JP2000092820A - 駆動制御装置、モジュール、および、複合モジュール - Google Patents

駆動制御装置、モジュール、および、複合モジュール

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JP2000092820A JP25794498A JP25794498A JP2000092820A JP 2000092820 A JP2000092820 A JP 2000092820A JP 25794498 A JP25794498 A JP 25794498A JP 25794498 A JP25794498 A JP 25794498A JP 2000092820 A JP2000092820 A JP 2000092820A
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    • H03K17/00Electronic switching or gating, i.e. not by contact-making and –breaking
    • H03K17/12Modifications for increasing the maximum permissible switched current
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    • H03K17/122Modifications for increasing the maximum permissible switched current in field-effect transistor switches

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 並列接続されたスイッチング素子の電流不均
衡を高精度で解消する。 【解決手段】 並列接続されたn(≧2)個のIGBTの主
電流の検出値である電流センス電圧VCS1〜VCSnが、デ
ジタル形式へ変換された後に、演算処理に供される。電
流センス電圧VCS1〜VCSnが、定数G1〜Gn,V
OFFSET1〜VOFFSETnを用いて、コレクタ電流I1〜In
と換算された(ステップ103)後に、コレクタ電流I
1〜Inの平均値IAVGからの偏差ΔI1〜ΔInが算出さ
れる(ステップ104,105)。偏差ΔI1〜ΔI
nに、係数Kijを乗じて得られる変化量ΔVD1〜ΔVDn
だけ、駆動制御電圧VD1〜VDnが更新される(ステップ
106,107)。駆動制御電圧VD1〜VDnは、アナロ
グ形式へ変換された後、ゲート電圧VGEとしてn個のIG
BTへ供給される。定数G1〜Gn,VOFFSET1
OFFSETn,Kijは、n個のスイッチング素子の各々ご
とに、個別に作成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インバータ等の
電力変換機器への応用に最適な並列接続されたスイッチ
ング素子における主電流の不均一を解消するための駆動
制御装置、並びに、この駆動制御装置が組み込まれたモ
ジュールおよび複合モジュールに関し、特に、主電流の
不均一を解消する制御を高い精度で実現するための改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータ、チョッパ、あるいは、コン
バータ等の電力変換機器の構成要素として、パワーIGB
T、パワートランジスタ、あるいは、パワーMOSトランジ
スタ等のパワースイッチング素子が、広く使用されてい
る。これらの電力変換機器に代表される応用機器におい
て、特に高い定格電流が要求される場合には、同一に設
計された複数のパワースイッチング素子が、互いに並列
に接続して使用されるのが、通例である。
【0003】このように並列に接続された複数のパワー
スイッチング素子の間では、主電流の大きさが均一に保
たれる必要がある。なぜなら、主電流の均一性が損なわ
れると、特定のパワースイッチング素子に、負担が集中
するために、応用機器の信頼性が低下するからである。
しかしながら、複数のパワースイッチング素子の間で
は、それらが同一に設計された素子であっても、電気的
特性上の不均一が存在するのが通例である。この不均一
は、素子の製造工程の中で不可避的に発生する寄生的な
誤差に由来する。
【0004】並列接続される複数のパワースイッチング
素子の間では、様々な特性上の不均一の中で、主電極間
の飽和電圧(例えば、IGBTおよびバイポーラトランジス
タでは、コレクタ・エミッタ間飽和電圧VCE(sat))に
おける不均一が、最も重要である。なぜなら、並列接続
された素子の主電極間の電圧が、最も高い飽和電圧を有
する素子によって規定されるので、より低い飽和電圧を
有する素子が、飽和電圧を高めようとして、より大きな
電流を負担するからである。
【0005】このように、並列接続された複数のパワー
スイッチング素子は、通常において、不均一に配分され
た電流を負担するので、より高い電流を流す素子ほど、
より高い電流ストレスを被ることとなる。その結果、並
列接続された素子の全体の信頼性、あるいは、応用機器
の信頼性が、弱められることになる。
【0006】主電流の不均一(すなわち、電流不均衡)
の問題は、負の温度係数を有するパワースイッチング素
子に対しては、より重要である。なぜなら、負の温度係
数を有する素子では、より大きな主電流が流れることに
よって素子の温度が上昇すると、それにともなって、素
子の飽和電圧が減少するからである。飽和電圧が減少す
ると、さらに大きな主電流が流れることとなる。この循
環が繰り返されることによって、特定の素子へ過大な負
担が加わり、応用機器の信頼性が低められることにな
る。
【0007】並列に接続されたパワースイッチング素子
のそれぞれを流れる主電流の間の不均一性(アンバラン
ス)を解消することを目的とした従来の技術として、二
つのアプローチが知られる。第1は、受動的なアプロー
チである。この従来技術では、同一ないし非常に似通っ
た電気的特性を有するパワースイッチング素子が、並列
接続すべき素子として選択される。すなわち、特性上の
ばらつきが最小となるように、パワースイッチング素子
が取捨選択(screening:スクリーニング)される。
【0008】第2は、能動的なアプローチである。この
従来技術は、特開平8-213890号公報に開示されるよう
に、主電流の不均一を抑えるように、主電流がフィード
バック制御される。すなわち、各パワースイッチング素
子を流れる主電流の大きさが、電流検出回路によって検
出され、検出された主電流の不均一を減殺するように、
制御信号が各パワースイッチング素子の制御電極へと送
られる。このフィードバック制御は、アナログ回路素子
で構成される制御回路によって実行される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】第1のアプローチで
は、使用対象とされるパワースイッチング素子に、制限
が加えられる。すなわち、取捨選択の結果、使用に供さ
れない素子が出現する。このため、素子の製造におい
て、無駄が発生するという問題点があった。しかも、取
捨選択を行っても、なお、電流不均衡の問題は、完全に
は解消されないという問題点があった。なぜなら、通例
において、同一の電気的特性を有するパワースイッチン
グ素子を見出すことは、容易ではないからである。
【0010】一方、第2のアプローチでは、主電流を均
一化するためのフィードバック制御が行われるので、電
気的特性が揃うようにパワースイッチング素子を取捨選
択する必要はない。しかしながら、フィードバック制御
を行う制御回路が、アナログ回路として構成されている
ために、電流不均衡を高い精度で解消することが困難で
あるという問題点があった。特に、様々な特性上の不均
一に対して、これらの影響を排除して電流不均衡を解消
する上で、柔軟性ある対応が困難であるという問題点が
あった。
【0011】例えば、複数のパワースイッチング素子に
それぞれ接続される複数の電流検出回路の間において
も、これらの電流検出回路を構成する回路要素の特性に
は、製造工程の中で、不可避的な不均一が生み出される
のが通例である。この不均一は、並列に接続されたパワ
ースイッチング素子の間で、主電流の不均一の度合いを
誤って検出する源となり得る。アナログ回路では、主電
流に関する誤った検出の影響を回避することは困難であ
る。このため、第2のアプローチでは、主電流の不均一
の問題を解決するよりも、むしろ、問題を生み出すとい
う、誤ったフィードバック制御が行われる場合も起こり
得た。
【0012】また、電流検出回路だけでなく、パワース
イッチング素子そのものの入出力特性(例えば、IGBTで
は、ゲート電圧VGE対コレクタ電流ICの間の関係)、
パワースイッチング素子の駆動回路の特性、並列接続さ
れる複数のパワースイッチング素子と制御回路とを接続
する配線のレイアウト、および、制御回路自身を構成す
る回路素子の特性などにも、同様に、一般に、不均一が
存在している。そして、アナログ回路として構成される
制御回路では、これらの不均一をも考慮して電流不均衡
の解消を図るという、柔軟で精度の高い制御を実現する
ことが困難であるという問題点があった。
【0013】この発明は、従来の技術における上記した
問題点を解消するためになされたもので、並列接続され
たスイッチング素子の電流不均衡を精度良く解消し、特
に、電流検出回路等をも含む様々な特性上の不均一をも
考慮した柔軟性の高い制御を行い得る駆動制御装置を得
ることを目的としており、さらに、この駆動制御装置が
組み込まれたモジュールおよび複合モジュールを提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明の装置は、並
列接続されたn(≧2)個のスイッチング素子に接続し
て使用され、前記n個のスイッチング素子のn個の主電
流の検出値であるn個の電流検出信号にもとづいて、前
記n個の主電流の大きさをそれぞれ制御するn個の制御
信号を反復的に更新して、前記n個のスイッチング素子
へと供給する駆動制御装置において、前記n個の電流検
出信号を、アナログ形式からデジタル形式へと変換する
A/D変換部と、デジタル形式の前記n個の電流検出信
号にもとづいて、デジタル演算処理を実行することによ
り、前記n個の制御信号を算出する演算部と、前記演算
部で換算された前記n個の制御信号を、デジタル形式か
らアナログ形式へと変換するD/A変換部と、を備えて
いる。そして、前記演算部は、デジタル形式の前記n個
の電流検出信号を前記n個の主電流へと、それぞれ換算
する電流算出部と、前記電流算出部で算出された前記n
個の主電流の平均値を算出し、前記n個の主電流の前記
平均値からの差であるn個の電流偏差を算出する電流偏
差算出部と、前記n個の電流偏差の各々が縮小する方向
に前記n個の制御信号を更新する制御信号算出部と、を
備えている。
【0015】第2の発明の装置は、第1の発明の駆動制
御装置において、前記n個の電流検出信号と前記n個の
主電流とのそれぞれの間の関係を、前記n個のスイッチ
ング素子の各々ごとに個別に規定する較正データを、格
納可能な較正データ記憶部を、さらに備え、前記電流算
出部が、前記較正データ記憶部に格納される前記較正デ
ータにもとづいて、前記n個の電流検出信号を前記n個
の主電流へと換算する。
【0016】第3の発明の装置は、第2の発明の駆動制
御装置において、前記演算部が、前記n個のスイッチン
グ素子の各々に対して、与えられたk(≧1)個の主電
流に対するk個の電流検出信号にもとづいて、前記較正
データを作成し、前記較正データ記憶部へと格納する電
流較正部を、さらに備えている。
【0017】第4の発明の装置は、第1ないし第3のい
ずれかの発明の駆動制御装置において、前記制御信号算
出部は、前記n個の電流偏差に、それぞれ比例した量だ
け変化するように、前記n個の制御信号を更新する。
【0018】第5の発明の装置は、第4の発明の駆動制
御装置において、前記n個の電流偏差と前記n個の制御
信号の変化量とのそれぞれの間の比例関係を、前記n個
のスイッチング素子の各々ごとに個別に規定する変換デ
ータを、格納可能な変換データ記憶部を、さらに備え、
前記制御信号算出部が、前記変換データ記憶部に格納さ
れる前記変換データにもとづいて、前記n個の電流偏差
に、それぞれ比例した量だけ変化するように、前記n個
の制御信号を更新する。
【0019】第6の発明の装置は、第5の発明の駆動制
御装置において、前記演算部が、前記n個のスイッチン
グ素子に共通に付与される飽和電圧の下で、前記n個の
スイッチング素子の各々について、m(≧2)個の制御
信号を出力し、その結果前記電流算出部によって得られ
たm個の主電流と、出力した前記m個の制御信号とにも
とづいて、主電流と制御信号の間の変化率として、前記
変換データを作成し、前記変換データ記憶部へと格納す
る変換データ算出部を、さらに備えている。
【0020】第7の発明の装置は、第6の発明の駆動制
御装置において、前記変換データ記憶部が、前記n個の
スイッチング素子が動作中に取り得る最大の飽和電圧の
下で、前記変換データ算出部によって作成された前記変
換データを格納している。
【0021】第8の発明の装置は、第1ないし第7のい
ずれかの発明の駆動制御装置において、前記演算部が、
プログラムにもとづいて動作するCPUと、前記プログ
ラムを格納するメモリとを備え、前記演算部に含まれる
各部は、前記CPUと前記メモリとによって、等価的に
構成されている。
【0022】第9の発明の装置は、モジュールであっ
て、第1ないし第8のいずれかの発明の駆動制御装置
と、前記n個のスイッチング素子の一つとしての主素子
と、当該主素子の主電流を検出し電流検出信号を出力す
る電流検出部と、を備えており、前記駆動制御装置に
は、前記n個の電流検出信号の一つとして、前記電流検
出部が出力する前記電流検出信号が入力され、前記駆動
制御装置が、前記n個の制御信号の一つを、前記主素子
へ供給する。
【0023】第10の発明の装置は、複合モジュールで
あって、第1ないし第8のいずれかの発明の駆動制御装
置と、前記n個のスイッチング素子と、これらn個のス
イッチング素子のn個の主電流を、それぞれ検出するこ
とにより、前記n個の電流検出信号を得て、前記駆動制
御装置へと供給するn個の電流検出部と、を備えてお
り、前記駆動制御装置が、前記n個の制御信号を、前記
n個のスイッチング素子へ、それぞれ供給する。
【0024】第11の発明の装置は、第10の発明の複
合モジュールにおいて、前記n個のスイッチング素子
と、前記n個の電流検出部とが、n個のケースの中に、
それぞれ、個別に組み込まれており、前記n個の電流検
出部の各々が、前記n個のスイッチング素子の中で、同
一のケースに組み込まれたスイッチング素子の主電流を
検出する。
【0025】第12の発明の装置は、第11の発明の複
合モジュールにおいて、前記n個のケースの中の一つ
に、前記駆動制御装置が、さらに組み込まれている。
【0026】
【発明の実施の形態】<1.実施の形態1>はじめに、実
施の形態1の駆動制御装置、モジュール、および、複合
モジュールについて説明する。
【0027】<1-1.概略構成>図1は、実施の形態1の
複合モジュールの全体構成を示すブロック図である。こ
の複合モジュール250は、モジュール601〜60
n(n≧2)を備えている。モジュール601〜60n
は、それぞれ、スイッチング素子801〜80n、電流検
出部901〜90n、駆動部701〜70n、および、電流
検出信号増幅部911〜91nが備わっている。
【0028】また、モジュール601〜60nには、単一
の主モジュール601と、少なくとも1個の副モジュー
ル602〜60nとが含まれている。主モジュール601
には、駆動制御装置50が、さらに備わっている。この
ように、この明細書における「モジュール」とは、主電
流をスイッチングするスイッチング素子と、この素子に
接続された周辺回路とを含む複数の要素が、単一の装置
として取り扱いが可能なように、組み込まれて成る装置
を意味する。そして、「複合モジュール」とは、複数の
モジュールが互いに接続されることによって、形作られ
る装置を意味する。
【0029】図示を略するが、モジュール601〜60n
の各々では、好ましくは、スイッチング素子を含む複数
の回路素子が、回路基板に搭載され、この回路基板が単
一のケースに収納され、さらに、回路基板には複数の外
部端子が接続され、ケースの外部にこれらの外部端子の
端部が露出している。それによって、モジュール60 1
〜60nの各々は、単一の装置としての取り扱いが可能
となっている。
【0030】モジュール601〜60nの各々のケースか
ら露出する外部端子に、配線を接続することによって、
モジュール601〜60nの間の接続、および、モジュー
ル601〜60nと外部の装置との接続が実現される。図
1では、モジュール601〜60nをそれぞれ表現する枠
に沿って並んでいる「白丸」符号が、これらの外部端子
を表現している。
【0031】スイッチング素子801〜80nの各々は、
一般には、制御電極へ入力される信号に応答して、一対
の主電極を通じて流れる主電流の大きさを制御する半導
体素子であるが、好ましくは、パワーIGBT、パワーバイ
ポーラトランジスタ、および、パワーMOSFETなどのパワ
ー(電力用)スイッチング素子である。中でも、パワー
IGBTは、導通(オン)状態での一対の主電極間の電圧で
ある飽和電圧VCE(sat)が低く、しかも、制御が容易な
電圧制御型であるという利点を有している。このため、
以下の説明では、スイッチング素子801〜80nの各々
が、パワーIGBTである例を取り上げる。
【0032】パワーIGBTであるスイッチング素子801
〜80nの間で、一対の主電極(すなわち、コレクタ電
極とエミッタ電極)は、互いに接続されている。すなわ
ち、n個のコレクタ電極は、モジュール601〜60n
備わる負荷端子V+を通じて、互いに共通に接続されて
いる。また、n個のエミッタ電極は、モジュール601
〜60nに備わる負荷端子V-を通じて、互いに共通に接
続されている。負荷端子V+および負荷端子V-は、外部
の電源および負荷を接続するための端子である。このよ
うにして、スイッチング素子801〜80nは、互いに並
列に接続されている。
【0033】モジュール601〜60nには共通に、電圧
信号としての入力信号VINが、外部から入力される。ス
イッチング素子801〜80nは、この入力信号VINに応
答して、互いに同時に、オン(導通)およびオフ(遮
断)する。すなわち、スイッチング素子801〜80n
全体として、あたかも単一のパワーIGBTであるかのよう
に動作する。
【0034】スイッチング素子801〜80nの制御電極
(すなわち、ゲート電極)は、それぞれ、駆動部701
〜70nを通じて、互いに接続されている。したがっ
て、入力信号VINは、駆動部701〜70nを通じて、あ
る種の変換を受けた上で、それぞれ、スイッチング素子
801〜80nのゲート電極へ入力される。駆動部701
〜70nは、入力信号VINを変換する際に、スイッチン
グ素子801〜80nをオンさせるためのゲート電圧(エ
ミッタ電極を基準としたゲート電極の電位)の高さを、
駆動制御装置50から送られる駆動制御電圧(制御信
号)VD1〜VDnにもとづいて、調節する。
【0035】駆動制御装置50は、スイッチング素子8
1〜80nのそれぞれの主電流(すなわち、コレクタ電
流)の大きさを表現する電流センス電圧(電流検出信
号)VCS1〜VCSnにもとづいて、これらのコレクタ電流
の間の不均一を減殺するように、駆動制御電圧VD1〜V
Dnを算出する。すなわち、駆動制御装置50は、並列接
続されたスイッチング素子801〜80nの間での電流不
均衡を解消するように、スイッチング素子801〜80n
の主電流を、フィードバック制御する装置である。後述
するように、駆動制御装置50は、デジタル信号処理を
通じて、フィードバック制御を実行する。
【0036】スイッチング素子801〜80nのエミッタ
電極へ、それぞれ、接続された電流検出部901〜90n
によって、スイッチング素子801〜80nのコレクタ電
流が、それぞれ、検出される。その結果、電流検出部9
1〜90nから、コレクタ電流の検出値としての電流セ
ンス電圧VCS1〜VCSnが生成される。電流センス電圧V
CS1〜VCSnは、電流検出信号増幅部911〜91nで増幅
された後に、駆動制御装置50へと伝送される。
【0037】モジュール601〜60nの各々に備わる複
数の外部端子の中には、電源電圧の供給を受けるための
正極電源端子VDDおよび負極電源端子COMが含まれる。
駆動制御装置50および電流検出信号増幅部911〜9
nには、これらの電源端子を通じて電源電圧が供給さ
れる。また、モジュール601〜60nには、各要素を互
いに接続するための配線が配設されている。
【0038】例えば、配線741〜74nは、それぞれ、
駆動部701〜70nと、スイッチング素子801〜80n
のゲート電極とを接続する。配線751〜75nは、それ
ぞれ、駆動部701〜70nと、スイッチング素子801
〜80nのエミッタ電極とを接続する。また、配線991
〜99nは、それぞれ、電流検出部901〜90nと、電
流検出信号増幅部911〜91nとを接続する。
【0039】<1-2.各要素の構成>図2は、駆動制御装
置50の内部構成を示すブロック図である。駆動制御装
置50には、信号処理部51、記憶部56、および、出
力増幅部55が備わっている。また、信号処理部51に
は、A/D変換部52、演算部53、および、D/A変
換部54が備わっている。さらに、出力増幅部55に
は、バッファ551〜55nが備わっている。
【0040】記憶部56は、電源なしで記憶内容を保持
できる半導体メモリ、例えば、ROM、および、電池で
バックアップされたスタティックRAMで構成されるの
が望ましい。特に望ましくは、書き込みが容易で、バッ
クアップ電池が不要な、EPROMが用いられる。A/
D変換部52およびD/A変換部54には、周知のA/
DコンバータおよびD/Aコンバータが、それぞれ、利
用可能である。
【0041】信号処理部51は、電流センス電圧VCS1
〜VCSnを受信し、これに処理を施すことによって、駆
動制御電圧VD1〜VDnを算出する。信号処理部51へ入
力されたアナログ形式の電流センス電圧VCS1〜V
CSnは、A/D変換部52で、デジタル形式の信号へと
変換される。演算部53は、デジタル形式の電流センス
電圧VCS1〜VCSnに対して、所定のデジタル演算処理を
実行することによって、デジタル形式の駆動制御電圧V
D1〜VDnを、算出する。演算部53は、演算処理を実行
する際に、記憶部56をアクセスする。デジタル形式の
駆動制御電圧VD1〜VDnは、D/A変換部54によっ
て、アナログ形式の信号へと変換される。
【0042】出力増幅部55は、信号処理部51で算出
された駆動制御電圧VD1〜VDnを増幅する。すなわち、
出力増幅部55へ入力されるアナログ形式の駆動制御電
圧VD1〜VDnは、バッファ551〜55nによって、それ
ぞれ増幅される。増幅された駆動制御電圧VD1〜V
Dnは、それぞれ、駆動部701〜70nへと伝送される。
【0043】図3は、駆動部701〜70nを代表して、
駆動部701の内部構成を示す回路図である。他の駆動
部702〜70nも、この駆動部701と同一に構成され
る。駆動部701には、直列に接続されたpチャネル型
のMOSFET71とnチャネル型のMOSFET72で構成される
インバータが備わる。MOSFET72のソース電極は配線7
1へと接続され、MOSFET71のソース電極には駆動制
御電圧VD1が入力される。インバータの入力、すなわ
ち、互いに共通に接続されたMOSFET71,72のゲート
電極には、入力信号VINが入力される。インバータの出
力、すなわち、互いに接続されたMOSFET71,72のド
レイン電極には、抵抗素子Rgを通じて、配線741へと
接続されている。
【0044】したがって、駆動部701へ入力された入
力信号VINは、信号レベル(ハイレベルまたはローレベ
ル)が反転された上で、配線741へと出力される。し
かも、駆動制御電圧VD1が、インバータの電源電圧とし
て、駆動部701へ供給されているので、配線741へ出
力されるハイレベルの信号の電圧の高さは、駆動制御電
圧VD1に一致する。
【0045】配線741へ出力される信号は、スイッチ
ング素子801のゲート電圧(制御信号)VGEとなる。
ハイレベルの信号が出力されると、スイッチング素子8
1はオンし、ローレベルの信号が出力されると、スイ
ッチング素子801はオフする。したがって、スイッチ
ング素子801をオンするためのゲート電圧VGEは、駆
動制御電圧VD1に一致する。
【0046】したがって、スイッチング素子801がオ
ンしたときにスイッチング素子801を流れるコレクタ
電流の大きさが、駆動制御電圧VD1の高さによって調節
される。駆動制御電圧VD1が高いほど、コレクタ電流は
大きくなる。このように、駆動制御装置50は、駆動部
701〜70nを通じて、スイッチング素子801〜80n
のゲート電圧を調整し、それによって、スイッチング素
子801〜80nのコレクタ電流の大きさを制御する。
【0047】図4〜図6は、電流検出部901〜90n
3通りの好ましい内部構成を示す回路図である。これら
の図は、いずれも、電流検出部901〜90nを代表し
て、電流検出部901を示している。他の電流検出部9
2〜90nも、電流検出部901と同一に構成される。
【0048】図4に示す例では、電流検出部901は、
抵抗素子Rshを備えている。この抵抗素子Rshは、スイ
ッチング素子801のエミッタ電極と負荷端子V-との間
に介挿されている。このため、抵抗素子Rshには、スイ
ッチング素子801のコレクタ電流が流れる。したがっ
て、抵抗素子Rshには、コレクタ電流に比例した電圧降
下が発生する。この電圧降下の高さが、エミッタ電極と
抵抗素子Rshとの接続点に接続されている配線991
通じて、電流センス電圧VCS1として伝送される。
【0049】図5に示す例でも、電流検出部901は、
抵抗素子Rshを備えている。ただし、スイッチング素子
801は、マルチエミッタ型の素子であり、コレクタ電
流の大部分が流れるエミッタ電極と、微小部分が流れる
センス電極とを備えている。センス電極を流れるセンス
電流は、コレクタ電流に比例する。エミッタ電極は、負
荷端子V-へ接続されている。
【0050】抵抗素子Rshは、センス電極と、負極電源
端子COMへ接続される配線との間に介挿されている。こ
のため、抵抗素子Rshには、スイッチング素子801
センス電流が流れる。したがって、抵抗素子Rshには、
スイッチング素子801のコレクタ電流に比例した電圧
降下が発生する。この電圧降下の高さが、センス電極と
抵抗素子Rshとの接続点に接続されている配線991
通じて、電流センス電圧VCS1として伝送される。
【0051】図6に示す例では、電流検出部901は、
ホール素子94を備えている。ホール素子94は、スイ
ッチング素子801のエミッタ電極と負荷端子V-とを接
続する配線を流れる電流を検出し、電流に比例した電圧
信号を、電流センス電圧VCS1として出力する。電流セ
ンス電圧VCS1は、ホール素子94に接続された配線9
1を通じて伝送される。
【0052】図6の例では、ホール素子94が用いられ
るので、電流検出の精度が高いという利点がある。これ
に対して、図4および図5の例では、電流検出部901
の製造に要するコストが低廉であり、しかも、サイズを
小さくすることができるという利点がある。特に、図5
の例では、抵抗素子Rshを流れる電流が微小であるため
に、電力損失が低く、しかも、抵抗素子Rshを低電力の
素子として構成し得るという利点がある。
【0053】図7は、電流検出信号増幅部911〜91n
を代表して、電流検出信号増幅部911の内部構成を示
す回路図である。他の電流検出信号増幅部912〜91n
も、電流検出信号増幅部911と同一に構成される。電
流検出信号増幅部911には、演算増幅器95、およ
び、抵抗素子R1,R2が備わっている。抵抗素子R1は、演
算増幅器95の出力と反転入力との間に介挿されること
により、負帰還ループを形成している。抵抗素子R2は、
反転入力と、負極電源端子COMに接続される配線との間
に介挿されている。
【0054】このように、電流検出信号増幅部91
1は、演算増幅器を用いた周知の非反転増幅器として構
成されている。電流検出部901から出力された電流セ
ンス電圧VCS1は、配線991を通じて、演算増幅器95
の非反転入力へと伝送される。その結果、演算増幅器9
5の出力から、増幅された電流センス電圧VCS1が出力
される。増幅された電流センス電圧VCS1は、駆動制御
装置50へと伝送される。
【0055】<1-3.演算部の処理の概略>つぎに、演算
部53で実行される演算処理の概略を説明する。図8
は、スイッチング素子801〜80nに用いられるIGBTの
出力特性を示すグラフである。すなわち、図8には、様
々なゲート電圧VGE(i)(ここで、i=1〜6であり、
GE(i+1)>VGE(i)である)に対するコレクタ電流IC
と飽和電圧VCE(sat)との間の関係が示されている。
【0056】図8が示すように、飽和電圧V
CE(sat)は、コレクタ電流ICとゲート電圧VGEとに、お
およそ比例して変化する。このため、不均一な飽和電圧
CE(sat)を有し、並列接続されたスイッチング素子8
1〜80nに対して、演算部53は、低い飽和電圧V
CE(sat)を有するスイッチング素子(大きなコレクタ電
流ICが流れる素子)に対しては、駆動制御電圧を低く
し、逆に、高い飽和電圧VCE(sat)を有するスイッチン
グ素子(小さいコレクタ電流ICが流れる素子)に対し
ては、駆動制御電圧を高くすることによって、並列接続
されたスイッチング素子の間での電流不均衡を解消す
る。
【0057】このことは、図9および図10を用いて、
さらに説明することができる。図9は、飽和電圧V
CE(sat)が不均一な3個のIGBTの試料#1,#2,#3の出力特
性を示している。また、図10は、一定のコレクタ電流
Cの下での3個の試料#1,#2,#3の入出力特性、すなわ
ち、飽和電圧VCE(sat)対ゲート電圧VGEの関係を示し
ている。
【0058】3個の試料#1,#2,#3が並列に接続されたと
きには、それらは、図9および図10において、直線V
−V’で描かれるように、同一のVCE(sat)の下で動作
する。したがって、もしも、3個の試料#1,#2,#3へ同一
のゲート電圧VGEが供給されるならば、それらには、図
9において動作点a1,b1,および,c1で規定され
る異なる大きさのコレクタ電流ICが流れることとな
る。
【0059】すなわち、一定のゲート電圧VGEの下で
は、試料#1にはIC(#1)が流れ、試料#2にはIC(#2)が流
れ、そして、試料#3にはIC(#3)が流れる。このよう
に、コレクタ電流ICが不均一な状態、すなわち、電流
不均衡の状態が出現する。その結果、最も大きなコレク
タ電流ICが流れる試料#3は、高い電流ストレスを被る
こととなる。
【0060】一方、図10は、3個の試料#1,#2,#3が、
動作点a2,b2,c2で規定される異なる高さのゲー
ト電圧VGE、すなわち、VGE(#1),VGE(#2),VGE(#3)
で駆動されるときに、同一の飽和電圧VCE(sat)の下
で、同一のコレクタ電流ICが流れ、望ましい電流平衡
の状態が達成されることを例示している。演算部53
は、このように、適切なVGE(#1),VGE(#2),VGE(#3)
を算出することによって、電流平衡を実現する。演算部
53で算出され、D/A変換され、さらに出力増幅部5
5で増幅された後に、駆動制御装置50から出力される
駆動制御電圧VD1〜VDnは、スイッチング素子801
80nのゲート電圧VGEに相当する。
【0061】<1-4.演算部の処理の詳細>つぎに、演算
部53の演算処理について、詳細に説明する。演算部5
3は、マイクロプロセッサに代表されるCPUと、この
CPUの動作を規定するプログラムが格納されたメモリ
とを、内部に含んでいる。それによって、演算部53
は、特徴ある演算処理を実行する。しかしながら、プロ
グラムにもとづいて動作する演算部53の代わりに、プ
ログラムを搭載しないハードウェアで、演算部53を構
成することも可能である。
【0062】図11は、演算部53がハードウェアで構
成された場合に、その内部構成の特徴部分の望ましい例
を示すブロック図である。すなわち、図11は、演算部
53の特徴的な機能を等価的に表現する機能図として位
置づけられる。図11が示すように、演算部53には、
等価的に、電流算出部501、電流偏差算出部502、
制御信号算出部503、反復制御部504、電流較正部
505、および、変換データ算出部506が備わる。
【0063】電流算出部501は、電流センス電圧V
CS1〜VCSnにもとづいて、スイッチング素子801〜8
nのコレクタ電流I1〜Inを算出する。このとき、電
流算出部501は、記憶部56に含まれる較正データ記
憶部507に格納される較正データを参照する。電流セ
ンス電圧VCS1〜VCSnを、コレクタ電流I1〜Inへと換
算するための較正データは、複合モジュール250の使
用に先だって、電流較正部505によって作成され、較
正データ記憶部507へと格納される。
【0064】電流偏差算出部502は、電流算出部50
1で得られたコレクタ電流I1〜Inにもとづいて、電流
偏差ΔI1〜ΔInを算出する。電流偏差ΔI1〜ΔI
nは、コレクタ電流I1〜Inの平均値からの、コレクタ
電流I1〜Inの偏差に、それぞれ、相当する。
【0065】制御信号算出部503は、電流偏差算出部
502が出力する電流偏差ΔI1〜ΔInにもとづいて、
これらの電流偏差ΔI1〜ΔInを減殺するように、駆動
制御電圧VD1〜VDnを算出する。このとき、制御信号算
出部503は、記憶部56に含まれる変換データ記憶部
508に格納される変換データを参照する。電流偏差Δ
1〜ΔInと、駆動制御電圧VD1〜VDnの変化量との間
の関係を規定する変換データは、複合モジュール250
の使用に先だって、変換データ算出部506によって作
成され、変換データ記憶部508へと格納される。
【0066】電流算出部501、電流偏差算出部50
2、および、制御信号算出部503は、複合モジュール
250が使用される際に、演算処理を反復して実行す
る。反復制御部504は、この反復動作を制御する。
【0067】図12は、演算部53における処理の手順
を示すフローチャートである。処理が開始される(ステ
ップ100)と、まず、ステップ101において、駆動
制御電圧VD1〜VDnが、共通のデフォルト値(初期値)
に設定される。この処理は、制御信号算出部503によ
って実行される。デフォルト値は、例えば、15Vであ
る。したがって、この段階では、スイッチング素子80
1〜80nのゲート電圧VGEは、すべて、例えば15Vの
値に設定される。
【0068】つぎに、ステップ102において、電流セ
ンス電圧VCS1〜VCSnが入力される。この電流センス電
圧VCS1〜VCSnは、n個のゲート電圧VGEが、デフォル
ト値で与えられたときのコレクタ電流I1〜Inの検出値
に相当する。つづいて、ステップ103において、入力
された電流センス電圧VCS1〜VCSnにもとづいて、コレ
クタ電流I1〜Inが算出される。
【0069】このとき、較正データ記憶部507に記憶
される較正データが用いられる。各スイッチング素子8
iに対して、コレクタ電流Iiと電流センス電圧VCSi
の関係が、図13に示されるように、一次関数(直線関
係)で表現されるときには、二つの定数、例えば、オフ
セット電圧VOFFSETiと、直線の傾きであるスケーリン
グ係数Giとが、較正データとして選ばれる。後述する
ように、較正データは、スイッチング素子801〜80n
の各々に対して、個別に求められている。
【0070】較正データとして、オフセット電圧V
OFFSETiとスケーリング係数Giとが選ばれるときには、
コレクタ電流Iiは、 Ii=Gi×(VCSi−VOFFSETi) ・・・・(数式1) で与えられる。以上のステップ102および103の演
算処理は、電流算出部501によって実行される。
【0071】つぎに、ステップ104において、コレク
タ電流I1〜Inの平均値である平均電流IAVGが算出さ
れる。平均電流IAVGは、単純平均処理、すなわち、 IAVG=(I1+I2+・・+In)/n ・・・・(数式2) にもとづく演算を通じて算出される。その後、ステップ
105において、電流偏差ΔI1〜ΔInが算出される。
電流偏差ΔIiは、 ΔIi=IAVG−Ii ・・・・(数式3) にもとづいて算出される。以上のステップ104および
105の演算処理は、電流偏差算出部502によって実
行される。
【0072】つぎに、ステップ106において、電流偏
差ΔI1〜ΔInにもとづいて、現在値としての駆動制御
電圧VD1〜VDnに付加すべき駆動制御電圧偏差ΔVD1
ΔVDnが算出される。駆動制御電圧偏差ΔVDiは、駆動
制御電圧VDiの更新すべき値と現在値との差、すなわ
ち、更新量に相当する。駆動制御電圧偏差ΔVDiの値
は、電流偏差ΔIiを減殺するような大きさに算出され
る。
【0073】このとき、変換データ記憶部508に記憶
される変換データが用いられる。変換データとして、例
えば、コレクタ電流Iiと駆動制御電圧VDiの間の関係
を規定する曲線の変化率に相当する乗算係数Kijが選ば
れる。後述するように、乗算係数Kijは、スイッチング
素子80i(i=1〜n)の各々に対して、個別に求め
られる。同時に、乗算係数Kijは、駆動制御電圧VDi
複数の値VDijの各々に対しても、個別に求められる。
【0074】したがって、変換データとして乗算係数K
ijが選ばれるときには、駆動制御電圧偏差ΔVDiは、駆
動制御電圧VDiの現在値に最も近い値VDijに対応する
乗算係数Kijを用いて、 ΔVDi=Kij×ΔIi ・・・・(数式4) にもとづいて算出される。つづいて、ステップ107に
おいて、駆動制御電圧VDiの更新値、すなわち、新たな
値が、算出される。駆動制御電圧VDiの更新値は、 VDi(更新値)=VDi(現在値)+ΔVDi ・・・・(数式5) にもとづいて算出される。
【0075】つぎに、ステップ108〜111によっ
て、更新値としての駆動制御電圧VDiに対して、所定
の下限値VDminから所定の上限値VDmaxまでの範囲
を超えないように、制限が加えられる。すなわち、ステ
ップ107で算出された駆動制御電圧VDiが下限値V
Dminを超えて小さいときには、駆動制御電圧VDiは下限
値VDminへと再設定される。また、ステップ107で算
出された駆動制御電圧VDiが上限値VDmaxを超えて大き
いときには、駆動制御電圧VDiは上限値VDmaxへと再設
定される。
【0076】つぎに、ステップ112において、最終的
に確定された更新値としての駆動制御電圧VD1〜VDn
出力される。以上のステップ106〜111の演算処理
は、制御信号算出部503によって実行される。ステッ
プ112が終了すると、演算処理は、ステップ102へ
と戻る。このようにして、ステップ102〜112の処
理が、反復的に実行される。それにともなって、電流算
出部501、電流偏差算出部502、および、制御信号
算出部503は、それぞれの演算処理を、反復的に実行
する。これらの装置部における反復的な演算処理のタイ
ミングは、反復制御部504によって制御される。
【0077】以上に示したように、演算部53は、デジ
タル信号を処理対象とするので、電流不平衡、特に、並
列接続されるスイッチング素子の飽和電圧VCE(sat)
不均一に由来する電流不平衡を解消する制御が、高い精
度で行われ得る。しかも、NPT-IGBT(非パンチスルー型
のIGBT)などの正の温度係数を持ったスイッチング素
子、すなわち、温度が高いほど飽和電圧VCE(sat)が高
くなりコレクタ電流ICが抑えられるという自己制御性
を持ったスイッチング素子だけでなく、PT-IGBT(パン
チスルー型のIGBT)などの負の温度係数を持ったスイッ
チング素子、すなわち、温度が高いほど飽和電圧V
CE(sat)が低くなりコレクタ電流ICが増加するという特
性を持ったスイッチング素子に対しても、電流不平衡を
解消し、特定の素子への過大な負担の集中を回避するこ
とができる。
【0078】特に、後述するように、較正データおよび
変換データが、各スイッチング素子801〜80nごとに
個別に準備され、しかも、電流検出部901〜90nおよ
び駆動部701〜70nの特性上の不均一、並びに、各モ
ジュール601〜60nに接続される配線の特性上の不均
一をも考慮した値として準備される。このため、電流不
平衡を解消するための制御が、さらに高精度で実現す
る。
【0079】<1-5.較正データの作成>つぎに、複合モ
ジュール250の使用(すなわち、通常動作)に先だっ
て行われる較正データの作成の手順について説明する。
較正データを作成する際には、図14の回路図に示すよ
うに、較正用の外部装置が、モジュール601〜60n
各々に、順に接続される。図14では、電源251、抵
抗素子252、および、電流計253が直列に接続され
た直列回路が、較正用の外部装置として、モジュール6
iの負荷端子V+と負荷端子V-との間に接続されてい
る。
【0080】アクティブレベルの入力信号VINが入力さ
れると、スイッチング素子80iはオンする。このと
き、スイッチング素子80iのゲート電圧VGE(i)は、駆
動制御電圧VDiに一致する。スイッチング素子80i
は、駆動制御電圧VDiに応じたコレクタ電流Iiが流れ
る。このコレクタ電流Iiの大きさは、電源251が供
給する電源電圧VCCの高さにも依存する。
【0081】電源電圧VCCを調節することによって、電
流計253が表示するコレクタ電流Iiの大きさが、
(一個ないし複数個の)所定の参照電流IREFの値に設
定される。そのときに得られる電流センス電圧VCSi
もとづいて、モジュール60iに関する較正データが、
演算部53によって作成され、さらに較正データ記憶部
507へと記憶される。同様の手順が、モジュール60
1〜60nのすべてに対して実行される。
【0082】較正データを作成する手順は、図15のフ
ローチャートに、より詳細に示される。ステップ200
において、処理が開始されると、較正の対象としてのモ
ジュール60iが、モジュール601に設定される。すな
わち、変数iが、i=1に設定される。このとき、図1
4に示した較正用の外部装置は、操作員(通常は、複合
モジュール250の製造者側ではなく利用者側に属する
操作員)によって、モジュール60iへと接続される。
【0083】つぎに、ステップ201において、電源2
51が操作員によって操作されることにより、電源電圧
CCが0Vに設定される。つづいて、電流センス電圧V
CSiが、演算部53へと入力される(ステップ20
2)。この電流センス電圧VCSiは、図13に示したオ
フセット電圧VOFFSETiに相当する。その後、演算部5
3へ力された電流センス電圧VCSiは、オフセット電圧
OFFSETiとして、較正データ記憶部507へ格納され
る(ステップ203)。この処理は、電流較正部505
によって実行される。
【0084】つぎに、ステップ204において、電源2
51が操作員によって操作されることにより、コレクタ
電流Iiが、あらかじめ定められた参照電流IREFに一致
するように、電源電圧VCCが調節される。つづいて、電
流センス電圧VCSiが、演算部53へと入力される(ス
テップ205)。この電流センス電圧VCSiは、図13
に示した参照電圧VREFiに相当する。その後、演算部5
3へ力された電流センス電圧VCSiは、参照電圧VREFi
として、較正データ記憶部507へ格納される(ステッ
プ206)。この処理も、電流較正部505によって実
行される。
【0085】つぎに、電流較正部505は、較正データ
記憶部507へ格納されているオフセット電圧V
OFFSETiと参照電圧VREFiと、あらかじめ定められてい
る参照電流IREFとにもとづいて、スケーリング係数Gi
を算出する(ステップ207)。スケーリング係数Gi
は、 Gi=IREF/(VREFi−VOFFSETi) ・・・・(数式6) にもとづいて算出される。算出されたスケーリング係数
iは、電流較正部505によって、較正データ記憶部
507へと格納される(ステップ208)。このように
して、較正データ記憶部507には、モジュール601
に関する較正データとして、オフセット電圧VOFFSETi
と参照電圧VREFiとが格納される。
【0086】つぎに、ステップ209において、変数i
がモジュール601〜60nの個数nへ一致しているか否
かが判定される。変数iが個数nに満たないとき、すな
わち、モジュール601〜60nのすべてに対して、較正
データが得られるには至っていないときには、処理はス
テップ211へと移行し、変数iが1だけインクリメン
トされる。すなわち、つぎの新たなモジュール60
iが、較正の対象とされる。その後、処理は、ステップ
201へと戻る。逆に、変数iが個数nに一致している
とき、すなわち、モジュール601〜60nのすべてに対
して、較正データが得られているときには、処理は完了
する(ステップ210)。
【0087】以上のように、モジュール601〜60n
各々に対して、個別に較正データが得られる。しかも、
抵抗素子Rshの抵抗値の不均一など、電流検出部901
〜90nにおける特性上の不均一だけでなく、モジュー
ル601〜60nに接続される配線のレイアウト等に由来
する、これらの配線における特性上の不均一も、較正デ
ータの値に反映されている。
【0088】A/D変換部52などの駆動制御装置50
の内部の装置部分における誤差も、較正データに反映さ
れている。したがって、このような幅広い不均一や誤差
をも考慮して、電流不均衡の解消を図る制御を、高い精
度で実行することが可能となる。また、図15のフロー
チャートに示した例では、2点較正法が用いられてい
る。したがって、オフセット電圧VOFFSETiをも考慮し
た制御が可能となる。このことも、高い精度での制御に
寄与する。
【0089】演算部53が、デジタル信号を処理対象と
しており、特に、演算部53が、プログラムを格納した
メモリと、このプログラムにもとづいて動作するCPU
とを備えるために、以上に述べた多種類の不均一や誤差
を考慮した制御、および、2点較正法をも用いた複雑な
制御が、容易に実現される。すなわち、簡単な構成で、
様々な誤差要因に対応した柔軟な制御が、容易に達成さ
れる。
【0090】なお、図15のフローチャートには、参照
電流IREFの個数kが、k=2である2点較正法を用い
た例を示したが、3点以上(k≧3)の較正法を用いる
ことも可能である。また、オフセット電圧VOFFSETi
無視できるほどに低い場合には、1点(k=1)較正法
を用いることも可能である。1点較正法では、例えば、
オフセット電圧VOFFSETiは算出されず、スケーリング
係数Giのみが較正データとして算出され、較正データ
記憶部507へ格納される。
【0091】<1-6.変換データの作成>つぎに、複合モ
ジュール250の使用に先だって、較正データの作成と
並んで行われる変換データの作成の手順について説明す
る。変換データを作成する際には、図16の回路図に示
すように、測定用の外部装置が、モジュール601〜6
nの各々に、順に接続される。図16では、電源35
1が、測定用の外部装置として、モジュール60iの負
荷端子V+と負荷端子V-との間に接続されている。
【0092】アクティブレベルの入力信号VINが入力さ
れると、スイッチング素子80iはオンする。このと
き、スイッチング素子80iのゲート電圧VGE(i)は、駆
動制御電圧VDiに一致するので、スイッチング素子80
iには、駆動制御電圧VDiに応じたコレクタ電流Iiが流
れる。このコレクタ電流Iiの大きさは、電源351が
供給する電源電圧VPULSEの高さにも依存する。なお、
電源351は、負荷としての抵抗素子等を介することな
く、負荷端子V+,V-へ直接に接続されるので、スイッ
チング素子80iへ損傷を与えることのないように、電
源電圧VPULSEをパルス状に発生する。
【0093】電源351が、負荷端子V+,V-へ直接に
接続されているので、スイッチング素子80iがオンし
ているときには、電源電圧VPULSEは、飽和電圧V
CE(sat)に一致する。抵抗素子Rshにおける電圧降下
は、電源電圧VPULSEに比べると無視できる。電源35
1を操作することによって、電源電圧VPULSEが所定の
値に設定される。そのときに、様々な駆動制御電圧VDi
の値に対して得られる電流センス電圧VCSiにもとづい
て、モジュール60iに関する変換データが、演算部5
3の内部で作成され、変換データ記憶部508へと記憶
される。同様の手順が、モジュール601〜60nのすべ
てに対して実行される。
【0094】図17は、スイッチング素子801〜80n
の一つにおける入出力特性、すなわち、飽和電圧V
CE(sat)を様々に変えたときのゲート電圧VGEとコレク
タ電流ICとの間の関係を示すグラフである。飽和電圧
CE(sat)が一定の下では、コレクタ電流ICはゲート電
圧VGEとともに増加する。また、同一のゲート電圧VGE
の下では、飽和電圧VCE(sat)が高いほど、コレクタ電
流ICは大きくなる。
【0095】コレクタ電流IC対ゲート電圧VGEの曲線
の傾き、すなわち、変化率は、飽和電圧VCE(sat)が高
いほど大きくなる。この変化率の逆数を、乗算係数Kと
定義する。したがって、乗算係数Kは、飽和電圧V
CE(sat)が高いほど、小さくなる。図12に示したよう
に、この乗算係数Kが、変換データとして利用される。
【0096】しかしながら、演算部53は、複合モジュ
ール250が使用されているときに、使用条件に応じて
時々刻々変化し得る飽和電圧VCE(sat)の実際値を認識
することはできない。すなわち、飽和電圧VCE(sat)
フィードバックされない。したがって、演算部53は、
単一のステップで、すなわち、駆動制御電圧VDiを一回
算出しただけで、電流不均衡を解消することは、一般に
は不可能である。このため、乗算係数Kとして、あらか
じめ求められた一定の値が利用され、図12に示したル
ープが幾度も反復されることによって、電流不均衡の解
消が達成される。
【0097】モジュール60iに対する乗算係数Kiが大
きいと、算出された電流偏差ΔIiの値に対して、駆動
制御電圧偏差ΔVDiの値が大きく算出される。その結
果、電流偏差ΔIiが正および負の方向に、大きく変動
する恐れが生じる。このため、乗算係数Kiの値は、電
流偏差ΔIiが、符号を逆転することなくゼロへと収束
する程度に、小さく抑えられることが望ましい。
【0098】図17のグラフから明らかなように、モジ
ュール60iが動作可能な範囲で最も高い飽和電圧V
CE(sat)HIの下、例えば、飽和電圧VCE(sat)の最大定格
値の下での乗算係数Kiを、変換データとして利用する
ならば、電流偏差ΔIiが大きく変動する恐れはなく、
しかも、不必要に乗算係数Kiを小さく設定する恐れも
ない。すなわち、電流偏差ΔIiを滑らかに、かつ、速
やかにゼロへと収束させることが可能となる。
【0099】さらに、モジュール601〜60nの間で、
飽和電圧VCE(sat)の値が共通であっても、乗算係数Ki
は、必ずしも同一にはならない。したがって、モジュー
ル601〜60nの各々について、個別に乗算係数Ki
算出するのが、さらに望ましい。演算部53は、変換デ
ータを、このような最も望ましい方法で算出する。
【0100】変換データを作成する手順は、図18のフ
ローチャートに、より詳細に示される。ステップ300
において、処理が開始されると、計算の対象としてのモ
ジュール60iが、モジュール601に設定される。すな
わち、変数iが、i=1に設定される。このとき、図1
6に示した電源351は、操作員によって、モジュール
60iへと接続される。さらに、複数の駆動制御電圧V
Diの値を識別する変数jが初期値"1"へ設定される。
【0101】つぎに、ステップ301において、電源3
51が操作員によって操作されることにより、電源電圧
PULSEが、あらかじめ定められた飽和電圧VCE(sat)HI
へと設定される。所定の飽和電圧VCE(sat)HIは、例え
ば、スイッチング素子801〜80nの飽和電圧V
CE(sat)の最低の定格値に相当する。つづいて、駆動制
御電圧VDiの値が、所定の駆動制御電圧VDijの値に設
定され(ステップ302)、さらに、D/A変換部54
を通じて出力される(ステップ303)。その結果、モ
ジュール60iのゲート電極には、ゲート電圧VGE(i)
して、駆動制御電圧VDi jと同一の値が入力される。
【0102】つぎに、駆動制御電圧VDijに対応したコ
レクタ電流Iiの検出値である電流センス電圧V
CSijが、演算部53へと入力される(ステップ30
4)。その後、演算部53へ力された電流センス電圧V
CSijは、電流算出部501によって、コレクタ電流Iij
へと換算される(ステップ305)。このように、電流
算出部501は、複合モジュール250の使用の際だけ
でなく、使用に先だって行われる変換データの作成の際
にも、較正データ記憶部507に格納された較正データ
を用いて、コレクタ電流Iiの算出を行う。
【0103】つぎに、駆動制御電圧VDijとコレクタ電
流Iijの値が、変換データ記憶部508へと格納される
(ステップ306)。この処理は、変換データ算出部5
06によって実行される。その後、ステップ307にお
いて、変数jが1よりも大きいか否かが判定される。変
数jが1であるとき、すなわち、変換データ記憶部50
8に、モジュール60iに対する駆動制御電圧VDijとコ
レクタ電流Iijの組が、1組しか格納されていないとき
には、処理は、ステップ310へ移行する。
【0104】逆に、変数jが1より大きいとき、すなわ
ち、変換データ記憶部508に、モジュール60iに対
する駆動制御電圧VDijとコレクタ電流Iijの組が、2
組以上格納されているときには、処理は、ステップ30
8へ移行する。ステップ308では、モジュール60i
に関する最も新しい変換データと、その次に新しい変換
データとにもとづいて、乗算係数Ki,j-1が算出され
る。すなわち、 Ki,jー1=(VDij−VDi,jー1)/(Iij−Ii,jー1)・・・・(数式7) が、算出される。その後、算出された乗算係数Ki,j-1
が、変換データ記憶部508へと格納される(ステップ
309)。ステップ308および309の演算処理は、
変換データ算出部506によって実行される。
【0105】つぎに、ステップ310において、変数j
が所定の定数m(≧2)に一致しているか否かが判定さ
れる。変数jが定数mに満たないとき、すなわち、モジ
ュール60iに対するすべての変換データの算出が完了
していないときには、処理はステップ311へと移行
し、変数jが1だけインクリメントされる。すなわち、
つぎの新たな駆動制御電圧VDijが、変換データの算出
の対象とされる。そして、処理は、ステップ302へと
戻る。逆に、変数jが定数mに一致しているとき、すな
わち、モジュール60iに対して、すべての変換データ
が得られているときには、処理はステップ312へ移行
する。
【0106】ステップ312では、変数iがモジュール
601〜60nの個数nへ一致しているか否かが判定され
る。変数iが個数nに満たないとき、すなわち、モジュ
ール601〜60nのすべてに対して、変換データが得ら
れるには至っていないときには、処理はステップ313
へと移行し、変数iが1だけインクリメントされる。す
なわち、つぎの新たなモジュール60iが、変換データ
の算出の対象とされる。その後、処理は、ステップ30
1へと戻る。逆に、変数iが個数nに一致していると
き、すなわち、モジュール601〜60nのすべてに対し
て、変換データが得られているときには、処理は完了す
る(ステップ314)。
【0107】以上のように、各モジュール60iについ
て、動作範囲内で最も高い飽和電圧VCE(sat)HIに対す
る乗算係数Kiが得られる。このため、電流偏差ΔIi
変動を小さく抑え、しかも、速やかにゼロへと収束させ
る制御が実現する。さらに加えて、モジュール601
60nの各々に対して、個別に乗算係数Kiが得られる。
【0108】しかも、スイッチング素子801〜80n
入出力特性における不均一だけでなく、駆動部701
70nの特性上の不均一、および、モジュール601〜6
nに接続される配線のレイアウト等に由来する、これ
らの配線における特性上の不均一も、乗算係数Kiの値
に反映されている。さらに、D/A変換部54などの駆
動制御装置50の内部の装置部分における誤差も、乗算
係数Kiに反映されている。
【0109】したがって、電流不均衡の解消を図る制御
が、このような幅広い不均一や誤差をも考慮した適切な
変換データにもとづいて、実行することが可能となる。
演算部53が、デジタル信号を処理対象としており、特
に、演算部53が、プログラムを格納したメモリと、こ
のプログラムにもとづいて動作するCPUとを備えるた
めに、以上に述べた多種類の不均一や誤差を考慮した複
雑な制御が、容易に実現される。すなわち、簡単な構成
で、様々な誤差要因を吸収した柔軟な制御が、容易に達
成される。
【0110】なお、図18における定数mは、その下限
値である"2"に設定されると、乗算係数Kiとして、駆動
制御電圧VDiに依存しない値が得られる。これに対し
て、定数mを、より大きい値に設定するほど、乗算係数
ijが、より多く得られ、それによって、図17に示し
たグラフの非線形性を、より高い精度で反映した制御が
行われ得る。
【0111】また、図18は、乗算係数Kijの値そのも
のが、変換データ記憶部508へと格納され、格納され
た乗算係数Kijが、図12のステップ106の演算処理
に利用される例を示している。これに対して、定数mを
m≧3に設定した上で、図18のステップ302〜31
1のループをm回反復して得られた乗算係数Kij(j=
1〜m)にもとづいて、周知の内挿法、あるいは、多項
式近似等を用いて、ゲート電圧VGEとともに滑らかに変
化する関数としての乗算係数Ki(VGE)が算出され、
この乗算係数Ki(VGE)が変換データ記憶部508へ
と格納されてもよい。図12のステップ106の演算処
理では、乗算係数Ki(VGE)が用いられる。それによ
って、図17に示したグラフの非線形性を、さらに高い
精度で反映した制御が行われ得る。
【0112】<1-7.実証試験>つぎに、複合モジュール
250の性能を実証するために行われたコンピュータシ
ミュレーションについて説明する。図19は、シミュレ
ーションの対象とされた複合モジュールを示すブロック
図である。この複合モジュール260は、図1に示した
複合モジュール250において、個数nを3に設定した
ものと同等である。3個のモジュール601〜603の負
荷端子V+,V-には、負荷電源261および負荷262
が直列に接続されて成る直列回路が、接続されている。
【0113】モジュール601〜603に、それぞれ備わ
るスイッチング素子は、同一定格のIGBTであり、ここで
は、試料Q1,Q2,Q3と称する。試料Q1,Q2,
Q3のコレクタ電流ICの定格値、すなわち定格電流
は、いずれも、100Aに設定されている。したがって、複
合モジュール260の定格電流は、300Aとなっている。
また、試料Q1,Q2,Q3のゲート電圧VGEの定格
値、すなわち、定格ゲート電圧は、いずれも、15Vに設
定されている。
【0114】さらに、図20が試料Q1,Q2,Q3の
出力特性を示すように、15Vの定格ゲート電圧が印加さ
れたときに、飽和電圧VCE(sat)における代表値3.0Vか
らの偏差が、±10%であると設定されている。すなわ
ち、飽和電圧VCE(sat)における偏差は、試料Q1で
は、+10%、試料Q2では、0%、そして、試料Q3では、
-10%に設定されている。
【0115】図21は、シミュレーションの結果を示す
グラフである。入力信号VINは、100μsecの周期で、ア
クティブレベルとノーマルレベルとの間を反復する。し
たがって、試料Q1,Q2,Q3は、10kHzの周波数
で、オンおよびオフを反復する。さらに、駆動制御装置
50に備わる演算部53(図2)は、図12に示したル
ープを、10μsecの周期で反復する。
【0116】図21に示すように、動作が開始された時
点では、3個の試料Q1,Q2,Q3には、いずれも、
ゲート電圧VGEとして、デフォルト値である15Vが入力
される(図12のステップ101)。その結果、動作が
開始された時点では、複合モジュール260の定格電流
300Aが、試料Q1,Q2,Q3の間で、約±8%の電流不
平衡をもって分担される。このことは、図20のグラフ
からも、明らかである。すなわち、試料Q1,Q2,Q
3のコレクタ電流ICは、それぞれ、IC(Q1)=108A、I
C(Q2)=100A、および、IC(Q3)=92Aとなる。
【0117】演算部53は、図12に示した演算処理を
反復して実行することによって、コレクタ電流ICが、
平均値である100Aよりも小さい試料Q1に対しては、I
C(Q1)を増加させるように、ゲート電圧VGE(駆動制御
電圧VDに一致する)を上昇させ、コレクタ電流ICが、
100Aよりも大きい試料Q3に対しては、IC(Q3)を減少
させるように、ゲート電圧VGEを下降させ、さらに、コ
レクタ電流ICが、100Aと一致する試料Q2に対して
は、IC(Q2)をそのまま維持するように、ゲート電圧V
GEには変化を与えない。
【0118】その結果、図21が示すように、動作開始
時に存在した約±8%の電流不均衡は、わずか、1msecの
後には解消され、3個の試料Q1,Q2,Q3のいずれ
も、定格値の100Aを、互いに等しく負担するようにな
る。しかも、電流不均衡が、解消されるまでの期間(0
〜1msecの期間)において、コレクタ電流IC(Q1)、I
C(Q2)、および、IC(Q3)のいずれも、符号が反転するほ
どの大きな変動を被らない。すなわち、3個の試料Q
1,Q2,Q3のコレクタ電流は、滑らかに、かつ、速
やかに、互いに等しい大きさへと収束する。このよう
に、複合モジュール260を対象としたシミュレーショ
ンを、コンピュータを用いて実行した結果、期待通りの
性能が実証された。
【0119】<1-8.応用例>つぎに、複合モジュール2
50の応用例について説明する。複合モジュール250
は、例えば、コンバータ、チョッパ、インバータなどへ
の利用に、好適である。図22は、複合モジュール25
0の代表的な利用形態であるインバータにおける複合モ
ジュール250と負荷との関係を示す回路図である。こ
のインバータ270では、2個の複合モジュール250
が直列に接続されて成る直列回路が、直流母線P,Nの
間に並列に3個介挿されている。そして、2個の直列の
複合モジュール250の間の接続部が、負荷271へと
接続されている。
【0120】6個の複合モジュール250の各々には、
図示しない外部装置が接続され、この外部装置から、入
力信号VINが入力される。この入力信号VINは、各直列
回路を構成する2個の複合モジュール250が交互にオ
ンおよびオフするように、しかも、3個の直列回路の間
で、動作の位相が120゜ずつずれるように入力され
る。その結果、負荷271が適切に駆動される。
【0121】なお、図22に示される6個の複合モジュ
ール250の各々には、3個のスイッチング素子にそれ
ぞれ接続された3個のダイオードが備わっている。これ
らのダイオードは、スイッチング素子が、オンおよびオ
フ動作を行う際に、逆電流による影響を受けないように
設けられている。
【0122】<2.実施の形態2>図1では、駆動制御装
置50が、並列接続されたモジュール601〜60nの中
の一つである主モジュール601の中に組み込まれてい
る例を示した。しかしながら、駆動制御装置50と並列
接続された複数のモジュールとの間の関係は、図1に示
された形態に限られるものではない。図23は、駆動制
御装置50とモジュールとの関係において、図1とは異
なる形態の一例を示すブロック図である。
【0123】この複合モジュール280では、駆動制御
装置50は、モジュール281〜28nのいずれとも独立
した装置として構成されている。モジュール281〜2
nの各々は、図1に示した副モジュール602〜60n
の各々と同一に構成されていいる。複合モジュール28
0においても、駆動制御装置50は、複合モジュール2
50と同様に動作する。したがって、複合モジュール2
50と同様の効果が得られる。
【0124】複合モジュール250では、駆動制御装置
50がモジュールの一つに一体化されているために、利
用に際して、取り扱いが容易であるという利点が得られ
る。一方、複合モジュール280では、モジュールとし
て、主モジュールと副モジュールの二種類を製造する必
要がなく、同一に構成されたモジュールのみで、複合モ
ジュールを構築することができ、製造コストが節減され
るという利点が得られる。
【0125】<3.変形例>以上の実施の形態では、駆動
制御装置50は、並列に接続されるモジュールの各々に
対して、個別に、較正データおよび変換データが作成で
きるように構成されていた。しかしながら、精度は劣る
が、並列に接続されるモジュールの間で共通する代表値
(例えば、設計値)を、較正データおよび変換データと
して利用するように、駆動制御装置50を構成すること
も可能である。
【0126】この形態では、演算部53は、電流較正部
505および変換データ算出部506を備えなくていな
くてもよい。較正データ記憶部507および変換データ
記憶部508には、駆動制御装置50が接続されること
が予定されているモジュールの定格に応じた設計値が、
較正データおよび変換データとして、製造者の側で、あ
らかじめ書き込まれるとよい。
【0127】このような形態においても、演算部53が
デジタル信号を処理対象とするので、従来のアナログ回
路で行われる制御に比べると、電流不均衡の解消のため
の制御が、より高い精度で達成される。また、負の温度
特性を有するスイッチング素子に対しても、電流不均衡
の解消を図ることができる。
【0128】
【発明の効果】第1の発明の装置では、デジタル信号処
理にもとづいて、並列接続された複数個(n個)のスイ
ッチング素子の電流偏差を縮小するように、制御信号が
反復的に更新される。このため、複数のスイッチング素
子の間の電流不均衡、特に、飽和電圧の不均一に由来す
る電流不均衡の解消が、容易かつ精度良く行われ得る。
このため、正の温度係数を有するスイッチング素子だけ
でなく負の温度係数を有するスイッチング素子に対して
も、電流不均一を解消し、特定のスイッチング素子への
過大な負担の集中を防止することができる。
【0129】第2の発明の装置では、並列接続される複
数個のスイッチング素子の各々ごとに、主電流と電流検
出信号との関係を、個別に規定する較正データにもとづ
いて、主電流への換算が行われるので、主電流検出にお
ける検出特性上の不均一、スイッチング素子と駆動制御
装置とを接続する配線の特性上の不均一などに由来する
誤差を解消して、さらに精度の高い制御が達成される。
【0130】第3の発明の装置では、電流較正部が備わ
るので、較正データの作成が容易に行い得る。特に、ユ
ーザが接続して利用しようとするスイッチング素子ごと
に、ユーザの側で、較正データを作成することが可能で
ある。
【0131】第4の発明の装置では、制御信号が、電流
偏差に比例する量だけ変化するように、更新されるの
で、電流偏差の解消、すなわち、電流不平衡の解消が、
簡単な演算によって実現される。
【0132】第5の発明の装置では、電流偏差と制御信
号の変化量との間の比例関係を、並列接続される複数の
スイッチング素子ごとに規定する変換データを用いて、
制御信号の更新が行われる。このため、複数のスイッチ
ング素子の間での入出力特性の不均一、スイッチング素
子と駆動制御装置とを接続する配線の特性上の不均一な
どに由来する誤差を解消して、さらに精度の高い制御が
達成される。
【0133】第6の発明の装置では、変換データ算出部
が備わるので、変換データの作成が容易に行い得る。特
に、ユーザが接続して利用しようとするスイッチング素
子ごとに、ユーザの側で、変換データを作成することが
可能である。
【0134】第7の発明の装置では、n個のスイッチン
グ素子が動作中に取り得る最大の飽和電圧の下で、変換
データ算出部によって作成された変換データにもとづい
て、制御信号の更新が行われる。このため、電流偏差の
変動を小さく抑え、しかも、速やかにゼロへと収束させ
る制御が実現する。
【0135】第8の発明の装置では、演算部がCPUと
プログラムを格納するメモリとで、等価的に構成される
ので、複雑な回路を用いることなく、様々な誤差要因に
対応した柔軟な制御が、容易に達成される。
【0136】第9の発明のモジュールでは、この発明の
駆動制御装置が、スイッチング素子と電流検出部ととも
に、備わっている。このため、このモジュールと、駆動
制御装置が備わらない従来周知のモジュールとを、並列
に接続することによって、複合モジュールを容易に構築
することができる。すなわち、利用に際して、取り扱い
が容易であるという効果が得られる。
【0137】第10の発明の複合モジュールでは、この
発明の駆動制御装置が、複数のスイッチング素子と複数
の電流検出部とともに、備わっている。このため、複数
のスイッチング素子の間の電流不均衡が、精度良く解消
され、特定のスイッチング素子に負担が偏らない複合モ
ジュールが実現する。
【0138】第11の発明の複合モジュールでは、複数
のスイッチング素子と複数の電流検出部とが、1個ず
つ、個別のケースの中に組み込まれて、モジュールを構
成している。したがって、同一ないし少品種のモジュー
ルを用いて、それらの間を配線などで接続するだけで、
個数nの異なる様々な複合モジュールを、自在に構築す
ることができる。すなわち、製造コストが節減できると
いう効果が得られる。
【0139】第12の発明の複合モジュールでは、複数
のケースの中の一つに、駆動制御装置が、さらに組み込
まれることによって、駆動制御装置を備えるモジュール
が構成されている。このため、駆動制御装置を備えるモ
ジュールと、駆動制御装置を備えないモジュールとを、
並列に接続することによって、複合モジュールを容易に
構築することができる。すなわち、駆動制御装置をモジ
ュールとは別体のものとして扱う必要がないので、組立
て作業が容易であるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の複合モジュールのブロック図
である。
【図2】 実施の形態1の駆動制御装置のブロック図で
ある。
【図3】 実施の形態1の駆動部のブロック図である。
【図4】 実施の形態1の電流検出部の一例のブロック
図である。
【図5】 実施の形態1の電流検出部の他の例のブロッ
ク図である。
【図6】 実施の形態1の電流検出部のさらに別の例の
ブロック図である。
【図7】 実施の形態1の電流検出信号増幅部のブロッ
ク図である。
【図8】 IGBTの出力特性の一例を示すグラフである。
【図9】 3個のIGBTの出力特性の不均一を例示するグ
ラフである。
【図10】 3個のIGBTの入出力特性の不均一を例示す
るグラフである。
【図11】 実施の形態1の演算部のブロック図であ
る。
【図12】 実施の形態1の演算部の動作の手順を示す
流れ図である。
【図13】 実施の形態1のコレクタ電流Iiと電流セ
ンス電圧VCSiとの関係を示すグラフである。
【図14】 較正データを作成するための外部装置を示
す回路図である。
【図15】 実施の形態1の電流較正部の動作の手順を
示す流れ図である。
【図16】 変換データを作成するための外部装置を示
す回路図である。
【図17】 IGBTの入出力特性を例示するグラフであ
る。
【図18】 実施の形態1の変換データ算出部の動作の
手順を示す流れ図である。
【図19】 シミュレーションの対象とされた複合モジ
ュールのブロック図である。
【図20】 シミュレーションの対象とされた複合モジ
ュールに備わるIGBTの出力特性を示すグラフである。
【図21】 シミュレーションの結果を示すグラフであ
る。
【図22】 複合モジュールの利用形態を例示する回路
図である。
【図23】 実施の形態2の複合モジュールのブロック
図である。
【符号の説明】
50 駆動制御装置、52 A/D変換部、53 演算
部、54 D/A変換部、801〜80n スイッチング
素子、901〜90n 電流検出部、281〜28n,60
1〜60n モジュール、250,260 複合モジュー
ル、501電流算出部、502 電流偏差算出部、50
3 制御信号算出部、505 電流較正部、506 変
換データ算出部、507 較正データ記憶部、508
変換データ記憶部、IC,I1〜In コレクタ電流(主
電流)、ΔI1〜ΔIn 電流偏差、VCE(sat) 飽和電
圧、VCS1〜VCSn 電流センス電圧(電流検出信号)、
D1〜VDn 駆動制御電圧(制御信号)、VGE ゲート
電圧(制御信号)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 光孝 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H740 BA11 BB02 BB09 JA01 JA23 JA25 JA28 JA29 MM11 MM18 5J055 AX11 BX16 CX07 CX19 DX04 DX09 DX22 DX73 EX07 EX11 EY01 EZ05 EZ07 EZ09 EZ24 EZ29 EZ30 EZ39 FX04 FX31 FX32 GX01 GX02 GX03 GX06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 並列接続されたn(≧2)個のスイッチ
    ング素子に接続して使用され、前記n個のスイッチング
    素子のn個の主電流の検出値であるn個の電流検出信号
    にもとづいて、前記n個の主電流の大きさをそれぞれ制
    御するn個の制御信号を反復的に更新して、前記n個の
    スイッチング素子へと供給する駆動制御装置において、 前記n個の電流検出信号を、アナログ形式からデジタル
    形式へと変換するA/D変換部と、 デジタル形式の前記n個の電流検出信号にもとづいて、
    デジタル演算処理を実行することにより、前記n個の制
    御信号を算出する演算部と、 前記演算部で算出された前記n個の制御信号を、デジタ
    ル形式からアナログ形式へと変換するD/A変換部と、
    を備え、 前記演算部は、 デジタル形式の前記n個の電流検出信号を前記n個の主
    電流へと、それぞれ換算する電流算出部と、 前記電流算出部で換算された前記n個の主電流の平均値
    を算出し、前記n個の主電流の前記平均値からの差であ
    るn個の電流偏差を算出する電流偏差算出部と、 前記n個の電流偏差の各々が縮小する方向に前記n個の
    制御信号を更新する制御信号算出部と、を備える駆動制
    御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の駆動制御装置におい
    て、 前記n個の電流検出信号と前記n個の主電流とのそれぞ
    れの間の関係を、前記n個のスイッチング素子の各々ご
    とに個別に規定する較正データを、格納可能な較正デー
    タ記憶部を、さらに備え、 前記電流算出部は、前記較正データ記憶部に格納される
    前記較正データにもとづいて、前記n個の電流検出信号
    を前記n個の主電流へと換算する駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の駆動制御装置におい
    て、 前記演算部は、 前記n個のスイッチング素子の各々に対して、与えられ
    たk(≧1)個の主電流に対するk個の電流検出信号に
    もとづいて、前記較正データを作成し、前記較正データ
    記憶部へと格納する電流較正部を、さらに備える駆動制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の駆動制御装置において、 前記制御信号算出部は、前記n個の電流偏差に、それぞ
    れ比例した量だけ変化するように、前記n個の制御信号
    を更新する駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の駆動制御装置におい
    て、 前記n個の電流偏差と前記n個の制御信号の変化量との
    それぞれの間の比例関係を、前記n個のスイッチング素
    子の各々ごとに個別に規定する変換データを、格納可能
    な変換データ記憶部を、さらに備え、 前記制御信号算出部は、前記変換データ記憶部に格納さ
    れる前記変換データにもとづいて、前記n個の電流偏差
    に、それぞれ比例した量だけ変化するように、前記n個
    の制御信号を更新する駆動制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の駆動制御装置におい
    て、 前記演算部は、 前記n個のスイッチング素子に共通に付与される飽和電
    圧の下で、前記n個のスイッチング素子の各々につい
    て、m(≧2)個の制御信号を出力し、その結果前記電
    流算出部によって得られたm個の主電流と、出力した前
    記m個の制御信号とにもとづいて、主電流と制御信号の
    間の変化率として、前記変換データを作成し、前記変換
    データ記憶部へと格納する変換データ算出部を、さらに
    備える駆動制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の駆動制御装置におい
    て、 前記変換データ記憶部は、前記n個のスイッチング素子
    が動作中に取り得る最大の飽和電圧の下で、前記変換デ
    ータ算出部によって作成された前記変換データを格納し
    ている駆動制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載の駆動制御装置において、 前記演算部が、プログラムにもとづいて動作するCPU
    と、前記プログラムを格納するメモリとを備え、前記演
    算部に含まれる各部は、前記CPUと前記メモリとによ
    って、等価的に構成される駆動制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の駆動制御装置と、 前記n個のスイッチング素子の一つとしての主素子と、 当該主素子の主電流を検出し電流検出信号を出力する電
    流検出部と、を備え、 前記駆動制御装置には、前記n個の電流検出信号の一つ
    として、前記電流検出部が出力する前記電流検出信号が
    入力され、 前記駆動制御装置は、前記n個の制御信号の一つを、前
    記主素子へ供給するモジュール。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項8のいずれかに
    記載の駆動制御装置と、 前記n個のスイッチング素子と、 これらn個のスイッチング素子のn個の主電流を、それ
    ぞれ検出することにより、前記n個の電流検出信号を得
    て、前記駆動制御装置へと供給するn個の電流検出部
    と、を備え、 前記駆動制御装置は、前記n個の制御信号を、前記n個
    のスイッチング素子へ、それぞれ供給する複合モジュー
    ル。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の複合モジュールに
    おいて、 前記n個のスイッチング素子と、前記n個の電流検出部
    とが、n個のケースの中に、それぞれ、個別に組み込ま
    れており、 前記n個の電流検出部の各々は、前記n個のスイッチン
    グ素子の中で、同一のケースに組み込まれたスイッチン
    グ素子の主電流を検出する複合モジュール。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の複合モジュールに
    おいて、 前記n個のケースの中の一つに、前記駆動制御装置が、
    さらに組み込まれている複合モジュール。
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