄関正面に奥行
き，広がりを持たせた個性的な玄関を有する住宅を提供
することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項１記載の住宅では、建物の壁面に平面視くの字型
の陥没部分を形成し、このくの字型に陥没した壁面に玄
関ドアを配置し、この玄関ドアの内側に、玄関ドアの壁
面を一辺とする三角形の土間を配置した。請求項２記載
の発明では、請求項１記載の住宅において、前記くの字
型の陥没部分から斜め方向に玄関アプローチを延長し
た。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図１は本発明の実施の形態にかか
る住宅の平面図である。図に示すように、本実施の形態
にかかる住宅Ａは、方形の敷地１の一方側に配置された
建物２と、敷地１の他方側に配置された庭３および駐車
場４とから構成されている。

【０００６】前記敷地１の手前側（図中左側）には道路
が通過し、この道路に面して敷地１の左端に前記駐車場
４へ続く車両通路５および建物２の玄関６に続くアプロ
ーチ７が配置されている。前記建物２は、平面視方形に
形成された平屋建ての建物である。この建物２は、妻切
型の屋根を有し、屋根の稜線が建物２手前側から奥側に
伸び、この稜線を境に屋根の勾配が両側に分かれ、建物
２手前側および奥側に妻壁が面した構成となっている。

【０００７】前記車両通路５は、敷地１の左端中央から
道路に対して４５°の角度で敷地１の下端方向に延びて
いて、車両一台が通過できる幅を有している。そしてこ
の車両通路５の先に車両一台分の駐車スペースを有する
駐車場４が配置されている。

【０００８】前記アプローチ７は、敷地１の左端中央か
ら道路に対して４５°の角度で敷地１の上端方向に延び
ていて、前記玄関６まで続いている。このアプローチ７
は、敷地１に対して４５°の角度を有して斜めに配置さ
れているため、アプローチ７を長く配置することができ
る。よって、敷地１の奥行きを深く見せることができる
とともに、建物２正面側に奥ゆかしい優雅な雰囲気が形
成されている。

【０００９】前記建物２手前側のほぼ中央に配置された
玄関６は、図２の実施の形態にかかる住宅Ａの正面側斜
視図にも示すように、建物２手前側の壁面の一部が、平
面視くの字型に建物２内部に凹んで形成された二つの壁
面のうち、建物２正面側から見て左側の壁面に玄関ドア
６ａが設けられ、この玄関ドア６ａの建物２内側に、前
記玄関ドア６ａが設けられた壁面を長辺とする平面視三
角形の玄関土間６ｂが配置された構成となっている。前
記玄関ドア６ａが設けられた壁面は、建物２正面側の壁
面に対して４５°だけ建物２内側に傾いて配置されてい
る。そして、前記玄関ドア６ａは、前記アプローチ７に
対して正面を向いて設けられている。

【００１０】前記玄関６は上述のように構成されている
ため、玄関６正面に奥行き，広がりを持たせることがで
きるとともに、個性的な接客空間が形成されている。ま
た、斜めの壁で形成された玄関６は方形の建物２に対し
て絶妙なアクセントとなっていて、建物２の外観が調和
の取れたバランスの良いものとなっている。また、玄関
土間６ｂは小さなスペースに配置することができるため
場所を取らない。

【００１１】前記玄関土間６ｂに隣接して建物２手前側
の角には浴室８が配置され、この浴室８の建物２後方に
は、手前側から順に洗面所９、トイレ１０、およびキッ
チン１１が配置されている。また、建物２手前側のもう
一方の角には子供部屋１２が配置されている。

【００１２】前記建物２の中央には、前記キッチン１１
および子供部屋１２と連続してダイニングルームを兼ね
たリビングルーム１３が配置されている。このリビング
ルーム１３の一画に配置された暖炉１３ａには、図３の
Ｓ３−Ｓ３断面図に示すように煙突１３ｂが設けられて
いる。なお、前記キッチン１１、子供部屋１２、および
リビングルーム１３の床面はフローリングが敷設されて
いる。また、リビングルーム１３および子供部屋１２か
らは、前記庭３に面して建物２の外に配置されたデッキ
１４へ移動可能となっている。

【００１３】前記リビングルーム１３の奥には和室１
５，１６が隣接して配置されている。これら和室１５，
１６はどちらも６畳間であり、寝室，客間として使用す
るだけでなく、両和室１５，１６を隔てる障子を外せば
１２畳間の広間としても使用することができる。

【００１４】本実施の形態の建物２は、玄関土間６ｂに
隣接して浴室８、洗面所９、およびトイレ１０を建物２
手前側にコンパクトに配置したため、建物２の奥側の居
住空間であるキッチン１１、リビングルーム１３、和室
１５，１６を広く配置することができる。さらに、これ
らは四角い部屋同士を隣接して配置したシンプルな構造
であるため、建物２後方が広々とした開放的な居住空間
となっているとともに、建物２全体にスッキリとしたイ
メージを与えている。

【００１５】つぎに、図４を用いて住宅Ａの屋根裏を説
明する。図４は、実施の形態にかかる住宅Ａの屋根裏の
平面図である。図において、１７は屋根裏収納であり、
前記和室１５，１６の天井部分に設けられている。この
屋根裏収納１７には、前記リビングルーム１３からはし
ご１８を用いてアクセスするようになっている。また、
前記リビングルーム１３の天井部分には吹き抜け１９が
形成され、この吹き抜け１９には二本の梁２０が平行に
架設されている。この梁２０はハンモックやブランコを
吊るしたりして多用途に利用することができ、リビング
ルーム１３を変化に富んだものとしている。なお、２１
はトップライトであり、前記キッチン１１の採光性を向
上させるものである。

【００１６】以上本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
などがあっても本発明に含まれる。たとえば、本実施の
形態においては平屋建ての建物について説明したが、こ
れに限らず、二階，三階建て住宅としてもよく、建物の
階数は任意である。

【００１７】また、玄関ドア６ａが設けられた壁面は、
建物２正面側の壁面に対して４５°だけ建物２内側に傾
いて配置されているとしたが、この角度は任意に設定す
ることができ、玄関ドア６ａの開閉や人の出入りに支障
がない角度であれば良い。さらに、アプローチ７および
車両通路５が道路となす角度も任意に設定できる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項
１記載の住宅にあっては、建物の壁面に平面視くの字型
の陥没部分を形成し、このくの字型に陥没した壁面に玄
関ドアを配置し、この玄関ドアの内側に、玄関ドアの壁
面を一辺とする三角形の土間を配置した構成としたた
め、他の居住スペースを削ることなしに玄関正面に奥行
き，広がりを持たせることができ、変化に富んだ魅力的
な玄関を有する住宅を提供することができるという効果
が得られる。請求項２記載の発明にあっては、請求項１
記載の住宅において、前記くの字型の陥没部分から斜め
方向に玄関アプローチを延長した構成としたため、奥行
きのない敷地であっても長いアプローチを形成すること
ができる。よって、敷地の奥行きを深く見せることがで
き、建物正面側に奥ゆかしい優雅な雰囲気を持たせるこ
とができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態にかかる住宅の平面図であ
る。

【図２】実施の形態にかかる住宅の正面側斜視図であ
る。

【図３】実施の形態にかかる住宅のＳ３−Ｓ３断面図で
ある。

【図４】実施の形態にかかる住宅の屋根裏の平面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 住宅 １ 敷地 ２ 建物 ３ 庭 ４ 駐車場 ５ 車両通路 ６ 玄関 ６ａ 玄関ドア ６ｂ 玄関土間 ７ アプローチ ８ 浴室 ９ 洗面所 １０ トイレ １１ キッチン １２ 子供部屋 １３ リビングルーム １３ａ 暖炉 １３ｂ 煙突 １４ デッキ １５ 和室 １６ 和室 １７ 屋根裏収納 １８ はしご １９ 吹き抜け ２０ 梁 ２１ トップライト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の壁面に平面視くの字型の陥没部分
   を形成し、 このくの字型に陥没した壁面に玄関ドアを配置し、 この玄関ドアの内側に、玄関ドアの壁面を一辺とする三
   角形の土間を配置したことを特徴とする住宅。
2. 【請求項２】 前記くの字型の陥没部分から斜め方向に
   玄関アプローチを延長したことを特徴とする請求項１記
   載の住宅。