JP5315386B2 - 温度測定回路 - Google Patents

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本発明は、温度測定用の半導体ダイオードを用いて温度を測定する技術に係り、特に、精度良く温度を測定するための技術に関する。
IGBT等の半導体装置では、動作中の過熱から半導体装置を保護するために温度を精度良く検出する必要がある。半導体装置の温度検出には、温度検出用のpn接合型の半導体ダイオードや抵抗が用いられており、特に半導体ダイオードは、IGBT等の半導体装置のチップ内に作製できるため広く使用されている。
半導体ダイオードを用いた温度測定回路について概説すると、一般に、温度測定回路は、半導体装置と同一基板に設けられた半導体ダイオードと、この半導体ダイオードの順方向に定電流を印加する定電流回路と、定電流印加時のアノード−カソード間電圧(以下、両端電圧Vと言う)を検出する検出回路と、この検出回路のアナログ出力を読み込みデジタル信号に変換して出力するAD変換器と、を備え、AD変換器のデジタル信号出力で示される両端電圧VFと、定電流値Iとの次式に示す温度依存性の関係式に基づいて温度(絶対温度)Tを算出している。



ただし、kはボルツマン定数、qは電子の電荷、Iは定電流値、Iはダイオード飽和電流密度である。
従来の温度測定回路においては、温度検出精度が悪化する要因として次の4つの要因が挙げられる。すなわち、半導体ダイオードの特性バラツキ(個体差)、及び値の小さな温度係数(第1要因)、検出回路及び定電流回路に供給される電源電圧の変動(第2要因)、定電流回路の定電流値のバラツキ(個体差)(第3要因)、AD変換の際に生じるAD変換誤差(第4要因)である。
第1要因の半導体ダイオードの特性バラツキは、主にダイオード飽和電流密度Iの個体差に起因する。そこで、定電流値Iが異なる2つの定電流回路と、各定電流を選択的に切り替えて半導体ダイオードに印加する切替回路とを温度測定回路に設け、それぞれの定電流を印加したときに得られた各両端電圧の差に基づいて温度を算出することで、ダイオード飽和電流密度Isの影響を無くして温度を算出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、2つの定電流回路の定電流値をI、Iとし、それぞれの定電流値I、Iでの両端電圧をVF1、VF2とすると、これら両端電圧VF1、VF2は次式のように表される。




そして両端電圧VF1、VF2の差を求めると、



となり、温度Tで展開すると



が得られる。この式ではダイオード飽和電流密度Iの項が消去されているため、第1要因の影響を抑えて、精度良く温度Tが求められる。
特開2004−134472号公報
しかしながら、従来の温度測定回路では、少なくとも2つの定電流回路と、それらを切り替えて半導体ダイオードに印加する切替回路が必要となるため、部品点数増加、実装面積の増大、及びコストアップが問題となる。
また、2つの定電流値I、Iのうちの大きい方の定電流値は、その値が大きいと、半導体ダイオードの抵抗成分が影響し、理想的な半導体ダイオードの上記温度特性の式からのズレが大きくなるため、あまり大きな値を用いることができない。一方、小さい方の電流値については、半導体ダイオードを用いた温度検出ではノイズ電流の影響を受け易いことから、あまり小さな電流値を用いることもできない。すなわち、2つの定電流値I、Iの下限、及び上限には制限があるため、これらの定電流値I、Iの差を大きくするには限度があり、両者が近い値だと、これらの定電流値I、Iの印加によって生じた両端電圧をVF1、VF2の差が非常に小さくなりAD変換器で認識できない、という問題もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、半導体ダイオードを用いて精度良く温度を検出することができる温度測定回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、温度測定用の半導体ダイオードと、前記半導体ダイオードに印加する定電流を電源電圧に基づいて生成する定電流回路と、前記定電流の印加によって前記半導体ダイオードのアノード−カソード間に生じる両端電圧を、前記電源電圧をフルスケール電圧として所定ビット数のデジタル値に変換して出力するAD変換器と、前記定電流回路によって印加された定電流の定電流値、及び前記AD変換器から出力された前記両端電圧のデジタル変換値に基づいて温度を算出する温度測定回路において、前記電源電圧に基づき定電圧の基準電圧を生成し前記AD変換器に出力する基準電源を備え、前記基準電圧の入力によって前記AD変換器から出力された前記基準電圧のデジタル変換値と、前記電源電圧に変動成分が含まれない場合に前記AD変換器から出力される前記基準電圧のデジタル変換値とに基づいて、前記変動成分を含む前記電源電圧の電圧値を算出し、当該電圧値により前記両端電圧のデジタル変換値、及び前記定電流の定電流値を補正して前記温度を算出する、ことを特徴とする。
本発明によれば、基準電圧の入力によってAD変換器から出力された基準電圧のデジタル変換値と、電源電圧に変動成分が含まれない場合にAD変換器から出力される基準電圧のデジタル変換値とに基づいて、変動成分を含む電源電圧の電圧値を算出し、この変動成分を含む電源電圧の電圧値により、AD変換器から出力される両端電圧のデジタル変換値、及び定電流回路が出力する定電流の定電流値のそれぞれが補正されることから、電源電圧の変動に起因して生じるAD変換誤差、及び定電流値のバラツキを補正した温度が正確に算出される。
さらに、2つの定電流値を用いて温度を測定する従来の技術に比べ、定電流値として1つの値だけを用いれば良いので、2つの定電流値の差が大きくなるように各定電流値を設定するという制限が無いため、当該定電流値の設定が容易となる。
また本発明は、上記温度測定回路において、前記電源電圧の変動成分の有無にかかわらずに前記定電流回路に起因して前記定電流値に含まれる誤差成分と、前記電源電圧の変動成分を含む電圧値とに基づいて前記定電流値を補正する、ことを特徴とする。
本発明によれば、定電流値については、電源電圧の変動成分の有無にかかわらずに定電流回路に起因して定電流値に含まれる誤差成分も補正されることから、より正確な温度が求められる。
また本発明は、上記温度測定回路において、前記電源電圧の変動成分の有無にかかわらずに前記AD変換器に起因して含まれる誤差成分と、前記電源電圧の変動成分を含む電圧値とに基づいて前記両端電圧のデジタル変換値を補正する、ことを特徴とする。
本発明によれば、両端電圧のデジタル変換値については、電源電圧の変動成分の有無にかかわらずにAD変換器に起因して含まれる誤差成分も補正されることから、より正確な温度が求められる。
本発明によれば、基準電圧の入力によってAD変換器から出力された基準電圧のデジタル変換値と、電源電圧に変動成分が含まれない場合にAD変換器から出力される基準電圧のデジタル変換値とに基づいて、変動成分を含む電源電圧の電圧値を算出し、この変動成分を含む電源電圧の電圧値により、AD変換器から出力される両端電圧のデジタル変換値、及び定電流回路が出力する定電流の定電流値のそれぞれが補正されることから、電源電圧の変動に起因して生じるAD変換誤差、及び定電流値のバラツキを補正した温度が正確に算出される。
また本発明において、前記電源電圧の変動成分の有無にかかわらずに前記定電流回路に起因して前記定電流値に含まれる誤差成分と、前記電源電圧の変動成分を含む電圧値とに基づいて前記定電流値を補正することで、定電流値については、電源電圧の変動成分の有無にかかわらずに定電流回路に起因して定電流値に含まれる誤差成分も補正されることから、より正確な温度が求められる。
また本発明において、前記電源電圧の変動成分の有無にかかわらずに前記AD変換器に起因して含まれる誤差成分と、前記電源電圧の変動成分を含む電圧値とに基づいて前記両端電圧のデジタル変換値を補正することで、両端電圧のデジタル変換値については、電源電圧の変動成分の有無にかかわらずにAD変換器に起因して含まれる誤差成分も補正されることから、より正確な温度が求められる。
本発明の実施形態に係る温度測定回路の構成を示す図である。 基準電源の回路図である。 定電流回路の回路図である。 温度測定回路の温度測定結果を示す図であり、(A)は補正無しの場合、(B)は補正ありの場合を示す。 定電流回路の変形例に係る回路図である。 定電流回路の変形例に係る回路図である。 定電流回路の変形例に係る回路図である。 定電流回路の変形例に係る回路図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る温度測定回路1の構成を示す図である。
温度測定回路1は、温度測定対象のIGBT等の半導体装置の回路基板3に設けられ、当該回路基板3の温度Tを測定する回路である。すなわち、温度測定回路1は、図1に示すように、半導体ダイオード5と、定電流回路7と、基準電源9と、マイコン11とを備え、定電流回路7、基準電源9、及びマイコン11が電源電圧HVccを電源として動作する。
半導体ダイオード5は、回路基板3に実装された温度測定用のpn接合ダイオードであり、アノード5Aには定電流回路7が接続され、カソード5Bには基準電位(グランド)に接続されている。定電流回路7によって定電流が印加されたときには、アノード−カソード間電圧(以下、両端電圧V)がマイコン11に出力される。
定電流回路7は、温度測定時に、半導体ダイオード5の順方向に定電流値Iの定電流を印加する回路であり、その回路構成については後述する。
基準電源9は、電源電圧HVccの変動の影響を受けずに所定の基準電圧Vrefを生成してマイコン11に入力するものである。
具体的には、図2に示すように、基準電源9は、定電圧回路として構成されている。すなわち、電力をチャージして基準電圧Vrefを出力する容量20と、この容量20の蓄電量を制御するトランジスタ21と、電源電圧HVccを抵抗Ra、Rbで分圧した電圧Vsと、容量20が出力する基準電圧Vrefとを比較し、両者が常に等しくなるようにトランジスタ21に制御信号を出力する誤差増幅器としてのオペアンプ22とを備えている。
この基準電源9では、電源電圧HVccに変動成分ΔHVccが含まれた場合でも、オペアンプ22の制御によって出力電圧が基準電圧Vrefに維持される。
ただし、基準電源9では、電源電圧HVccを分圧する抵抗Ra、Rbの製造誤差や抵抗素子の温度特性等に起因して、抵抗Ra、Rbの抵抗値に誤差ΔRa、ΔRbが含まれる。このため、基準電源9が出力する基準電圧Vrefの実際の値には、設計値からの多少の誤差成分ΔVrefが含まれる。この基準電圧Vrefの誤差成分ΔVrefについては、予め実測されて後述するメモリ17に格納されている。
前掲図1に戻り、マイコン11は、両端電圧V、及び基準電圧Vrefの入力ごとに設けられたAD変換器13と、CPU15と、メモリ17とを備え、CPU15、及びAD変換器13は、電源電圧HVccにより動作する。AD変換器13は、電源電圧HVccをフルスケールとして入力電圧を所定ビット数のデジタル信号に変換するAD変換を行うものであり、本実施形態では、両端電圧V、及び基準電圧Vrefのデジタル変換値X(V)、及びデジタル変換値X(Vref)をCPU15に出力する。
なお、以下の説明においては、あくまで一例として、AD変換器13の分解能を10ビットとして説明する。
CPU15は、両端電圧Vのデジタル変換値X(V)について、AD変換器13の特性による誤差、及び電源電圧HVccの変動による誤差を補正する処理を行うとともに、電源電圧HVccの変動に基づき定電流値Iを補正する処理を行い、これら補正後のデジタル変換値X(V)、及び定電流値Iに基づいて温度Tを算出し、半導体装置に実装された他のマイコン、或いは上位のコンピュータ等に出力する。この温度Tの算出については後に詳述する。メモリ17は、当該温度Tの算出に要する各種パラメータを予め記憶する。
ここで、上記電源電圧HVccは、入力電力を電力変換する図示せぬ電源回路から供給されるが、当該電源回路への入電力が変動すると、これに応じて電源電圧HVccも変動する。
例えば、温度測定回路1が電気自動車のモータを制御するインバータ回路等の半導体装置に設けられている場合、上記電源電圧HVccは、車両が搭載するバッテリの電力をDC/DCコンバータによって直流電圧に変換し、平滑・変圧して生成される。
しかしながら、バッテリが出力する電圧は、バッテリの残容量、バッテリの経時変化、負荷変動、及びバッテリの温度等により変動する。特に、車載のバッテリにあっては、バッテリが放電する電圧は車両という使用条件の特性から変動しやすく、DC/DCコンバータを通じて生成される電源電圧HVccも、上記の要因により変動する。
上記AD変換器13、及び定電流回路7は、電源電圧HVccに基づいて動作しているため、電源電圧HVccが変動すると、デジタル変換値、及び定電流値に誤差が生じる。
そこで本実施形態では、AD変換器13が出力するデジタル変換値Xについて、AD変換器13の電源電圧HVccの変動に起因する誤差をCPU15によって効率よく補正して両端電圧Vについて高精度のデジタル変換値X(V)を得るとともに、電源電圧HVccの変動分を補正した定電流値Iを求め、これらの値を用いて、電源電圧HVccの変動に起因した誤差の影響無く温度を算出することとしている。
以下、係る構成について詳述する。
AD変換器13の分解能は上記の通り10bitとする。AD変換器13に入力電圧として基準電圧Vrefが入力された場合、AD変換器13は、電源電圧HVccをフルスケールとして10bitで基準電圧Vrefをデジタルデータに変換し、デジタル変換値X(Vref)を出力する。このデジタル変換値X(Vref)は、次式(1)により表される。
ただし、後述のように、実際には、AD変換器13でのAD変換時には電源電圧HVccの電圧変動△HVccに起因する誤差を生じることから、この誤差に起因してデジタル変換値X(ref)の値も変わる。式(1)では、デジタル変換値X(Vref)に「ideal」という添字を付すことで、かかる誤差を考慮しない理想的なAD変換であることを明示している。
AD変換に含まれる誤差としては、電源電圧HVccの変動に起因する誤差の他に、AD変換器13の回路が持つ特性に起因する量子化誤差といった、電源電圧HVccの変動にかかわらずに生じる誤差が挙げられる。
すなわち、電源電圧HVccが通常動作用に供給される電源である場合、変動成分ΔHVccを含むので、電源電圧HVccの正味の値はHVcc+ΔHVccと表され、またAD変換器13の回路が持つ特性に起因する誤差は、大凡±1〜3LSB(LSB:Least Significant Bit)程度であることが一般的であることから、通常動作時のデジタル変換値X(Vref)は、次式(2)で表される。ただし、(2)式では、AD変換器13の回路の特性に起因する誤差を±3LSBと設定した。
なお、変動成分ΔHVccは正の値と負の値のどちらでも取り得る値であり、通常動作用の電源電圧HVccが降下する方向に変動して「HVcc+ΔHVcc」がHVccより低電圧になることも勿論あり得る。
また、基準電源9の回路定数の誤差等に起因して基準電圧Vrefには、図2を参照して説明した誤差成分ΔVrefが含まれることを考慮すると、式(2)は次式(3)のように表される。
これら式(1)、及び式(3)を用いると、変動成分ΔHVccを含む正味の電源電圧HVcc+ΔHVccは、次式(4)のように表される。
この式(4)においては、電源電圧HVcc、基準電圧Vref、基準電圧Vrefは設計値であり、かかる設計値に基づいてAD変換したときの理想的なデジタル変換値X(Vref)idealが一義的に求められ、またLSBについても、AD変換のビット数等で一義的に決定される値であり、これらの値がマイコン11のメモリ17に予め格納されている。また、基準電圧Vrefの誤差成分ΔVrefは、基準電源9の出力電圧を実測し基準電圧Vrefの設計値との差分を計算することで予め求められ、この誤差成分ΔVrefも上記メモリ17に予め格納されている。
したがって、基準電圧Vrefを実測したデジタル変換値X(Vref)realが得られれば、上記式(4)に基づいて、電源電圧HVccについて、そのときの変動成分ΔHVccを含んだ正味の値(HVcc+ΔHVcc)が求められることとなる。
なお、基準電圧Vrefのデジタル変換値X(Vref)idealについては、設計値から値を求めるのではなく、変動成分ΔHVccが含まれていない理想的な電源電圧Vccとみなせる程度の高精度の定電圧源をAD変換器13に接続するとともに、同様に高精度の基準電圧VrefをAD変換器13に接続して実測することで求めても良い。
さて、温度測定時には、半導体ダイオード5の両端電圧VがAD変換器13に入力されてデジタル変換値X(VF)にAD変換される。このとき、上記(3)式に示す通り、AD変換時には、電源電圧HVccの変動の影響を受けてAD変換誤差が生じることとなり、両端電圧Vのデジタル変換値X(V)realは次式(5)のようになる。
一方、AD変換器13が出力するデジタル変換値Xを、誤差の無い値に変換する補正係数Kは、式(1)、及び式(3)に基づいて、次式(6)のように表される。この式(6)において、「HVcc+ΔHVcc」を除く他のパラメータについてはメモリ17に予め格納されており、また「HVcc+ΔHVcc」については、基準電圧Vrefを実測したデジタル変換値X(Vref)realに基づき上記(4)式から求められることから、そのときの電源電圧HVccの変動を加味した補正係数Kが正確に求められる。
したがって、両端電圧Vのデジタル変換値X(V)realは、次式(7)に示すように、補正係数Kを用いて、電源電圧HVccの変動成分ΔHVcc、及びAD変換器13の特性に起因して含まれる誤差を補正したデジタル変換値X(V)correctに変換し、両端電圧Vについて正確な値が得られることとなる。
次いで、定電流回路7の定電流値Iの補正について説明する。
図3は定電流回路7の一例を示す回路図である。
定電流回路7は、エミッタに流れ込む電流をコレクタに出力するPNPトランジスタ31と、このPNPトランジスタ31を制御するオペアンプ30と、抵抗Rc、Rd、Re、Rf、Rgを備えている。オペアンプ30には、電源電圧HVcc+ΔHVccを抵抗Rc、Rdで分圧した電圧Vtが設定電圧として入力され、またPNPトランジスタ31のエミッタの電圧が帰還電圧として入力され、これらの電圧差である入力オフセット電圧Vosがゼロになるように、PNPトランジスタ31を制御することで、当該PNPトランジスタ31のコレクタから出力される電流を一定の定電流値Iに維持する。
この定電流値Iは、エミッタと電源電圧HVcc+ΔHVcc間の抵抗Reと、エミッタの設定電圧である上記電圧Vtとに基づいて規定される。すなわち、電圧Vtは、次式(8)によって表されることから、この電圧Vtを抵抗Reで除することで定電流値Iが求められる。
しかしながら、実際には、定電流値Iは、電源電圧HVccの変動成分ΔHVccの有無にかかわらず、オペアンプ30への入力バイアス電流Ibに起因する誤差、入力オフセット電圧Vosの温度特性に起因する誤差、及びPNPトランジスタ31のベース電流IBに起因する誤差といったように、定電流回路7に起因する各種の誤差の影響を受ける。これらの誤差を考慮すると、定電流値Iは、次式(9)のように表される。
なお、式(9)において、項(A)〜項(C)が定電流回路7に起因する誤差を補正するものであり、入力バイアス電流Ibをパラメータに含む項(A)が入力バイアス電流Ibに起因する誤差を示し、入力オフセット電圧Vosをパラメータに含む項(B)が入力オフセット電圧Vosの温度特性に起因する誤差を示す。またPNPトランジスタ31のhfeパラメータを含む項(C)がベース電流IBに起因する誤差を示している。
この式(9)において、抵抗Rc、Rd、Re、及び項(A)〜項(C)を予め実測しておき、その値をメモリ17に格納しておくことで、上述の式(4)から求まる「HVcc+ΔHVcc」を用いて、電源電圧HVccの変動成分ΔHVccを反映した実際の(実際にバラツキのある)定電流値Iを算出することができる。
マイコン11は、温度測定時には、基準電源9の基準電圧Vrefを取り込みAD変換してデジタル変換値X(Vref)realを取得し上記式(4)に基づいて、変動分を加味した正味の電源電圧HVcc+ΔHVccを求め、この電源電圧HVcc+ΔHVccを用いて上記式(7)、及び式(9)に基づいて、補正後の正確な両端電圧V、及び定電流値Iを算出し、これらの値を用いて温度Tを算出する。
温度Tの算出について具体的には、半導体ダイオード5の特性式は、Isをダイオード飽和電流密度、Aを固定定数、Egをバンドギャップエネルギーとすると、アノード−カソード間の電流値Ia、及びダイオード飽和電流密度Isは、それぞれ式(10)、(11)のように表され、これら式(10)、(11)から式(12)が得られる。
そして、この式(12)を温度Tについて展開し、電流値Ia=定電流値Iとすると、式(13)が得られる。
マイコン11は、この式(13)に、上記補正後の両端電圧V、及び定電流値Iを代入することで温度Tを算出する。上述の通り、両端電圧V、及び定電流値Iのそれぞれの値には、電源電圧HVccの変動に基づく誤差に加え、AD変換器13、及び定電流回路7に起因して生じる誤差を補正した値が用いられるため、AD変換時の誤差、及び定電流値Iのバラツキを補正した正確な温度Tが求められる。
図4は温度測定回路1の温度測定結果を示す図であり、図4(A)は両端電圧V、及び定電流値Iを補正せずに温度Tを算出した場合を示し、図4(B)は両端電圧V、及び定電流値Iを補正して温度Tを算出した場合を示す。なお、同図において、「最大温度」は温度測定時の正の誤差値を示し、「最小温度」は負の誤差値を示す。すなわち「最大温度」と「最小温度」の間が正負の検出誤差の誤差範囲を示す。
図4(A)及び図4(B)の対比から明らかなように、両端電圧V、及び定電流値Iを補正して温度Tを算出することで、補正せずに算出した場合に比べて、全体的に検出誤差の誤差範囲を小さくし、温度Tの精度が高められている。
このように、本実施形態によれば、基準電圧Vrefの入力によってAD変換器13から出力された基準電圧Vrefのデジタル変換値X(Vref)realと、電源電圧HVccに変動成分ΔHVccが含まれない場合にAD変換器13から出力される基準電圧Vrefのデジタル変換値X(Vref)idealとに基づいて、変動成分ΔHVccを含む電源電圧HVccの電圧値「HVcc+ΔHVcc」を算出し、この電圧値「HVcc+ΔHVcc」により、AD変換器13から出力される両端電圧Vのデジタル変換値X(V)real、及び定電流回路7が出力する定電流の定電流値Iのそれぞれを補正する構成としたため、電源電圧HVccの変動に起因して生じるAD変換誤差、及び定電流値Iのバラツキを補正した温度Tが正確に算出される。
さらに、従来の温度測定回路のように、互いに異なる定電流値の定電流を半導体ダイオードに印加する複数の定電流回路や、印加する定電流を切り替えるための切替回路を必要としないため、部品点数、実装面積の削減が可能となる。また、互いに異なる2つの定電流値を用いて温度を測定する場合には、2つの定電流値の差が大きくなるように各定電流値を設定するという制限が生じるが、本実施形態では、定電流値Iとして1つの値だけを用いれば良いので、当該定電流値Iの設定が容易となる。
また本実施形態によれば、定電流値Iについては、電源電圧HVccの変動成分ΔHVccの有無にかかわらずに定電流回路7に起因して定電流値Iに含まれる誤差成分(例えば式(9)の項(A)〜(C))も補正する構成としたため、より正確な温度が求められる。
さらに本実施形態によれば、両端電圧Vのデジタル変換値X(V)realについては、電源電圧HVccの変動成分ΔHVccの有無にかかわらずにAD変換器13に起因して含まれる誤差成分(例えば、式(3)の±3LSB)も補正されることから、より正確な温度が求められる。
なお、上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば上述した実施形態において、定電流回路7には、電源電圧HVccを電源として一定電流を生成して出力する回路であれば任意の回路を用いることができ、例えば以下のような回路を用いることができる。
図5に示す定電流回路107は、NPNトランジスタ40、及び抵抗Rm1、Rm2、及びRm3を備え、電源電圧HVcc+ΔHVccを抵抗Rm1、Rm2で分圧した電圧を、抵抗Rm3で除した値の定電流値IをNPNトランジスタ40のエミッタに出力する回路であり、NPNトランジスタ40のコレクタに半導体ダイオード5が接続される。
ただし、NPNトランジスタ40のベース電流IBに起因する誤差、及びNPNトランジスタ40のベース−エミッタ間電圧Vbeを考慮すると、実際の定電流値Iは、式(14)のように表され、この式(14)を用いて、バラツキを反映した実際の定電流値Iが算出される。
図6に示す定電流回路207は、図5に示す定電流回路107のNPNトランジスタ40を、PNPトランジスタ41に代えることで、定電流を半導体ダイオード5(負荷)にはき出す、いわゆる吐き出し型の回路として構成したものである。すなわち、定電流回路207は、PNPトランジスタ41、及び抵抗Rm1、Rm2、及びRm3を備え、電源電圧HVcc+ΔHVccを抵抗Rm1、Rm2で分圧した電圧を、抵抗Rm3で除した値の定電流値IをPNPトランジスタ41のコレクタに出力し、PNPトランジスタ41のエミッタに半導体ダイオード5が接続される。
この定電流回路207においても、PNPトランジスタ41のベース電流IBに起因する誤差、及びPNPトランジスタ41のベース−エミッタ間電圧Vbeを考慮すると、実際の定電流値Iは、上記定電流回路107の式(14)と同一の式(15)のように表され、この式(15)を用いて、バラツキを反映した実際の定電流値Iが算出される。
図7に示す定電流回路307は、バイポーラトランジスタを使用せずに構成した定電流回路であり、オペアンプ50と、抵抗Rm1、Rm2、Rm3、Rとを備えている。オペアンプ50には、電源電圧HVcc+ΔHVccを抵抗Rm1、Rm2で分圧した電圧が設定電圧として入力されるとともに、出力電流を抵抗Rmsに流したときの電圧Viが帰還され、これらの電圧の差を無くすよう動作することで、出力電流が一定の定電流値Iに維持される。この定電流回路307の定電流値Iは、式(16)のように表され、この式(16)を用いて、バラツキを反映した実際の定電流値Iが算出される。
図8に示す定電流回路407は、上述した実施形態で説明した定電流回路7のPNPトランジスタ31をNPNトランジスタ43に代えることで、定電流を半導体ダイオード5(負荷)から吸い込む、いわゆる吸い込み型の回路として構成したものである。すなわち、定電流回路407は、NPNトランジスタ43、オペアンプ51、及び抵抗Rm1、Rm2、及びRmsを備え、電源電圧HVcc+ΔHVccを抵抗Rm1、Rm2で分圧した電圧を、抵抗Rmsで除した値の定電流値IがNPNトランジスタ43のコレクタに接続された半導体ダイオード5から吸い出されエミッタに出力される。
この定電流回路407においては、オペアンプ51への入力バイアス電流Ibに起因する誤差、入力オフセット電圧Vosの温度特性に起因する誤差、及びNPNトランジスタ43のベース−エミッタ電流Ibeに起因する誤差といったように、定電流回路407に起因する各種の誤差を考慮すると、実際の定電流値Iは式(17)のように表され、この式(17)を用いて、バラツキを反映した実際の定電流値Iが算出される。
また例えば、上述した実施形態において、基準電源9の基準電圧Vref、及び半導体ダイオード5の両端電圧VごとにAD変換器13を設ける構成としたが、これに限らず、1つのAD変換器13に基準電源9の基準電圧Vref、及び半導体ダイオード5の両端電圧Vを切り替えて入力する構成としても良い。
1 温度測定回路
5 半導体ダイオード
7、107、207、307、407 定電流回路
9 基準電源
11 マイコン
13 AD変換器
15 CPU
17 メモリ
HVcc 電源電圧
I 定電流値
K 補正係数
T 温度
両端電圧
ref 基準電圧
X デジタル変換値
ΔHVcc 変動成分
ΔVref 誤差成分

Claims (3)

  1. 温度測定用の半導体ダイオードと、
    前記半導体ダイオードに印加する定電流を電源電圧に基づいて生成する定電流回路と、
    前記定電流の印加によって前記半導体ダイオードのアノード−カソード間に生じる両端電圧を、前記電源電圧をフルスケール電圧として所定ビット数のデジタル値に変換して出力するAD変換器と、
    前記定電流回路によって印加された定電流の定電流値、及び前記AD変換器から出力された前記両端電圧のデジタル変換値に基づいて温度を算出する温度測定回路において、
    前記電源電圧に基づき定電圧の基準電圧を生成し前記AD変換器に出力する基準電源を備え、
    前記基準電圧の入力によって前記AD変換器から出力された前記基準電圧のデジタル変換値と、前記電源電圧に変動成分が含まれない場合に前記AD変換器から出力される前記基準電圧のデジタル変換値とに基づいて、前記変動成分を含む前記電源電圧の電圧値を算出し、当該電圧値により前記両端電圧のデジタル変換値、及び前記定電流の定電流値を補正して前記温度を算出する、ことを特徴とする温度測定回路。
  2. 前記電源電圧の変動成分の有無にかかわらずに前記定電流回路に起因して前記定電流値に含まれる誤差成分と、前記電源電圧の変動成分を含む電圧値とに基づいて前記定電流値を補正する、ことを特徴とする請求項1に記載の温度測定回路。
  3. 前記電源電圧の変動成分の有無にかかわらずに前記AD変換器に起因して含まれる誤差成分と、前記電源電圧の変動成分を含む電圧値とに基づいて前記両端電圧のデジタル変換値を補正する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の温度測定回路。
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